JP6216526B2 - 鋼管類頭部アタッチメント - Google Patents

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本発明は、鋼管矢板、鋼管杭、ケーシングチューブ、ケーシングパイプなどの鋼管類を地盤に打設または圧入する際に、該鋼管類の頭部に着脱自在に接続して用いられるアタッチメントに関するものである。また本発明は、鋼管類を打設または圧入する際に、該鋼管類内側へ注水するための構造に関するものである。さらに本発明は、そのような注水機能を具備する鋼管類の構造に関するものである。さらに本発明は、鋼管類内側への注水を利用した鋼管類圧入方法に関するものである。
鋼管類の一種である鋼管矢板は、本体をなす本管を有するとともに、その両脇長手方向に沿って固設された一対の継手を具備している。例えばこのような鋼管矢板を用いて鋼管矢板壁を構築するには、先行打設された鋼管矢板の継手部と後行打設される鋼管矢板の継手部とをスライド係合させつつ、地盤に後行の鋼管矢板を圧入する。その際、図10に示すような鋼管矢板圧入装置(パイラー)が施工現場で一般的に用いられる。この圧入装置は、打撃力に頼ることなく鋼管矢板を静的に圧入するので、特に低振動・低騒音が求められる施工現場で広く採用されている。
一方、鋼管矢板の圧入の際には、本管内や下端地盤において砂や礫などに圧密が生じ、それが大きな貫入抵抗となって圧入を妨げることが、本願出願人によって指摘されている。そこで、鋼管圧入時の貫入抵抗を低減する手段として、図10に示すような中掘り装置を併用し、圧入装置による鋼管矢板の圧入と同時並行で本管内を中掘り掘削することが、本願出願人によって提案されている。
具体的には図11に示すように、既設鋼管矢板に反力をとった圧入装置で新設鋼管矢板を把持して圧入する。それと同時並行で、クレーンで吊り下げた中掘り装置を鋼管矢板本管内に挿入し、その内側を中掘り掘削して、適当なタイミングで掘削土を管外へ排土する。中掘り装置は、先端に掘削ビットを具備するオーガースクリューと、該オーガースクリューを囲繞するカプセルパイプと、該オーガースクリューを回転駆動するための駆動装置を有している。中掘りで生じた掘削土はカプセルパイプ内に一時的に格納され、適当なタイミングで中掘り装置を鋼管矢板本管の外側へ吊り上げて管外で排土するようになっている。
ところが、このような鋼管矢板の打設において、圧入の妨げとなる砂や礫の圧密は、本管内や下端地盤の圧密ばかりでなく、図12に示すように継手部においても発生する。すなわち、鋼管矢板の打設時には、圧入に伴って、連結用の継手部の下開口部やスリットから、該継手部内に細砂や礫などが必然的に混入する。それが鋼管矢板圧入の際の単調な昇降(上下)運動の反復により累積し、細砂や礫が継手部内の狭隘な内空部で圧密し、やがて継手部内に目詰まりを招く。
このような鋼管矢板継手部における目詰まりは、貫入抵抗増大の要因となるため、上述した圧入装置と中掘り装置を併用する場合でも施工途中で貫入不能となるといった事例が後を絶たない。一方、そのように鋼管矢板が貫入不能状態に陥った場合、従来では、バイブロハンマーなどを用いて打撃力により強制的に目標深度まで打設していた。しかしながら、低振動・低騒音が求められる施工現場で打撃力に頼ることは、施工条件に反することは勿論のこと、振動と騒音が既設構造物や周辺環境に悪影響を及ぼすため、打撃力に頼ることなく鋼管矢板を低振動・低騒音で確実に打設できる新たな手法が強く望まれていた。
そこで、本願出願人による別発明(本願出願時点で未公開)では、例えば圧入と中掘りを併用して鋼管矢板を打設する際に、図13に示すように、鋼管矢板の本管内に注水を行うことが提案されている。本管内に貯水された水の圧力(水頭圧)は、本管下方の内側および外側に沿って伝搬し、更には継手部の内空部へと伝搬する。この伝搬圧力(水頭圧)が、図14に示すように継手部内で目詰まりの原因となっている土砂に影響して、この土砂を上方へ押し出す方向に作用し、目詰まり解消に大きく貢献する。したがって、継手部に目詰まりが生じやすい施工現場であっても、目詰まりを解消して貫入抵抗を緩和できるので、打撃力に頼ることなく、鋼管矢板を低振動・低騒音で確実に打設できるようになる。
(注水作業に関する問題)
鋼管類の圧入と同時並行で中掘り掘削を行う際に鋼管内に注水を行う方法には、上述した目詰まり解消といったメリットのほか、ボイリングの抑制などといったメリットもあるため、鋼管類への注水は、目詰まりやボイリングなどを抑制する有効な手段として大いに注目されている。その具体的な注水方法としては、例えば図13に示すように、略L字状の注水管の先端側を鋼管内に挿入し、該注水管を鋼管に引っかけたり或いは固定した状態で、ポンプで送水することが提案されている。
しかしながら図13に示すように、送水管を鋼管に挿入したり、鋼管に引っかけて固定する方法では、後付けの送水管が中掘り装置の出し入れの妨げになるため、注水作業の間は中掘り装置を出し入れすることができない。すなわち、注水管を図13に示すように鋼管に取り付けて注水している間は、中掘り装置による掘削を一時的に中断する必要があり、その間圧入を進めることができなくなる(又は圧入が困難となる)ため、作業効率の点で問題があると指摘されていた。
また、鋼管外部との水頭差(図14に示す水頭差Δh)を一定以上に維持する必要があるため、圧入と中掘りの進行に伴って注水を繰り返す必要があり、そのたびに注水管を設置し取外すことになるため、注水作業に手間と時間がかかり、効率が悪く施工時間の延長を招くといった問題が指摘されていた。
さらに、上述したように注水作業の間は、中掘り装置を鋼管類に挿入できなくなるので、一時的に掘削作業が中断され、鋼管類の圧入と中掘りの併用のメリットが阻害されるとの問題が指摘されていた。
さらに、図13に示すような注水は、前述した鋼管矢板の打設のほか、鋼管類の回転圧入を伴う工法(例えばオールケーシング工法でのケーシングチューブ内への注水)への採用も検討されているが、この種の工法で注水を行う場合には、鋼管に取り付けた注水管が回転圧入の妨げとなってしまう。そのため、注水作業の間は回転圧入を中断する必要があり、注水により鋼管類圧入の進行に遅れが生じ、施工時間の延長を招くといった問題が指摘されていた。
(本発明の目的)
そこで、上述した問題点に鑑み、本発明の目的は、鋼管類への注水を省力で簡単に行うことができ、且つ、圧入や中掘りの中断を招くことなく鋼管類への注水作業を同時並行で進めることができ、圧入装置と中掘り装置の併用の効果を最大限に発揮できる鋼管類頭部アタッチメント、鋼管類内側への注水構造、鋼管類構造、および鋼管類の圧入方法を提供することにある。
上記目的は、鋼管類内側への注水手段を具備する鋼管類頭部アタッチメントによって達成される。
前記注水手段は、鋼管類内側を通る掘削装置の昇降動作を妨げないように構成されていることが好ましい。
また前記アタッチメントは、掘削装置を鋼管類内側方向へ案内可能なガイド部を具備することが好ましい。
また前記アタッチメントは、自己を鋼管類頭部に接続するための接続部を具備することが好ましい。
また前記注水手段は、前記ガイド部に形成されていることが好ましい。
また前記接続部は、前記ガイド部に対して相対回転可能に設けられていることが好ましい。
また上記目的は、鋼管類を圧入するとともに中掘りする際に利用され、掘削装置の昇降経路側へ突出しないように形成された、鋼管類内側への注水構造によって達成される。このような注水構造は、例えば上述したアタッチメントの一部から構成されてもよく、或いは、鋼管類上端側の側壁に形成した注水専用の孔から構成されてもよい。
また上記目的は、鋼管類内側への注水手段を具備する鋼管類によって達成される。
また上記目的は、鋼管類の圧入及び/又は中掘りと同時並行で、鋼管類内側を通る掘削装置の昇降動作を妨げないように鋼管類内側に注水する、ことを特徴とする鋼管類圧入方法によって達成される。この方法で注水を実施する際には、上述したアタッチメントを利用してもよく、或いは、このようなアタッチメントを用いる代わりに鋼管類側壁に貫通孔をあけて、その孔に注水管を接続して注水するようにしてもよい。
本発明のアタッチメントは注水手段を一体的に具備しているので、鋼管類頭部に取り付けるだけで簡単に鋼管類内側への注水を開始できる。
本発明のアタッチメントの注水手段は、鋼管類内側を通る掘削装置の昇降動作を妨げないので、鋼管類の中掘りと同時並行で鋼管類内側への注水を進めることができる。したがって、鋼管類の圧入や打設において注水を行う場合であっても、中掘り作業を中断して注水完了を待つ必要がないので、注水待ちによる施工時間の延長を回避できる。このような注水手段は、例えばアタッチメントの内側空間に突出しない注水構造(注水口など)で構成される。
本発明のアタッチメントは、鋼管類圧入時にその頭部に接続して用いられ、掘削装置を鋼管類内側方向へガイドする機能を備えるとともに、注水口などの注水手段を具備している。したがって、鋼管類頭部に接続したままの状態で、掘削装置ガイドとして利用でき、同時に、注水器具としても利用できる。また、注水を終えても鋼管頭部に装着したままでよく、鋼管類への注水の開始・完了のたびに、注水管の設置と取外しを繰り返す必要がないので、鋼管類への注水作業を省力で行うことができる。
本発明のアタッチメントは、掘削装置のガイド機能とともに注水機能(掘削装置の出し入れを妨げない注水手段)を備えているので、鋼管類への注水と同時に、中掘り用の掘削装置を出し入れできる。したがって、圧入工程・中掘り工程と同時並行で、鋼管類への注水を進めることができるので、注水による施工時間の延長を招くことがない。
本発明のアタッチメントは、中掘り装置を鋼管内側方向へガイド可能なガイド部と、鋼管類の頭部に接続される接続部とを有しており、注水口はガイド部に形成されている。このように注水口をガイド部に形成することで、注水される水はガイド部に沿って鋼管内に確実に注がれることになる。また、鋼管類に挿入すべき掘削装置をガイド部が鋼管内へ案内してくれるので、鋼管類への掘削装置の挿入作業が容易になる。
本発明のアタッチメントは、接続部をガイド部に対して相対回転可能に構成することも可能である。このような構成を採用した場合には、鋼管類の回転圧入を伴う施工(例えばケーシングチューブを回転圧入する硬質地盤用オールケーシング工)において、注水作業の間、鋼管類の回転圧入を中断する必要がない。すなわち、「回転圧入」と「中掘り」と「注水」のすべてを同時並行で進めることができるので、注水による施工時間の延長を回避できる。
本発明の注水構造は、鋼管類を圧入するとともに中掘りする際に利用され、掘削装置の昇降経路側へ突出しないように形成されている。このような構造により、鋼管類内側における掘削装置の昇降動作を妨げないので(すなわち中掘りの中断を招かないので)、鋼管類の中掘りと同時並行で鋼管類内側への注水を進めることが可能になる。この「注水構造」は、例えば上述したような、鋼管類とは別体のアタッチメントに形成した注水用開口部から構成されてもよく、或いは、鋼管類そのものに孔を開けて形成した注水用開口部から構成されてもよい。
本発明の鋼管類圧入方法では、鋼管類の圧入及び/又は中掘りと同時に、鋼管類の内側に注水するようになっている。このように、鋼管類の圧入及び/又は中掘りと同時に注水を進めることで、圧入や中掘りを中断することがなくなり、鋼管類の圧入を効率的に進めることができる。なお、鋼管類の圧入及び/又は中掘りと同時並行で注水を進めることができる限り、注水の具体的手段や構造は特に限定されず、例えば上述したアタッチメントを利用してもよく、或いは、鋼管類の側壁に開口部(注水口)を開けて、当該開口部を介して注水するようにしてもよい。鋼管類の注水口を開ける場合には、施工現場で鋼管類に孔を開けてもよく、或いは、鋼管類の製造現場で予め開口部を形成するようにしてもよい。
本発明の鋼管類頭部アタッチメントの第1実施形態を示す正面図と平面図である。 図1の鋼管類頭部アタッチメントを鋼管類頭部に接続した様子を示す断面図である。 図1の鋼管類頭部アタッチメントへ送水する送水システムの具体例を示す図である。 鋼管矢板打設工で本発明の鋼管類頭部アタッチメントを使用する場合の使用例を示す図である。 鋼管矢板打設工で本発明の鋼管類頭部アタッチメントを使用する場合の使用例を示す図である。 鋼管矢板打設工で本発明の鋼管類頭部アタッチメントを使用する場合の使用例を示す図である。 本発明の鋼管類頭部アタッチメントの第2実施形態を示す正面図であって、鋼管類頭部に接続した様子を示す図である。 ケーシングチューブの回転圧入と中掘りを伴う施工において本発明の鋼管類頭部アタッチメントを使用する場合の使用例を示す図である。 注水手段としての注水口を具備する鋼管矢板を打設する際の様子を示す図である。 鋼管矢板打設工の施工態様の一例を示す図である。 鋼管矢板打設工の施工態様の一例を示す図である。 鋼管矢板打設工において、圧入の過程で鋼管矢板継手部に土砂が目詰まりする様子を示す図である。 鋼管矢板打設工において、鋼管矢板本管内に注水している様子を示す図である。 鋼管矢板打設工において、鋼管矢板本管内に注水された水の水頭圧によって継手部の目詰まりが解消される様子を示す図である。
(鋼管類頭部アタッチメントの構成)
はじめに図1及び図2に基づいて、本発明の鋼管類頭部アタッチメントの具体的構成について説明する。
鋼管類頭部アタッチメント1は、図1及び図2に示すような略ホッパー状あるいは略漏斗状の外観を有し、圧入する鋼管類(以下「鋼管」と略称)の頭部に対し着脱自在に接続して用いられ、掘削装置ガイドとしても機能する。施工時には、図2に示すように鋼管頭部に接続したままの状態で、鋼管類頭部アタッチメント1を介して中掘り装置を鋼管内に対し出し入れする。また、鋼管の圧入および中掘り掘削を進める過程では、必要に応じて、鋼管類頭部アタッチメント1に形成した送水口16を介して、鋼管内に水を注水する。
この鋼管類頭部アタッチメント1(以下「アタッチメント」と称する)は、図1及び図2に示すように、主として、鋼管に着脱自在に接続される略円筒状の接続部12と、挿入する中掘り装置を鋼管内側方向へガイドするガイド部14と、鋼管内側方向へ注水するための注水口16と、この注水口に外側から接続された注水管18を有している。
接続部12は、略円筒状の外観を有するように形成され、図2に示すように鋼管の頭部に対してアタッチメント1を着脱自在に接続して固定する役割を主に担っている。この円筒状接続部12の上には、外観略すり鉢状のガイド部14が固設されている。
接続部12と一体のガイド部14は、図2に示すように断面が「逆ハの字形状」になるように形成され、中掘り用掘削装置(中掘り装置)を鋼管内側方向へガイドする斜面を内壁面側に有している。またこのガイド部14は、底部に小径の開口部を有し、また上部に大径の開口部を有している。下開口部には円筒状接続部12の上端が接続されており、上開口部は下開口部よりも大きな径を有している。中掘り装置を鋼管内に吊り降ろす際に、中掘り装置がガイド部14の傾斜した内壁面に接触すると、その斜面に沿って中掘り装置が滑り落ちて降下し、鋼管内部へ誘導される。すなわちガイド部14は、鋼管内に中掘り装置を挿入する際に、該中掘り装置を鋼管内へガイドする役割および鋼管類のジョイント部を保護する役割を主に担っている。
なお、中掘り装置を鋼管内に挿入する際、ガイド部14のすり鉢状内壁面には中掘り装置の先端側が頻繁に衝突することが想定されるため、図1(A)に示すように、ガイド部14の外周には補強用のリブ21が複数枚固設されている。各リブ21は接続部12とガイド部14の継ぎ目を横断するように配設され、アタッチメント1の外周にほぼ等間隔で固設されている。
略すり鉢状のガイド部14には、図1(B)の平面図に示すように、注水手段として機能する注水口16(開口部)が形成されている。この注水口16からなる注水手段は、図1(B)に示すようにアタッチメント内側(掘削装置の昇降経路側)に突出しない「非突出」の構造であるため、鋼管類内側を通る掘削装置の昇降動作を妨げない。
そして上記注水口16に連通するように、注水管18がガイド部14の外周面側から接続してある。注水管18の一端は、図2に示すように注水口16に接続した状態で固定されており、また、注水管18の他端にある給水口19には、図示しない送水ホースが接続されるようになっている。
ガイド部14の外周面と注水管18との間には、図2に示すように、注水管補強用のリブ23が固設されている。このリブ23には、注水管18に接続する送水ホースをワイヤ等で吊り下げることができるように、貫通孔24が形成してある。
上記構成のアタッチメント1を介して鋼管内に注水する際には、例えば図3に示すような注水システムを用いる。この注水システムは、耐摩耗性の送水ホース25と、該送水ホースの途中に設けられたボールバルブ26(流量調整手段)と、送水ポンプ27(サンドポンプ)とを含んで構成される。送水ホース25の一端はアタッチメント1の注水管18に接続されており、また、その逆側の他端は送水ポンプ27に接続されている。
注水管18に接続した状態で送水ホース25が抜け落ちないように、図3に示すように、該送水ホースの一端側は、アタッチメント1のリブ23に吊り下げられている。送水ホース25の途中にボールバルブ26を介在させることで、注水時においてその流量を微調整することが可能になる。なお、このようなバルブを設けることなく、送水ポンプのON/OFFだけで注水操作を実施するようにしてもよい。
(アタッチメントを用いた鋼管矢板の打設)
次に、鋼管類の一例として鋼管矢板を挙げて、上記構成のアタッチメントを用いた鋼管矢板打設工について説明する。図4〜図6を参照する。
鋼管矢板の打設にあたっては、はじめに図4に示すように、圧入装置3のクランプ34で既設鋼管矢板5’を把持して該既設鋼管矢板に反力をとる。次いで、リング状チャック38に鋼管矢板5を通して、継手部52,53’同士が連結するように該鋼管矢板を位置決めし、チャック38で把持した状態で該鋼管矢板の圧入を開始する。
なお、打設する鋼管矢板5の頭部には、上述したアタッチメント1を図2及び図4に示すように装着しておく。このアタッチメント1の内側スペースは、鋼管矢板本管51の内側に連通している。アタッチメント1の注水管18には、図4に示すように送水ホース25を接続し、さらに当該送水ホース25の一端には送水ポンプ27(水中ポンプ)を接続する。注水管18に接続した送水ホース25は、ワイヤ等を介してリブ23に吊り下げるようにする。
鋼管矢板圧入の初期段階では圧入装置3のみで圧入を進め、圧入が一定量進行して本管51内に土砂が進入し、貫入抵抗が増してきたら、図5に示すように中掘り装置8を併用して本管51内の土砂を掘削排土する。本管51内を中掘りし管外へ排土することで、少なくとも鋼管矢板本管内における砂や礫の圧密は解消又は緩和されるので、ある程度の貫入抵抗の低減が期待できる。
中掘り装置8を本管51内に挿入する際には、中掘り装置8の先端側がガイド部14に接触することもあるが、その傾斜した内壁面によって中掘り装置8は、本管内側方向へ誘導されるので、中掘り装置8を簡単かつ確実に鋼管矢板本管内に挿入できる。なお、ガイド部14に形成した注水口16(開口部)は、図2に示すように、ガイド部14の内側に突出しない「非突出タイプ」の注水手段であるので、この注水口16が中掘り装置8の出し入れの妨げになることはない。
このように圧入装置3と中掘り装置8を併用して打設を進めると、図12に示すように、継手部のスリットを介して該継手部内に細砂や礫などが必然的に混入する。それが鋼管矢板圧入の際の単調な昇降(上下)運動の反復により累積し、細砂や礫が継手部内の狭隘な内空部で圧密し、やがて継手部内に目詰まりを招く。このような、鋼管矢板継手部における目詰まりは、貫入抵抗増大の要因となって、該鋼管矢板の圧入を大きく妨げる。
そこで、圧入装置3の油圧計などを監視して貫入抵抗を把握し、当該貫入抵抗が許容レベルを超えたときには、継手部52,53に目詰まり(圧入を大きく妨げるほどの目詰まり)が発生したと判断して、送水ポンプ27を作動させ、図6に示すように、アタッチメント1の注水口16を介して本管51内への注水を開始する。
注水工程では、送水ポンプ27から送られる水が送水ホース25,注水管18を介して注水口16へ送られ、更に、注水口16から排出された水は、ガイド部14及び接続部12の内側を通って本管51内へ注がれる。このように、アタッチメント1は掘削装置をガイドする機能とともに、鋼管内へ注水する機能も備えている。
アタッチメント1を介して本管51内に送水された水は、図6に示すように本管内に貯水され、主として、鋼管矢板下端近傍や周囲の土砂を水頭圧により加圧するとともに、継手部内における目詰まり箇所(継手部内で圧密した土砂)を該水頭圧により加圧する役割を担っている。そのため、鋼管類外部の水との間に水頭差Δhが確保・維持され、必要な水頭圧が確保されるように、本管内に注水し、必要に応じて注水を繰り返す。
このように本管51内に注水された水の圧力(水頭圧)は、本管下方の内側および外側に沿って伝搬し、更には継手部52,53の内空部へと伝搬する。この伝搬圧力が、継手部内で目詰まりの原因となっている土砂の塊をほぐすとともに上方へ押し出す方向に作用して、目詰まり解消に大きく貢献する。
以後、必要に応じて注水を繰り返して本管51内に貯水された状態を維持しながら、圧入装置3と中掘り装置8を併用して鋼管矢板5の打設を進める。その過程で継手部52,53の内部では、圧入の進行に伴う土砂の目詰まりと、水頭圧による目詰まり解消(図13に示すような継手部52,53の上端からの噴出)とが繰り返され、その度に、圧入の進行に伴って増大した貫入抵抗が一気に軽減されて、以後の圧入装置による静的圧入を可能にする。
(鋼管類の圧入でアタッチメントを用いるメリット)
上述した本発明のアタッチメントによれば、鋼管類へ注水するたびに、注水管の設置と取外しを繰り返す必要がないので、鋼管類への注水作業を省力で行うことができる。
また、本発明のアタッチメントは、掘削装置のガイド機能および鋼管類上端のジョイント部の保護機能とともに注水機能(掘削装置の出し入れを妨げない注水手段)も備えているので、鋼管類への注水と同時に、中掘り用の掘削装置を出し入れできる。したがって、圧入工程・中掘り工程と同時並行で、鋼管類への注水を進めることができるので、注水による施工時間の延長を招くことがない。
また、本発明のアタッチメントは、中掘り装置を鋼管内側方向へガイド可能なガイド部と、鋼管類の頭部に接続される接続部とを有しており、注水口はガイド部に形成されている。このように注水口をガイド部に形成することで、注水される水はガイド部に沿って鋼管内に確実に注がれることになる。また、鋼管類に挿入すべき掘削装置をガイド部が鋼管内へ案内してくれるので、鋼管類への掘削装置の挿入作業が容易になる。
(アタッチメントの第2実施形態)
次に、図7及び図8に基づいて、第2実施形態のアタッチメントについて説明する。
第2実施形態のアタッチメント2では、図7に示すように、ガイド部14がスイベル13を介して接続部12に連結されており、そのため、接続部12はガイド部14に対して相対回転できるようになっている。このように、接続部12が相対回転可能に設けられている点において、前述した第1実施形態と相違する。なお、ガイド部14と接続部12の機能そのものは、第1実施形態と同様である。またこのように相対回転させても、ガイド部14と接続部12のそれぞれの機能は失われない。
この第2実施形態のアタッチメント2は、例えば図8に示すように、水底地盤にケーシングチューブ61を回転圧入するとともに、その内側を中掘りする施工において、ケーシングチューブ61の頭部に着脱自在に接続して用いることが可能である。アタッチメント2の注水管18には、前記第1実施形態と同様に、送水ホース25を接続し、さらに当該送水ホースの一端には送水ポンプ27を接続する。
図8の施工態様において、ケーシングチューブ61は回転圧入装置7によって、回転を伴いながら地盤に圧入される。一方、チューブ頭部に接続されたアタッチメント2のガイド部14は、ワイヤ29によって地盤に連結されており、ガイド部14の共回り(ケーシングチューブの回転に伴う共回り)を阻止している。
このように、ガイド部14の回転が阻止される一方で、その下の接続部12はケーシングチューブ61と一体回転するので、回転圧入時にアタッチメント2から送水ホース25が外れることがない。したがって、ケーシングチューブ61を回転圧入しながら、同時に、アタッチメント2を介してケーシング内へ注水を行うことができる。そして、外部との間に一定量の水頭差が確保されるように注水することで、ボイリングを抑制できる。
したがって本発明を、鋼管類の回転圧入を伴う施工に採用することで、「回転圧入」と「中掘り」と「鋼管内への注水」のそれぞれを同時並行で進めることができるといった格別の効果が達成される。
(鋼管類そのものに注水構造を持たせる実施形態)
上述した実施形態では、鋼管とは別体のアタッチメントを鋼管頭部に接続して注水していたが、このようなアタッチメントを用いる代わりに、鋼管そのものに注水手段を具備させて注水するようにしてもよい。
例えば図9に示すように、鋼管矢板5の打設において、鋼管矢板本管51の上端側の側壁に開口部55(注水手段として機能する開口部)を形成し、該開口部に注水管18を接続して注水するようにする。開口部55に注水管18を接続する際には、その先端部が、鋼管矢板本管51の内側に突き出ないようにすることが好ましい。このような開口部55の形成は、施工現場で鋼管矢板本管の上端側に形成してもよく、或いは、鋼管矢板の製造現場で予め形成するようにしてもよい。
なお、鋼管矢板5に他の鋼管矢板を継ぎ足して圧入する場合にも、同様に、新たに継ぎ足した鋼管矢板本管の側壁に開口部を形成して、該開口部を介して注水する。
このように、鋼管矢板本管上端の側壁に孔を開けて、その開口部から注水する方法であれば、掘削装置の昇降経路側へ注水構造が突き出ることがないので、中掘りと同時並行で注水を進めることができる。
(その他)
上述した実施形態では、鋼管類の代表例として鋼管矢板やケーシングチューブを挙げたが、本発明を適用可能な鋼管類は必ずしもこれらに限定されない。例えば、仮橋・仮桟橋工における鋼管杭の打設などにも本発明を適用することができる。
また本発明とともに併用する掘削装置は、図示するようなオーガースクリュー付きの回転駆動式掘削装置に限定されるものではなく、鋼管に対して出し入れ自在のあらゆる掘削装置、例えばハンマーグラブのガイドに用いることができる。
また、鋼管類の圧入時又は打設時に利用する注水手段の構成は、圧入や中掘りの中断を招くものでなければ(すなわち、圧入及び/又は中掘りを妨げず同時並行で注水できるものであれば)特に限定されず、いかなる構造であっても採用可能できる。
1 鋼管類頭部アタッチメント(掘削装置ガイド/掘削装置誘導器具)
2 鋼管類頭部アタッチメント(掘削装置ガイド/掘削装置誘導器具)
3 鋼管矢板圧入装置(鋼管類圧入装置)
5 鋼管矢板(鋼管類)
5’ 鋼管矢板(鋼管類)
7 回転圧入装置
8 中掘り装置(中掘り用の掘削装置)
12 接続部
13 スイベル
14 ガイド部
16 注水口(注水手段)
18 注水管
19 給水口
21 リブ
23 リブ
24 貫通孔
25 送水ホース
26 ボールバルブ(流量調整手段)
27 送水ポンプ(水中ポンプ/サンドポンプ)
29 ワイヤ
34 クランプ
38 チャック
51 本管
51’ 本管
52 継手部
52’ 継手部
53 継手部
53’ 継手部
55 開口部(注水口/注水手段)
61 ケーシングチューブ(鋼管類)

Claims (1)

  1. 鋼管類への中掘り用掘削装置の出し入れによる排土を繰り返して該鋼管類を打設する方法で用いるアタッチメントであって、該鋼管類の頭部に接続して用いるアタッチメントにおいて、
    鋼管類頭部に対して当該アタッチメントを接続するための接続部と、
    前記接続部によって当該アタッチメントが鋼管類頭部に接続された状態で、鋼管類の内部へ注水するための注水手段と、を具備しており、
    鋼管類の内部に対する前記掘削装置の出し入れと同時並行で、鋼管類の内部へ注水できるように、前記注水手段は、前記掘削装置の昇降経路へ突出することなく形成されている、ことを特徴とする鋼管類頭部アタッチメント。
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