JP5215043B2 - 金属の表面処理用処理液及び表面処理方法 - Google Patents

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本発明は、自動車車体に代表される様な鉄系材料、亜鉛系材料、アルミニウム系の2種乃至3種からなる構造物の金属材料表面に塗装後の耐食性に優れる表面処理皮膜を析出させることを可能とする表面処理用処理液、及び表面処理方法に関する。
金属表面に塗装後の耐食性に優れる表面処理皮膜を析出させる手法としては、りん酸亜鉛処理法やクロメート処理法が現在一般に用いられている。りん酸亜鉛処理法は、冷延鋼板等の鋼、亜鉛めっき鋼板及び一部のアルミニウム合金表面に耐食性に優れる皮膜を析出させることができる。しかしながら、りん酸亜鉛処理を行う際には、反応の副生成物であるスラッジの発生が避けられず、且つアルミニウム合金の種類によっては塗装後の耐糸錆性を十分に確保することができない。アルミニウム合金に対しては、クロメート処理を施すことによって十分な塗装後の性能を確保することが可能である。しかしながら、昨今の環境規制から処理液中に有害な6価クロムを含むクロメート処理は敬遠される方向にある。そこで、処理液中に有害成分を含まない表面処理方法として、以下に示す発明が提案されている。
例えば、孤立電子対を持つ窒素原子を含有する化合物、及び前記化合物とジルコニウム化合物を含有する金属表面用ノンクロムコーティング剤が提案されている(特許文献1参照)。この方法は、前記組成物を塗布することによって、有害成分である6価クロムを含まずに、塗装後の耐食性、及び密着性に優れた表面処理皮膜を得ることを可能とするものである。しかしながら、対象とされる金属素材がアルミニウム合金に限られており、且つ塗布乾燥によって表面処理皮膜を形成せしめるため、自動車車体の様な複雑な構造物に塗布することは困難である。
そこで、化成反応によって塗装後の密着性及び耐食性に優れる表面処理皮膜を析出させる方法として多数の方法が提案されている(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4及び特許文献5参照)。しかしながら、何れの方法も対象とされる金属材料が、素材そのものの耐食性に優れるアルミニウム合金に限定されており、鉄系材料や亜鉛系材料表面に表面処理皮膜を析出させることは不可能であった。
また、金属アセチルアセトネートと、水溶性無機チタン化合物又は水溶性無機ジルコニウム化合物とからなる表面処理組成物で、塗装後の耐食性及び密着性に優れる表面処理皮膜を析出せしめる手法が提案されている(特許文献6参照)。
この方法を用いることによって、適用される金属材料がアルミニウム合金以外にマグネシウム、マグネシウム合金、亜鉛、及び亜鉛めっき合金にまで拡大された。しかしながら、この方法では冷延鋼板等の鉄系材料表面に表面処理皮膜を析出させることは不可能であり、鉄系材料を同時に処理することはできない。
更に、クロムフリー塗布型酸性組成物による金属表面処理方法、例えば、耐食性に優れる皮膜となり得る成分の水溶液を金属表面に塗布した後、水洗工程を行わずに焼き付け乾燥することによって皮膜を固定化する金属表面処理方法が提案されている(特許文献7参照)。この方法は、皮膜の生成に化学反応を伴わないため、亜鉛めっき鋼板、冷延鋼板及びアルミニウム合金等の金属表面に皮膜処理を施すことが可能である。しかしながら、前記特許文献1に開示された発明と同様に、塗布乾燥によって皮膜を生成させるため、自動車車体の様な複雑な構造物に均一な皮膜処理を施すことは困難である。
従って、従来技術では環境に有害な成分を含まず、廃棄物となるスラッジが発生しない処理液で、自動車車体の様に冷延鋼板等の鉄系材料と亜鉛めっき鋼板等の亜鉛系材料、更にアルミニウム系及びマグネシウム系材料の2種乃至4種を同時に処理し、耐食性と密着性に優れる表面処理を施すことは不可能であった。
特開2000−204485号公報 特開昭56−136978号公報 特開平8−176841号公報 特開平9−25436号公報 特開平9−31404号公報 特開2000−199077号公報 特開平5−195244号公報
本発明は、従来技術では不可能であった、環境に有害な成分を含まず、廃棄物となるスラッジが発生しないで、鉄系材料、亜鉛系材料、アルミニウム系及びマグネシウム系材料の表面に塗装後の耐食性に優れる表面処理皮膜を析出させることを可能とする表面処理用処理液を提供し、また自動車車体の様に鉄系材料、亜鉛系材料、アルミニウム系及びマグネシウム系材料の2種乃至4種を組み合わせた構造物の金属表面に、塗装後の耐食性に優れる表面処理皮膜を同一組成、同一条件で、同時に析出させることを可能とする表面処理用処理液を提供し、更にこの表面処理用処理液を用いる表面処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決するための手段について鋭意検討した結果、従来技術にはない表面処理用処理液及び表面処理方法を完成するに至った。
すなわち本発明は、鉄系材料、亜鉛系材料、アルミニウム系材料及びマグネシウム系材料から選ばれる金属材料をそれぞれ単独で或はその2種以上を同時に表面処理するための水系表面処理液であって、
(1)ジルコニウム化合物及びチタニウム化合物から選ばれる1種以上の化合物を上記金属元素として5〜5000ppm、
(2)遊離フッ素イオンを0.1〜100ppm、および
(3)カルシウム化合物、マグネシウム化合物及びストロンチウム化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物を含み、前記化合物の濃度が、前記金属元素として、カルシウム化合物の場合は5〜50ppm、マグネシウム化合物又はストロンチウム化合物の場合は10〜3000ppmである
(4)硝酸根を1000〜50000ppm含む
(5)HBrO3、HNO2、H22、H2WO4及びH2MoO4並びにこれらの塩類の中から選ばれる少なくとも1種の酸素酸及び/又は酸素酸塩を含む
(6)pHが3〜6であることを特徴とする金属の表面処理用処理液。ジルコニウム化合物及びチタニウム化合物から選ばれる1種以上の化合物を上記金属元素として5〜5000ppm含み、また遊離フッ素イオンを0.1〜100ppm含み、且つpHが2〜6であることを特徴とする金属の表面処理用処理液である。
これらの表面処理用処理液には、更に水溶性高分子化合物及び水分散性高分子化合物から選ばれる少なくとも1種の高分子化合物を含有させてもよいし、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤及びカチオン系界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を含有させてもよい。
また、本発明は、鉄系材料、亜鉛系材料、アルミニウム系材料及びマグネシウム系材料から選ばれる金属材料のそれぞれ単独を或はその2種以上を同時に、上述の表面処理用処理液と接触させることを特徴とする金属の表面処理方法である。この表面処理方法において、金属材料を表面処理用処理液と接触させた後に、水洗し或いは水洗せずに、更に、コバルト、ニッケル、すず、銅、チタニウム及びジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物の酸性水溶液と接触させてもよく、また水溶性高分子化合物及び水分散性高分子化合物から選ばれる少なくとも1種の高分子化合物を含む処理液と接触させてもよい。
また、本発明は、鉄系材料、亜鉛系材料、アルミニウム系材料及びマグネシウム系材料から選ばれる金属材料のそれぞれ単独を或はその2種以上を同時に、該金属材料を陰極として、上述の表面処理用処理液中にて電解処理することを特徴とする金属の表面処理方法である。この表面処理方法において、金属材料を表面処理用処理液中にて電解処理した後に、水洗し或いは水洗せずに、更に、コバルト、ニッケル、すず、銅、チタニウム及びジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物の酸性水溶液と接触させてもよく、また水溶性高分子化合物及び水分散性高分子化合物から選ばれる少なくとも1種の高分子化合物を含む処理液と接触させてもよい。
また、本発明は、鉄系材料、亜鉛系材料、アルミニウム系材料及びマグネシウム系材料から選ばれた、脱脂・清浄化処理してない金属材料のそれぞれ単独を或はその2種以上を同時に、上述のノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤及びカチオン系界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を含有させた表面処理液と接触させて、金属表面の脱脂処理と皮膜形成処理を同時に行うことができる方法である。
また、本発明は、鉄系材料、亜鉛系材料、アルミニウム系材料及びマグネシウム系材料から選ばれる金属材料表面に、上述の表面処理方法によって形成されたチタニウム及びジルコニウムから選ばれる金属元素の少なくとも1種を含む表面処理皮膜を有し、且つ該表面処理皮膜の付着量が、前記金属元素換算で、鉄系金属材料表面の場合には30mg/m2以上であり、亜鉛系金属材料表面の場合には20mg/m2以上であり、アルミ系金属材料表面の場合には10mg/m2以上であり、マグネシウム系金属材料表面の場合には10mg/m2以上であることを特徴とする金属材料である。
本発明の表面処理用処理液及びこの処理液を用いた表面処理方法によれば、従来技術では不可能であった、環境に有害な成分を含まない処理浴で、スラッジを発生させることなく、鉄系材料、亜鉛系材料、アルミニウム系及びマグネシウム系材料の2種乃至4種を同時に又は各々単独からなる金属表面に、塗装後の耐食性に優れる表面処理皮膜を析出させることができる。また、被処理金属材料の表面調整工程を行わなくても表面処理皮膜を析出させることができ、その場合は処理工程の短縮、省スペース化が可能となる。
本発明は、鉄系材料、亜鉛系材料、アルミニウム系材料及びマグネシウム系材料から選ばれる金属材料をそれぞれ単独で或はその2種以上を同時に表面処理し、塗装後の耐食性に優れる表面処理皮膜を析出させる技術に係わる。ここで鉄系材料とは、冷延鋼板及び熱間圧延鋼板等の鋼板、鋳鉄及び焼結材等の鉄系金属を言う。また、亜鉛系材料とは、亜鉛ダイキャストや亜鉛含有めっきを言う。この亜鉛含有めっきは、亜鉛又は亜鉛と他の金属(例えば、ニッケル、鉄、アルミニウム、マンガン、クロム、マグネシウム、コバルト、鉛及びアンチモン等の少なくとも1種の金属)との合金及び不可避不純物によりめっきされたものを言い、そのめっき方法は例えば溶融めっき、電気めっき、蒸着めっき等で制限はない。
また、アルミニウム系材料とは、5000系アルミニウム合金や6000系アルミニウム合金の様なアルミニウム合金板材やADC−12に代表されるアルミニウム合金ダイキャスト等を示す。更に、マグネシウム系材料とは、マグネシウム合金を用いた板材やダイキャスト等を言う。
本発明は、前記金属材料の単独を構成部材に含む構造物、或は前記金属材料の2種乃至4種を構成部材に含む構造物に適用される。そして、前記金属材料の2種乃至4種を構成部材に含む構造物に適用する場合は、2種乃至4種の金属材料の表面を同時に表面処理することができるものである。ここで、2種乃至4種の金属材料を同時に表面処理する場合は、異種金属同士が接触しない状態であっても構わないし、溶接、接着、リベット止め等の接合方法によって異種金属同士が接合接触した状態でも構わない。
本発明の表面処理用処理液は、ジルコニウム化合物及びチタニウム化合物から選ばれる1種以上の化合物を上記記金属元素として5〜5000ppm含み、遊離フッ素イオンを0.1〜100ppm含み、且つpHが2〜6の処理液である。ここで、本発明で用いられるジルコニウム化合物としては、ZrCl4、ZrOCl2、Zr(SO4)2、ZrOSO4、Zr(NO3)4、ZrO(NO3)2、H2ZrF6、H2ZrF6の塩、ZrO2、ZrOBr2、及びZrF4などが挙げられる。またチタニウム化合物としては、TiCl4、Ti(SO4)2、TiOSO4、Ti(NO3)4、TiO(NO3)2、TiO2OC24、H2TiF6、H2TiF6の塩、TiO2、及びTiF4などが挙げられる。本発明ではジルコニウム化合物が好ましく使用される。
本発明に用いられるジルコニウム化合物及びチタニウム化合物から選ばれる1種以上の化合物の濃度は、前記金属元素として(すなわち、ジルコニウム及び/又はチタニウムとして)5〜5000ppmであることが好ましく、より好ましくは10〜3000ppmである。本発明の表面処理用処理液及び表面処理方法を用いて得られる皮膜はジルコニウム又はチタニウムの酸化物や水酸化物であるため、前記ジルコニウム化合物又はチタニウム化合物から選ばれる1種以上の化合物の濃度がジルコニウム及び/又はチタニウムとして5ppmよりも小さいと、皮膜主成分濃度が小さいために耐食性を得るために十分な付着量を実用的な処理時間で得ることが困難となる。また、濃度が5000ppmよりも大きい場合は、十分な付着量は得られるが、それ以上耐食性を向上させる効果はなく、経済的に不利なだけである。
ジルコニウム化合物又はチタニウム化合物は、酸性溶液には比較的溶解するが、アルカリ溶液中では不安定であり、容易にジルコニウム又はチタニウムの酸化物又は水酸化物として析出する。本発明の表面処理用処理液のpHは2〜6、より好ましいpHは3〜6である。このpHで被処理金属材料を本発明の表面処理用処理液と接触させると、被処理金属材料の溶解反応が起こる。そして、被処理金属材料が溶解することによって、被処理金属材料界面ではpHの上昇が起こり、ジルコニウム及びチタニウムの酸化物又は水酸化物が皮膜として被処理金属材料表面に析出するのである。
本発明の表面処理用処理液では、その中に遊離フッ素イオンを存在させる。遊離フッ素イオンを存在させるには、表面処理用処理液にフッ素化合物を添加する。この遊離フッ素イオンの供給源としては、フッ化水素酸、H2ZrF6、H2ZrF6の塩、H2TiF6、H2TiF6の塩、H2SiF6、H2SiF6の塩、HBF4、HBF4の塩、NaHF2、KHF2、NH4HF2、NaF、KF、及びNH4Fなどが挙げられる。遊離フッ素イオンは、表面処理用処理液中におけるジルコニウム化合物及びチタニウム化合物の安定性を向上させる作用を有する。更に、遊離フッ素イオンは、本発明の表面処理の対象とする金属材料である鉄系材料、亜鉛系材料、アルミニウム系材料及びマグネシウム系材料の何れの材料に対しても酸性溶液中での溶解反応を促進する作用を有する。従って、フッ素化合物を添加して遊離フッ素イオンを存在させることによって、本発明の表面処理用処理液の安定性を高めながら、且つ被処理金属材料に対する反応性をも高めることが可能となる。
本出願人は、先に、鉄又は亜鉛の少なくとも1種を含む金属の表面を処理するための表面処理用組成物及び表面処理用処理液について、チタニウム化合物やジルコニウム化合物とフッ素含有化合物とを用い、表面処理用組成物及び表面処理用処理液中の前記金属元素の合計モル重量Aとフッ素含有化合物中の全フッ素原子をHFに換算したときのモル重量Bの比A/Bを特定範囲すなわち0.06〜0.18にすることを提案した(PCT/JP02/05860)。本発明によれば、チタニウム化合物やジルコニウム化合物の金属元素の濃度と、pHと、遊離フッ素イオンの濃度とを規定することによって、上記の特定範囲外においても、鉄系材料、亜鉛系材料、アルミニウム系材料及びマグネシウム系材料から選ばれる金属材料をそれぞれ単独で或はその2種以上を同時に表面処理することが可能である。
鉄系材料、亜鉛系材料、アルミニウム系及びマグネシウム系材料は、各々の反応性が異なるために、従来技術では、前記金属材料の2種以上を同時に表面処理することは不可能であった。本発明においては、表面処理用処理液の安定性と反応性のバランスを遊離フッ素イオンの濃度を調整することによって自在に変えることができるため、反応性の異なる、鉄系材料、亜鉛系材料、アルミニウム系及びマグネシウム系材料の2種以上を同時に、又は各々単独に表面処理を施すことが可能である。
ここで言う遊離フッ素イオンの濃度は、市販のイオン電極を用いて測定されるフッ素イオン濃度を示す。本発明の表面処理用処理液中の遊離フッ素イオンの濃度は0.1〜100ppmであることが好ましく、より好ましくは、2〜70ppmである。遊離フッ素イオンの濃度が100ppmよりも高い場合は、被処理金属材料の溶解反応は促進されるが、表面処理用処理液中でのジルコニウム化合物及びチタニウム化合物が非常に安定であるため、被処理金属材料界面でpHが上昇しても皮膜として析出し難くなる。また、0.1ppmよりも小さい場合は、表面処理用処理液の安定性と反応性の向上に対する効果が小さく、遊離フッ素イオンを含有させる意味が無くなる。
本発明における遊離フッ素イオンは、表面処理用処理液の安定性及び反応性の向上作用の他に、被処理金属材料の溶解によって溶出した成分を表面処理用処理液中に安定に保つ作用を担う。従来技術の一つであるりん酸亜鉛処理の場合は、例えば鉄系金属材料から溶出した鉄イオンがりん酸と不溶性の塩であるりん酸鉄を作るためスラッジが発生する。本発明の表面処理用処理液においても、処理液中にりん酸根を含ませることができるが、りん酸根の濃度が1.0g/Lを超えると、スラッジを発生することがある。また、処理浴の容量に対して著しく被処理金属材料の処理量が多い場合は、溶出した成分を可溶化するために、例えば、硫酸、塩酸等の無機酸;酢酸、蓚酸、酒石酸、クエン酸、琥珀酸、グルコン酸、フタル酸等の有機酸;溶出成分をキレートすることができるキレート剤などを、1種又は2種以上添加してもよい。
本発明の表面処理用処理液には、カルシウム化合物、マグネシウム化合物及びストロンチウム化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種以上を含むことができる。本発明は、ある特定濃度のジルコニウム化合物及びチタニウム化合物を含む水溶液の遊離フッ素イオンの濃度をある一定範囲にすることによって、鉄系材料、亜鉛系材料、アルミニウム系及びマグネシウム系材料の2種乃至4種を同時に、又は各々単独に表面処理を施すことを可能としたものである。ここで、前記カルシウム化合物、マグネシウム化合物又はストロンチウム化合物に含まれる金属元素(カルシウム、マグネシウム又はストロンチウム)は、水溶液中でフッ素とフッ化物の塩を生成することによって、水溶液中の遊離フッ素イオン濃度を一定の値に保とうとする作用を有する。この作用によって、様々な種類の被処理金属材料を同時に表面処理しても、その使用比率に依らず、常に一定な遊離フッ素イオン濃度が保たれるため、それぞれの被処理金属材料に最適な皮膜付着量が得られる。
本発明に用いることができるカルシウム化合物、マグネシウム化合物又はストロンチウム化合物としては、例えばこれら金属元素の酸化物、水酸化物、塩化物、硫酸塩、硝酸塩及び炭酸塩などが挙げられる。また、カルシウム化合物、マグネシウム化合物及びストロンチウム化合物以外にも、フッ素含有水溶液中の遊離フッ素イオン濃度を一定に保つ作用がある化合物であれば、無機物、有機物の如何を問わず、本発明に用いることができる。
本発明に用いるマグネシウム化合物又はストロンチウム化合物の濃度は、前記金属元素として、10〜5000ppmであることが好ましく、より好ましくは100〜3000ppmである。カルシウム化合物の場合は、フッ化カルシウムの溶解度が著しく小さいためにカルシウムとして5〜100ppmが好ましく、より好ましくは5〜50ppmである。ここで、前記化合物の濃度が上限値よりも大きい場合は、表面処理用処理液の安定性が損なわれ連続操業上の支障が生じる可能性がある。また、前記化合物の濃度が下限値よりも小さい場合は、特に鉄系材料上の本発明の皮膜の付着量が低下する恐れがある。
また、本発明の表面処理用処理液には硝酸根を1000〜50000ppm、より好ましくは、1000〜30000ppm添加することができる。硝酸根は、酸化剤として作用し、本発明における皮膜析出反応を促進する作用と、前記カルシウム化合物、マグネシウム化合物又はストロンチウム化合物の表面処理用処理液中での溶解度を高める作用を有する。従って、硝酸根の濃度が1000ppmよりも小さい場合でも、耐食性に優れる皮膜を析出させることはできるが、前記カルシウム化合物、マグネシウム化合物又はストロンチウム化合物の濃度が高い場合には、表面処理用処理液の安定性が損なわれる恐れがある。また、硝酸根の濃度は50000ppmで十分であり、それ以上硝酸根を添加しても経済的に不利となるだけである。
また、本発明の表面処理用処理液には、HClO3、HBrO3、HNO3、HNO2、HMnO4、HVO3、H22、H2WO4及びH2MoO4からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸素酸及び/又はこれらの酸素酸の塩類を添加することができる。酸素酸又はその塩は、被処理素材に対する酸化剤として作用し、本発明に於ける皮膜形成反応を促進する。上記の酸素酸又はこれらの酸素酸の塩類の添加濃度には特に限定はないが、10〜5000ppm程度の添加量で酸化剤としての効果を充分に発揮する。
更に、本発明の表面処理用処理液には、水溶性高分子化合物及び水分散性高分子化合物から選ばれる少なくとも1種の高分子化合物を添加してもよい。本発明の表面処理用処理液を用いて表面処理した金属材料は十分な耐食性を有しているが、潤滑性などの更なる機能が必要な場合には、所望の機能に応じて高分子化合物を選択して添加し、皮膜の物性を改質してもよい。上記の水溶性高分子化合物及び水分散性高分子化合物としては、例えばポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸、アクリル酸とメタクリル酸との共重合体、エチレンと(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリルレートなどのアクリル系単量体との共重合体、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体、ポリウレタン、アミノ変性フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂など金属の表面処理に常用されている高分子化合物を用いることができる。
本発明の表面処理用処理液を用いて金属の表面を処理するには、常法で表面を脱脂処理し、清浄化した被処理金属材料を表面処理用処理液に接触させるだけでよい。これによって、金属素材表面にジルコニウム及びチタニウムから選ばれる金属元素の酸化物及び/又は水酸化物からなる皮膜が析出し、密着性及び耐食性の良い表面処理皮膜層が形成される。この接触処理はスプレー処理、浸漬処理及び流しかけ処理などのいかなる工法も用いることができ、この接触方法は性能に影響を及ぼさない。前記金属の水酸化物を純粋な水酸化物として得ることは、化学的に困難であり、一般には、前記金属の酸化物に水和水が付いた形態も水酸化物の範疇に入れている。従って、前記金属の水酸化物は熱を加えることによって、最終的には酸化物となる。本発明における表面処理皮膜層の構造は、表面処理を施した後に常温又は低温で乾燥した場合は、酸化物と水酸化物が混在した状態、更に、表面処理後に高温で乾燥した場合は、酸化物のみ乃至は酸化物が多い状態になっていると考えられる。
本発明における表面処理用処理液の使用条件には、特に限定はない。本発明の表面処理液の反応性は、表面処理用処理液中のジルコニウム化合物又はチタニウム化合物の濃度と、遊離フッ素イオン濃度を変えることによって自在にコントロールできる。そのため、処理温度及び処理時間は処理浴の反応性との組合せで、いかようにも変えることが可能である。
また、上記の表面処理用処理液に、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤及びカチオン系界面活性剤の群の中から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を添加して表面処理に用いることができる。この表面処理用処理液を用いて金属素材を表面処理する場合は、被処理金属材料を予め脱脂処理し、清浄化しなくとも良好な皮膜を形成させることができる。すなわち、この表面処理用処理液は脱脂化成兼用表面処理剤として使用できる。
また、本発明の表面処理用処理液を用いて金属の表面を処理するには、被処理金属材料を陰極とし、表面処理用処理液中で電解を行う方法を採用することもできる。ここで、被処理金属材料を陰極として電解処理を行うと、陰極界面では水素の還元反応が起りpHが上昇する。pHの上昇に伴い、陰極界面でのジルコニウム化合物及び/又はチタニウム化合物の安定性が低下し、酸化物若しくは水を含んだ水酸化物として表面処理皮膜が析出する。
また、被処理金属材料を表面処理用処理液と接触した後、或いは表面処理用処理液中で電解処理した後に、水洗し又は水洗せずに、コバルト、ニッケル、すず、銅、チタニウム及びジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物の酸性水溶液、若しくは水溶性高分子化合物及び水分散性高分子化合物から選ばれる少なくとも1種の高分子化合物を含む処理液と接触させることによって、更に、本発明の効果を高めることができる。
本発明によって得られた表面処理皮膜層は、薄膜で優れた塗装性能を示すが、被処理金属材料の表面状態によっては、表面処理皮膜層に微細な欠陥部が存在する可能性がある。そこで、コバルト、ニッケル、すず、銅、チタニウム及びジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物の酸性水溶液、又は水溶性高分子化合物及び水分散性高分子化合物から選ばれる少なくとも1種の高分子化合物を含む処理液と接触させることによって、上記の微細な欠陥部が被覆され耐食性が更に高まるのである。
上記したコバルト、ニッケル、すず、銅、チタニウム及びジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物は、特に限定はないが、入手が容易である前記金属元素の酸化物、水酸化物、フッ化物、錯フッ化物、塩化物、硝酸塩、オキシ硝酸塩、硫酸塩、オキシ硫酸塩、炭酸塩、オキシ炭酸塩、りん酸塩、オキシりん酸塩、蓚酸塩、オキシ蓚酸塩及び有機金属化合物等を用いることができる。また、前記金属元素を含む酸性水溶液のpHは2〜6であることが好ましく、りん酸、硝酸、硫酸、フッ化水素酸、塩酸、及び、有機酸等の酸や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アルカリ金属塩、アンモニム塩、及びアミン類等のアルカリで調整することができる。
また、上記した水溶性高分子化合物及び水分散性高分子化合物から選ばれる少なくとも1種の高分子化合物としては、例えばポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸、アクリル酸とメタクリル酸との共重合体、エチレンと(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリルレートなどのアクリル系単量体との共重合体、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体、ポリウレタン、アミノ変性フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、タンニン及びタンニン酸とその塩、及びフィチン酸等を用いることができる。
本発明は、被処理金属材料表面にジルコニウム及び又はチタニウムから選ばれる金属元素の酸化物及び/又は水酸化物からなる表面処理皮膜層を設けることで、金属材料の耐食性を飛躍的に高めることを可能としたものである。ここで、前記金属元素の酸化物及び水酸化物は、酸やアルカリに侵され難く化学的に安定な性質を有している。実際の金属の腐食環境では、金属の溶出が起こるアノード部ではpHの低下が、また還元反応が起こるカソード部ではpHの上昇が起こる。従って、耐酸性及び耐アルカリ性に劣る表面処理皮膜は、腐食環境下で溶解しその効果が失われていく。本発明における表面処理皮膜層の主成分は、酸やアルカリに侵されにくいため、腐食環境下においても優れた効果が持続する。
また、前記の金属元素の酸化物及び水酸化物は、金属と酸素を介したネットワーク構造を作るため、非常に良好なバリヤー皮膜となる。金属材料の腐食は、使用される環境によっても異なるが、一般には水と酸素が存在する状況での酸素要求型腐食であり、その腐食スピードは塩化物等の成分の存在によって促進される。ここで、本発明の表面処理皮膜層は、水、酸素及び腐食促進成分に対するバリヤー効果を有するため、優れた耐食性を発揮できる。
ここで、前記バリヤー効果を利用して、冷間圧延鋼板、熱間圧延鋼板、鋳鉄及び焼結材等の鉄系材料の耐食性を高めるには、前記金属元素換算で30mg/m2以上の付着量が必要であり、好ましくは40mg/m2以上、より好ましくは50mg/m2以上の付着量である。また、亜鉛又は亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板等の亜鉛系材料の耐食性を高めるには、前記金属元素換算で20mg/m2以上の付着量が必要であり、好ましくは30mg/m2以上の付着量である。更に、アルミニウム鋳物及びアルミニウム合金板等のアルミニウム系材料の耐食性を高めるには、前記金属元素換算で10mg/m2以上の付着量が必要であり、好ましくは20mg/m2以上の付着量である。また、マグネシウム合金板及びマグネシウム鋳物等のマグネシウム系材料の耐食性を高めるには、前記金属元素換算で10mg/m2以上の付着量が必要であり、好ましくは20mg/m2以上の付着量である。付着量の上限に関しては特に制限はないが、付着量が1g/m2を越えると、表面処理皮膜層にクラックが発生し易くなり、均一な皮膜を得る作業が困難となる。従って、鉄系材料、亜鉛系材料、及びアルミニウム系材料ともに、付着量の上限は、1g/m2より好ましくは800mg/m2である。
以下に実施例を比較例とともに挙げ、本発明の表面処理用処理液及び表面処理方法の効果を具体的に説明する。なお、実施例で使用した被処理素材、脱脂剤及び塗料は市販されている材料の中から任意に選定したものであり、本発明の表面処理用処理液及び表面処理方法の実際の用途を限定するものではない。
〔供試板〕
実施例と比較例の供試板に、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム合金板及びマグネシウム合金板を用いた。この供試板の略号と内訳を以下に示す。
なお、表面処理後の外観の評価にはSPC、GA及びAlの3種類の金属材料をスポット溶接で接合した状態の供試板を用いた。表面処理皮膜層の付着量の評価にはSPC、GA、Al、Mgのそれぞれ個々の供試板と、SPC、GA及びAlの3種類の金属材料をスポット溶接で接合した状態の供試板とを用いた。塗装性能の評価には、SPC、GA及びAlの3種類の金属材料をスポット溶接で接合した状態の供試板を用い、表面処理、塗装、塗装性能評価までの一連の試験を実施した。図1は、SPC、GA及びAlの3種類の金属材料をスポット溶接した供試板の平面図、図2はその正面図である。1はスポット溶接部を示す。
・SPC(冷延鋼板:JIS−G−3141)
・GA(両面合金化溶融亜鉛メッキ鋼板:メッキ目付量45g/m2
・Al(アルミニウム合金板:6000系アルミニウム合金)
・Mg(マグネシウム合金板:JIS−H−4201)
〔処理工程〕
実施例、比較例の処理工程は次のとおりである。
実施例1〜4、参考例7及び比較例1〜4:アルカリ脱脂→水洗→皮膜化成処理→水洗→純水洗→乾燥
参考例5:アルカリ脱脂→水洗→電解化成処理→水洗→純水洗→乾燥
実施例6:皮膜化成処理(脱脂化成兼用)→水洗→純水洗→乾燥
実施例8:アルカリ脱脂→水洗→皮膜化成処理→水洗→後処理→純水洗→乾燥
実施例9:皮膜化成処理(脱脂化成兼用)→水洗→後処理→純水洗→乾燥
比較例5:アルカリ脱脂→水洗→表面調整→りん酸亜鉛処理→水洗→純水洗→乾燥
上記において、アルカリ脱脂は、実施例、比較例ともにファインクリーナーL4460(登録商標:日本パーカライジング(株)製)を2%に水道水で希釈し、40℃、120秒間、被処理板にスプレーして使用した。皮膜処理後の水洗、及び純水洗は、実施例、比較例ともに室温で30秒間、被処理板にスプレーした。
実施例1
オキシ硝酸ジルコニウム試薬と硝酸を用いて、ジルコニウム濃度が200ppmである水溶液を調製した。この水溶液を45℃に加温した後、水酸化ナトリウム試薬とフッ化水素酸を用いて、pHを3.0に調整し、またフッ素イオンメーター(IM-55G;東亜電波工業(株)製)で測定される遊離フッ素イオン濃度を1ppmに調整して表面処理用処理液とした。遊離フッ素イオン濃度を調整した後の、表面処理用処理液中の全フッ素濃度は50ppmであった。
脱脂後に水洗を施した供試板を、上記の表面処理用処理液に120秒間浸漬して表面処理を行った。
実施例2
オキシ硝酸ジルコニウム試薬と硝酸マグネシウム試薬と硝酸ストロンチウム試薬を用いて、ジルコニウム濃度が100ppm、マグネシウム濃度が5000ppm、ストロンチウム濃度が2000ppm、硝酸根が28470ppmである水溶液を調製した。この水溶液を50℃に加温した後、アンモニア水試薬とフッ化水素酸を用いてpHを4.0に調整し、またフッ素イオンメーター(IM-55G;東亜電波工業(株)製)で測定される遊離フッ素イオン濃度を80ppmに調整して表面処理用処理液とした。遊離フッ素イオン濃度を調整した後の、表面処理用処理液中の全フッ素濃度は2000ppmであった。
脱脂後に水洗を施した供試板を、上記の表面処理用処理液に60秒間浸漬して表面処理を行った。
実施例3
ヘキサフルオロジルコン酸(IV)水溶液と硫酸チタン(IV)水溶液と硫酸カルシウム試薬と硝酸を用いて、ジルコニウム濃度が1000ppm、チタニウム濃度が2000ppm、カルシウム濃度が5ppm、硝酸根が1000ppmの水溶液を調製した。この水溶液を40℃に加温した後、水酸化カリウム試薬とフッ化水素酸を用いて、pHを5.0に調整し、またフッ素イオンメーター(IM-55G;東亜電波工業(株)製)で測定される遊離フッ素イオン濃度を25ppmに調整して表面処理用処理液とした。遊離フッ素イオン濃度を調整した後の、表面処理用処理液中の全フッ素濃度は2250ppmであった。
脱脂後に水洗を施した供試板を、上記の表面処理用処理液に90秒間浸漬して表面処理を行った。
実施例4
ヘキサフルオロチタン酸(IV)水溶液と硝酸ストロンチウム試薬と亜硝酸ナトリウム試薬を用いて、チタニウム濃度が5000ppm、ストロンチウム濃度が5000ppm、硝酸根が7080ppm、亜硝酸根が40ppmである水溶液を調製した。この水溶液を35℃に加温した後、トリエタノールアミン試薬とフッ化水素酸を用いて、pHを4.0に調整し、またフッ素イオンメーター(IM−55G;東亜電波工業(株)製)で測定される遊離フッ素イオン濃度を10ppmに調整して表面処理用処理液とした。遊離フッ素イオン濃度を調整した後の、表面処理用処理液中の全フッ素濃度は11900ppmであった。
脱脂後に水洗を施した供試板に、上記の表面処理用処理液を120秒間スプレーで噴霧して表面処理を行った。
参考例5
オキシ硝酸ジルコニウム試薬とヘキサフルオロチタン酸(IV)水溶液と硝酸マグネシウム試薬と硝酸と塩素酸ナトリウム試薬を用いて、ジルコニウム濃度が5ppm、チタニウム濃度が5ppm、マグネシウム濃度が100ppm、硝酸根が30520ppm、塩素酸根が100ppmである水溶液を調製した。この水溶液を30℃に加温した後、アンモニア水試薬とフッ化水素酸を用いて、pHを6.0に調整し、フッ素イオンメーター(IM-55G;東亜電波工業(株)製)で測定される遊離フッ素イオン濃度を0.5ppmに調整した表面処理用処理液とした。遊離フッ素イオン濃度を調整した後の、表面処理用処理液中の全フッ素濃度は12ppmであった。
脱脂後に水洗を施した供試板を陰極とし、陽極にカーボン電極を用いて、前記表面処理用処理液中で5A/dm2の電解条件で5秒間電解して表面処理を行った。
実施例6
オキシ硝酸ジルコニウム試薬と酸化マグネシウム試薬と硝酸と過酸化水素水試薬を用いて、ジルコニウム濃度が150ppm、マグネシウム濃度が10ppm、硝酸根が5200ppm、過酸化水素が10ppmである水溶液を調製した。
この水溶液を50℃に加温した後、アンモニア水試薬とフッ化水素酸を用いて、pHを5.0に調整し、またフッ素イオンメーター(IM-55G;東亜電波工業(株)製)で測定される遊離フッ素イオン濃度を50ppmに調整し、更にノニオン系界面活性剤であるポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数:12モル)を2g/L添加して表面処理用処理液とした。遊離フッ素イオン濃度を調整した後の、表面処理用処理液中の全フッ素濃度は170ppmであった。
脱脂処理を行わずに塗油されたままの供試板に、上記の表面処理用処理液を90秒間スプレーで噴霧して脱脂と同時に表面処理を行った。
参考例7
硫酸チタン(IV)水溶液と硝酸カルシウム試薬と硝酸マグネシウム試薬と過マンガン酸カリウム試薬とを用いて、チタニウム濃度が100ppm、カルシム濃度が50ppm、マグネシウム濃度が5000ppm、硝酸根が25660ppm、過マンガン酸が10ppmである水溶液を調製した。更に、この水溶液に水溶性アクリル系高分子化合物(ジュリマーAC-10L:日本純薬株式会社製)を固形分濃度が1%になるように添加し50℃に加温した後、水酸化ナトリウム試薬とフッ化水素酸でpHを3.0に調整し、フッ素イオンメーター(IM-55G;東亜電波工業(株)製)で測定される遊離フッ素イオン濃度を95ppmに調整して表面処理用処理液とした。遊離フッ素イオン濃度を調整した後の、表面処理用処理液中の全フッ素濃度は2000ppmであった。
脱脂処理後に水洗を施した供試板を、上記の表面処理用処理液に60秒間浸漬して表面処理を行った。
実施例8
水溶性アクリル系高分子化合物(ジュリマーAC-10L:日本純薬株式会社製)が固形分濃度で1%、りん酸試薬がりん酸根として2g/Lである水溶液を調調製した。この水溶液を40℃に加温した後、アンモニア水試薬で、pHを4.5に調整して後処理液を作製した。実施例5の表面処理で皮膜化成及び水洗を行った供試板を、上記の後処理液に30秒間浸漬して後処理を行った。
実施例9
ヘキサフルオロジルコン酸(IV)水溶液と硝酸コバルト試薬を用いて、ジルコニウム濃度が50ppm、コバルト濃度が50ppmである水溶液を調製し、更に前記水溶液を40℃に加温した後、アンモニア水試薬で、pHを5.0に調整して後処理液を作製した。実施例6の表面処理で皮膜化成及び水洗を行った供試板を、上記の後処理液に30秒間浸漬して後処理を行った。
比較例1
オキシ硝酸ジルコニウム試薬と硝酸マグネシウム試薬と硝酸を用いて、ジルコニウム濃度が500ppm、マグネシウム濃度が1000ppm、硝酸根が6780ppmである水溶液を調製した。この水溶液を45℃に加温した後、水酸化ナトリウム試薬でpHを4.0に調整して表面処理用処理液とした。前記表面処理用処理液中の遊離フッ素イオン濃度を市販のフッ素イオンメーター(IM-55G;東亜電波工業(株)製)で測定した結果、0ppmであった。
脱脂後に水洗を施した供試板を、上記の表面処理用処理液に120秒間浸漬して表面処理を行った。
比較例2
硫酸チタン(IV)水溶液を用いて、チタニウム濃度が2000ppmである水溶液を調整した。前記水溶液を50℃に加温した後、アンモニア水試薬とフッ化水素酸でpHを3.5に調整し、フッ素イオンメーター(IM-55G;東亜電波工業(株)製)で測定される遊離フッ素イオン濃度を400ppmに調整して表面処理用処理液とした。
脱脂後に水洗を施した供試板を、上記の表面処理用処理液に90秒間浸漬して表面処理を行った。
比較例3
市販のクロミッククロメート処理薬剤であるアルクロム713(登録商標:日本パーカライジング(株)製)を3.6%に水道水で希釈し、更に全酸度、遊離酸度をカタログ値の中心に調整した。
脱脂後に水洗を施した供試板を、35℃に加温した前記クロメート処理液に60秒間浸漬してクロメート処理を行った。
比較例4
市販のノンクロメート処理薬剤であるパルコート3756(登録商標:日本パーカライジング(株)製)を2%に水道水で希釈し、更に全酸度、遊離酸度をカタログ値の中心に調整した。脱脂後に水洗を施した供試板を、40℃に加温した上記のノンクロメート処理液に60秒間浸漬してノンクロメート処理を行った。
比較例5
脱脂後に水洗を施した供試板に、表面調整処理剤であるプレパレンZN(登録商標:日本パーカライジング(株)製)を0.1%に水道水で希釈した液を室温で30秒間スプレーで噴霧した後に、パルボンドL3020(登録商標:日本パーカライジング(株)製)を4.8%に水道水で希釈し、更に、フッ化水素ナトリウム試薬をフッ素として200ppm添加した後に、全酸度、遊離酸度をカタログ値の中心に調整した42℃のりん酸亜鉛化成処理液に浸漬してりん酸亜鉛皮膜を析出させた。
〔表面処理皮膜の評価〕
実施例及び比較例の表面処理後の供試板の外観を目視で評価した。その結果を表1に示す。また、表面処理皮膜層の付着量を蛍光X線分析装置(システム3270;理学電気工業(株)製)で測定した。その結果を表2及び表3に示す。なお、表面処理皮膜層の付着量は、各々の金属材料を接合せずに個々に処理した場合(接合なし)と、スポット溶接で接合して処理した場合(接合あり)について測定を行った。
Figure 0005215043
表1は、実施例及び比較例で得られた表面処理皮膜の外観評価結果を示す。実施例、参考例は、全ての供試板の全ての金属材料種に対して均一な皮膜を得ることができた。更に、実施例、参考例で使用した供試板のスポット溶接部にも表面処理皮膜が析出している様子が観察された。これに対して、比較例では全ての供試板に対して均一な皮膜を析出させることはできなかった。特に、比較例3,4、及び5ではスポット溶接部には全く皮膜が析出していなかった。また、比較例5は、冷延鋼板と亜鉛めっき鋼板とアルミニウム合金を同時に処理する際に用いられるりん酸亜鉛処理液であるが、今回の試験の様に、各々のテストピースを溶接によって接合した条件では、冷延鋼板上にスケと呼ばれる金属材料素地が露出した部分が現れていた。
Figure 0005215043
Figure 0005215043
表2及び表3は、実施例、参考例及び比較例で得られた表面処理皮膜の付着量の測定結果を示す。実施例、参考例では、全ての供試板の全ての金属材料種に対して目標とする付着量を得ることができた。また、実施例、参考例における表面処理皮膜層の付着量は、供試板の接合の有無に依らず一定であった。対して、比較例では皮膜外観評価結果からも明らかな通り、全ての供試板に対して均一な皮膜を析出させることはできなかった。
〔塗装性能の評価〕
(塗装性能評価板の作製)
実施例、参考例及び比較例の表面処理板の塗装性能を評価するため、
カチオン電着塗装→純水洗→焼き付け→中塗り→焼き付け→上塗り→焼き付けの工程で塗装を行った。カチオン電着塗装、中塗り塗装、上塗り塗装は次のとおりである。
カチオン電着塗装:エポキシ系カチオン電着塗料(エレクロン9400:関西ペイント(株)製)、電圧200V、膜厚20μm、175℃20分焼き付け
中塗り塗装:アミノアルキッド系塗料(アミラックTP−37グレー:関西ペイント(株)製)、スプレー塗装、膜厚35μm、140℃20分焼き付け
上塗り塗装:アミノアルキッド系塗料(アミラックTM−13白:関西ペイント(株)製)、スプレー塗装、膜厚35μm、140℃20分焼き付け
(塗装性能評価)
実施例及び比較例の塗装性能の評価を行った。その結果を表4及び表5に示す。評価項目と略号を以下に示す。なお、電着塗装完了時点での塗膜を電着塗膜、上塗り塗装完了時点での塗膜を3coats塗膜と称することとする。
<1> SST:塩水噴霧試験(電着塗膜)
<2> SDT:塩温水試験(電着塗膜)
<3> 1st ADH:1次密着性(3coats塗膜)
<4> 2nd ADH:耐水2次密着性(3coats塗膜)
SST:鋭利なカッターでクロスカットを入れた電着塗装板に5%塩水を840時間噴霧(JIS−Z−2371に準ずる)した。噴霧終了後にクロスカット部からの両側最大膨れ幅を測定した。
SDT:電着塗装板を、50℃に昇温した5wt%のNaCl水溶液に840時間浸漬した。浸漬終了後に水道水で水洗→常温乾燥したテストピースの全面をガムテープで剥離し、各々の金属材料上の塗膜の剥離面積を目視で判定した。
1st ADH:3coats塗膜に鋭利なカッターで2mm間隔の碁盤目を100個切った。碁盤目部のセロファンテープ剥離を行い碁盤目の剥離個数を数えた。
2nd ADH:3coats塗装板を40℃の脱イオン水に240時間浸漬した。浸漬後に鋭利なカッターで2mm間隔の碁盤目を100個切った。碁盤目部のセロファンテープ剥離を行い碁盤目の剥離個数を数えた。
Figure 0005215043
表4は、電着塗膜の塗装性能評価結果を示す。実施例、参考例は、全ての供試板に対して良好な耐食性を示した。対して比較例1では、表面処理用処理液中に遊離フッ素イオンを全く含まないため、表面処理皮膜が十分に析出せず、耐食性が劣っていた。また、比較例2では、表面処理用処理液中の遊離フッ素イオン濃度が高いため、特にSPC上の皮膜付着量が小さく耐食性に劣る結果であった。参考例5及び実施例6は、比較例よりも優れた塗装性能を示すものの、他の実施例と比較すると若干、電着塗装後の耐食性が劣る結果であった。しかしながら、実施例8及び9に示されるとおり、後処理を施すことによって耐食性が更に向上した。
比較例3はアルミ合金用のクロメート処理剤、比較例4はアルミ合金用のノンクロメート処理剤であるため、Alの耐食性は優れていたが、他の供試板の耐食性は明らかに実施例に劣っていた。比較例5は、現在、カチオン電着塗装下地として一般に用いられているりん酸亜鉛処理である。しかしながら、比較例5においても、今回の試験の様に、各々のテストピースを溶接によって接合した条件では、実施例と比較して劣る結果であった。
Figure 0005215043
表5は、3coats板の密着性評価結果を示す。実施例、参考例は、全ての供試板に対して良好な密着性を示した。1st ADHに関しては、比較例においても良好な結果であったが、2nd ADHでは、電着塗膜の耐食性と同様に全ての供試板に対して良好な密着性を示す水準はなかった。また、比較例5においては、表面処理後の処理浴中にはりん酸亜鉛処理時の副生成物であるスラッジが発生していた。しかしながら、実施例、参考例においては、何れの水準においてもスラッジの発生は認められなかった。
以上の結果から、本発明品である表面処理用処理液及び表面処理方法を用いることによって、処理浴及び処理条件を変えることなくSPC、GA及びAlを同時に処理し、密着性と耐食性に優れる表面処理皮膜を析出させることが可能であることが明らかである。更に、本発明を用いることによって、溶接部の上にも耐食性に優れる表面処理皮膜を析出させることが可能となった。また、本発明の表面処理方法は、被処理金属材料と表面処理用処理液を接触させるだけでよいため、袋構造部内部の様に、攪拌効果が期待できない部位にも表面処理皮膜を析出させ耐食性の向上を図ることが可能である。
供試板の平面図 供試板の正面図
符号の説明
1 スポット溶接部、SPC 冷延鋼板、GA 溶融亜鉛メッキ鋼板、Al アルミニウム合金板

Claims (10)

  1. 鉄系材料に亜鉛系材料および・またはアルミニウム系材料を接合して同時に表面処理するための水系表面処理液であって、
    (1)ジルコニウム化合物及びチタニウム化合物から選ばれる1種以上の化合物を、ジルコニウムおよび・またはチタニウム金属元素として、5〜5000ppm、
    (2)遊離フッ素イオンを0.1〜100ppm、
    (3)カルシウム化合物、マグネシウム化合物及びストロンチウム化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物を含み、前記化合物の濃度が、前記金属元素として、カルシウム化合物の場合は5〜50ppm、マグネシウム化合物又はストロンチウム化合物の場合は10〜5000ppmである
    (4)硝酸根を1000〜50000ppm含む
    (5)HBrO3、HNO2、H22、H2WO4及びH2MoO4並びにこれらの塩類の中から選ばれる少なくとも1種の酸素酸及び/又は酸素酸塩を含む
    (6)pHが3〜6であることを特徴とする金属の表面処理用処理液。
  2. 更に水溶性高分子化合物及び水分散性高分子化合物から選ばれる少なくとも1種の高分子化合物を含む請求項1に記載の金属の表面処理用処理液。
  3. 更にノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤及びカチオン系界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を含む請求項1または2に記載の金属の表面処理用処理液。
  4. 鉄系材料に亜鉛系材料および・またはアルミニウム系材料を接合して同時に、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面処理用処理液と接触させることを特徴とする金属の表面処理方法。
  5. 金属材料を表面処理用処理液と接触させた後に、水洗し或いは水洗せずに、更にコバルト、ニッケル、すず、銅、チタニウム及びジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物の酸性水溶液と接触させることを特徴とする請求項4に記載の金属の表面処理方法。
  6. 前記金属材料を表面処理用処理液と接触させた後に、水洗し或いは水洗せずに、更に水溶性高分子化合物及び水分散性高分子化合物から選ばれる少なくとも1種の高分子化合物を含む処理液と接触させることを特徴とする請求項4に記載の金属の表面処理方法。
  7. 鉄系材料に亜鉛系材料および・またはアルミニウム系材料を接合して、脱脂・清浄化処理せずに同時に、請求項3に記載の表面処理用処理液と接触させることを特徴とする金属の表面処理方法。
  8. 鉄系金属材料表面に請求項4〜7のいずれかに記載の表面処理方法によって形成されたチタニウム及びジルコニウムから選ばれる金属元素の少なくとも1種を含む表面処理皮膜を有し、且つ該表面処理皮膜の付着量が前記金属元素換算で30mg/m2以上であることを特徴とする金属材料。
  9. 亜鉛系金属材料表面に請求項4〜7のいずれかに記載の表面処理方法によって形成されたチタニウム又はジルコニウムから選ばれる金属元素の少なくとも1種を含む表面処理皮膜を有し、且つ該表面処理皮膜の付着量が前記金属元素換算で20mg/m2以上であることを特徴とする金属材料。
  10. アルミ系金属材料表面に請求項4〜7のいずれかに記載の表面処理方法によって形成されたチタニウム又はジルコニウムから選ばれる金属元素の少なくとも1種を含む表面処理皮膜層を有し、且つ該表面処理皮膜の付着量が前記金属元素換算で10mg/m2以上であることを特徴とする金属材料。
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