JP2009091801A - アースドリル機と杭打ち機とを併用した埋込み杭工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アースドリル機のバケットにより地盤表層部を所定深度まで先行掘削して排土する工程、杭打ち機のオーガスクリューにより、先行掘削孔底から所定深度まで本掘削する工程、本掘削孔底から上方の所定深度範囲に亘って該根固め液を注入する工程、オーガスクリューを昇降させることにより、掘削土砂を上下に反復攪拌し、根固め部を形成する工程、根固め部から上方の所定深度範囲に亘って該杭周充填液を注入する工程、オーガスクリューを昇降させることにより、掘削土砂を上下に反復攪拌し、杭周固定部を形成する工程、アースドリル機により既製杭を本掘削孔に挿入する工程、アースドリル機により既製杭を所定深度まで回転圧入する工程を備える。
【選択図】 図4
Description
中村靖、内藤禎二編著,「ニューコンストラクションシリーズ 第2巻 大地に根ざす基礎」,株式会社山海堂,1994年1月,p.56−57,p.106−107
この発明の目的は、相伴クレーンに変えて他の施工機械を使用することにより、施工効率の向上を図ることができる埋込み杭工法を提供することにある。
すなわち、この発明は、旋回体と、この旋回体に装備されたブーム及びフロントアームと、前記ブーム先端から垂下する巻き上げロープ及び補巻き上げロープと、前記巻き上げロープに支持されるケリーバと、前記フロントアームに設けられて前記ケリーバに回転力と押込み力を与えるケリーバ駆動装置とを備えたアースドリル機と、
旋回体と、この旋回体に装備されたリーダと、このリーダに昇降自在に設けられたオーガ駆動装置と、このオーガ駆動装置に装着され、先端に掘削ヘッドを有するオーガスクリューとを備えた杭打ち機を使用し、以下の工程を行うことを特徴とするアースドリル機と杭打ち機とを併用した埋込み杭工法にある。
a.前記アースドリル機の前記ケリーバにバケットを接続し、地盤表層部を所定深度まで先行掘削して排土する工程
b.前記杭打ち機のオーガスクリューにより、前記先行掘削孔底から所定深度まで本掘削する工程
c.前記オーガスクリュー内に根固め液を供給し、本掘削孔底から上方の所定深度範囲に亘って、該根固め液を前記掘削ヘッドから注入する工程
d.前記オーガスクリューを昇降させることにより、掘削土砂を上下に反復攪拌し、前記根固め液と混合して根固め部を形成する工程
e.前記オーガスクリューを前記根固め部の上方まで引き上げ、前記オーガスクリュー内に杭周充填液を供給し、前記根固め部から上方の所定深度範囲に亘って、該杭周充填液を前記掘削ヘッドから注入する工程
f.前記オーガスクリューを昇降させることにより、掘削土砂を上下に反復攪拌し、前記杭周充填液と混合してして杭周固定部を形成する工程
g.前記アースドリル機の前記補巻き上げロープによって既製杭を吊り下げ、該既製杭を前記本掘削孔に挿入する工程
h.前記既製杭の上端を前記ケリーバに接続し、該既製杭を所定深度まで回転圧入する工程
i.前記補巻き上げロープによってケーシングを吊り下げ、該ケーシングを前記先行掘削孔に建て込む工程を備えるようにしてもよい。
1.杭孔掘削(図4参照)
(1)杭芯セット
先行掘削にはアースドリル機1を使用する。従来のアースドリル工法と同じように、ケリーバ9の芯を杭芯棒30に合致させる。また、ケリーバ9の鉛直精度を下げ振りで二方向より確認する。
次工程で建て込むケーシング(口元管)と同じ径の掘削バケット31をケリーバ9の下端にセットし、排土しながら表層部を先行掘削する。
ケリーバ9をブーム4側に引き寄せて、補巻きロープ32によりケーシング33を吊り下げ、このケーシング33を先行掘削孔34に建て込む。ケーシング33の径は、後の工程で建て込まれる既製杭の杭径(節径)を勘案して決定される。ケーシング33の建て込み後、さらに先行掘削孔34を掘り下げて、排土する。このとき、地層により素掘りが困難な場合は、ベントナイト等の安定液を併用する。図中鎖線で示す掘り下げ孔34aは、後の工程で掘削される本掘削孔とほぼ同じ径であり、また掘り下げ孔34aによる排土量は後の工程で生成されるソイルセメントの量を勘案し、ソイルセメントが既製杭の杭頭にオーバーフローしない量とする。
本掘削には杭打ち機20を使用する。すなわち、オーガ駆動装置25によりオーガスクリュー27を回転させながら地中に押し込むことによって、掘り下げ孔34aの孔底から掘削を開始する。なお、地層の種類によっては、オーガスクリュー27に掘削水を供給し、これを掘削ヘッド26から注入しながら掘削を行うようにしてもよい。
(5)掘削完了
所定深度まで掘削したら、本掘削を完了する。
(6)根固め液注入
本掘削に続く根固め部・杭周固定部の築造には、そのまま杭打ち機20を使用する。すなわち、掘削液を使用していた場合は、オーガスクリュー27に供給する液を根固め液に切り換え、この根固め液を掘削ヘッド26から掘削孔内に注入する。根固め液の注入は、オーガスクリュー27を上昇回転させながら、掘削孔底から上方の所定深度範囲に亘って行う。この根固め液としては所定配合比のセメントミルクが用いられる。
根固め液の注入後、オーガ駆動装置25を昇降させることにより、オーガスクリュー27を回転させながら掘削土砂を上下に反復攪拌し、根固め液と混合する。これによって、ソイルセメントによる根固め部35が築造される。
オーガスクリュー27に供給する液を杭周充填液に切り換え、この杭周充填液を掘削ヘッド26から掘削孔内に注入する。杭周充填液の注入は、オーガスクリュー27を上昇回転させながら、根固め部35から上方の所定深度範囲に亘って行う。この杭周充填液としては所定配合比のセメントミルクが用いられる。
杭周充填液の注入後、オーガ駆動装置25を昇降させることにより、オーガスクリュー27を回転させながら掘削土砂を上下に反復攪拌し、杭周充填液と混合する。これによって、ソイルセメントによる杭周固定部36が築造される。
(10)下杭挿入
既製杭の建て込みには再びアースドリル機1を使用する。この実施形態で使用される既製杭は下杭と上杭とからなる継ぎ杭であり、下杭には節杭が用いられている。ケリーバ9をブーム4側に引き寄せて、補巻きロープ32により下杭37を吊り下げ、掘削孔に挿入する。
下杭37を1対のバーからなる治具41を介してケーシング33に支持させた状態で、下杭37の上端に上杭38を接続し、上杭38を補巻きロープ32によって吊り下げ、掘削孔に挿入する。なお、上下杭の接続には無溶接継手が採用される。
上杭38の上端にヤットコ39を介してケリーバ9を接続し、ケリーバ9の回転及び押込み力により継ぎ杭37,38を所定深度まで回転圧入する。
(13)杭天端セット
レベル40を使用して杭天端をセットする。
(14)ケーシング引抜き
ヤットコ39を上杭38から切り離して撤去して、ケリーバ9をブーム4側に引き寄せ、補巻きロープ32によりケーシング33を引き抜く。以上により施工を完了する。
埋込み杭工法の各工程をアースドリル機と杭打ち機で分担させることができる。例えば、n番目の杭のための本掘削及び根固め部・杭周固定部築造工程を杭打ち機により実施している際には、アースドリル機により(n−1)番目の杭のための建て込み・回転圧入工程を、あるいは(n+1)番目の杭のための先行掘削工程を実施するというように、これら施工機械を遊ばせることなく有効に利用することができる。これにより、施工効率の向上を図ることができる。このような手法による施工効率の向上のために、アースドリル機は1台に限らず、2台以上使用することも考えられる。
2 クローラ走行体
3 旋回体
4 ブーム
5 フロントアーム
7 巻き上げロープ
9 ケリーバ
11 ケリーバ駆動装置
13 回転駆動装置
14 押込み装置
20 三点支持式杭打ち機
21 クローラ走行体
22 旋回体
23 リーダー
25 オーガ駆動装置
26 掘削ヘッド
27 オーガスクリュー
31 掘削バケット
32 補巻きロープ
33 ケーシング
35 根固め部
36 杭周固定部
37 下杭
38 上杭
Claims (2)
- 旋回体と、この旋回体に装備されたブーム及びフロントアームと、前記ブーム先端から垂下する巻き上げロープ及び補巻き上げロープと、前記巻き上げロープに支持されるケリーバと、前記フロントアームに設けられて前記ケリーバに回転力と押込み力を与えるケリーバ駆動装置とを備えたアースドリル機と、
旋回体と、この旋回体に装備されたリーダと、このリーダに昇降自在に設けられたオーガ駆動装置と、このオーガ駆動装置に装着され、先端に掘削ヘッドを有するオーガスクリューとを備えた杭打ち機を使用し、以下の工程を行うことを特徴とするアースドリル機と杭打ち機とを併用した埋込み杭工法。
a.前記アースドリル機の前記ケリーバにバケットを接続し、地盤表層部を所定深度まで先行掘削して排土する工程
b.前記杭打ち機のオーガスクリューにより、前記先行掘削孔底から所定深度まで本掘削する工程
c.前記オーガスクリュー内に根固め液を供給し、本掘削孔底から上方の所定深度範囲に亘って、該根固め液を前記掘削ヘッドから注入する工程
d.前記オーガスクリューを昇降させることにより、掘削土砂を上下に反復攪拌し、前記根固め液と混合して根固め部を形成する工程
e.前記オーガスクリューを前記根固め部の上方まで引き上げ、前記オーガスクリュー内に杭周充填液を供給し、前記根固め部から上方の所定深度範囲に亘って、該杭周充填液を前記掘削ヘッドから注入する工程
f.前記オーガスクリューを昇降させることにより、掘削土砂を上下に反復攪拌し、前記杭周充填液と混合してして杭周固定部を形成する工程
g.前記アースドリル機の前記補巻き上げロープによって既製杭を吊り下げ、該既製杭を前記本掘削孔に挿入する工程
h.前記既製杭の上端を前記ケリーバに接続し、該既製杭を所定深度まで回転圧入する工程 - i.前記補巻き上げロープによってケーシングを吊り下げ、該ケーシングを前記先行掘削孔に建て込む工程
を備えてなる請求項1記載のアースドリル機と杭打ち機とを併用した埋込み杭工法。
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