以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施の形態による偏光板貼り付け装置の全体構成を示す図である。この偏光板貼り付け装置は、図中の右方向から左方向に向かって略水平状態で移動して来た液晶パネルを起立状態に変換して、起立状態で進行させ、進行中の液晶パネルの第1主表面及び第2主表面に対して偏光板をほぼ同時に貼り付けるようにしたものである。
この実施の形態に係る偏光板貼り付け装置は、図1に示すように、略水平状態で搬送されてきた液晶パネルを起立状態に変換して後段の偏光板貼り付けステーション200に供給する液晶パネル供給ステーション100と、偏光板貼り付けステーション200の両側に設けられ、略水平状態に載置されている偏光板を略垂直状態に変換して偏光板貼り付けステーション200に供給する偏光板供給ステーション700,750と、液晶パネル供給ステーション100から起立状態で供給される液晶パネル(セル)の第1主表面及び第2主表面に対して、偏光板供給ステーション700,750から起立状態で供給される偏光板をほぼ同時に貼り付ける偏光板貼り付けステーション200と、偏光板貼り付けステーション200の両側に設けられ、偏光板から剥離された保護フィルムを巻き取って排出する保護フィルム排出ステーション800,850と、偏光板貼り付けステーション200で偏光板の貼り付けられた液晶パネルを起立状態から略水平状態に変換して排出する液晶パネル排出ステーション900とから構成される。
図2は、図1の液晶パネル供給ステーションの詳細構成を示す図である。図3は、図2の液晶パネル供給ステーションを右側から見た側面図である。液晶パネル供給ステーション100は、図1に示すように偏光板貼り付けステーション200の前方(図の右側)に設けられ、略水平状態で搬送されてきた液晶パネル10を偏光板貼り付けステーション200に略垂直に起立された状態の液晶パネル10として供給するものである。
液晶パネル供給ステーション100は、図2及び図3に示すように、液晶パネル搬送部110と略垂直変換部150から構成される。液晶パネル搬送部110は、液晶パネル10を移送しながら略水平状態から起立状態(略垂直状態)に変換するものであり、図2及び図3に示すように、側部ローラ111と下部ローラ112とから構成される。側部ローラ111は、液晶パネル10の両面に対向した側部に設けられ、液晶パネル10の側面と接触して液晶パネル10が上下又は左右側に倒れないように支持すると共に液晶パネル10を特定の方向に移動させる役割を果たすものである。下部ローラ112は、起立された状態の液晶パネル10の下面と接触して液晶パネル10を支持すると共に液晶パネル10を特定の方向に移動させるものである。側部ローラ111は、モータなどの駆動力源(図示せず)によって回転制御される。下部ローラ112は、駆動力によって回転しないが、側部ローラ111の回転に応じて移動する液晶パネル10と接触することによって、受動的に回転する。なお、下部ローラ112にも動力源を設けて、能動的に回転制御するようにしてもよい。
側部ローラ111は、液晶パネル供給ステーション100の全体に渡って複数本設けられている。側部ローラ111は、片面側に、例えば9本が設けられている。各側部ローラ111の回転軸には、複数の接触部ローラ111a〜111dが設けられている。各接触部ローラ111a〜111dは、その外周部が液晶パネル10の表面に接触するようなっている。側部ローラ111の各回転軸は、動力伝達手段を介して機械的に接続されており、1又は複数の駆動力源によって回転制御されるようになっている。
下部ローラ112は、複数個のローラが略水平方向に所定間隔で一列に並んで配置されている。下部ローラ112を構成する各ローラは、起立状態にある液晶パネル10の下端部と接触して受動的に回転しながら液晶パネル10の移動を案内する。なお、上述のように液晶パネル搬送部110は、側部ローラ111と下部ローラ112を基本的な構成要素とし、これらの各要素がフレーム手段などによって結合構成されることによって、図2及び図3に示すような液晶パネル搬送部110を構成している。
略垂直変換部150は、移動部本体151、ガイドレール152,153、ラック154,155、ピニオン156,157、動力伝達軸158,159、動力伝達円板160,161、及び略垂直略水平可動部162,163から構成される。移動部本体151は、ガイドレール152,153に沿って図中の上下方向に移動可能な構成になっている。移動部本体151の移動は、図示していないが、ガイドレール152,153の下側にボールネジを設け、このボールネジに結合されたナット部と移動部本体151とを機械的に結合し、ボールネジの回転駆動によって移動部本体151がガイドレール152,153に沿って移動するように構成されている。なお、これ以外の駆動方法で移動させるようにしてもよい。
ラック154,155は、ガイドレール152,153の外側であってガイドレール152,153に沿って平行に設けられている。ラック154,155は、移動部本体151に設けられたピニオン156,157に係合されている。従って、ガイドレール152,153に沿って移動部本体151が移動すると、ラック154,155上をピニオン156,157が係合しながら回転移動する。ピニオン156,157には、図3に示すように、外周に歯車を有する動力伝達軸158,159が機械的に結合されている。動力伝達円板160,161は、移動部本体151内に設けられ、動力伝達軸158,159の歯車に係合する歯車を備えている。また、動力伝達円板160,161は、液晶パネル搬送部110に機械的に結合されている。従って、ガイドレール152,153に沿って移動部本体151が移動すると、ピニオン156,157及び動力伝達軸158,159が回転移動し、これに伴って動力伝達円板160,161が共に回転するようになり、これに結合された液晶パネル搬送部110も全体的に回転移動するようになる。
図4及び図5は、液晶パネル供給ステーションが略水平状態の液晶パネル10を起立状態に変換する動作の一例を示す図である。移動部本体151がガイドレール152,153に沿って図の右方向に移動することによって、ピニオン156,157がラック154,155上を回転移動し、その回転駆動力が動力伝達軸158,159を介して動力伝達円板160,161に伝わり、動力伝達円板160,161は、回転移動する。これによって、液晶パネル搬送部110は、動力伝達円板160,161を中心に回転する。
図4及び図5は、この液晶パネル搬送部110が動力伝達円板160,161を中心に回転するようすを示している。図4は、移動部本体151がガイドレール152,153に沿って図中を右側に約4分の1程度移動した状態を示す。これによって、動力伝達円板160,161は、約45度、反時計方向に回転する。従って、液晶パネル搬送部110は、図3の略水平状態から、図4に示すような45度傾いた状態となる。さらに、図5に示すように、移動部本体151がガイドレール152,153に沿って図中を右側に移動し、ガイドレール152,153のほぼ中央付近に移動すると、液晶パネル搬送部110は、図3の略水平状態から図4の45度傾いた状態を経て、図5に示すような90度の起立した状態となる。なお、液晶パネル搬送部110は、液晶パネル10が90度起立した状態よりも、85度又は95度のように5度程度傾いた状態の方が効率的に液晶パネル10を搬送することができる。
図6は、偏光板貼り付けステーション200の全体構成を示す図である。図6に示すように、偏光板貼り付けステーション200は、液晶パネルアライメント部201、保護フィルム剥離部300,350、偏光板貼り付け部400,450、偏光板起立供給部500,550、及び偏光板付液晶パネル搬送部600から構成される。液晶パネルアライメント部201は、液晶パネル供給ステーション100から搬送されてきた液晶パネル10と偏光板との位置合わせを行うものである。保護フィルム剥離部300,350は、液晶パネル10に貼り付けられる前の偏光板から保護フィルムを剥離するものである。偏光板貼り付け部400,450は、起立状態の液晶パネル10に偏光板を貼り付けるものである。偏光板起立供給部500,550は、偏光板供給ステーション700,750から搬送されてきた偏光板を起立状態として、偏光板貼り付け部400,450に供給するものである。偏光板付液晶パネル搬送部600は、偏光板貼り付け部400,450で偏光板の貼り付けられた液晶パネル10を液晶パネル排出ステーション900に搬送するものである。
図7は、図6の液晶パネルアライメント部の詳細構成を示す図であり、図6の液晶パネルアライメント部201を拡大して示したものであり、偏光板貼り付け装置上方側から見た図である。液晶パネルアライメント部201は、液晶パネル搬送部110から搬送されてきた起立状態(略垂直状態)の液晶パネル10を偏光板貼り付け部400,450の回転ローラ部に正確に位置合わせして供給するものであり、図3の液晶パネル搬送部110と同様の側部ローラ202と下部ローラ203とを有する。側部ローラ202は、液晶パネル10の両面に対向して設けられ、液晶パネル10の両面と接触して液晶パネル10が左右側に倒れないように支持すると共に液晶パネル10を特定の方向(図中の左方向)に移動させる役割を果たすものである。下部ローラ203は、起立された状態の液晶パネル10の下部側と接触して液晶パネル10を支持すると共に液晶パネル10を特定の方向(図中の左方向)に移動させるものである。
この実施の形態では、側部ローラ202は、それぞれ左右に設けられたモータ(駆動力源)204,205によって回転制御される。このモータ204,205の駆動力は、図7に示すように、伝達手段2023,2024を介してそれぞれの側部ローラ202に伝達されるようになっている。下部ローラ203は、移動する液晶パネル10の下部側に設けられており、前述の液晶パネル供給ステーション100の下部ローラ112と同じ高さに設定され、モータ2031によって能動的に回転制御され、液晶パネル供給ステーション100から供給された液晶パネル10を積極的に図中の左方向に移動させるものである。
図8は、図7の液晶パネルアライメント部201を図の下側から見た側面図である。なお、図8では、図7の側部ローラ202の片側のみを示し、反対側については図示を省略してある。図8に示すように、側部ローラ202は、液晶パネルアライメント部201の全体に渡って複数本設けられている。図では、側部ローラ202は、片面側に9本の回転軸が設けられている。それぞれの回転軸には、複数(図では6個)の接触部ローラ202a〜202fが設けられている。各接触部ローラ202a〜202fは、図8に示すように側面から見て、接触部ローラ202a〜202fの外周面が液晶パネル10の両表面に接触するようなっている。
側部ローラ202の各回転軸は、動力伝達手段を介して機械的に接続され、モータ204,205によって回転制御されるようになっている。下部ローラ203は、複数(図では14個)のローラが略水平方向に所定間隔で一列に並んで配置されている。下部ローラ203を構成する多数個のローラは、起立された状態の液晶パネル10の下端部と接触して能動的に回転しながら液晶パネル10を略水平方向に移動させる。上述のように液晶パネルアライメント部201の基本構成は、側部ローラ202と下部ローラ203であり、これらをフレーム手段などを用いて構成することによって、図7及び図8に示すような液晶パネルアライメント部201が形成されている。各接触部ローラ202a〜202fは、側部ローラ202の全体に均等に配置されておらず、図8に示すように、主に側部ローラ202の上側に配置されている。これは、品種すなわち大きさの異なる光学フィルムに対応付けて、その上端部付近に各接触部ローラ202a〜202fのいずれかが接触できるように構成してある。従って、側部ローラ202の下側には接触部ローラを設けていない。ただし、側部ローラ202の下側に接触部ローラを設けてもよいことはいうまでもない。
図9は、液晶パネルアライメント部201の側部ローラ202の片側が液晶パネル供給ステーション100側に移動した(引き出した)状態を示す図である。すなわち、液晶パネルアライメント部201に保持されている液晶パネル10が図6の偏光板貼り付け部400,450の吸着ドラムに正確に位置決めされているかどうかの観察を行うために、液晶パネルアライメント部201の側部ローラ202の片側を液晶パネル供給ステーション100側に移動して、吸着ドラムと液晶パネル10との間の位置決め状態(例えば、貼り付けスタート位置、ギャップの状態など)を目視で確認するためである。また、液晶パネル10の搬送途中にラインが停止したり、液晶パネル10に不具合が発生した場合でも、搬送途中の液晶パネル10を容易にかつ安全に取り出すことができるものである。
図10、図11及び図12は、図6の偏光板起立供給部及び偏光板付液晶パネル搬送部の詳細構成を示す図である。図10は、図6の偏光板起立供給部500,550及び偏光板付液晶パネル搬送部600を拡大して示したものであり、偏光板貼り付け装置上方側から見た図である。図11は、図10の偏光板起立供給部500を図の下側から見た図である。図12は、図10の偏光板起立供給部500,550及び偏光板付液晶パネル搬送部600を図の右側(吸着ドラム側)から見た図である。
偏光板起立供給部500,550は、偏光板供給ステーション700,750から搬送されてきた略水平状態の偏光板を起立状態(略垂直状態)に変換して、偏光板貼り付け部400,450の吸着ドラムに正確に位置合わせして供給するものである。偏光板付液晶パネル搬送部600は、偏光板貼り付け部400,450で偏光板の貼付られた後の液晶パネル10を液晶パネル排出ステーション900に搬送するものである。偏光板起立供給部500,550は、側部ローラ502,552、下部ローラ503,553、起立ドラム505,555及び搬送ローラ506,556から構成される。図10に示すように、側部ローラ502,552は、偏光板の両面に対向して設けられ、偏光板供給ステーション700,750から搬送されてきた偏光板を挟持しながら持ち上げて、起立状態(略垂直状態)に設定する。側部ローラ502は、図11に示すように、径の大きなローラからなる第1側部ローラ5021と径の小さなローラからなる第2側部ローラ5022とからなる対が略垂直方向に複数設けられており、これらの第1側部ローラ5021と第2側部ローラ5022にベルト5023が巻き回されており、偏光板10の両側に設けられたベルト5023が偏光板10を挟持しながら、上方に持ち上げるようになっている。なお、図11では、説明の便宜上ベルト5023の図示を省略してある。
下部ローラ503,553は、起立状態にある偏光板10の下端部と接触して偏光板10を支持すると共に偏光板10を特定の方向(図11の図中の右方向)、すなわち吸着ドラム側に移動させるものである。この実施の形態では、側部ローラ502,552は、それぞれ左右に設けられたモータ(駆動力源)504,554によって回転制御される。このモータ504,554の駆動力は、それぞれの側部ローラ502,552に伝達されるようになっている。下部ローラ503,553は、起立された偏光板の下端部側に設けられており、前述の液晶パネル供給ステーション100の下部ローラ112又は液晶パネルアライメント部201の下部ローラ203と同じ高さに設定され、モータ5031,5032によって能動的に回転制御され、起立された偏光板10を偏光板起立供給部500,550から吸着ドラム側に積極的に移動させるものである。
エアブロック520〜526は、図11に示すように、径の大きな第1側部ローラと径の小さな第2側部ローラとの間に設けられたものであり、起立状態にある偏光板10に対してエアを吹き付け、起立状態を維持するものである。このエアブロック520〜526は、偏光板起立供給部500,550の側部ローラ502,552内に完全に収納され、搬送ベルト5033,5034に下端部の接触した偏光板10の両面に対してエアを吹き付けることによって、偏光板10の起立状態を維持する。エアブロック520〜526は、起立状態にある偏光板10が側部ローラ502,552に接触しないようにするものであれば、どのような形状でもよい。なお、エアブロック520〜526のエア吹き付け方向を偏光板10の搬送方向に沿った方向とすることによって、偏光板10を効率よく搬送できるようにしてもよい。
偏光板起立供給部500の下部ローラ503は、図11に示すように、偏光板の下端部に複数のローラが直接接触するのではなく、複数のローラを2分割し、分割された複数のローラに搬送ベルト5033,5034が巻き回されている。この搬送ベルト5033,5034が偏光板の下端部に直接接触するように構成されている。液晶パネル供給ステーション100の側部ローラ111及び液晶パネルアライメント部201の側部ローラ202は、それぞれローラ回転方向と液晶パネル10の搬送方向が一致しているので問題ないが、偏光板起立供給部500,550の側部ローラ502,552のローラ回転方向は、略垂直方向であり、偏光板の搬送方向である略水平方向とは直交しているので、偏光板の搬送上若干の問題があるので、側部ローラ502,552は、偏光板10を上方に持ち上げた時点で、偏光板10から離れる方向に移動して、偏光板10の挟持を解除する。これによって偏光板10は自重によって落下し、その下端部が搬送ベルト5033,5034と接触するようになる。搬送ベルト5033,5034は、偏光板10に対する接触面積が十分に大きいので、偏光板10を効率よく搬送方向へ移動させることができる。
図10の偏光板起立供給部500の図中下側には、図12に示すように、偏光板供給ステーション700,750から略水平状態で供給された偏光板を偏光板起立供給部500,550の側部ローラ502,552内に案内する起立ドラム505,555が設けられている。偏光板供給ステーション700,750と起立ドラム505,555との間には、偏光板を偏光板供給ステーション700,750から起立ドラム505,555に搬送するための搬送ローラ506,556が設けられている。搬送ローラ506,556は、図10に示すように、起立ドラム505,555に対して平行に設けられており、長さも起立ドラム505,555とほぼ同じに構成されている。また、搬送ローラ506,556の端部には、動力伝達ローラ507,557が設けられている。動力伝達ローラ507,557は、起立ドラム505,555に結合された駆動用モータ511,561に対して動力伝達ローラ509,510,559,560をそれぞれ介して接続されている。従って、起立ドラム505,555と搬送ローラ506,556は互いに同期しながら回転する。
偏光板供給ステーション700,750から略水平状態で供給された偏光板を偏光板起立供給部500の側部ローラ502,552内に案内するために、図12に示すように、起立ドラム505の右下側には、起立ドラム505の約4分の1周面に渡って、起立ドラム505の回転に応じて回転するガイドベルト512が設けられている。ガイドベルト512は、ガイドローラ513,514,515によって三点支持され、起立ドラム505の回転に応じて回転するように構成されている。同じく、図12に示すように、起立ドラム555の左下側には、起立ドラム555の約4分の1周面に渡って、起立ドラム555の回転に応じて回転するガイドベルト562が設けられている。ガイドベルト562は、ガイドローラ563,564,565によって三点支持され、起立ドラム555の回転に応じて回転するように構成されている。
従って、偏光板供給ステーション700,750から略水平状態で供給された偏光板は、この起立ドラム505,555とガイドベルト512,562との間を通過して、そこで屈曲して略水平状態から起立状態へと変換され、偏光板起立供給部500の側部ローラ502,552によって挟持され、上方に案内される。なお、図12において、搬送ベルト5033,5034は、偏光板が偏光板起立供給部500,550の側部ローラ502,552内に完全に案内されるまで、中央部に移動して退避しており、偏光板10が偏光板起立供給部500の側部ローラ502,552内に完全に収納された時点で、図12のように偏光板の下端部と接触する位置まで移動するような構成となっている。図12では、右側の搬送ベルト5533,5534,5533,5534が中央部に移動して退避した状態を示し、左側の搬送ベルト5033,5534が偏光板と接触可能な位置に移動した状態を示している。なお、実際は、搬送ベルト5033,5034,5533,5534は同じ動きをするが、説明の便宜上、図12では異なる動作状態を示している。
なお、偏光板供給ステーション700,750からは1枚の偏光板11だけが供給されるように構成されているが、実際には複数枚の偏光板が重ね合わせられた状態で供給される場合がある。このような場合に、重ね合わせられた偏光板を外部に排出するように構成された排出ガイド板530,580が動力伝達ローラ509,559とガイドローラ513,563との間に設けられている。複数枚の偏光板が重ね合わせられた状態で供給されると、厚み検出器(図示せず)によって偏光板が複数枚であることが認識される。この厚み検出器によって、偏光板が複数枚であると認識された場合には、図12の左下側の排出ガイド板530のように、動力伝達ローラ509とガイドローラ513との間に、排出ガイド板530が回転移動して、重ね合わせられた偏光板を外部に排出するようになっている。なお、偏光板供給ステーション700,750から1枚の偏光板11だけが供給された場合には、図12の右下側に示すように、排出ガイド板580は、動力伝達ローラ559とガイドローラ563との間から待避して、偏光板11を起立ドラム555側に正常に案内する。
偏光板付液晶パネル搬送部600は、図10及び図12に示すように、図6の偏光板貼り付け部400,450の吸着ドラムによって偏光板の貼り付け後の起立状態(略垂直状態)の偏光板付液晶パネル10を液晶パネル排出ステーション900に搬送するものである。偏光板付液晶パネル搬送部600は、図3の液晶パネル搬送部110又は図6の液晶パネルアライメント部201と同様の側部ローラ602と下部ローラ615とを備えて構成されている。側部ローラ602は、偏光板付液晶パネル10の両面に対向するように設けられており、偏光板付液晶パネル10の両面と接触して偏光板付液晶パネル10aが左右側に倒れないように支持する役割を果たすものである。下部ローラ615は、起立状態の偏光板付液晶パネル10aの下部側と接触して偏光板付液晶パネル10aを支持すると共に偏光板付液晶パネル10aを特定の方向(図10の図中の左方向)に移動させるものである。
この実施の形態では、側部ローラ602は、それぞれ左右に設けられたモータ(駆動力源)603,604によって回転制御される。このモータ603,604の駆動力は、動力伝達手段605,606を介してそれぞれの側部ローラ602に伝達されるようになっている。下部ローラ615は、移動する偏光板付液晶パネル10aの下部側に設けられており、前述の液晶パネル供給ステーション100の下部ローラ112と同じ高さに設定され、モータ608によって能動的に回転制御され、偏光板貼り付け部400,450の吸着ドラムから供給される偏光板付液晶パネル10aを積極的に液晶パネル排出ステーション900(図10の図中の左方向)に移動させる。
側部ローラ602は、図10に示すように、偏光板付液晶パネル搬送部600の全体に渡って複数本設けられている。図では、側部ローラ602は、片面側に複数本の回転軸が設けられている。それぞれの回転軸には、複数(図12では6個)の接触部ローラ602a〜602fが設けられている。各接触部ローラ602a〜602fは、図12に示すように側面から見て、接触部ローラ602a〜602fの外周面が偏光板付液晶パネル10aの表面(偏光板面)に接触するようなっている。各接触部ローラ602a〜602fは、側部ローラ602の全体に均等に配置されておらず、図12に示すように、主に側部ローラ602の上側に配置されている。これは、品種すなわち大きさの異なる液晶パネルに対応付けて、その上端部付近に各接触部ローラ602a〜602fのいずれかが接触できるように構成してある。従って、側部ローラ602の下側には接触部ローラを設けていない。ただし、側部ローラ602の下側に接触部ローラを設けてもよいことはいうまでもない。側部ローラ602の各回転軸は、動力伝達手段605,606を介してモータ603,604に接続され、モータ603,604によって回転制御されるようになっている。図示していないが、下部ローラ615は、側部ローラ602と同様には複数のローラが略水平方向に所定間隔で一列に並んで配置されている。下部ローラ615を構成する複数個のローラは、起立された状態の偏光板付液晶パネル10aの下端部と接触して能動的に回転しながら偏光板付液晶パネル10aを略水平方向に移動させる。上述のように偏光板付液晶パネル搬送部600の基本構成は、側部ローラ602と下部ローラ615であり、これらをフレーム手段などを用いて構成することによって、図10及び図12に示すような偏光板付液晶パネル搬送部600を形成している。
図13は、偏光板起立供給部500,550と偏光板付液晶パネル搬送部600の片側が液晶パネル排出ステーション900側に移動した状態を示す図である。すなわち、図6の偏光板貼り付け部400,450の吸着ドラムによって偏光板の貼り付けられた後の液晶パネル10の貼り付け状態等を偏光板付液晶パネル搬送部600上に保持した状態で確認するために、偏光板起立供給部500,550と偏光板付液晶パネル搬送部600の片側を液晶パネル排出ステーション900側に移動可能にしたものである。なお、図12に示すように、偏光板起立供給部500,550と偏光板付液晶パネル搬送部600とは、フレーム手段609〜612によって結合されているので、図13に示すように、偏光板起立供給部550と共に偏光板付液晶パネル搬送部600の片側の側部ローラ602が移動するような構成になっている。図13に示すように、偏光板起立供給部550と共に偏光板付液晶パネル搬送部600の片側の側部ローラ602を移動させることによって、貼り付け直後の偏光板付液晶パネル10aの貼り付け状態を目視で容易に確認することができるようになる。また、搬送途中にラインが停止したり、偏光板付液晶パネル10aに不具合が発生した場合でも、搬送途中の偏光板付液晶パネル10aを容易にかつ安全に取り出すことができる。
図14は、図6の保護フィルム剥離部及び偏光板貼り付け部の詳細構成を示す図であり、保護フィルム剥離部及び偏光板貼り付け部をそれぞれ拡大して示したものであり、偏光板貼り付け装置上方側から見た図である。図15は、図14の保護フィルム剥離部の剥離動作を説明する図である。図16は、図14の保護フィルム剥離部の剥離ユニット部の詳細構成を示す図である。図17は、偏光板貼り付け部の詳細構成を示す円筒状吸着ドラムの展開図である。図18は、図14の偏光板貼り付け部の吸着ドラム付近を図の下側から見た側面図である。なお、保護フィルム剥離部300及び偏光板貼り付け部400と、保護フィルム剥離部350及び偏光板貼り付け部450との構成は同じなので、保護フィルム剥離部300及び偏光板貼り付け部400の構成のみを図示し、保護フィルム剥離部350及び偏光板貼り付け部450については図示及び説明を省略する。
保護フィルム剥離部300は、図14に示すように、剥離ユニット部301と、剥離ユニット駆動部320と、偏光板案内部330とから構成される。剥離ユニット部301は、吸着ドラム410に真空吸着された偏光板11(図中の点線)の一端に接触される粘着テープ310と、この粘着テープ310の巻き回されたローラ311〜314と、これらのローラの回転により粘着テープ310に付着した保護フィルム11a(図中の一点鎖線)の端を挟み込むチャック321と、剥離された保護フィルム11aと前回剥離された保護フィルム11bと連結させる保護フィルム連結部315とから構成される。
剥離ユニット部301は、図16に示すように、吸着ドラムの長手方向に沿って複数設けられている。この実施の形態では、5個の剥離ユニット部301が設けられている。従って、剥離ユニット部301は、保護フィルムに対してそれぞれ5箇所で剥離動作を行うことになる。なお、図16では、粘着テープ310は省略して示してある。剥離ユニット駆動部320は、保護フィルム連結部315を除く剥離ユニット部301全体を移動制御するものであり、粘着テープ310が保護フィルム11aに接触可能な位置に移動させ、剥離された保護フィルム11aを挟み込んだチャック321を保護フィルム連結部315まで導き、保護フィルム連結部315で前回剥離された保護フィルム11bに対して今回の保護フィルム11aを連結するというエンボス加工処理を制御している。なお、エンボス加工処理以外の処理、例えば熱圧着処理や超音波接続処理で保護フィルムを連結してもよい。
保護フィルム剥離部300は、図14に示すように、液晶パネル10と偏光板11との貼り付け位置に近い位置で剥離ユニット駆動部320によって粘着テープ310を保護フィルム11aの先端部に接触させる。そして、剥離ユニット部301は剥離方向(図14の下側方向)へわずかに移動しながら、粘着テープ310に付着した保護フィルム11aの端を偏光板11から引き離す。偏光板11から引き離された保護フィルム11aの端はローラ311〜314の回転によってチャック内に導入され、そこで保護フィルム11aの端はチャック321に挟み込まれる。次に、剥離ユニット301は、保護フィルム11aの端をチャック321に挟んだまま、剥離方向(図の下側方向)へ所定距離だけ移動して、偏光板11から保護フィルム11aを剥離する。そして、図15に示すように、剥離ユニット301は、さらに剥離方向(図の下側方向)に移動し、保護フィルム11aの剥離した部分を保護フィルム連結部315の前回剥離された保護フィルム11b上に重ね合わせる。
保護フィルム連結部315には、ピン316の挿入可能な穴317が設けられているので、剥離ユニット駆動部320は、図15に示すように、この穴317にピン316を挿入する。これによって前回の保護フィルム11bと今回の保護フィルム11aとが互いにエンボス加工で連結される。連結された保護フィルム11aは案内ローラ318に案内されて、偏光板11から順次剥離されるようになる。偏光板11の保護フィルム11aは、液晶パネル10と偏光板11との貼り付け位置の近い位置で順次剥離されることで、偏光板11への異物の付着が防止できる。
偏光板案内部330は、偏光板供給ステーション700,750から搬送されてきた起立状態(略垂直状態)の偏光板を偏光板貼り付け部400の吸着ドラム410に案内するものであり、偏光板11を吸着ドラム410に送り出すフィードローラ331と、偏光板11の表面をクリーニングするクリーニング部332と、これらを支持する支持枠333とから構成される。フィードローラ331は、クランプ機能を備えており、偏光板11を吸着ドラム410に正確に位置決めするようになっている。クリーニング部332は、クリーニングローラユニットなどで構成されていてもよい。
偏光板貼り付け部400は、偏光板供給ステーション700,750から搬送されてきた起立状態(略垂直状態)の偏光板を一時的に吸着して、液晶パネル供給ステーション100から搬送されて来た起立状態(略垂直状態)の液晶パネル10に貼り付けるものである。すなわち、偏光板貼り付け部400は、起立状態で供給される液晶パネルの左右両面に偏光板11を同時に貼り付けるものである。吸着ドラム410は、図6に示すように、2個の円筒状の吸着ドラム410が略垂直に起立した状態で平行に配置されている。2個の円筒状の吸着ドラム410は、両吸着ドラム410の外周面が液晶パネル供給ステーション100から移送されて来た液晶パネルの表面と一直線上で接触するように構成されている。さらに、両吸着ドラム410は、互いに反対方向に所定の力が加えられる状態で設けられているので、両吸着ドラム410間を通過する液晶パネルの表面に所定の圧力が加えられることになり、これによって偏光板11の同時両面貼り付け作業が行われる。このとき、両吸着ドラム410間を通過する液晶パネルの厚みに応じて、両吸着ドラム410間の間隔は自在に変動するように、両吸着ドラム410間には常に所定の圧力を加える圧力印加部材(図示せず)が設けられている。この圧力印加部材は、両吸着ドラム410にそれぞれ結合されて設けられており、互いに吸着ドラム410を向き合う方向に押して吸着ドラム410と液晶パネルとの接触面に常に一定の圧力が加えられるようにしている。
偏光板貼り付け部400は、前述のように2個の円筒状の吸着ドラム410から構成されるものである。吸着ドラム410は、所定肉厚の薄板状のパネルが円筒状に巻き回されたような構成となっている。なお、ここでは、薄板状のパネルが円筒状に巻き回されたような構成のものを例にしているが、吸着ドラムとしては、円柱状の部材を用いても良い。図17は、この円筒状の吸着ドラム410を展開して示した展開図である。吸着ドラム410は、図17に示すように、約半分に多数の吸着エリア411(点線枠で囲んだ領域)が設けられている。吸着エリア411は、最も面積の小さな偏光板11cの短軸方向の長さに対応する空洞部412に設けられた吸着穴と、最も面積の大きな偏光板11dの短軸方向長さに対応する空洞部413の側部に設けられた吸着穴と、空洞部412から空洞部413に向かって徐々に吸着穴の個数が増加するように設けられた空洞部がそれぞれ構成されている。この空洞部は、円筒状の吸着ドラム410の回転軸に対して略平行となるように直線的に設けられたものである。すなわち、吸着ドラム410は最も面積の大きな偏光板11dをその先端部及び後端部が互いに重なることなく巻き回すことががきる程度の大きさの直径をしている。このように直径の大きな吸着ドラム410を用いて液晶パネルの左右両側から加圧しながら貼り付けることによって、液晶パネルのCF面及びTFT面に同時に貼り付けられる偏光板の大きさや貼り付け開始位置などが互いに異なる場合でも、液晶パネルの両面に偏光板をほぼ同時に貼付けることができる。
各吸着穴は、薄板状パネルの板内に設けられた空洞部に対して円筒状ドラムの側面から空洞部に向けて設けられた開口穴である。各吸着穴の空洞部は吸着ドラム410の両端部にその開口部を有するが、吸着ドラム410の左側の開口部端には図示していないストッパで気密が保持されており、吸着ドラム410の右側の開口部端に、真空吸気口414が挿入装着された薄板状パネル内の空洞部のみがそれぞれ真空吸気されるようになっている。
一方、偏光板供給ステーション700,750から搬送されてきた起立状態(略垂直状態)にある偏光板11の先端部を最初に吸着する吸着穴を備えた空洞部420には、前述の吸着穴よりも開口部面積の大きな吸着穴が設けられている。これは、保護フィルム剥離部300の粘着テープ310によって保護フィルムが剥離されるので、この剥離時に大きな応力が掛かるのでそれに耐えて偏光板11を吸着するためである。なお、この空洞部420に設けられた吸着穴の開口部面積は大きいので、液晶パネルに偏光板を貼り合わせるときに、押圧力を十分に伝達することができないおそれが有る。そこで、この実施の形態では、保護フィルム11aの剥離後、エンボス加工によって保護フィルム11a,11bが接続された後に、偏光板の先端部の位置を空洞部421に設けられた吸着穴の位置にずらして、空洞部421に設けられた吸着穴で偏光板11を吸着保持するようにしている。
空洞部420,421の右側端部には、真空吸気口415,416が挿入装着され、空洞部420,421は真空に吸気されている。一方、空洞部420,421の左側端部には、棒状のストッパ部材422,423が挿入され、偏光板の大きさに応じて空洞部420,421の吸着穴の有効/無効を設定できるようにしてある。すなわち、図17では、ストッパ部材422,423の先端部は偏光板11cの左端部の位置まで挿入されており、ストッパ部材422,423の挿入された箇所の吸着穴は真空吸着用として機能しないようになっている。従って、最も面積の大きな偏光板11dを吸着保持する場合には、ストッパ部材422,423の先端部は偏光板11dの左端部に位置するように、ストッパ部材422,423の先端部を図17の場合よりも左側に移動させる。このように、ストッパ部材422,423の先端部を偏光板の左端部に位置させることによって、種々の大きさの偏光板を効率的に吸着することができる。
このように、偏光板は、吸着ドラム410の外周面に巻かれた状態で回転移動することになる。偏光板自体は柔軟性が大きいため、吸着ドラム410が偏光板を引っ張ることによって、偏光板は、吸着ドラム410の曲率に従って湾曲し、吸着ドラム410に巻かれた状態となる。この実施の形態では、偏光板が吸着ドラム410に巻かれた状態で回転移動すると共に液晶パネルへの貼り付け作業が同時に行われることになる。なお、この実施の形態では、空洞部412と空洞部421との間には、空洞部も吸着穴も設けてないが、空洞部412と同じ吸着穴を備えた空洞部を空洞部412と空洞部421との間に複数設けるようにしてもよい。
図18は、偏光板貼り付け部の吸着ドラム付近の詳細構成を示す側面図である。吸着ドラム410は、図18に示すように、薄板状のパネルが円筒状に巻き回されたものであり、吸着ドラム410内は中空状態となっている。そして、円筒状吸着ドラム410の両底面には、円形状の閉鎖部材430,431が設けられている。閉鎖部材430,431の中心には、回転軸432が挿通されている。回転軸432の上下は、回転自在に支持されている。回転軸432の下側端部には、図18に示すように、通気孔を備えた通気部材433が設けられている。この通気部材433からは、真空吸気口414,415,416に対して吸気管417,418,419がそれぞれ接続されている。支持部材435は回転軸432を回転自在に支持し、支持部材436は、通気部材433を支持している。支持部材435,436は、支柱437によって支えられている。通気部材433は、回転する吸着ドラム410と共に回転する通気孔と、外部に設けられた真空ポンプとを接続するように構成されている。
図19及び図20は、図1の偏光板供給ステーションの詳細構成を示す図であり、図19は、図1の偏光板供給ステーションを拡大して示したものであり、偏光板貼り付け装置上方側から見た図である。図20は、図19の偏光板供給ステーションを図の下側から見た側面図である。偏光板供給ステーション700,750は、偏光板ストッカ701から偏光板を取出し、偏光板起立供給部500,550に供給するものである。なお、偏光板供給ステーション700,750の構成は同じなので、図19及び図20では、偏光板供給ステーション700の構成のみを示す。
偏光板供給ステーション700は、偏光板ストッカ701、吸着パッド7021〜702c、上下移動機構703,704及び前後移動機構705,706から構成される。偏光板ストッカ701は、貼付用の複数の偏光板を載置収納しているものである。吸着パッド7021〜702cは、偏光板ストッカ701に載置されている偏光板11の片面側を吸着する。吸着パッド7021〜702cに吸着された偏光板11は、上下移動機構703,704によって偏光板ストッカ701から持ち上げられる。持ち上げられた偏光板11は、前後移動機構705,706によって偏光板起立供給部500の搬送ローラ506に供給される。
図19では、12個の吸着パッド7021〜702cが設けられている。吸着パッド7021,7024,7027,702aは、パッド支持枠707に、吸着パッド7022,7025,7028,702bは、パッド支持枠708に、吸着パッド7023,7026,7029,702cは、パッド支持枠709に、それぞれ設けられている。パッド支持枠708及びパッド支持枠709は、ガイドレール710,711に沿って図の上下方向に移動可能に構成されている。また、吸着パッド7027,702aはパッド支持枠707の長手方向(図の左右方向)に移動可能に構成されている。同じく、吸着パッド7028,702bは、パッド支持枠708の長手方向(図の左右方向)に、吸着パッド7029,702cは、パッド支持枠709の長手方向(図の左右方向)に、それぞれ移動可能に構成されている。これは、偏光板供給ステーション700によって供給される偏光板の大きさが液晶パネル10の大きさに応じてそれぞれ異なるので、それぞれ大きさの異なる偏光板に吸着パッド7021〜702cの配置を対応させるためである。なお、吸着パッド7021,7024は、偏光板の大きさが異なってもその位置を変更する必要がないので、移動可能には構成されていない。
図21は、小さいサイズの偏光板に対応して、各吸着パッド7022,7023,7025,7026,7027,7028,7029,702a,702b,702cがそれぞれ移動した状態を示す図である。吸着パッド7022,7025,7028,702bは、パッド支持枠708がガイドレール710,711に沿って移動することによって、図の上下方向に移動可能となっている。同じく、吸着パッド7023,7026,7029,702cも支持枠709がガイドレール710,711に沿って移動することによって、図の上下方向に移動可能となっている。さらに、吸着パッド7027,702a,7028,702b,7029,702cは、パッド支持枠707,708,709の長手方向(図の左右方向)に沿って移動することができるので、図19及び図21に示すように、偏光板の大きさに合わせて偏光板ストッカ701の上空を平面的に移動することができるように構成されている。
図22及び図23は、図1の保護フィルム排出ステーションの詳細構成を示す図であり、図22は、図1の保護フィルム排出ステーションを拡大して示したものであり、偏光板貼り付け装置上方側から見た図である。図23は、図22の保護フィルム排出ステーションを図の下側から見た側面図である。保護フィルム排出ステーション800,850は、保護フィルム剥離部300,350で剥離された保護フィルム11bを巻き取って排出するものである。なお、保護フィルム排出ステーション800,850の構成は同じなので、図22及び図23では、保護フィルム排出ステーション800の構成のみを示す。
保護フィルム排出ステーション800は、巻取りバッファ810、巻取り部820、保護フィルム排出台車827から構成される。巻取りバッファ810は、保護フィルム連結部315から連続的に供給される保護フィルム11bを一旦内部に吸い込み、保護フィルム11bに所定のテンションを架けるものである。巻取りバッファ810は、保護フィルム11bを吸い込み可能な大きさの筐体で構成され、図の左側に気体噴出部811が設けられており、反対の右側に排気口812が設けられている。気体噴出部811からは所定圧の空気が右側の排気口812に向かって噴出される。気体噴出部811から噴出された空気によって保護フィルム11bは、図のようにガイドローラ813,814を介して巻取りバッファ810の内部に取り込まれ、排気口812に向かって押し込まれたような状態となる。これによって、保護フィルム11bには一定のテンションが架けられ、前述の保護フィルム剥離動作に対して一定のテンションを架けることができる。また、巻取りバッファ810は巻取り部820に対しても一定のテンションで保護フィルム11bを供給することができる。なお、巻取りバッファ810は、所定圧の空気を用いて一定テンションを架けるようにしたが、これ以外のテンション付与手段を用いてテンションを付与するようにしてもよい。
巻取り部820は、図23に示すように、巻取り駆動部821、巻取り軸822、ガス供給部823、回転軸保持部824、保護フィルム保持部825、保護フィルム待避部826及び保護フィルム排出台車827から構成される。巻取り駆動部821は、モータなどの駆動力源で構成され、互いに回転ギア828,829を介して巻取り軸822に回転駆動力を伝達している。従って、巻取り駆動部821によって巻取り軸822は回転制御される。ガス供給部823は、外部に設けられたコンプレッサ(図示せず)からの圧縮ガスを巻取り軸822内に設けられた流路830内に供給するものである。巻取り軸822内に設けられた流路830は、図示のように、巻取り軸822の長手方向に延びており、その終端部で気密状態に密閉されている。巻取り軸822内に設けられた流路830には巻取り軸822の側面から圧縮ガスを排気する排気口831〜836が設けられている。この排気口831〜836は、巻取り軸822の中心軸から法線方向に延びた3〜5本の直線流路で構成され、これらの直線流路は巻取り軸822内に設けられた流路830にそれぞれ接続されている。従って、ガス供給部823から供給された圧縮ガスは、流路830を通過して、排気口831〜836から均等に排出される。
この排気口831〜836を含む巻取り軸822を覆うように、ゴムなどからなる円筒状の弾性部材が気密的に取り付けられている。巻取り軸822の流路830を介して圧縮ガスが排気口831〜836から排出されると、それによって、この円筒状の弾性部材は膨張する。この円筒状の弾性部材には、さらに、その周囲を覆うように巻取り軸822の長軸方向に沿ったスリットを有する樹脂製の円筒状部材(図示せず)が設けられている。従って、この円筒状の弾性部材が膨張することによって、長軸方向に沿って設けられたスリットが分離拡大し、その結果として円筒状部材の径は拡大する。一方、流路830への圧縮ガスの供給停止によって、円筒状の弾性部材が収縮すると、長軸方向に沿ったスリットの間隔が小さくなり、その結果として円筒状部材の径は縮小する。これらの円筒状部材及び弾性部材は共にその上端部が取付部材843によって巻取り軸822に取り付けられている。なお、円筒状の弾性部材を膨張・収縮させる手段には、圧縮ガスの変わりにモータ駆動により、板材を回転させて円筒状の弾性部材を膨張・収縮するようにしても良い。すなわち、円筒状の弾性部材を膨張・収縮するものであれば圧縮ガス以外の他の手段を用いても良い。
偏光板の貼り付け作業時には、円筒状弾性部材は膨張した状態にあり、保護フィルム11bが順次巻き付けられる。図23には、保護フィルム11cが巻取り軸822に巻き回された状態が示されている。図23に示すように、保護フィルム11cが一点鎖線に示すように巻き回された時点で、ガス供給部823に対する圧縮ガスの供給を停止する。圧縮ガスの停止によって、円筒状の弾性部材は収縮し、円筒状部材の径は縮小するので、保護フィルム11cの内径よりも円筒状部材の径が小さくなり、巻取り軸822に巻き回されて保持されていた保護フィルム11cは、その自重によって巻取り軸822から着脱して下方に落下する。
巻取り軸822に巻き回された保護フィルム11cは、何重にも巻き回されているので、その重量は数十キログラム程度と重い。保護フィルム保持部825は、自重で着脱落下した保護フィルム11cを保持台8251に保持した状態で、下方の保護フィルム待避部826に移動させるものである。保護フィルム保持部825は、その背面に設けられたに2本の支柱8261,8262によって支えられている。保持台8251は、支柱8261,8262に沿ってスライド移動する移動部8252に取り付けられている。保持台8251及び移動部8252は、上下に設けられたプーリー8264,8265に回転自在に巻き回されたワイヤ8263に結合されている。従って、プーリー8264,8265が回転駆動力源8266によって回転駆動されると、保護フィルム保持部825は、上下方向に昇降移動する。
巻取り軸822から着脱落下した保護フィルム11cは、保護フィルム保持部825によって、保護フィルム11dとして保護フィルム待避部826の保護フィルム排出台車827の上に載置される。保護フィルム排出台車827は、図23に示すように、保護フィルム11dを載置した状態で、ガイドレール8271上を移動して保護フィルム待避部826から保護フィルム11dを外部に排出して保護フィルム11eの状態にする。保護フィルム排出台車827は、図22に示すように、中央部に切欠きを有するCの字状をしている。保護フィルム保持部825は、このCの字状内の中央部を通過可能な形状をしており、保護フィルム11dを載置した状態で保護フィルム排出台車827の中央部を通過することによって、保護フィルム11dを保護フィルム排出台車827上に載置するようになっている。
液晶パネル排出ステーション900は、図1に示すように、偏光板貼り付けステーション200の下流に設けられ、偏光板貼り付けステーション200によって偏光板が取り付けられた偏光板付液晶パネルを排出するものである。液晶パネル排出ステーション900は、液晶パネル供給ステーション100と同じ構造であり、液晶パネル供給ステーション100とは逆の動作で、両面に偏光板の貼り付けられた液晶パネルを略垂直に起立された状態で受取り、略水平状態に変換して排出するという処理を行う。
上述の実施の形態では、液晶パネル供給ステーション100に液晶パネルを移送しながら略水平状態から起立状態(略垂直状態)に変換する機能を持たせ、液晶パネル排出ステーション900に偏光板付液晶パネルを移送しながら略垂直状態から略水平状態に変換する機能を持たせる場合について説明したが、液晶パネルアライメント部201に液晶パネル10を移送しながら略水平状態から起立状態(略垂直状態)に変換する機能を持たせ、偏光板付液晶パネル搬送部600に偏光板付液晶パネルを移送しながら略垂直状態から略水平状態に変換する機能を持たせるようにしてもよい。これによって、液晶パネル供給ステーション100及び/又は液晶パネル排出ステーション900を省略することが可能となり、液晶パネルの搬送方向におけるフットプリントを大幅に縮小させることができる。
上述の実施の形態では、偏光板貼り付けステーション200は、図6に示すよう、液晶パネル供給ステーション100、偏光板供給ステーション700,750、保護フィルム排出ステーション800,850、及び液晶パネル排出ステーション900などのステーションから隔離されたクリーン度の最も高いエリアを確保した筐体210内に配置されている。すなわち、図6に示すよう、液晶パネルアライメント部201、保護フィルム剥離部300,350、偏光板貼り付け部400,450、偏光板起立供給部500,550、及び偏光板付液晶パネル搬送部600は、クリーン度の最も高い筐体210内に配置される。液晶パネル供給ステーション100と液晶パネルアライメント部201との間の筐体210には、液晶パネルアライメント部201の側部ローラ202の片側を液晶パネル供給ステーション100側に移動可能なスリットであって、起立状態の液晶パネルを通過可能なスリットを有する。保護フィルム剥離部300,350と保護フィルム排出ステーション800,850との間の筐体210には、剥離された保護フィルムを起立状態で通過可能なスリットを有する。偏光板起立供給部500,550と偏光板供給ステーション700,750との間の筐体210には、偏光板ストッカに載置されている偏光板を略水平状態で通過可能なスリットを有する。偏光板付液晶パネル搬送部600と液晶パネル排出ステーション900との間の筐体210には、偏光板起立供給部500,550と偏光板付液晶パネル搬送部600の片側が液晶パネル排出ステーション900側に移動可能なスリットであって、起立状態の偏光板付液晶パネルを通過可能なスリットを有する。以上のように筐体210は、必要最小限のスリットだけが設けられており、異物の混入を極力抑えるように構成され、クリーン度が高く維持されている。
また、上述のように液晶パネルアライメント部201に液晶パネル10を移送しながら略水平状態から起立状態(略垂直状態)に変換する機能を持たせ、偏光板付液晶パネル搬送部600に偏光板付液晶パネルを移送しながら略垂直状態から略水平状態に変換する機能を持たせるようにした場合は、液晶パネルアライメント部201及び偏光板付液晶パネル搬送部600が液晶パネルを起立させた状態で通過可能なスリットを筐体に設けるようにすればよい。さらに、保護フィルム剥離部300,350と偏光板貼り付け部400,450のみをクリーン度の高く維持されている筐体内に設け、その筐体の側面には必要最小限のスリットのみを設けるようにしてもよい。例えば、保護フィルム剥離部300,350と偏光板貼り付け部400,450のみを取り囲むように筐体を設け、この筐体の側面であって、偏光板貼り付け部400,450と液晶パネルアライメント部201との間に、液晶パネルのみを通過可能なスリットを設け、偏光板貼り付け部400,450と偏光板付液晶パネル搬送部600との間に、偏光板付液晶パネルのみを通過可能なスリットを設け、偏光板貼り付け部400,450と偏光板起立供給部500,550との間に、偏光板のみを通過可能なスリットを設け、保護フィルム剥離部300,350と保護フィルム排出ステーション800,850との間に、剥離された保護フィルムのみを通過可能なスリットを設けるようにすればよい。また、上述の実施の形態では、液晶パネルアライメント部201、及び偏光板付液晶パネル搬送部600の片側の側部ローラが移動できる構成について説明したが、片側の側部ローラの移動構成は、液晶パネル供給ステーション100、液晶パネル排出ステーション900にも同様に設けることができる。
図24は、本発明に係る偏光板貼り付け装置の別の実施例を示す図であり、図1の偏光板貼り付け装置の中の偏光板起立供給部500,550、偏光板付液晶パネル搬送部600及び保護フィルム排出ステーション800,850を液晶パネル供給ステーション側から見た図である。なお、図24は、偏光板貼り付け部400,450及び液晶パネルアライメント部201を省略して示してあり、図12に対応したものである。図24の偏光板貼り付け装置が上述の実施の形態と異なる点は、図23から明らかなように、偏光板貼り付け装置が、全体的に垂直方向に対して時計方向に約3°傾斜している点である。これは、本発明のように、液晶セルを垂直に立てて偏光板を両面同時に貼り付ける場合、垂直状態で液晶セルの姿勢が不安定となり、偏光板貼り付け品質に影響する貼り付けドラムの押し圧均一化が困難となることがあるので、それを解決するために、図24に示すように偏光板貼り付け装置を全体的に垂直方向に対して時計方向又は半時計方向に約3〜5°程度傾けるようにしたものである。これによって、貼り付けドラムの押し圧を均一にすることができ、貼付品質が向上する。偏光板貼り付け装置を全体的に垂直方向に対して傾斜させることによって縦型送り基板搬送時の搬送特性が安定するという効果がある。なお、図24の実施の形態では、各ステーションが載置される基台部分の上底部を水平方向に対して約3〜5°程傾斜させているが、これらの基台の設置される床面部を傾斜させるようにしてもよい。
図25は、本発明に係る偏光板貼り付け装置の偏光板貼り付け部及び保護フィルム剥離部の変形例を示す図であり、起立状態で供給される液晶パネル(セル)の第1主表面及び第2主表面に対して、起立状態で供給される偏光板をほぼ同時に貼り付ける偏光板貼り付け部と、この偏光板貼り付け部の両側に設けられ、偏光板から保護フィルムを剥離する保護フィルム剥離部の概略構成を示す図である。なお、図25は、偏光板貼り付け部及び保護フィルム剥離部の主要部をそれぞれ拡大して示し、その部分を斜め上方側から示してある。
上述の実施の形態では、真空吸着孔がドラム側面に多数設けられた真空吸着ドラムを例に説明したが、光学フィルムである偏光板を真空吸着孔で真空吸着して保持した場合、この真空吸着保持は光学フィルムの一部分に対して吸着力が作用するため、光学フィルムがうねりやソリによって僅かに変形したりすることによって、貼り付け箇所に気泡が発生したり、異物が巻き込まれたりする可能性があった。そこで、この実施の形態では、表示用パネルへ光学フィルムを貼付する際に発生する気泡や異物巻き込みなどといった貼付不良の生じることのない粘着ドラムを用いるようにした。
図25に示す粘着ドラム11,12は、円筒状のドラム手段の外周面に設けられた粘着性のゴム部材を用いて、光学フィルムを密着保持して、光学フィルムを表示用パネルに貼り付けるようにしたものである。この実施の形態によれば、吸着孔を用いていないので、投入する部材の大きさを問わず、品種の切り替えを容易にでき、構造を簡素化でき、低コスト化を実現することができる。また、表示用パネルの全面を粘着材で保持するため、部材のソリを矯正することができ、保持矯正したまま貼り付けることができるので、光学フィルムの端面が離れたり、皺などの影響を受けることがなくなり、気泡や異物巻き込みなどの不良の発生を抑制して、高品質の貼り付け作業を行なうことができる。なお、この光学フィルム貼り付け手段は、略垂直状態で貼り付ける場合に限定されるものでなく、略水平状態での貼り付けにも応用可能である。
図25の偏光板貼り付け装置は、図中の左方向から略水平状態で移動して来た液晶パネルを液晶パネル供給部で起立状態に変換して、起立状態で進行して来た液晶パネル71の第1主表面及び第2主表面に対して、回転自在に軸支された2個の粘着ドラム11,12を用いて、偏光板51,61をほぼ同時に貼り付けるようにしたものである。なお、保護フィルム剥離手段30及び保護フィルム巻取手段40は、粘着ドラム12側にも存在するが、本図ではこの図示を省略してある。
この偏光板貼り付け装置は、偏光板供給部から搬送されてきた起立状態(略垂直状態)の偏光板50を一時的に密着(粘着)保持して、液晶パネル供給部から搬送されて来た起立状態(略垂直状態)の液晶パネル71に貼り付けるものである。すなわち、偏光板貼り付け装置は、起立状態で供給される液晶パネル71の左右両面に偏光板50,60を同時に貼り付けるものである。粘着ドラム11,12は、図に示すように、偏光板貼り付け作業の行なわれる偏光板貼り付け部の両側に回転自在に軸支され、2個の円柱状のドラムが略垂直に起立した状態で平行に配置されている。
この粘着ドラム11,12は、円柱状のウレタン層から構成され、この粘着ドラム11,12の回転面、すなわち円柱状のウレタン層の外周面には、粘着ゴムベルト13,14が巻回されている。粘着ゴムベルト13,14は、外周方向全面が粘着性を有しており、偏光板の全面がこの粘着ゴムベルト13,14上に密着保持されるようになっている。粘着ドラム11,12は、図示していない偏光板供給部から起立状態で搬送されてきた偏光板50,60を粘着ゴムベルト13,14に密着保持し、粘着ゴムベルト13,14の粘着力によって偏光板50,60を保持することができるように構成されている。
図示のように粘着ドラム11の粘着ゴムベルト13は、図25の右側から搬送されて来た偏光板51の先端部を粘着保持し、その後、粘着ドラム13が時計回りに回転することによって、偏光板50のように、粘着ゴムベルト13の外周面に密着(粘着)保持される。偏光板50は、この粘着ゴムベルト13の外周面に密着保持された状態で時計回りに回転し、液晶パネル71に対する貼り付け位置まで搬送される。一方、粘着ドラム12の粘着ゴムベルト14も同様にして、図25の右側から搬送されて来た偏光板61の先端部を粘着保持し、その後、粘着ドラム12が反時計回りに回転することによって、偏光板60のように、粘着ゴムベルト14の外周面に密着(粘着)保持される。偏光板60は、粘着ゴムベルト14の外周面に粘着保持された状態で反時計回りに回転し、液晶パネル71に対する貼り付け位置まで搬送される。
2個の円筒状の粘着ドラム11,12は、その外周面に配設された粘着ゴムベルト13,14が液晶パネル供給部から移送されて来た液晶パネル71の表面と一直線上で接触するように構成されている。さらに、両粘着ドラム11,12は、互いの中心軸に向かう方向に所定の力が加えられる状態で設けられているので、両粘着ドラム11,12間を通過する液晶パネル71の表面には所定の押圧力が加えられることになり、これによって偏光板50,60の同時両面貼り付け作業が行われる。
このとき、両粘着ドラム11,12間を通過する液晶パネル71の厚みに応じて、両粘着ドラム11,12間の間隔は自在に変動するように、両粘着ドラム11,12間には常に所定の圧力を加える圧力印加部材(図示せず)が設けられている。この圧力印加部材は、両粘着ドラム11,12にそれぞれ結合されて設けられており、互いに粘着ドラム11,12を向き合う方向に押して粘着ドラム11,12と液晶パネル71との接触面に常に一定の圧力が加えられるようになっている。なお、粘着ゴムベルト13,14はそれ自体で弾性変形するので、この弾性変形機能によって、液晶パネル71の厚みの変動を吸収するようにしてもよい。
粘着ドラム11,12は、搬送されてきた偏光板50,60を粘着保持した状態で、粘着ゴムベルト13,14の回転移動に従って保護フィルム剥離手段30の近傍に移動させる。なお、第2粘着ドラム20側の保護フィルム剥離手段は図示を省略してある。
保護フィルム剥離手段30は、粘着ドラム11,12に密着保持された偏光板51,61の一端に接触される粘着テープと、回転により粘着テープに付着した保護フィルムの端を挟み込むチャックと、剥離された保護フィルムと前回剥離された保護フィルムとを連結させる保護フィルム連結部とから構成される。図25は、これらの各構成手段の詳細を省略して示してあり、便宜上、剥離されて連結された保護フィルム41が示されている。
連結された保護フィルム41は、図示していない案内ローラなどによって保護フィルム巻取手段40に案内され、偏光板51から順次剥離されると同時に保護フィルム巻取手段40に順次巻き取られる。偏光板51の保護フィルム41は、液晶パネル71と偏光板51との貼り付け位置の近い位置で順次剥離されることで、偏光板51への異物の付着を防止することができる。
粘着ドラム11,12は最も面積の大きな偏光板をその先端部及び後端部が互いに重なることなく巻き回すことができる程度の大きさの直径をしている。このように直径の大きな粘着ドラムを用いて液晶パネルの左右両側から加圧しながら貼り付けることによって、液晶パネルのCF面及びTFT面に同時に貼り付けられる偏光板の大きさや貼り付け開始位置などが互いに異なる場合でも、液晶パネルの両面に偏光板をほぼ同時に貼り付けることができる。
なお、図示していないが、強粘着性のクリーニングローラを粘着ドラム11,12の粘着ゴムベルト13,14の近傍であって、偏光板51,61を密着保持していない箇所に所定の押圧力で押し付けて、粘着ゴムベルト13,14に付着したゴミなどを不純物を除去するようにしてもよい。また、本発明は、偏光板の液晶パネルへの貼り付けに限らず、保護フィルムを有する光学フィルムの表示用パネルへの貼り付けに広く適用することができる。
上述の実施の形態では、略垂直状態で光学フィルム(偏光板)を貼り付ける場合について説明したがこれに限定されるものでなく、略水平状態での貼り付けることも可能である。図26は、図25の粘着ドラムを略水平状態にして偏光板貼り付け装置を構成した場合の概略構成を示す図である。図26の偏光板貼り付け装置は、略水平状態で移動して来た液晶パネルをそのままの状態で進行させ、進行中の液晶パネルの第1主表面及び第2主表面の両面に偏光板をほぼ同時に貼り付けるものである。粘着ドラム15,16は、図に示すように、偏光板貼り付け作業の行なわれる偏光板貼り付け部の両側に回転自在に軸支され、2個の円柱状のドラムが略水平状態で上下平行に配置されている。
この粘着ドラム15,16は、図25のものと同様に、円柱状のウレタン層から構成され、この粘着ドラム15,16の回転面、すなわち円柱状のウレタン層の外周面には、粘着ゴムベルト(図示せず)が巻回されている。粘着ゴムベルトは、外周方向全面が粘着性を有しており、偏光板の全面がこの粘着ゴムベルト上に密着保持されるようになっている。粘着ドラム15,16は、図示していない偏光板供給部から略水平状態で搬送されてきた偏光板50,60を粘着ゴムベルトに密着保持し、粘着ゴムベルトの粘着力によって偏光板50,60を保持することができるように構成されている。なお、図26に示したものは、図25の偏光板貼り付け部を略水平状態にしたものであり、その構成は上述した図25の偏光板貼り付け装置と同じである。
図27は、図26の略水平状態で光学フィルム(偏光板)を貼り付ける偏光板貼り付け装置の一例を示す図である。図26では、略水平状態で光学フィルム(偏光板)を貼り付ける場合の概念を示したが、図27は、図1の偏光板貼り付け装置の偏光板貼り付け部に図26の略水平状態で光学フィルム(偏光板)を貼り付ける粘着ドラム(粘着ゴムベルト)を用いた場合の具体例を示すものである。この偏光板貼り付け装置では、偏光板貼り付けステーション200aの偏光板貼り付け部を図26に示すように略水平状態で液晶パネル(表示用パネル)に光学フィルム(偏光板)を貼り付けるように構成してある。この場合、図1及び図6の実施の形態で必須となっていた、略水平状態で搬送されてきた液晶パネルを起立状態に変換して後段の偏光板貼り付けステーションに供給する液晶パネル供給ステーション100、略水平状態に載置されている偏光板を略垂直状態に変換して偏光板貼り付けステーションに供給する偏光板起立供給部500,550、偏光板貼り付けステーションで偏光板の貼り付けられた液晶パネルを起立状態から略水平状態に変換して排出する液晶パネル排出ステーション900を省略することが可能となり、偏光板貼り付け装置全体のフットプリントを大幅に削減することが可能となる。
図27では、偏光板貼り付けステーション200aを横側面から見た図である。この偏光板貼り付けステーション200aでは、略水平状態に配置された円柱状の粘着ドラム15,16が垂直上下方向に平行に2個配置されている。これによって、図27の偏光板貼り付け装置では、偏光板供給ステーション700a,750aと、保護フィルム排出ステーション800a,850aもそれぞれ垂直上下方向にそれぞれ配置される。粘着ドラム15,16は、図25又は図26の粘着ドラムによって構成されている。
偏光板供給ステーション700a,750aは、偏光板ストッカ701aから偏光板を取出し、偏光板貼り付け部の粘着ドラム15,16に正確に位置合わせして供給するものであり、偏光板ストッカ701aから偏光板を取出す機構は、図19〜図21に示す機構と同様のもので構成され、偏光板を粘着ドラム15,16に正確に位置合わせして供給する機構は、図7〜図9に示す液晶パネルアライメント部201、又は図13に示す偏光板付液晶パネル搬送部600と同様の搬送機構を偏光板の水平搬送用として応用することによって構成している。なお、図27では、偏光板供給ステーション700aについてのみ、偏光板ストッカ701aとその取り出し機構部を図示している。偏光板供給ステーション750a側にも同様の機構が存在するが、偏光板貼り付け装置の背面側に位置するため図示していない。
保護フィルム排出ステーション800a,850aの基本的な構成は、図22に示すものと同じである。なお、偏光板が略水平状態で搬送される関係上、保護フィルム剥離部で剥離された保護フィルムの巻取体(巻取り軸に巻き回されて保持されている保護フィルム)を偏光板貼り付け装置の背面方向(図27の奥行き方向)に移動して、さらにそれを上下方向に昇降移動する保護フィルム保持部(図示せず)を用いて垂直方向に下降移動して床面に設けられた保護フィルム排出台車(図示せず)から搬送排出するように構成してある。