JP2009110163A - 車両の衝突被害軽減装置における監視対象物の検出装置 - Google Patents

車両の衝突被害軽減装置における監視対象物の検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】衝突被害軽減装置の処理負荷が増大することを抑制することが出来るようにする。
【解決手段】車両10の走行方向側に存在する障害物を監視し、監視された障害物に衝突する可能性に応じて車両10に備えられた装備品を作動させる車両の衝突被害軽減装置における監視対象物の検出装置であって、車両10の走行方向側に存在する物体を障害物として検出する障害物検出手段11と、障害物検出手段11により障害物が継続的に検出されている期間を検出継続期間ΣTDとして算出する検出期間算出手段16と、検出期間算出手段16により算出された該検出継続期間ΣTDに応じて障害物を衝突被害軽減装置の監視対象にするとともに装備品12,13の作動対象にするか否かを決定する監視対象認定手段17とを備えて構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の衝突被害軽減装置における監視対象物の検出装置に関するものである。
従来より、走行している車両が、自車両の前方にある障害物(例えば、走行中の先行車両,停止中の先行車両および電柱など)に衝突する前に、車両の制動を行なう装置(いわゆる、衝突被害軽減ブレーキ装置)が開発されている。
また、障害物に衝突する前に、警報を鳴動させたり、シートベルトを巻き上げたりすることでドライバの注意を促す装置(いわゆる、衝突警告装置)も開発されている。
なお、これらの衝突被害軽減ブレーキ装置や衝突警告装置といった一連の装置を、ここでは「衝突被害軽減装置」として総称する。
この衝突被害軽減装置に関する技術を開示する具体例としては、以下の特許文献1および特許文献2が存在する。
特許文献1には、所定の運転中にあっては、ブレーキ手段(14),警報装置(13)などの作動タイミングを遅らせることで、誤動作を回避させる技術が開示されている。
特許文献2には、自車両の進路を予測し、その予測進路と障害物との位置関係に基づいて障害物と接触する可能性を判断することで、障害物との接触可能性の誤検知を防ごうとする技術が開示されている。
特開2007−137126号公報 特開2004−38245号公報
上記の特許文献1の技術および特許文献2の技術は、ともに、運転者にとって必要のない警報や制動装置の作動を回避しようという課題は共通している。
しかしながら、これらの特許文献1の技術および特許文献2の技術思想では、当該課題を解決できない場合がある。例えば、自車両が直線の道路を走行しており、その直線道路の前方で当該道路がカーブしており、且つ、カーブした道路の端にポールが立っている場合、運転操作による装置の作動遅延や予測進路による接触可能性判断という手法によって、当該ポールを警報や自動制動の対象から除外することは難しい。
特に、ここで例示したポールのように、静止物を監視対象に含めている場合には、誤検知が発生するおそれがある。
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、種々の道路交通状況においても、運転者にとって必要のない装備品の作動を抑制することが出来る、車両の衝突被害軽減装置における監視対象物の検出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の車両の衝突被害軽減装置における監視対象物の検出装置(請求項1)は、車両の走行方向側に存在する障害物を監視し、該監視された該障害物に衝突する可能性に応じて該車両に備えられた装備品を作動させる車両の衝突被害軽減装置における監視対象物の検出装置であって、該車両に搭載され該車両の走行方向側に存在する物体のうち該車両と衝突する可能性のある物体を障害物として検出する障害物検出手段と、該障害物検出手段により該物体が該障害物として継続的に検出されている期間を検出継続期間として算出する検出期間算出手段と、該検出期間算出手段により算出された該検出継続期間に応じて該障害物を該衝突被害軽減装置の監視対象とするとともに該装備品の作動対象にするか否かを決定する監視対象認定手段とを備えることを特徴としている。
また、請求項2記載の本発明の車両の衝突被害軽減装置における監視対象物の検出装置は、請求項1記載の内容において、該検出継続期間が増大するにつれて該障害物の信頼度係数を増大させる信頼度設定手段をさらに備え、該監視対象認定手段は、該信頼度設定手段により設定された該障害物の信頼度係数に基づいて該障害物を該衝突被害軽減装置の監視対象とするとともに該装備品の作動対象にするか否かを決定する、ことを特徴としている。
また、請求項3記載の本発明の車両の衝突被害軽減装置における監視対象物の検出装置は、請求項2記載の内容において、該装備品には、該車両の運転者に対する警報装置と、該運転者の意思に関わらず該車両を制動する自動制動装置とが含まれ、該監視対象認定手段は、該障害物の該信頼度係数が第1所定値を超えている場合には、該障害物を該警報装置および該自動制動装置の作動対象とし、該障害物の該信頼度係数が該第1所定値よりも小さい第2所定値以下である場合には、該障害物を該警報装置および該自動制動装置の作動対象とはせず、該障害物の該信頼度係数が該第2所定値を超えており且つ該第1所定値以下である場合には、該障害物を該警報装置の作動対象とし且つ該自動制動装置の作動対象とはしないことを特徴としている。
本発明の車両の衝突被害軽減装置における監視対象物の検出装置によれば、種々の道路交通状況においても、運転者にとって必要のない装備品の作動を抑制することが出来る。(請求項1)
また、検出継続期間の長短に応じて監視対象の信頼度を変化させることで、衝突被害軽減装置の作動精度を向上させることが出来る。(請求項2)
また、装備品としての警報装置および自動制動装置の作動対象とするか否かを障害物の信頼度係数に応じて制御することで、これらの警報装置および自動制動装置の作動が求められる場面で適切に作動させることが出来る。(請求項3)
以下、図面により、本発明の一実施形態に係る車両の衝突被害軽減装置における監視対象物の検出装置について説明すると、図1はその全体構成を主に示す模式的なブロック図であり、図2は本装置による監視対象認定の信頼度を主に示す模式図であり、図4は本装置を搭載した車両が走行している場合を示す模式図であり、図3は本装置の動作を示す模式的なフローチャートであり、図5は本装置における監視対象認定の認定精度を示す模式的なグラフである。
図1に示すように、車両10には、ミリ波レーダユニット(障害物検出手段)11,ブザー12,ブレーキECU13および被害軽減ECU14が主に設けられている。
ミリ波レーダユニット11は、車両10の前端近傍に設けられ、ミリ波の電波を発するとともに、車両10の前方に存在する物体から反射してきた電波を受信することで、当該物体を障害物として検出するものである。また、このミリ波レーダユニット11は、後述する被害軽減ECU14とCAN(Controller Area Network)規格の通信ケーブル(図示略)によって接続されている。
また、このミリ波レーダユニット11は、複数の障害物を同時に検出することが出来るようになっている。
また、このミリ波レーダユニット11には図示しないレーダECUが内蔵されている。このレーダECUは、受信した電波に基づき、障害物と車両11との相対距離LR、および、障害物と車両10との相対速度VRを算出し、被害軽減ECU14に出力することが出来るようになっている。さらに、このレーダECUは、検出した障害物が、移動しているか否か,静止物であるか否か,移動しているものの静止しようとしているか否かを判定し、判定結果を被害軽減ECU14に出力することが出来るようになっている。
ブザー12は、図示しない車室内に設けられた警報装置であり、鳴動することで車両10のドライバの注意を促すようになっている。このブザー12は、ハーネスによって被害軽減ECU14に接続され、この被害軽減ECU14がこのブザー12への電力供給を行なうことで作動するようになっている。
ブレーキECU(自動制動装置;装備品)13は、車両10の各車輪15に設けられたブレーキ装置(図示略)をそれぞれ制御する電子制御ユニットである。このブレーキECU13はCAN規格の通信ケーブルによって被害軽減ECU14に接続され、この被害軽減ECU14の制御を受けて作動するようになっている。
被害軽減ECU14は、いずれも図示しない、CPU,メモリ,インタフェースユニットなどが備えられた電子制御ユニットである。また、この被害軽減ECU14には、いずれもソフトウェアとして実現される、検出期間算出部(検出期間算出手段)16,監視対象認定部(監視対象認定手段)17,信頼度設定部(信頼度判定手段)18および作動制御部(作動制御手段)19が設けられている。
これらのうち、検出期間算出部16は、ミリ波レーダユニット11により障害物が継続的に検出されている期間である検出継続期間ΣTDとして算出するものである。
信頼度設定部18は、検出期間算出部16により算出された検出継続期間ΣTDに応じて監視対象の信頼度係数Rを設定するものである。
つまり、図2に示すように、検出継続期間ΣTDが第1期間T1を超えているではあるものの第2期間T2(例えば、T2=1.5秒)以下である(即ち、T1<ΣTD≦T2である)場合、この信頼度設定部18は、監視対象の信頼度は「比較的低い」とみなし、信頼度係数Rを1に設定するようになっている。
また、この信頼度設定部18は、検出継続期間ΣTDが第2期間T2を超えているものの第3期間T3(例えば、T3=2秒)以下である(即ち、T2<ΣTD≦T3である)場合、監視対象の信頼度は「比較的高い」とみなし、信頼度係数Rを2に設定するようになっている。
さらに、この信頼度設定部18は、検出継続期間ΣTDが第3期間T3を超えている(即ち、T3<ΣTDである)場合、監視対象の信頼度は「極めて高い」とみなし、信頼度係数Rを3に設定するようになっている。
監視対象認定部17は、信頼度設定部18により設定された信頼度係数Rに応じて、ミリ波レーダユニット11により検出された障害物を、後述する作動制御部(衝突被害軽減装置)19の監視対象にするとともに、ブザー(装備品)12およびブレーキECU(装備品)13の作動対象にすべきか否かを決定するものである。
より具体的には、この監視対象認定部17は、信頼度設定部18により設定された信頼度係数Rが0(第2所定値)以下である場合(R≦0)、当該障害物を、ブザー12の作動対象として認識せず且つブレーキECU13の作動対象としても認識しないようになっている。
また、この監視対象認定部17は、信頼度係数Rが0を超えており且つ1(第1所定値)以下である場合(0<R≦1)、当該障害物を、ブザー12の作動対象として認識するがブレーキECU13の作動対象としては認識しないようになっている。
また、この監視対象認定部17は、信頼度係数Rが1を超えており且つ2(第3所定値)以下である場合(1<R≦2)、当該障害物を、ブザー12の作動対象として認識し且つブレーキECU13による警告動作の作動対象としても認識するようになっている。
さらに、この監視対象認定部17は、信頼度係数Rが2を超えている場合(R>2)、当該障害物を、ブザー12の作動対象として認識し且つブレーキECU13による制動動作の作動対象としても認識するようになっている。
つまり、車両10の運転に強い影響を与える動作ほど、高い信頼度が必要とされるようにすることで、障害物の誤検知や、ブザー12による警告動作およびブレーキECU13による警告動作や制動動作が誤って行なわれる事態を、一層効果的に防ぐことが出来るようになっている。
作動制御部19は、ミリ波レーダユニット11によって得られた、障害物と車両10との相対距離LRおよび障害物と車両10との相対速度VRと、信頼度設定部18により設定された信頼度係数Rに基づき、車両10が障害物に衝突することを回避する措置を実行する緊急度(衝突回避緊急度)、或いは、車両10が障害物に衝突することで生じる被害を軽減する措置を実行する緊急度(被害軽減緊急度)を推定するようになっている。なお、これらの衝突回避緊急度および被害軽減緊急度を含めて「対応緊急度」という。
そして、この作動制御部19は、この対応緊急度に応じて、ドライバの注意を促したり、ブレーキ装置を作動させたりするものである。
より具体的には、この作動制御部19は、障害物と車両10との相対距離LRが短いほど対応緊急度が高いと推定するとともに、障害物と車両10との相対速度VRが大きいほど対応緊急度が高いと推定するようになっている。
そして、この作動制御部19は、対応緊急度が比較的低い場合、ブザー12を鳴動させてドライバの注意を促すようになっている。
また、この作動制御部19は、対応緊急度が比較的高い場合、ブザー12の鳴動に加え、ブレーキ装置を警告的に作動させる指令をブレーキECU13に送信するようになっている。なお、警告的にブレーキ装置を作動させる指令とは、0.3G程度の減速度(−0.3G程度の加速度)を車両10に生じさせる指令である。
さらに、この作動制御部19は、対応緊急度が極めて高い場合、ブザー12の鳴動に加え、ブレーキ装置を緊急作動させる指令をブレーキECU13に送信するようになっている。なお、ブレーキ装置を緊急作動させる指令とは、0.6G程度の減速度(−0.6G程度の加速度)を車両10に生じさせる指令である。
本発明の一実施形態に係る車両の衝突被害軽減装置における監視対象物の検出装置は上述のように構成されているので、以下のような作用および効果を奏する。なお、ここでは、図3に示すフローチャートに沿って説明し、具体的な事例として、図1および図4に示す場合を例にとって詳述する。
図3に示すように、走行中の車両10に搭載されたミリ波レーダユニット11が作動し、障害物の検出が行なわれる(ステップS11)。
つまり、図1および図4に示すように、車両10の前方を走行する先行車21と、路側に設けられた電柱22およびポール23とが、ミリ波レーダユニット11により障害物として検出される。
その後、先行車21,電柱22およびポール23がミリ波レーダユニット11により障害物として継続的に検出された期間、即ち、検出継続期間ΣTDを、先行車21,電柱22およびポール23について、検出期間算出部16がそれぞれ算出する。(ステップS12)
また、監視対象認定部17は、検出期間算出部16により算出された検出継続期間ΣTDが第1期間T1(例えば、T1=1秒)以下であるか否かを判定する(ステップS13)。このとき、検出継続期間ΣTDが第1期間T1以下である場合(ステップS13のNoルート)、監視対象認定部17は当該障害物を監視対象にすべきではないとし、作動制御部19は当該障害物を監視対象にはしない。
一方、検出継続期間ΣTDが第1期間T1を超えている場合(ステップS13のYesルート)、監視対象認定部17は当該障害物を監視対象にすべきであると認定し、作動制御部19は当該障害物を監視対象にする(ステップS15)。
つまり、図1および図4に示す場合を例にとり、走行中の車両10がすぐに電柱22およびポール23の横を走り抜けたとする。つまり、このとき、ミリ波レーダユニット11が電柱22およびポール23を障害物として継続的に検出した期間(検出継続期間ΣTD)が極めて短い期間(例えば、0.7秒)であったとする。この場合、これらの電柱22およびポール23の各検出継続期間ΣTD(=0.7秒)は、第T1以下となり、これらの電柱22およびポール23は作動制御部19の監視対象とはならないのである。
一方、ミリ波レーダユニット11が先行車21を障害物として比較的長い期間(例えば、40秒)、継続的に検出したとする。この場合、先行車21の検出継続期間ΣTD(=40秒)は第T1を超えることとなり、この先行車21は作動制御部19の監視対象になるのである。
その後、図3のステップS16に示すように、信頼度設定部18は、検出継続期間ΣTDが第2期間T2(例えば、T2=1.5秒)を超えているか否かを判定する。ここで、検出継続期間ΣTDが第2期間T2以下であると判定された場合(ステップS16のNoルート)、この信頼度設定部18は、監視対象の信頼度は比較的低いとみなし、信頼度計数Rを1に設定する(ステップS18)。
一方、検出継続期間ΣTDが第2期間T2を超えていると判定された場合(ステップS16のYesルート)、信頼度設定部18は、検出継続期間ΣTDが第3期間T3(例えば、T3=2秒)を超えているか否かを判定する(ステップS17)。
ここで、検出継続期間ΣTDが第3期間T2以下であると判定された場合(ステップS17のNoルート)、信頼度設定部18は、監視対象認定部17により認定された監視対象の信頼度は比較的高いとみなし、信頼度係数Rを2に設定する(ステップS19)。
一方、検出継続期間ΣTDが第3期間T2を超えていると判定された場合(ステップS17のYesルート)、監視対象認定部17により認定された監視対象の信頼度は極めて高いとみなし、信頼度係数Rを3に設定する(ステップS20)。
ここで、再び図1および図4に示す場合を例にとって説明する。
上述の通り、先行車21の検出継続期間ΣTDは40秒程度であったとする。つまり、先行車21の検出継続期間ΣTDは第2期間T2を超え(ステップS16のYesルート)、さらに、第3期間T3をも超えることとなる(ステップS17のYesルート)。したがって、先行車21は監視対象としての信頼度が極めて高いとみなされ、先行者21の信頼度係数Rは3に設定されるのである(ステップS20)。
そして、この図3に示すフローチャートのステップS14,S18,S19およびS20において得られた結果に基づき、作動制御部19が作動する。つまり、この作動制御部19は、障害物と車両10との相対距離LRが短いほど対応緊急度が高いと推定するとともに、障害物と車両10との相対速度VRが大きいほど対応緊急度が高いと推定する。
つまり、車両10が先行車21よりも速いスピードで走行しており、車両10と先行車21との相対距離LRが次第に短くなってきていると仮定すると、このとき、この作動制御部19は、先行車21と車両10との相対距離LRが短くなるほど対応緊急度が高いと推定するとともに、先行車21と車両10との相対速度VRが大きいほど対応緊急度が高いと推定する。
さらに、先行車21が監視対象認定部17により監視対象として認定されているため、この作動制御部19は、信頼度設定部18により設定された先行車21の信頼度係数R(即ち、R=3)を考慮して対応緊急度を推定する。
その後、この作動制御部19は、推定された対応緊急度に応じて、ブザー12を鳴動させてドライバの注意を促したり、ブレーキ装置を作動させたりすることで、車両10が先行車21に衝突することを防止したり、車両10が先行車21に衝突した場合における被害を抑制する。
ここで、改めて従来技術である上記の特許文献1の技術および特許文献2の技術と、本実施形態に係る本発明とを比較する。
特許文献1の技術および特許文献2の技術においては、自車両が障害物に衝突するか否かの可能性を推定したり、ブレーキ装置や警報装置の作動タイミングを変更したりしているものの、ミリ波レーダまたはレーザレーダによって検出された障害物が、衝突被害軽減装置の監視対象にすべきであるのかの障害物であるかの選別をしていない。
このような従来の技術においては、レーザレーダやミリ波レーダによって検出された種々の障害物の全てに対し、衝突確率の算出をするため、衝突被害軽減装置の処理負荷が増大してしまう。
これに対して、本実施形態に係る本発明においては、車両10の走行方向側に存在する障害物である先行車21,電柱22およびポール23のうちの一部または全部を、作動制御部(衝突被害軽減装置)19の監視対象とするべきであるかの決定を高い精度で行なうことができるので、作動制御部19の処理負荷が増大することを抑制することが出来るのである。
また、障害物の検出継続期間ΣTDの長短に応じて監視対象の信頼度係数Rを決定する信頼度設定部18の処理や、信頼度係数Rに応じて障害物を監視対象として認識し且つブザー12やブレーキECU13の作動対象とするか否かの決定を行なう監視対象認定部17の処理は、比較的シンプルであるものの、その精度はかなり高いといえる。この点、ミリ波レーダユニット,ドライブデータレコーダ,動画カメラおよび動画レコーダを備えた実験車両5台を用いて行なった実験を集計した結果を示す図5を用いて説明する。
この図5に示すグラフは、これらの実験車両が走行している際、ミリ波レーダユニットが障害物として捕捉したもの(対象物)を、ミリ波レーダによって捕捉されていた期間(即ち、検出継続期間ΣTD)別に示すものである。
この図5中、斜線で示すバーは、衝突被害軽減装置を作動させる必要があったため、監視対象として認定にすべきであった対象物の数を示している。一方、白抜きで示すバーは、衝突被害軽減装置を作動させる必要が無かったため、監視対象として認定すべきではなかった対象物の数を示している。なお、衝突被害軽減装置を作動させる必要があるか無いかの判断は、動画カメラおよび動画レコーダにより録画された動画を発明者らが目視した結果や、ドライブデータレコーダに記録された実験車両の走行状態、および、運転者からの聞き取りによって得られた情報などに基づいて行なわれた。
例えば、自車両が走行している車線の外方に設置されているポールや電柱等に起因して、警報動作や自動制動動作が実行された場合に、当該動作の実行により運転者が不快に感じたか否か、或いは、本来的に警報すべきであったか否かといった観点で判断した。
そして、この図5のグラフに示すように、検出継続期間ΣTDが、1秒以上になると、監視対象にすべき対象物の数が徐々に増え始め、この検出継続期間ΣTDが4秒以上になると全ての対象物が監視対象にすべきであったことがわかる。
このように、本発明における監視対象認定部17および信頼度設定部18の処理は、シンプルであるものの、その精度はかなり高いのである。
また、障害物の検出継続期間ΣTDの長短に応じて監視対象の信頼度を決定する信頼度設定部18の処理や、信頼度に応じて障害物を監視対象として認識し且つブザー12やブレーキECU13の作動対象とするか否かの決定を行なう監視対象認定部17の処理は、比較的シンプルであるため、被害軽減ECU14の処理負荷が増大することを抑制することが出来る。
また、作動制御部19の処理負荷を抑制することで、ブザー12やブレーキECU13に対して、作動制御部19が素早く、適切に指令を送ることが可能となる。
さらに、作動制御部19の処理負荷を抑制することで、被害軽減ECU14の消費電力を抑制するとともに、被害軽減ECU14から生じる熱も抑制することも出来る。
また、障害物の検出継続期間ΣTDの長短に応じて、監視対象の信頼度を変化させることで、作動制御部19の作動精度を向上させることが出来る。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが出来る。
例えば、上述の実施形態においては、ミリ波レーダユニット11により障害物の検出を行なう場合を例にとって説明したが、これに限定するものではなく、レーザレーダ(赤外線レーダ)やカメラを用いて障害物を検出するようにしてもよい。
また、上述の実施形態においては、被害軽減ECU14と、ミリ波レーダユニット11,ブザー12およびブレーキECU13が、CAN規格の通信ケーブルによって接続されている場合を例にとって説明したが、このような場合に限定するものではない。例えば、LIN(Local Interconnect Network)規格,IDB−1394規格など、いずれの通信規格に合致する通信ケーブルを用いて接続しても良い。
また、上述の実施形態においては、第1期間T1が1秒として設定され、第2期間T2が1.5秒として設定され、第3期間T3が3秒である場合を例にとって説明したが、これに限定されるものではない。
また、上述の実施形態においては、作動制御部19がブザー12およびブレーキECU13を制御する場合について説明したが、これに限定されるものでは無い。例えば、作動制御部19がシートベルトプリテンショナを制御することで、ドライバに警告を与えたり、ドライバをより確実に拘束したりするようにしてもよい。
本発明の一施形態に係る車両の衝突被害軽減装置における監視対象物の検出装置の全体構成を主に示す模式的なブロック図である。 本発明の一施形態に係る車両の衝突被害軽減装置における監視対象物の検出装置により設定された監視対象の信頼度レベルを規定する模式的な信頼度マップである。 本発明の一施形態に係る車両の衝突被害軽減装置における監視対象物の検出装置の動作を示す模式的なフローチャートである。 本発明の一施形態に係る車両の衝突被害軽減装置における監視対象物の検出装置を搭載した車両が走行している場合を示す模式図である。 本発明の一施形態に係る車両の衝突被害軽減装置における監視対象物の検出装置による検出精度を示す模式的なグラフである。
符号の説明
10 車両
11 ミリ波レーダユニット(障害物検出手段)
12 ブザー(装備品)
13 ブレーキECU(装備品)
16 検出期間算出部(検出期間算出手段)
17 監視対象認定部(監視対象認定手段)
18 信頼度設定部(信頼度設定手段)
R 信頼度係数
ΣTD 検出継続期間

Claims (3)

  1. 車両の走行方向側に存在する障害物を監視し、該監視された該障害物に衝突する可能性に応じて該車両に備えられた装備品を作動させる車両の衝突被害軽減装置における監視対象物の検出装置であって、
    該車両に搭載され該車両の走行方向側に存在する物体のうち該車両と衝突する可能性のある物体を障害物として検出する障害物検出手段と、
    該障害物検出手段により該物体が該障害物として継続的に検出されている期間を検出継続期間として算出する検出期間算出手段と、
    該検出期間算出手段により算出された該検出継続期間に応じて該障害物を該衝突被害軽減装置の監視対象とするとともに該装備品の作動対象にするか否かを決定する監視対象認定手段とを備える
    ことを特徴とする、車両の衝突被害軽減装置における監視対象物の検出装置。
  2. 該検出継続期間が増大するにつれて該障害物の信頼度係数を増大させる信頼度設定手段をさらに備え、
    該監視対象認定手段は、該信頼度設定手段により設定された該障害物の信頼度係数に基づいて該障害物を該衝突被害軽減装置の監視対象とするとともに該装備品の作動対象にするか否かを決定する
    ことを特徴とする、請求項1記載の車両の衝突被害軽減装置における監視対象物の検出装置。
  3. 該装備品には、該車両の運転者に対する警報装置と、該運転者の意思に関わらず該車両を制動する自動制動装置とが含まれ、
    該監視対象認定手段は、
    該障害物の該信頼度係数が第1所定値を超えている場合には、該障害物を該警報装置および該自動制動装置の作動対象とし、
    該障害物の該信頼度係数が該第1所定値よりも小さい第2所定値以下である場合には、該障害物を該警報装置および該自動制動装置の作動対象とはせず、
    該障害物の該信頼度係数が該第2所定値を超えており且つ該第1所定値以下である場合には、該障害物を該警報装置の作動対象とし且つ該自動制動装置の作動対象とはしない
    ことを特徴とする、請求項2記載の車両の衝突被害軽減装置における監視対象物の検出装置。
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