JP4005906B2 - 掘削撹拌装置及び地盤改良方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、掘削溝を掘削するとともに、その掘削溝内を撹拌する掘削撹拌装置及び地盤改良方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、掘削溝を掘削するとともに、掘削溝内で土砂と固化剤を撹拌して混合する掘削撹拌装置としては、掘削刃と撹拌翼を周囲に備えた複数の回転軸(掘削軸)と、各回転軸を回転駆動させる複数の原動機を有する駆動部とを備えた多軸掘削機本体を、ベースマシンのリーダマストに昇降自在に支持させる掘削撹拌装置がある。この掘削撹拌装置は、回転軸を回転させながら多軸掘削機本体を掘削溝内に下降させ、掘削溝内で掘削及び撹拌を行うとともに、回転軸に設けた貫通孔から掘削溝内に固化剤を注入する装置である(例えば、特許文献1参照。)。
また、撹拌翼を周囲に備えた回転軸を駆動部から上方に向けて設置し、駆動部の上方で掘削溝内を撹拌するように構成された掘削撹拌装置がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
なお、本出願人は、先に特願2002−204775号に示すように、内挿された固定軸周りに回転可能な出力部を備えた外周駆動型の油圧モータ(以下、「アウターモータ」という)を用いた掘削撹拌装置を出願している。このアウターモータを用いた掘削撹拌装置は、ベースマシンに支持された固定軸をアウターモータに貫通させ、さらに、固定軸が内挿されるようにして、掘削刃と撹拌翼とを周囲に備えた中空の回転軸の頂部をアウターモータの出力部に接続し、回転軸を固定軸と同心軸周りに回転させることにより、掘削溝内で掘削及び撹拌を行うとともに、固定軸に設けた貫通孔から固化剤を掘削溝内に注入する装置である。また、掘削溝内の上方に対応するようにして、固定軸にアウターモータ及び回転軸を増設するように構成している。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−352070号公報(第1−4頁、第1−2図)
【特許文献2】
特開平10−219734号公報(第1−4頁、第1−2図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の掘削撹拌装置では、以下の問題がある。
掘削溝の掘削及び撹拌が完了した後に、掘削撹拌装置を掘削溝内から引き上げることになる。このとき、掘削溝内の下方に配置された駆動部やアウターモータを上昇させることになり、駆動部やアウターモータの外壁面と掘削土砂との間に発生する抵抗力が大きくなってしまうため、掘削溝内からの離脱作業が煩雑になってしまう。特に、回転軸を多数並設して連続地中壁を構築する場合には、駆動部の大型化やアウターモータの増設により、掘削土砂との抵抗力が非常に大きくなり、掘削撹拌装置を掘削溝内から離脱させることが困難になってしまう。
また、従来の掘削撹拌装置では、掘削溝内の上方で掘削土砂と固化剤が硬化してしまうことを防止するため、駆動部から上方に向けて撹拌翼を設置したり、掘削溝の上方に対応させて固定軸に撹拌翼を設置しているが、掘削溝の深度が大きい場合には、撹拌翼を設置する区間が大きくなってしまう。すなわち、1台の掘削撹拌装置に多数の回転軸を設置した場合には撹拌翼の重量が大きくなり、掘削撹拌装置において回転軸側の重量が大きくなるため、ベースマシンにカウンターウェイト等を設置して掘削撹拌装置の安定性を確保する必要がある。
【0006】
したがって、従来の掘削撹拌装置では、駆動部又はアウターモータによる抵抗力によって、多軸掘削機本体や回転手段を掘削溝内から引き上げる作業が煩雑になってしまうため、施工効率が低くなってしまうという問題がある。また、掘削溝内の上方に対応させて撹拌翼を設置する構成では、撹拌翼を設置する区間が大きくなってしまう場合があり、掘削撹拌装置の重量が増加してしまうとともに、装置の製作費用が高くなってしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、掘削溝内の全高に対応させて撹拌翼を設置することなく、掘削溝内から簡易に引き上げることができ、多数の回転軸を並設した場合であっても、施工効率を高めることができる掘削撹拌装置及び地盤改良方法を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決すべく構成されるものであり、請求項1に記載の発明は、ベースマシンと、ベースマシンに昇降可能に支持されている複数の回転手段とを備え、各回転手段は、ベースマシンに対して並設されており、各回転手段は掘削刃及び撹拌翼を有し、掘削刃により掘削溝を掘削するとともに、撹拌翼により掘削溝内を撹拌する掘削撹拌装置であって、各回転手段は、第1回転手段と第2回転手段とから構成され、第1回転手段と第2回転手段とが隣り合うようにして、少なくとも4基以上の回転手段が並設されており、第1回転手段は、第1油圧モータと、第1油圧モータの出力部に内挿されることにより回転可能であり、上部及び下部に掘削刃を備えるとともに、撹拌翼を周囲に備えた回転軸とから構成され、第2回転手段は、固定軸と、固定軸が内挿され、撹拌翼を周囲に備えた出力部が固定軸周りに回転可能な第2油圧モータと、第2油圧モータの出力部に接続されることにより、固定軸と同心軸周りに回転可能であり、上部及び下部に掘削刃を備えるとともに、撹拌翼を周囲に備えた回転軸とから構成されていることを特徴としている。
【0009】
ここで、ベースマシンは、回転手段を昇降可能な装置であれば自走式や固定式など、その構成は限定されるものではない。
また、油圧モータは、ラジアルピストンモータやアキシャルピストンモータなど既存の油圧モータである。
さらに、回転軸の掘削刃及び撹拌翼の形状や構成は限定されるものではなく、掘削溝を効率良く掘削し、掘削溝内を確実に撹拌することができる形状及び構成であればよい。
【0010】
この発明によれば、油圧モータの出力部の周囲に撹拌翼が備えられており、出力部は固定軸周りに回転可能であるため、回転手段を掘削溝から引き上げる際に、出力部を固定軸周りに回転させながら油圧モータを上昇させることにより、油圧モータと掘削土砂の間の抵抗力を小さくすることができ、回転手段を掘削溝内から簡易に引き上げることができる。これにより、回転手段を掘削溝内から引き上げる際の時間が短縮され、引き上げ時に掘削土砂に注入する液剤を減少させることができるとともに、引き上げ時に掘削溝内から突出した回転手段を効率良く洗浄することができ、使用する洗浄剤の量を少なくすることができる。これは、回転手段を多数並設した場合に、特に有効である。
【0011】
また、回転軸の上部に掘削刃が設置されており、回転手段を掘削溝から引き上げる際に、掘削溝内の上方で掘削土砂と固化剤の硬化が進行している場合であっても、掘削刃により掘削土砂を粉砕して柔かくすることができるため、掘削溝内の全高に対応させて撹拌翼を設置することなく、回転手段を掘削溝内から簡易に引き上げることができる。
さらに、回転軸は、歯車機構などの駆動機構を設置することなく、油圧モータの出力部に直接接続され、回転手段が軽量化されるため、回転手段を多数並設する場合や、回転手段を延長して深度の大きな掘削溝を構築する場合であっても、ベースマシンにカウンターウェイト等を設ける必要がなくなり、掘削撹拌装置の構成を簡易化することができ、製作費用を少なくすることができる。
【0012】
また、回転軸に備えられた撹拌翼とともに、油圧モータの出力部の周囲に備えられた撹拌翼により掘削溝内を撹拌するため、効率良く掘削溝内を撹拌することができる。
また、油圧モータの出力部の周囲に撹拌翼を設けることにより、回転手段の高さ方向において広範囲に撹拌翼が設置されるため、掘削土砂を効率良く上方に排土することができる。
【0013】
また、固定軸が掘削時に回転しないため、固定軸に固化剤の供給管を接続する場合に、スイベルジョイント等の特殊な機構を設置する必要がなくなり、回転手段の構成を簡易化することができる。さらに、固定軸を掘削溝内の下方まで延長させ、回転しない固定軸に各種の計測装置を簡易に設置することにより、掘削溝内の掘削状態をリアルタイムで把握して、正確に施工を管理することができる。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に関連する発明であり、ベースマシンと、ベースマシンに昇降可能に支持されている複数の回転手段とを備え、各回転手段は、ベースマシンに対して並設されており、各回転手段は掘削刃及び撹拌翼を有し、掘削刃により掘削溝を掘削するとともに、撹拌翼により掘削溝内を撹拌する掘削撹拌装置であって、各回転手段は、第1回転手段と第2回転手段とが隣り合うようにして、少なくとも4基以上の回転手段が並設されており、第1回転手段は、第1油圧モータと、第1油圧モータの出力部に内挿されることにより回転可能であり、上部及び下部に掘削刃を備えるとともに、撹拌翼を周囲に備えた第1回転軸とから構成され、第2回転手段は、固定軸と、固定軸が内挿され、撹拌翼を周囲に備えた出力部が固定軸周りに回転可能な第2油圧モータと、第2油圧モータの出力部に接続されることにより、固定軸と同心軸周りに回転可能であり、上部に掘削刃を備えるとともに、撹拌翼を周囲に備えた第2回転軸と、固定軸に支持された第3油圧モータと、第3油圧モータの出力部に内挿されることにより回転可能であり、下部に掘削刃を備えるとともに、撹拌翼を周囲に備えた第3回転軸とから構成されていることを特徴としている。
【0015】
ここで、内挿された固定軸周りに出力部が回転する第2油圧モータは、回転する出力部の直径が大きいため、粘性土を掘削した際に、出力部への掘削土砂の粘着が多くなってしまう場合がある。一方、出力部に内挿された回転軸を回転させる第3油圧モータでは、回転軸の直径を小さくすることができるため、掘削土砂の粘着を少なくすることができる。すなわち、第2油圧モータによって粘性土を撹拌する際には、第3油圧モータよりも大きなトルクが必要となる場合がある。
【0016】
この発明によれば、両端に配置された回転手段は、粘性土の撹拌に適した第3油圧モータを備えるとともに、第3油圧モータの上方には、出力部に設けられた撹拌翼によって上方への排土効率が高い第2油圧モータが設置されているため、各種の土質の地盤を効率良く施工することができる。
【0017】
また、請求項3に記載の発明は、地盤改良方法であって、(1)掘削する所定位置の側方に請求項1又は請求項2に記載の掘削撹拌装置のベースマシンを移動させ、各回転手段を下降させることにより、回転軸に設置された掘削刃を地上面に当接させる第1工程と、(2)各回転手段の回転軸を回転させ、掘削刃で地盤を掘削するとともに、ベースマシンにより各回転手段を順次に下降させて所定深さの掘削溝を構築し、各回転手段の油圧モータを掘削溝内に配置する第2工程と、(3)回転手段で地盤を掘削しながら、掘削溝内に固化剤を注入し、撹拌翼で掘削土砂と固化剤を撹拌混合する第3工程と、(4)掘削土砂と固化剤を撹拌混合しながら、各回転手段を上昇させて掘削溝から引き上げ、掘削溝内の掘削土砂を硬化させる第4工程とを含むことを特徴としている。
【0018】
この発明によれば、各回転手段を上昇させて掘削溝から引き上げる際に、本発明の掘削撹拌装置は、油圧モータと掘削土砂の抵抗力を小さくすることができるとともに、掘削溝の上方の掘削土砂を粉砕することができるため、回転手段を多数並設した場合であっても、各回転手段を掘削溝内から簡易に引き上げることができる。
【0019】
したがって、本発明の掘削撹拌装置及び地盤改良方法では、回転手段を掘削溝内から引き上げる際に、油圧モータと掘削土砂の抵抗力を小さくすることができるとともに、掘削溝の上方の掘削土砂を粉砕することができるため、掘削溝内の全高に対応させて撹拌翼を設置することなく、回転手段を掘削溝内から簡易に引き上げることができ、また、油圧モータの出力部の周囲に備えた撹拌翼により効率良く撹拌することができるため、施工効率を高めることができる。これは、回転手段を多数並設して連続地中壁を施工する場合に有効である。また、掘削溝内の全高に対応させて撹拌翼を設置することがないことから、回転手段に撹拌翼を設置する区間が少なくなり、回転手段が軽量化されるため、深度が大きい連続地中壁を構築する場合に有効である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
【0021】
本実施形態では、本発明の掘削撹拌装置を用いて鉛直方向の掘削溝を掘削するとともに、その掘削溝内に固化剤を注入し、掘削土砂と固化剤を撹拌混合することにより、地盤を改良して硬化させる場合を例として説明する。
【0022】
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態に係る掘削撹拌装置について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る掘削撹拌装置を示した側面図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る回転手段を示した正面図である。図3は、本発明の第1実施形態に係る回転手段の固定軸を示した図で、(a)は図2のA−A断面図、(b)は図2のB−B断面図、(c)は図2のC−C断面図である。なお、以下の説明において、右側とは図2における右側であり、左側とは図2における左側である。図4は、本発明の第1実施形態に係る回転手段の他の構成を示した正面図である。図5は、本発明の第1実施形態に係る回転手段の他の構成を示した正面図である。
【0023】
まず、本発明の実施形態に係る掘削撹拌装置の構成について説明する。
掘削撹拌装置1は、図1及び図2に示すように、ベースマシン2と、ベースマシン2に昇降可能に支持されている5基の回転手段20A,20Bとを備え、各回転手段20A,20Bは、ベースマシン2に対して並設されており、各回転手段20A,20Bは掘削刃22及び撹拌翼23を有し、掘削刃22により掘削溝を掘削するとともに、掘削溝内に固化剤を注入し、撹拌翼23により掘削土砂と固化剤を撹拌混合して地盤を改良する。
【0024】
続いて、ベースマシン2の構成について説明する。
ベースマシン2は、図1に示すように、鉛直方向の昇降レール3と、昇降レール3に沿って昇降可能な支持部材4と、昇降レール3を水平方向に旋回させるための旋回台座5と、昇降レール3を縦方向に回動させるための可倒手段6と、各回転手段20A,20Bに駆動用油を供給するための給油管7と、各回転手段20A,20Bから駆動用油を排出するための排油管8と、各回転手段20Bに固化剤を供給するための供給管9と、ベースマシン2を移動させるためのキャタピラ10とを主要部として構成されている。
【0025】
旋回台座5は、上部台座5aと下部台座5bとから構成され、上部台座5aには昇降レール3が接続されており、上部台座5aを水平方向に回動させることにより、昇降レール3を水平方向に旋回させることができる。
昇降レール3の可倒手段6は、伸縮可能な油圧シリンダであり、下端部が上部台座5aに連結され、上端部が昇降レール3の上端部に連結されており、可倒手段6を伸縮させることにより、昇降レール3の下端部に設けられた回転支持部11を中心として、昇降レール3を縦方向に回動させる。
【0026】
支持部材4は、5基の各回転手段20A,20Bを昇降レール3に沿って鉛直方向に昇降自在な状態で支持する部材である。なお、支持部材4を昇降させるための機構は限定されるものではなく、本実施形態では、旋回台座5上に電動ウィンチ(図示せず)を設置し、この電動ウィンチのワイヤ12を昇降レール3の上端部に設置された滑車13と支持部材4の上部に設置された滑車14とを介して昇降レール3の上端部に固定することにより支持部材4を吊り上げ、ワイヤ12の繰り出し又は巻き取りによって支持部材4を昇降させている。
【0027】
給油管7及び排油管8は、各回転手段20A,20Bの駆動を行うために設けられており、施工現場に設置されたオイルタンク(図示せず)から各回転手段20A,20Bに接続され、給油管7及び排油管8を通じてオイルタンクから各回転手段20A,20Bに駆動用油が供給されるとともに、各回転手段20A,20Bから排出された駆動用油がオイルタンクに回収されるように構成されている。また、供給管9は、施工現場に設置された貯蔵タンク(図示せず)から各回転手段20Bに接続されており、貯蔵タンクから供給管9を通じて各回転手段20Bに固化剤が供給されるように構成されている。
【0028】
次に、回転手段20A,20Bの構成について説明する。
各回転手段20A,20Bは、図1及び図2に示すように、3基の第1回転手段20Aと2基の第2回転手段20Bとから構成され、第1回転手段20Aと第2回転手段20Bとが隣り合うようにして、5基の回転手段20A,20Bが並設されており、所定間隔で並設された3基の第1回転手段20A同士の間に第2回転手段20Bが各々1基ずつ配置されている。各回転手段20A,20Bは、接続部材24及び軸受部材25によって並設した状態で一体化されており、2基の第2回転手段20Bがベースマシン2に昇降自在に支持されることにより、5基の回転手段20A,20Bが昇降可能になっている。
【0029】
第1回転手段20Aは、図2に示すように、3基の第1回転手段20Aにおいて、中央に配置された中央第1回転手段20ACと、右側に配置された右側第1回転手段20ARと、左側に配置された左側第1回転手段20ALとから構成されている。各第1回転手段20Aは、接続手段24に外周部が固定されることにより各第2回転手段20Bと一体化された油圧モータ(以下、「インナーモータ」という)50と、インナーモータ50の出力部に接続されており、出力部を貫通することにより回転可能であり、上部及び下端部に掘削刃22を備えるとともに、撹拌翼23を周囲に備えた回転軸21とから構成されている。
【0030】
そして、回転軸21をインナーモータ50により回転させ、転軸21の下端部に設置された掘削刃22を回転させることにより、掘削溝内の土砂を掘削することができるとともに、回転軸21の上部に設置された掘削刃22を回転させることにより、回転軸21よりも上方に貯留された掘削土砂を粉砕することができる。また、回転軸21を回転させることにより、その周囲に備えられた撹拌翼23の回転によって掘削溝内の掘削土砂と固化剤を撹拌混合することができる。
なお、掘削刃22及び撹拌翼23の構成は限定されるものではなく、効率良く掘削及び撹拌を行うことができる形状及び材質であればよい。
【0031】
第2回転手段は、図2に示すように、並設された3基の第1回転手段20A同士の間に各々1基ずつ配置され、2基の第2回転手段20Bにおいて、右側に配置された右側第2回転手段20BRと、左側に配置された左側第2回転手段20BLとから構成されている。
【0032】
右側第2回転手段20BRは、2基の第2回転手段20Bにおいて右側に配置され、上端部がベースマシン2の支持部材4に固定された固定軸30と、固定軸30が貫通しており、撹拌翼23を周囲に備えた出力部が固定軸30周りに回転可能な2基の油圧モータ(以下、「アウターモータ」という)40a,40bと、固定軸30が内挿されるようにして、各アウターモータ40a,40bの出力部に接続されることにより、固定軸30周りに回転可能であり、上部及び下端部に掘削刃22を備えるとともに、撹拌翼23を周囲に備えた回転軸21とから構成されている。
【0033】
右側第2回転手段20BRのアウターモータ40a,40bは、貫通した固定軸30周りに出力部が回転する外周駆動型のラジアルピストンモータであり、接続手段24の下方で固定軸30の高さ方向に所定間隔を空けて設置されており、上方に配置されたアウターモータ(以下、「上部アウターモータ」という)40aと、下方に配置されたアウターモータ(以下、「下部アウターモータ」という)40bとから構成されている。
なお、本実施形態では、上部アウターモータ40aと下部アウターモータ40bとを異なる方向に回転させている。さらに、各第2回転手段20Bの下部アウターモータ40bと、各第1回転手段20Aの回転軸21とを異なる方向に回転させている。
【0034】
右側第2回転手段20BRの固定軸30は、図2に示すように、上部が接続部材24を貫通した状態で、接続部材24に固定されることにより、各第1回転手段20Aと一体化されている。この固定軸30は、図3に示すように、中央部に貫通孔31を有する中空管であり、中央部の貫通孔31は、掘削溝内に固化剤を供給するための供給孔である。貫通孔31の周囲には、掘削溝内に空気供給手段(図示せず)からの圧縮空気を供給するための空気孔Aと、中央第1回転手段20ACのインナーモータ50に駆動用油を供給するための給油孔Bと、上部アウターモータ40aに駆動用油を供給するための給油孔Fと、上部アウターモータ40aからの駆動用油を排出するための排油孔Gと、下部アウターモータ40bに駆動用油を供給するための給油孔Hと、下部アウターモータ40bからの駆動用油を排出するための排油孔Iと、右側第1回転手段20ARのインナーモータ50に駆動用油を供給するための給油孔Jと、右側第1回転手段20ARのインナーモータ50からの駆動油を排出するための排油孔Kと、各アウターモータ40a,40b及び各インナーモータ50,50の内部で駆動用油が流出した際のドレン孔Dと、5個の予備孔Eとからなる14個の貫通孔が等間隔で配置されている。
【0035】
また、右側第2回転手段20BRの給油孔B,J、排油孔Kドレン孔Dは、接続部材24内で中央第1回転手段20AC及び右側第1回転手段20ARの各インナーモータ50とホース等(図示せず)により接続されている(図2参照)。また、右側第2回転手段20BRの給油孔F,H、排油孔G,I及びドレン孔Dは、各アウターモータ40a,40bに各々接続されている。なお、各孔B,F,H,J,G,I,K,Dにおいて、各種部材との接続部よりも下方で使用しない区間は予備孔Eとしている。
【0036】
ここで、接続部材24内における右側第2回転手段20BRの各孔B,J,K,Dと中央第1回転手段20AC及び右側第1回転手段20ARの各インナーモータ50,50との接続において、固定軸30は回転しないため、接続部にスイベルジョイント等の特殊な機構を設置する必要がない。
また、右側第2回転手段20BRの中央部の貫通孔31には供給管9が接続され(図1参照)、さらに、給油孔F,H,Jには給油管7が接続されるとともに、排油孔G,I,Kには排油管8が接続され(図1参照)、ドレン孔Dにはドレン管(図示せず)が接続されている。なお、各孔31,F,H,J,G,I,K,Dと各管7,8,9との接続において、固定軸30は回転しないため、接続部にスイベルジョイント等の特殊な機構を設置する必要がない。
【0037】
右側第2回転手段20BRの回転軸21は、図2に示すように、撹拌翼23を周囲に備えた中空管である。この回転軸21は、アウターモータ40a,40bを介して上下に分割され、上部に掘削刃22を備え、アウターモータ40aの上方に配置された上部回転軸21aと、アウターモータ40aの下方かつアウターモータ40bの上方に配置された中部回転軸21bと、下端部に掘削刃22を備え、アウターモータ40bの下方に配置された下部回転軸21cとから形成されており、各回転軸21a,21b,21cには固定軸30が内挿されている。そして、上部回転軸21aの下端部と、中部回転軸21bの上端部とがアウターモータ40aの出力部に接続され,下部回転軸21cの上端部がアウターモータ40bの出力部に接続されることにより、回転軸21が固定軸30周りに回転する。また、下部回転軸21cが、回転可能な状態で軸受部材25を貫通することにより、右側第2回転手段20BRが各第1回転手段20Aと一体化されている。
【0038】
そして、各回転軸21a,21b,21cをアウターモータ40a,40bにより回転させ、下部回転軸21cの下端部に設置された掘削刃22を回転させることにより、掘削溝の底面を掘削することができるとともに、上部回転軸21aの上部に設置された掘削刃22を回転させることにより、上部回転軸21aよりも上方に貯留された掘削土砂を粉砕することができる。また、回転軸21を回転させることにより、その周囲に備えられた撹拌翼23の回転によって掘削溝内の掘削土砂と固化剤を撹拌混合することができる。
【0039】
左側第2回転手段20BLは、図1及び図2に示すように、2基の第2回転手段20において左側に配置され、上端部がベースマシン2の支持部材4に固定された固定軸30と、固定軸30が貫通しており、撹拌翼23を周囲に備えた出力部が固定軸30周りに回転可能な2基のアウターモータ40a,40bと、固定軸30が内挿されるようにして、各アウターモータ40a,40bの出力部に接続されることにより、固定軸30周りに回転可能であり、上部及び下端部に掘削刃22を備えるとともに、撹拌翼23を周囲に備えた回転軸21とから構成されている。この左側第2回転手段20BLは、右側第2回転手段20BRと略同一の構成であり、固定軸30に設けられた貫通孔の構成が異なっている。
【0040】
左側第2回転手段20BLの固定軸30は、図3に示すように、固化剤の供給孔である中央部の貫通孔31の周囲に、掘削溝内に空気供給手段(図示せず)からの圧縮空気を供給するための空気孔Aと、中央第1回転手段20ACのインナーモータ50からの駆動用油を排出するための排油孔Cと、各アウターモータ40a,40bに駆動用油を供給するための給油孔F,Hと、各アウターモータ40a,40bからの駆動用油を排出するための排油孔G,Iと、左側第1回転手段20ALのインナーモータ50に駆動用油を供給するための給油孔Jと、左側第1回転手段20ALのインナーモータ50からの駆動油を排出するための排油孔Kと、のアウターモータ40a,40b及びインナーモータ50のドレン孔Dと、5個の予備孔Eとからなる14個の貫通孔が等間隔で配置されている。なお、左側第2回転手段20BLの各孔C,J、K,Dは、接続部材24内(図2参照)で中央第1回転手段20AC及び左側回転手段20ALの各インナーモータ50とホース等(図示せず)により接続されている。
【0041】
次に、本発明の第1実施形態に係る掘削撹拌装置1を用いた地盤改良方法について説明する。
まず、図1及び図2に示すように、掘削する所定位置の側方にベースマシン2を移動させ、旋回台座5及び可倒手段6を調整して各回転手段20A,20Bを所定位置に鉛直状態で設置する。そして、各回転手段20A,20Bを下降させ、各回転軸21の下端部に設置された掘削刃22を地上面に当接させる。
【0042】
続いて、各回転手段20A,20Bの各アウターモータ40及び各インナーモータ50を駆動して各回転軸21を回転させ、下端部の掘削刃22で地盤を掘削し、ベースマシン2により各回転手段20A,20Bを順次に下降させて所定深さの掘削溝を構築し、各回転手段の各アウターモータ40及び各インナーモータ50を掘削溝内に配置する。このとき、各回転軸21の起動停止及び回転方向を各々設定することにより、5基の回転手段20A,20B全体を回動させることができる。例えば、中央第1回転手段20ACの回転軸21のみを回転させることにより、中央第1回転手段20ACを中心として5基の回転手段20A,20B全体を回動させ、各回転手段20A,20Bの位置を微調整することができる。
また、各第2回転手段20Bに各々設置された2基のアウターモータ40a,40bは、異なる方向に回転しており、互いに回転反力を打ち消し合うため、安定した状態で各第2回転手段20Bの回転軸21が回転する。
【0043】
一方、各回転手段20で地盤を掘削しながら、各第2回転手段20Bの貫通孔31に供給管9を通じて固化剤を供給する(図3参照)。この固化剤は各第2回転手段20Bの中央部の貫通孔31を通過して固定軸30Cの下端部から掘削溝内に注入される。さらに、各第2回転手段20Bの空気孔Aから掘削溝内に圧縮空気を供給する。
【0044】
そして、各回転手段20A,20Bの撹拌翼23によって掘削土砂と固化剤とが撹拌混合される。このとき、各回転軸21の撹拌翼23とともに、各アウターモータ40a,40bの撹拌翼23によっても掘削溝内が撹拌されるため、効率良く撹拌することができる。また、各第1回転手段20Aの回転軸21と、各第2回転手段20Bの下部アウターモータ40b及び下部回転軸21cとが異なる方向に回転するため、各回転手段20A,20B同士の間が確実に撹拌される。さらに、各アウターモータ40a,40bの撹拌翼23によって、各第2回転手段20Bの高さ方向において広範囲に撹拌翼23が設置されているため、掘削土砂を効率良く上方に排土することができる。
【0045】
最後に、掘削土砂と固化剤を撹拌混合しながら、各回転手段20A,20Bを上昇させて掘削溝から引き上げる。このとき、撹拌翼23を備えた各アウターモータ40a,40bの出力部を回転させながら上昇させることにより、アウターモータ40a,40bと掘削土砂との間の抵抗力が小さくなるため、掘削溝から容易に引き上げることができる。さらに、掘削溝の上方で掘削土砂の硬化が進行してしまっている場合であっても、各回転軸21の上部に設置された掘削刃22により掘削土砂を粉砕して柔らかくするため、掘削溝から容易に引き上げることができる。そして、各回転手段20A,20Bの離脱後に掘削溝内の掘削土砂の硬化が完了して地盤が改良される。
【0046】
したがって、本発明の掘削撹拌装置1では、並設された5基の回転手段20A,20Bを掘削溝内から離脱させる際に、簡易に引き上げることができ、さらに、第2回転手段20Bに設けた各アウターモータ40a,40bの周囲に備えた撹拌翼23により効率良く撹拌することができるため、施工効率を高めることができる。これは、5基の回転手段20A,20Bを備えた掘削撹拌装置1を順次に移動させて連続地中壁を構築する場合に、特に有効である。また、掘削溝内の全高に対応させて撹拌翼23を設置することがないことから、回転手段20A,20Bに撹拌翼23を設置する区間が少なくなり、回転手段20A,20Bが軽量化されるため、深度の大きい連続地中壁を構築する場合に有効である。
【0047】
なお、図4に示す各回転手段20A,20Bは、前記第1実施形態に係る各回転手段20A,20Bの他の構成であり、各第2回転手段20Bの長さを短く構成したものである。この構成では、アウターモータ40の数が変更されており、各固定軸30には、各々1基のアウターモータ40が設置され、1基のアウターモータ40の出力部に上部回転軸21aの下端部及び下部回転軸21cの上端部が接続されることにより回転軸21を回転させている。
【0048】
また、第1回転手段20Aのインナーモータ50と、第2回転手段20Bのアウターモータ40の配置は限定されるものではなく、図5に示すように、各第1回転手段20Aの各インナーモータ50が固定された接続部材24を、右側第2回転手段20BR及び左側第2回転手段20BLに設置された上部アウターモータ40aと下部アウターモータ40bとの間に設けてもよく、撹拌翼23の構成や各部材の強度などに対応させて適宜に設定することが好ましい。この構成では、上部アウターモータ40aの上方及び下部アウターモータ40bの下方に各々軸受部材25,25を設けて各回転手段20A,20Bを一体化させている。
【0049】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態に係る掘削撹拌装置について説明する。
図6は、本発明の第2実施形態に係る回転手段を示した正面図である。
本発明の第2実施形態に係る掘削撹拌装置は、第1実施形態に係る掘削撹拌装置と略同様の構成であり、図6に示すように、各第2回転手段20B’の構成が異なっている。
【0050】
第2実施形態に係る右側第2回転手段20B’R及び左側第2回転手段20B’Lは、固定軸30と、固定軸30が貫通しており、撹拌翼23を周囲に備えた出力部が固定軸30周りに回転可能なアウターモータ40と、アウターモータ40の下方で、固定軸30の下端部に固定されたインナーモータ50と、固定軸30が内挿されるようにして、各アウターモータ40の出力部に接続されることにより、固定軸30周りに回転可能であり、上部に掘削刃22を備えるとともに、撹拌翼23を周囲に備えた上部回転軸21aと、上端部がインナーモータ50の出力部に内挿されることにより回転可能であり、下端部に掘削刃22を備えるとともに、撹拌翼23を周囲に備えた下部回転軸21cとから構成されている。
【0051】
ここで、アウターモータ40は、回転する出力部の直径が大きいため、掘削する地盤が粘性土である場合には、出力部への掘削土砂の粘着が多くなってしまう場合がある。そこで、直径が小さいため掘削土砂の粘着が少ない下部回転軸21cが接続されたインナーモータ50をアウターモータ40の下方に設置することにより、粘性土を掘削及び撹拌する場合であっても、下部回転軸21cの掘削刃22により効率良く掘削土砂を掘削し、アウターモータ40によって効率良く排土することができるため、各種の土質の地盤を効率良く施工することができる。また、インナーモータ50は、アウターモータ40よりも製作費用が少ないため、第2回転手段20Bに2基のアウターモータ40を設置した構成(図2参照)と比較して、掘削撹拌装置の製作費用を少なくすることができる。
【0052】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る撹拌掘削装置について説明する。
図7は、本発明の第3実施形態に係る回転手段を示した正面図である。
本発明の第3実施形態に係る掘削撹拌装置は、第2実施形態に係る掘削撹拌装置と略同様の構成であり、図7に示すように、並設された5基の回転手段20A,20B’が、2基の第1回転手段20Aと、3基の第2回転手段20B’とから構成されていることが異なっている。具体的には、所定間隔で並設された3基の第2回転手段20B’同士の間に、第1回転手段20Aが各々1基ずつ配置されている。この構成では、3基の第2回転手段20B’の各固定軸30がベースマシン2の支持部材4(図1参照)に支持されることにより、5基の回転手段20A,20B’が3本の固定軸30によって支持されるため、作業時の回転手段20A,20B’の安定性を高めることができる。
【0053】
以上、本発明の好適な実施形態についての一例を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
例えば、並設する回転軸20A,20Bの台数は5基に限定されるものではなく、構築する掘削溝の大きさに対応させて適宜に定めることができるが、本発明は、少なくとも4基以上の回転手段20A,20Bを並設した場合に顕著な効果を発揮する。
また、各回転手段20A,20Bにアウターモータ40又はインナーモータ50を設置する個数は限定されるものではなく、土壌の土質など各種施工条件に対応させて適宜に設定し、効率良く掘削及び撹拌を行うことが好ましい。
また、第2回転手段20Bの固定軸30の下端部に、掘削溝内における回転軸21の位置や深度を計測する計測装置を設置することにより、掘削溝内の掘削状態をリアルタイムで把握して正確に施工を管理し、精度良く掘削溝を構築するように構成してもよい。このとき、固定軸30は掘削時に回転しないため、計測装置の電源ケーブルや通信ケーブル等を固定軸30の予備孔E(図3参照)に挿入して配線することができ、第2回転手段20Bに計測装置を簡易に設置することができる。
【0054】
【発明の効果】
本発明の掘削撹拌装置及び地盤改良方法によれば、油圧モータの出力部の周囲に撹拌翼が備えられており、出力部は固定軸周りに回転可能であるため、回転手段を掘削溝から引き上げる際に、出力部を回転させながら油圧モータを上昇させることにより、油圧モータと掘削土砂の間の抵抗力を小さくすることができる。さらに、回転軸の上部に掘削刃が設置されており、掘削溝内の上方で掘削土砂と固化剤の硬化が進行している場合であっても、掘削刃により掘削土砂を粉砕して柔かくするため、掘削溝内の全高に対応させて撹拌翼を設置することなく、回転手段を掘削溝内から簡易に引き上げることができ、施工効率を高めることができる。これは、回転手段を多数並設して連続地中壁を施工する場合に有効である。また、掘削溝内の全高に対応させて撹拌翼を設置することがないことから、回転手段に撹拌翼を設置する区間が少なくなり、回転手段が軽量化されるため、深度の大きい連続地中壁を構築する場合に有効であるとともに、掘削撹拌装置の構成を簡易化することができ、製作費用を少なくすることができる。
また、回転軸に備えられた撹拌翼とともに、油圧モータの出力部の周囲に備えられた撹拌翼により掘削溝内を撹拌するため、効率良く掘削溝内を撹拌することができる。
さらに、油圧モータの出力部の周囲に撹拌翼を設けることにより、回転手段の高さ方向において広範囲に撹拌翼が設置されるため、掘削土砂を効率良く上方に排土することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る掘削撹拌装置を示した側面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る回転手段を示した正面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る回転手段の固定軸を示した図で、(a)は図2のA−A断面図、(b)は図2のB−B断面図、(c)は図2のC−C断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る回転手段の他の構成を示した正面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る回転手段の他の構成を示した正面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る回転手段を示した正面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る回転手段を示した正面図である。
【符号の説明】
1・・・・掘削撹拌装置
2・・・・ベースマシン
20A・・・・第1回転手段
20B・・・・第2回転手段
21・・・・回転軸(中央回転手段)
22・・・・掘削刃
23・・・・撹拌翼
30・・・・固定軸
40・・・・アウターモータ
50・・・・インナーモータ
Claims (3)
- ベースマシンと、
前記ベースマシンに昇降可能に支持されている複数の回転手段と、を備え、
前記各回転手段は、前記ベースマシンに対して並設されており、
前記各回転手段は掘削刃及び撹拌翼を有し、前記掘削刃により掘削溝を掘削するとともに、前記撹拌翼により前記掘削溝内を撹拌する掘削撹拌装置であって、
前記各回転手段は、第1回転手段と第2回転手段とから構成され、前記第1回転手段と前記第2回転手段とが隣り合うようにして、少なくとも4基以上の回転手段が並設されており、
前記第1回転手段は、
第1油圧モータと、
前記第1油圧モータの出力部に内挿されることにより回転可能であり、上部及び下部に前記掘削刃を備えるとともに、前記撹拌翼を周囲に備えた回転軸と、から構成され、
前記第2回転手段は、
固定軸と、
前記固定軸が内挿され、前記撹拌翼を周囲に備えた出力部が前記固定軸周りに回転可能な第2油圧モータと、
前記第2油圧モータの前記出力部に接続されることにより、前記固定軸と同心軸周りに回転可能であり、上部及び下部に前記掘削刃を備えるとともに、前記撹拌翼を周囲に備えた回転軸と、から構成されていることを特徴とする掘削撹拌装置。 - ベースマシンと、
前記ベースマシンに昇降可能に支持されている複数の回転手段と、を備え、
前記各回転手段は、前記ベースマシンに対して並設されており、
前記各回転手段は掘削刃及び撹拌翼を有し、前記掘削刃により掘削溝を掘削するとともに、前記撹拌翼により前記掘削溝内を撹拌する掘削撹拌装置であって、
前記各回転手段は、第1回転手段と第2回転手段とから構成され、前記第1回転手段と前記第2回転手段とが隣り合うようにして、少なくとも4基以上の回転手段が並設されており、
前記第1回転手段は、
第1油圧モータと、
前記第1油圧モータの出力部に内挿されることにより回転可能であり、上部及び下部に前記掘削刃を備えるとともに、前記撹拌翼を周囲に備えた第1回転軸と、から構成され、
前記第2回転手段は、
固定軸と、
前記固定軸が内挿され、前記撹拌翼を周囲に備えた出力部が前記固定軸周りに回転可能な第2油圧モータと、
前記第2油圧モータの前記出力部に接続されることにより、前記固定軸と同心軸周りに回転可能であり、上部に前記掘削刃を備えるとともに、前記撹拌翼を周囲に備えた第2回転軸と、
前記固定軸に支持された第3油圧モータと、
前記第3油圧モータの出力部に内挿されることにより回転可能であり、下部に前記掘削刃を備えるとともに、前記撹拌翼を周囲に備えた第3回転軸と、から構成されていることを特徴とする掘削撹拌装置。 - 次の第1工程から第4工程の各工程を含むことを特徴とする地盤改良方法。
(1)掘削する所定位置の側方に請求項1又は請求項2に記載の掘削撹拌装置の前記ベースマシンを移動させ、前記各回転手段を下降させることにより、前記回転軸に設置された前記掘削刃を地上面に当接させる第1工程。
(2)前記各回転手段の前記回転軸を回転させ、前記掘削刃で地盤を掘削するとともに、前記ベースマシンにより前記各回転手段を順次に下降させて所定深さの前記掘削溝を構築し、前記各回転手段の前記油圧モータを前記掘削溝内に配置する第2工程。
(3)前記回転手段で地盤を掘削しながら、前記掘削溝内に固化剤を注入し、前記撹拌翼で掘削土砂と前記固化剤を撹拌混合する第3工程。
(4)前記掘削土砂と前記固化剤を撹拌混合しながら、前記各回転手段を上昇させて前記掘削溝から引き上げ、前記掘削溝内の前記掘削土砂を硬化させる第4工程。
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