JP2009114241A - シリカ微粒子を被覆したエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子からなる複合微粒子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の表面にシリカ微粒子が付着している複合微粒子であって、複合微粒子の1次粒子径が100〜2000nmの球状である複合微粒子である。
【選択図】図1
Description
(b1)工程(a1)におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物溶液を加熱溶解後であって冷却前にシリカ微粒子を添加し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子を凝析させるとともにエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の表面にシリカ微粒子を付着させて複合化する複合微粒子の製造方法にも関する。
(b2)工程(a1)におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物溶液を冷却時にシリカ微粒子を添加し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子を凝析させるとともにエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の表面にシリカ微粒子を付着させて複合化する複合微粒子の製造方法にも関する。
(1)(a1)エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を溶媒に添加し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を加熱溶解させる工程、および(b1)工程(a1)におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物溶液を加熱溶解後であって冷却前にシリカ微粒子を添加し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子を凝析させるとともにエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の表面にシリカ微粒子を付着させて複合化する製造方法(以下、製造方法1ともいう)。
(2)(a1)エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を溶媒に添加し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を加熱溶解させる工程、および(b2)工程(a1)におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物溶液を冷却時にシリカ微粒子を添加し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子を凝析させるとともにエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の表面にシリカ微粒子を付着させて複合化する製造方法(以下、製造方法2ともいう)。
(3)(a1)エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を溶媒に添加し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を加熱溶解させる工程、および(b3)工程(a1)におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物溶液を冷却後、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物が凝析する前にシリカ微粒子を添加し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の表面にシリカ微粒子を付着させて複合化する製造方法(以下、製造方法3ともいう)。
(4)(a2)エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を溶媒中で加熱溶解させる際にシリカ微粒子を添加する工程、および(b3)工程(a2)におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物およびシリカ微粒子の混合物を冷却させながら、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子を凝析させるとともにエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の表面にシリカ微粒子を付着させて複合化する製造方法(以下、製造方法4ともいう)。
(1)エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
・ケン化物A(エチレン含有量:27モル%、密度:1.20g/cc、融点:191℃、結晶化温度:167℃、ガラス転移温度:72℃、(株)クラレ製のL101B)
・ケン化物B(エチレン含有量:27モル%、密度:1.20g/cc、融点:191℃、結晶化温度:164℃、ガラス転移温度:60℃、(株)クラレ製のL171B)
なお、ケン化物Aおよびケン化物B以外にも検討した共重合体ケン化物は、(株)クラレ製のF104B、H171B、E105B、G156Bであり、それぞれエチレン含有量が32、38、44、47モル%であった。
(2)シリカ微粒子
・AEROSIL200(デグサ(degussa)製の親水性ヒュームドシリカ、平均1次粒子径:12nm)
(3)溶媒、分散媒
・MMB(3−メチル−3−メトキシブタノール)
・DMAC(ジメチルアセトアミド)
・DBL(4−ブチロラクトン)
・HiDM(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)
・HiDB(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)
・DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)
・EG(エチレングリコール)
・DEG(ジエチレングリコール)
MMBと水の混合溶媒(質量比70:30)に、ケン化物Aを質量濃度5質量%になるように添加し、その後液温を97℃にして、ケン化物Aの溶液を調製した。得られた溶液を20℃になるまで12時間撹拌しながら冷却し、静置し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の微粒子を凝析させ、懸濁液を調製した。
表1に示す水溶性有機溶媒の種類、水溶性有機溶媒と水の質量比、および溶液の濃度を代えたほかは、参考例1と同様の方法によりケン化物Aの微粒子を調製した。
MMB:水の混合溶媒(質量比が70:30)142.5gに、ケン化物Bを7.5g添加し、その後液温を97℃にしてケン化物B溶液を調製した。AEROSIL200のDMAC分散溶液(固形分濃度10質量%)を25g添加し、添加後5分間撹拌後、25℃に冷却し、ケン化物BとAEROSIL200が複合化した微粒子を凝析させ、懸濁液を調製した。実施例1における走査型電子顕微鏡観察による複合微粒子の写真を図1に示す。
Model:VCA・Optima(AST Products,lnc.製)を用いて測定した。接触角は被膜に純水を0.5μl滴滴下したときの液滴の接線と被膜表面のなす角θとする。
JIS・K 5400(1990)に記載の方法に準拠し、焼付け後の塗装板上をカッターナイフで塗膜を貫通して素地に達するように1mm間隔で切り傷をつけ、碁盤目100個(10×10)を作る。これに株式会社ニチバン製セロテープ(登録商標)を完全に密着させ、塗面に対して90°の方向に急激に剥離し、塗膜の状態を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
A…全く剥離しない。
B…1〜5個の升目が剥離している。
C…6個以上の升目が剥離している。
実施例1で得られた塗料を、バーコーターを用いて無塗装のアルミニウム板(5182材、板厚0.23mm、12cm×20cm)に、乾燥後の膜厚が5μmになるように塗装し(乾燥後塗布量6.0g/m2)、200℃、風速15m/秒に設定した熱風循環式オーブン(株式会社正英製作所製)に60秒間入れた後水冷し、複合微粒子よりなる塗膜を得た。得られた塗膜の密着性および純水接触角測定を実施例1と同様の方法により測定した。評価結果を表2に示す。
実施例1で得られた塗料を、バーコーターを用いて無塗装のアルミニウム板(5182材、板厚0.23mm、12cm×20cm)に、乾燥後の膜厚が5μmになるように塗装し(乾燥後塗布量6.0g/m2)、240℃、風速15m/秒に設定した熱風循環式オーブン(株式会社正英製作所製)に20秒間入れた後水冷し、複合微粒子よりなる塗膜を得た。得られた塗膜の密着性および純水接触角測定を実施例1と同様の方法により測定した。評価結果を表2に示す。
MMB:水の混合溶媒(質量比が70:30)142.5gに、ケン化物Bを7.5g添加し、その後液温を97℃にしてケン化物B溶液を調製した。ケン化物B溶液は攪拌しながら冷却し40℃になった時点でAEROSIL200のDMAC分散溶液(固形分濃度10質量%)25gを添加した、添加後さらに撹拌しながら25℃に冷却し、ケン化物BとAEROSIL200が複合化した微粒子を凝析させ、懸濁液を調製した。実施例4における走査型電子顕微鏡観察による複合微粒子の写真を図2に示す。
実施例4で得られた塗料を、実施例1と同様にバーコーターを用いて無塗装のアルミニウム板(5182材、板厚0.23mm、12cm×20cm)に、乾燥後の膜厚が5μmになるように塗装し(乾燥後塗布量6.0g/m2)、200℃、風速15m/秒に設定した熱風循環式オーブン(株式会社正英製作所製)に60秒間入れた後水冷し、複合微粒子よりなる塗膜を得た。得られた塗膜の密着性および純水接触角測定を実施例1と同様の方法により測定した。評価結果を表2に示す。
MMB:水の混合溶媒(質量比が70:30)161.5gに、ケン化物Bを8.5g添加し、その後液温を97℃にしてケン化物B溶液を調製した。AEROSIL200のDMAC分散溶液(固形分濃度10質量%)を15g添加し、添加後5分間撹拌後、25℃に冷却し、ケン化物BとAEROSIL200が複合化した微粒子を凝析させ、懸濁液を調製した。得られた複合微粒子の1次粒子径は600〜1200nmであった。
実施例6により得られた塗料を、実施例1と同様にバーコーターを用いて無塗装のアルミニウム板(5182材、板厚0.23mm、12cm×20cm)に、乾燥後の膜厚が5μmになるように塗装し(乾燥後塗布量6.0g/m2)、200℃、風速15m/秒に設定した熱風循環式オープン(株式会社正英製作所製)に60秒間入れた後水冷し、複合微粒子よりなる塗膜を得た。得られた塗膜の密着性および純水接触角測定を実施例1と同様の方法で測定した。評価結果を表2に示す。
MMB:水の混合溶媒(質量比が70:30)190m1に、固形分濃度が5質量%となるようにケン化物Bを10g添加し、その後液温を97℃にしてケン化物B溶液を調製した。その後25℃に冷却し、ケン化物Bの微粒子を凝析させ、懸濁液を調製した。得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の1次粒子径は700〜1300nmであった。
2 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子
Claims (10)
- エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の表面にシリカ微粒子が付着している複合微粒子であって、複合微粒子の1次粒子径が100〜2000nmの球状である複合微粒子。
- シリカ微粒子の含有量が、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子100質量部に対して、10〜100質量部である請求項1記載の複合微粒子。
- シリカ微粒子が、乾式シリカである請求項1または2記載の複合微粒子。
- (a1)エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を溶媒に添加し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を加熱溶解させる工程、および
(b1)工程(a1)におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物溶液を加熱溶解後であって冷却前にシリカ微粒子を添加し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子を凝析させるとともにエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の表面にシリカ微粒子を付着させて複合化する複合微粒子の製造方法。 - (a1)エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を溶媒に添加し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を加熱溶解させる工程、および
(b2)工程(a1)におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物溶液を冷却時にシリカ微粒子を添加し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子を凝析させるとともにエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の表面にシリカ微粒子を付着させて複合化する複合微粒子の製造方法。 - 工程(b1)または(b2)における冷却後、得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物およびシリカ微粒子の混合物を静置してエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の表面にシリカ微粒子を付着させて複合化する請求項4または5記載の複合微粒子の製造方法。
- 工程(a1)および(a2)におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の固形分濃度が、1〜15質量%である請求項4〜6のいずれかに記載の複合微粒子の製造方法。
- 工程(a1)および(a2)における溶媒が水溶性有機溶媒と水との混合溶剤であって、水溶性有機溶媒と水との混合比が、質量比で50:50〜70:30である請求項4〜7のいずれかに記載の複合微粒子の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の複合微粒子を含む塗料。
- 請求項9記載の塗料を塗布して得られる塗膜であって、水に対する接触角が0〜30度である塗膜。
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