JP5648978B2 - 非水電解質電池、及び非水電解質電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、正極活物質層、負極活物質層、及びこれら活物質層の間に介在される固体電解質層を具える非水電解質電池、及びその製造方法に関するものである。特に、本発明は、繰り返しの充放電にも両活物質層間が短絡し難く、放電容量が低下し難い非水電解質電池に関するものである。
充放電を繰り返すことを前提とした電源として、正極体と負極体とこれら電極体の間に配される電解質層とを具える非水電解質電池が利用されている。この電池に具わる電極体はさらに、集電機能を有する集電体と、活物質を含む活物質層とを具える。このような非水電解質電池のなかでも特に、正・負極体間のLiイオンの移動により充放電を行う非水電解質電池は、小型でありながら高い放電容量を具える。
上記非水電解質電池を作製する技術としては、例えば、特許文献1に記載のものが挙げられる。この特許文献1では、非水電解質電池の作製にあたり、正極集電体上に粉末成形体の正極活物質層を具える正極体と、負極集電体上に粉末成形体の負極活物質層を具える負極体とを別個に作製している。これら電極体はそれぞれ固体電解質層を備えており、これら正極体と負極体とを重ね合わせることで非水電解質電池を作製している。
特開2008−103289号公報
しかし、特許文献1の非水電解質電池では、電池の充放電時、各活物質層における外周縁部近傍に電流が集中し易く、この電流集中によって負極活物質層の外周縁部側でのデンドライトの析出量が中央部分に比べて多くなる。そのため、充電時に析出したデンドライトを放電によって十分に溶解しないうちに再び充電を行う、といったことを繰り返すと、デンドライトが負極活物質層の外周縁部から固体電解質層の側面を伝って正極活物質層に到達し、短絡が発生してしまう場合がある。
また、この電流集中により、活物質層における活物質の体積変化に面内分布が生じるという問題がある。即ち、電池の充放電時における活物質層の外周縁部近傍の体積変化が中央部分に比べて大きいため、電池の充放電に伴って各活物質層の外周縁部近傍において各活物質層と固体電解質層との良好な接合が維持できなくなる恐れがある。そうなると、電池の充放電に伴って電池の放電容量が大幅に低下してしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、電池の充放電に伴う電池の短絡を効果的に抑制すると共に、電池の放電容量の低下を抑制できる非水電解質電池を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記非水電解質電池の製造方法を提供することにある。
(1)本発明非水電解質電池は、正極活物質層、負極活物質層、及びこれら活物質層の間に配される固体電解質層を具える。固体電解質層は、負極活物質層に対向する負極側対向面と正極活物質層に対向する正極側対向面との間に、負極側対向面の面積に比べて横断面における断面積の小さい断面減少領域を有する。
本発明非水電解質電池によれば、固体電解質層に断面減少領域があることで負極活物質層の外周縁部近傍の電流集中を抑制できる。固体電解質層の外周縁部近傍を流れる電流が、断面減少領域を通過する際、固体電解質層の中央側に集中する。そして、断面減少領域を過ぎると集中した電流の一部が固体電解質層における外周縁部側に拡散する。つまり、断面減少領域で固体電解質層の外周縁部近傍を流れる電流が一度中央側に集中することで、断面減少領域がない場合に比べて、負極活物質層の外周縁部近傍に電流が集中し難くできるからである。その結果、負極活物層の外周縁部におけるデンドライトの成長を抑制できるので、電池の短絡を効果的に防止できる。加えて、電流集中を緩和することにより、正極活物質層および負極活物質層における活物質の体積変化の面内分布を抑制でき、電池の充放電を繰り返しても両活物質層と固体電解質層との接合を良好に維持することができる。従って、電池の充放電に伴う電池の放電容量の低下を抑制でき、サイクル特性に優れた電池とすることができる。
(2)本発明電池の一形態として、上記負極側対向面の縁から上記断面減少領域の縁までの距離が、3.5mm以上5.0mm以下であることが挙げられる。
上記の構成によれば、上記距離を3.5mm以上とすることで負極活物質層の外周縁部近傍の電流集中を十分に抑制できる。一方、上記距離を5.0mm以下とすることで、断面減少領域の横断面における断面積が小さくなり過ぎない。そのため、十分な放電容量を有する電池とすることができる。
(3)本発明電池の一形態として、上記正極側対向面の面積が、上記断面減少領域の横断面における断面積と同じ大きさであることが挙げられる。
上記の構成によれば、固体電解質層の厚さ方向の途中から正極側対向面にまで亘って断面減少領域とすることができる。その場合、例えば、後述するように正極体と負極体とを個々に用意して互いを接合して非水電解質電池を製造する際、断面減少領域となる固体電解質層の一部のみを正極体に形成することができる。つまり、各電極体に具える固体電解質層の一部の横断面における断面積を一様なものとすることができる。そのため、各電極体の固体電解質層の一部の形成作業が煩雑になり難い。
(4)本発明電池の一形態として、上記正極側対向面の面積が、上記負極側対向面の面積と同じ大きさであることが挙げられる。
上記の構成によれば、正極側対向面の面積と負極側対向面の面積とを同じ大きさとすることで、正極側対向面の面積が負極側対向面の面積より小さい場合の固体電解質層に比べて、固体電解質層の割合が少なくなり過ぎない。そのため、十分な放電容量を有する電池とすることができる。
(5)本発明電池の製造方法は、正極活物質層、負極活物質層、及びこれら活物質層の間に配される固体電解質層を具える非水電解質電池を製造する方法で、準備工程と、接合工程とを具える。準備工程は、正極体と負極体とを用意する。正極体は、粉末成形体からなる正極活物質層、及びその正極活物質層上に形成されるアモルファスの正極側固体電解質層を有する。負極体は、負極活物質層、及びその負極活物質層上に形成されるアモルファスの負極側固体電解質層を有する。接合工程は、正極体と負極体とを、両電極体の固体電解質層同士が接触するように重ね合わせた状態で加圧しながら熱処理し、正極側固体電解質層と負極側固体電解質層とを結晶化させることで接合させる。そして、上記準備工程における正極側固体電解質層、及び負極側固体電解質層の少なくとも一方は、当該負極側固体電解質層の負極活物質層に対向する負極側対向面に比べて横断面における断面積の小さい断面減少領域を具える。
本発明非水電解質電池の製造方法によれば、短絡し難く、放電容量が低下し難い上記本発明の非水電解質電池を製造できる。加えて、アモルファスが結晶化するときの原子の相互拡散を利用して正極側固体電解質層と負極側固体電解質層を接合しているので、両層の間に高抵抗の接合界面が形成されない。
(6)本発明製造方法の一形態として、上記接合工程で両電極体の固体電解質層同士を重ね合わせる際、負極側対向面の縁から断面減少領域の縁までの間に形成される隙間に、Liイオン伝導性が1.0×10−8S/cm未満の材料からなって当該隙間を埋めるスペーサを介在させることが挙げられる。
上記の構成によれば、加圧により上記隙間で両活物質層同士が近接することを防止できる。その結果、両活物質層同士が短絡することを防止できる。加えて、Liイオン伝導性が上記の範囲である材料でスペーサを構成することで、スペーサを介して固体電解質層の外周縁部にイオンが伝導し難くすることができる。従って、負極活物質層の外周縁部近傍の電流集中が生じ難くできる。
本発明の非水電解質電池は、充放電の繰り返しにも、短絡し難く、充電容量が低下し難い電池とすることができる。
本発明の非水電解質電池の製造方法は、短絡し難く、充電容量が低下し難い電池を製造できる。
実施形態1に係る非水電解質電池の概略を示す図であって、(A)は縦断面図であり、(B)は平面図である。 実施形態1に係る非水電解質電池における各電極体の接合前の状態を示す縦断面図である。 実施形態2に係る非水電解質電池の概略を示す図であって、(A)は縦断面図であり、(B)は平面図である。 実施形態2に係る非水電解質電池における各電極体の接合前の状態を示す縦断面図である。
以下、図に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
《実施形態1》
〔非水電解質電池の全体構成〕
図1(A)に示す非水電解質電池100は、負極集電体21、負極活物質層22、固体電解質層(SE層)40、正極活物質層12、及び正極集電体11を具える。この非水電解質電池100の最も特徴とするところは、電池100に具わるSE層40の一部の横断面における断面積が、SE層40の負極活物質層22に対向する負極側対向面の面積よりも小さい断面減少領域を有する点にある。以下、各部の詳細について順次説明すると共に、製造方法の一例も示す。
[負極集電体]
負極集電体21となる基板は、導電材料のみから構成されていても良いし、絶縁基板上に導電材料の膜を形成したもので構成されていても良い。後者の場合、導電材料の膜が集電体として機能する。導電材料としては、例えば、Cu、Ni、Fe、Cr、及びこれらの合金(例えば、ステンレスなど)から選択される1種が好適に利用できる。
[負極活物質層]
負極活物質層22は、電池反応の主体となる負極活物質粒子を含む層である。負極活物質としては、C、Si、Ge、Sn、Al、Li合金、又はLiTi12などのLiを含む酸化物を利用することができる。
負極活物質層22は、この層22のLiイオン伝導性を改善する電解質粒子を含有していても良い。上記電解質粒子としては、例えば、LiS−Pなどの硫化物を好適に利用することができる。その他、負極活物質層22は、導電助剤や結着剤を含んでいても良い。
[SE層]
SE層40は、高Liイオン伝導性で、かつ低電子伝導性の固体電解質を含む層である。固体電解質としては、例えば、LiPONなどの酸化物や、LiS−P(必要に応じてPなどの酸化物を含有していても良い)を挙げることができる。特に、高Liイオン伝導性で、かつ低電子伝導性の硫化物からなる固体電解質を用いることが好ましい。SE層40を構成する固体電解質は、非晶質(アモルファス)でも良いし、結晶質でも良いが、SE層40に求められる高Liイオン伝導性、低電子伝導性の要件を満たすには、結晶質の固体電解質であることが好ましい。
SE層40は、負極活物質層22に対向する上記負極側対向面と正極活物質層12に対向する上記正極側対向面との間で、上記負極側対向面の面積に比べて横断面における断面積の小さい断面減少領域40dがある。ここでいう横断面とは、非水電解質電池100の各層の積層方向(厚さ方向)と直交する方向にSE層40を切断した断面を言う。つまり、SE層40において、負極側対向面の面積をS、断面減少領域40dの横断面における断面積をS、正極活物質層12に対向する正極側対向面の面積をSとするとき、これらS〜Sの大小関係は、S>S≧S、S≧S>S、S>S>Sのいずれかを満たしていればよい。本例では、正極側対向面の面積Sが、負極側対向面の面積Sと同じ大きさ、即ち、各面積S〜Sの大小関係は、S=S>Sである。
各面積の大小関係がS=S>Sである場合、SE層40は、負極活物質層22側に上記負極側対向面を含み、横断面における断面積が上記負極側対向面の面積Sと同じ大きさである負極側領域40nと、正極活物質層12側に上記正極側対向面を含み、横断面における断面積が上記正極側対向面の面積Sと同じ大きさである正極側領域40pと、負極側領域40nと正極側領域40pとの間に、横断面における断面積が負極側対向面の面積Sよりも小さい断面減少領域40dとを具える。
(負極側領域)
負極側領域40nは、負極側対向面から断面減少領域40dとの境界までの間の領域、即ち、負極側対向面から横断面における断面積がS>Sとなる境界までの領域である。負極側領域40nの厚さは、1μm以上10μm以下であることが好ましい。厚さを1μm以上とすることで、後述する断面減少領域40dで集中した電流が十分に拡散され、負極活物層22の外周縁部近傍の電流集中を抑制できる。ここで言う外周縁部近傍は、外周縁部も含む。一方、厚さを10μm以下とすることで、負極側領域40nが厚くなりすぎることなく、負極活物質層22の外周縁部近傍の電流集中を抑制できる。
(断面減少領域)
断面減少領域40dは、上述したように上記負極側対向面の面積Sに比べて横断面における断面積の小さい領域である。ここでは、負極側領域40nとの境界から正極側領域40pとの境界までの間の領域、即ち、横断面における断面積がS>Sとなる境界からS<Sとなる境界までの領域である。断面減少領域40dにより、SE層40の外周縁部近傍を流れる電流をSE層40の中央側に集中させて、その後、SE層40の外周縁部近傍側へ拡散させることで、負極活物質層22の外周縁部近傍の電流集中を抑制できる。つまり、負極対向面の縁から断面減少領域40dの縁までの距離αは、断面減少領域40dでSE層40の外周縁部近傍を流れる電流を集中して、その後拡散した際、負極活物質層22の外周縁部近傍に電流が集中しない程度であればよい。この距離αは、図1(A)に示すように、非水電解質電池100の各層の積層方向と直交方向における負極対向面の縁から断面減少領域40dの縁までの距離を言う。具体的な距離αは、3.5mm以上5.0mm以下であることが好ましい。距離αを3.5mm以上とすることで、負極活物質層22の外周縁部近傍に電流を集中させ難くすることができる。一方、距離αを5.0mm以下とすることで、断面減少領域40dの横断面における断面積が小さくなり過ぎない。この距離αは、図1(B)に示すように、SE層40の全周に亘って略均一であることが好ましい。局所的に距離αが短いところがあると、その部分に電流が集中する可能性があるため、全周に亘って均一とすることで、電流の集中を抑制できる。また、断面減少領域40dを平面視したときの負極側対向面の面積に対する面積割合は、12.5%以上30%以下であることが好ましい。この面積割合を12.5%以上とすることで、面積割合が小さくなり過ぎず、十分な放電容量を有する電池とすることができる。一方、面積割合を30%以下とすることで、負極活物質層22の外周縁部近傍に電流を集中させ難くすることができる。
断面減少領域40dの厚さは、SE層40の厚さの34%以下であることが好ましい。そうすることで、SE層40における断面減少領域40dの割合が多くなり過ぎず、SE層40が少なくなり過ぎないため、十分な放電容量を有する電池とすることができる。
(正極側領域)
正極側領域40pは、断面減少領域40dとの境界から正極側対向面までの間の領域、即ち、横断面における断面積がS<Sとなる境界から正極側対向面までの領域である。SE層40を平面視した場合、正極側領域40pの面積と負極側領域40nの面積とが同じ大きさである。
[正極活物質層]
正極活物質層12は、電池反応の主体となる正極活物質粒子を含む層である。正極活物質としては、層状岩塩型の結晶構造を有する物質、例えば、Liαβ(1−X)(αはCo,Ni,Mnから選択される1種、βはFe,Al,Ti,Cr,Zn,Mo,Bi,Co,Ni,Mnから選択される1種、α≠β、Xは0.5以上)で表わされる物質を挙げることができる。その具体例としては、LiCoOやLiNiO,LiMnO,LiNi0.5Mn0.5,LiCo0.5Fe0.5,LiCo0.5Al0.5,LiNi1/3Mn1/3Co1/3、LiNi0.8Co0.15Al0.05等を挙げることができる。その他、正極活物質として、スピネル型の結晶構造を有する物質(例えば、LiMnなど)や、オリビン型の結晶構造を有する物質(例えば、LiFePO(0<X<1))を用いることもできる。
上記正極活物質層12は、この層12のLiイオン伝導性を改善する電解質粒子を含有していても良い。上記電解質粒子としては、例えば、LiS−Pなどの硫化物を好適に利用することができる。硫化物は、さらにPなどの酸化物を含有していても良い。その他、正極活物質層12は、導電助剤や結着剤を含んでいても良い。
[正極集電体]
正極集電体11となる基板は、正極体1の集電を行うものであり、導電材料のみから構成されていても良いし、絶縁基板上に導電材料の膜を形成したもので構成されていても良い。後者の場合、導電材料の膜が集電体として機能する。導電材料としては、AlやNi、これらの合金、ステンレスから選択される1種が好適に利用できる。
[その他の構成]
SE層40が硫化物の固体電解質を含むと、この硫化物の固体電解質がSE層40に隣接する正極活物質層12に含まれる酸化物の正極活物質と反応して、正極活物質層12とSE層40との界面近傍が高抵抗化し、非水電解質電池100の放電容量を低下させる虞がある。そこで、上記界面近傍の高抵抗化を抑制するために、正極活物質層12とSE層40との間に中間層(図示略)を設けても良い。
上記中間層に用いる材料としては、非晶質のLiイオン伝導性酸化物、例えばLiNbOやLiTaOなどを利用できる。特にLiNbOは、正極活物質層12とSE層40との界面近傍の高抵抗化を効果的に抑制できる。
〔作用効果〕
以上説明した非水電解質電池によれば、SE層が断面減少領域を具えることで、負極活物質層の外周縁部近傍での電流の集中を抑制できる。そのため、負極活物質層の外周縁部近傍におけるデンドライトの成長を抑制でき、電池の充放電に伴う電池の短絡を効果的に抑制することができる。加えて、負極活物質層の外周縁部近傍での電流の集中を抑制することで、電池の充放電に伴う負極活物質層における活物質の体積変化の面内分布を抑制できる。そのため、負極活物質層と固体電解質層との接続状態を良好に保つことができるので、電池の放電容量の低下を抑制でき、サイクル特性に優れる。
〔非水電解質電池の製造方法〕
この非水電解質電池100は、例えば、図2の説明図を参照して説明する以下の工程(A)、(B)により作製することができる。
(A)正極体1と負極体2を用意する準備工程。
(B)正極体1と負極体2とを重ね合わせ、加圧しながら熱処理を施して、正極体1と負極体2とを接合する接合工程。
[工程A:準備工程]
工程Aでは、正極活物質層12、及びその正極活物質層12上に形成されるアモルファスの正極側固体電解質層(PSE層)13を有する正極体1と、負極活物質層22、及びその負極活物質層22上に形成されるアモルファスの負極側固体電解質層(NSE層)23を有する負極体2とを用意する。その際、工程AにおけるPSE層13とNSE層23の少なくとも一方が、負極側対向面の面積に比べて横断面における断面積の小さい断面減少領域を具える。本例では、NSE層23に上記断面減少領域を具える場合を例に説明する。
(負極体)
負極体2は、負極集電体21の上に、負極活物質層22と負極側固体電解質層(NSE層)23を積層した構成を有する。この負極体2を作製するには、負極集電体21となる基板を用意し、その基板の上に残りの層22,23を順次形成すれば良い。なお、負極集電体21は、工程Bの後に、負極活物質層22におけるNSE層23とは反対側の面に形成しても良い。
負極活物質層22は、粉末成形体でもよいし、薄膜でもよい。負極活物質層22が粉末成形体の場合は、例えば、加圧成形法により形成することができる。その場合、負極活物質粒子からなる活物質粉末と、電解質粒子からなる電解質粉末とを含む混合粉末を用意する。そして、金型内に配置した負極集電体21上に混合粉末を配置して、加圧成形する。この加圧成形の条件は、適宜選択することができる。例えば、室温〜300℃の雰囲気下、面圧100〜400MPaで加圧成形すると良い。また、加圧成形される負極活物質粒子の平均粒径は、1〜20μmが好ましい。さらに電解質粒子を利用するのであれば、その電解質粒子の平均粒径は、0.5〜2μmが好ましい。一方、負極活物質層22が薄膜の場合は、気相法により作製できる。その場合、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法などを利用できる。
NSE層23は、アモルファスのLiイオン伝導体とすることが好ましい。このNSE層23は、後述する工程Bを経て結晶化し、図1(A)に示す完成した電池100のSE層40の一部となる。NSE層23に求められる特性は、結晶化したときに高Liイオン伝導性で、かつ低電子伝導性であることである。例えば、アモルファス状態にあるNSE層23が結晶化したときのLiイオン伝導性(20℃)は、10−5S/cm以上、特に、10−4S/cm以上であることが好ましい。また、結晶化したときのNSE層23の電子伝導性は、10−8S/cm以下であることが好ましい。
NSE層23の形成には、上述の気相法と同様の気相法を利用することができる。ここで、アモルファス状態のNSE層23を形成するには、膜形成時の基材(つまり、負極活物質層22)の温度が膜の結晶化温度以下になるように基材を冷却すれば良い。例えば、LiS−PでNSE層23を形成する場合、膜形成時の基材温度を150℃以下とすることが好ましい。
本例では、NSE層23が、負極側対向面の面積に比べて横断面における断面積が小さい断面減少領域40dを具える。この断面減少領域40dを具えるNSE層23は、例えば、上述した気相法を2回行うことで形成することができる。具体的には、まず、負極活物質層22の負極集電体21とは反対側の表面の略全域に1層目を成膜する。続いて、1層目の表面に、2層目の形状が1層目と同心円状で、2層目の形成面積が1層目よりも小さくなるようにマスクを施す。特に、1層目の縁と2層目の縁との距離が、上述の距離αの範囲を満たすようにマスクの位置を調節することが好ましい。また、マスクの厚さを適宜選択することで、2層目の厚さ、即ち、断面減少領域40dの厚さを調節できる。1層目の表面にマスクを施した後、1層目と同じ気相法により2層目を成膜する。2層目の成膜が完了した後、マスクを外す。こうして、負極側対向面の面積よりも横断面における断面積の小さい断面減少領域40dを具えるNSE層23を形成できる。
NSE層23を形成する際、このように気相法を2回行うが、1層目と2層目とを同じ材質とし、同じ気相法で成膜することで1層目と2層目との界面がほとんど残らない。即ち、NSE層23の外周縁部側の厚さと、その内側の中央領域の厚さとが異なる1層のNSE層23を形成できる。工程B完了後に、NSE層23における1層目が、図1(A)に示す負極側領域40nとなり、2層目の断面減少領域40dがそのまま図1(A)に示す断面減少領域40dとなる。
(正極体)
正極体1は、正極集電体11の上に、正極活物質層12と正極側固体電解質層(PSE層)13を積層した構成を有する。この正極体1を作製するには、正極集電体11となる基板を用意し、その基板の上に残りの層12,13を順次形成すれば良い。正極集電体11は、正極体1と負極体2とを接合する工程Bの後に、正極活物質層12におけるPSE層13とは反対側の面に形成しても良い。
正極活物質層12は、粉末成形体が挙げられ、例えば、加圧成形法により形成することができる。その場合、正極活物質粒子からなる活物質粉末と、電解質粒子からなる電解質粉末とを含む混合粉末を用意する。そして、金型内に配置した正極集電体11上に混合粉末を配置して、加圧成形する。この加圧成形の条件は、適宜選択することができる。例えば、室温〜300℃の雰囲気下、面圧100〜400MPaで加圧成形すると良い。また、加圧成形される正極活物質粒子の平均粒径は、1〜20μmが好ましい。さらに電解質粒子を利用するのであれば、その電解質粒子の平均粒径は、0.5〜2μmが好ましい。
PSE層13は、上述したNSE層23と同様に、アモルファスのLiイオン伝導体とすることが好ましい。このPSE層13も、後述する工程Bを経て結晶化し、図1(A)に示す完成した電池100のSE層40の一部となる。PSE層13に求められる特性は、NSE層23の特性と同様である。
PSE層13の形成には、NSE層23と同様の気相法を利用することができる。ここでは、上述の気相法により、正極活物質層12の正極集電体11と反対側の表面の略全域に、横断面における断面積が一様なPSE層13を被覆する。このPSE層13が、工程B完了後、図1(A)に示す正極側領域40pとなる。
[工程B:正極体と負極体との接合]
次に、PSE層13とNSE層23とが互いに対向するように正極体1と負極体2とを積層して積層体を作製する。その際、PSE層13とNSE層23とを圧接させつつ熱処理を施して、アモルファス状態にあるPSE層13とNSE層23を結晶化させ、これらPSE層13とNSE層23とを一体化させる。
工程Bにおける熱処理条件は、PSE層13とNSE層23を結晶化させることができるように選択する。熱処理温度が低すぎると、PSE層13とNSE層23が十分に結晶化せず、PSE層13とNSE層23との間に未接合の界面が多く残り、PSE層13とNSE層23とが一体化されない。逆に熱処理温度が高すぎると、PSE層13とNSE層23とが一体化しても、低Liイオン伝導性の結晶相が形成される虞がある。熱処理時間についても熱処理温度と同様に、短すぎると一体化が不十分になり、長すぎると低Liイオン伝導性の結晶相の生成を招く虞がある。具体的な熱処理条件は、PSE層13とNSE層23の組成などの影響を受けて変化するが、概ね150〜300℃×1〜60分で行うことが好ましい。より好ましい熱処理条件は、180〜250℃×30〜60分である。
また、工程Bでは熱処理時にPSE層13とNSE層23とを近づける方向に加圧する。これは、熱処理の際、PSE層13とNSE層23とを密着させておくことで、PSE層13とNSE層23との一体化を促進するためである。加圧の圧力は、非常に小さくともPSE層13とNSE層23との一体化を促進する効果はあるものの、高くする方が当該一体化を促進し易い。但し、加圧の圧力を高くすると、正極体1と負極体2に具わる各層に割れなどの不具合が生じる虞がある。特に、粉末成形体である正極活物質層12に割れが生じ易い。そこで、圧力は160MPa以下とすることが好ましい。なお、PSE層13とNSE層23との一体化はあくまで熱処理により生じるものであるので、加圧の圧力は10〜20MPaで十分である。
加圧に使用するパンチの加圧面の面積が、断面減少領域40dの横断面における断面積と同じ面積であるパンチを使用することが好ましい。そのパンチで正極集電体11と負極集電体21の断面減少領域の形成範囲に対応する箇所を加圧する。そうすれば、PSE層13とNSE層23とが接触する領域を重点的に加圧することができ、一方で、負極側対向面の縁から断面減少領域40dの縁までの間に形成される隙間で、PSE層13とNSE層23とが接触することを防止できる。そのため、上記隙間で両活物質層12、22同士が近接することを防止できるので、両活物質層同士が短絡することを防止できる。
また、パンチの加圧面の面積が断面減少領域40dの横断面における断面積よりも大きいパンチを使用する場合は、上記隙間にスペーサ(図示略)を介在させることが好ましい。PSE層13とNSE層23とを接触するように重ね合わせる際、PSE層13とNSE層23とが接触せず、PSE層13とNSE層23との間に隙間が形成される。この隙間に、スペーサを介在すれば、例えば、パンチの加圧面の面積が両極集電体11、12の表面積と同様の面積を有するパンチを使用する場合でも、正極体1と負極体2とを一体化させる際の加圧により、上記隙間で正極活物質層12と負極活物質層22とが近接しすぎることを防止でき、短絡を防止できる。この場合、工程Bが完了した際、非水電解質電池100のSE層40にスペーサが残る。スペーサの一部が、非水電解質電池100の側面から突出している場合、工程Bの完了後、スペーサを引き抜くことができ、SE層40にスペーサが残らないようにすることもできる。
このスペーサの構成材料は、電池反応に関与するイオン、本例ではLiイオンを伝導し難い材料が挙げられる。具体的には、Liイオン伝導性が1.0×10−8S/cm未満の材料であることが好ましい。その材料として、例えば、アラミドなどが挙げられる。そうすれば、スペーサを介してLiイオンが伝導し難く、負極活物質層22の外周縁部近傍で電流集中を生じ難くできる。スペーサの構成材料が、Liイオンを伝導しない材料であれば特に好ましい。そうすれば、スペーサを介してLiイオンが伝導することがないので、負極活物質層22の外周縁部近傍で電流集中が更に生じ難くできる。これは、スペーサの構成材料が、Liイオン伝導性が1.0×10−8S/cm以上の材料である場合、スペーサを介してLiイオンが伝導してしまい、その結果、負極活物質層の外周縁部近傍の電流集中を抑制できない虞があるからである。
工程Bを行うことにより、図1(A)に示すように、結晶化された1層のSE層40を具える非水電解質電池100が形成される。つまり、PSE層13、及びNES層23の1層目、2層目が、それぞれ正極側領域40p、負極側領域40n、断面減少領域40dとなる。この一層のSE層40は、上述したようにPSE層13とNSE層23とを一体化させることで形成されたものでありながら、PSE層13とNSE層23との界面がほとんど残らない。そのため、このSE層40は、当該界面に起因するLiイオン伝導性の低下がなく、高Liイオン伝導性で、かつ低電子伝導性のSE層40となる。
以上、工程A、Bを具える非水電解質電池の製造方法によれば、図1を参照して説明した本発明非水電解質電池100を作製することができる。
《実施形態2》
実施形態2は、図3に示すように、正極側対向面の面積Sが断面減少領域40dの横断面における断面積Sと同じ大きさである点が実施形態1と相違する。以下、実施形態1と相違する点について説明する。
[SE層]
本例の非水電解質電池100に具わるSE層40は、正極側対向面の面積Sが、断面減少領域40dの横断面における断面積Sと同じ大きさ、即ち、各面積S〜Sの大小関係は、S>S=Sである。この場合、例えば、SE層40は、負極側領40nと断面減少領域40dとを具える形態とすることが挙げられる。負極側領域40nは、負極側対向面から断面減少領域40dとの境界までの領域、即ち、負極側対向面から横断面における断面積がS>Sとなる境界までの領域である。断面減少領域40dは、負極側領域40nとの境界から正極側対向面までの領域である。つまり、本例では断面減少領域40dが、負極側領域40nとの境界から正極側対向面まで亘っている。
上述のSE層40を具える非水電解質電池100を製造する方法は、実施形態1と同様に、準備工程(工程A)と接合工程(工程B)とを具える方法が挙げられる。具体的には、図4に示すように、工程Aにおいて、負極集電体11の上に形成した負極活物質層22の表面の略全域に、気相法により横断面における断面積が一様なNSE層23を成膜して負極体2を作製する。一方、正極集電体11の上に形成した正極活物質層12の表面に、PSE層13の形成面積が、正極活物質層12よりも小さくなるようにマスクを施す。そして、NSE層23と同様の気相法によりPSE層13を成膜する。こうして、厚さ方向全域に亘って断面減少領域40dで構成されるPSE層13を具える正極体1を作製する。
その後、上述の工程Bと同様にして、PSE層13とNSE層23とを一体化させて非水電解質電池100を製造する。その際、正極体1と負極体2との間に形成される隙間にスペーサ(図示略)を介在させる場合、スペーサの構成材料は、Liイオンを伝導し難いことに加えて、電子伝導性の低い材料であることが好ましい。その材料として、例えば、アラミドが挙げられる。スペーサを介在させる場合、本例では、スペーサが正極活物質層12と接触する。それにより、正極活物質層12がスペーサを介して負極活物質層22と電気的に近接した状態となるため、負極活物質層22との絶縁の確保が不十分になる虞があるからである。
この工程Bにより、図3(A)に示すように、結晶化された1層のSE層40を具える非水電解質電池100が形成される。即ち、工程B完了後、PSE層13が、断面減少領域40dとなり、NSE層23が、負極側領域40nとなる。
以上説明した形態によれば、実施形態1と同様の効果に加えて、PSE層、及びNSE層の横断面における断面積がそれぞれ厚さ方向全域に亘って一様であるため、PSE層及びNSE層の形成において、気相法を複数回行う必要はない。そのため、正極体及び負極体の作製作業が煩雑になり難く、非水電解質電池の製造工程を簡略化できる。
《試験例》
図1を参照して説明した実施形態1の非水電解質電池100(SE層40:S=S>S)において、SE層40の負極側対向面の縁から断面減少領域40dの縁までの距離αが異なる試料1〜3と、SE層の負極側対向面から正極側対向面までの横断面における断面積が一様である試料4とを用意する。そして、用意した電池に対して、後述する条件にて充放電サイクル試験を行った。
各試料を用意するにあたり、以下の構成を具える正極体1と負極体2とを作製した。
[正極体1]
・正極集電体11…直径15.5mm、厚さ200μmのAl板
・正極活物質層12…直径15.5mm、厚さ200μmのLiCoO粉末とLiS−P粉末との加圧成形体(LiCoO:LiS−P=70質量%:30質量%)
・PSE層13…直径15.5mm、厚さ5μmのアモルファスLiS−P膜(真空蒸着法)
[負極体2]
・負極集電体21…直径15.5mm、厚さ100μmのステンレス板
・負極活物質層22…直径15.5mm、厚さ1μmのLi膜(真空蒸着法)
・NSE層23…アモルファスLiS−P膜(真空蒸着法)
ここでは、NSE層23の構成が異なる4種類の負極体2を作製した。その際、4種類のうち3種類の負極体2は、断面減少領域40dを具えるように真空蒸着法を2回行い、断面減少領域40dの直径がそれぞれ異なるNSE層23を成膜した。
次に、露点温度−55℃の大気中で、用意した正極体1と負極体2とをPSE層13とNSE層23同士が接触するように重ね合わせ、両電極体1,2を圧接しつつ熱処理を施して複数の非水電解質電池(試料1〜4)を作製した。その際の熱処理温度は190℃であり、加圧力は16MPaである。各試料におけるSE層の構成を表1に示す。
次に、作製した試料1〜4の電池に対して10サイクルの充放電サイクル試験を行った。試験条件は、電流密度0.05mA/cm、カットオフ電圧3.0V−4.1V、充電時間を最大40時間に設定した定電流充放電とした。試料1〜4の断面減少領域40dの構成と、1サイクル目における充電中の短絡挙動の有無、充電容量、放電容量をそれぞれ表1に示す。
Figure 0005648978
《結果》
上記試験より、試料1〜3では、1サイクルの充電時に短絡による電圧低下が生じず、試料4では、1サイクルの充電時に短絡による電圧低下が生じた。また、試料1〜3は、試料4よりも放電容量が得られ、試料4は、放電容量がゼロであった。このような結果となったのは、試料1〜3が断面減少領域を具えることで、負極活物質層の外周縁部近傍への電流集中を抑制できたからであると考えられる。そのため、負極活物質層の外周縁部近傍におけるデンドライトの成長を抑制できたため、負極活物質層における活物質の体積変化の面内分布を抑制でき、負極活物質層と固体電解質層との接続状態を良好に保つことができたと思われる。一方、試料4は、SE層の直径(形成面積)が厚さ方向全域に亘って一様であったため、負極活物質層22の外周縁部近傍の電流集中を抑制できなかったからであると考えられる。また、試料1、2の放電容量の方が、試料3の放電容量よりも大きかった。このような結果となったのは、試料3は、試料1、2より断面減少領域の直径が小さく、試料1、2よりSE層の実効面積が小さかったからだと考えられる。
なお、本発明は上述の実施の形態に何ら限定されることはない。即ち、上述した実施形態に記載の非水電解質電池の構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、実施形態1における電池100を製造する際、断面減少領域40dをNSE層23に形成したが、PSE層13に断面減少領域40dを形成してもよいし、NES層23とPSE層13との両方に断面減少領域40dを形成してもよい。いずれの場合においても、気相法を2回行うことで断面減少領域40dを形成できる。
本発明の非水電解質電池は、充放電を繰り返すことを前提とした電気機器の電源、例えば各種電子機器の電源に好適に利用できる他、ハイブリッド自動車、電気自動車の電源としての利用も期待できる。
100 非水電解質電池
1 正極体
11 正極集電体
12 正極活物質層
13 正極側固体電解質層(PSE層)
2 負極体
21 負極集電体
22 負極活物質層
23 負極側固体電解質層(NSE層)
40 固体電解質層(SE層)
40p 正極側領域
40d 断面減少領域
40n 負極側領域

Claims (4)

  1. 正極活物質層、負極活物質層、及びこれら活物質層の間に配される固体電解質層を具える非水電解質電池であって、
    前記固体電解質層は、前記負極活物質層に対向する負極側対向面と前記正極活物質層に対向する正極側対向面との間に、当該負極側対向面の面積に比べて横断面における断面積の小さい断面減少領域を有し、
    前記正極側対向面の面積が、前記負極側対向面の面積と同じ大きさである非水電解質電池。
  2. 前記負極側対向面の縁から前記断面減少領域の縁までの距離が、3.5mm以上5.0mm以下である請求項1に記載の非水電解質電池。
  3. 正極活物質層、負極活物質層、及びこれら活物質層の間に配される固体電解質層を具える非水電解質電池を製造する非水電解質電池の製造方法であって、
    正極活物質層、及びその正極活物質層上に形成されるアモルファスの正極側固体電解質層を有する正極体と、負極活物質層、及びその負極活物質層上に形成されるアモルファスの負極側固体電解質層を有する負極体とを用意する準備工程と、
    前記正極体と負極体とを、両電極体の固体電解質層同士が接触するように重ね合わせた状態で加圧しながら熱処理し、前記正極側固体電解質層と負極側固体電解質層とを結晶化させることで接合させる接合工程とを具え、
    前記準備工程における正極側固体電解質層、及び負極側固体電解質層の少なくとも一方は、当該負極側固体電解質層の負極活物質層に対向する負極側対向面の面積に比べて横断面における断面積の小さい断面減少領域を具える非水電解質電池の製造方法。
  4. 前記接合工程で前記両電極体の固体電解質層同士を重ね合わせる際、前記負極側対向面の縁から前記断面減少領域の縁までの間に形成される隙間に、Liイオン伝導性が1.0×10−8S/cm未満の材料からなって当該隙間を埋めるスペーサを介在させる請求項に記載の非水電解質電池の製造方法。
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