JP2020123538A - 全固体電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】反応ムラが抑制された全固体電池を提供する。【解決手段】正極集電体10、正極層20、固体電解質層30、負極層、負極集電体をこの順で備えた全固体電池において、正極層20は、層状正極活物質とスピネル型正極活物質とを含み、正極層20は、第1の正極層21と該第1の正極層21及び正極集電体10の間に配置される第2の正極層22とを備え、第1の正極層21はスピネル型正極活物質よりも層状正極活物質を多く含み、第2の正極層22は層状正極活物質よりもスピネル型正極活物質を多く含む全固体電池。【選択図】図2

Description

本願は全固体電池を開示する。
特許文献1は、リチウムイオンを吸蔵放出可能な岩塩層状構造の正極活物質を備えた全固体電池を開示している。特許文献2は、正極層と固体電解質層との間に中間層を含み、該中間層は単斜晶系LiMO(但し、MはTi又はMnを示す。)を含む、全固体型電池用積層体を開示している。特許文献3は、層状正極活物質、スピネル型正極活物質、又はオリビン型正極活物質から選択された粒子状正極活物質を用い、正極層は平均粒子径が異なる2種類以上の粒子状正極活物質を含有している正極体を開示している。特許文献4は、放電時に膨張し、充電時に収縮するスピネル型結晶構造の第一活物質粉末と、放電時に収縮し、充電時に膨張する層状岩塩型結晶構造の第二活物質粉末とを、体積%で1:2〜2:1で混合した正極を開示している。
特開2014−146458号公報 特開2014−110149号公報 特許第5262143号公報 特開2012−248454号公報
全固体電池において、正極活物質としてスピネル型結晶構造の正極活物質を用いた場合、反応ムラが大きい。これは高SoC(State of Charge)である正極活物質と低SoCである正極活物質との電位差が小さく、固体電解質層側の正極活物質が優先的に反応してしまうためである。
そこで、本願は反応ムラが抑制された全固体電池を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、全固体電池の正極活物質層において、第1の正極層と該第1の正極層及び正極集電体の間に配置される第2の正極層とを備え、第1の正極層はスピネル型正極活物質よりも層状正極活物質を多く含み、第2の正極層は層状正極活物質よりもスピネル型正極活物質を多く含むことにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本願は上記課題を解決するための一つの手段として、正極集電体、正極層、固体電解質層、負極層、負極集電体をこの順で備えた全固体電池において、正極層は、層状正極活物質とスピネル型正極活物質とを含み、正極層は、第1の正極層と該第1の正極層及び正極集電体の間に配置される第2の正極層とを備え、第1の正極層はスピネル型正極活物質よりも層状正極活物質を多く含み、第2の正極層は層状正極活物質よりもスピネル型正極活物質を多く含む、全固体電池を開示する。
本開示の全固体電池によれば、反応ムラを抑制することができる。
全固体電池100の概略断面図である。 正極層20に着目した拡大断面図である。 正極層に第2の正極層のみを用いた場合である。上部に第2の正極層に着目した断面図を、下部にLNMOの電位カーブを示した。 正極層に第1の正極層のみを用いた場合である。上部に第1の正極層に着目した断面図を、下部にNCMの電位カーブを示した。 正極層に本開示の正極層を用いた場合である。上部に本開示の正極層に着目した断面図を、下部に正極層の電位カーブを第1の正極層と第2の正極層とに分けて示した。 実施例1〜5、比較例1、2の結果を示す図である。
[全固体電池]
本開示の全固体電池について、一実施形態である全固体電池100を参照しつつ説明する。
全固体電池100は正極集電体10、正極層20、固体電解質層30、負極層40、負極集電体50をこの順で備えている。「この順で備え」とは、各層がこの順番に配置された形態であり、各層間に他の層が配置される形態を妨げない。言い換えると、各層が直接的にこの順で配置された形態のほか、各層間に他の層が配置され、間接的にこの順で配置された形態を含む。
図1に全固体電池100の概略断面図を示した。
(正極層20)
正極層20は少なくとも正極活物質を含む。正極活物質としては、層状正極活物質とスピネル型正極活物質とを含む。図2に正極層20に着目した拡大断面図を示した。
図2に示したとおり、正極層20は第1の正極層21と該第1の正極層21及び正極集電体10の間に配置される第2の正極層22とを備えている。そして、第1の正極層21はスピネル型正極活物質よりも層状正極活物質を多く含み、第2の正極層22は層状正極活物質よりもスピネル型正極活物質を多く含むことを特徴としている。
図2に示したとおり、正極集電体10の一方側の面に第2の正極層22が積層され、第2の正極層22の一方側の面に第1の正極層21が積層され、第1の正極層21の一方側の面に固体電解質層30が積層されている。
ただし、本開示の全固体電池において、正極層は正極集電体側から固体電解質層側に向かって第2の正極層、第1の正極層をこの順で備えていればよい。言い換えると、本開示の全固体電池において、正極層は2層以上であってもよく、正極集電体と第2の正極層の間、第2の正極層と第1の正極層との間、第1の正極層と固体電解質層との間に、他の層を備えていてもよい。
また、上記した「第1の正極層21はスピネル型正極活物質よりも層状正極活物質を多く含み」とは、第1の正極層21は正極活物質として、重量基準でスピネル型正極活物質よりも層状正極活物質を多く含む状態を意味し、スピネル型正極活物質は含まれていなくてもよい。言い換えると、第1の正極層21は正極活物質として少なくとも層状正極活物質を含み、第1の正極層21が正極活物質としてスピネル型正極活物質及び層状正極活物質を含む場合は、重量基準でスピネル型正極活物質よりも層状正極活物質を多く含むことを意味する。好ましくは、第1の正極層21に含まれる正極活物質が層状正極活物質からなる、又は、第1の正極層21に含まれる正極活物質がスピネル型正極活物質及び層状正極活物質を含む場合は、重量比率でスピネル型正極活物質:層状正極活物質=0:10〜3:7の割合で含む。
「第2の正極層22は層状正極活物質よりもスピネル型正極活物質を多く含む」とは、第2の正極層22は正極活物質として、重量基準で層状正極活物質よりもスピネル型正極活物質を多く含む状態を意味し、層状正極活物質は含まれていなくてもよい。言い換えると、第2の正極層22は正極活物質として少なくともスピネル型正極活物質を含み、第2の正極層22が正極活物質としてスピネル型正極活物質及び層状正極活物質を含む場合は、重量基準で層状正極活物質よりもスピネル型正極活物質を多く含むことを意味する。好ましくは、第2の正極層22に含まれる正極活物質がスピネル型正極活物質からなる、又は、第2の正極層22に含まれる正極活物質がスピネル型正極活物質及び層状正極活物質を含む場合は、重量比率でスピネル型正極活物質:層状正極活物質=10:0〜7:3の割合で含む。
層状正極活物質としては、LiCoO、LiNiO、Li1+xNiCoMn1−a−b(0.05≦x≦0.3、0.24≦a≦0.26、0.24≦b≦0.26)(本明細書において、「NCM」ということがある。)等を挙げることができる。好ましくはNCMである。
スピネル型正極活物質としては、LiMn、LiCoMnO、LiNiMn2−x(0≦x≦0.5)(本明細書において、x=0.5のものを「LNMO」ということがある。)等を挙げることができる。好ましくはLNMOである。
このように正極層20が第1の正極層21と第2の正極層22とを上記した所定の順に備えられている理由は、次のとおりである。
まず、正極層に上記の第2の正極層のみを用いた場合を考える。図3上部に第2の正極層に着目した断面図を、下部にスピネル型正極活物質(LNMO)の電位カーブ(縦軸:電位、横軸:容量)を示した。これは後述の比較例1を表している。なお、図3下部において丸で示した箇所と、図3の上下部の図の関係を示す矢印は、下記を視覚的に説明するために便宜的に付したものである。以下の図4、5も同様である。
図3のとおり、LNMOは高SoCである正極活物質と低SoCである正極活物質との電位差が小さい。そのため、固体電解質層側の正極活物質が優先的に反応し続ける。その結果、固体電解質層側の正極活物質が高SoCとなり、電位が立ち上がることで上限電圧に達する。一方で、正極集電体側の正極活物質は低SoCのままである。そのため、スピネル型正極活物質のみを用いた正極層は反応ムラが大きく、十分にエネルギーを取り出せない問題がある。
次に、正極層に上記の第1の正極層のみを用いた場合を考える。図4上部に第1の正極層に着目した断面図を、下部に層状正極活物質(NCM)の電位カーブ(縦軸:電位、横軸:容量)を示した。これは後述の比較例2を表している。
図4のとおり、NCMはSoCに対する電位スロープが大きいため、厚み方向(積層方法)の充電ムラが小さい。ただし、層状正極活物質(NCM)はスピネル型正極活物質(LNMO)に比べて抵抗が大きいため、短時間の出力が不利になる問題がある。
最後に、本開示の正極層を用いた場合を考える。図5上部に本開示の正極層に着目した断面図を、下部に正極層の電位カーブ(縦軸:電位、横軸:容量)を第1の正極層と第2の正極層とに分けて示した。なお、第1の正極層は正極活物質としてNCMを用い、第2の正極層の正極活物質としてLNMOを用いた。これは後述の実施例1〜5を表している。 図5のとおり、NMCはLNMOの反応電位周辺にも容量を持ち、また、SoCに対する電位スロープが大きいため厚み方向の充電ムラが小さい。また、正極集電体側の正極活物質は固体電解質層側に比べて厚み方向のムラが小さい。そのため、このような正極層は十分な充電エネルギー密度を有することとなる。
よって、正極層20によれば、第1の正極層21と第2の正極層22とを所定の順に備えることで、正極層20全体として反応ムラが小さくなり、充電エネルギー密度が向上することができる。
なお、第1の正極層21と第2の正極層22と配置順を逆にした場合では、上記の効果を奏さない。固体電解質層側では特に反応にムラが起こりやすくなるため、第1の正極層21と第2の正極層22と配置順を逆にすると、反応ムラの大きいスピネル型正極活物質が、反応ムラが起こりやすい固体電解質層側に配置されることとなり、充電エネルギー密度がさらに取得し難くなるからである。
また、正極層20全体に含まれる層状正極活物質及びスピネル型正極活物質の合計の重量を1としたとき、スピネル型正極活物質の重量比率xが0.7≦x<1であることが好ましい。これにより、充電エネルギー密度が向上するとともに、短時間出力の低下も抑制、すなわち、抵抗も抑制することができる。
このような重量比率は、正極断面のSEM−EDX画像から、それぞれの正極活物質粒子を判断し、その面積比を混合粒子体積比とみなし、次いで真密度から算出することができる。
正極層20は、上記した正極活物質に加えて、任意に固体電解質、バインダー及び導電助剤等を含ませることができる。正極層20に含まれ得る固体電解質は無機固体電解質が好ましい。有機ポリマー電解質と比較してイオン伝導度が高いためである。また、有機ポリマー電解質と比較して、耐熱性に優れるためである。好ましい無機固体電解質としては、例えば、ランタンジルコン酸リチウム、LiPON、Li1+XAlGe2−X(PO、Li−SiO系ガラス、Li−Al−S−O系ガラス等の酸化物固体電解質;LiS−P、LiS−SiS、LiI−LiS−SiS、LiI−SiS−P、LiS−P−LiI−LiBr、LiI−LiS−P、LiI−LiS−P、LiI−LiPO−P、LiS−P−GeS等の硫化物固体電解質を例示することができる。特に、硫化物固体電解質が好ましく、LiS−Pを含む硫化物固体電解質がより好ましく、LiS−P−LiI−LiBrを含む硫化物固体電解質がさらに好ましい。正極層20に含まれ得るバインダーとしては、例えば、ブタジエンゴム(BR)、ブチレンゴム(IIR)、アクリレートブタジエンゴム(ABR)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等が挙げられる。正極層20に含まれ得るバインダーとしては、例えば、ブタジエンゴム(BR)、ブチレンゴム(IIR)、アクリレートブタジエンゴム(ABR)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げられる。正極層20に含まれ得る導電剤としてはアセチレンブラックやケッチェンブラック、気相法炭素繊維(VGCF)等の炭素材料やニッケル、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属材料が挙げられる。
正極層20における各成分の含有量は従来と同様とすればよい。正極層20の形状も従来と同様とすればよい。特に、全固体電池100を容易に構成できる観点から、シート状の正極層が好ましい。この場合、正極層20の厚みは、例えば0.1μm以上1mm以下であることが好ましく、1μm以上150μm以下であることがより好ましい。第1の正極層21、第2の正極層22の厚みも適宜設定する。
(固体電解質層30)
固体電解質層30は、少なくとも固体電解質を含む。固体電解質層30には、固体電解質に加えて、任意にバインダーを含ませることができる。固体電解質は無機固体電解質が好ましい。有機ポリマー電解質と比較してイオン伝導度が高いためである。また、有機ポリマー電解質と比較して、耐熱性に優れるためである。好ましい無機固体電解質としては、例えば、ランタンジルコン酸リチウム、LiPON、Li1+XAlGe2−X(PO、Li−SiO系ガラス、Li−Al−S−O系ガラス等の酸化物固体電解質;LiS−P、LiS−SiS、LiI−LiS−SiS、LiI−SiS−P、LiS−P−LiI−LiBr、LiI−LiS−P、LiI−LiS−P、LiI−LiPO−P、LiS−P−GeS等の硫化物固体電解質を例示することができる。特に、硫化物固体電解質が好ましく、LiS−Pを含む硫化物固体電解質がより好ましく、LiS−P−LiI−LiBrを含む硫化物固体電解質がさらに好ましい。バインダーは上述したバインダーと同様のものを適宜選択して用いることができる。固体電解質層30における各成分の含有量は従来と同様とすればよい。固体電解質層30の形状も従来と同様とすればよい。特に、全固体電池100を容易に構成できる観点から、シート状の固体電解質層が好ましい。この場合、固体電解質層30の厚みは、例えば0.1μm以上1mm以下であることが好ましく、1μm以上100μm以下であることがより好ましい。
(負極層40)
負極層40は、少なくとも負極活物質を含む。負極層40には、負極活物質に加えて、任意に固体電解質、バインダー及び導電剤等を含ませることができる。負極活物質は公知の負極活物質を用いればよい。例えば、リチウムイオン電池を構成する場合は、負極活物質としてSiやSi合金や酸化ケイ素等のシリコン系活物質;グラファイトやハードカーボン等の炭素系活物質;チタン酸リチウム等の各種酸化物系活物質;金属リチウムやリチウム合金等を用いることができる。負極層40に含まれ得る固体電解質は無機固体電解質が好ましい。有機ポリマー電解質と比較してイオン伝導度が高いためである。また、有機ポリマー電解質と比較して、耐熱性に優れるためである。好ましい無機固体電解質としては、例えば、ランタンジルコン酸リチウム、LiPON、Li1+XAlGe2−X(PO、Li−SiO系ガラス、Li−Al−S−O系ガラス等の酸化物固体電解質;LiS−P、LiS−SiS、LiI−LiS−SiS、LiI−SiS−P、LiS−P−LiI−LiBr、LiI−LiS−P、LiI−LiS−P、LiI−LiPO−P、LiS−P−GeS等の硫化物固体電解質を例示することができる。特に、硫化物固体電解質が好ましく、LiS−Pを含む硫化物固体電解質がより好ましく、LiS−P−LiI−LiBrを含む硫化物固体電解質がさらに好ましい。負極層40に含まれ得るバインダーとしては、例えば、ブタジエンゴム(BR)、ブチレンゴム(IIR)、アクリレートブタジエンゴム(ABR)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げられる。負極層40に含まれ得る導電剤としてはアセチレンブラックやケッチェンブラック、気相法炭素繊維(VGCF)等の炭素材料やニッケル、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属材料が挙げられる。負極層40における各成分の含有量は従来と同様とすればよい。負極層40の形状も従来と同様とすればよい。特に、全固体電池100を容易に構成できる観点から、シート状の負極合材層が好ましい。この場合、負極層40の厚みは、例えば0.1μm以上1mm以下であることが好ましく、1μm以上150μm以下であることがより好ましい。ただし、負極の容量が正極の容量よりも大きくなるように、負極層40の大きさ(面積や厚み)を決定することが好ましい。
(正極集電体10、負極集電体50)
正極集電体10及び負極集電体50は、金属箔や金属メッシュ等により構成すればよい。特に金属箔が好ましい。正極集電体10及び負極集電体50を構成する金属としては、Cu、Ni、Cr、Au、Pt、Ag、Al、Fe、Ti、Zn、Co、ステンレス鋼等が挙げられる。特にCu、Alが好ましい。正極集電体10及び負極集電体50は、その表面に、抵抗を調整するための何らかのコート層を有していてもよい。正極集電体10及び負極集電体50の各々の厚みは特に限定されるものではない。例えば0.1μm以上1mm以下であることが好ましく、1μm以上100μm以下であることがより好ましい。
以上より、全固体電池100を用いて、本開示の全固体電池について説明した。本開示の全固体電池によれば、反応ムラを抑制することができる。
本開示の全固体電池は公知の方法により製造することができる。例えば、別々に作製した正極層、固体電解質層、負極層を積層して、プレスすることで作製することができる。正極集電体又は負極集電体は、これらの積層前に正極層又は負極層に配置されていてもよく、これらの積層後に配置してもよい。正極層は、基材又は正極集電体に第2の正極層を構成する成分を有するスラリーを塗布し、乾燥させ、さらに第1の正極層を構成する成分を有するスラリーを塗布し、乾燥させ、これらをプレスすることにより作製することができる。
以下、本開示の全固体電池について、実施例を用いてさらに説明する。
なお、以下に記載の非極性溶媒はヘプタン若しくは酪酸ブチル、又はこれらの混合物である。
[全固体電池の作製]
<実施例1>
(正極の作製)
活物質(LNMO)及び硫化物固体電解質(LiI−LiO−LiS−P)を重量比率が85:15となるように秤量した。また、活物質100部に対してバインダー(PVDF)が1.5部、導電助材(VGCF)が3.0部となるように秤量した。そして、非極性溶媒を用いて、秤量したこれらの固形分率が63wt%となるように混合し、超音波ホモジナイザーを用いて1分間に亘って混練することにより、正極層用スラリー1を作製した。作製した正極層用スラリー1をアルミニウム箔(正極集電体)に塗工し、加熱乾燥した。
次に、活物質(NCM)及び硫化物固体電解質(LiI−LiO−LiS−P)を重量比率が75:25となるように秤量した。また、活物質100部に対してバインダー(PVDF)が1.5部、導電助材(VGCF)が3.0部となるように秤量した。そして、非極性溶媒を用いて、秤量したこれらの固形分率が63wt%となるように混合し、超音波ホモジナイザーを用いて1分間に亘って混練することにより、正極層用スラリー2を作製した。作製した正極用スラリー2を上記で乾燥させた正極合材層上に塗工し、加熱乾燥させた。
そして、得られた積層体を25℃、線圧1ton/cmでプレスして、正極集電体、正極層を積層した正極を得た。
SEM−EDX装置(日立ハイテクノロジーズ製)を用いて取得した正極断面のSEM−EDX画像から、Ni、Mn若しくはNi、Mn、Coを含む粒子をそれぞれ判別し、その面積比を混合粒子体積比とみなした。そして、LNMO及びNCMの真密度から、LNMOの混合粒子重量比率(LNMO比率)を算出した。結果を表1に示した。
(負極の作製)
活物質(チタン酸リチウム:LTO)及び硫化物固体電解質(LiI−LiO−LiS−P)を重量比率が58:42となるように秤量した。また、活物質100部に対してバインダー(PVDF)が1.5部、導電助材(VGCF)が5.0部となるように秤量した。そして、非極性溶媒を用いて、秤量したこれらの固形分率が63wt%となるように混合し、超音波ホモジナイザーを用いて1分間に亘って混練することにより、負極層用スラリー1を作製した。作製した負極層用スラリー1をNi箔(負極集電体)に塗工し、加熱乾燥した。そして、得られた積層体を25℃、線圧1ton/cmでプレスして、負極集電体、負極層を積層した負極を得た。
なお、塗工の際に、正負極の容量比が1:1となるように調整した。
(全固体電池の作製)
固体電解質層(LiI−LiO−LiS−P)を挟んで正極及び負極が対向するように積層した後、線圧5tonでプレスすることにより、実施例1に係る全固体電池を得た。
<実施例2〜5>
正極のLNMOの混合粒子重量比が表1の値となるように、二層塗工を調整して正極層を作製した以外は、実施例1に係る全固体電池の作製方法と同様に作製し、実施例2〜5に係る全固体電池を得た。
<比較例1>
正極層を上記第1の正極スラリーのみを用いて作製した以外は、実施例1に係る全固体電池の作製方法と同様に作製し、比較例1に係る全固体電池を得た。
<比較例2>
正極層を上記第2の正極スラリーのみを用いて作製した以外は、実施例1に係る全固体電池の作製方法と同様に作製し、比較例2に係る全固体電池を得た。
<比較例3>
(正極の作製)
活物質(LNMO)とバインダー(PVDF)と導電助材(VGCF)とを、活物質100部に対してバインダーが1.5部、導電助材が3.0部となるように秤量した。そして、非極性溶媒を用いて、秤量したこれらの固形分率が63wt%となるように混合し、超音波ホモジナイザーを用いて1分間に亘って混練することにより、正極層用スラリー3を作製した。作製した正極層用スラリー3をアルミニウム箔(正極集電体)に塗工し、加熱乾燥した。
得られた積層体を空隙が20vol%となるようにプレスし、正極集電体、正極層を積層した正極を得た。
(負極の作製)
活物質(LTO)とバインダー(PVDF)と導電助材(VGCF)とを、活物質100部に対してバインダーが1.5部、導電助材が5.0部となるように秤量した。そして、非極性溶媒を用いて、秤量したこれらの固形分率が63wt%となるように混合し、超音波ホモジナイザーを用いて1分間に亘って混練することにより、負極層用スラリー2を作製した。作製した負極層用スラリー2をNi箔(負極集電体)に塗工し、加熱乾燥した。そして、得られた積層体を25℃、線圧1ton/cmでプレスして、負極集電体、負極層を積層した負極を得た。
(液系電池の作製)
ポリマー製(ポリプロピレン又はポリカーボネート)のセパレータを挟んで正極及び負極が対向するように積層した後、電解液(1.0M LiPF、EC(エチレンカーボネート):DMC(ジメチルカーボネート)=1:1)を注入し、封止することで比較例3に係る電池を得た。
<比較例4>
以下により作製した正極を用いた以外は、比較例3の電池の作製方法と同様の方法で作製し、比較例4に係る電池を得た。
(正極の作製)
活物質(LNMO)とバインダー(PVDF)と導電助材(VGCF)とを、活物質100部に対してバインダーが1.5部、導電助材が3.0部となるように秤量した。そして、非極性溶媒を用いて、秤量したこれらの固形分率が63wt%となるように混合し、超音波ホモジナイザーを用いて1分間に亘って混練することにより、正極層用スラリー3を作製した。作製した正極層用スラリー3をアルミニウム箔(正極集電体)に塗工し、加熱乾燥した。
活物質(NCM)とバインダー(PVDF)と導電助材(VGCF)とを、活物質100部に対してバインダーが1.5部、導電助材が3.0部となるように秤量した。そして、非極性溶媒を用いて、秤量したこれらの固形分率が63wt%となるように混合し、超音波ホモジナイザーを用いて1分間に亘って混練することにより、正極層用スラリー4を作製した。作製した正極層用スラリー4を上記で乾燥させた正極合材層上に塗工し、加熱乾燥させた。
得られた積層体を空隙が20vol%となるようにプレスし、正極集電体、正極層を積層した正極を得た。
LNMOの混合粒子重量比率を算出方法は、上記と同様である。結果を表1に示した。
[評価]
25℃の恒温槽内で、上記により作製した電池を3.5Vまで1/10CでCCCV充電(1/500 Cut)を行い、それぞれの電池の充電容量を得た。また、重量当たりの容量と平均電圧の積から充電エネルギー密度を算出した。
次に、電池をSoC50%に調整し、10sec定電力放電を行い、1.5Vカットまでの10sec放電出力値を得た。なお、10sec定電力放電は、それぞれの電池に合わせて条件を設定した。
これらの結果を表1に示した。なお、実施例1〜5、比較例1〜2の結果については、比較例1の充電エネルギー密度及び10sec放電出力値をそれぞれ1.00とし、これに対する比率で表している。また、比較例3〜4の結果については、比較例3の充電エネルギー密度及び10sec放電出力値をそれぞれ1.00とし、これに対する比率で表している。
また、実施例1〜5、比較例1〜2のLNMO比率と充電エネルギー密度比率又は10sec放電出力値比率との関係について、図6に示した。
表1、図6より、実施例1〜5の充電エネルギー密度は比較例1、2よりも高いことが分かった。充電エネルギー密度は反応ムラを表すパラメータともいえる。よって、NMCを正極活物質として含む第1の正極層と、LNMOを正極活物質として含む第2の正極層とを備える正極層を用いることで、反応ムラが抑制されることが分かった。
ここで、実施例1〜5、比較例1、2の充電エネルギー密度の結果についてさらに検討する。LNMO比率が1〜0.7において充電エネルギー密度が向上する理由は、反応ムラが抑制され、理論値に近い容量が得られるようになるためであると考えられる。一方で、LNMO比率が0.7〜0において減少する理由は、平均電位の低いNMCの比率が増加するからである。
次に10sec放電出力値の結果について検討する。NCMの抵抗はLNMOの抵抗に比べて高いため、NMCの含有比率が増加すると短時間出力が低下すると考えられる。
実施例1〜3では10sec放電出力値はそれほど低下していないが、LNMO比率が0.7未満となると、急激に10sec放電出力値が低下している。このことから、LNMO比率が0.7未満になるとNCMの性質が強く現れ始めると考えられる。これは、LNMO比率が0.7未満になると充電エネルギー密度が低下し始めたこととも一致する。
よって、充電エネルギー密度を向上させるとともに、短時間出力の低下を抑制するためには、LNMO比率が0.7以上1未満であることが良いことがわかる。
なお、表1の比較例3、4によれば、液系電池においてLNMO比率を0.8にしたとしても、それほど強く効果が表れないことが分かった。これは、比較例3、4は液系電池を用いたため、電解液では対イオンの拡散律速によっても反応ムラが現れ、正極を2層化することによる効果が限定的になったためであると考えられる。実施例1〜5、比較例1、2のように、固体電解質を用いる場合、Liイオン輸送率が1となり、電解質内の拡散の影響が小さいため、上記の効果が得られたと推察できる。
10 正極集電体
20 正極層
21 第1の正極層
22 第2の正極層
30 固体電解質層
40 負極層
50 負極集電体
100 全固体電池

Claims (1)

  1. 正極集電体、正極層、固体電解質層、負極層、負極集電体をこの順で備えた全固体電池において、
    前記正極層は、層状正極活物質とスピネル型正極活物質とを含み、
    前記正極層は、第1の正極層と該第1の正極層及び前記正極集電体の間に配置される第2の正極層とを備え、
    前記第1の正極層は前記スピネル型正極活物質よりも前記層状正極活物質を多く含み、
    前記第2の正極層は前記層状正極活物質よりも前記スピネル型正極活物質を多く含む、
    全固体電池。
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