JP2012160379A - 非水電解質電池及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】各活物質層における活物質の体積変化の面内分布を抑制し、サイクル特性を改善できる非水電解質電池とその製造方法とを提供する。
【解決手段】この非水電解質電池100は、正極活物質層12、負極活物質層22、及びこれら両活物質層12,22の間に介在される硫化物固体電解質層40を備える。この電池100は、硫化物固体電解質層40の外周部に、酸素濃度20at%以上、厚さ35nm以下の酸化層50を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン電池などの非水電解質電池とその製造方法に関するものである。
充放電を繰り返すことを前提とした電源として、正極体と負極体とこれら電極体の間に配される電解質層とを備える非水電解質電池が利用されている。この電池に備わる電極体はさらに、集電機能を有する集電体と、活物質を含む活物質層とを備える。このような非水電解質電池のなかでも特に、正・負極体間のLiイオンの移動により充放電を行う非水電解質電池は、小型でありながら高い放電容量を備える。
上記非水電解質電池を作製する技術としては、例えば、特許文献1に記載のものが挙げられる。この特許文献1では、非水電解質電池の作製にあたり、正極集電体上に粉末成形体の正極活物質層を備える正極体と、負極集電体上に粉末成形体の負極活物質層を備える負極体とを別個に作製している。これら電極体はそれぞれ固体電解質層を備えており、これら正極体と負極体とを重ね合わせることで非水電解質電池を作製している。その重ね合わせの際、特許文献1の技術では、両電極体に備わる固体電解質層同士を、950MPaを超える高圧で圧接している。
特開2008-103289号公報
しかし、特許文献1の非水電解質電池には、以下に示すような改善の余地がある。
第一に、電池の充放電時、各活物質層と固体電解質層との界面の外周部には電流が集中し易く、この電流集中は、活物質層における活物質の体積変化に面内分布を生じさせる。その結果、各活物質層と固体電解質層との良好な接合が維持できなくなり、利用できない活物質が増加して、サイクル特性が劣化する虞がある。
第二に、両電極体を高圧で圧接するため、各電極体に割れなどが生じる虞がある。特に、粉末成形体からなる活物質層が割れ易く、割れてしまうと非水電解質電池の性能が著しく低下する虞がある。
第三に、上記電池の固体電解質層は、正極側固体電解質層と負極側固体電解質層とを圧接することで形成されるため、その正極側固体電解質層と負極側固体電解質層との間に接合界面が形成される。その接合界面は高抵抗となり易いため、非水電解質電池の放電容量や放電出力が理論値よりも大幅に低下する虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、各活物質層における活物質の体積変化の面内分布を抑制し、サイクル特性を改善できる非水電解質電池とその製造方法とを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、個別に作製した2つの電極体を貼り合せても、電極体の活物質層に割れが生じ難く、両電極体の接合界面に高抵抗層が形成されない非水電解質電池を作製できる非水電解質電池の製造方法を提供することにある。
(1)本発明の非水電解質電池は、正極活物質層、負極活物質層、及びこれら両活物質層の間に介在される硫化物固体電解質層を備える。この電池は、前記硫化物固体電解質層の外周部に、酸素濃度20at%以上、厚さ35nm以下の酸化層を備えることを特徴とする。
固体電解質層の外周部に所定の酸化層を設けることで、各活物質層と固体電解質層との界面の外周部における電流集中を緩和し、それに伴って各活物質層における活物質の体積変化の面内分布を抑制することで、電池のサイクル特性を改善できる。
(2)本発明の非水電解質電池の一形態として、前記正極活物質層は、Co、Mn、Ni、及びFeから選択される少なくとも1種の金属とLiとを含む酸化物からなる活物質と、Li2SとP2S5とを含む固体電解質とを含むことが挙げられる。
正極活物質層に上記活物質を含有させることで、非水電解質電池の放電容量を向上させることができる。また、正極活物質層に固体電解質を含有させることで、正極活物質層の抵抗値を下げることができ、その結果として電池の放電容量を向上させることができる。
(3)本発明の非水電解質電池の一形態として、前記負極活物質層は、C、Si、Ge、Sn、Al、及びLiから選択される少なくとも1種の元素を含む活物質、又はTiとLiとを含む酸化物からなる活物質と、Li2SとP2S5とを含む固体電解質とを含むことが挙げられる。
負極活物質層に上記活物質を含有させることで、非水電解質電池の放電容量を向上させることができる。また、負極活物質層に固体電解質を含有させることで、負極活物質層の抵抗値を下げることができ、その結果として電池の放電容量を向上させることができる。
(4)本発明の非水電解質電池の製造方法は、正極活物質層、負極活物質層、及びこれら両活物質層の間に介在される硫化物固体電解質層を備える非水電解質電池を製造する方法である。この方法において、次の工程を備えることを特徴とする。
正極体の準備工程:粉末成形体からなる正極活物質層と、その正極活物質層上に形成されるアモルファスの正極側固体電解質層とを有する正極体を用意する。
負極体の準備工程:粉末成形体からなる負極活物質層と、その負極活物質層上に形成されるアモルファスの負極側固体電解質層とを有する負極体を用意する。
接合工程:正極体と負極体とを、両電極体の固体電解質層同士が接触するように重ね合わせた状態で加圧しながら熱処理し、正極側固体電解質層と負極側固体電解質層とを結晶化させることで接合させる。
酸化工程:この接合工程後の固体電解質層の外周部に酸化層を形成する。
本発明の非水電解質電池の製造方法によれば、酸化工程により、固体電解質層の外周部に酸化層を形成することで、各活物質層と固体電解質層との界面の外周部における電流集中を緩和された非水電解質電池を得ることができる。それに伴って各活物質層における活物質の体積変化の面内分布を抑制し、電池のサイクル特性を改善できる。また、アモルファスが結晶化するときの原子の相互拡散を利用して正極側固体電解質層と負極側固体電解質層を接合しているので、両層の間に高抵抗の接合界面が形成されない。さらに、両固体電解質層の接合時に正極体と負極体とを高圧で圧縮する必要がないので、両電極体の構成要素に割れなどの不具合が生じない。
本発明の非水電解質電池によれば、サイクル特性に優れた電池とすることができる。
また、本発明の非水電解質電池の製造方法によれば、上述の本発明非水電解質電池を容易に製造することができる。
(A)は実施形態に係る本発明電池の概略断面図、(B)は(A)図の電池における各電極体の接合前の状態を示す説明図、(C)は(A)図の電池における酸化層形成前の状態を示す説明図である。
以下、図に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
<非水電解質電池の全体構成>
図1(A)に示す非水電解質電池100は、正極集電体11、正極活物質層12、硫化物固体電解質層(SE層)40、負極活物質層22、及び負極集電体21とを備える。さらに、このSE層40の外周部には、酸化層50が設けられている。各部の詳細については、次の製造方法と併せて説明する。
<非水電解質電池の製造方法>
この非水電解質電池100は、以下の工程(A)〜(D)に従う非水電解質電池の製造方法により得られる。即ち、図1(B)に示すように、個別に作製された正極体1と負極体2とを重ね合わせ、得られた積層体10(図1(C))のSE層40の外周部に酸化層50(図1(A))の形成を行うことで作製することができる。
(A)正極体1を作製する。
(B)負極体2を作製する。
(C)正極体1と負極体2とを重ね合わせ、加圧しながら熱処理を施して、正極体1と負極体2とを接合する。
(D)接合後に、両電極体の間から露出するSE層の外周部に酸化層を形成する。
※工程A,Bの順序は入れ替え可能である。
≪工程A:正極体の作製≫
本実施形態の正極体1は、正極集電体11の上に、正極活物質層12と正極側固体電解質層(PSE層)13を積層した構成を有する。この正極体1を作製するには、正極集電体11となる基板を用意し、その基板の上に残りの層12,13を順次形成すれば良い。正極集電体11は、正極体1と負極体2とを接合する工程Cの後に、正極活物質層12におけるPSE層13とは反対側の面に形成しても良い。
[正極集電体]
正極集電体11となる基板は、導電材料のみから構成されていても良いし、絶縁基板上に導電材料の膜を形成したもので構成されていても良い。後者の場合、導電材料の膜が集電体として機能する。導電材料としては、AlやNi、これらの合金、ステンレスから選択される1種が好適に利用できる。
[正極活物質層]
正極活物質層12は、電池反応の主体となる正極活物質粒子を含む粉末を加圧成形することで得られる層である。正極活物質としては、層状岩塩型の結晶構造を有する物質、例えば、LiαXβ(1-X)O2(αはCo,Ni,Mnから選択される1種、βはFe,Al,Ti,Cr,Zn,Mo,Biから選択される1種、Xは0.5以上)で表される物質を挙げることができる。その具体例としては、LiCoO2やLiNiO2、LiMnO2、LiCo0.5Fe0.5O2、LiCo0.5Al0.5O2などを挙げることができる。その他、正極活物質として、スピネル型の結晶構造を有する物質(例えば、LiMn2O4など)や、オリビン型の結晶構造を有する物質(例えば、LiXFePO4(0<X<1))を用いることもできる。
上記正極活物質層12は、この層12のLiイオン伝導性を改善する電解質粒子を含有していても良い。その場合、加圧成形の原料である正極活物質粒子に電解質粒子を混合しておく。そうすることで、原料を加圧成形した際、正極活物質粒子と固体電解質粒子とを含む正極活物質層12を形成できる。上記電解質粒子としては、例えば、Li2S-P2S5などの硫化物を好適に利用することができる。その他、正極活物質層12は、導電助剤や結着剤を含んでいても良い。
加圧成形の条件は、適宜選択することができる。例えば、室温〜300℃の雰囲気下、面圧100〜400MPaで加圧成形すると良い。また、加圧成形される正極活物質粒子の平均粒径は、1〜20μmが好ましい。さらに電解質粒子を利用するのであれば、その電解質粒子の平均粒径は、0.5〜2μmが好ましい。
[正極側固体電解質層]
正極側固体電解質層(PSE層)13は、硫化物からなるアモルファスのLiイオン伝導体である。このPSE層13は、後述する工程Cを経て結晶化し、図1(A)に示す完成した電池100のSE層40の一部となる。PSE層13に求められる特性は、結晶化したときに高Liイオン伝導性で、かつ低電子伝導性であることである。例えば、アモルファス状態にあるPSE層13が結晶化したときのLiイオン伝導度(20℃)は、10-5S/cm以上、特に、10-4S/cm以上であることが好ましい。また、結晶化したときのPSE層13の電子伝導度は、10-8S/cm以下であることが好ましい。このようなPSE層13の材質としては、例えば、Li2S-P2S5を挙げることができる。PSE層13は、P2O5などの酸化物を含有していても良い。
PSE層13の形成には、気相法を利用することができる。気相法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法などを利用できる。ここで、アモルファス状態のPSE層13を形成するには、膜形成時の基材温度が膜の結晶化温度以下になるように基材を冷却したりすれば良い。例えば、Li2S-P2S5でPSE層13を形成する場合、膜形成時の基材温度を150℃以下とすることが好ましい。
[その他の構成]
PSE層13が硫化物の固体電解質を含むと、この硫化物の固体電解質がPSE層13に隣接する正極活物質層12に含まれる酸化物の正極活物質と反応して、正極活物質層12とPSE層13との界面近傍が高抵抗化し、非水電解質電池100の放電容量を低下させる虞がある。そこで、上記界面近傍の高抵抗化を抑制するために、正極活物質層12とPSE層13との間に中間層(図示略)を設けても良い。
上記中間層に用いる材料としては、非晶質のLiイオン伝導性酸化物、例えばLiNbO3やLiTaO3などを利用できる。特にLiNbO3は、正極活物質層12とPSE層13との界面近傍の高抵抗化を効果的に抑制できる。
≪工程B:負極体の作製≫
負極体2は、負極集電体21の上に、負極活物質層22と負極側固体電解質層(NSE層)23を積層した構成を有する。この負極体2を作製するには、負極集電体21となる基板を用意し、その基板の上に残りの層22,23を順次形成すれば良い。なお、負極集電体21は、工程Cの後に、負極活物質層22におけるNSE層23とは反対側の面に形成しても良い。
[負極集電体]
負極集電体21となる基板は、導電材料のみから構成されていても良いし、絶縁基板上に導電材料の膜を形成したもので構成されていても良い。後者の場合、導電材料の膜が集電体として機能する。導電材料としては、例えば、Cu、Ni、Fe、Cr、及びこれらの合金(例えば、ステンレスなど)から選択される1種が好適に利用できる。
[負極活物質層]
負極活物質層22は、電池反応の主体となる負極活物質粒子を含む粉末を加圧成形することで得られる層である。負極活物質としては、C、Si、Ge、Sn、Al、Li合金、又はLi4Ti5O12などのLiを含む酸化物を利用することができる。
上記負極活物質層22は、この層22のLiイオン伝導性を改善する電解質粒子を含有していても良い。その場合、加圧成形の原料である負極活物質粒子に電解質粒子を混合しておく。そうすることで、原料を加圧成形した際、負極活物質粒子と固体電解質粒子とを含む負極活物質層22を形成できる。上記電解質粒子としては、例えば、Li2S-P2S5などの硫化物を好適に利用することができる。その他、負極活物質層22は、導電助剤や結着剤を含んでいても良い。
加圧成形の条件は、適宜選択することができる。例えば、室温〜300℃の雰囲気下、面圧100〜400MPaで加圧成形すると良い。また、加圧成形される負極活物質粒子の平均粒径は、1〜20μmが好ましい。さらに電解質粒子を利用するのであれば、その電解質粒子の平均粒径は、0.5〜2μmが好ましい。
[負極側固体電解質層]
負極側固体電解質層(NSE層)23は、上述したPSE層13と同様に、硫化物からなるアモルファスのLiイオン伝導体である。このNSE層23も、次の工程Cを経て積層体10を構成し、さらに工程Dを経て電池100とした際、そのSE層40の一部となる層であり、結晶化したときに高Liイオン伝導性で、かつ低電子伝導性であることが求められる。このNSE層23の材質としてはPSE層13と同様に、Li2S-P2S5(必要に応じてP2O5を含む)などを使用することが好ましい。特に、このNSE層23と上述したPSE層13とは組成や作製方法などを同じとしておくことが好ましい。これは、NSE層23とPSE層13とが次の工程Cを経ることで一層のSE層40となったときに、SE層40の厚み方向にLiイオン伝導性にばらつきが生じないようにするためである。
≪工程C:正極体と負極体との接合≫
次に、PSE層13とNSE層23とが互いに対向するように正極体1と負極体2とを積層して積層体10を作製する。その際、PSE層13とNSE層23とを圧接させつつ熱処理を施して、アモルファス状態にあるPSE層13とNSE層23を結晶化させ、これらPSE層13とNSE層23とを一体化させる。
工程Cにおける熱処理条件は、PSE層13とNSE層23を結晶化させることができるように選択する。熱処理温度が低すぎると、PSE層13とNSE層23が十分に結晶化せず、PSE層13とNSE層23との間に未接合の界面が多く残り、PSE層13とNSE層23とが一体化されない。逆に熱処理温度が高すぎると、PSE層13とNSE層23とが一体化しても、低Liイオン伝導性の結晶相が形成される虞がある。熱処理時間についても熱処理温度と同様に、短すぎると一体化が不十分になり、長すぎると低Liイオン伝導性の結晶相の生成を招く虞がある。具体的な熱処理条件は、PSE層13とNSE層23の組成などの影響を受けて変化するが、概ね150〜300℃×1〜60分で行うことが好ましい。より好ましい熱処理条件は、180〜250℃×30〜60分である。
また、工程Cでは熱処理時にPSE層13とNSE層23とを近づける方向に加圧する。これは、熱処理の際、PSE層13とNSE層23とを密着させておくことで、PSE層13とNSE層23との一体化を促進するためである。加圧の圧力は、非常に小さくともPSE層13とNSE層23との一体化を促進する効果はあるものの、高くする方が当該一体化を促進し易い。但し、加圧の圧力を高くすると、正極体1と負極体2に備わる各層に割れなどの不具合が生じる虞がある。特に、粉末成形体である正極活物質層12や負極活物質層22には割れが生じ易い。そこで、圧力は160MPa以下とすることが好ましい。なお、PSE層13とNSE層23との一体化はあくまで熱処理により生じるものであるので、加圧の圧力は10〜20MPaで十分である。
工程Cを行うことにより、結晶化された一層のSE層40を備える積層体10が形成される。この一層のSE層40は、上述したようにPSE層13とNSE層23とを一体化させることで形成されたものでありながら、PSE層13とNSE層23との界面がほとんど残らない。そのため、このSE層40は、当該界面に起因するLiイオン伝導性の低下がなく、高Liイオン伝導性で、かつ低電子伝導性のSE層40となる。
≪工程D:酸化層の形成≫
積層体10は、その外側面にSE層40の外周面が露出されている。工程Dでは、このSE層40の外周面を含む表層部に酸化層50を形成する。この酸化層50は、電池の充放電時、各極の活物質層12,22において活物質の体積変化に面内分布が生じることを緩和するための層である。この酸化層のない電池を充放電すると、各活物質層12,22とSE層40との界面の外周部に電流が集中し、その外周部の活物質には膨張収縮が生じやすく、外周部以外の活物質には相対的に膨張収縮が生じ難くなる。そのため、活物質層12,22の面内において活物質の膨張収縮にばらつきが生じ、隣接するSE層40との接合が不十分になる虞がある。一方、SE層40の外周部に酸化層50を形成すると、SE層40における外周部でのイオン伝導度が外周部以外の箇所に比べて相対的に低下し、各極の活物質層12,22とSE層40との界面の外周部への電流の集中を緩和することができる。
酸化層50の形成方法としては、SE層40の外周面の表層部を酸化させることができる方法であれば、特に限定されない。例えば、水分を含んだ不活性ガスを積層体10の外側面(特にSE層40の外周面)に吹き付けたりすることが挙げられる。水分含有不活性ガスにおける水分濃度は100〜200ppm(体積比)程度が好ましい。いずれの場合も積層体10の外側面に対してガスを吹き付ける時間は、噴射流量にもよるが、通常、10秒以下で十分である。
このようなSE層40の外周面に対するガスの吹き付けにより、SE層40の外周面の表層部には酸化層50が形成される。この酸化層50は、SE層40の外周面の上に積層するように形成されるのではなく、図1(A)に示すように、SE層40の外周面における表層部が酸化層に変化することで形成される。つまり、各活物質層12,22とSE層40との面積が等しい場合、酸化層50の外周面は各活物質層12,22の外周面とほぼ面一である。
酸化層50の酸素濃度は、20at%以上とする。酸素濃度が、この下限値以上であれば、各活物質層12,22とSE層40との界面の外周部への電流の集中を緩和することが効果的にできる。この酸素濃度の好ましい上限値は、50at%程度である。この上限値以下であれば、SE層としてイオン伝導度の低い領域が広がって電池抵抗が増大することを抑制できる。より好ましい上限値は35at%である。酸化層50に含まれる具体的な酸化物としては、P2O5、Li2O、SOxなどが挙げられる。
酸化層50の厚みは、35nm以下とする。この程度の薄い厚みであっても、各活物質層12,22とSE層40との界面の外周部への電流の集中を緩和することができる。不必要に酸化層の厚みが厚くなると、SE層としてイオン伝導度の低い領域が広くなり、電池抵抗の増大につながる虞がある。一方、酸化層50の厚みの好ましい下限は、10nm程度である。この下限値以上の厚みを有することで、各活物質層12,22とSE層40との界面の外周部への電流の集中を緩和することができる。なお、図1(A)では、説明の便宜上、酸化層50の厚みを誇張して厚く示している。
<非水電解質電池の作用・効果>
以上説明した製造方法により得られた非水電解質電池100によれば、次の効果を奏することができる。
(1)SE層40の外周部に所定の酸化層50を設けることで、各活物質層12,22とSE層40との界面の外周部における電流集中を緩和することができる。それに伴って、各活物質層12,22における活物質の体積変化の面内分布を抑制し、各活物質層12,22とSE層40との接合状態を良好に保つことができる。よって、サイクル特性に優れた電池100とすることができる。
正極体1と負極体2とを高圧で圧接した従来の電池よりも優れた電池特性(放電容量や、放電出力)を発揮する。それは、SE層40において、PSE層13とNSE層23との接合界面に高抵抗層が形成されないからである。また、正極体1と負極体2とを高圧で圧接しないため、各活物質層12,22に割れが生じ難く、その割れに伴う不具合、例えば、割れが生じた箇所での正極体1と負極体2との接触による短絡などを防止することができる。
以下の構成を備える正極体1、負極体2を用いて非水電解質電池を作製した。そして、得られた電池に対して、後述する条件にて充放電サイクル試験を行った。
≪正極体1≫
・正極集電体…厚さ10μmのAl箔
・正極活物質層…厚さ200μmのLiCoO2粉末とLi2S-P2S5粉末との加圧成形体(LiCoO2:Li2S-P2S5=70質量%:30質量%)
・正極固体電解質層…厚さ5μmのアモルファスLi2S-P2S5膜(真空蒸着法)
≪負極体2≫
・負極集電体…厚さ10μmのステンレス箔
・負極活物質層…厚さ200μmのグラファイト粉末とLi2S-P2S5粉末との加圧成形体(グラファイト:Li2S-P2S5=50質量%:50質量%)
・負極固体電解質層…厚さ5μmのアモルファスLi2S-P2S5膜(真空蒸着法)
露点温度-50℃の大気中で、用意した正極体1と負極体2とを互いの固体電解質層PSE13、NSE23同士が接触するように重ね合わせ、加圧加熱処理(16MPa、190℃×30分)を施すことにより、積層体10を作製した。この積層体10のSE層40外周の露出面に100ppmの水分を含んだ不活性ガス(Ar)を吹き付ける酸化工程を施し、SE層40の外周部に酸化層50を形成した。酸化層50の酸素濃度の分析はXPS(X線光電子分光分析)により行った。この分析は、SE層40(酸化層50)の外周面と、その外周面から35nm内側の位置との双方について行った。比較のため、SE層に対して酸化工程を施していない非水電解質電池(図1(C)の積層体と同様の構成)も準備し、同様の試験を行った。
以上のようにして作製した各電池に対して10サイクルの充放電サイクル試験を行った。試験条件は、電流密度0.05mA/cm2、カットオフ電圧3.0V-4.1Vとした。各電池の充放電10サイクル後の容量維持率(10サイクル時の放電容量/最大放電容量)を以下に示す。
Figure 2012160379
表1から明らかなように、酸化層を形成した試料No.1,2はいずれもサイクル試験後の容量維持率が試料No.3に比べて高いことがわかる。これはSE層の外周部に酸化層を形成することで、電池の充放電時、各活物質層とSE層との界面の外周部への電流集中が抑制され、その結果、各活物質層とSE層との良好な接合状態が維持されたためと考えられる。
なお、本発明は上述の実施の形態に何ら限定されることはない。即ち、上述した実施形態に記載の非水電解質電池の構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
本発明の非水電解質電池は、充放電を繰り返すことを前提とした電気機器の電源、例えば各種電子機器の電源に好適に利用できる他、ハイブリッド自動車、電気自動車の電源としての利用も期待できる。本発明の非水電解質電池の製造方法は、サイクル特性が重視される各種電子機器の電源の製造に好適に利用できる。
100 非水電解質電池
1 正極体
11 正極集電体
12 正極活物質層
13 正極側固体電解質層(PSE層)
2 負極体
21 負極集電体
22 負極活物質層
23 負極側固体電解質層(NSE層)
40 硫化物固体電解質層(SE層)
50 酸化層
10 積層体

Claims (4)

  1. 正極活物質層、負極活物質層、及びこれら両活物質層の間に介在される硫化物固体電解質層を備える非水電解質電池であって、
    前記硫化物固体電解質層の外周部に、酸素濃度20at%以上、厚さ35nm以下の酸化層を備えることを特徴とする非水電解質電池。
  2. 前記正極活物質層は、
    Co、Mn、Ni、及びFeから選択される少なくとも1種の金属とLiとを含む酸化物からなる活物質と、
    Li2SとP2S5とを含む固体電解質とを含むことを特徴とする請求項1に記載の非水電解質電池。
  3. 前記負極活物質層は、
    C、Si、Ge、Sn、Al、及びLiから選択される少なくとも1種の元素を含む活物質、又はTiとLiとを含む酸化物からなる活物質と、
    Li2SとP2S5とを含む固体電解質とを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の非水電解質電池。
  4. 正極活物質層、負極活物質層、及びこれら両活物質層の間に介在される硫化物固体電解質層を備える非水電解質電池を製造する非水電解質電池の製造方法であって、
    粉末成形体からなる正極活物質層と、その正極活物質層上に形成されるアモルファスの正極側固体電解質層とを有する正極体を用意する工程と、
    粉末成形体からなる負極活物質層と、その負極活物質層上に形成されるアモルファスの負極側固体電解質層とを有する負極体を用意する工程と、
    正極体と負極体とを、両電極体の固体電解質層同士が接触するように重ね合わせた状態で加圧しながら熱処理し、正極側固体電解質層と負極側固体電解質層とを結晶化させることで接合させる工程と、
    この接合工程後の固体電解質層の外周部に酸化層を形成する工程とを備えることを特徴とする非水電解質電池の製造方法。
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