JP2009093968A - 全固体リチウム二次電池 - Google Patents

全固体リチウム二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2009093968A
JP2009093968A JP2007264981A JP2007264981A JP2009093968A JP 2009093968 A JP2009093968 A JP 2009093968A JP 2007264981 A JP2007264981 A JP 2007264981A JP 2007264981 A JP2007264981 A JP 2007264981A JP 2009093968 A JP2009093968 A JP 2009093968A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative electrode
active material
electrode active
secondary battery
lithium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007264981A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeo Kondo
繁雄 近藤
Yasumasa Takeuchi
安正 竹内
Yuji Shinohara
祐治 篠原
Takeo Kawase
健夫 川瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KOKUSAI KIBAN ZAIRYO KENKYUSHO
Seiko Epson Corp
International Center for Materials Research
Original Assignee
KOKUSAI KIBAN ZAIRYO KENKYUSHO
Seiko Epson Corp
International Center for Materials Research
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KOKUSAI KIBAN ZAIRYO KENKYUSHO, Seiko Epson Corp, International Center for Materials Research filed Critical KOKUSAI KIBAN ZAIRYO KENKYUSHO
Priority to JP2007264981A priority Critical patent/JP2009093968A/ja
Publication of JP2009093968A publication Critical patent/JP2009093968A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

【課題】高い電流密度で充電しても、負極で起こる金属リチウムの析出を確実に防止して、電池容量の低下や短絡を確実に防止することができる信頼性の高い全固体リチウム二次電池を提供すること。
【解決手段】二次電池1は、負極4として、少なくとも電位の異なる2種類の電極活物質を備え、これらを電解質粉末との混合物からなる負極合材43を用いて構成したものを用い、全固体電池を構成する。また、負極4は、In、GaおよびSnよりなる群から選択される少なくとも1種からなる第1の負極活物質と、C、Si、ZnおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種からなる第2の負極活物質とを有するのが好ましい。また、負極合材43は、負極集電体41と一体化しているのが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明は、全固体リチウム二次電池に関するものである。特に、負極活物質として、リチウム合金形成材料を用い、その負極構成方法に関するものである。
近年、パーソナルコンピュータ・携帯電話等のポータブル機器の開発にともない、その電源として、小型軽量電池の需要は非常に大きくなっている。特に、リチウム電池は、リチウムの原子量が小さく、かつイオン化エネルギーが大きく、高エネルギー密度が期待される。このようなことから、研究が盛んに行われ、現在ではポータブル機器の電源として広範囲に用いられるようになった。
一方、リチウム電池市場の拡大とともに、該電池に対して、高エネルギー密度化の要望が進み、この要望に対して電池内に含有させる活物質量を増加させることで電池内部エネルギーの増加が行われて来た。また、これに付随して電池内部に用いられている可燃性物質である電解質に使用されている有機溶媒量にも増加が認められるようになった。その結果、電池の発火などに対する危険性が高まり、電池の安全性に関する問題が近年クローズアップされている。
ところで、リチウム電池の安全性を確保するための方法として、電解質に用いられている有機溶媒を不燃性の固体電解質に変えることは極めて有効であり、特に、リチウムイオン伝導性無機固体電解質を用いることは、優れた安全性を備えた全固体リチウム電池の開発に繋がるため、今日、その研究が盛んに進められている。
例えば、非特許文献1には、蒸着装置やスパッタ装置を用い、正極薄膜、電解質薄膜および負極薄膜を順次、形成することにより構成した全固体薄膜リチウム二次電池が開示されている。この薄膜リチウム二次電池では、数千サイクル以上の優れた充放電サイクル特性が得られることが報告されている。
しかしながら、このような薄膜リチウム二次電池では、電池素子内に多量の電極活物質を保有させることができないことから、高容量の電池を得ることが困難である。したがって、高容量の電池とするには、電極内に電池活物質を多量に含有させる必要があり、そのイオン伝導経路と電子伝導経路を確保させた構成とする為、固体電解質粉末と電極活物質粉末とからなる電極合材を用い、これを用いて電極を構成することで電池容量の大なるバルク型電池を構成している。
このバルク型電池は、一般に、プレス機械にて、金属プレス金型内で電池素子全体を圧縮成型し、該金型内から電池素子を取り出し、コイン型(電池容器に収納することにより、製造されている。ところが、このようなバルク型電池で、硫化物系リチウムイオン伝導性固体電解質を用いた全固体リチウム二次電池では、数サイクル程度の充放電を行うだけで、電池容量が初期容量の約7%程度低下することが示されている(例えば、非特許文献2参照)。
このようなことから、充放電サイクルの経過によっても、電池容量の低下のない、優れた性能を有するバルク型全固体リチウム二次電池の開発が要望されている。
発明者らは、これらの問題点を解決するため、例えば、電解エッチング、電解メッキ技術における、金属エッチング、あるいは金属析出させる場合等の電気化学現象について思考した。即ち、そこでは、一般に、正負電極間に電流を通じると、その電流は電極表面全体にわたり、均一した電流は流れず、最も電流が流れやすい部分に集中し、電流密度分布の差が生じる。この電流密度分布で、最も大きい電極部分としては電極周辺や電極表面に存在する凹凸部の突起物の先端に電流が集中して流れる。これによって、その部位を中心として、極端に薄くなったり、逆にメッキでは厚くなる現象がある。この現象はエッジ効果と呼ばれている。この様な現象が全固体リチウム二次電池内の正負電極に於いても起こっているものと判断した。即ち、電池内の電極に於ける周辺部位で電流集中が起こり、電池充放電に伴う電極活物質の体積膨張現象が電極の中心部に比べて大きくなる、結果、そこでは、電極、電解質間の接合破壊が、より多く進行する様になり、その部位での電気化学界面接合が阻害され、それに伴って、電池放電容量が減少する。このことによって、全固体リチウム二次電池の充放電サイクルの経過による放電容量の減少が起こっていることを見つけた。そして、その方法として、特に電池電極周辺での体積膨張および収縮を抑えるため、電池素子全体あるいは電極周辺を絶縁性固定材で固定することで解決可能なことを見つけ、特願2006−237062において提案した。
しかし、該提案では、未だ完全に従来の問題点を解決するには、負極構成方法に問題があることを見つけ、新たな提案を本発明で行うものである。
以下に、その問題について第1図を用い詳細に説明する。
第1図は、すでに提案した電池素子の充放電時に於ける電池内部での電流分布について模式的に示したものである。図中、3は正極、31は正極集電体網、32は正極リード板、33は正極合材、34は電極リードを兼ねた正極端子である。また、4は負極、41は負極集電体、42は負極リード板、43は負極合材、44は電極リードを兼ねた負極端子である。5はリチウムイオン伝導性固体電解質層を示したものである。
この電池を、例えば定電流で充電または放電を行うと、第1図の模式図に示した様に、電流印加直後の電流の流れにおいては、電池内の電極周辺部(黒い部分の電極部位)では電流が強く流れ、その部位に存在する電極活物質が最も早く充電が進む。その結果、図2に示したように、電池内部の電流分布の違いにより、電極の示す平均的な電位を(E4-E2)とすると、電極内部の周辺部位の電位分布(局部電位)は(E5-E3)と局部的に分極が加わり、高い電圧が加わる。当然のことであるが、電池の充放電電流密度を大きくすると、当然、この分極が更に大となる。この分極した電位、負極の電位(E3)がリチウム金属析出電位(E1)より低い電位以下となると、その部位で金属リチウムが析出するようになる。負極が負極活物質粒子とリチウムイオン伝導性電解質粉末粒子からなる合材を用いて構成されている場合、金属リチウムの析出は負極活物質と電解質粒子間の接合界面において、金属リチウムの樹技状析出となって進む。それによって、活物質・電解質粒界面で体積膨張がおこり、その界面での粒界接合が緩くなり、電気化学的接合阻害を生じさせる。また、この状態で、電池を放電させると、析出した樹技状金属リチウムへの電子通電部位(電子的接触界面)の金属リチウムが、最初に電解質層内へリチウムイオンとなって移動する。その結果、未反応の樹技状金属リチウムを残したまま、その部位が空隙状態となり、放電が進まなくなる。このことが充電電気量に対し、放電電気量が少なくなると言う原因であることを見つけたものである。
本発明は、こうした問題を解決した全固体リチウム二次電池を提供しようとするものである。
S.D.Jhones and J.R.Akridge, J.Power Sources,43−44,505(1993) DENKI KAGAKU,66,No.9(1998)
本発明の目的は、高い電流密度で充電しても、金属リチウムの析出を確実に防止して、電池容量の低下や短絡を確実に防止することができる信頼性の高い全固体リチウム二次電池を提供することにある。特に、全固体リチウム二次電池の負極活物質としては、従来、カーボンあるいは可逆リチウム合金形成反応に優れたインジウム金属などが単独で使用されていた。負極活物質として、インジウム金属を使用すると、その可逆リチウム合金生成反応電位がリチウムに対し、約0.55Vと高い為、充電後の放電電圧がカーボンに比べて、低くなる。また材料費も高価となり、問題を有していた。また、価格的に安価なカーボンを使用すると、充放電電圧は高くなるが、カーボン結晶層間へのリチウムの可逆挿入反応の電位が、極めてリチウム金属が直接析出する電位に近く、充電末期の充電時に於ける局部電位がリチウム金属析出反応の電位へのシフトが起こる。また、用いるリチウムイオン伝導性固体電解質を構成する材料にGe、Si、Alやハロゲン化合物が存在するものを用いると、これらに含まれるGe、Si、Alの還元電位がリチウムの可逆析出電位に近い(約0.2V)ため、また、ハロゲン化合物を使用した際には、ハロゲン化リチウムを形成し、内部抵抗の増大を引き起こす等、リチウムイオン伝導性固体電解質に電子伝導性を与え、最終的には正負電極間の短絡を招く等の問題を有していた。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の全固体リチウム二次電池は、正極と負極からなる一対の電極間に電解質を介在させてなる全固体リチウム二次電池に於いて、少なくとも2種以上の電極反応電位の異なるリチウム合金および該リチウム合金形成材料を負極活物質とした負極電極を備えたことを特徴とする。
これにより、高電流密度で充電しても、局部的な金属リチウムの析出を、より確実に防止して、電池容量の低下や短絡を確実に防止することができる信頼性の高い二次電池が得られる。
本発明の全固体リチウム二次電池では、前記電極反応電位の異なるリチウム合金形成材料として、少なくともIn、Ga、Sn、Zn、SiおよびAlからなる群より選択される少なくとも2種以上の金属を含んでおり、これら金属を前記負極活物質としたことが好ましい。
これにより、充放電の際の負極の電位を特に最適化することができる。その結果、負極において、局部的な金属リチウムの析出をより確実に防止するとともに、二次電池内部での充放電に伴う、局部電圧が必要以上に、上昇あるいは低下してしまうのを防止することができる。
本発明の全固体リチウム二次電池では、全固体リチウム二次電池の前記負極が、互いに電極反応電位の異なる第1の負極活物質および第2の負極活物質を有しており、
In、GaおよびSnよりなる群から選択される少なくとも1種を前記第1の負極活物質とし、C、Si、ZnおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種を前記第2の負極活物質としたことが好ましい。
これにより、充放電の際の負極の電位を特に最適化することができる。その結果、負極において、局部的な金属リチウムの析出をより確実に防止するとともに、二次電池の放電電圧が必要以上に低下してしまうのを防止することができる。
本発明の全固体リチウム二次電池では、前記負極活物質は、前記第1の負極活物質とリチウムからなる合金、および、前記第2の負極活物質とリチウムからなる合金の少なくとも一方を含むことが好ましい。
これにより、充電状態にある二次電池の負極を得ることができる。
本発明の全固体リチウム二次電池では、前記負極は、導電性材料で構成された負極集電体を有するとともに、前記負極活物質の少なくとも1種は、前記負極集電体と一体化していることが好ましい。
これにより、負極集電体の全体にわたって負極活物質を分布させることができる。その結果、負極活物質と固体電解質粒子との間のイオン伝導性を、負極集電体の全体にわたってムラなく高めることができ、二次電池の特性(充放電特性)をより向上させることができる。
本発明の全固体リチウム二次電池では、前記負極活物質を層状に成形してなる負極活物質層を有しており、
前記負極活物質層は、前記負極集電体側から、前記第1の負極活物質で構成された層と、前記第2の負極活物質で構成された層とが、この順で積層されたものであることが好ましい。
これにより、第1の負極活物質で構成された層と電解質層との物理的距離が、第2の負極活物質で構成された層と電解質層との物理的距離に比べて短くなる。このため、第1の負極活物質とリチウムイオンとの接触頻度は、第2の負極活物質とリチウムイオンとの接触頻度に比べて高くなり、二次電池の充放電の際に、第2の負極活物質に比べて、第1の負極活物質をより優先的にリチウムに対して結合させることができる。
本発明の全固体リチウム二次電池では、前記負極活物質層の平均厚さは、0.01〜1mmであることが好ましい。
これにより、負極活物質を層状に設けたことによる効果、すなわち、負極集電体の全体にわたって負極活物質を分布させ、負極活物質と固体電解質粒子との間のイオン伝導性を均一に高めるという効果を、必要かつ十分に発揮させることができる。
本発明の全固体リチウム二次電池では、前記負極活物質層は、めっき法により前記負極集電体上に成膜されてなるものであることが好ましい。
これにより、負極集電体の全面を確実に覆うように、負極活物質層を容易に形成することができる。また、成膜された負極活物質層の厚さをより均一にすることができる。このため、負極活物質と固体電解質粒子との間のイオン伝導が、負極集電体の全体で均一に行われることとなり、負極における電流密度の分布も均一になる。これにより、電流密度の偏りを防止して、二次電池が局所的に劣化するのを防止することができ、例えば、金属リチウムの析出のさらなる低減を図ることができる。
本発明の全固体リチウム二次電池では、前記負極は、前記負極活物質と、前記電解質としての前記固体電解質粒子との混合物で構成された負極合材を含んでなることが好ましい。
これにより、負極活物質と固体電解質粒子との間のイオン伝導性をより高めることができる。
本発明の全固体リチウム二次電池では、前記負極は、導電性材料で構成された負極集電体と、
該負極集電体上に設けられ、前記第1の負極活物質で構成された負極活物質層と、
該負極活物質層を備える前記負極集電体を覆うように設けられ、前記第2の負極活物質と、前記電解質としての前記固体電解質粒子との混合物で構成された負極合材とを含んでなることが好ましい。
これにより、第1の負極活物質と電解質層との物理的距離が、第2の負極活物質と電解質層との物理的距離に比べて短くなる。このため、第1の負極活物質とリチウムイオンとの接触頻度は、第2の負極活物質とリチウムイオンとの接触頻度に比べて高くなり、二次電池の充放電の際に、第2の負極活物質に比べて、第1の負極活物質をより優先的にリチウムに対して結合させることができる。
本発明の全固体リチウム二次電池では、前記正負一対の電極間にリチウムイオン伝導体を有しており、
前記リチウムイオン伝導体は、硫化物系リチウムイオン伝導体であることが好ましい。
これにより、二次電池の特性の向上を図ることができる。
本発明の全固体リチウム二次電池では、前記硫化物系リチウムイオン伝導体は、結晶質および非晶質のうちの少なくとも一方を含むことが好ましい。
結晶質のリチウムイオン伝導体(例えば、チオシリコン)を用いることは、電極成型性に優れている為、電極内の界面接合が改善される為、作製した電池からの出力電流を大きくすることができるという利点がある。また、電流の流れに異方性がない非晶質のリチウムイオン伝導体を用いることは、該材料が熱的安定性に優れている結果、電池保存性能に優れたものを与えると共に、これを用いた電極内では電流密度分布を少なくする利点がある。さらに、結晶質および非晶質のリチウムイオン伝導体を混合して用いることにより、これらを相乗させた効果が期待出来る。
以下、本発明の全固体リチウム二次電池について、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
図2、図3は、本発明の全固体リチウム二次電池の実施形態を示す縦断面図、図4は、図2および図3に示す二次電池が備える負極および正極を示す図で、本二次電池が備える他の電極構成例を示す模式図である。
図2および図3に示す二次電池は、正極3および負極4と、正極3と負極4との間に設けられた電解質層5とを備える電池素子と、正極集電体(板)32と、負極集電体(板)41と、規制部8として、電池素子のほぼ全体(全周)を被覆するように設けたもの、あるいは正負電極の周囲に設置した形状のものが使われる。また、規制部8を備えた電池素子は固定部10を介して、電池容器9内に挿入され構成される。また、正負電極リード板32、42は、リード34、44を介し、正負電極端子6、7に接続されている。
以下、二次電池1の各部の構成について、順次説明する。
まず、負極4について説明する。
負極4は、図4に示すように、固体電解質粒子と2種類の負極活物質からなる負極合材43を網状の負極集電体41に加圧成型して作製される。該負極集電体41には電気的な接合がなされるように負極リード板42を設けた状態も使用することが出来る。
ここで、負極集電体41は、平面視で、電解質層5とほぼ等しいか、それ以下の外径形状および外形サイズを有している。
また、負極集電体41は、その少なくとも表面に電子伝導性を有していれば良く、これにより、負極4内の電流密度の均一化を助けることができる。
負極4内の電流密度が均一化されると、二次電池の充放電の際に、局所的(例えば、負極リード板42と負極との接続部位や負極周辺の末端部において優先的)に電流が流れるようになる領域が生じること、ひいてはかかる領域における負極活物質の局所的な膨張、収縮を最小限とし、二次電池1の充放電特性の低下を好適に抑制または防止することが期待できる。
この場合、負極集電体41としては、例えば、それ全体が導電性材料で構成されているもの、芯材の表面に導電層を形成したもの等、少なくとも表面に導電性を有するものが挙げられる。
このうち、導電性材料としては、例えば、Cu、Ni、Ti、Al、Fe、SUSのような電子伝導性金属材料を用いることができる。
また、導電層の形成方法としては、例えば、蒸着法、スパッタリング法等の気相成膜法、電解めっき法、無電解めっき法等の液相成膜法等のうちの1種または2種以上を組み合わせたものが挙げられる。
なお、負極集電体41は、電子伝導性を有していればよいが、さらにその他の機能を有していてもよい。この機能としては、例えば、負極4が面方向へ拡大するのを防止または抑制する機能等が挙げられる。
この場合、負極集電体41の構成材料としては、例えば、Cu、Ni、Ti、SUSのような電子伝導性金属材料、ポリカーボネートのような硬質樹脂材料、アルミナ、ガラスのようなセラミックス等の絶縁性材料を用いることができる。
なお、電子伝導性と、負極4が面方向へ拡大するのを防止または抑制する機能とを、それぞれ高度に発揮させるためには、負極集電体41の全体が導電性材料で構成されていることが好ましく、例えば、金属エキスパンド網で構成されたもの等が好適に用いられる。
また、本実施形態では、負極集電体41が開孔部を有する網材で構成されているが、この場合、平面視における開孔部の占める面積の割合は、網材の構成材料や目的等によっても若干異なるが、25〜90%程度であるのが好ましく、50〜85%程度であるのがより好ましい。
また、負極集電体41は、その構成材料や目的等によっても若干異なるが、その平均厚さが、50〜400μm程度であるのが好ましく、100〜200μm程度であるのがより好ましい。
本実施形態では、負極集電体41のほぼ全面を覆うように、負極合材43が設けられている。
かかる負極合材43は、少なくともリチウムと可逆的に結合し得る第1の負極活物質粒子と第2の負極活物質粒子の2種の負極活物質とリチウムイオン伝導性固体電解質粒子との混合物からなる負極合材を用い構成されている。また本合材中の電極活物質への電子的接続を改善させる為に電子伝導性材料、例えばカーボンなどを混合して用いることは好ましく、その添加量としては5%程度が好ましく用いられる。
これに対して、従来、このような負極活物質としては、グラファイトのような炭素系材料や、Si、Al、またはこれらの化合物(合金)等の非炭素系材料が単独で、用いられていた。
このうち、上述した化合物のような非炭素系材料は、炭素系材料に比べて、電極としての重量容量密度および体積容量密度が格段に高いため、高容量の負極活物質として有用である。
しかしながら、上述したSi、Alのような非炭素系材料を単独で使用することは、負極活物質として問題点を抱えていた。
すなわち、二次電池を充電した際には、充電電流が大きくなるにつれ、分極によってその電位(負極電位)が低下する。
しかしながら、上述したような材料で構成された負極活物質は、電池充電時、活物質の還元反応が起こり、充電末期近く、あるいは高率充放電時に於いては、負極電位が金属リチウムの析出(Li/Li)電位に対して比較的近いため、例えば、カーボンでは約0.1V、Si、Alでは約+0.2V近辺の電位で有るため、この様な電極電位を示す電極活物質を用いた場合、大電流密度で充放電すると、電極内部抵抗の小さい電極内の周辺の電位がLi/Li電位に対して局部的に、容易に0V以下になる。このため、負極に金属リチウムが析出し、析出した金属リチウムは活物質と電解質粒子の接合界面でリチウムデンドライト状となって析出する。この状態から電池を放電させると、析出デンドライト状リチウムへの電子通電部分が最初に酸化をうけ、電解質中へリチウムイオンとなって正極側に移動する。これにより、デンドライト状リチウムへの電子通電部分が切断され、活物質と電解質粒子の接合界面に金属リチウムが残存したまま、放電が出来なくなる。これにより、電池の充放電サイクルを繰り返すと、二次電池の充放電容量を漸次低下させ、最終的には正極と負極間に亘り、金属リチウムのデンドライト析出により短絡(ショート)等の不具合を引き起こす。この様な、不具合は、充電電流密度が大きくなる高速での充電において、特に顕著となるものである。
上記のような不具合に対し、本発明者は、金属リチウムの析出を防止すべく、負極活物質構成の最適化を図ることとした。ここでは、負極を構成する電極活物質として、リチウムと可逆的に反応する第2の負極活物質と、第2の負極活物質より貴な電位で、リチウムと可逆的に反応する第1の負極活物質とを含むものとし、二次電池の充放電の際に、負極活物質中の第1の負極活物質が、主に、リチウムとの可逆反応をさせるように構成したことにより、金属リチウムの析出を確実に防止し得る二次電池が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
このような本発明の全固体リチウム二次電池は、従来の二次電池に対して、以下の点において優位性がある。
まず、負極活物質が、前述の第1の負極活物質と第2の負極活物質とを含むことにより、本リチウム二次電池の充放電時における充放電電流密度が電極内で局部的に大きくなっても、その部位での、負極電位がLi/Li電位に対して0V以下になることを防止することができる。
これにより、析出した金属リチウムが引き起こす、二次電池1の容量低下や短絡等の不具合を確実に防止することができる。
また、これにより、二次電池を充電する際に、充電電流をより大きくすることが可能となる。その結果、より高速(短時間)で充電可能な二次電池が得られる。
ここでは、上述したような負極活物質である第1の負極活物質および第2の負極活物質としては、例えば、C、Al、Si、Zn、Ga、Ge、In、Snのような材料が挙げられ、これらのうちから、相互の電位の関係を考慮して、適宜選択すればよい。
また、これらの材料の中でも、第1の負極活物質は、Ga、InおよびSnよりなる群から選択される少なくとも1種を含んでいる、第2の負極活物質は、C、Al、SiおよびZnよりなる群から選択される少なくとも1種を含んでいるのが好ましい。
なお、負極4中の第1の負極活物質および第2の負極活物質の混合比率は、特に限定されないが、重量比で、9:1〜7:3程度であるのが好ましく、9:1〜8:2程度であるのがより好ましい。この第1の負極活物質と第2の負極活物質からなる混合物を用い、この混合物とリチウムイオン伝導体粉末を重量比で、5:5〜8:2程度であるのが好ましく、6:4〜8:2程度であるのがより好ましい。この様な構成により、電極内部での反応を第1の負極活物質の反応を主体として進行させ、その間、第1の負極活物質は電極集電体網と第1の負極活物質への電子伝導経路形成の為の作用をするものとなり、電極内での内部抵抗の低減と、第1の負極活物質が必要以上に分極を受け、リチウムの可逆析出電位以下になった際には、第2の負極活物質がリチウムイオンとの間で、金属リチウム合金形成反応を惹起することになる。
また、使用する負極活物質粒子の平均粒径は、1μm〜20μm程度であるのが好ましい。
また、このような負極活物質(第1の負極活物質および第2の負極活物質)は、二次電池が充放電する際に、リチウムイオンとの間で化合物を形成する。したがって、上述した負極活物質は、あらかじめリチウムとの化合物(金属間結合合金)の状態で存在していてもよい。この場合、充電状態にある二次電池1を得ることができる。
このような負極4と正極3の間には、電解質層5が設けられている。
本発明では、この電解質層5は、固体電解質粒子から構成されている。
また、固体電解質材料としては、好ましくは硫化物系リチウムイオン伝導体またはこれを含む混合物で構成される。
硫化物系リチウムイオン伝導体としては、LiS−SiS,LiS−SiS−LiI,LiS−SiS−LiBr,LiS−SiS−LiCl,LiS−SiS−B−LiI,LiS−SiS−P−LiI,LiS−B,LiS−B−LiI,LiS−P,LiS−P−LiI,LiS−P−Z(Z=Ge,Zn,Ga),LiS−GeS,LiS−SiS−LiPO,LiS−SiS−LiPO(M=P,Si,Ge,B,Al,Ga,In)系のリチウムイオン伝導性固体電解質ガラス、及びこれら成分を含む結晶性のリチウムイオン伝導体、あるいはこれらの混合体からなるリチウムイオン伝導性固体電解質が挙げられる。
この様な硫化物系リチウムイオン伝導体は、結晶質および非晶質のうちの少なくとも一方を含むものが好ましい。結晶質のリチウムイオン伝導体を用いることは、該電解質が最も優れたリチウムイオン伝導性を有する材料であることと該材料が成型性に優れている特性を有していることから、これらを用い電池を形成すると、出力電流密度の優れたものを得ることが出来るという利点がある。また、非晶質のリチウムイオン伝導体は、該材料のイオン伝導性の異方性が無いことから、電極活物質とのイオン伝導経路を良好にさせること、また熱安定性が高いことから、電池作製後の保存性能に優れるなどの利点がある。さらに、結晶質および非晶質のリチウムイオン伝導体を混合して用いることにより、これらの利点が総合された効果が期待できるという利点がある。
これら電解質層5の平均厚さは、10〜300μm程度であるのが好ましく、50〜200μm程度であるのがより好ましい。
電解質層5側には、正極3が設けられている。
本実施形態では、前述したように、正極3は、負極4と電極活物質が異なるだけで、ほぼ同様の構成であり、図1に示すように、正極合材33を充填する開口部を備える網状の正極集電体31と、この開孔部に充填された正極合材33とで構成されている。
ここで、正極合材33は、正極活物質と固体電解質粒子との混合物(正極合材)で構成されている。
本発明で用いる正極活物質は、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、リチウムコバルト酸ニッケル(LiCo0.3Ni0.7)、マンガン酸リチウム(LiMn)、チタン酸リチウム(Li4/3Ti5/3)、リチウムマンガン酸化合物(LiMMn2−y;M=Cr、Co、Ni)、リチウム燐酸鉄およびその化合物(Li1−xFePO、Li1−xFe0.5Mn0.5PO)であるオリビン化合物等の遷移金属酸化物材料、TiS、VS、FeS、M・MoS(MはLi、Ti、Cu、Sb、Sn、Pb、Ni等の遷移金属)のような硫化物系カルコゲン化物、TiO、Cr、V、MnO、CoO等のような金属酸化物を骨格としたリチウム金属酸化物等が挙げられる。
これら電極活物質と固体電解質材料を混合して用いる場合、このものは、後述する電解質層(5)と同種(同一)であっても異なっていてもよい。これにより、正極(3)と電解質層(5)との間でのイオンの移動をより円滑に行うことができるとともに、さらなる密着性の向上を図ることができる。
また、電極活物質と固体電解質材料との混合比は、特に限定されないが、重量比で、4:6〜9:1程度が好ましく、5:5〜8:2程度であるのがより好ましい。
また、電極活物質としては、20ミクロン以下の粒状(粉状)のものが好適に用いられる。こうした粒状の電極合材を用いることにより、集電体(31)の開孔部内に正極合材33をより容易かつ確実に充填することができる。
この電極合材層の平均厚さは、30μm以上500μm以下であるのが好ましく、50μm以上300μm以下であるのが、より好ましい。これは電極合材の厚さが30ミクロン以下では、電極内の活物質への電子伝導のネットワーク経路が少なくなり、出力電流が少なくなるとともに、500ミクロン以上では、電解質層に接触する電極界面からのイオン伝導経路が長くなる結果、電極内部抵抗が大きくなり、出力電流が少なくなる。従って、全固体二次電池の充放電性能を高くする為には、電極としての厚さに最適厚みが存在するものとなる。
次に、正極(3)、負極(4)の他の構成例について説明する。
図4の(4−c,4−d)に示す構成図は、正極及び負極に適用される。ここでは電極合材(33または43)が集電体(31または41)の開口部に充填されており、該集電体は電極リード板(32または42)に電気的に接続されたもので、集電体(31または41)は電子伝導性を有する網材を用いてもよいが、これらは、例えば、凹凸を有するプレス成型体板またはエッチングによる成型体板を用いることで、電極リード板と集電体を一体化した形状のものとすることが出来る。図中4−b、4−dは電極の外周部分に補強体として規制部(8)と備えたもので、該補強体は絶縁性材料または導電性を有する材料を使用することが出来る。
また、ここで、電極リード板(32または42)の存在について、その基材の種類は、それぞれ、正極3と負極4とで同一であっても異なっていてもよい。
また、規制部(8)は、正極(3)および負極(4)の周囲全体を、電解質層(5)で覆うようにすることで、その強度は弱いが、規制部(8)として兼用することが出来る。
以上で説明したような正極3、負極4を用い、その間に電解質層5を介在させることにより、第3図に示したような全固体リチウム二次電池が構成される。なお、電解質層5中には、必要に応じて、電解質層5の補強のための絶縁性網が1層以上設けられていてもよい。
こうして作製した全固体リチウム二次電池は、第2図および第3図の電池構成で示したように正極端子6および負極端子7が備えられ、それらは正極3および負極4と導電性を有する正極リード34および負極リード44でもって接続されている。
また、これら電池内部の電池素子は正極リード34および負極リード44を除いて、そのほぼ全体が固定部10により覆われている。
この固定部10は、主として正極3の面方向(正極3から負極4に向かう方向に対してほぼ垂直をなす方向、すなわち図1中の左右方向)への拡大を規制する機能を有し、それに付随して起こる電解質層5の面方向への拡大をも規制するものである。二次電池では、充放電に伴って、電極活物質の結晶構造が立体的に変形(伸縮)する。
ここで、仮に、固定部10を設けない二次電池では、充放電の際に電極活物質(負極活物質および正極活物質)の結晶構造が立体的に変形(変化)することにより、特に正極および負極が、厚さ方向でなく面方向に大きく変形(伸縮)する。その結果、電解質層も面方向に変形(伸縮)して、正極および負極からはみ出す部分が形成されてしまう。かかる部分には、電極活物質への電子的接合あるいはイオン伝導経路を切断する接合阻害が生じることに起因して、二次電池の充放電に伴って電流が流れにくくなる。その結果、当該部分から、電極活物質と電解質との界面に剥離が生じ、電子的接合あるいはイオン伝導経路が破壊されることとなる。この現象は、二次電池ヘの充放電を繰り返すことにより、徐々に進行し、結果として、二次電池においては、電池容量が徐々に低下し、ついには二次電池の充放電が困難となる。
これに対して、本実施形態にかかる二次電池では、正極3および負極4に面方向(図1中左右方向)への拡大を規制する機能をそれぞれ持たせ、さらに、正極3および負極4の拡大に付随して起こる電解質層5の面方向への拡大を規制する機能を有する規制部8を設ける構成とした。これにより、全固体リチウム二次電池の作製時や充放電時において、二次電池の形状を出来る限り初期形状に近い状態で維持すること、すなわち正極3、負極4および電解質層5の面方向への拡大が規制されて、上記の不都合を防止することができる。その結果、充放電サイクルの進行(複数回の充放電)によっても、電池容量の低下を防止することができる。
この固定部10は、好ましくは絶縁性材料で構成される。かかる構成とすることにより、正極3と負極4との短絡を確実に防止することができる。
なお、固定部10は、導電性材料(金属材料等)で構成されていてもよい。かかる構成とする場合、電池素子と規制部8との間に、絶縁層(絶縁性シート)を介在させるようにすればよい。
この絶縁性材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂のような各種樹脂材料、各種ガラス材料、各種セラミックス材料等が挙げられる。中でも、主として熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂および低融点ガラスのうちの1種または2種以上を組み合わせたもので構成されているのが好ましい。これらの材料を用いることにより、固定部10をより容易に形成することができる。また、機械的強度の高い規制部8を得やすいことからも好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル共重合体およびポリアミド等やホットメルト樹脂が挙げられる。
また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂およびフェノール系樹脂等が挙げられる。
また、光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂およびビニルエーテル系樹脂等が挙げられる。
また、低融点ガラスとしては、例えば、P−CuO−ZnO系低融点ガラス、P−SnO系低融点ガラスおよびB−ZnO−Bi−Al系低融点ガラス等が挙げられる。
また、固定部10は、その構成材料や目的等によっても若干異なるが、その平均厚さ(特に、その側面の平均厚さ)が、50〜5000μm程度であるのが好ましく、100〜500μm程度であるのがより好ましい。かかる範囲内に設定することにより、正極3、負極4および電解質層5の面方向への拡大を確実に防止して、規制部8としての機能を確実に発揮させることができる。
上記のような固定部10で覆われた全固体リチウム二次電池素子は、電池容器9に収納されている。
電池容器9は、有底筒状の容器本体91と、容器本体91の開口を塞ぐ蓋体92とで構成されている。また、蓋体92には、正極リード端子6および負極リード端子7が絶縁管93を介して蓋体92に設けられており、各端子は正負電極用リード34,44により正負電極と接合されている。この蓋体92は溶着またはシール剤、パッキング17により容器本体91に固定(固着)されている。
電池容器9(容器本体91および蓋体92)の構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、真鍮、ステンレス鋼等各種金属材料や各種樹脂材料、各種セラミックス材料、各種ガラス材料、金属と各種樹脂からなるコンポジット材料等が挙げられる。
このような電池容器9を有する全固体リチウム二次電池は、例えば、容器本体91内に、硬化前の熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂等の硬化性樹脂を充填しておき、二次電池素子を収納した後、硬化性樹脂を硬化させて固定部10とすることにより製造することができる。
なお、固定部10には、これらの硬化性樹脂に代えて、前述したような熱可塑性樹脂や低融点ガラスを用いるようにしてもよい。
以上説明したような全固体リチウム二次電池は、例えば、次のような二次電池の製造方法により製造することができる。
図5は、図1及び図3に示す二次電池の製造方法のフローを示す図、図6、図7は、図1および第3図に示す二次電池の製造方法に用いる成形金型の構成を示す概略図(縦断面図)である。
図5に示す二次電池の製造方法は、負極4を形成する負極作製工程〔10〕と、負極4を覆うように、固体電解質粒子を加圧・成形して、負極4と電解質層5とを一体化することにより、複合層を形成する複合層作製工程〔20〕と、正極3を形成する正極作製工程〔30〕と、形成した複合層と、正極3とを積層した後、加圧して電池素子を形成する電池素子作製工程〔40〕と、電池素子全体を規制部8で覆うように、電池容器9内に収納する電池素子挿入工程〔50〕、挿入した電池素子を外気から遮断するための電池密封化工程〔60〕とを有している。
以下、各工程について順次説明する。
<A>負極作製工程〔10〕
まず、負極合材として、C、Al、Si、Ge、Zn、Sn、Ga、Inの群からなる電位の異なる、少なくとも2種の電極活物質を選定する。電池負極反応として、選定した2種の負極活物質の内、最も高いものを、第1の負極活物質とし、この第1の負極活物質が主たる負極電池反応として使い、それより低いものを第2の電極活物質として用いる。これが、金属リチウムの析出を防ぐものとして、機能する。従って、第1の負極活物質の重量が大となるように所望の重量比で混合する。この混合物とリチウムイオン伝導性固体電解質粉末を混ぜ合わせた負極電極合材を作製する。次に、負極集電体として、例えば網状集電体41を用意し、これらを所望とする電極サイズに切断しておく。
これらを用い、第6図の金型において、雌金型の円筒孔(700)内に設置した下部金型(400)上に負極集電網を配置する。電極リード板を一体化した集電網を使用する場合は電極リード板が下部金型(400)上に接するように配置する。その後、この雌金型の円筒孔(700)内に負極合材を充填する。この充填した合材を上部雄成形型(600)を用い、平面化した後、予備的に加圧成形することで負極を作製する。これを金型より抜き出すことで、本発明用電池の負極電極を構成する。
これら工程で用いた加圧成形の為の圧力は、2ton/cm以上であるのが好ましく、3ton/cm以上であるのがより好ましく、5ton/cm以上で作製される。これにより、電極合材を好適に圧縮できるとともに、集電網が備える開孔部内に電極合材を確実に充填することができる。
この際、全固体リチウム二次電池の製造に用いられる各種成形用金型は、金属製に限定されず、例えば、樹脂製、セラミックス製であってもよい。
<B>複合層作製工程〔20〕
次に、負極と電解質層を一体化した複合層を作製するため、金型として、第7図に示した金型、<A>工程で電極作製に用いた円筒孔700より内径の大きい成形金型1002を用意し、この成形型が備える円筒孔内1003に、下部雄成形型1000を挿入した状態で、それぞれの円筒孔内1003に電解質粉末を充填し、上部雄成形型1001でもって、電解質層表面を平らにする。電解質形状は図7に示した1101の状況となる。
次いで、円筒孔内に電極形状が形成可能な突起部1006を有する上部雄成形型(1004)を挿入し、予備的に加圧成形することで、電極を挿入可能な部位を備えた電解質層を形成する。電解質形状は図7に示した1102の状況となる。その後、上部雄成形型を取り出し、電解質層に形成された電極挿入部分に、<A>の工程で作製した電極を挿入し、突起部のない上部雄成形型1001を挿入し、予備加圧成型することで、電極の周囲が電解質層で覆われた電解質層と電極が一体化したものを作製することが出来る。電解質形状は図7に示した1103の状況となる。この状態で、次の工程で作製する正極を用い、電池素子の作製に用いる。
<C>正極作製工程〔30〕
正極を作製するための活物質としては、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、リチウムコバルト酸ニッケル(LiCo0.3Ni0.7)、マンガン酸リチウム(LiMn)、チタン酸リチウム(Li4/3Ti5/3)、リチウムマンガン酸化合物(LiMMn2−y;M=Cr、Co、Ni)、リチウム燐酸鉄およびその化合物(Li1−xFePO、Li1−xFe0.5Mn0.5PO)であるオリビン化合物等の遷移金属酸化物材料、TiS、VS、FeS、M・MoS(MはLi、Ti、Cu、Sb、Sn、Pb、Ni等の遷移金属)のような硫化物系カルコゲン化物、TiO、Cr、V、MnO、CoO等のような金属酸化物を骨格としたリチウム金属酸化物等を用いることが出来る。
これら電極活物質と固体電解質材料を混合して用いる場合、このものは、電解質層(5)と同種(同一)であっても異なっていてもよい。これにより、正極(3)と電解質層(5)との間でのイオンの移動をより円滑に行うことができるとともに、さらなる密着性の向上を図ることができる。
また、電極活物質と固体電解質材料との混合比は、特に限定されないが、重量比で、4:6〜9:1程度が好ましく、5:5〜8:2程度であるのがより好ましい。
また、電極活物質としては、20ミクロン以下の粒状(粉状)のものが好適に用いられる。こうした粒状の正極合材を用いることにより、集電体(31)の開孔部内に電極合材をより容易かつ確実に充填することができる。
この正極合材を用いて正極を作製するに際し、正極集電体として、例えば網状集電体31を用意し、これらを所望とする電極サイズに切断しておく。
これらを用い、第6図の金型において、雌金型(500)内に設置した下部金型(400)上に正極集電網を配置する。電極リード板を一体化した集電網を使用する場合は電極リード板が下部金型上(400)に接するように配置する。その後、この雌金型の円筒孔(700)内に正極合材を充填する。この充填した正極合材を上部雄成形型(600)を用い、平面化した後、予備的に加圧成形することで正極を作製する。これを金型より抜き出すことで、本発明用電池の正極が出来る。
これら工程で用いた加圧成形の為の圧力は、2ton/cm以上であるのが好ましく、3ton/cm以上であるのがより好ましく、5ton/cm以上で作製される。これにより、電極合材を好適に圧縮できるとともに、集電網が備える開孔部内に電極合材を確実に充填することができる。
この際、全固体リチウム二次電池の製造に用いられる各種成形用金型は、金属製に限定されず、例えば、樹脂製、セラミックス製であってもよい。
<D>電池素子作製工程〔40〕
次に、<C>工程で作製した負極と電解質層が一体化した成型体を取り出すことなく、成形金型(第7図)を上下反転させた後、上になった下部雄成形型(1000)を一度取り出し、円筒孔内の電解質層面に、電極形状が形成可能な突起部を有する上部雄成形型(1004)を挿入し、予備的に加圧成形することで、電極(正極)を挿入可能な部位を備えた電解質層を形成する。電解質形状は図8に示した1104の状況となる。この部位に予め作製した電極(正極)を挿入し、突起部のない上部雄成形型(1001)を挿入し、所定の圧力で加圧成型することで、正極層および負極層の周囲が電解質層で覆われた電解質層を有する電池素子を作製することが出来る(図8の1105参照)。
以上の工程で、成形に使用する成型圧力は、2ton/cm以上であるのが好ましく、3ton/cm以上であるのがより好ましく、5ton/cm以上であるのがさらに好ましい。これにより、電池素子が十分に圧縮され、また、電池素子内での正極3、負極4が電解質層5で覆うことが出来、その界面接合が確実となる。この結果、作製した電池素子内での正負極間の短絡を確実に阻止する事が可能となり、電池性能の一定した電池作製が可能となる。
また、これら工程で用いた成型用雌金型の円筒孔の内面には、形成される電池素子2の離型性を向上させるための離型剤を付与しておいてもよい。
こうして作製した電池素子を金型より取りだし、電極リード(34,44)を取り付けた後、素子全体を予め例えば、ホットメルト樹脂(ホットメルト接着剤)または低融点ガラス等からなる絶縁体で被覆し規制部8を形成する。この絶縁体の被覆に際しては、ホットメルト樹脂または低融点ガラスを予め溶融させた容器内に、電池素子を挿入した後、冷却して固化することにより簡易的に形成することができるが、プラスチックの加圧成型機により作製することはより精度が保たれ、好ましい。
<E>電池素子挿入工程〔50〕
この工程を第2図の電池素子を用い説明する。先ず、<D>で得た電池素子の正負電極の接続リード(第2図中34,44)と、電槽上蓋(図中92)に設けられた電極端子(6,7)とを接合する。
この状態の電池素子を、予め固定部(図中10)となる絶縁性材料(例えばホットメルト樹脂または低融点ガラス)を溶融充填した電池容器内挿入する。しかる後、冷却して固化することにより形成することができる。かかる方法によれば、電池素子の外周面のほぼ全体を覆うように固定材である絶縁層を確実に形成することができる。
なお、溶融または軟化状態(液状状態)のホットメルト樹脂または低融点ガラスを電池素子の外周面に供給する方法としては、各種の方法を用いることができるが、例えば、I:液状状態のホットメルト樹脂または低融点ガラスに電池素子を浸漬する方法(浸漬法)、II:電池素子の外周面に液状状態のホットメルト樹脂または低融点ガラスを塗布する方法(塗布法)、III:電池素子を絶縁管93を介して正極端子6、負極端子7を接合した後、樹脂注入用口を備えた蓋体92を電池容器9に勘合させ、樹脂注入用口より、容器内部に真空封入法(脱気法)により、液状の樹脂を注入した後、該樹脂を硬化させ、樹脂封入口を封じる方法等が挙げられる。
また、規制部8を例えば熱硬化性または光硬化性の樹脂で構成する場合、規制部8は、硬化前の液状の樹脂材料を電池素子の外周面に供給した後、加熱または光照射して硬化することにより形成することができる。かかる方法によっても、電池素子のほぼ全体を覆うように規制部8を確実に形成することができる。
また、真空封入法により、固定部10の材料を電池容器内に充填する事は、電池素子の周辺部位の規制部8内に形成される空間部位を少なくすることを確実にし、充放電サイクルに伴う、容量低下のない二次電池を確実の提供出来る。
なお、硬化前の樹脂材料を電池素子の外周面に供給する方法としては、前記液状状態のホットメルト樹脂または低融点ガラスを供給する方法で説明したのと同様の方法を用いることができる。
また、電池容器(図2中91)および上蓋(図2中92)の構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、真鍮、ステンレススティール等各種金属材料や各種樹脂材料、各種セラミックス材料、各種ガラス材料、金属と各種樹脂からなるコンポジット材料等が挙げられる。
また、前述したような電極活物質を正極3および負極4の構成材料として用いる場合、これらの組み合わせは、特に限定されるものではなく、正極3に用いる電極活物質が負極4に用いる電極活物質に対して貴な電位を示すようなものを選択すればよい。かかる構成とすることにより、任意の放電電圧を有する全固体リチウム二次電池を得ることができる。次いで、正極リード34および負極リード44を取り付けた後、図2に示すように、電池素子のほぼ全体を規制部8で覆う。そして、規制部8で覆われた電池素子を、電池容器9内に収納する。
さらに、固体電解質材料としては、既に述べたように、好ましくは硫化物系リチウムイオン伝導体またはこれを含む混合物で構成される。
その硫化物系リチウムイオン伝導体としては、LiS−SiS,LiS−SiS−LiI,LiS−SiS−LiBr,LiS−SiS−LiCl,LiS−SiS−B−LiI,LiS−SiS−P−LiI,LiS−B,LiS−B−LiI,LiS−P,LiS−P−LiI,LiS−P−Z(Z=Ge,Zn,Ga),LiS−GeS,LiS−SiS−LiPO,LiS−SiS−LiPO(M=P,Si,Ge,B,Al,Ga,In)系のリチウムイオン伝導性固体電解質ガラス、及びこれら成分を含む結晶性のリチウムイオン伝導体、あるいはこれらの混合体からなるリチウムイオン伝導性固体電解質が挙げられる。
この様な硫化物系リチウムイオン伝導体は、結晶質および非晶質のうちの少なくとも一方を含むものが好ましい。結晶質のリチウムイオン伝導体を用いることは、該電解質が最も優れたリチウムイオン伝導性を有する材料であることと該材料が成形性に優れている特性を有していることから、これらを用い電池を形成すると、出力電流密度の優れたものを得ることが出来るという利点がある。また、非晶質のリチウムイオン伝導体は、該材料のイオン伝導性に異方性が無いことから、電極活物質とのイオン伝導経路を良好にさせること、また熱安定性が高いことから、電池作製後の保存性能に優れるなどの利点がある。さらに、結晶質および非晶質のリチウムイオン伝導体を混合して用いることにより、これらの利点が総合された効果が期待できるという利点がある。
<F>電池密封化工程〔60〕
次に<D>で作製した電池素子の上蓋を電池容器(91)に勘合させ、上蓋(92)と容器をレーザー溶接により完全一体化を行い本発明の電池を構成する。またこの工程としては、簡易的にはパッキンを介在させ、プレス封孔により一体化することも可能である。
以下、本発明の具体的実施例について説明する。
1.二次電池の作製
(実施例1)
ここでは、本発明によるところの電池構成(第3図)、即ち、一対の電極間に正負電極周辺を電解質層で覆った形状(電解質の一部を規制部8の役割を持たした形状)の電池素子を作製した。
ここでは、正極活物質としてコバルト酸リチウム、電解質としてLiS−P−Alからなる3元系硫化物リチウムイオン伝導体を用い、これらを7:3の重量比で混合した正極合材を用い、直径16mm、厚さ約250μmの正極を作製した。電解質層には同一電解質を用い、直径18mm、厚さ300μmとした。また、第1の負極活物質としてはインジウム粉末(粒径、5ミクロン)を、第2の負極活物質として、アルミ粉末(粒径、15ミクロン)用い、これを重量比で9:1の割合で混合した。
続いて、これらと電解質を重量比で8:2の割合で混合した負極合材を作製し、直径16mm、厚さ150μmの負極を作製した。ここで用いた集電体材料である網材は厚さ100μmで、リード板は厚さ300ミクロンのチタン薄膜を用いた。これら電極部材を用い、既に記載した実施形態に基づき全固体リチウム二次電池(第2、3図)を作製した。この作製した電池の特性を調べるため、該電池を100μA/cmの定電流で充電、充電電圧が4.2Vに到達した後、電流が30μAとなった時点で、充電を停止し、充電停止時間、30分を経て、同一電流値で放電を開始した。
得られた結果は、図10に示したように、充電電位として、約3.6〜3.8V付近で電圧平坦を示すことが判った。また、その放電では放電の電圧が約3.5Vから3.0Vにおいて平坦性があり、約110mAh/grの放電容量が得られ、これらの電池容量は、ほぼコバルト酸リチウムの理論値に近い値を得た。
また、この電池の最初の充電時の充電曲線では、約3.3V近辺から電位が緩やかに漸次、上昇し、約4.0V付近で短い電位の停滞が見られた。充電末期での、この停滞は第2の負極活物質である錫がリチウム合金を形成することにより、現れた停滞であり、金属リチウムの直接的な析出を阻止していることを示唆するものである。
続いて、図11に示したように、この電池の充放電サイクルの繰り返しでは、約100サイクルの経過ではあるが、何ら異常は認められなかった。
(比較例1)
実施例1の効果を調べるため、前記実施例1で用いた負極活物質として、In金属粉(約25ミクロン)単独を用い、これを電解質粉末と重量比で8:2の比率で混合した負極合材を用いた以外、その他の電池部材構成は実施例1と同様のものを使用して電池素子を作製し(但し、正負電極の周辺は電解質層で囲まれていない)、この電池素子を電池容器に挿入し全固体電池を作製した。作製した電池の構成を図9に示した。この電池を実施例1と同様な条件で充放電試験を行った。
その結果を図10に点線により、並記した。ここでの充電曲線の挙動から、充電末期では電位が約4.2Vに到達しており、この状態は負極での反応として、金属リチウムが析出していることを示唆したものである。また、この充放電条件での充放電サイクルの繰り返しは、図11の△に示したように約25サイクルの経過で、放電容量が漸次低下した後、正負極の短絡が生じた。
この正負極が短絡した電池を分解し、その原因を調べた結果、正負極間に有る電解質層を貫通した状態でのリチウム金属の析出が、特に電極周辺で多く発生していた。
(実施例2)
ここでは、実施例1と同様、正極活物質としてコバルト酸リチウム、電解質としてLiS−P−Alからなる3元系硫化物リチウムイオン伝導体を用い、これらを7:3の重量比で混合した正極合材を用い、直径16mm、厚さ約250μmの正極を作製した。電解質層には同一電解質を用い、直径18mm、厚さ300μmとした。また、第1の負極活物質としてはインジウム粉末(粒径、5ミクロン)を、第2の負極活物質として、カーボン粉末(粒径、5ミクロン)用い、これを重量比で9:1の割合で混合した。
続いて、これらと電解質を重量比で8:2の割合で混合した負極合材を作製し、直径16mm、厚さ150μmの負極を作製した。ここで用いた集電体材料である網材は100μmで、リード板は厚さ300ミクロンのチタン薄膜を用いた。これら電極部材を用い、既に記載した実施形態に基づき全固体リチウム二次電池(第2、3図)を作製した。この作製した電池の特性を調べるため、該電池を100μA/cmの定電流で充電、充電電圧が4.2Vに到達した後、電流が30μAとなった時点で、充電を停止し、充電停止時間、30分を経て、同一電流値で放電を開始した。
得られた結果は実施例1と殆ど同様の挙動を示し、本発明の効果を確認することが出来た。
(実施例3)
ここでは、実施例1と同様、正極活物質としてコバルト酸リチウム、電解質としてLiS−P−Alからなる3元系硫化物リチウムイオン伝導体を用い、これらを7:3の重量比で混合した正極合材を用い、直径16mm、厚さ約250μmの正極を作製した。電解質層には同一電解質を用い、直径18mm、厚さ300μmとした。また、第1の負極活物質としてはインジウム粉末(粒径、5ミクロン)を、第2の負極活物質として、シリコン粉末(粒径、5ミクロン)用い、これを重量比で9:1の割合で混合した。
続いて、これらと電解質を重量比で8:2の割合で混合した負極合材を作製し、直径16mm、厚さ150μmの負極を作製した。ここで用いた集電体材料である網材は100μmで、リード板は厚さ300ミクロンのチタン薄膜を用いた。これら電極部材を用い、既に記載した実施形態に基づき全固体リチウム二次電池(第2、3図)を作製した。この作製した電池の特性を調べるため、該電池を100μA/cmの定電流で充電、充電電圧が4.2Vに到達した後、電流が30μAとなった時点で、充電を停止し、充電停止時間、30分を経て、同一電流値で放電を開始した。
得られた結果は実施例1と殆ど同様の挙動を示し、本発明の効果を確認することが出来た。
(実施例4)
ここでは、実施例1と同様、正極活物質としてコバルト酸リチウム、電解質としてLiS−P−Alからなる3元系硫化物リチウムイオン伝導体を用い、これらを7:3の重量比で混合した正極合材を用い、直径16mm、厚さ約250μmの正極を作製した。電解質層には同一電解質を用い、直径18mm、厚さ300μmとした。また、第1の負極活物質としてはインジウム粉末(粒径、5ミクロン)を、第2の負極活物質として、亜鉛粉末(粒径、10ミクロン)用い、これを重量比で9:1の割合で混合した。
続いて、これらと電解質を重量比で8:2の割合で混合した負極合材を作製し、直径16mm、厚さ150μmの負極を作製した。ここで用いた集電体材料である網材は100μmで、リード板は厚さ300ミクロンのチタン薄膜を用いた。これら電極部材を用い、既に記載した実施形態に基づき全固体リチウム二次電池(第2、3図)を作製した。この作製した電池の特性を調べるため、該電池を100μA/cmの定電流で充電、充電電圧が4.2Vに到達した後、電流が30μAとなった時点で、充電を停止し、充電停止時間、30分を経て、同一電流値で放電を開始した。
得られた結果は実施例1と殆ど同様の挙動を示し、本発明の効果を確認することが出来た。
(実施例5)
ここでは、実施例1と同様、正極活物質としてコバルト酸リチウム、電解質としてLiS−SiS−LiPOからなる3元系硫化物リチウムイオン伝導体を用い、これらを7:3の重量比で混合した正極合材を用い、直径16mm、厚さ約250μmの正極を作製した。電解質層には同一電解質を用い、直径18mm、厚さ300μmとした。また、第1の負極活物質としてはインジウム粉末(粒径、5ミクロン)を第2の負極活物質として、錫粉末(粒径、15ミクロン)用い、これを重量比で9:1の割合で混合した。
続いて、これらと電解質を重量比で8:2の割合で混合した負極合材を作製し、直径16mm、厚さ150μmの負極を作製した。ここで用いた集電体材料である網材は100μmで、リード板は厚さ300ミクロンのチタン薄膜を用いた。これら電極部材を用い、既に記載した実施形態に基づき全固体リチウム二次電池(第2、3図)を作製した。この作製した電池の特性を調べるため、該電池を100μA/cmの定電流で充電、充電電圧が4.2Vに到達した後、電流が30μAとなった時点で、充電を停止し、充電停止時間、30分を経て、同一電流値で放電を開始した。
得られた結果は図12に示したように、充電末期の停滞が、約3.8V付近に現れた以外、実施例1と殆ど同様の挙動を示し、本発明の効果を確認することが出来た。
(実施例6〜11)
以下、実施例6から実施例11は負極を構成する電極活物質の種類を変え、第1の負極活物質と第2の負極活物質の混合比率、および電解質との混合比率を実施例1と全く同様にして、電池を作製し、その充放電性能を調べた。実施例6〜11のそれぞれの第1の負極活物質、第2の負極活物質、電解質および正極活物質について、表1に示す。
Figure 2009093968
次に、実施例6〜11の電池を実施例1と同様にその特性を調べたが、いずれも充電末期において、金属リチウムが析出する前の約4.0Vから4.1V付近で充電電圧の停滞が認められ、直接的なリチウム金属の負極表面における析出反応が阻止されており、本発明の効果が、実施例1と殆ど変わらず、その放電容量も殆ど影響を受けないことが判明した。
(実施例12)
ここでは、第1の負極活物質を予め負極集電体表面に形成したものを用い、また、負極合材としては第1の負極活物質より電位的に低い負極活物質とリチウムイオン伝導性固体電解質からなるものを用いて、負極を構成した以外、実施例5と殆ど同様にして本発明の電池を構成した。
即ち、正極活物質としてコバルト酸リチウム、電解質としてLiS−SiS−LiPOからなる3元系硫化物リチウムイオン伝導体を用い、これらを7:3の重量比で混合した正極合材を用い、直径16mm、厚さ約250μmの正極を作製した。電解質層には同一電解質を用い、直径18mm、厚さ300μmとした。また、第2の負極活物質のみを含んだ負極合材として、錫粉末(粒径、15ミクロン)用い、これを同一の固体電解質と重量比で9:1の割合で混合し使用した。また、用いた集電体材料である網材には金属インジウムを金属メッキ法で約100μmの厚さになるよう銅製のマイクロエクスパンド網に電析させたものを用いた。また、リード板は厚さ50ミクロンの銅製薄膜を用い、これにもインジウム金属を電析させたものを使用した。これら集電体網、リード板をスポット溶接後、所望のサイズに切断し用いた。ここでは直径15.5mmの第1の負極活物質(インジウム)層を備えた集電体網を作製した。そして、集電体網に第2の負極活物質のみを含んだ負極合材を金型を用い、加圧充填する事で負極を得た。この負極では第1の負極活物質が負極集電体表面に直接接合している為、第1の負極活物質の電気化学反応が円滑に行われ、また、その接合力も強い為、充放電性能として、特にサイクル寿命の点で改善が期待できるものと考える。その他、ここでは負極の構成が実施例1と異なるだけで、他の電極部材は実施例5と全く同様にして、全固体リチウム二次電池(第2、3図)が構成される。この作製した電池の特性を調べるため、該電池を100μA/cmの定電流で充電、充電電圧が4.2Vに到達した後、電流が30μAとなった時点で、充電を停止し、充電停止時間、30分を経て、同一電流値で放電を開始した。
得られた結果は、図11に示した挙動と殆ど同様であり、約110mAh/grの放電容量が得られ、これらの電池容量は、ほぼコバルト酸リチウムの理論値に近い値を得た。これにより、本発明の効果を確認することが出来た。
(実施例13)
ここでは、実施例12と殆ど同様にして本発明の電池を構成した。
即ち、正極活物質としてコバルト酸リチウム、電解質としてLiS−P−Alからなる3元系硫化物リチウムイオン伝導体を用い、これらを7:3の重量比で混合した正極合材を用い、直径16mm、厚さ、約250μmの正極を作製した。電解質層には同一電解質を用い、直径18mm、厚さ300μmとした。また、第2の負極活物質のみを含んだ負極合材として、アルミニウム粉末(粒径、15ミクロン)用い、これを同一の固体電解質と重量比で9:1の割合で混合し使用した。また、用いた集電体材料である網材には金属錫を金属メッキ法で約100μmの厚さになるよう銅製のマイクロエクスパンド網に電析させたものを用いた。また、リード板は厚さ50ミクロンの銅製薄膜を用い、これにも金属錫を電析させたものを使用した。これら集電体網、リード板をスポット溶接後、所望のサイズに切断し用いた。ここでは直径15.5mmの第1の負極活物質(錫)備えた集電体網を作製した。集電体網に第2の負極活物質のみを含んだ負極合材を金型を用い、加圧充填することで負極を得た。この様に負極の活物質構成と電解質材料構成が実施例12と異なるだけで、他の電極部材は実施例12と全く同様にして、全固体リチウム二次電池(第2、3図)を作製した。この作製した電池の特性を調べるため、該電池を100μA/cmの定電流で充電、充電電圧が4.2Vに到達した後、電流が30μAとなった時点で、充電を停止し、充電停止時間、30分を経て、同一電流値で放電を開始した。
得られた結果は、図11に示した挙動と殆ど同様であり、約110mAh/grの放電容量が得られ、これらの電池容量は、ほぼコバルト酸リチウムの理論値に近い値を得た。これにより、本発明の効果を確認することが出来た。
2.二次電池の評価
以上、実施例1〜11は2種類の負極活物質粒子を備えた負極を用いて、本発明に係わるところの全固体電池を作製し、その効果を調べたものであるが、いずれも、充電末期においては、従来の電池では金属リチウムの析出が負極で生じ、電池サイクル寿命を短くしていたのに反し、負極での金属リチウムの析出を抑えることが出来、電池サイクル寿命の改善に著しい効果が認められた。
また、実施例13、14では、第1の負極活物質を負極集電体網に予め形成したものを用いて負極を作製し、これを用いて本発明の電池を構成したが、いずれも、本発明の効果として、負極表面上での金属リチウムの直接的析出を阻止する事が認められた。各実施例で示した負極構成において、用いる2種の負極活物質としては、当然のことではあるが、第1の活物質の示す電位が、第2の活物質の電位より、高ければ本効果が予想されるものである。
また、その活物質の負極への附設方法に限定されるものでないことは自明である。即ち、実施例1〜11では負極活物質として、電位の異なる2種類のリチウム合金を形成する金属粉末を用いたが、これらの代わりに2種類の電位の異なる金属活物質の合金粉末を用いても、同様な効果が期待されることは言うまでもないことである。
また、負極集電体表面に直接、金属活物質を付着させるに際し、メッキ法を用いた例を実施例12に於いて示したが、この際、インジウムメッキ用電解液中に、微細錫粉末を混合した電着用電解液(分散メッキ法)を用いて負極集電体表面に2種の金属活物質を共析させ、用いることも可能で、これらを用いて、全固体電池を構成しても、同様な効果が期待でき、本発明の範疇に属することは自明である。
充放電時に於ける電池内部での電流分布状態に関する模式図である。 本発明の全固体リチウム二次電池の実施形態を示す概略図である。 本発明の全固体リチウム二次電池の実施形態を示す断面図である。 図1に示す二次電池が備える負極の他の構成例を示す模式図である。 図2、図3に示す二次電池の製造方法のフローを示す図である。 図2、図3に示す二次電池の製造方法に用いる成形金型の構成を示す概略図(縦断面図)である。 複合体成型用金型の構成を示す概略図である。 複合体成型状態のフロー図である。 従来型全固体電池の縦断面図である。 本発明による電池と従来構成の電池についての初期充放電特性(図中実線は本発明によるもの、破線は従来電池についての充放電特性)を示す図である。 本発明による電池と従来構成の電池についての充放電サイクル特性を示す図である。 2種類の負極活物質が、In、Ga、Snの群から選択された負極を用いた場合の本発明による電池と、従来構成の電池についての初期充放電特性比較を示す図である。
符号の説明
1……二次電池 2……電池素子 3……正極 31……正極集電体 32……正極リード板 33……正極合材 34……正極リード 4……負極 41……負極集電体 42……負極リード板 43……負極合材 44…負極リード 5……電解質層 6……正極端子 7……負極端子 8……規制部 9……電池容器 91……容器本体 92……蓋体 93……絶縁管 10……固定部 17……パッキング 400……下部金型 500……金型 600……上部雄成形型 700……雌金型円筒孔 1000……下部雄成形型 1001……上部雄成形型 1002……成形金型 1003……円筒孔内 1004……上部雄成形型 1006……突起部 1101〜1105……電解質形状の状況 〔10〕……負極作製工程 〔20〕……複合層作製工程 〔30〕……正極作製工程 〔40〕……電池素子作製工程 〔50〕……電池素子挿入工程 〔60〕……電池密封化工程

Claims (12)

  1. 正極と負極からなる一対の電極間に電解質を介在させてなる全固体リチウム二次電池に於いて、少なくとも2種以上の電極反応電位の異なるリチウム合金および該リチウム合金形成材料を負極活物質とした負極電極を備えたことを特徴とする全固体リチウム二次電池。
  2. 前記電極反応電位の異なるリチウム合金形成材料として、少なくともIn、Ga、Sn、Zn、SiおよびAlからなる群より選択される少なくとも2種以上の金属を含んでおり、これら金属を前記負極活物質とした請求項1に記載の全固体リチウム二次電池。
  3. 全固体リチウム二次電池の前記負極が、互いに電極反応電位の異なる第1の負極活物質および第2の負極活物質を有しており、
    In、GaおよびSnよりなる群から選択される少なくとも1種を前記第1の負極活物質とし、C、Si、ZnおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種を前記第2の負極活物質とした請求項1または2に記載の全固体リチウム二次電池。
  4. 前記負極活物質は、前記第1の負極活物質とリチウムからなる合金、および、前記第2の負極活物質とリチウムからなる合金の少なくとも一方を含む請求項3に記載の全固体リチウム二次電池。
  5. 前記負極は、導電性材料で構成された負極集電体を有するとともに、前記負極活物質の少なくとも1種は、前記負極集電体と一体化している請求項3または4に記載の全固体リチウム二次電池。
  6. 前記負極活物質を層状に成形してなる負極活物質層を有しており、
    前記負極活物質層は、前記負極集電体側から、前記第1の負極活物質で構成された層と、前記第2の負極活物質で構成された層とが、この順で積層されたものである請求項5に記載の全固体リチウム二次電池。
  7. 前記負極活物質層の平均厚さは、0.01〜1mmである請求項6に記載の全固体リチウム二次電池。
  8. 前記負極活物質層は、めっき法により前記負極集電体上に成膜されてなるものである請求項6または7に記載の全固体リチウム二次電池。
  9. 前記負極は、前記負極活物質と、前記電解質としての前記固体電解質粒子との混合物で構成された負極合材を含んでなる請求項1ないし8のいずれかに記載の全固体リチウム二次電池。
  10. 前記負極は、導電性材料で構成された負極集電体と、
    該負極集電体上に設けられ、前記第1の負極活物質で構成された負極活物質層と、
    該負極活物質層を備える前記負極集電体を覆うように設けられ、前記第2の負極活物質と、前記電解質としての前記固体電解質粒子との混合物で構成された負極合材とを含んでなる請求項1ないし4のいずれかに記載の全固体リチウム二次電池。
  11. 前記正負一対の電極間にリチウムイオン伝導体を有しており、
    前記リチウムイオン伝導体は、硫化物系リチウムイオン伝導体である請求項1ないし10のいずれかに記載の全固体リチウム二次電池。
  12. 前記硫化物系リチウムイオン伝導体は、結晶質および非晶質のうちの少なくとも一方を含む請求項11に記載の全固体リチウム二次電池。
JP2007264981A 2007-10-10 2007-10-10 全固体リチウム二次電池 Pending JP2009093968A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007264981A JP2009093968A (ja) 2007-10-10 2007-10-10 全固体リチウム二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007264981A JP2009093968A (ja) 2007-10-10 2007-10-10 全固体リチウム二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009093968A true JP2009093968A (ja) 2009-04-30

Family

ID=40665751

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007264981A Pending JP2009093968A (ja) 2007-10-10 2007-10-10 全固体リチウム二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009093968A (ja)

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011029082A (ja) * 2009-07-28 2011-02-10 Toyota Motor Corp 固体電池およびその製造方法
JP2011187253A (ja) * 2010-03-08 2011-09-22 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 全固体リチウム二次電池
JP2011249260A (ja) * 2010-05-31 2011-12-08 Sumitomo Electric Ind Ltd 非水電解質電池用集電体、及び非水電解質電池用電極、並びに非水電解質電池
WO2012060349A1 (ja) * 2010-11-02 2012-05-10 株式会社 村田製作所 全固体電池
JP2012146479A (ja) * 2011-01-12 2012-08-02 Idemitsu Kosan Co Ltd リチウムイオン電池
JP2013069416A (ja) * 2011-09-20 2013-04-18 Idemitsu Kosan Co Ltd 負極合材及びそれを用いた全固体リチウムイオン電池
JP2014049229A (ja) * 2012-08-30 2014-03-17 Toyota Motor Corp 全固体電池用負極体および全固体電池
CN105374994A (zh) * 2014-08-07 2016-03-02 丰田自动车株式会社 全固体电池系统
JP2016115617A (ja) * 2014-12-17 2016-06-23 富士通株式会社 全固体二次電池
JP2016173913A (ja) * 2015-03-17 2016-09-29 古河機械金属株式会社 負極材料、リチウムイオン電池用負極、およびリチウムイオン電池
JP2017071804A (ja) * 2015-10-05 2017-04-13 古河機械金属株式会社 金属膜、リチウムイオン電池用負極、リチウムイオン電池および金属膜の製造方法
JP2019057366A (ja) * 2017-09-19 2019-04-11 住友金属鉱山株式会社 電極成形用金型、電極の製造方法
JP2019192653A (ja) * 2019-08-07 2019-10-31 古河機械金属株式会社 負極材料、リチウムイオン電池用負極、およびリチウムイオン電池
WO2020022022A1 (ja) * 2018-07-26 2020-01-30 株式会社村田製作所 蓄電デバイス
KR20200122659A (ko) * 2019-04-18 2020-10-28 주식회사 엘지화학 전고체 전지용 전해질막 및 이를 포함하는 전고체 전지
JP2020180376A (ja) * 2020-06-29 2020-11-05 古河機械金属株式会社 金属膜、リチウムイオン電池用負極、リチウムイオン電池および金属膜の製造方法
CN114556649A (zh) * 2019-10-09 2022-05-27 本田技研工业株式会社 氟化物离子二次电池用负极复合材料复合体、使用该复合体的氟化物离子二次电池用负极及二次电池、以及该复合体的制造方法

Cited By (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011029082A (ja) * 2009-07-28 2011-02-10 Toyota Motor Corp 固体電池およびその製造方法
JP2011187253A (ja) * 2010-03-08 2011-09-22 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 全固体リチウム二次電池
CN102918689A (zh) * 2010-05-31 2013-02-06 住友电气工业株式会社 非水电解质电池用集电体、非水电解质电池用电极以及非水电解质电池
WO2011152241A1 (ja) * 2010-05-31 2011-12-08 住友電気工業株式会社 非水電解質電池用集電体、及び非水電解質電池用電極、並びに非水電解質電池
JP2011249260A (ja) * 2010-05-31 2011-12-08 Sumitomo Electric Ind Ltd 非水電解質電池用集電体、及び非水電解質電池用電極、並びに非水電解質電池
WO2012060349A1 (ja) * 2010-11-02 2012-05-10 株式会社 村田製作所 全固体電池
JP2012146479A (ja) * 2011-01-12 2012-08-02 Idemitsu Kosan Co Ltd リチウムイオン電池
JP2013069416A (ja) * 2011-09-20 2013-04-18 Idemitsu Kosan Co Ltd 負極合材及びそれを用いた全固体リチウムイオン電池
JP2014049229A (ja) * 2012-08-30 2014-03-17 Toyota Motor Corp 全固体電池用負極体および全固体電池
US9819207B2 (en) 2014-08-07 2017-11-14 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha All solid state battery system
CN105374994A (zh) * 2014-08-07 2016-03-02 丰田自动车株式会社 全固体电池系统
JP2016039031A (ja) * 2014-08-07 2016-03-22 トヨタ自動車株式会社 全固体電池システム
DE102015112479B4 (de) 2014-08-07 2023-07-27 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Gesamtfeststoffzustandsbatteriesystem
JP2016115617A (ja) * 2014-12-17 2016-06-23 富士通株式会社 全固体二次電池
JP2016173913A (ja) * 2015-03-17 2016-09-29 古河機械金属株式会社 負極材料、リチウムイオン電池用負極、およびリチウムイオン電池
JP2017071804A (ja) * 2015-10-05 2017-04-13 古河機械金属株式会社 金属膜、リチウムイオン電池用負極、リチウムイオン電池および金属膜の製造方法
JP2019057366A (ja) * 2017-09-19 2019-04-11 住友金属鉱山株式会社 電極成形用金型、電極の製造方法
WO2020022022A1 (ja) * 2018-07-26 2020-01-30 株式会社村田製作所 蓄電デバイス
KR20200122659A (ko) * 2019-04-18 2020-10-28 주식회사 엘지화학 전고체 전지용 전해질막 및 이를 포함하는 전고체 전지
CN113661594A (zh) * 2019-04-18 2021-11-16 株式会社Lg新能源 全固态电池用电解质膜和包含该电解质膜的全固态电池
JP2022514514A (ja) * 2019-04-18 2022-02-14 エルジー エナジー ソリューション リミテッド 全固体電池用電解質膜及びそれを含む全固体電池
JP7222096B2 (ja) 2019-04-18 2023-02-14 エルジー エナジー ソリューション リミテッド 全固体電池用電解質膜及びそれを含む全固体電池
KR102550614B1 (ko) * 2019-04-18 2023-06-30 주식회사 엘지에너지솔루션 전고체 전지용 전해질막 및 이를 포함하는 전고체 전지
JP2019192653A (ja) * 2019-08-07 2019-10-31 古河機械金属株式会社 負極材料、リチウムイオン電池用負極、およびリチウムイオン電池
CN114556649A (zh) * 2019-10-09 2022-05-27 本田技研工业株式会社 氟化物离子二次电池用负极复合材料复合体、使用该复合体的氟化物离子二次电池用负极及二次电池、以及该复合体的制造方法
JP2020180376A (ja) * 2020-06-29 2020-11-05 古河機械金属株式会社 金属膜、リチウムイオン電池用負極、リチウムイオン電池および金属膜の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009093968A (ja) 全固体リチウム二次電池
JP4741559B2 (ja) 二次電池および二次電池ユニット
US9257718B2 (en) Secondary battery
US8895194B2 (en) Solid electrolyte material of conducting lithium ion, battery device using the solid electrolyte material and all-solid lithium secondary battery provided with the battery device
JP5277859B2 (ja) 硫化物系リチウムイオン伝導性固体電解質ガラスおよび全固体リチウム二次電池
US9966604B2 (en) Electrochemical device
JP2009054484A (ja) 全固体リチウム二次電池およびその製造方法
JP4516588B2 (ja) 全固体リチウム二次電池および全固体リチウム二次電池の製造方法
US8870976B2 (en) Method for manufacturing a secondary battery
US9190659B2 (en) Secondary battery and a method for manufacturing the secondary battery
CN110235284B (zh) 全固态电池用电极的制造方法以及全固态电池的制造方法
JP7129144B2 (ja) 全固体電池およびその製造方法
CN110249467A (zh) 全固态电池及其制造方法
JP5832915B2 (ja) リチウムイオン電池の製造方法
JP2012221749A (ja) 非水電解質電池
JP2013127857A (ja) リチウムイオン電池およびその製造方法
JP5648978B2 (ja) 非水電解質電池、及び非水電解質電池の製造方法
US20110200869A1 (en) Lithium secondary battery and method for fabricating the same
JP5648747B2 (ja) 固体電池及びその製造方法