JP2016115617A - 全固体二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】負極と正極との間で短絡が発生して電池として動作しなくなるおそれが低い全固体二次電池を提供する。
【解決手段】全固体二次電池1は、負極11と、正極12と、負極11と正極12の間に配置された固体電解質層13とを有する。固体電解質層13は、中間電極14を含む。中間電極14は、負極11と短絡したときに負極として機能し、正極12と短絡したときに正極として機能する。
【選択図】図2

Description

本発明は、全固体二次電池に関する。
ノートパソコン、携帯電話、スマートフォン等の携帯機器の電源等として使用されるリチウムイオン二次電池が知られている。リチウムイオン二次電池では、有機溶液系の電解液が電解質として使用される。また、リチウムイオン二次電池の安全性をより向上させるために、有機溶液系の電解液の代わりに、無機系の固体電解質を使用した全固体二次電池が知られている。全固体二次電池では、電池構造を形成するセルの面積を大きくすることにより、大きな電池容量を得ることができる。
特開2008−171588号公報 国際公開第2011/148824号 特開2008−140635号公報
しかしながら、全固体二次電池では、セルの面積を大きくすると、1か所でもショート(以下、短絡とも称する)が発生すると、セル全体が電池として動作しなくなるため、歩留まりが低下し製造コストが上昇する共に、電池の寿命が短くなるおそれがある。
一実施形態では、負極と正極との間で短絡が発生して電池として動作しなくなるおそれが低い全固体二次電池を提供することを目的とする。
1つの態様では、全固体二次電池は、負極と、正極と、負極と正極との間に配置された固体電解質層とを有する。固体電解質層は、負極と短絡したときに負極として機能し、正極と短絡したときに正極として機能する中間電極を有する。
一実施形態では、負極と正極との間で短絡が発生して電池として動作しなくなるおそれが低い全固体二次電池を提供することが可能になった。
(a)は実施形態に係る全固体二次電池に関連する全固体二次電池の構造を示す図であり、(b)は(a)に示す全固体二次電池の負極を基準電位とした電位の変化を示す図であり、(c)は(a)に示す全固体二次電池の充放電特性を示す図である。 (a)は第1実施形態に係る全固体二次電池の構造を示す図であり、(b)は(a)に示す全固体二次電池の負極を基準電位とした電位の変化を示す図である。 (a)は図2(a)に示す全固体二次電池において固体電解質中間層が負極と短絡した状態を示す図であり、(b)は図2(a)に示す全固体二次電池において固体電解質中間層が正極と短絡した状態を示す図である。 図2(a)に示す全固体二次電池の短絡後の容量の変化の検討に使用されるパラメータを概略的に示す図である。 固体電解質中間層の電位状態に応じた固体電解質中間層の充放電特性と負極及び正極の充放電特性との位置関係の変化を示す図であり、(a)は固体電解質中間層が低電位状態のときを示し、(b)は固体電解質中間層が中間電位状態のときを示し、(c)は固体電解質中間層が高電位状態のときを示す。 短絡する電極に応じた固体電解質中間層の充放電特性の配置の変化を示す図であり、(a)は固体電解質中間層が負極と短絡する場合を示し、(b)は固体電解質中間層が正極と短絡する場合を示す。 負極及び正極と固体電解質中間層との容量の比に応じた固体電解質中間層の充放電特性を示す曲線の形状の変化を示す図であり、(a)は負極及び正極と固体電解質中間層との容量の比が1:1のときを示し、(b)は負極及び正極と固体電解質中間層との容量の比が1:0.1のときを示し、(c)は負極及び正極と固体電解質中間層との容量の比が1:10のときを示す。 短絡発生時の全固体二次電池の充放電状態に応じた固体電解質中間層の充放電特性と負極及び正極の充放電特性との位置関係の変化を示す図であり、(a)は短絡発生時の全固体二次電池が充電状態のときを示し、(b)は短絡発生時の全固体二次電池が中間状態のときを示し、(c)は短絡発生時が放電状態のときを示す。 短絡後の全固体二次電池の負極正極及び容量の変化を試算する処理を示すフローチャートである。 図9に示すフローチャートの第1の処理により作成される充放電特性を示す図の一例を示す図である。 図9に示すフローチャートの第2の処理により作成される充放電特性を示す図の一例を示す図である。 図9に示すフローチャートの第3の処理により作成される充放電特性を示す図の一例を示す図である。 図9に示すフローチャートの第4の処理により作成される充放電特性を示す図の一例を示す図である。 (a)は第2実施形態に係る全固体二次電池の構造を示す図であり、(b)は第2実施形態に係る全固体二次電池の第1変形例の構造を示す図であり、(c)は第2実施形態に係る全固体二次電池の第2変形例の構造を示す図である。 第3実施形態に係る全固体二次電池の構造を示す図である。 第1実施例に係る全固体二次電池の容量特性を示す図である。 (a)は正極と固体電解質中間層とを短絡した第1実施例に係る全固体二次電池セルの充放電特性を示す図であり、(b)は負極と固体電解質中間層とを短絡した第1実施例に係る全固体二次電池セルの充放電特性を示す図である。 (a)は正極と固体電解質中間層とを短絡した第2実施例に係る全固体二次電池セルの充放電特性を示す図であり、(b)は負極と固体電解質中間層とを短絡した第2実施例に係る全固体二次電池セルの充放電特性を示す図である。 (a)は正極と固体電解質中間層とを短絡した第3実施例に係る全固体二次電池セルの充放電特性を示す図であり、(b)は負極と固体電解質中間層とを短絡した第3実施例に係る全固体二次電池セルの充放電特性を示す図である。 第4実施例に係る全固体二次電池の固体電解質層のSEM−EDX分析の結果を示す図であり、(a)はEDX画像を示す図であり、(b)は(a)に示すEDX画像にSEM画像を重畳した画像であり、(c)は(a)に示す画像全体から得られるスペクトルである。 (a)は図20(a)に示すEDX画像と同一の領域において硫黄の分布のみを示すEDX画像を示す図であり、(b)は(a)における硫黄が低濃度の領域のスペクトルを示す図であり、(c)は(a)における硫黄が高濃度の領域のスペクトルを示す図である。
以下図面を参照して、全固体二次電池について説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明との均等物に及ぶ点に留意されたい。
(実施形態に係る全固体二次電池に関連する全固体二次電池について)
実施形態に係る全固体二次電池について説明する前に、実施形態に係る全固体二次電池に関連する全固体二次電池について説明する。
図1(a)は関連する全固体二次電池の構造を示す図であり、図1(b)は図1(a)に示す全固体二次電池の負極を基準電位とした電位の変化を示す図であり、図1(c)は図1(a)に示す全固体二次電池の充放電特性を示す図である。図1(b)において、横軸は正極の端部からの距離を示し、縦軸は負極を基準電位とした電位を示す。図1(c)において、横軸は容量を示し、縦軸は全固体二次電池の電圧を示す。
全固体二次電池100は、負極101と、正極102と、負極101と正極102との間に配置された固体電解質層103とを有する。負極101はリチウム(Li)を有する薄膜であり、正極102はコバルト酸リチウム(LiCoO2、LCO)を有する薄膜であり、固体電解質層103はリン酸リチウム(LiPO)のOの一部を窒素(N)で置換されたLIPONを有する薄膜である。負極101、正極102及び固体電解質層103の表面及び裏面の面積は全て等しく、互いに端面が一致するように積層される。全固体二次電池100は、アルミニウム、白金、銅、又はステンレス・スチールを有する不図示の正極集電体及び負極集電体を介して、充電及び放電される。なお、負極101として酸化リチウムチタン(LiTiO2)又はカーボンを使用してもよく、正極102としてマンガン酸リチウム(LiMnO2)又はリン酸鉄リチウム(LiFePO4)を使用してもよい。また、固体電解質層103としてLIPO又はLLTO(La0.55Li0.33TiO3)を使用してもよい。
全固体二次電池100では、固体電解質層103の電位は、正極102からの距離に比例して減少し、基準電位である負極101においてゼロになる。また、全固体二次電池100では、充電時には、全固体二次電池100の充電が完了する直前に電圧が4.2Vまで上昇し、放電時には、全固体二次電池100の放電が完了する直前に電圧が2.5Vまで下降する。
全固体二次電池100は、シリコン又はガラスで形成される基板上に、正極集電体、正極活性物質を有する正極102、固体電解質層103、負極活性物質を有する負極101及び負極集電体の順に真空成膜することにより形成される。
全固体二次電池100は、負極101と正極102との間に短絡が1か所でも発生した場合、電池として動作することができなくなる。
(実施形態に係る全固体二次電池の概要)
そこで、実施形態に係る全固体二次電池の固体電解質層は、負極と短絡したときに負極として機能し、正極と短絡したときに正極として機能する中間電極を含む。実施形態に係る全固体二次電池は、中間電極が負極又は正極の何れか一方と短絡したときに、中間電極が短絡した電極と一体の電極として機能することにより、負極又は正極と中間電極との間で短絡が発生した場合でも電池として動作することができる。
(第1実施形態に係る全固体二次電池の構造)
図2(a)は第1実施形態に係る全固体二次電池の構造を示す図であり、図2(b)は図2(a)に示す全固体二次電池の負極を基準電位とした電位の変化を示す図である。図2(b)において、横軸は正極の端部からの距離を示し、縦軸は電位を示す。
全固体二次電池1は、負極11と、正極12と、固体電解質層13とを有する。固体電解質層13は、第1固体電解質層(以下、第1SE層とも称される)131と、固体電解質中間層(以下、SE中間層又は中間層とも称される)14と、第2固体電解質層(以下、第2SE層とも称される)132とを含む。負極11、正極12、第1固体電解質層131、固体電解質中間層14及び第2固体電解質層132の表面及び裏面の面積は全て等しく、互いに端面が一致するように積層される。負極11はLi、LiTiO2又はカーボンを有する薄膜であり、正極12はLCO、LiMnO2又はLiFePO4を有する薄膜であり、第1固体電解質層131及び第2固体電解質層132のそれぞれはLIPON、LIPO又はLLTOを有する薄膜である。第1固体電解質層131は正極12と固体電解質中間層14との間に配置され、第2固体電解質層132は負極11と固体電解質中間層14との間に配置される。
中間電極である固体電解質中間層14は、二硫化チタン(TiS2)を有する薄膜である。固体電解質中間層14は、負極11及び正極12の何れの電極とも短絡していないとき、リチウムイオンLi+を導電する導電体として機能し、固体電解質中間層14において電圧降下は発生しない。すなわち、固体電解質中間層14が負極11及び正極12の何れとも短絡していないとき、負極11と正極12との間の電位差Vと、負極11と固体電解質中間層14との間の電位差V1と、正極12と固体電解質中間層14との間の電位差電圧V2とは、
V = V1 + V2 (1)
の関係を示す。また、TiS2は、
x Li + TiS2 → LixTiS2 (xは0〜1)
のようにリチウムと反応することにより、リチウムイオンLi+を導電する導電体として機能する。固体電解質中間層14は、一方の面が第2固体電解質層132を介して負極11と対向し、他方の面が第1固体電解質層131を介して正極12と対向するように配置された電極層である。
また、固体電解質中間層14は、負極11と短絡したときに負極として機能し、正極12と短絡したときに正極として機能する。すなわち、固体電解質中間層14は、負極11と短絡したときに負極として機能して、正極12を正極とし且つ第1固体電解質層131を固体電解質とする全固体二次電池を形成する。一方、固体電解質中間層14は、正極12と短絡したときに正極として機能して、負極11を負極とし且つ第2固体電解質層132を固体電解質とする全固体二次電池を形成する。
(第1実施形態に係る全固体二次電池1の短絡状態)
図3(a)は固体電解質中間層14が負極11と短絡したときの全固体二次電池1の状態を示す図であり、図3(b)は固体電解質中間層14が正極12と短絡したときの全固体二次電池1の状態を示す図である。
図3(a)に示すように、固体電解質中間層14が負極11と短絡したとき、負極11と固体電解質中間層14とは、短絡部16を介して接続される。短絡部16は、リチウムイオンLi+及び電子e-が移動可能な導電路となり、負極11と固体電解質中間層14とは同電位になり、一体の負極として機能する。
図3(b)に示すように、固体電解質中間層14が正極12と短絡したとき、正極12と固体電解質中間層14とは、短絡部17を介して接続される。短絡部17は、リチウムイオンLi+及び電子e-が移動可能な導電路となり、正極12と固体電解質中間層14とは同電位になり、一体の正極として機能する。
全固体二次電池1は、固体電解質中間層14が負極11又は正極12の何れか一方と短絡した場合でも、短絡した電極と固体電解質中間層14を一方の電極とし、短絡しなかった電極を他方の電極として全固体二次電池として動作可能である。
(短絡後の全固体二次電池1の容量の変化の検討)
図4は、短絡後の全固体二次電池1の容量の変化の検討に使用されるパラメータを概略的に示す図である。図4において、横軸は容量を示し、縦軸は電位差を示す。また、図4において、曲線401は負極11の充放電特性を示し、曲線402は正極12の充放電特性を示す。また、破線で示す曲線403は、固体電解質中間層14が正極12と短絡して、固体電解質中間層14が正極12と共に正極として機能するときの充放電特性を示す。また、一点鎖線で示す曲線404は、固体電解質中間層14が負極11と短絡して、固体電解質中間層14が負極11と共に負極として機能するときの充放電特性を示す。
短絡後の全固体二次電池1の容量の変化の検討に使用されるパラメータは、固体電解質中間層14の電位と、短絡する電極と、負極11及び正極12と固体電解質中間層14との容量の比と、短絡発生時の全固体二次電池1の充放電状態の4つである。固体電解質中間層14の電位は、低電位状態、中間電位状態、及び高電位状態の3つの状態の何れかの状態とした。固体電解質中間層14に位置するリチウムイオンが比較的多いときに、固体電解質中間層14の電位は、低電位状態になる。固体電解質中間層14に位置するリチウムイオンが比較的少ないときに、固体電解質中間層14の電位は、高電位状態になる。短絡する電極は、負極11又は正極12の何れか一方である。負極11及び正極12と固体電解質中間層14との容量の比は、1:1、1:0.1及び1:10の3つの比の何れかとした。負極11及び正極12と固体電解質中間層14との容量の比は、固体電解質中間層14、負極11及び正極12のそれぞれの膜厚を変えることにより調整される。短絡時の全固体二次電池1の充放電状態は、中間状態、充電状態及び放電状態の3つの状態の何れかの状態とした。短絡後の全固体二次電池1の容量の変化は、固体電解質中間層14の3つの電位状態と、短絡される2つの電極と、負極11及び正極12と固体電解質中間層14との3つの容量の比と、短絡発生時の3つの充放電状態の合計54通りの短絡条件について検討した。より具体的には、54通りの短絡条件について、短絡後の全固体二次電池1の負極正極及び容量の変化を試算して検討した。
図5は、固体電解質中間層14の電位状態に応じた固体電解質中間層14の充放電特性と負極11及び正極12の充放電特性との位置関係の変化を示す図である。図5(a)は固体電解質中間層14が低電位状態のときを示し、図5(b)は固体電解質中間層14が中間電位状態のときを示し、図5(c)は固体電解質中間層14が高電位状態のときを示す。図5(a)〜5(c)において、負極11及び正極12と固体電解質中間層14との容量の比は1:1であり、正極12と短絡する場合であり、短絡時の全固体二次電池1の充放電状態は充電状態である。
固体電解質中間層14が低電位状態のとき、固体電解質中間層14の充放電特性を示す曲線513は、低電位状態の容量が負極11及び正極12の容量を示す曲線511及び512の充電状態の容量に一致するように配置される。固体電解質中間層14が中間電位状態のとき、固体電解質中間層14の充放電特性を示す曲線523は、中間電位状態の容量が負極11及び正極12の容量を示す曲線511及び512の充電状態の容量に一致するように配置される。固体電解質中間層14が高電位状態のとき、固体電解質中間層14の充放電特性を示す曲線533は、高電位状態の容量が負極11及び正極12の容量を示す曲線511及び512の充電状態の容量に一致するように配置される。
図6は、短絡する電極に応じた固体電解質中間層14の充放電特性の配置の変化を示す図である。図6(a)は固体電解質中間層14が負極11と短絡する場合を示し、図6(b)は固体電解質中間層14が正極12と短絡する場合を示す。図6(a)及び6(b)において、固体電解質中間層14の電位状態は中間電位状態であり、負極11及び正極12と固体電解質中間層14との容量の比は1:1であり、短絡時の全固体二次電池1の充放電状態は中間状態である。
固体電解質中間層14が負極11と短絡する場合、固体電解質中間層14の充放電特性を示す曲線613は、負極11の充放電特性を示す曲線611に対して正極として機能するように配置される。固体電解質中間層14が正極12と短絡する場合、固体電解質中間層14の充放電特性を示す曲線623は、正極12の充放電特性を示す曲線622に対して負極として機能するように配置される。
図7は、負極11及び正極12と固体電解質中間層14との容量の比に応じた固体電解質中間層14の充放電特性を示す曲線の形状の変化を示す図である。図7(a)は負極11及び正極12と固体電解質中間層14との容量の比が1:1のときを示し、図7(b)は負極11及び正極12と固体電解質中間層14との容量の比が1:0.1のときを示す。図7(c)は、負極11及び正極12と固体電解質中間層14との容量の比が1:10のときを示す。図7(a)〜7(c)において、固体電解質中間層14の電位状態は中間電位状態であり、正極12と短絡する場合であり、短絡時の全固体二次電池1の充放電状態は中間状態である。
負極11及び正極12と固体電解質中間層14との容量の比が1:1のとき、固体電解質中間層14の充放電特性を示す曲線713の幅は、負極11及び正極12の充放電特性をそれぞれ示す曲線711及び712の幅と等しくなる。負極11及び正極12と固体電解質中間層14との容量の比が1:0.1のとき、固体電解質中間層14の充放電特性を示す曲線723の幅は、負極11及び正極12の充放電特性をそれぞれ示す曲線721及び722の幅の0.1倍になる。負極11及び正極12と固体電解質中間層14との容量の比が1:10のとき、固体電解質中間層14の充放電特性を示す曲線733の幅は、負極11及び正極12の充放電特性をそれぞれ示す曲線731及び732の幅の10倍になる。
図8は、短絡発生時の全固体二次電池1の充放電状態に応じた固体電解質中間層14の充放電特性と負極11及び正極12の充放電特性との位置関係の変化を示す図である。図8(a)は短絡発生時の全固体二次電池1が充電状態のときを示し、図8(b)は短絡発生時の全固体二次電池1が中間状態のときを示し、図8(c)は短絡発生時の全固体二次電池1が放電状態のときを示す。図8(a)〜8(c)において、固体電解質中間層14の電位状態は中間電位状態であり、正極12と短絡する場合であり、負極11及び正極12と固体電解質中間層14との容量の比は1:1である。
短絡発生時の全固体二次電池1が充電状態のとき、固体電解質中間層14の充放電特性を示す曲線813は、中間電位状態の容量が負極11及び正極12の容量を示す曲線811及び812の充電状態の容量に一致するように配置される。短絡発生時の全固体二次電池1が中間状態のとき、固体電解質中間層14の充放電特性を示す曲線823は、中間電位状態の容量が負極11及び正極12の容量を示す曲線811及び812の中間状態の容量に一致するように配置される。短絡発生時の全固体二次電池1が放電状態のとき、固体電解質中間層14の充放電特性を示す曲線833は、中間電位状態の容量が負極11及び正極12の容量を示す曲線811及び812の放電状態の容量に一致するように配置される。
図9は、短絡後の全固体二次電池1の負極正極及び容量の変化を試算する処理を示すフローチャートである。図10〜13のそれぞれは、図9に示すフローチャートのそれぞれの処理により作成される充放電特性を示す図の一例を示す図である。図10〜13のそれぞれは、固体電解質中間層14が高電位状態であり、正極12と短絡し、負極11及び正極12と固体電解質中間層14との容量の比が1:1であり且つ短絡発生時に全固体二次電池1が中間状態である場合を示す。以下、図10〜13のそれぞれの処理における短絡条件は、例示条件と称される。
まず、短絡条件に応じて、固体電解質中間層14の充放電特性を示す曲線が配置される(S101)。短絡条件は、固体電解質中間層14の電位状態、短絡する電極、負極11及び正極12と固体電解質中間層14との容量の比及び短絡発生時の全固体二次電池1の充放電状態を含む。
図10に示すように、短絡条件が例示条件である場合には、S101の処理において、固体電解質中間層14の充放電特性を示す曲線1003は、高電位状態の容量が正極12の容量を示す曲線1001の充電状態の容量に一致するように配置される。また、例示条件では、固体電解質中間層14は正極12と短絡するので、曲線1003は負極とし機能するように配置される。
次いで、固体電解質中間層14と短絡する電極の充放電特性を示す曲線と、固体電解質中間層14の充放電特性を示す曲線との交点を決定して、決定された交点の容量と現在の容量との差から、短絡するときに消費される容量Aを決定する(S102)。容量Aは、固体電解質中間層14と電極とが短絡すると、短絡部を介してリチウムイオンLi+が移動して、固体電解質中間層14と、短絡した電極の電位が同電位になるときに、全固体二次電池1の内部で消費される容量である。
図11に示すように、S102の処理において、固体電解質中間層14の充放電特性を示す曲線1103の一端を延伸して、正極12の容量を示す曲線1102に交差する交点の容量と現在の容量である中間状態の容量との差を容量Aと決定する。
次いで、固体電解質中間層14と短絡された電極の容量を示す曲線、及び固体電解質中間層14の充放電特性を示す曲線を、短絡するときに消費された容量Aに相当する量シフトして、S102で決定した交点を現在の容量にシフトする(S103)。固体電解質中間層14が電極と短絡した場合でも、全固体二次電池1の容量は変化しないため、短絡時の容量を現在の容量に戻すためである。短絡した電極の充放電特性を示す曲線のシフト量Bは、短絡した電極のシフト量から容量Aを減算した値になる。また、交点が現在の容量にシフトされた曲線を、現在の容量を示す縦線を軸として反転させた曲線を配置する。固体電解質中間層14は、正極12と短絡した後、正極12と一体の正極として機能するためである。
図12に示すように、S103の処理において、図11に示された曲線1102及び1103の交点を容量Aに相当する量シフトして、曲線1101及び113の交点が中間状態に容量に位置するように配置する。また、シフトされた曲線1103を中間状態の容量を示す縦軸を軸として反転された曲線を曲線1203として配置する。
次いで、固体電解質中間層14が正極として機能するときの充放電特性を示す曲線と、短絡された電極の充放電特性を示す曲線とを接続して、短絡した電極の充放電特性を示す曲線を決定する(S104)。短絡した電極の容量を示す曲線を決定するとき、固体電解質中間層14は短絡した電極と一体の電極として機能するため、固体電解質中間層14の充放電特性を示す曲線は、S103まで使用していた曲線を現在の容量を示す縦線を軸として反転させた曲線とする。固体電解質中間層14が短絡した負極11と短絡したとき、固体電解質中間層14の充放電特性を示す曲線は、負極11と一体の電極として機能するように反転させた曲線とする。また、固体電解質中間層14が短絡した正極12と短絡したとき、固体電解質中間層14の充放電特性を示す曲線は、正極12の一体の電極として機能するように反転させた曲線とする。
また、短絡した電極と固体電解質中間層14とは一体の電極として機能するため、固体電解質中間層14の充放電特性を示す曲線は、S103においてシフトされた電極の充放電特性を示す曲線と接線が一致するようにシフトされる。S104において固体電解質中間層14の充放電特性を示す曲線がシフトするシフト量Cは、S103まで使用していた曲線を反転させた曲線と、シフト後の固体電解質中間層14の充放電特性を示す曲線の間のシフト量と規定する。また、短絡した電極の充放電特性を示す曲線の容量の幅は、短絡した電極の短絡後の容量Dとして規定される。また、短絡後の電極及び短絡しなかった電極のそれぞれの充放電特性を示す曲線の容量の幅が小さい電極を容量を律速する電極Fとして規定する。そして、容量を律速する電極Fの充放電特性を示す曲線の容量の幅を有効な容量Eとして規定する。
図13に示すように、S103の処理では、図12に示された曲線1203は、一端の接線方向が図12に示された曲線1101の一端の接線方向と一致するように、シフトされて、短絡後の正極の充放電特性を示す曲線1302が形成される。シフト量Cは、短絡後の正極の充放電特性を示す曲線1302を形成するときの曲線1203のシフト量として示される。短絡した電極の短絡後の容量Dは、曲線1301の容量の幅で示される。容量を律速する電極Fは、負極11の充放電特性を示す曲線1301の容量の幅で示される。そして、容量を律速する電極Fは、より容量が小さい負極11になる。なお、図13に示される「電圧低下」は短絡後の有効な容量の中で支配的な電圧に対応する電圧低下をいう。図13では、負極11の充放電特性を示す曲線1301の容量の範囲の中では、短絡前の正極12の充放電特性を示す曲線1002に対応する部分が支配的であるので、図13に示す例では、「電圧低下」は無しになる。
表1〜表3は、図4に示される54通りの短絡条件のそれぞれについて、図9〜13を参照して説明した試算処理によって、短絡後の全固体二次電池1の容量の変化を試算した結果を示す表である。表1に示される条件番号1〜18は、短絡時の固体電解質中間層14の電位が高電位である場合を示す。表2に示される条件番号19〜36は、短絡時の固体電解質中間層14の電位が低電位である場合を示す。表3に示される条件番号37〜54は、短絡時の固体電解質中間層14の電位が中間電位である場合を示す。表1〜表3において、項目「短絡電極」は固体電解質中間層14が短絡する電極を示し、項目「容量比」は負極11及び正極12の容量と固体電解質中間層14との比を示す。容量比が「1」のとき、負極11及び正極12の容量と固体電解質中間層14との比は1:1であり、容量比が「0.1」のとき、負極11及び正極12の容量と固体電解質中間層14との比は1:0.1である。また、容量比が「10」のとき、負極11及び正極12の容量と固体電解質中間層14との比は1:10である。項目「正負充放電」は、短絡時の負極11及び正極12の充放電状態を示し、「高電位」は充電状態、「低電位」は放電状態、「中間」は中間状態をそれぞれ示す。項目「電圧低下」は、固体電解質中間層14が短絡したことによる全固体二次電池1の電圧の低下量を示し、「無し」は電圧低下がないことを示す。また、「V1」は低下電圧が短絡前の負極11と固体電解質中間層14との間の電位に相当する電圧であることを示し、「V2」は低下電圧が短絡前の正極12と固体電解質中間層14との間の電位に相当する電圧であることを示す。また、「無し/V2」は容量の変化に応じて電圧の低下量が0又はV2の何れかであることを示し、「無し/V1」は容量の変化に応じて電圧の低下量が0又はV1の何れかであることを示す。項目「A」〜「F」のそれぞれは、図13を参照して説明した値を示す。ここで、「A消費容量」と「B電極シフト」のそれぞれの絶対値が相違する場合は、図9のS104の処理で、短絡した電極の充放電特性を示す曲線をシフトさせる場合である。
(短絡後の全固体二次電池1の容量の変化の検討結果)
項目「容量比」と「電圧低下」との間に相関関係があることが見出された。具体的には、項目「容量比」が「1」である条件の結果に対応する結果1、項目「容量比」が「0.1」である条件の結果に対応する結果2、項目「容量比」が「10」である条件の結果に対応する結果3の3つの結果に大別された。結果1は、負極11及び正極12の容量と固体電解質中間層14とが1:1である条件番号1〜6、19〜24及び37〜42の結果を包含する。結果2は、負極11及び正極12の容量と固体電解質中間層14との比が1:0.1である条件番号7〜12、25〜30及び43〜48の結果を包含する。結果3は、負極11及び正極12の容量と固体電解質中間層14との比が1:10である条件番号13〜18、31〜36及び49〜54の結果を包含する。
結果1では、固体電解質中間層14が短絡したことによる全固体二次電池1の電圧の低下量は、短絡条件に応じて相違する。例えば、条件番号1、19、37のそれぞれは、短絡時の固体電解質中間層14の電位のみが相違する短絡条件を有するが、項目「電圧低下」に示される電圧低下は相違する。条件番号1では項目「電圧低下」は電圧低下がないことを示し、条件番号19では項目「電圧低下」は短絡前の正極12と固体電解質中間層14との間の電位に相当する電圧V2であることを示す。また、条件番号37では、項目「電圧低下」は容量の変化に応じて電圧の低下量が0又はV2の何れかであることを示す。結果1では、短絡条件に応じて短絡したことによる全固体二次電池1の電圧の低下量が相違するものの、固体電解質中間層14が負極11又は正極12の何れかと短絡した後も、全固体二次電池1が動作することが示される。
結果2では、固体電解質中間層14が短絡したことにより全固体二次電池1の電圧は、短絡条件にかかわらず低下することがない。結果2は、項目「容量比」が「0.1」である条件の結果に対応するので、固体電解質中間層14の容量が比較的小さいために固体電解質中間層14のプラトー電位に相当する電圧変化が現れ難い。すなわち、結果2から、固体電解質中間層14の容量を負極11及び正極12の容量よりも小さくすることにより、固体電解質中間層14が短絡したときに全固体二次電池1の電圧が低下しないように形成可能であることが示される。
結果3では、固体電解質中間層14が短絡したことにより全固体二次電池1の電圧は、固体電解質中間層14と短絡する電極に応じて低下する。固体電解質中間層14が負極11と短絡したとき、短絡により低下する全固体二次電池1の電圧は、短絡前の負極11と固体電解質中間層14との間の電位に相当する電圧V1である。一方、固体電解質中間層14が正極12と短絡したとき、短絡により低下する全固体二次電池1の電圧は、短絡前の正極12と固体電解質中間層14との間の電位に相当する電圧V2である。結果2は、項目「容量比」が「10」である条件の結果に対応するので、固体電解質中間層14の容量が比較的大きいために固体電解質中間層14のプラトー電位に相当する電圧変化が現れ易い。すなわち、結果3から、固体電解質中間層14の容量を負極11及び正極12の容量よりも大きくすることにより、固体電解質中間層14が短絡したときに全固体二次電池1の電圧が低下するように形成可能であることが示される。固体電解質中間層14が短絡したときに全固体二次電池1の電圧が低下するように形成することにより、短絡により生じた電圧変化を検出して、短絡の発生を検知することが可能になる。
(第1実施形態に係る全固体二次電池の作用効果)
第1実施形態に係る全固体二次電池は、中間電極として機能する固体電解質中間層が配置されることにより、固体電解質中間層と負極又は正極の何れか一方の電極との間が短絡した場合でも電池としての機能を維持し、電源供給を継続することができる。
また、第1実施形態に係る全固体二次電池は、中間電極として機能する固体電解質中間層が配置されることにより、負極及び正極の間が短絡して電池としての機能を喪失する可能性を低くすることができる。実施形態に係る全固体二次電池が電池としての機能を喪失する確率Ptは、
TOTAL = P1(t1) × P2(t2) (2)
と示される。ここで、P1(t1)は正極12と固体電解質中間層14とが所定の時間内に短絡する確率であり、P2(t2)は負極11と固体電解質中間層14とが所定の時間内に短絡する確率である。また、t1は第1固体電解質層131の膜厚を示し、t2は第2固体電解質層132の膜厚を示す。すなわち、P1(t1)及びP2(t2)のそれぞれは、0と1との間の値を示し、P1(t1)は第1固体電解質層131の膜厚が厚くなるほど小さくなり、P2(t2)は第2固体電解質層132の膜厚が厚くなるほど小さくなる。実施形態に係る全固体二次電池が電池としての機能を喪失する確率PTOTALは、P1(t1)及びP2(t2)を乗算したものであり、固体電解質中間層を有さない全固体二次電池と比較して電極間の短絡により電池としての機能を喪失する確率を低くすることができる。
例えば、全固体二次電池1の第1固体電解質層131及び第2固体電解質層132の膜厚が全固体二次電池100の固体電解質層103の膜厚と等しい場合、全固体二次電池1の電極間が短絡する確率は、全固体二次電池100の電極間が短絡する確率よりも小さい。
また、第1実施形態に係る全固体二次電池は、固体電解質中間層の容量を負極及び正極の容量よりも小さくすることにより、固体電解質中間層が負極又は正極の何れかと短絡したときに全固体二次電池の電圧が低下しないように形成可能である。
また、第1実施形態に係る全固体二次電池は、固体電解質中間層の容量を負極及び正極の容量よりも大きくすることにより、固体電解質中間層が負極又は正極の何れかと短絡したときに全固体二次電池の電圧が低下して短絡が検知可能なように形成可能である。
(第2実施形態に係る全固体二次電池)
図14(a)は第2実施形態に係る全固体二次電池の構造を示す図であり、図14(b)は第2実施形態に係る全固体二次電池の第1変形例の構造を示す図であり、図14(c)は第2実施形態に係る全固体二次電池の第2変形例の構造を示す図である。
全固体二次電池2は、負極11と、正極12と、固体電解質層13とを有する。固体電解質層13は、第1固体電解質層131と、第2固体電解質層132と、第3固体電解質層133と、第1中間層141と、第2中間層142とを含む。以下、第1固体電解質層131は第1SE層131とも称され、第2固体電解質層132は第2SE層132とも称され、第3固体電解質層133は第3SE層133とも称される。負極11、正極12、第1固体電解質層131、第2固体電解質層132、第3固体電解質層133、第1中間層141及び第2中間層142の表面及び裏面の面積は全て等しく、互いに端面が一致するように積層される。負極11及び正極12は、図2を参照して説明したので、ここでは詳細な説明は省略する。
第1固体電解質層131、第2固体電解質層132及び第3固体電解質層133は、LIPONを有する薄膜である。第1固体電解質層131は正極12と第1中間層141との間に配置され、第2固体電解質層132は第1中間層141と第2中間層142との間に配置され、第3固体電解質層133は負極11と第2中間層142との間に配置される。
第1中間層141及び第2中間層142は、固体電解質中間層14と同様に、TiS2を有する薄膜である。第1中間層141及び第2中間層142のそれぞれは、一方の面が固体電解質層を介して負極11と対向し、他方の面が固体電解質層を介して正極12と対向するように配置された電極層である。第1中間層141及び第2中間層142は、第1中間層141の膜厚と第2中間層142の膜厚との合計の膜厚が負極11及び正極12のそれぞれの膜厚よりも十分に薄くなるように形成される。一例では、第1中間層141及び第2中間層142の合計の膜厚は、負極11及び正極12のそれぞれの膜厚の1/10の厚さである。第1中間層141及び第2中間層142のそれぞれは、負極11及び正極12の何れの電極とも短絡していないとき、リチウムイオンLi+を導電する導電体として機能し、固体電解質中間層14において電圧降下は発生しない。また、第1中間層141及び第2中間層142のそれぞれは、負極11と短絡したときに負極11と一体の負極とし、正極12と短絡したときに正極12と一体の正極として機能する。
全固体二次電池2は、短絡したときに、短絡した電極と一体となって機能する2つの中間層を有するので、正極及び負極の双方が2つの中間層を介して短絡するまで、電池としての機能を維持できる。全固体二次電池2は、正極及び負極が2つの中間層を介して短絡するまで電池としての機能を維持できるので、単一の中間層を有する第1実施形態に係る全固体二次電池1よりも、電極間の短絡により電池としての機能を喪失する確率を低くすることができる。
また、全固体二次電池2は、第1中間層141及び第2中間層142の合計の膜厚が負極11及び正極12のそれぞれの膜厚よりも薄いので、第1中間層141及び第2中間層142の合計の容量は、負極11及び正極12のそれぞれの容量よりも小さくなる。第1中間層141及び第2中間層142の合計の容量が負極11及び正極12のそれぞれの容量よりも小さいので、固体電解質中間層が負極又は正極の何れかと短絡したときに全固体二次電池2の電圧が低下しないように形成可能である。
(第2実施形態の第1変形例に係る全固体二次電池)
第2実施形態の第1変形例である全固体二次電池3は、負極11と、正極12と、固体電解質層13とを有する。固体電解質層13は、第1固体電解質層131〜第(N+1)固体電解質層13(N+1)と、第1中間層141〜第N中間層14Nとを含む。以下、第1固体電解質層131〜第(N+1)固体電解質層13(N+1)のそれぞれは第1SE層131〜第(N+1)SE層13(N+1)とも称される。ここで、Nは3以上の整数である。負極11及び正極12は、図2を参照して説明したので、ここでは詳細な説明は省略する。負極11、正極12、第1固体電解質層131〜第(N+1)及び第1固体電解質層131〜第(N+1)固体電解質層13(N+1)の表面及び裏面の面積は全て等しく、互いに端面が一致するように積層される。第1中間層141〜第N中間層14Nのそれぞれは、一方の面が固体電解質層を介して負極11と対向し、他方の面が固体電解質層を介して正極12と対向するように配置された電極層である。
第1固体電解質層131〜第(N+1)固体電解質層13(N+1)は、LIPONを有する薄膜である。また、第1中間層141〜第N中間層14Nは、固体電解質中間層14と同様に、TiS2を有する薄膜である。第1中間層141〜第N中間層14Nは、第1中間層141〜第N中間層14Nの合計の膜厚が負極11及び正極12のそれぞれの膜厚よりも十分に薄くなるように形成される。一例では、第1中間層141〜第N中間層14Nの合計の膜厚は、負極11及び正極12のそれぞれの膜厚の1/10の厚さである。第1固体電解質層131の裏面は正極12の表面と接し、第(N+1)固体電解質層13(N+1)の表面は負極11の裏面と接する。第1固体電解質層131〜第(N+1)固体電解質層13(N+1)及び第1中間層141〜第N中間層14Nは、互いの面を接するように交互に配置される。
全固体二次電池3は、短絡したときに、短絡した電極と一体となって機能するN層の中間層を有するので、正極及び負極の双方がN個の中間層を介して短絡するまで、電池としての機能を維持できる。全固体二次電池3は、正極及び負極がN個の中間層を介して短絡するまで電池としての機能を維持できるので、単一の中間層を有する第1実施形態に係る全固体二次電池1よりも、電極間の短絡により電池としての機能を喪失する確率を低くすることができる。
また、全固体二次電池3は、第1中間層141〜第N中間層14Nの合計の膜厚が負極11及び正極12のそれぞれの膜厚よりも薄いので、第1中間層141〜第N中間層14Nの合計の容量は、負極11及び正極12のそれぞれの容量よりも小さくなる。第1中間層141〜第N中間層14Nの合計の容量が負極11及び正極12のそれぞれの容量よりも小さいので、固体電解質中間層が負極又は正極の何れかと短絡したときに全固体二次電池3の電圧が低下しないように形成可能である。
(第2実施形態の第2変形例に係る全固体二次電池)
第2実施形態の第2変形例である全固体二次電池4は、負極11と、正極12と、固体電解質層18と、第1中間層191〜第N中間層19Nとを有する。ここで、Nは2以上の整数である。負極11及び正極12は、図2を参照して説明したので、ここでは詳細な説明は省略する。第1中間層191〜第N中間層19Nのそれぞれは、一方の面が固体電解質層を介して負極11と対向し、他方の面が固体電解質層を介して正極12と対向するように配置された電極層である。
固体電解質層18は、第1固体電解質層131〜第(N+1)固体電解質層13(N+1)と同様に、LIPONを有する薄膜である。また、第1中間層191〜第N中間層19Nは、固体電解質中間層14と同様に、TiS2を有する薄膜である。第1中間層191〜第N中間層19Nは、第1中間層191〜第N中間層19Nの合計の膜厚が負極11及び正極12のそれぞれの膜厚よりも十分に薄くなるように形成される。一例では、第1中間層191〜第N中間層19Nの合計の膜厚は、負極11及び正極12のそれぞれの膜厚の1/10の厚さである。固体電解質層18の裏面は正極12の表面と接し、固体電解質層18の表面は負極11の裏面と接する。第1中間層191〜第N中間層19Nは、固体電解質層18の対向する端面から交互に延伸し、且つ負極11から正極12を見たときに互いの先端が重複するように配置される。
全固体二次電池4では、第1中間層191〜第N中間層19Nは、隣接する層間の一部のみが負極11から正極12を見たときに重複するように形成してもよい。全固体二次電池4は、全固体二次電池3と同様に、短絡したときに、短絡した電極と一体となって機能するN層の中間層を有するので、正極及び負極の双方がN個の中間層を介して短絡するまで、電池としての機能を維持できる。全固体二次電池4は、正極及び負極がN個の中間層を介して短絡するまで電池としての機能を維持できるので、単一の中間層を有する第1実施形態に係る全固体二次電池1よりも、電極間の短絡により電池としての機能を喪失する確率を低くすることができる。
(第3実施形態に係る全固体二次電池)
図15は、第3実施形態に係る全固体二次電池の構造を示す図である。
全固体二次電池5は、負極11と、正極22と、固体電解質層23とを有する。負極11、正極22及び固体電解質層23の表面及び裏面の面積は全て等しく、互いに端面が一致するように積層される。一例では、負極11には、円形ポンチで打ち抜いた、コイン状のリチウム金属を用いてもよい。なお、負極11は、後述する正極22と同様に、80重量パーセントの負極活性物質と20重量パーセントの固体電解質を混合して形成してもよい。
正極22は、それぞれが粉体、すなわち粒子状の物質である正極活性物質24と、固体電解質25とを有する。正極活性物質24の一例はLCOであり、固体電解質25の一例はLLTOである。正極22は、正極活性物質24及び固体電解質25の粉体を混合して形成される。一例では、正極22は、80重量パーセントの正極活性物質24と20重量パーセントの固体電解質25とを有する。
固体電解質層23は、それぞれが粒子状の物質である固体電解質25と、活性質材料26とを有する。固体電解質25の一例はLLTOあり、活性質材料26の一例は硫黄である。固体電解質層23は、固体電解質25及び活性質材料26の粉体を混合して形成される。一例では、固体電解質層23は、97.5重量パーセントの固体電解質25と2.5重量パーセントの活性質材料26とを有する。
全固体二次電池5の固体電解質層23は、全固体二次電池4の第1中間層191〜第N中間層19Nのような短絡した電極と一体の電極として機能する中間層に相当する活性質材料26をランダム且つ無数に含むものである。全固体二次電池5は、短絡した電極と一体の電極として機能する活性質材料26をランダム且つ無数に固体電解質層23に含むことにより無数の中間層を有する状態になり、電極間の短絡により電池としての機能を喪失する確率を低くすることができる。
(第1実施例)
表4に第1実施例に係る全固体二次電池の材料及び各層の膜厚を示す。
第1実施例では、表4に示す構成を有する6つの全固体二次電池セルを、同一のウエハ上に、正極活物質から固体電解質上層までをスパッタリング法で、負極活物質を真空蒸着法で形成した。第1実施例では、負極11に対応する負極活性物質には容量が3.8Ah/gであるLiが材料として使用され、正極12に対応する正極活性物質には容量が137mAh/gであるLCOが材料として使用された。また、第1固体電解質層131及び第2固体電解質層132にはLIPONが材料として使用され、固体電解質中間層14には容量が220mAh/gであるTiS2が材料として使用された。LCOの容量(137mAh/g)及び密度(5.16g/cm3)と、TiS2の容量(220mAh/g)及び密度(3.37g/cm3)とから、正極12と固体電解質中間層14との容量の比が1:1になるように、膜厚が決定された。すなわち、固体電解質中間層14の膜厚は、正極12の膜厚である2.5μmよりも4.9%大きい2.6μmとした。
図16は、第1実施例に係る全固体二次電池の容量特性を示す図である。図16において、横軸は容量を示し、縦軸はリチウムの電位を基準(0V)としたそれぞれの層の電位を示す。図16において、曲線1601は負極11の電位を示し、曲線1602は正極12の電位を示し、曲線1603は固体電解質中間層14の電位を示す。
負極11を形成するリチウムの容量は、3.8Ah/gであり、正極12を形成するLCOの容量(137mAh/g)及び固体電解質中間層14を形成するTiS2の容量(137mAh/g)の10倍以上となっている。このため、曲線1601の容量の変化による電位の変化量は、曲線1602及び1603のTiS2の容量(137mAh/g)電位の変化量と比較して非常に小さくなっている。第1実施例に係る全固体二次電池では、正極12と固体電解質中間層14との容量の比が1:1になるように膜厚が決定されているので、曲線1602と曲線1603とは略同一の形状を有する。
まず、第1実施例に係る全固体二次電池を短絡させない状態で、1C充電及び1C充電を行い放電容量を測定した。すなわち、第1実施例に係る全固体二次電池を定格放電して1時間で放電終了となる電流値で充放電した。具体的には、120μAの定電流で終止電圧4.2V、終止電流12μAまでの定電流定電圧(Constant Current- Constant. Voltage、CCCV)充電した後に、120μAの定電流で、終止電圧3.0Vまでの定電流(Constant Current、CC)放電した。この結果、6セル中5セルの放電容量は110±5μAhと良好な結果が得られた。他の1セルの放電容量は67μAhと低く、この全固体二次電池セルは不良セルであったと判断した。
次いで、良好な放電特性が得られた5つの全固体二次電池セルのうち、1つを正極12と固体電解質中間層14とを短絡し、他の1つを負極11と固体電解質中間層14とを短絡して、それぞれ短絡後の充放電特性を測定した。短絡前と同様に、充電は120μAの定電流で終止電圧4.2V、終止電流12μAまでのCCCV充電とし、放電は120μAの定電流で、終止電圧3.0VまでのCC放電とした。
図17(a)は、正極12と固体電解質中間層14とを短絡した第1実施例に係る全固体二次電池セルの充放電特性を示す図である。図17(b)は、負極11と固体電解質中間層14とを短絡した第1実施例に係る全固体二次電池セルの充放電特性を示す図である。図17(a)及び17(b)において、横軸は110μAhを基準の1とする容量比を示し、縦軸は全固体二次電池セルの電圧を示す。
正極12と固体電解質中間層14とを短絡した全固体二次電池セルでは、3.0Vの電圧で0.86の容量比が得られ、2.0Vの電圧で1.5の容量比が得られた。正極12と固体電解質中間層14とを短絡した全固体二次電池セルでは、表1〜3の条件番号1〜3、19〜22及び37〜39に示すように短絡後の正電極の容量比は2にはならなかったものの、1.5の容量比が得られた。
負極11と固体電解質中間層14とを短絡した全固体二次電池セルでは、3.0Vの電圧で0.99の容量比が得られた。負極11と固体電解質中間層14とを短絡した全固体二次電池セルでは、表1〜3の条件番号10〜12、28〜30及び46〜48に示すように略1の容量比が得られた。
(第2実施例)
表5に第2実施例に係る全固体二次電池の材料及び各層の膜厚を示す。第2実施例では、正極12と固体電解質中間層14との容量の比が1:0.1になるように、膜厚が決定された。すなわち、固体電解質中間層14の膜厚は、第1実施例の膜厚の1/10の膜厚である0.26μmとした。
第2実施例では、正極活物質から固体電解質上層までをスパッタリング法で、負極活物質を真空蒸着法で形成した表5に示す構成を有する全固体二次電池セルの1つを正極12と固体電解質中間層14とを短絡し、他の1つを負極11と固体電解質中間層14とを短絡して、それぞれ短絡後の充放電特性を測定した。第1実施例と同様に、充電は120μAの定電流で終止電圧4.2V、終止電流12μAまでのCCCV充電とし、放電は120μAの定電流で、終止電圧3.0VまでのCC放電とした。
図18(a)は、正極12と固体電解質中間層14とを短絡した第2実施例に係る全固体二次電池セルの充放電特性を示す図である。図18(b)は、負極11と固体電解質中間層14とを短絡した第2実施例に係る全固体二次電池セルの充放電特性を示す図である。図18(a)及び18(b)において、横軸は110μAhを基準の1とする容量比を示し、縦軸は全固体二次電池セルの電圧を示す。
正極12と固体電解質中間層14とを短絡した全固体二次電池セルでは、3.0Vの電圧で0.96の容量比が得られ、2.0Vの電圧で0.99の容量比が得られた。正極12と固体電解質中間層14とを短絡した全固体二次電池セルでは、表1〜3の条件番号7〜9、25〜27及び43〜45に示すように略1の容量比が得られた。正極12と固体電解質中間層14とを短絡した全固体二次電池セルでは、固体電解質中間層14に起因する2つめのプラトー電圧は略無視できるので、短絡前と略同一の充放電特性が実現できる。
負極11と固体電解質中間層14とを短絡した全固体二次電池セルでは、3.0Vの電圧で0.98の容量比が得られ、2.0Vの電圧で0.99の容量比が得られた。負極11と固体電解質中間層14とを短絡した全固体二次電池セルでは、表1〜3の条件番号10〜12、28〜30及び46〜48に示すように略1の容量比が得られた。
(第3実施例)
表6に第3実施例に係る全固体二次電池の材料及び各層の膜厚を示す。第2実施例では、正極12と固体電解質中間層14との容量の比が1:10になるように、膜厚が決定された。すなわち、正極12の膜厚は、第1実施例の膜厚の1/10の膜厚である0.25μmとした。
第3実施例では、正極活物質から固体電解質上層までをスパッタリング法で、負極活物質を真空蒸着法で形成した表6に示す構成を有する全固体二次電池セルの1つを正極12と固体電解質中間層14とを短絡し、他の1つを負極11と固体電解質中間層14とを短絡して、それぞれ短絡後の充放電特性を測定した。充電は12μAの定電流で終止電圧4.2V、終止電流1.2μAまでのCCCV充電とし、放電は12μAの定電流で、終止電圧3.0VまでのCC放電とした。
図19(a)は、正極12と固体電解質中間層14とを短絡した第3実施例に係る全固体二次電池セルの充放電特性を示す図である。図19(b)は、負極11と固体電解質中間層14とを短絡した第3実施例に係る全固体二次電池セルの充放電特性を示す図である。図19(a)及び19(b)において、横軸は11μAhを基準の1とする容量比を示し、縦軸は全固体二次電池セルの電圧を示す。
正極12と固体電解質中間層14とを短絡した全固体二次電池セルでは、3.0Vの電圧で0.6の容量比が得られ、2.0Vの電圧で3.3の容量比が得られた。正極12と固体電解質中間層14とを短絡した全固体二次電池セルでは、固体電解質中間層14に起因する2つめのプラトー電圧が支配的となるので、放電時の電圧が著しく低下する。なお、図19(a)では、2.0Vまでしか示していないため、固体電解質中間層14に起因する2つめのプラトー電圧の一部が示されるのみである。
負極11と固体電解質中間層14とを短絡した全固体二次電池セルでは、3.0Vの電圧で0.97の容量比が得られ、2.0Vの電圧で0.99の容量比が得られた。負極11と固体電解質中間層14とを短絡した全固体二次電池セルでは、表1〜3の条件番号10〜12、28〜30及び46〜48に示すように略1の容量比が得られた。
(第4実施例)
第4実施例に係る全固体二次電池は、第3実施形態に係る全固体二次電池5に対応するものである。負極11はLiを含み、正極12はLCOを含む。固体電解質層23は、LLTOの粉体を固体電解質25として含み、硫黄の粉体を活性質材料26として含む。粉体を固体電解質25は、特開2013−257992に記載されるメカニカルミリング法により、母材であるLLTOに2.5重量パーセントの硫黄を混合した。
図20は第4実施例に係る全固体二次電池の固体電解質層23のSEM−EDX(Scanning Electron Microscope−Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)分析の結果を示す図である。図20(a)はEDX画像を示す図であり、図20(b)は図20(a)に示すEDX画像にSEM画像を重畳した画像であり、図20(c)は図20(a)に示す画像全体から得られるスペクトルである。
図20(a)に示すように、活性質材料26として固体電解質層23に含まれる硫黄は、画像全体に亘ってランダムに配置され、高濃度に配置される部分も存在する。また、図20(b)に示すように、硫黄Sの強度分布は試料の凹凸とは相関が低い。なお、図20(c)から求められた硫黄の含有量は、形成時に含有された2.5重量パーセントよりもわずかに小さい2.3重量パーセントであった。
図21(a)は、図20(a)に示すEDX画像と同一の領域において硫黄の分布のみを示すEDX画像を示す図である。図21(b)は図21(a)における硫黄が低濃度の領域のスペクトルを示す図であり、図21(c)は図21(a)における硫黄が高濃度の領域のスペクトルを示す図である。
表7は、図21(a)に示される6つのエリアであるエリア1〜エリア6の元素定量結果を示す。
表7に示されるように、硫黄が高濃度の領域では、硫黄は8atm%〜13atm%の範囲となり、硫黄が高濃度の領域では、硫黄は1.3atm%〜2.0atm%の範囲となる。
第1及び第2実施形態に係る全固体二次電池では、固体電解質中間層の材料として、初期状態が高電位(Liプア)なTiS2が使用され、第3実施形態に係る全固体二次電池では、固体電解質中間層の材料として、初期状態が高電位(Liプア)な硫黄が使用されたが、固体電解質中間層の材料はこれらの材料に限定されない。例えば、初期状態が高電位(Liプア)である固体電解質中間層の材料として、アルミニウム、インジウム、シリコン、二硫化タンタル(TaS2)等の金属又は化合物を採用してもよい。なお、アルミニウムなどの金属を固体電解質中間層の材料として採用する場合には、充放電に使用されるリチウムイオンが不可逆的な合金化反応に使用されることを防止するために、金属をリチウムと合金化したものを採用することが好ましい。また、初期状態が低電位(Liリッチ)である固体電解質中間層の材料として、LiAl、LiS、LiTiS2、LiTaO2等のLi化合物を採用してもよい。
また、本明細書では、容量が小さいときの中間電極の容量は、負極及び正極の何れか小さい方の容量の0.1倍とし、容量が大きいときの中間電極の容量は、負極及び正極の何れか小さい方の容量の10倍としている。しかしながら、容量が小さいときの中間電極の容量は、負極及び正極の何れか小さい方の容量の31.623%以下であればよく、容量が大きいときの中間電極の容量は、負極及び正極の何れか小さい方の容量の316.23%以上であればよい。なお、31.623及び316.23%は10の平方根に基づくものである。
1〜5 全固体二次電池
11 負極
12、22 正極
13、18、23 固体電解質層
14 固体電解質中間層(中間電極)
131〜13(N+1) 第1〜第(N+1)固体電解質層
141〜14N、191〜19N 第1〜第N中間層(中間電極)
24 正極活性物質
25 固体電解質
26 活性質材料(中間電極)

Claims (7)

  1. 負極と、
    正極と、
    前記負極と前記正極との間に配置された固体電解質層と、を有し、
    前記固体電解質層は、前記負極と短絡したときに負極として機能し、前記正極と短絡したときに正極として機能する中間電極を含む、
    ことを特徴とする全固体二次電池。
  2. 前記中間電極は、一方の面が前記固体電解質層に含まれる固体電解質を介して前記負極と対向し、他方の面が前記固体電解質層に含まれる固体電解質を介して前記正極と対向するように配置された電極層である、請求項1に記載の全固体二次電池。
  3. 複数の前記電極層を有する、請求項2に記載の全固体二次電池。
  4. 前記中間電極の容量は、前記負極及び前記正極の何れか小さい方の容量の31.623%よりも大きく且つ316.23%よりも小さい、請求項2又は3に記載の全固体二次電池。
  5. 前記中間電極の容量は、前記負極及び前記正極の何れか小さい方の容量の31.623%以下である、請求項2又は3に記載の全固体二次電池。
  6. 前記中間電極の容量は、前記負極及び前記正極の何れか小さい方の容量の316.23%以上である、請求項2又は3に記載の全固体二次電池。
  7. 前記中間電極は、前記固体電解質層の内部に分散して配置された複数の粒子状の物質である、請求項1に記載の全固体二次電池。
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