JP5186179B2 - シリカ微粒子を被覆したエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子からなる複合微粒子 - Google Patents

シリカ微粒子を被覆したエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子からなる複合微粒子 Download PDF

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Description

本発明は、シリカ微粒子が付着したエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子からなる複合微粒子および該複合微粒子を含む塗料に関する。
従来、保護被覆用などの用途として、親水性などを付与するために基材の表面に塗装や印刷が施されている。
たとえば、引用文献1には、塗料として水、ポリビニルピロリドンおよび界面活性剤からなる水性塗布組成物が記載されている。該水性塗布組成物は、親水性に優れるため、防曇性を維持した塗膜を形成することが可能である。しかしながら、ポリビニルピロリドンを水中に分散させるために界面活性剤を含有しており、物性低下を招くという問題があった。
また、引用文献2には、平均1次粒子径が0.5〜50μmの球状セルロース粒子を含む親水性塗料が記載されている。該親水性塗料は、水濡れ性を向上することにより消臭性および抗カビ性を得る塗膜を形成することができる。しかしながら、該親水性塗料に含まれる球状セルロースは、平均1次粒子径が0.5〜50μmと大きく、得られる塗膜が厚くなり、外観、加工性、コストの点で充分に満足のいくものではなく、充分な親水性が得られないという問題があった。
特開2006−131901号公報 特開2003−128977号公報
本発明は、塗膜化することで親水性に優れた塗膜を得ることができるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の表面にシリカ微粒子が付着している球状の複合微粒子を提供することを目的とする。
本発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の表面にシリカ微粒子が付着している複合微粒子であって、複合微粒子の1次粒子径が100〜2000nmの球状である複合微粒子に関する。
シリカ微粒子の含有量が、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子100質量部に対して、10〜100質量部であることが好ましい。
シリカ微粒子が、乾式シリカであることが好ましい。
また、本発明は、(a1)エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を溶媒に添加し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を加熱溶解させる工程、および
(b1)工程(a1)におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物溶液を加熱溶解後であって冷却前にシリカ微粒子を添加し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子を凝析させるとともにエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の表面にシリカ微粒子を付着させて複合化する複合微粒子の製造方法にも関する。
また、本発明は、(a1)エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を溶媒に添加し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を加熱溶解させる工程、および
(b2)工程(a1)におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物溶液を冷却時にシリカ微粒子を添加し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子を凝析させるとともにエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の表面にシリカ微粒子を付着させて複合化する複合微粒子の製造方法にも関する。
工程(b1)または(b2)における冷却後、得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物およびシリカ微粒子の混合物を静置してエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の表面にシリカ微粒子を付着させて複合化することが好ましい。
工程(a1)におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の固形分濃度が、1〜15質量%であることが好ましい。
工程(a1)における溶媒が水溶性有機溶媒と水との混合溶剤であって、水溶性有機溶媒と水との混合比が、質量比で50:50〜70:30であることが好ましい。
また、本発明は、前記の複合粒子を含む塗料にも関する。
さらに、本発明は、前記の塗料を塗布して得られる塗膜であって、水に対する接触角が0〜30度である塗膜にも関する。
本発明のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物とシリカとの複合微粒子は、それぞれの機能を相殺させることがなく、特に該複合微粒子より得られる塗膜の親水性を向上させることができる。
本発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の表面にシリカ微粒子が付着している複合微粒子に関する。
複合微粒子の形状は、球状である。ここで、球状とは、図1〜13に示す走査型電子顕微鏡で観察されるように鋭角な部分をもたず丸みを帯びた粒子の形状を指し、楕円状や形状の一部が歪んでいるものも含まれる。したがって、繊維などの粉砕物などの鋭角な部分を有するものは球状とはいわない。
複合微粒子の1次粒子径は、複合微粒子を溶剤に分散させ塗料化する場合、得られる塗料の流動性が良好であるという点から、100nm以上が好ましく、さらに流動性が良好で取扱が容易であるという点から300nm以上がより好ましく、さらに流動性が良好で複合微粒子の含量をふやすことができるという点から400nm以上がさらに好ましい。また、複合微粒子の1次粒子径は、造膜性の観点から、2000nm以下が好ましく、得られる塗膜の外観が良好である点から1500nm以下がより好ましく、得られる被膜の外観がより良好である点から800nm以下がさらに好ましい。
ここで、本発明の複合微粒子とは、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物と、シリカ微粒子とが一体化した、独立した単一の粒子であり、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の表面にシリカ微粒子が一様に付着しているものをいう。また、複合微粒子の内部にシリカ微粒子を取り込んで入るものであってもよい。また付着した形態とは、例えば、実質的にシリカ微粒子が脱落しないものをいう。そのため、例えば図1および2に示す走査型電子顕微鏡で観察される複合微粒子1のように1次粒子を形成し得る。よって、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子とシリカ微粒子との単なる混合粒子とは異なるものである。
また、本発明の1次粒子径とは、走査型電子顕微鏡により観察した粒子の20μm四方の中にある、個々の粒子の直径を測定したものをいう。
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物におけるエチレン含有量は、20〜60モル%が好ましく、27〜47モル%がより好ましい。
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のケン化度は、98以上が好ましく、99以上がより好ましい。
シリカ微粒子の含有量は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子100質量部に対して、親水性を向上させることができる点から10質量部以上が好ましく、15質量部以上がより好ましい。また、シリカの含有量は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子100質量部に対して、塗膜の加工性、密着性が優れる点から、100質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましく、35質量部以下がさらに好ましい。
シリカの平均1次粒子径は、塗膜の親水性が優れる点から、5nm以上が好ましく、7nm以上がより好ましく、10nm以上がさらに好ましい。また、シリカの平均1次粒子径は、塗膜の透明性および親水性が優れる点から、50nm以下が好ましく、40nm以下がより好ましく、30nm以下がさらに好ましい。
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子に被覆されるシリカ微粒子としては、乾式シリカ、湿式シリカが考えられるが、乾式シリカとしては、燃焼法またはアーク法により得られるものがあげられる。乾式シリカの具体例としては、ヒュームドシリカなどがあげられる。湿式シリカとしては、沈降法またはゲル法により得られるものがあげられ、湿式シリカとしては、コロイダルシリカがあげられる。これらの中で、乾式シリカが好ましく、燃焼法により得られるものがより好ましい。具体的には表面に遊離のシラノール基(シングルシラノール基ともいう)が高濃度で存在し活性が大きく塗膜表面に高い親水性を向上させることができる点でヒュームドシリカが好ましい。
本発明の複合微粒子の製造方法としては、以下の4つの形態があげられる。
(1)(a1)エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を溶媒に添加し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を加熱溶解させる工程、および(b1)工程(a1)におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物溶液を加熱溶解後であって冷却前にシリカ微粒子を添加し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子を凝析させるとともにエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の表面にシリカ微粒子を付着させて複合化する製造方法(以下、製造方法1ともいう)。
(2)(a1)エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を溶媒に添加し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を加熱溶解させる工程、および(b2)工程(a1)におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物溶液を冷却時にシリカ微粒子を添加し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子を凝析させるとともにエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の表面にシリカ微粒子を付着させて複合化する製造方法(以下、製造方法2ともいう)。
(3)(a1)エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を溶媒に添加し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を加熱溶解させる工程、および(b3)工程(a1)におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物溶液を冷却後、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物が凝析する前にシリカ微粒子を添加し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の表面にシリカ微粒子を付着させて複合化する製造方法(以下、製造方法3ともいう)。
(4)(a2)エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を溶媒中で加熱溶解させる際にシリカ微粒子を添加する工程、および(b3)工程(a2)におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物およびシリカ微粒子の混合物を冷却させながら、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子を凝析させるとともにエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の表面にシリカ微粒子を付着させて複合化する製造方法(以下、製造方法4ともいう)。
工程(b1)〜工程(b3)における冷却手段としては、大気中での徐冷、熱交換器などによる急冷による冷却などがあげられる。該冷却手段を用いて冷却する場合、20〜70℃まで冷却することが好ましく、25〜35℃がより好ましい。冷却後の溶液の温度が70℃より大きいと、凝析に時間がかかる傾向がある。一方、冷却後の溶液の温度が20℃より小さいと、冷却に時間がかかる、コストがかかるなどの傾向がある。
徐冷により冷却する場合における冷却速度は、0.2〜20℃/minが好ましい。
なお、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の凝析は、前記冷却直後から生じる場合や、また、冷却してからある程度時間が経過した後に凝析し始める場合がある。シリカ微粒子はエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物溶液の冷却前(製造方法1)、冷却時(製造方法2)、冷却後であってエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物が凝析する前(製造方法3)、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を溶媒中で加熱溶解させる時(製造方法4)に配合される。
製造方法1〜4におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物およびシリカ微粒子の混合物を凝析させる方法としては、得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物およびシリカ微粒子の混合物を静置して行う方法、混合物に超音波などの振動を与える方法、混合物にホモジナイザー、ディスパーなど攪拌を与える方法、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物溶液中の溶媒を蒸発させ、濃度を変化させることによって凝析させる方法によって行われる。
工程(a1)および(a2)におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子を加熱溶解させる際の溶媒としては、アルコール系、またはアルコール以外のヘテロ原子を含む水溶性有機溶媒が好ましい。
アルコール系溶媒の具体例としては、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどがあげられる。これらの中で、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジエチレングリコールが粒子径が均一であるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子を形成することができるという点で好ましい。
また、アルコール以外のヘテロ原子を含む水溶性有機溶媒としては、エステル系溶媒、アミド系溶媒があげられる。エステル系溶媒の具体例としては4−ブチロラクトン、アミド系溶媒としてはジメチルアセトアミドがあげられる。アルコール以外のヘテロ原子を含む水溶性有機溶媒のうち、ジメチルアセトアミド、4−ブチロラクトンが、粒子径が均一であるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子を形成することができるという点で好ましい。
また、粒子径が均一であるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子を形成することができる点から、アルコールまたはアルコール以外のヘテロ原子を含む水溶性有機溶媒と水との混合溶媒であることが好ましい。これら水溶性有機溶剤の溶解度パラメーター(SP値)はおおむね9.0〜15.0の値を示す。
水溶性有機溶媒と水との混合溶媒とする場合、水溶性有機溶媒と水の混合比は、質量比で50:50〜70:30が好ましい。水溶性有機溶媒と水との質量比が50:50を外れて水が多くなると、均一な粒子径を有する粒子を形成させることができない傾向がある。一方、水溶性有機溶媒と水との質量比が70:30をはずれて水が少なくなると、均一な粒子径を有する粒子を形成させることができないなどの傾向がある。
工程(a1)および(a2)におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の固形分濃度は、生産性が向上する点から1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましい。また、工程(a1)および(a2)におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子溶液の固形分濃度は、加熱溶解させるための時間が短くなるという点から15質量%以下が好ましく、12.5質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。
工程(a1)および(a2)におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を溶解する際の溶媒の温度は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を溶解する時間が短くなるという点から80℃以上が好ましく、85℃以上がより好ましく、90℃以上がさらに好ましい。また、溶媒の温度は、蒸発量が少ないという点から100℃以下が好ましく、95℃以下がより好ましい。
シリカ微粒子の配合量は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物100質量部に対して、得られる塗膜の親水性が良好であるという点から0.1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましく、10質量部以上がさらに好ましい。シリカ微粒子の配合量は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物100質量部に対して、塗膜の密着性および加工性が良好であるという点から100質量部以下が好ましく、80質量部以下がより好ましく、50質量部以下がさらに好ましい。
なお、配合されるシリカ微粒子は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物溶液と混合する前にあらかじめ分散媒に分散させておくことが好ましい。シリカ微粒子を分散させる分散媒としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルアセトアミド、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどがあげられるが、これらの中で、シリカの分散性が良好で、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を溶解する際の溶媒との相溶性が良好であるという点から、エチレングリコールが好ましい。
本発明における複合微粒子の製造方法は、分散剤、界面活性剤または重合活性剤などの物性低下を招く添加剤を加えることなく容易に複合微粒子を調製することができる。
さらに本発明の複合微粒子は塗料に用いることができる。
本発明の複合微粒子を含む塗料は、前記の製造方法により得られる複合微粒子と分散媒を分離せずにそのまま用いてもよく、また、複合微粒子と溶媒を分離させてもよい。
複合微粒子と溶媒を分離させる場合の方法としては、ろ過、遠心分離などがあげられるが、これらに限定されるものではない。ろ過するためのフィルターとしては、たとえばセラミックフィルターなどがあげられる。また、粒子を分離したのち、粒子を乾燥させることが好ましい。乾燥方法としては、真空乾燥、自然乾燥、ドライヤーまたはオーブンによる乾燥など、特に限定されるものではない。ただし、ドライヤーまたはオーブンによる乾燥を行う際は、粒子が溶融しない温度に設定する必要がある。
本発明の複合微粒子を分散させる溶媒としては、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、コハク酸ジメチルなどの二塩基酸エステル系溶媒、シクロヘキサノン、イソホロン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、シクロヘキサン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、ベンジルアルコール、シクロヘキサノールなどのアルコール系溶媒、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテルなどのエーテル系溶媒、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒および水ならびにこれらの混合物があげられるが、これらに限定されるものではなく、目的とする塗料に適したあらゆる有機溶剤を使用することができる。
複合微粒子の分散方法としては、超音波による分散、攪拌機による分散などがあげられる。たとえば、ホモジナイザー、ホモミキサー、クレアミックス、ディスパー、ロールミル、ビーズミル、高圧型湿式微粉化装置などがあげられる。
本発明の塗料を用いて塗膜を形成する場合の塗膜の膜厚は、0.3〜10μmが好ましく、1〜7μmがより好ましく、2〜5μmがさらに好ましい。
本発明の塗料を塗布することによって得られる塗膜の形成は、塗料を塗布した後に、加熱により溶媒を蒸発させ、その後粒子を加熱溶融させることで行う。これにより、親水性、耐溶剤性などに優れた塗膜が得られる。
複合微粒子を含む塗料の焼付け温度は、90〜260℃が好ましく、150〜220℃がより好ましい。また、加熱時間は、10〜90秒が好ましく、15〜60秒がより好ましい。さらに、加熱後、水冷することが好ましい。水冷を行うことで、塗膜の外観、加工性などの諸物性がより優れるためである。
本発明の塗料を塗布することによって得られる塗膜における水に対する接触角は、0〜30度が好ましい。
本発明の塗料の塗装は、たとえば、ロールコート法、スプレーコート法、ハケ塗り法、ヘラ塗り法、浸漬塗装法、電着塗装法、静電塗装法などの公知の方法によって行うことができる。
本発明の塗料の塗布対象となる素材としては、金属、ガラス、紙、木材、プラスチック、コンクリート、セメント、繊維、陶磁器、石、セラミックスなどがあげられる。また、金属としては、具体的には、アルミニウム、スチール、銅、ステンレス、ならびにこれらに表面処理を施した金属板、例えば、スチールの場合は錫メッキ鋼板(ブリキ)、亜鉛メッキ鋼板、電解クロム酸処理鋼板(ティンフリースチール)などがあげられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではない。
本発明の塗料を塗布して得られる塗膜は、純水接触角が小さいために親水性に優れている。そのため、水に濡れてもすぐに乾く性質を有し、抗菌、防カビ、防汚、防曇、結露防止、水性インキにおけるインキ吸収性に優れるという効果を有する。また、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物を素材とするためガスバリヤー性にも優れている。
そのため、親水性ガラス板、熱交換器用アルミニウムフィン材、食用包装(フィルム)、コップ、トレイなどの用途に好適に用いられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例で用いたエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(以下、EVOHともいうこともある)、シリカおよび分散媒を以下に示す。
(1)エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
・ケン化物A(エチレン含有量:27モル%、密度:1.20g/cc、融点:191℃、結晶化温度:167℃、ガラス転移温度:72℃、(株)クラレ製のL101B)
・ケン化物B(エチレン含有量:27モル%、密度:1.20g/cc、融点:191℃、結晶化温度:164℃、ガラス転移温度:60℃、(株)クラレ製のL171B)
なお、ケン化物Aおよびケン化物B以外にも検討した共重合体ケン化物は、(株)クラレ製のF104B、H171B、E105B、G156Bであり、それぞれエチレン含有量が32、38、44、47モル%であった。
(2)シリカ微粒子
・AEROSIL200(デグサ(degussa)製の親水性ヒュームドシリカ、平均1次粒子径:12nm)
(3)溶媒、分散媒
・MMB(3−メチル−3−メトキシブタノール)
・DMAC(ジメチルアセトアミド)
・DBL(4−ブチロラクトン)
・HiDM(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)
・HiDB(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)
・DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)
・EG(エチレングリコール)
・DEG(ジエチレングリコール)
参考例1(エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の調製)
MMBと水の混合溶媒(質量比70:30)に、ケン化物Aを質量濃度5質量%になるように添加し、その後液温を97℃にして、ケン化物Aの溶液を調製した。得られた溶液を20℃になるまで12時間撹拌しながら冷却し、静置し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の微粒子を凝析させ、懸濁液を調製した。
得られた懸濁液から、各微粒子を分離した。得られたケン化物Aの形状を走査型電子顕微鏡(T−330A 日本電子株式会社製)により観察し、さらに、20μm四方の中にある粒子の大きさを測定した。冷却直後に凝析したケン化物A微粒子の走査型電子顕微鏡写真を図3に、評価結果を表1に示す。
図3より、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子2は、均一な粒子を形成していることがわかる。特に、参考例1の調製により得られるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子2は、800〜1200nmの1次粒子径のものが得られることがわかる。
参考例2〜11(エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の調製)
表1に示す水溶性有機溶媒の種類、水溶性有機溶媒と水の質量比、および溶液の濃度を代えたほかは、参考例1と同様の方法によりケン化物Aの微粒子を調製した。
表1に、参考例2〜11について、参考例1から変化させた条件を示す。
得られたケン化物Aの粒子の形状および大きさを参考例1と同様の方法により測定した。参考例2〜11における冷却直後に凝析したケン化物1微粒子の走査型電子顕微鏡写真をそれぞれ図4〜13に、評価結果を表1に示す。
図4〜13より、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子2は、均一な粒子を形成していることがわかる。特に、参考例2〜3、5および6の調製により得られるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子2(それぞれ図4〜図5、図7および図8)は、500〜1400nmの1次粒子径のものが得られ、さらに、参考例4の調製により得られるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子2(図6)は、300〜700nmの小さい1次粒子径のものが得られることがわかる。
なお、ケン化物として(株)クラレ製のF−104B(エチレン含有量:32モル%)、H171B(エチレン含有量:38モル%)、E−105B(エチレン含有量:44モル%)、G156B(エチレン含有量:47モル%)も参考例1と同様にして微粒子化を行いほぼ同様の結果が得られた。
実施例1
MMB:水の混合溶媒(質量比が70:30)142.5gに、ケン化物Bを7.5g添加し、その後液温を97℃にしてケン化物B溶液を調製した。AEROSIL200のDMAC分散溶液(固形分濃度10質量%)を25g添加し、添加後5分間撹拌後、25℃に冷却し、ケン化物BとAEROSIL200が複合化した微粒子を凝析させ、懸濁液を調製した。実施例1における走査型電子顕微鏡観察による複合微粒子の写真を図1に示す。
図1より、得られた複合微粒子1の1次粒子径は600〜1200nmであった。複合微粒子1は、単にエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子とシリカ微粒子を混合した混合微粒子として形成されているものではなく、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子であるケン化物Bの微粒子の表面に、シリカ微粒子であるAEROSIL200が付着し、単一の粒子を形成していることがわかる。
得られた懸濁液150g、2mmφガラスビーズ100gを量り取り、よく蓋を閉めた後、ペイントシェーカー(浅田鉄鋼株式会社製)で2時間分散し、ガーゼを用いてガラスビーズと濾別して塗料を得た。
得られた塗料を、バーコーターを用いて無塗装のアルミニウム板(5182材、板厚0.23mm、12cm×20cm)に、乾燥後の膜厚が5μmになるように塗装し(乾燥後塗布量6.0g/m2)、200℃、風速15m/秒に設定した熱風循環式オーブン(株式会社正英製作所製)に20秒間入れた後水冷し、複合微粒子よりなる塗膜を得た。得られた塗膜の密着性および純水接触角測定を以下の方法により測定した。評価結果を表2に示す。
<純水接触角度>
Model:VCA・Optima(AST Products,lnc.製)を用いて測定した。接触角は被膜に純水を0.5μl滴滴下したときの液滴の接線と被膜表面のなす角θとする。
<密着性>
JIS・K 5400(1990)に記載の方法に準拠し、焼付け後の塗装板上をカッターナイフで塗膜を貫通して素地に達するように1mm間隔で切り傷をつけ、碁盤目100個(10×10)を作る。これに株式会社ニチバン製セロテープ(登録商標)を完全に密着させ、塗面に対して90°の方向に急激に剥離し、塗膜の状態を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
A…全く剥離しない。
B…1〜5個の升目が剥離している。
C…6個以上の升目が剥離している。
実施例2
実施例1で得られた塗料を、バーコーターを用いて無塗装のアルミニウム板(5182材、板厚0.23mm、12cm×20cm)に、乾燥後の膜厚が5μmになるように塗装し(乾燥後塗布量6.0g/m2)、200℃、風速15m/秒に設定した熱風循環式オーブン(株式会社正英製作所製)に60秒間入れた後水冷し、複合微粒子よりなる塗膜を得た。得られた塗膜の密着性および純水接触角測定を実施例1と同様の方法により測定した。評価結果を表2に示す。
実施例3
実施例1で得られた塗料を、バーコーターを用いて無塗装のアルミニウム板(5182材、板厚0.23mm、12cm×20cm)に、乾燥後の膜厚が5μmになるように塗装し(乾燥後塗布量6.0g/m2)、240℃、風速15m/秒に設定した熱風循環式オーブン(株式会社正英製作所製)に20秒間入れた後水冷し、複合微粒子よりなる塗膜を得た。得られた塗膜の密着性および純水接触角測定を実施例1と同様の方法により測定した。評価結果を表2に示す。
実施例4
MMB:水の混合溶媒(質量比が70:30)142.5gに、ケン化物Bを7.5g添加し、その後液温を97℃にしてケン化物B溶液を調製した。ケン化物B溶液は攪拌しながら冷却し40℃になった時点でAEROSIL200のDMAC分散溶液(固形分濃度10質量%)25gを添加した、添加後さらに撹拌しながら25℃に冷却し、ケン化物BとAEROSIL200が複合化した微粒子を凝析させ、懸濁液を調製した。実施例4における走査型電子顕微鏡観察による複合微粒子の写真を図2に示す。
図2より、得られた複合微粒子の1次粒子径は400〜1000nmであった。複合微粒子2は、単にエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子とシリカ微粒子を混合した混合微粒子として形成されているものではなく、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子であるケン化物Bの微粒子の表面に、シリカ微粒子であるAEROSIL200が付着し、単一の粒子を形成していることがわかる。
得られた懸濁液150g、2mmφガラスビーズ100gを量り取り、よく蓋を閉めた後、ペイントシェーカー(浅田鉄鋼株式会社製)で2時間分散し、ガーゼを用いてガラスビーズと濾別して塗料を得た。
得られた塗料を、実施例1と同様にバーコーターを用いて無塗装のアルミニウム板(5182材、板厚0.23mm、12cm×20cm)に、乾燥後の膜厚が5μmになるように塗装し(乾燥後塗布量6.0g/m2)、200℃、風速15m/秒に設定した熱風循環式オーブン(株式会社正英製作所製)に20秒間入れた後水冷し、複合微粒子よりなる塗膜を得た。得られた塗膜の密着性および純水接触角測定を実施例1と同様の方法により測定した。評価結果を表2に示す。
実施例5
実施例4で得られた塗料を、実施例1と同様にバーコーターを用いて無塗装のアルミニウム板(5182材、板厚0.23mm、12cm×20cm)に、乾燥後の膜厚が5μmになるように塗装し(乾燥後塗布量6.0g/m2)、200℃、風速15m/秒に設定した熱風循環式オーブン(株式会社正英製作所製)に60秒間入れた後水冷し、複合微粒子よりなる塗膜を得た。得られた塗膜の密着性および純水接触角測定を実施例1と同様の方法により測定した。評価結果を表2に示す。
実施例6
MMB:水の混合溶媒(質量比が70:30)161.5gに、ケン化物Bを8.5g添加し、その後液温を97℃にしてケン化物B溶液を調製した。AEROSIL200のDMAC分散溶液(固形分濃度10質量%)を15g添加し、添加後5分間撹拌後、25℃に冷却し、ケン化物BとAEROSIL200が複合化した微粒子を凝析させ、懸濁液を調製した。得られた複合微粒子の1次粒子径は600〜1200nmであった。
得られた懸濁液150g、2mmφガラスビーズ100gを量り取り、よく蓋を閉めた後、ペイントシェーカー(浅田鉄鋼株式会社製)で2時間分散し、ガーゼを用いてガラスビーズと濾別して塗料を得た。
得られた塗料を、実施例1と同様にバーコーターを用いて無塗装のアルミニウム板(5182材、板厚0.23mm、12cm×20cm)に、乾燥後の膜厚が5μmになるように塗装し(乾燥後塗布量6.0g/m2)、200℃、風速15m/秒に設定した熱風循環式オープン(株式会社正英製作所製)に20秒間入れた後水冷し、複合微粒子よりなる塗膜を得た。得られた塗膜の密着性および純水接触角測定を実施例1と同様の方法で測定した。評価結果を表2に示す。
実施例7
実施例6により得られた塗料を、実施例1と同様にバーコーターを用いて無塗装のアルミニウム板(5182材、板厚0.23mm、12cm×20cm)に、乾燥後の膜厚が5μmになるように塗装し(乾燥後塗布量6.0g/m2)、200℃、風速15m/秒に設定した熱風循環式オープン(株式会社正英製作所製)に60秒間入れた後水冷し、複合微粒子よりなる塗膜を得た。得られた塗膜の密着性および純水接触角測定を実施例1と同様の方法で測定した。評価結果を表2に示す。
参考例12〜14
MMB:水の混合溶媒(質量比が70:30)190m1に、固形分濃度が5質量%となるようにケン化物Bを10g添加し、その後液温を97℃にしてケン化物B溶液を調製した。その後25℃に冷却し、ケン化物Bの微粒子を凝析させ、懸濁液を調製した。得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の1次粒子径は700〜1300nmであった。
得られた懸濁液150g、2mmφガラスビーズ100gを量り取り、よく蓋を閉めた後、ペイントシェーカー(浅田鉄鋼株式会社製)で2時間分散し、ガーゼを用いてガラスビーズと濾別して塗料を得た。
得られた塗料を、実施例1と同様にバーコーターを用いて無塗装のアルミニウム板(5182材、板厚0.23mm、12cm×20cm)に、乾燥後の膜厚が5μmになるように塗装し(乾燥後塗布量6.0g/m2)、200℃、風速15m/秒に設定した熱風循環式オーブン(株式会社正英製作所製)に20秒(参考例12)および60秒(参考例13)間入れた後水冷し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の塗膜を得た。また、240℃、風速15m/秒に設定した熱風循環式オーブン(株式会社正英製作所製)に20秒間入れた後水冷し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の塗膜(参考例14)を得た。得られた塗膜の密着性および純水接触角測定を測定した。評価結果を表2に示す。
実施例1で得られた複合微粒子の1次粒子の走査型電子顕微鏡観察による写真(×15000倍)である。 実施例4で得られた複合微粒子の1次粒子の走査型電子顕微鏡観察による写真(×20000倍)である。 参考例1で得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の冷却直後の1次粒子の走査型電子顕微鏡観察による写真(×15000倍)である。 参考例2で得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の冷却直後の1次粒子の走査型電子顕微鏡観察による写真(×15000倍)である。 参考例3で得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の冷却直後の1次粒子の走査型電子顕微鏡観察による写真(×15000倍)である。 参考例4で得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の冷却直後の1次粒子の走査型電子顕微鏡観察による写真(×15000倍)である。 参考例5で得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の冷却直後の1次粒子の走査型電子顕微鏡観察による写真(×10000倍)である。 参考例6で得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の冷却直後の1次粒子の走査型電子顕微鏡観察による写真(×10000倍)である。 参考例7で得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の冷却直後の1次粒子の走査型電子顕微鏡観察による写真(×5000倍)である。 参考例8で得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の冷却直後の1次粒子の走査型電子顕微鏡観察による写真(×5000倍)である。 参考例9で得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の冷却直後の1次粒子の走査型電子顕微鏡観察による写真(×5000倍)である。 参考例10で得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の冷却直後の1次粒子の走査型電子顕微鏡観察による写真(×5000倍)である。 参考例11で得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の冷却直後の1次粒子の走査型電子顕微鏡観察による写真(×5000倍)である。
符号の説明
1 複合微粒子
2 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子

Claims (10)

  1. エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の表面にシリカ微粒子が付着している複合微粒子であって、複合微粒子の1次粒子径が100〜2000nmの球状である複合微粒子を含む塗料
  2. シリカ微粒子の含有量が、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子100質量部に対して、10〜100質量部である請求項1記載の塗料
  3. シリカ微粒子が、乾式シリカである請求項1または2記載の塗料
  4. (a1)エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を溶媒に添加し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を加熱溶解させる工程、および
    (b1)工程(a1)におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物溶液を加熱溶解後であって冷却前にシリカ微粒子を添加し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子を凝析させるとともにエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の表面にシリカ微粒子を付着させて複合化する複合微粒子の製造方法。
  5. (a1)エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を溶媒に添加し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物を加熱溶解させる工程、および
    (b2)工程(a1)におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物溶液を冷却時にシリカ微粒子を添加し、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子を凝析させるとともにエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の表面にシリカ微粒子を付着させて複合化する複合微粒子の製造方法。
  6. 工程(b1)または(b2)における冷却後、得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物およびシリカ微粒子の混合物を静置してエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の表面にシリカ微粒子を付着させて複合化する請求項4または5記載の複合微粒子の製造方法。
  7. 工程(a1)におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の固形分濃度が、1〜15質量%である請求項4〜6のいずれかに記載の複合微粒子の製造方法。
  8. 工程(a1)における溶媒が水溶性有機溶媒と水との混合溶剤であって、水溶性有機溶媒と水との混合比が、質量比で50:50〜70:30である請求項4〜7のいずれかに記載の複合微粒子の製造方法。
  9. 請求項1〜3のいずれかに記載の塗料を塗布して得られる塗膜であって、水に対する接触角が0〜30度である塗膜
  10. エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物微粒子の表面に乾式シリカ微粒子が付着している複合微粒子であって、複合微粒子の1次粒子径が100〜2000nmの球状である複合微粒子
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