JP6923895B1 - 杭撤去装置 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、削孔時、ケーシングの下端部周辺に泥濘化剤を供給することにより、ケーシングの下端部周辺の土砂を泥濘化させてケーシングに作用する抵抗力を低減させることも行われている(例えば、特許文献2)。
しかし、特許文献1の杭撤去装置では、装置自身の信頼性を確保できない虞がある。
既設杭の引抜時、杭撤去装置のチャック部材は、チャック動作に伴ってケーシング内に部分的に突入することにより、既設杭の下端部を支持するように構成されている。
つまり、チャック部材は、引抜時を除く大方の間、ケーシング外に配置されているため、削孔時、地盤(土砂)に直接晒されている。それ故、掘進速度が高い程、チャック部材に作用する抵抗力も増加し、抵抗力に伴ってチャック部材が破損する虞も増加する。
しかし、泥濘化剤を用いる場合、泥濘化剤を取回す配管構造や溶剤の供給制御機構等が新たに必要であり、更に、引抜前の空気送り込み工程等の工程追加も必要になる。
即ち、既設杭の引抜撤去作業において、杭の引抜作業の効率化と装置の信頼性向上との両立は容易ではない。
前記ケーシングの下端側部分に外径方向に膨出するように形成された円環状の収容室であって、水平方向に開閉作動する前記複数のチャック部材を収容可能な収容室を有するため、チャック部材を削孔時から引抜時に亙ってケーシング内部に収容することができ、チャック部材が地盤に直接晒されることを回避することができる。
しかも、圧入抵抗を小さくしてアースオーガの掘進速度を一層速くすることができ、削孔作業の効率化を図ることができる。
この構成によれば、削孔時、チャック解除動作したチャック部材とケーシングの下端開口から侵入した土砂との直接的な干渉を回避することができる。
以下の説明は、本発明を重機に装着された杭撤去装置に適用したものを例示したものであり、本発明、その適用物、或いは、その用途を制限するものではない。
図1に示すように、杭撤去装置1は、移動手段である重機2に吊り下げられた状態で使用される。重機2は、自走及び旋回可能なクローラ21と、このクローラ21に回動自在に支持された重機本体22と、この重機本体22の前部から前側上方に延びるブーム23と、ブーム23に支持されたリーダ(ガイドセル)24等により構成されている。
鉛直姿勢のリーダ24には、ワイヤ操作で上下移動可能な昇降部材25が設けられている。杭撤去装置1は、ブラケット26を介して昇降部材25に取り付けられる。
駆動装置3は、鉛直姿勢に配置されたアースオーガ4を軸心回りに回転駆動するように構成されている。図1,図2に示すように、駆動装置3は、リング台31の上部に鋼板を用いて組立てた吊り下げ用台32を立設して装置本体を形成し、台32の上端をピンを用いてブラケット26に連結している。
サークルギヤ33の下端には、アースオーガ4を固定可能な複数の結合金具39が設置されている。油圧モータ37は、削孔時、サークルギヤ33を介してアースオーガ4を右回転させ、また、引抜時、サークルギヤ33を介してアースオーガ4を左回転させている。
図1に示すように、アースオーガ4は、中間ケーシング41と、この中間ケーシング41の下端部に連結された削孔ケーシング42と、この削孔ケーシング42の外周面に取り付けられたスクリュー体43と、削孔ケーシング42の下端側部分に形成された円環状の収容室44等を有している。
削孔ケーシング42は、複数の開口部42aと、1対の作動油経路42bとを備えている。複数の開口部42aは、削孔ケーシング42の側部に上下方向に並ぶように形成されている。本実施形態では、複数の開口部42aが、平面視にて、軸心に対して点対称配置になるように上下方向に2列設けられている。削孔時、削孔ケーシング42の下端開口42sから内部に侵入した土砂は、複数の開口部42aから削孔ケーシング42の外部に順次排出される。
収容室44は、複数のチャック部材5を空間内部に収容するように構成されている。
図4〜図6に示すように、収容室44は、削孔ケーシング42の下端側部分に外径方向へ膨出するように円環状に形成されている。収容室44は、円環状の上壁部44aと、下方程小径化する下壁部44bと、上壁部44aと下壁部44bの外周部を連結する側壁部44cとを備えている。
D1<D2<D3 …(1)
これにより、削孔作業の効率を維持しつつ削孔ケーシング42の内部に収容室44を形成するスペースを確保することができる。
D2<2×D1 …(2)
直径D2が2×D1以上の場合、掘進抵抗が大きくなり過ぎ、削孔効率が低下するためである。
3つのチャック部材5は、収容室44の内部で軸心回りに等間隔になるよう配設されている。これらチャック部材5は、既設杭Pを把持可能に形成され、削孔ケーシング42の下端側部分において内径方向に既設杭Pをチャック可能に夫々構成されている。
図4〜図6に示すように、各チャック部材5は、板状のチャック体51と、シリンダ52と、チャック体51に連結されると共にシリンダ52によって駆動されるロッド53等を夫々備えている。
このチャック体51は、回動点51pにて収容室44に支持され、この回動点51p回りに水平方向に向けて回動可能に構成されている。
シリンダ52は、その基端部が収容室44に対して回動可能に支持されている。このシリンダ52は、油圧ホース46の下端側部分に接続され、この油圧ホース46を介して作動油が給排される。
図5に示すように、チャック解除動作(開作動)時、ロッド53が短縮し、チャック体51は、回動点51pを中心として時計回りに回動する。このとき、3つのチャック体51は、削孔ケーシング42(下端開口42s)よりも外側且つ側壁部44cよりも内側の格納領域に配置される。
図7(a)に示すように、削孔作業時、既設杭Pとアースオーガ4を同軸上に配置して、駆動装置3がアースオーガ4を右回転駆動する。これにより、アースオーガ4は、地中に回転圧入される。このとき、チャック体51は、収容室44の内部、所謂ケーシング42よりも外側且つ側壁部44cよりも内側の格納領域に配置されている(図5参照)。
回転圧入に伴いアースオーガ4内部に侵入する土砂は、複数の開口部42aからアースオーガ4の外部に順次排出される。
これにより、下端開口42sをチャック体51を用いて塞ぎ、既設杭Pをチャック体51上に載置する(図6参照)。
この杭撤去装置1によれば、アースオーガ4は、円筒状の削孔ケーシング42と、削孔ケーシング42の外周面に螺旋状に取り付けられたスクリュー体43とを有するため、泥濘化溶剤等を必要とすることなく、掘進速度を速くすることができ、削孔作業の効率化を図ることができる。削孔ケーシング42の下端側部分に外径方向に膨出するように形成された円環状の収容室44であって、水平方向に開閉作動する複数のチャック部材5を収容可能な収容室44を有するため、チャック部材5を削孔時から引抜時に亙って削孔ケーシング42内部に収容することができ、チャック部材5が地盤に直接晒されることを回避することができる。
これによれば、削孔作業の効率を維持しつつ削孔ケーシング42内部に収容室44を形成するスペースを確保することができる。
1〕前記実施形態においては、中間ケーシング41と削孔ケーシング42から構成されたアースオーガ4の例を説明したが、必ずしも、アースオーガ4は中間ケーシング41を備えていなくても良い。この場合、アースオーガ4(削孔ケーシング42)の全長(長手方向長さ)が、既設杭Pの全長よりも大きくなるように設定される。
3 駆動装置
4 アースオーガ
5 チャック部材
42 削孔ケーシング
42a 開口部
43 スクリュー体
44 収容室
44a 上壁部
44b 下壁部
44c 側壁部
P 既設杭
Claims (4)
- 既設の杭の外径よりも大きい内径を有するアースオーガと、このアースオーガを軸心回りに回転駆動する駆動手段と、前記アースオーガの下端側部分において内径方向にチャック可能な複数のチャック部材とを備えた杭撤去装置において、
前記アースオーガは、
円筒状のケーシングと、
前記ケーシングの外周面に螺旋状に取り付けられたスクリュー体と、
前記ケーシングの下端側部分に外径方向に膨出するように形成された円環状の収容室であって、水平方向に開閉作動する前記複数のチャック部材を収容可能な収容室とを有し、
前記収容室は、上壁部と、下方程小径化する下壁部と、前記上壁部と下壁部の外周部を連結する側壁部とを有することを特徴とする杭撤去装置。 - 前記ケーシングの直径をD1、前記収容室の最大直径をD2、前記スクリュー体の直径をD3としたとき、D1<D2<D3 の関係が成立することを特徴とする請求項1に記載の杭撤去装置。
- 前記複数のチャック部材は、チャック動作したとき前記ケーシングの軸心側へ突入し、チャック解除動作したとき前記ケーシングと前記収容室の側壁部との間の空間に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の杭去装置。
- 前記ケーシングの側部に上下方向に並ぶ複数の開口部が形成されたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の杭撤去装置。
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