JP2009144366A - 杭圧入装置に用いられるジョイント装置 - Google Patents

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Masaya Nakanishi
雅哉 中西
Masao Kitamura
正雄 北村
Tomio Tomoda
十三男 友田
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Abstract

【課題】鋼管矢板を河川に打ち込むにあたり、河川の泥水が飛散することを有効に防止すること。
【解決手段】立設されたリーダマスト4と、河川の地盤B1を掘削する掘削用スパイラル部材と、この掘削用スパイラル部材511と共にリーダマストに案内されて移動し、かつ掘削用スパイラル部材を回転するオーガ51と、掘削用スパイラル部材による地盤の掘削に併わせて鋼管矢板Aを地盤に圧入すると共に、鋼管矢板Aが所定長さ打ち込まれた後に鋼管矢板Aの自立用に鋼管矢板Aに所定の圧力を掛けるジャッキ装置53と、を有する杭圧入装置Iに用いられ、鋼管矢板Aをジャッキ装置53に接続するため、鋼管矢板Aとジャッキ装置53との間に配置されるジョイント装置7である。ジョイント装置は、鋼管矢板を地盤に圧入する際に地盤から噴出し鋼管矢板を上昇する泥水をジョイント装置の特定位置から外部に排出する排水孔を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、オーガスクリューロッド等の掘削用スパイラル部材(アースドリル)によって、地中を掘削しながら鋼管杭等の筒状杭部材を地盤に圧入する杭圧入技術に関する。
従来、例えば鋼管製の筒状杭部材(以下鋼管矢板)を地中に圧入する方法として、油圧装置により杭を直接圧入する方法が知られている。しかし、この方法では、現場の土質が硬質の場合、杭の先端圧入抵抗が大き過ぎて圧入が困難である。このため、掘削用スパイラル部材で地盤の掘削と併用して油圧装置により杭を圧入する中堀り圧入工法が知られている。
中堀り圧入工法では、オーガスクリューロッド及びオーガスクリューロッドを回転駆動する回転駆動手段をクレーン等により吊り上げて使用する。例えば、特許2985068号の特許公報に記載された、クローラと旋回台を備えたベースマシンにリーダマストを立てた杭打ち機がある。この杭打ち機は、ベースマシンにおいて旋回台のブラケット先端部にリーダマストが立設され、このリーダマストはステイなどを介してベースマシンにより3点で支持されている。
そして、リーダマストには、該リーダマストに案内されてリーダマストの頂部と下部との間で昇降しうる駆動部が吊り下ろされている。駆動部は鉛直方向に伸びる回転軸を有する。当該回転軸には、鋼管矢板に内挿され、該鋼管矢板を地中へ進入させうるための掘削用スパイラル部材である前記オーガスクリューロッドが連結されて回転可能に垂下されている。
さらに、上記駆動部よりも下方向には、前記オーガスクリューロッドが内挿される鋼管矢板に取り付けられ、鋼管矢板の上端部を拘束する円環状部材等が備えられている。この円環状部材により上端部が拘束された鋼管矢板の内部に上方からオーガスクリューロッドを挿入し、このオーガスクリューロッドにより鋼管矢板の下端部の地盤を掘削、排出しながら鋼管矢板の自重及び駆動部の重量等により該鋼管矢板を沈設する。
また、鋼管矢板の自立性を向上させるため、最後はオーガスクリューロッドで掘削せずにジャッキを利用して地中に鋼管矢板が圧入されるようにすることが好ましい。
特開2003−213685号公報 特許第2985068号公報
ところで、このような工法を利用して河川に鋼管矢板を打ち込むと、鋼管矢板の圧入時やオーガスクリューロッドの掘削時に河川内の泥水が鋼管矢板の上端開口から径方向に放射状に吹き出して、周囲に飛散する。泥水が飛散すると鋼管矢板の周囲で作業を行っている作業員や杭打ち装置が泥水を浴び、作業がしづらかったり、装置が故障する原因になったりするという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その解決しようとする課題は、鋼管矢板を河川に打ち込むにあたり、河川の泥水が飛散することを有効に防止する技術を提供することにある。
そこで、本装置は、次のようにした。
すなわち、本装置は、立設されたリーダマストと、河川の地盤を掘削する掘削用スパイラル部材と、この掘削用スパイラル部材と共に前記リーダマストに案内されて移動し、かつ掘削用スパイラル部材を回転する駆動部と、前記掘削用スパイラル部材による地盤の掘削に併わせて筒状杭部材を地盤に圧入すると共に、前記筒状杭部材が所定長さ打ち込まれた後に当該筒状杭部材の自立用に当該筒状杭部材に所定の圧力を掛ける圧入部と、を有する杭圧入装置に用いられ、前記筒状杭部材を前記圧入部に接続するため、前記筒状杭部材と前記圧入部との間に配置されるジョイント装置である。
そして、当該ジョイント装置は、前記筒状杭部材を地盤に圧入する際に地盤から噴出し前記筒状杭部材を上昇する泥水をジョイント装置の特定位置からその外部に排出する排水孔を有する。
本装置によれば、地盤から噴出し前記鋼管矢板内を上昇する泥水が、排水孔からまとまって排水されるようになる。
以上、本装置につき、その概略を説明したが、以下、本装置の更なる特徴点を説明する。
前記排水孔には、伸縮自在の蛇腹状をした管が接続されている。当該管は蛇腹状をしているので、排水方向の変更が自在にできる。このため、使い勝手がよい。
本装置によれば、地盤から噴出し前記鋼管矢板内を上昇する泥水が、排水孔からまとまって排水されるようになるので、鋼管矢板を河川に打設するにあたり、河川の泥水が飛散することを有効に防止できる。また、排水孔の形成される特定位置さえ把握できれば、作業員や設備が泥水を浴びてしまうこともない。
本発明に係る杭圧入装置の一例として、図1に示すようなクローラクレーン1がある。クローラクレーン1は、河川に浮かび図示しない曳船にて曳航される作業台船I上に設置される。クローラクレーン1は、この作業台船I上で、鋼管矢板Aを、河川Bの地盤B1に、例えば護岸のために圧入する(図3,4参照)。
クローラクレーン1は、クローラ2と、クローラ2に設置された旋回台21と、旋回台21に設けられたブラケット211の先端部に下端部を枢支して立設されたリーダマスト4とを有する。
リーダマスト4は、その上端部から吊り下ろされたワイヤロープ41を有する。ワイヤロープ41の先端には、河川Bの地盤B1を実際に掘削するための掘削用スパイラル部材であるオーガスクリューロッド511が着脱自在に連結されたアースオーガ5を有する。またワイヤロープ41の基端は、リーダマスト4の基端部近傍に設置されたワイヤロープ巻き上げ装置212を有する。オーガスクリューロッド511は、周知の連結手段によりロッドを連結し、全長を延ばすことができる。
オーガスクリューロッド511を有するアースオーガ5は、ワイヤロープ巻き上げ装置212によりワイヤロープ41の巻き上げや巻き戻しによって、リーダマスト4に案内されながら鉛直方向において上下動するオーガ本体51を有する。オーガ本体51は、オーガスクリューロッド511を回転する駆動部としての機能を有する。
またアースオーガ5は、鋼管矢板Aにオーガスクリューロッド511を挿入した状態で
、鋼管矢板Aをアースオーガ5に連結するためのジョイント装置7を有する。さらに、アースオーガ5は、オーガスクリューロッド511による掘削に併わせて鋼管矢板Aを地盤B1にある程度打ち込んでから、鋼管矢板Aを地盤に単に圧入することで、鋼管矢板Aを自立させるための油圧式のジャッキ装置53を有する。
ジャッキ装置53は、オーガ本体51に一体化して形成されるシリンダー部531と、シリンダー部531に対して伸縮する一対のピストンアーム部532と、ピストンアーム部532の先端をつなぎ合わすつなぎ部533とを有する。つなぎ部533は、ジャッキ装置53をジョイント装置7と連結する連結部でもある。
アースオーガ5は、オーガ本体51−ジャッキ装置53−ジョイント装置7−鋼管矢板A(オーガスクリューロッド511を含む。)の順で、同一軸線(鉛直線)C上に配置される。
このような、アースオーガ5は、オーガスクリューロッド511による地盤B1の掘削による穿孔に対し、鋼管矢板Aをその自重及びオーガ本体51の自重等により地盤B1に圧入する。またオーガ5は、鋼管矢板Aが地盤B1に所定長さ打ち込まれた後に、ピストンアーム部532を伸ばすことにより、ジョイント装置7を介して、鋼管矢板Aを地盤B1に圧入し、鋼管矢板Aを地盤B1に自立させる。よって、ジャッキ装置53、延いてはジャッキ装置53を有するアースオーガ5は、鋼管矢板Aに所定の圧力を積極的に掛ける圧入部ということができる。
圧入前、ジャッキ装置53は、そのシリンダー部531に対し一対のピストンアーム部532が縮んだ状態にある(図18(a)参照)。そして、ジョイント装置7にジャッキ装置53が連結された状態で、ジャッキ装置53を駆動すると、ピストンアーム部532が、シリンダー部531から所定長さL伸びて、その分、ジョイント装置7を下方に押し下げるため、鋼管矢板A(A1とA2)が下方に移動する(図18(b)参照)。その結果、鋼管矢板Aを自立させるための圧入が地盤B1に対して実施される。
ジョイント装置7は、図2に示すように、両端が開口する筒形状をしている。
当該両端には、それぞれ上フランジ71及び下フランジ72を有する。上フランジ71は、ジャッキ装置53とジョイント装置7とを連結するためにジョイント装置7の上端において張り出したフランジである。下フランジ72は、鋼管矢板Aとジョイント装置7とを実際に連結するために下端において張り出したフランジである。
そして、上フランジ71にはジャッキ装置53の前記つなぎ部533が対応され、下フランジ72には鋼管キャップと称する鋼管からなる杭連結装置が対応されている。いずれも螺合手段によって取り付けられる。鋼管キャップを符合75示す。なお鋼管キャップ75のことをやっとこという。
これら上フランジ71及び下フランジ72並びにそれぞれに対応するつなぎ部533及び鋼管キャップ75には、それぞれ複数のボルト通し孔711及び712が同数形成されている。そして、これらボルト通し孔711及び712に対して図示しないボルトが貫通され、当該ボルトと図示しないナットとを螺合する。
当該螺合により、ジョイント装置7を間に挟んだ状態で、ジョイント装置7の上にジャッキ装置53が、またジョイント装置7の下に円筒形の鋼管キャップ75が位置するようになる。
鋼管キャップ75に鋼管矢板Aを結合するにあたり、両者はいわゆるバヨネットロック式組手によって連結される。バヨネットロック式組手とは、嵌合される関係にある一対の
管を組み合わせる組み手方式であり、一方の管に設けられたL字形状溝に他方の管に形成されたピンを入れることで、両管が継ぎ合わされる方式である。
詳しくは、鋼管キャップ75には、その壁面に軸方向に延びる一端開口の縦溝743a及びこの縦溝743aの他端である閉塞端において縦溝743aに直交する横溝743bからなるL字形を倒立させたごとき形状の溝743が軸周りに例えば等間隔で複数形成されている。そして、鋼管矢板Aの外周壁にはその径方向に突出し、溝743に嵌入するピンA11が溝743と同数設けられている(図面では一カ所のみ示す)。
鋼管キャップ75に鋼管矢板Aを組み付けるには、鋼管キャップ75の縦溝743aに鋼管矢板AのピンA1を前記開口側から入れて鋼管矢板Aを軸方向に移動する。その後、縦溝743aと横溝743bとの交差部分にピンA1が当接したら、鋼管矢板Aを軸線C上で回転することで(図2参照)、今度は横溝743bに沿ってピンA1を移動する。ピンA1が横溝743bにある間、鋼管キャップ75と鋼管矢板Aとは結合関係を維持する。
ジョイント装置7は、さらにその壁面(円筒側壁面)76の特定箇所に、L字形を横倒しにしたごとき形状の排水管73を有する。排水管73の開口には、伸縮自在の蛇腹状をした自在管731が外嵌され、垂下している。両管は、適宜な連結バンドにより結合される。鋼管矢板Aを地盤に圧入する際に鋼管矢板Aを伝って地盤B1から噴出する泥水Dを配水管73及び自在管731により、ジョイント装置7の外部に排出する。鋼管キャップ75における排水管73及び自在管731の取り付け箇所は、外部から容易に確認できる特定の箇所である。自在管731は、地上に当接するほど長くしてもよいが、無くてもよい。
配水管73(又は自在管731)の開口73aは、鋼管矢板Aを地盤に圧入する際に地盤B1から噴出し鋼管矢板A内を上昇する泥水Dを、ジョイント装置の特定位置からその外部に排出する排水孔といえる。
次に図3〜22を参照して、鋼管矢板Aの打設手順を説明する。なお、この実施形態では、鋼管矢板Aを2本分、河川Bの地盤B1に打設する場合について説明する。下方に位置する鋼管矢板Aを下矢板A1ということにする。また、下矢板A1とは別の鋼管矢板であって上方に位置する鋼管矢板Aを上矢板A2ということにする。
図3に示すように、クローラクレーン1を用いて、河川Bに鋼管矢板A(図4参照)を打設するにあたり、実際に打設する箇所とは別の箇所に建て込み穴H1を削孔する。この削孔は、クローラクレーン1のオーガスクリューロッド511の取り付けられたアースオーガ5により実行される。当該建て込み穴H1は、鋼管矢板Aの長さのほぼ3分の1程度の深度である。
建て込み穴H1を削孔したら、図4に示すように、吊り専用のクローラクレーン1Aにより鋼管矢板Aを吊り、これを建て込み穴H1に建て込む。当該建て込み穴H1に入れられた鋼管矢板Aは下矢板A1となる。建て込まれた下矢板A1は自立する。
図5に示すように、図4で建て込み穴H1を削孔したオーガスクリューロッド511を建て込み穴H1に入れられた鋼管矢板Aにセットするため、オーガスクリューロッド511の取り付けられたアースオーガ5をリーダマスト4に沿って下降する。
下降が終了したら、図6に示すように、鋼管キャップ75を介して、アースオーガ5と鋼管矢板Aとを結合する(以下、キャッピング)。この建て込み穴H1は、オーガスクリューロッド511を建て込み穴H1に入れられた鋼管矢板Aにセットするための穴である
図7に示すように、キャッピングがされたアースオーガ5をリーダマスト4に沿って上昇させ、鋼管矢板Aを建て込み穴H1から引き抜く。その状態のまま、クローラクレーン1は、旋回台21を旋回したり、クローラ2を駆動したりすることで、引き抜いた鋼管矢板Aを河川Bの地盤B1における予め定められた所定の打設箇所に向けて移動する。
所定の打設箇所では、図8に示すように、アースオーガ5と鋼管矢板Aとを地盤B1において打設するため、アースオーガ5によりオーガスクリューロッド511を正回転する。そして、アースオーガ5の重量と自己の重量とにより、鋼管矢板Aを沈設する。打設完了後、キャッピングを解除し(図9参照)、図10に示すように、鋼管矢板にオーガスクリューロッドを高止め状態で預けた状態で、アースオーガを引き上げる。なお、キャッピングされた状態をキャッピング状態といい、キャッピングが解除された状態を非キャッピング状態という。
図8で打設した下矢板A1に別の鋼管矢板である上矢板A2を建て込むため、上矢板A2にオーガスクリューロッド511と連結されるロッド511Aを挿入した状態で、吊り専用のクローラクレーン1Aで吊る(図11参照)。そして、上矢板A2を下矢板A1に建て込み、ロッド511Aの先端をオーガスクリューロッド511の後端と連結し(図12参照)、その後、上矢板A2と下矢板A1とを溶接によって結合する(図13参照)。
そして、図14及び15に示すように、アースオーガ5がリーダマスト4上を上矢板A2に向けて下方に移動するように、クローラクレーン1でワイヤーロープ巻き上げ装置212を操作し(図14参照)、アースオーガ5とロッド511Aとを結合する。図15に示すように、アースオーガ5を上矢板A2にキャッピングする。
その後、図16に示すように、アースオーガ5を駆動して、オーガスクリューロッド511を正回転しつつ、アースオーガ5の重量と、下矢板A1及び上矢板A2の自重とにより、下矢板A1と上矢板A2とを地盤B1内にさらに打設する。下矢板A1の先端が所定の深度に達する手前の箇所P1まで打設を行う(図18(a)参照)。
当該打設が前記手前の箇所P1にまで進行したら、図16〜18よりわかるように、ジャッキ装置53により上矢板A2及び下矢板A1を圧入し、下矢板A1の先端を前記所定の深度に当たる箇所P2にまで至らしめる。
この圧入の際に、地盤から噴出する泥水Dは、下矢板A1及び上矢板A2内を上昇する。当該上昇した泥水Dは、鋼管キャップ75の排水管73及び自在管731を経由して鋼管キャップ75の外部に排出される(図2参照)。配水管73の取り付け箇所は、外部から確認できる特定箇所であるため、誰が見てもそこから排水されるということがわかる。なお、泥水のほとんどは、ジャッキ装置53により圧が掛けられたときに排出するが、既述のように、アースオーガ5の重量と、下矢板A1及び上矢板A2の自重とにより、下矢板A1と上矢板A2とを地盤B1内に打設する場合も排水はあり得る。
打設が完了したら、アースオーガ5と上矢板A2との結合を解除する。そして、アースオーガ5の引き上げを行う(図19参照)。それに伴い、ロッド511A及びオーガスクリューロッド511が引き上げられる。
上矢板A2からロッド511Aを引き抜いたら、図20に示すように、ロッド511Aとオーガスクリューロッド511との結合を解除する。この時、オーガスクリューロッド511は、上矢板A2内に位置する。そして、オーガスクリューロッド511を上矢板A2に残した状態で、アースオーガ5からロッド511Aを取り外す。ロッド511Aの取
り外しにあたり、クローラクレーン1Aでロッド511Aを吊る。
次に図21に示すように、アースオーガ5を下降させ、アースオーガ5とロッド511Aとの連結が解除されたオーガスクリューロッド511とを結合した後、アースオーガ5を駆動し、オーガスクリューロッド511を逆回転して抜き上げる。逆回転することにより、鋼管内の土砂は管内に残置される。
最後に図22に示すように、アースオーガ5の上昇に伴いオーガスクリュー511を上矢板A2から完全に引き抜き、一連の作業を終了する。なお、打設完了後、上矢板A2の開口部の養生のため、当該開口部に図示しない鉄板蓋を設置する。
次にこのような実施形態の作用効果について説明する。
鋼管矢板Aを地盤B1に圧入する際に地盤B1から噴出し鋼管矢板A内を上昇して排出される泥水Dは、鋼管キャップ75に設けられた排水孔として機能する排水管73及び配水管73に接続されている自在管731からまとまって排水されるようになる。
なお、配水管73及び自在管731経由でなされる排水以外に、例えば鋼管キャップ75と上矢板A2との間の隙間からの排水(隙間排水)もある。しかし、排水管73及び自在管731からの排出量がそれらの隙間経由で排出されるよりも遙かに大きいといえるので、泥水Dのほとんどは当該開口から排出され、隙間排水はほとんど無いといえる。
したがって、鋼管矢板Aを河川に打ち込むにあたり、河川の泥水Dが隙間排水となって飛散することを有効に防止することができる。また、鋼管キャップ75における配水管73の形成箇所は外部から容易に見ることができるので、作業員や機材が泥水Dを浴びないようにすることができる。
また、自在管731は、伸縮自在の蛇腹状をした管であるから、排水方向を必要に応じて自在に変更できる。このため、排水するに1番好適な箇所に自在管731を向ければよいので、使い勝手がよいといえる。
そして、鋼管キャップ75と鋼管矢板Aとの結合にバヨネットロック式組手が適用されているので、両者の接続及び解除が容易にできる。よって作業性が向上する。
本発明に係る杭圧入装置の側面図である。 本発明に係る鋼管キャップの拡大図である。 本発明に係る杭圧入装置を用いた鋼管矢板の打設手順を示す図であって、建て込み穴を削孔している状態を示す図である。 図3に連続する図であって、吊り専用のクローラクレーンに鋼管矢板を吊って当該矢板を削孔に建て込む状態を示す図である。 図4に連続する図であって、下矢板となる鋼管矢板にオーガスクリューロッドをセットする状態を示す図である。 図5に連続する図であって、アースオーガと下矢板とをキャッピングにより結合した状態を示す図である。 図6に連続する図であって、結合されたアースオーガと下矢板とを建て込み穴から引き抜いた状態を示す図である。 図7に連続する図であって、図7で引き抜いたアースオーガと下矢板とを所定の打設位置に中堀圧入している状態を示す図である。 図8に連続する図であって、図8で圧入した下矢板の打設完了後、アースオーガと鋼管矢板との結合を非キャッピング状態にすることにより解除した状態を示す図である。 図9に連続する図であって、下矢板にオーガスクリューロッドを残してアースオーガを引き上げた状態を示す図である。 図10に連続する図であって、下矢板に上矢板となる別の鋼管矢板を建て込むため、当該別の鋼管矢板にロッドを挿入した状態で吊り下げている状態を示す図である。 図11に連続する図であって、打設済みの下矢板のオーガスクリューロッドに上矢板となる別の鋼管矢板のロッドを結合した状態を示す図である。 図12に連続する図であって、下矢板と上矢板とを溶接により連結して両者が一体化した状態を示す図である。 図13に連続する図であって、アースオーガを上矢板に挿入されているロッドと結合する状態を示す図である。 図14に連続する図であって、上矢板と下矢板を連結後、中堀圧入をさらに進行させる初期段階の状態を示す図である。 図15に連続する図であって、中堀圧入が進行し、上矢板の一部と下矢板の全部が地盤内に位置する状態を示す図である。 図16に連続する図であって、上矢板と下矢板が圧入されて位置するようになる所定の深度の箇所よりも浅い手前の位置において、ジャッキ装置により上矢板と下矢板とを圧入している状態を示す図である。 (a)図及び(b)図は、それぞれ図16及び図17の側面を示す図である。 図17に連続する図であって、打設が完了し、アースオーガと鋼管矢板との結合を解除し、アースオーガの引き上げに伴い鋼管矢板からロッド及びオーガスクリューロッドを引き出している途中の状態を示す図である。 図19に連続する図であって、ロッドのみの引き抜き完了後、ロッド及びオーガスクリューロッドの結合を解除し、オーガスクリューロッドを上矢板に残した状態で、アースオーガに連結されているロッドを取り外す状態を示す図である。 図20に連続する図であって、アースオーガを下降させ、アースオーガとオーガスクリューロッドとを結合したのち、オーガスクリューロッドを逆回転して抜き上げようとする状態を示す図である。 図21に連続する図であって、アースオーガを上昇させ、オーガスクリューロッドを完全に引き抜いて一連の作業が終了した状態を示す図である。
符号の説明
I 作業台船
1 クローラクレーン(杭圧入装置)
1A 吊り専用のクローラクレーン
2 クローラ
4 リーダマスト
5 アースオーガ
7 ジョイント装置
21 旋回台
41 ワイヤロープ
51 オーガ本体(駆動部)
53 ジャッキ装置(圧入部)
71 上フランジ
72 下フランジ
73 排水管
73a 排水管(又は自在管)の開口
75 鋼管キャップ
76 円筒側壁面
211 ブラケット
212 ワイヤロープ巻き上げ装置
511 オーガスクリューロッド(掘削用スパイラル部材)
511A ロッド
531 シリンダー部
532 ピストンアーム部
533 つなぎ部
711,712 ボルト通し孔
731 自在管(蛇腹状をした管)
743 L字形溝
743a 縦溝
743b 横溝
A 鋼管矢板(筒状杭部材)
A1 下矢板(筒状杭部材)
A2 上矢板(筒状杭部材)
A11 ピン
B 河川
B1 地盤
C 軸線
D 泥水
H1 建て込み穴
L ピストンアーム部の伸び量
P1 鋼管矢板が所定の深度に達するまでの手前の箇所
P2 所定の深度に当たる箇所

Claims (2)

  1. 立設されたリーダマストと、
    河川の地盤を掘削する掘削用スパイラル部材と、
    この掘削用スパイラル部材と共に前記リーダマストに案内されて移動し、かつ掘削用スパイラル部材を回転する駆動部と、
    前記掘削用スパイラル部材による地盤の掘削に併わせて筒状杭部材を地盤に圧入すると共に、前記筒状杭部材が所定長さ打ち込まれた後に当該筒状杭部材の自立用に当該筒状杭部材に所定の圧力を掛ける圧入部と、を有する杭圧入装置に用いられ、
    前記筒状杭部材を前記圧入部に接続するため、前記筒状杭部材と前記圧入部との間に配置されるジョイント装置であって、
    当該ジョイント装置は、
    前記筒状杭部材を地盤に圧入する際に地盤から噴出し前記筒状杭部材を上昇する泥水をジョイント装置の特定位置から外部に排出する排水孔を有することを特徴とする杭圧入装置に用いられるジョイント装置。
  2. 前記排水孔には、伸縮自在の蛇腹状をした管が接続されていることを特徴とする請求項1に記載の杭圧入装置に用いられるジョイント装置。
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