JP2012146395A - 電極体、およびその製造方法、ならびに非水電解質電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面を平滑にして電池全体として薄くしつつも短絡を抑制することができ、加えて低抵抗を維持できる非水電解質電池用の電極体を提供する。
【解決手段】正極体1は、固体電解質層3に対向される正極活物質層12と、この正極活物質層12の固体電解質層3と反対側に対向される正極集電体11とを具え、非水電解質電池100に利用するためのものである。正極活物質層12は、粒径が5μm以上の粗粒と、粒径が5μm未満の微粒とからなる複数の活物質粒子を含む圧粉成形体である。正極集電体11側に、微粒よりも粗粒の活物質粒子の含有量が多い基部と、固体電解質層3側に、微粒を含んで粗粒を含まない表面層とを具える。
【選択図】図1
【解決手段】正極体1は、固体電解質層3に対向される正極活物質層12と、この正極活物質層12の固体電解質層3と反対側に対向される正極集電体11とを具え、非水電解質電池100に利用するためのものである。正極活物質層12は、粒径が5μm以上の粗粒と、粒径が5μm未満の微粒とからなる複数の活物質粒子を含む圧粉成形体である。正極集電体11側に、微粒よりも粗粒の活物質粒子の含有量が多い基部と、固体電解質層3側に、微粒を含んで粗粒を含まない表面層とを具える。
【選択図】図1
Description
本発明は、Liイオン二次電池などに好適な電極体、およびその製造方法、ならびにその電極体を用いた非水電解質電池に関するものである。
充放電を繰り返すことを前提とした電源として、正極体と負極体とこれら電極体の間に配される電解質層とを備える非水電解質電池が利用されている。この電池に備わる電極体はさらに、集電機能を有する集電体と、活物質を含む活物質層とを備える。このような非水電解質電池の中でも特に、正・負極間のLiイオンの移動により充放電を行う非水電解質電池は、小型でありながら高い放電容量を備える。
このような非水電解質電池として、例えば、特許文献1には、正極の集電体に金属薄膜を、正極の活物質層に活物質粒子をプレスして加圧成形した後、焼成して得られる正極焼結体を利用することが記載されており、その正極焼結体の活物質粒子の粒径は10μm以上100μm以下であることが挙げられている。
一方、特許文献2には、基本部と、基本部の一面側に形成され、電解質層に対向する対向部とからなる正極焼結体を利用することが記載されている。この正極焼結体は、異なる平均粒径の活物質粒子で構成されているものが挙げられ、その場合、対向部の方が、基本部よりも平均粒径の小さな粒子で形成されている。そのような正極体は、まず、粗い方の活物質粒子を金型内に配置し、プレスして一次成形体を作製した後、その一次成形体の一面に、一次成形体を構成する粒子よりも細かい粒子を配置し、プレスして焼結前成形体を作製する。そして、その焼結前成形体を焼結することで作製されている。
しかし、従来の電極体では表面を平滑にして電池全体として薄くしつつも短絡を抑制し、加えて低抵抗を維持することが難しい。
例えば、特許文献1のように活物質粒子の粒径が大きいと、表面が粗くなるので、電解質層を厚くする必要がある。というのも、電解質層が気相法により成膜される場合、薄い電解質層で上記表面の凹凸を完全に覆うように成膜することが難しく、その結果、正・負の両電極体が短絡する虞があるためである。つまり、電池全体として厚くなる。
一方、特許文献2のように異なる粒径で構成される対向部と基本部とを個々にプレスして、その後焼結することで接合して一体の正極活物質層を形成すると、微視的に見れば基本部と対向部とで異なる粒径の粒子同士の接触が不十分となることがある。その結果、電池の内部抵抗(以下、単に抵抗という)が上昇する虞があり低抵抗を維持できない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、表面を平滑にして電池全体として薄くしつつも短絡を抑制することができ、加えて低抵抗を維持できる非水電解質電池用の電極体を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、上記非水電解質電池用電極体の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記本発明の電極体を具える非水電解質電池を提供することにある。
(1)本発明の電極体は、固体電解質層に対向される活物質層と、この活物質層の固体電解質層と反対側に対向される集電体とを具え、非水電解質電池に利用するためのものである。活物質層は、粒径が5μm以上の粗粒と、粒径が5μm未満の微粒とからなる複数の活物質粒子を含む圧粉成形体である。そして、上記集電体側に、微粒よりも粗粒の活物質粒子の含有量が多い基部と、固体電解質層側に、上記微粒を含んで粗粒を含まない表面層とを具える。
本発明の電極体によれば、活物質層における固体電解質層側に粒径が5μm未満の微粒を含み粒径が5μm以上の粗粒を含まない表面層を具えることで、活物質粒子に起因する表面の凹凸を小さくすることができる。そのため、例えば、固体電解質層を気相法により成膜する場合でも、活物質層の表面の凹凸に起因する固体電解質層からの活物質粒子の露出を抑制すると共に、薄い固体電解質層でも活物質層の表面の凹凸を覆うことができる。つまり、固体電解質層を薄くできて、なおかつ、正・負極間で短絡し難くなる。
活物質層における集電体側に微粒よりも粗粒の活物質粒子が多い基部を具えることで、粒子同士の接触面積を多くとることができ、抵抗の上昇を抑制することができる。
したがって、電池の低抵抗を維持しつつ、活物質層の表面粗さを低減することができるので、電池全体を薄くすることができることに加えて、電池全体が薄くても短絡を生じ難くすることができる。
(2)本発明電極体の一形態として、上記基部と表面層とは、界面を介することなく連続していることが挙げられる。
上記の構成によれば、基部と表面層とが界面を介していないので、それぞれを構成する活物質粒子同士の接触が不十分となり難い。そのため、電池の抵抗の上昇をより抑制することができる。
(3)本発明電極体の一形態として、表面層の厚みは、5μm以上を満たすことが挙げられる。
上記の構成によれば、表面層の厚みを5μm以上とすることで、粗粒の活物質粒子に起因する活物質層の表面の凹凸を効果的に緩和することができ、この表面の粗さは微粒の活物質粒子の粒径に依存するため表面を平滑にすることができる。また、表面層を厚くしすぎることがない程度とすることが好ましく、そうすることで、活物質層における微粒の割合が多くなりすぎない。つまり、相対的に活物質層における粗粒が少なくなりすぎないので、抵抗の上昇を抑制することができる。
(4)本発明電極体の一形態として、上記微粒の粒径は、2μm以下であることが挙げられる。
上記の構成によれば、微粒の粒径を2μm以下とすることで、活物質層の表面をより平滑にし易い。そのうえ、粒子同士の隙間が大きくならないことに加えて、粗粒との接触面積も確保することができるので、抵抗の上昇を抑制することができる。
(5)本発明電極体の一形態として、上記粗粒の粒径は、50μm以下であることが挙げられる。
上記の構成によれば、粗粒の粒径を50μm以下とすることで、粒子間における気孔が多くなりすぎることがなく、電子の伝導距離が長くなりすぎない。そのため、抵抗の上昇を抑制することができる。
(6)本発明の電極体の製造方法は、固体電解質層に対向する活物質層を集電体の上に成形して非水電解質電池に利用される電極体を製造する方法で、以下の工程を具える。
準備工程:集電体と、粒径が5μm以上の粗粒と粒径が5μm未満の微粒の各活物質粒子群とを準備する。
配置工程:集電体を金型に配置する。
一次充填工程:集電体上に、上記微粒の活物質粒子群を粗粒の活物質粒子群よりも多く含む活物質粒子群を充填する。
二次充填工程:一次充填工程で充填された活物質粒子群上に、微粒の活物質粒子群を充填する。
成形工程:二次充填工程後、金型内の活物質粒子群を加圧成形して、集電体側に微粒よりも粗粒の活物質粒子の含有量が多い基部を、上記固体電解質層側に微粒を含んで粗粒を含まない表面層を具える圧粉成形体で構成される活物質層を形成する。
準備工程:集電体と、粒径が5μm以上の粗粒と粒径が5μm未満の微粒の各活物質粒子群とを準備する。
配置工程:集電体を金型に配置する。
一次充填工程:集電体上に、上記微粒の活物質粒子群を粗粒の活物質粒子群よりも多く含む活物質粒子群を充填する。
二次充填工程:一次充填工程で充填された活物質粒子群上に、微粒の活物質粒子群を充填する。
成形工程:二次充填工程後、金型内の活物質粒子群を加圧成形して、集電体側に微粒よりも粗粒の活物質粒子の含有量が多い基部を、上記固体電解質層側に微粒を含んで粗粒を含まない表面層を具える圧粉成形体で構成される活物質層を形成する。
本発明の製造方法によれば、成形工程前に、粗粒の活物質粒子群を粗粒の活物質粒子群よりも多く含む活物質粒子群と微粒の活物質粒子群とを個々に充填することで、両者の境界付近で粗粒と微粒とを十分に接触させることができる。そして、成形工程で金型内の活物質粒子群を同時に加圧成形することで、集電体側に微粒よりも粗粒の活物質粒子の含有量が多い基部を、固体電解質層側に微粒を含み粗粒を含まない表面層を形成することができ、上述した特性を有する本発明の電極体を製造することができる。
(7)本発明の非水電解質電池は、正極体と、負極体と、両電極体の間に配される固体電解質層とを具える。上記正極体と負極体の少なくとも一方の電極体は、上記本発明の電極体である。
本発明の非水電解質電池によれば、正・負極体の少なくとも一方に上記本発明の電極体を用いることによって、固体電解質層を薄くすることができるので、電池全体として薄くて、その上、短絡し難いことに加えて、低抵抗とすることができる。
本発明の電極体は、固体電解質層に対向する側の表面を平滑にすることができるので、非水電解質電池に利用した場合、固体電解質層を薄くでき、電池全体として薄くできる。また、固体電解質層が薄くても短絡を抑制することができる上に、低抵抗を維持できる。
本発明の電極体の製造方法は、非水電解質電池の電極体として好適な電極体を容易に製造することができる。
本発明の非水電解質電池は、薄くて短絡し難いことに加えて低抵抗とすることができる。
以下、本発明の実施の形態を図1に基づいて説明する。まず、非水電解質電池100を説明し、その後、非水電解質電池の製造方法を説明する。
<<非水電解質電池>>
本発明の非水電解質電池100は、正極体1と、負極体2と、両電極体の間に配される固体電解質層3とを具える。本発明の特徴とするところは、非水電解質電池に具わる電極体の構成にある。本発明の電極体は、非水電解質電池100の正・負の両電極体の一方、または双方に用いることができるため、本例ではこの電極体を正極体に用いる場合を例に説明する。
本発明の非水電解質電池100は、正極体1と、負極体2と、両電極体の間に配される固体電解質層3とを具える。本発明の特徴とするところは、非水電解質電池に具わる電極体の構成にある。本発明の電極体は、非水電解質電池100の正・負の両電極体の一方、または双方に用いることができるため、本例ではこの電極体を正極体に用いる場合を例に説明する。
<正極体>
正極体1は、固体電解質層3に対向される正極活物質層12と、この正極活物質層12の固体電解質層3と反対側に対向される正極集電体11とを具える。
正極体1は、固体電解質層3に対向される正極活物質層12と、この正極活物質層12の固体電解質層3と反対側に対向される正極集電体11とを具える。
[正極集電体]
正極集電体11は、正極体1の集電を行うものであり、導電材料のみから構成されていても良いし、絶縁基板上に導電材料の膜を形成したもので構成されていても良い。後者の場合、導電材料の膜が集電体として機能する。導電材料としては、AlやNi、これらの合金、ステンレスから選択される1種が好適に利用できる。
正極集電体11は、正極体1の集電を行うものであり、導電材料のみから構成されていても良いし、絶縁基板上に導電材料の膜を形成したもので構成されていても良い。後者の場合、導電材料の膜が集電体として機能する。導電材料としては、AlやNi、これらの合金、ステンレスから選択される1種が好適に利用できる。
[正極活物質層]
正極活物質層12は、後述する粒径の粗粒と微粒とを含んで電池反応を担う正極活物質粒子を主たる構成要素とする圧粉成形体であり、後述するように正極集電体11側に微粒よりも粗粒の活物質粒子の含有量が多い基部12bと、固体電解質層側に微粒を含み粗粒を含まない表面層12fとを具える。
正極活物質層12は、後述する粒径の粗粒と微粒とを含んで電池反応を担う正極活物質粒子を主たる構成要素とする圧粉成形体であり、後述するように正極集電体11側に微粒よりも粗粒の活物質粒子の含有量が多い基部12bと、固体電解質層側に微粒を含み粗粒を含まない表面層12fとを具える。
この正極活物質層12を構成する正極活物質粒子としては、層状岩塩型の結晶構造を有する物質、例えば、LiαXβ(1−X)O2(αはCo,Ni,Mnから選択される1種、βはFe,Al,Ti,Cr,Zn,Mo,Biから選択される1種、Xは0.5以上)で表される物質を挙げることができる。その具体例としては、LiCoO2やLiNiO2、LiMnO2、LiCo0.5Fe0.5O2、LiCo0.5Al0.5O2などを挙げることができる。その他、正極活物質として、スピネル型の結晶構造を有する物質(例えば、LiMn2O4など)や、オリビン型の結晶構造を有する物質(例えば、LiXFePO4(0<X<1))を用いることもできる。
その他、正極活物質層12は、後述する組成の固体電解質粒子を含有していてもよい。正極層が正極活物質粒子と固体電解質粒子とを含有し、正極層中に正極活物質粒子と固体電解質粒子とが混在することで、正極層内部でのイオン拡散を固体電解質粒子が促進させ、正極層内部の正極活物質粒子を電池反応に有効に活用することができる。
さらに、正極活物質層12は、必要に応じて導電助剤や結着剤(バインダー)を含有してもよい。正極活物質層12に含有する固体電解質粒子が、例えば、硫化物系固体電解質粒子である場合、硫化物系固体電解質粒子は、酸化物系のものに比較して軟らかく、変形性に優れることから、結着剤としての機能も発揮し易い。導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック(AB)やケッチェンブラック(KB)といったカーボンブラックなどが挙げられる。結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリフッ化ビニリデン(PVDF)などが挙げられる。
(基部)
基部12bは、主として電池の低抵抗を維持するための層で、微粒よりも粗粒の活物質粒子の含有量が多い層である。微粒よりも粗粒の含有量が多いことで、粒子同士の接触面積が多くなり、電子伝導性を高めることができるので、電池の抵抗の上昇を抑制することができる。基部12bは全てが粗粒の活物質粒子からなる層であってもよい。一方、少量ながらも微粒が含有されていてもよい。そうすることで、粗粒同士の間を埋めたり、後述する表面層を構成する粒子と接触不良を起こし難くしたりできる。ここでいう含有量が多いとは、正極活物質層12の断面において、基部12bにおける後述する粗粒の占める面積率が50%超のことをいう。この面積率は、例えば、75%以上が好ましい。この面積率は、上記断面をSEM(Scanning Electron Microscope)で観察することにより求める。具体的には、上記断面において適宜なサイズの検査視野を、正極活物質層12の正極集電体11側の表面側で断面の幅方向(正極体の積層方向と直交する方向)の離れた位置に5つ以上を採る。一つの検査視野としては、その一辺が、予想される粗粒サイズの数倍以上のサイズが好ましく、例えば30μm×30μm角が挙げられる。正極活物質層12の正極集電体11側とは、例えば正極活物質層12の厚みの中間と正極活物質層12における正極集電体11側の表面との間の領域をいう。全検査視野において、その各視野内に存在する粒径が5μm以上の粒子の合計面積(Sc)と、全粒子の合計面積(St)とを算出する。各検査視野において、合計面積(Sc)を合計面積(St)で除した割合を求め、その平均値を算出した値をここでいう面積比率とする。
基部12bは、主として電池の低抵抗を維持するための層で、微粒よりも粗粒の活物質粒子の含有量が多い層である。微粒よりも粗粒の含有量が多いことで、粒子同士の接触面積が多くなり、電子伝導性を高めることができるので、電池の抵抗の上昇を抑制することができる。基部12bは全てが粗粒の活物質粒子からなる層であってもよい。一方、少量ながらも微粒が含有されていてもよい。そうすることで、粗粒同士の間を埋めたり、後述する表面層を構成する粒子と接触不良を起こし難くしたりできる。ここでいう含有量が多いとは、正極活物質層12の断面において、基部12bにおける後述する粗粒の占める面積率が50%超のことをいう。この面積率は、例えば、75%以上が好ましい。この面積率は、上記断面をSEM(Scanning Electron Microscope)で観察することにより求める。具体的には、上記断面において適宜なサイズの検査視野を、正極活物質層12の正極集電体11側の表面側で断面の幅方向(正極体の積層方向と直交する方向)の離れた位置に5つ以上を採る。一つの検査視野としては、その一辺が、予想される粗粒サイズの数倍以上のサイズが好ましく、例えば30μm×30μm角が挙げられる。正極活物質層12の正極集電体11側とは、例えば正極活物質層12の厚みの中間と正極活物質層12における正極集電体11側の表面との間の領域をいう。全検査視野において、その各視野内に存在する粒径が5μm以上の粒子の合計面積(Sc)と、全粒子の合計面積(St)とを算出する。各検査視野において、合計面積(Sc)を合計面積(St)で除した割合を求め、その平均値を算出した値をここでいう面積比率とする。
粗粒の粒径は、電池の低抵抗を維持できる程度の大きさであればよく、つまり、粒径同士の接触面積を多くすることができて、なおかつ、粒子同士の隙間を減らすことができる程度であればよい。具体的な粗粒の粒径は、5μm以上とし、好ましくは10μm以上とする。そうすることで、粒子同士の接触面積を多くとることができ、抵抗の上昇を抑制することができる。粗粒の粒径は、50μm以下が好ましく、特に、15μm以下であればより好ましい。そうすることで、粒子同士の隙間を低減することができる。そのため、電子伝導性の低下を抑制することができて、電池の抵抗の上昇を抑制することができる。微粒の粒径については後述する。
基部12bの厚みは、電池の容量に応じた活物質量を確保でき、過度に厚くならない程度の範囲で適宜選択する。具体的には、後述する表面層12fの厚さに対して5倍以上あることが好ましい。そうすることで、正極活物質層12における粗粒の割合を多くすることができるので、電池の低抵抗を維持することができる。この厚みは、SEMもしくは、SEM−EBSD(Electron Back−Scatter Diffraction)などを利用して、取得した断面画像などで測定することができる。
(表面層)
表面層12fは、電池の抵抗を維持することに加えて、特に固体電解質層3側の正極活物質層12の表面の凹凸を低減するための層で、微粒の活物質粒子を含み粗粒の活物質粒子を含まない。そうすることで、活物質粒子の粒径に依存する表面の凹凸を小さくすることができる。つまり、表面に研磨などの表面処理を施すことなく表面を平滑にすることができる。そのため、後述するように固体電解質層3を気相法により成膜する場合でも、表面の凹凸に起因する固体電解質層3からの活物質粒子の露出を抑制すると共に、薄い固体電解質層3でも正極活物質層12の表面の凹凸を覆うことができる。その結果、固体電解質層3を薄くできて、なおかつ、正・負極間で短絡し難くできる。
表面層12fは、電池の抵抗を維持することに加えて、特に固体電解質層3側の正極活物質層12の表面の凹凸を低減するための層で、微粒の活物質粒子を含み粗粒の活物質粒子を含まない。そうすることで、活物質粒子の粒径に依存する表面の凹凸を小さくすることができる。つまり、表面に研磨などの表面処理を施すことなく表面を平滑にすることができる。そのため、後述するように固体電解質層3を気相法により成膜する場合でも、表面の凹凸に起因する固体電解質層3からの活物質粒子の露出を抑制すると共に、薄い固体電解質層3でも正極活物質層12の表面の凹凸を覆うことができる。その結果、固体電解質層3を薄くできて、なおかつ、正・負極間で短絡し難くできる。
表面層12fの厚みは、正極活物質層12の固体電解質層3側の表面を平滑にすることができる程度に微粒を含有できる厚さを有していればよい。つまり、正極活物質層12を構成する粒子のうち特に基部12bを構成する粗粒の影響を抑制できる程度の厚みを有していればよい。具体的に、表面層12fの厚みは、5μm以上であることが好ましく、15μm以下であればよい。そうすることで、粗粒によって表面の凹凸が大きくなり難く、表面を平滑にすることができる。表面層12fの厚みは、5μm以上10μm以下であることが特に好ましい。
正極活物質粒子の微粒の粒径は、表面の凹凸を低減することができる程度の大きさであればよく、具体的には5μm未満である。そうすることで、正極活物質層の固体電解質側の表面の凹凸を低減することができる。表面の凹凸は、表面層を構成している粒子の径に影響されるため、微粒の粒径は、取り扱える程度で小さいほど好ましく、2μm以下が特に好ましい。また、例えば、正極活物質層12が固体電解質粒子を含有している場合、固体電解質粒子の粒径は、適宜選択すればよいが、表面層12fに含まれる場合と、および基部12bに含まれる場合とで、それぞれ上記微粒及び粗粒と同様とすることが好ましい。つまり、固体電解質粒子の粒径は、固体電解質粒子が表面層12fに含まれる場合、5μm未満であることが好ましく、基部12bに含まれる場合、5μm以上であることが好ましい。
基部12bと表面層12fとは界面を介することなく連続していることが好ましい。ここで界面を介しているとは、電極体の断面において、幅方向(電極体の積層方向と直交する方向)に伸びる直線を接線とするように微粒又は粗粒が並んだ面を有していることをいう。つまり、粗粒を含む粒子群と微粒のみからなる粒子群とを個別に圧縮成形して電極体を構成すると、粗粒を含む成形体の表面又は微粒の成形体における粗粒を含む成形体との対向面が平面状になって、この平面(界面)が電極体の断面において、上記直線として観察される。一方、界面を介することなく連続しているとは、上記直線が認められないことをいう。即ち、界面を介することなく連続している場合、基部12bと表面層12fとの境界部近傍で、微粒と粗粒の粒子が電極体の積層方向に混在した状態になっている。
この基部12bと表面層12fとの境界部、換言すれば、表面層12fの厚さは、例えばSEM、あるいはSEM−EBSDなどを利用して、取得した非水電解質電池100、あるいは正極活物質層12の断面画像から判断することができる。具体的には、まず、適宜なサイズの検査視野を、その断面の幅方向(正極体の積層方向と直交する方向)に離れて5つ以上採る。一つの検査視野としては、その一辺が、予想される表面層12fの厚さよりも大きなサイズが好ましく、例えば30μm×30μm角が挙げられる。各検査視野において、正極活物質層12の固体電解質層3側の表面から粒径が5μm以上の粒子までの最短距離を測定し、その最短距離を表面層12fの厚さとする。この検査は、理論上、幅方向における視野数を多数とするほど好ましい。また、取得した画像から粒径が5μm以上と5μm未満の粒子とをコンピュータで認識して自動計測してもよいし、必要に応じて縦断面の原画像に二値化処理などの画像処理を施してもよい。
上述したように、正極活物質層12の固体電解質層3側の表面は、研磨などの表面処理を施すことなく平滑にすることができる。つまり、上記表面には研磨痕が見られない。ここでいう研磨痕とは、正極活物質層12の固体電解質層3側の最表面に位置する多くの正極活物質粒子が、半円状、弓形状など、弦を有するように部分的に切り欠かれた切欠円形状で、かつ、その弦が最表面に位置していることをいい、そうでない場合を研磨痕が見られないという。この研磨痕は、非水電解質電池100、あるいは正極体1の断面画像から判断することができる。
<負極体>
負極体2は、固体電解質層3に対向される負極活物質層22と、この負極活物質層22の固体電解質層3と反対側に対向される負極集電体21とを具える。
負極体2は、固体電解質層3に対向される負極活物質層22と、この負極活物質層22の固体電解質層3と反対側に対向される負極集電体21とを具える。
[負極集電体]
負極集電体21は、導電材料のみから構成されていても良いし、絶縁基板上に導電材料の膜を形成したもので構成されていても良い。後者の場合、導電材料の膜が集電体として機能する。導電材料としては、例えば、Cu、Ni、Fe、Cr、及びこれらの合金から選択される1種が好適に利用できる。
負極集電体21は、導電材料のみから構成されていても良いし、絶縁基板上に導電材料の膜を形成したもので構成されていても良い。後者の場合、導電材料の膜が集電体として機能する。導電材料としては、例えば、Cu、Ni、Fe、Cr、及びこれらの合金から選択される1種が好適に利用できる。
[負極活物質層]
負極活物質層22は、負極活物質を含有する。具体的な、負極活物質としては、金属Li(Li金属単体)又はLi合金(Li金属と添加元素からなる合金)の他、例えば、グラファイトなどの炭素(C)、シリコン(Si)、インジウム(In)などが挙げられる。特に、負極活物質層22がLi金属を含有すると、電池の高容量化、高電圧化の点で優位であり、好適である。Li合金の添加元素としては、例えば、アルミニウム(Al)、シリコン(Si)、錫(Sn)、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)及びインジウム(In)などが挙げられる。その他に、Li4Ti5O12、FeS2、TiS2などを用いてもよい。
負極活物質層22は、負極活物質を含有する。具体的な、負極活物質としては、金属Li(Li金属単体)又はLi合金(Li金属と添加元素からなる合金)の他、例えば、グラファイトなどの炭素(C)、シリコン(Si)、インジウム(In)などが挙げられる。特に、負極活物質層22がLi金属を含有すると、電池の高容量化、高電圧化の点で優位であり、好適である。Li合金の添加元素としては、例えば、アルミニウム(Al)、シリコン(Si)、錫(Sn)、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)及びインジウム(In)などが挙げられる。その他に、Li4Ti5O12、FeS2、TiS2などを用いてもよい。
負極活物質層22の形状としては、後述するように箔でもよいし、粒子からなる成形体でもよい。負極活物質層22の厚さは、電池の容量に応じた活物質量を確保でき、過度に厚くならない程度の範囲で適宜選択することができ、具体的には、1〜300μmとし、特に50〜250μmであることが好ましい。
<固体電解質層>
固体電解質層3は、正極体1と負極体2とを絶縁しつつ、両電極体1、2間のLiイオンの遣り取りを媒介する層である。固体電解質層3を構成する粒子は、高Liイオン伝導性で、かつ低電子伝導性であることが好ましい。具体的な電解質層3のLiイオン伝導度(20℃)は、10−6S/cm以上であり、特に、10−4S/cm以上であることが好ましい。具体的な組成としては、Li2Sを含む硫化物系固体電解質、Li3PO4、LiPONなどの酸化物系固体電解質粒子が代表的である。硫化物系固体電解質粒子としては、例えば、Li2S−P2S5系、Li2S−SiS2系、Li2S―B2S3系などが挙げられ、更にP2O5やLi3PO4が添加されてもよい。硫化物系固体電解質粒子は、酸化物系のものに比較して、一般的に高いリチウムイオン伝導性を示すので好適である。特に、硫化物系固体電解質粒子の中でもLi2S―P2S5系の固体電解質粒子は、高いリチウムイオン伝導性を示すのでより好適である。
固体電解質層3は、正極体1と負極体2とを絶縁しつつ、両電極体1、2間のLiイオンの遣り取りを媒介する層である。固体電解質層3を構成する粒子は、高Liイオン伝導性で、かつ低電子伝導性であることが好ましい。具体的な電解質層3のLiイオン伝導度(20℃)は、10−6S/cm以上であり、特に、10−4S/cm以上であることが好ましい。具体的な組成としては、Li2Sを含む硫化物系固体電解質、Li3PO4、LiPONなどの酸化物系固体電解質粒子が代表的である。硫化物系固体電解質粒子としては、例えば、Li2S−P2S5系、Li2S−SiS2系、Li2S―B2S3系などが挙げられ、更にP2O5やLi3PO4が添加されてもよい。硫化物系固体電解質粒子は、酸化物系のものに比較して、一般的に高いリチウムイオン伝導性を示すので好適である。特に、硫化物系固体電解質粒子の中でもLi2S―P2S5系の固体電解質粒子は、高いリチウムイオン伝導性を示すのでより好適である。
[中間層]
正極体1と固体電解質層3との間に、これら両層の界面抵抗を低減する中間層4を設けてもよい。例えば正極活物質粒子に酸化物(例、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、LiNi0.8Co0.15Al0.05O2)、固体電解質粒子に硫化物を用いた場合、酸化物と硫化物とが反応し、正極体1と固体電解質層3との界面の界面抵抗が増大することがある。そこで、正極体1と固体電解質層3との界面近傍における両層間の相互拡散を抑制して反応を抑制する中間層4を設けることで、界面抵抗を低減することができる。中間層4の形成材料としては、例えば、LiNbO3、LiTaO3、Li4Ti5O12、LiXLa(2−X)/3TiO3(X=0.1〜0.5)、Li7+XLa3Zr2O12+(X/2)(−5≦X≦3)、Li3.6Si0.6P0.4O4、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3、Li1.8Cr0.8Ti1.2(PO4)3、Li1.4In0.4Ti1.6(PO4)3などが挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
正極体1と固体電解質層3との間に、これら両層の界面抵抗を低減する中間層4を設けてもよい。例えば正極活物質粒子に酸化物(例、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、LiNi0.8Co0.15Al0.05O2)、固体電解質粒子に硫化物を用いた場合、酸化物と硫化物とが反応し、正極体1と固体電解質層3との界面の界面抵抗が増大することがある。そこで、正極体1と固体電解質層3との界面近傍における両層間の相互拡散を抑制して反応を抑制する中間層4を設けることで、界面抵抗を低減することができる。中間層4の形成材料としては、例えば、LiNbO3、LiTaO3、Li4Ti5O12、LiXLa(2−X)/3TiO3(X=0.1〜0.5)、Li7+XLa3Zr2O12+(X/2)(−5≦X≦3)、Li3.6Si0.6P0.4O4、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3、Li1.8Cr0.8Ti1.2(PO4)3、Li1.4In0.4Ti1.6(PO4)3などが挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<<非水電解質電池の製造方法>>
上記本発明非水電解質電池100は、以下の工程に従う非水電解質電池の製造方法により作製することができる。
[A]正極体を作製する正極体形成工程。
[B]正極体の上に固体電解質層を形成する固体電解質層形成工程。
[C]固体電解質層の上に負極体を形成する負極体形成工程。
上記本発明非水電解質電池100は、以下の工程に従う非水電解質電池の製造方法により作製することができる。
[A]正極体を作製する正極体形成工程。
[B]正極体の上に固体電解質層を形成する固体電解質層形成工程。
[C]固体電解質層の上に負極体を形成する負極体形成工程。
[工程A:正極体形成工程]
工程Aでは、固体電解質層に対向する正極活物質層を正極集電体の上に成形して、正極体を作製する。正極体を作製するにあたって、まず、上述した組成の正極集電体11と、粒径が5μm以上の粗粒の正極活物質粒子群と、粒径が5μm未満の微粒の正極活物質粒子群を用意する。上記粒径を満たす各活物質粒子群は、例えば、市販のものを使用してもよいし、篩にかけて分級し、所望の粒径の粒子群を使用してもよい。次に、用意した正極集電体11を金型内に配置し、続けて、正極活物質粒子群を金型内の集電体上に充填する。正極活物質粒子群を充填する際、先に、正極集電体を完全に覆うように微粒の正極活物質粒子群を粗粒の正極活物質粒子群よりも多く含む正極活物質粒子群を充填する。ここで多く含むとは、例えば、粗粒の活物質粒子群の体積が多いことをいう。充填した正極活物質粒子群の上に、この粒子群を完全に覆うように微粒の正極活物質粒子群を充填する。その後、金型内の正極活物質粒子群を同時に加圧成形する。その加圧圧力は、100MPa〜600MPaとすることが好ましい。また、加圧成形後に熱処理してもよく、その場合、加熱温度は120℃〜250℃とすることが好ましい。但し、焼結や焼成などの熱処理は行わない。このように、粒径の異なる活物質粒子を別々に金型内に充填して、同時に加圧成形することで、集電体側に微粒よりも粗粒の活物質粒子の含有量が多い基部を、固体電解質層側に微粒を含み粗粒を含まない表面層を形成することができる。
工程Aでは、固体電解質層に対向する正極活物質層を正極集電体の上に成形して、正極体を作製する。正極体を作製するにあたって、まず、上述した組成の正極集電体11と、粒径が5μm以上の粗粒の正極活物質粒子群と、粒径が5μm未満の微粒の正極活物質粒子群を用意する。上記粒径を満たす各活物質粒子群は、例えば、市販のものを使用してもよいし、篩にかけて分級し、所望の粒径の粒子群を使用してもよい。次に、用意した正極集電体11を金型内に配置し、続けて、正極活物質粒子群を金型内の集電体上に充填する。正極活物質粒子群を充填する際、先に、正極集電体を完全に覆うように微粒の正極活物質粒子群を粗粒の正極活物質粒子群よりも多く含む正極活物質粒子群を充填する。ここで多く含むとは、例えば、粗粒の活物質粒子群の体積が多いことをいう。充填した正極活物質粒子群の上に、この粒子群を完全に覆うように微粒の正極活物質粒子群を充填する。その後、金型内の正極活物質粒子群を同時に加圧成形する。その加圧圧力は、100MPa〜600MPaとすることが好ましい。また、加圧成形後に熱処理してもよく、その場合、加熱温度は120℃〜250℃とすることが好ましい。但し、焼結や焼成などの熱処理は行わない。このように、粒径の異なる活物質粒子を別々に金型内に充填して、同時に加圧成形することで、集電体側に微粒よりも粗粒の活物質粒子の含有量が多い基部を、固体電解質層側に微粒を含み粗粒を含まない表面層を形成することができる。
[工程B:固体電解質層形成工程]
工程Bでは、工程Aで作製された正極体1の上に固体電解質層3を気相法により成膜して形成する。具体的な気相法としては、例えば、真空蒸着法、パルスレーザデポジション(PLD)法、レーザアブレーション法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの物理的蒸着(PVD)法が挙げられる。気相法の条件は、特に限定されないが、成膜時の成膜室内の雰囲気中の不純物濃度を低くするほど緻密な膜を形成できることから、成膜開始前に成膜室内の真空度を0.002Pa以下とすることが好ましい。固体電解質層を気相法により成膜して形成することから、粉末を成形する場合に比較して、固体電解質層を薄く形成することは容易である。また、固体電解質層を気相法により成膜することで、粉末を成形する場合に比較して、固体電解質層が緻密であり、負極活物質として金属Liを用いた場合でもデンドライト成長による内部短絡が生じ難い。
工程Bでは、工程Aで作製された正極体1の上に固体電解質層3を気相法により成膜して形成する。具体的な気相法としては、例えば、真空蒸着法、パルスレーザデポジション(PLD)法、レーザアブレーション法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの物理的蒸着(PVD)法が挙げられる。気相法の条件は、特に限定されないが、成膜時の成膜室内の雰囲気中の不純物濃度を低くするほど緻密な膜を形成できることから、成膜開始前に成膜室内の真空度を0.002Pa以下とすることが好ましい。固体電解質層を気相法により成膜して形成することから、粉末を成形する場合に比較して、固体電解質層を薄く形成することは容易である。また、固体電解質層を気相法により成膜することで、粉末を成形する場合に比較して、固体電解質層が緻密であり、負極活物質として金属Liを用いた場合でもデンドライト成長による内部短絡が生じ難い。
[C:負極体形成工程]
工程Cでは、工程Bで形成された固体電解質層の上に負極体を形成する。本例では、負極体は、負極活物質層および負極集電体の両方とも、固体電解質層と同様に、気相法により形成する。また、負極活物質層は、正極活物質層と同様に、活物質粒子をプレスした圧粉成形体とする他、例えば、ゾルゲル法、コロイド法、キャスティング法などの湿式法(塗布法)により形成したり、負極活物質の箔材を圧着することにより形成してもよい。なお、負極活物質層を負極活物質粒子の成形体とする場合、正極活物質層と同様に、固体電解質粒子を混合したり、必要に応じて導電助剤や結着剤を添加してもよい。
工程Cでは、工程Bで形成された固体電解質層の上に負極体を形成する。本例では、負極体は、負極活物質層および負極集電体の両方とも、固体電解質層と同様に、気相法により形成する。また、負極活物質層は、正極活物質層と同様に、活物質粒子をプレスした圧粉成形体とする他、例えば、ゾルゲル法、コロイド法、キャスティング法などの湿式法(塗布法)により形成したり、負極活物質の箔材を圧着することにより形成してもよい。なお、負極活物質層を負極活物質粒子の成形体とする場合、正極活物質層と同様に、固体電解質粒子を混合したり、必要に応じて導電助剤や結着剤を添加してもよい。
(その他の工程)
正極体1と固体電解質層3の間に中間層4を形成する場合、上記工程Aと工程Bの間で、中間層4を気相法や噴霧法により形成すればよい。この気相法は、固体電解質層を形成する際と同様の方法を用いることができる。噴霧法では、例えば、中間層の形成材料を溶媒に溶かしたものを正極体の正極活物質層側または、固体電解質層の正極体に対向する側に噴霧させることで中間層を形成することができる。また、正極活物質粒子自体に中間層の形成材料を被覆してもよい。その場合、ミキサー方式で正極活物質粒子を混合している中に、中間層の形成材料を溶媒に溶かしたものを噴霧させることで、正極活物質粒子に中間層の形成材料を被覆することができる。
正極体1と固体電解質層3の間に中間層4を形成する場合、上記工程Aと工程Bの間で、中間層4を気相法や噴霧法により形成すればよい。この気相法は、固体電解質層を形成する際と同様の方法を用いることができる。噴霧法では、例えば、中間層の形成材料を溶媒に溶かしたものを正極体の正極活物質層側または、固体電解質層の正極体に対向する側に噴霧させることで中間層を形成することができる。また、正極活物質粒子自体に中間層の形成材料を被覆してもよい。その場合、ミキサー方式で正極活物質粒子を混合している中に、中間層の形成材料を溶媒に溶かしたものを噴霧させることで、正極活物質粒子に中間層の形成材料を被覆することができる。
[作用効果]
上述した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
上述した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)正極活物質層が、粒径が5μm以上の粗粒と粒径が5μm未満の微粒とからなる複数の活物質粒子を含む圧粉成形体で、集電体側に微粒よりも粗粒の活物質粒子の含有量が多い基部と、固体電解質層側に微粒を含んで粗粒を含まない表面層を具えることで、固体電解質層側の表面を平滑にすることができる。つまり、活物質層の表面を研磨などの表面処理を施すことなく、平滑にすることができる。
(2)活物質層の表面が平滑なので、固体電解質を気相法により薄く成膜しても、正・負極間で短絡が生じ難くすることができる。
(3)正極活物質層に具わる基部と表面層とが界面を介することなく連続しているため、それぞれを構成する粒子同士の接触が不十分となり難いので、電池の抵抗の上昇を抑制することができる。
(4)上述した製造方法によれば、成形工程前に、粗粒の活物質粒子群を微粒の活物質粒子群よりも多く含む活物質粒子群と微粒の活物質粒子群とを個々に充填することで、両活物質粒子群の境界部で粗粒と微粒とを十分に接触させることができる。そして、成形工程で金型内の活物質粒子群を同時に加圧成形することで、集電体側に微粒よりも粗粒の活物質粒子の含有量が多い基部を、固体電解質層側に微粒を含み粗粒を含まない表面層を形成することができる。
<変形例>
実施形態では、正極物質層が、基部と表面層とを具える圧粉成形体である構成について説明した。ここでは、負極活物質層だけを基部と表面層とを具える圧粉成形体で構成する場合について説明する。以下、上述の実施形態との相違点を中心に説明し、同様の構成については省略する。
実施形態では、正極物質層が、基部と表面層とを具える圧粉成形体である構成について説明した。ここでは、負極活物質層だけを基部と表面層とを具える圧粉成形体で構成する場合について説明する。以下、上述の実施形態との相違点を中心に説明し、同様の構成については省略する。
<負極体>
負極体は、固体電解質層に対向される負極活物質層と、この負極活物質層の固体電解質層と反対側に対向される負極集電体とを具える。
負極体は、固体電解質層に対向される負極活物質層と、この負極活物質層の固体電解質層と反対側に対向される負極集電体とを具える。
[負極活物質層]
負極活物質層は、粒径が5μm以上の粗粒と、粒径が5μm未満の微粒とからなる複数の活物質粒子を含む圧粉成形体である。
負極活物質層は、粒径が5μm以上の粗粒と、粒径が5μm未満の微粒とからなる複数の活物質粒子を含む圧粉成形体である。
負極活物質が活物質粒子からなる場合、具体的な負極活物質としては、CのようにLiと化合物を形成することができる元素や、Nb2O5などのLiと化合物を形成することができる化合物、あるいは、SiやInなども利用できる。また、Liイオン伝導性を改善する電解質粒子を含有していても良い。その場合、加圧成形の原料である負極活物質粒子に電解質粒子を混合しておく。そうすることで、原料を加圧成形した際、負極活物質粒子と固体電解質粒子とを含む負極活物質層を形成できる。上記電解質粒子としては、例えば、Li2S−P2S5などの硫化物を好適に利用することができる。その他、負極活物質層は、導電助剤や結着剤を含んでいても良い。
この負極体は、上述の実施形態の正極体の製造方法と同様の工程を経て作製することができる。本例では、負極体の上に固体電解質層、正極体をこの順で積層して非水電解質電池を製造する。その際、固体電解質層は、上述の気相法により負極体の上に積層すればよい。正極体は、正極活物質層および正極集電体の両方とも、固体電解質層と同様に気相法で固体電解質層の上に成膜して形成すればよい。また、正極体の上に固体電解質層、負極体に固体電解質層を被覆した部材を準備し、固体電解質層同士を固体拡散接合などの接着方法により貼り合わせることで非水電解質電池を形成することもできる。
[作用効果]
上述した変形例では、負極体の負極活物質層を、粒径が5μm以上の粗粒と粒径が5μm未満の微粒とからなる複数の活物質粒子を含む圧粉成形体で、集電体側に微粒よりも粗粒の活物質粒子の含有量が多い基部と、固体電解質層側に微粒を含んで粗粒を含まない表面層とを具える層とすることで、負極体において固体電解質層側の表面を平滑にすることができる。つまり、負極体側から非水電解質電池を作製する場合においても、負極体の表面を薄い固体電解質層で覆うことができ、正・負極間の短絡を抑制することができる。
上述した変形例では、負極体の負極活物質層を、粒径が5μm以上の粗粒と粒径が5μm未満の微粒とからなる複数の活物質粒子を含む圧粉成形体で、集電体側に微粒よりも粗粒の活物質粒子の含有量が多い基部と、固体電解質層側に微粒を含んで粗粒を含まない表面層とを具える層とすることで、負極体において固体電解質層側の表面を平滑にすることができる。つまり、負極体側から非水電解質電池を作製する場合においても、負極体の表面を薄い固体電解質層で覆うことができ、正・負極間の短絡を抑制することができる。
<試験例>
図1に示す非水電解質電池100を作製し、その電池性能を評価した。まず、以下に示すように、非水電解質電池100の正極体1を作製した。
図1に示す非水電解質電池100を作製し、その電池性能を評価した。まず、以下に示すように、非水電解質電池100の正極体1を作製した。
[正極体試料1]
正極集電体11として厚さ20μmのSUS316L箔を用意した。一方で、正極活物質層12を構成する材料として、平均粒径D50が2μmと10μmである市販のLiCoO2の正極活物質粒子群およびLi2S−P2S5系固体電解質粒子群をそれぞれ用意した。なお、平均粒径D50とは、粒径のヒストグラム中、体積分布中心粒径D50のこと、つまり体積基準の累積分布曲線の50%に相当する粒径のことである。ここで、D50が2μmの粒子を調べたところ、D50が2μmの粒子群には5μm以上の粒子が含まれていなかった。Li2S−P2S5系固体電解質粒子には、Li2SとP2S5とをモル比で4:1の割合でボールミリング混合した後でAr雰囲気中240℃×1h熱処理したものを用いた。その正極活物質粒子群と固体電解質粒子群の同じ平均粒径同士を質量比で70:30となるようにそれぞれ混合して平均粒径D50が2μmからなる正極合剤fとD50が10μmからなる正極合剤cの2種類の正極合剤を作製した。
正極集電体11として厚さ20μmのSUS316L箔を用意した。一方で、正極活物質層12を構成する材料として、平均粒径D50が2μmと10μmである市販のLiCoO2の正極活物質粒子群およびLi2S−P2S5系固体電解質粒子群をそれぞれ用意した。なお、平均粒径D50とは、粒径のヒストグラム中、体積分布中心粒径D50のこと、つまり体積基準の累積分布曲線の50%に相当する粒径のことである。ここで、D50が2μmの粒子を調べたところ、D50が2μmの粒子群には5μm以上の粒子が含まれていなかった。Li2S−P2S5系固体電解質粒子には、Li2SとP2S5とをモル比で4:1の割合でボールミリング混合した後でAr雰囲気中240℃×1h熱処理したものを用いた。その正極活物質粒子群と固体電解質粒子群の同じ平均粒径同士を質量比で70:30となるようにそれぞれ混合して平均粒径D50が2μmからなる正極合剤fとD50が10μmからなる正極合剤cの2種類の正極合剤を作製した。
次に、上記SUS316L箔を金型内に配置し、そのSUS316L箔の上に上記粒子群を充填する。その際、先に正極合剤cを上記SUS316L箔の表面が完全に覆われるように金型内に充填し、その後、正極合剤fを、正極合剤cの最表面が完全に覆われるように金型内に充填した。そして、これらを同時に360MPaの圧力で加圧成形し、SUS316L箔の上に厚さ70μmの正極活物質層が形成された正極体を作製した。この正極体の断面をSEMにて観察した結果、正極活物質層12の集電体11側に正極合剤cからなる基部12b、その反対側は正極合剤fからなる表面層12fが形成されており、それぞれ層の厚さは、60μmと10μmであった。また、基部12bを構成している粒子の面積比率を調べたところ50%超であり、5μm以上の粒子の面積が、5μm未満の粒子の面積よりも多かった。
[正極体試料2]
正極体試料2は、正極合剤の平均粒径D50が2μmの正極合剤fのみで正極活物質層を形成した以外は、正極体試料1と同様にして作製した。
正極体試料2は、正極合剤の平均粒径D50が2μmの正極合剤fのみで正極活物質層を形成した以外は、正極体試料1と同様にして作製した。
[正極体試料3]
正極体試料3は、正極合剤の平均粒径D50が10μmの正極合剤cのみで正極活物質層を形成した以外は、正極体試料1と同様にして作製した。
正極体試料3は、正極合剤の平均粒径D50が10μmの正極合剤cのみで正極活物質層を形成した以外は、正極体試料1と同様にして作製した。
以上の各正極体試料の表面の算術平均粗さRa(JIS B 0601(2001))を測定した。その結果を表1に示す。
[電池の試作]
以上から作製された正極体試料1〜3を使用して、正極体試料の上に、中間層4、固体電解質層3、負極体2を順に気相法により積層し、図1の非水電解質電池100の電池A〜Cを作製する。
以上から作製された正極体試料1〜3を使用して、正極体試料の上に、中間層4、固体電解質層3、負極体2を順に気相法により積層し、図1の非水電解質電池100の電池A〜Cを作製する。
(中間層)
中間層4は、各正極体試料の正極活物質層12上に、エキシマレーザアブレーション法を用いてLiNbO3を成膜して形成した。ここでは、中間層4の平均厚さ10nmとした。また、中間層4の成膜条件は、蒸発源出力500mJ、圧力1Paの酸素雰囲気とした。
中間層4は、各正極体試料の正極活物質層12上に、エキシマレーザアブレーション法を用いてLiNbO3を成膜して形成した。ここでは、中間層4の平均厚さ10nmとした。また、中間層4の成膜条件は、蒸発源出力500mJ、圧力1Paの酸素雰囲気とした。
(固体電解質層)
次いで、中間層4の上に、レーザー蒸着法を用いてLi2S−P2S5系固体電解質を成膜して、厚さ10μmの固体電解質層3を形成した。Li2S−P2S5系固体電解質原料には、Li2SとP2S5とをモル比で4:1の割合で混合したものを用いた。
次いで、中間層4の上に、レーザー蒸着法を用いてLi2S−P2S5系固体電解質を成膜して、厚さ10μmの固体電解質層3を形成した。Li2S−P2S5系固体電解質原料には、Li2SとP2S5とをモル比で4:1の割合で混合したものを用いた。
(負極体)
固体電解質層3の上に、真空蒸着法を用いて金属Liを成膜して、厚さ1μmの負極活物質層22を形成した。最後に、負極活物質層22の上に、負極集電体21となる厚さ500μmのLi箔を貼り合わせて圧着し、負極体2を作製した。
固体電解質層3の上に、真空蒸着法を用いて金属Liを成膜して、厚さ1μmの負極活物質層22を形成した。最後に、負極活物質層22の上に、負極集電体21となる厚さ500μmのLi箔を貼り合わせて圧着し、負極体2を作製した。
[電池性能の評価]
電池A〜Cに対して、電流密度0.05mA/cm2、充電終止電圧4.2V、放電終止電圧3.0Vの条件で充放電する。その際、放電開始時の電圧降下により電池の内部抵抗(Ω・cm2)を求めた。その結果を表2に示す。また、各電池A〜Cをそれぞれ20個ずつ作製し、全電池に対して同条件で充放電し、4.2Vまで充電できた割合をサイクル率として求めた。
電池A〜Cに対して、電流密度0.05mA/cm2、充電終止電圧4.2V、放電終止電圧3.0Vの条件で充放電する。その際、放電開始時の電圧降下により電池の内部抵抗(Ω・cm2)を求めた。その結果を表2に示す。また、各電池A〜Cをそれぞれ20個ずつ作製し、全電池に対して同条件で充放電し、4.2Vまで充電できた割合をサイクル率として求めた。
<結果>
上記試験より、電池AとCは低抵抗であった。これは、平均粒径が大きい正極合剤で正極活物質層を構成しているため、粒子同士の接点が多くなるため電子伝導性を高めることができたため抵抗を低くすることができたと考えられる。また、サイクル率は、電池AとBの方が電池Cに比べて高かった。これは、正極活物質層の固体電解質層側の表面を平滑にすることができたため、固体電解質層で正極活物質層の表面を完全に覆うことができたからであると考えられる。その結果、正負極間の短絡を抑制することができたため、サイクル率を高めることができたと考えられる。
上記試験より、電池AとCは低抵抗であった。これは、平均粒径が大きい正極合剤で正極活物質層を構成しているため、粒子同士の接点が多くなるため電子伝導性を高めることができたため抵抗を低くすることができたと考えられる。また、サイクル率は、電池AとBの方が電池Cに比べて高かった。これは、正極活物質層の固体電解質層側の表面を平滑にすることができたため、固体電解質層で正極活物質層の表面を完全に覆うことができたからであると考えられる。その結果、正負極間の短絡を抑制することができたため、サイクル率を高めることができたと考えられる。
また、各電池A〜Cの固体電解質層3の厚みを8μmとしたものをそれぞれ作製し、上述の試験と同様の試験を行ったところ、上述の試験結果と同様の結果であった。
なお、本発明は上述の実施の形態に何ら限定されることはない。即ち、上述した実施形態に記載の非水電解質電池の構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、正・負極の両活物質層を粒径が5μm以上の粗粒と、粒径が5μm未満の微粒とからなる複数の活物質粒子を含む圧粉成形体で、集電体側に微粒よりも粗粒の活物質粒子が多い基部と、固体電解質層側に微粒を含み粗粒を含まない表面層とを具える構成としてもよい。その場合、正極体と負極体の両方とも同様の構成で構成したので、より一層薄い固体電解質で、正・負極間の短絡を抑制することができる。
本発明電極体は、Liイオン二次電池などに好適に利用することができる。本発明非水電解質電池は、充放電を繰り返すことを前提した電源として好適に利用可能である。
100 非水電解質電池
1 正極体
11 正極集電体 12 正極活物質層 12b 基部 12f 表面層
2 負極体
21 負極集電体 22 負極活物質層
3 固体電解質層
4 中間層
1 正極体
11 正極集電体 12 正極活物質層 12b 基部 12f 表面層
2 負極体
21 負極集電体 22 負極活物質層
3 固体電解質層
4 中間層
Claims (7)
- 固体電解質層に対向される活物質層と、この活物質層の固体電解質層と反対側に対向される集電体とを具え、非水電解質電池に利用される電極体であって、
前記活物質層は、
粒径が5μm以上の粗粒と、粒径が5μm未満の微粒とからなる複数の活物質粒子を含む圧粉成形体で、
前記集電体側に、微粒よりも粗粒の活物質粒子の含有量が多い基部と、
前記固体電解質層側に、前記微粒を含んで粗粒を含まない表面層とを具えることを特徴とする電極体。 - 前記基部と表面層とは、界面を介することなく連続していることを特徴とする請求項1に記載の電極体。
- 前記表面層の厚みは、5μm以上を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の電極体。
- 前記微粒の粒径は、2μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極体。
- 前記粗粒の粒径は、50μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極体。
- 固体電解質層に対向される活物質層を集電体の上に成形して非水電解質電池に利用される電極体を製造する電極体の製造方法であって、
前記集電体と、粒径が5μm以上の粗粒と粒径が5μm未満の微粒の各活物質粒子群とを準備する準備工程と、
前記集電体を金型に配置する配置工程と、
前記集電体上に、前記微粒の活物質粒子群よりも粗粒の活物質粒子群を多く含む活物質粒子群を充填する一次充填工程と、
前記一次充填工程で充填された活物質粒子群上に、前記微粒の活物質粒子群を充填する二次充填工程と、
前記二次充填工程後、金型内の活物質粒子群を加圧成形して、前記集電体側に微粒よりも粗粒の活物質粒子の含有量が多い基部を、前記固体電解質層側に微粒を含んで粗粒を含まない表面層を具える圧粉成形体で活物質層を形成する成形工程とを具えることを特徴とする電極体の製造方法。 - 正極体と、負極体と、両電極体の間に配される固体電解質層とを具える非水電解質電池であって、
前記正極体と負極体の少なくとも一方の電極体は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電極体であることを特徴とする非水電解質電池。
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-
2011
- 2011-01-06 JP JP2011001493A patent/JP2012146395A/ja active Pending
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