JP4328239B2 - 掘削装置 - Google Patents
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Description
この掘削装置では、掘削手段の油圧モータが撹拌手段の下方に配置されており、地盤を掘削する際に、掘削手段の油圧モータを掘削孔内に配置することができるため、装置全体の重心を低くすることができる。
また、掘削面が大きな掘削刃によって掘削するためには、大きな回転トルクが必要となる。すなわち、前記した掘削装置のように、1基の油圧モータによって掘削刃を回転させている構成では、大きな回転トルクを出力可能な油圧モータが必要となる。したがって、汎用性が少ない油圧モータを用いることになるため、油圧モータに係る費用が高くなってしまうという問題がある。
また、掘削刃は、掘削対象となる地盤を確実に掘削することができる形状および材質であればよく、その構成は限定されるものではない。
また、各固定軸に取り付けられた駆動モータによって掘削軸が回転するため、掘削軸は複数の駆動モータによる回転トルクによって回転することになる。これにより、掘削刃の掘削面が大きく形成され、掘削時に掘削刃が大きな回転トルクを必要とする場合であっても、駆動モータ単体の回転トルクを小さくすることができるため、汎用性の高い駆動モータを用いることができ、駆動モータに係る費用を少なくすることができる。
まず、本発明の第1実施形態に係る掘削装置について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る掘削装置を示した側面図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る掘削装置の掘削撹拌手段を示した図で、(a)は掘削撹拌手段の正面図、(b)は図2(a)のA−A断面図である。
なお、以下の説明において右側とは図2の右側に対応し、左側とは図2の左側に対応している。
第1実施形態に係る掘削装置1は、図1および図2に示すように、ベースマシン2と、ベースマシン2に昇降可能に支持されている掘削撹拌手段20とを備え、掘削撹拌手段20は、掘削刃21および撹拌部材41を有しており、掘削刃21によって地盤を掘削するとともに、撹拌部材41によって掘削孔内の掘削土砂と固化剤とを撹拌混合するように構成されている。
ベースマシン2は、図1に示すように、鉛直方向の昇降レール3と、昇降レール3に沿って昇降可能な支持部材4と、昇降レール3を水平方向に旋回させるための旋回台座5と、昇降レール3を傾動させるための可倒手段6と、掘削撹拌手段20に駆動用オイルを供給するための給油管7と、掘削撹拌手段20から駆動用オイルを排出するための排油管8と、掘削撹拌手段20に固化剤を供給するための供給管9と、ベースマシン2を移動させるための履帯10とを主要部として構成されている。
昇降レール3の可倒手段6は、伸縮可能な油圧シリンダであり、下端部が上部台座5aに連結されるとともに、上端部が昇降レール3の中間部に連結されており、可倒手段6を伸縮させることによって、昇降レール3の下端部に設けられた回転支持部11を中心として、昇降レール3を傾動させることができる。
掘削撹拌手段20は、図2に示すように、軸方向が鉛直方向(進行方向)に配置されている2本の固定軸30,30と、下端部(先端部)に掘削刃21を有し、軸周りに回転可能な状態で、各固定軸30,30に支持されている掘削軸22とを備え、各固定軸30,30の下端部(先端部)には、出力部42が固定軸30周りに回転可能な駆動モータ(以下、「アウターモータ」という)40が取り付けられている。また、固定軸30,30がベースマシン2(図1参照)の支持部材4に支持されることによって、掘削撹拌手段20は支持部材4と連動して鉛直方向に昇降するように構成されている。
そして、固定軸30の供給孔31には供給管9が接続され、さらに、給油孔には給油管7が接続されるとともに、排油孔には排油管8が接続され(図1参照)、ドレン孔にはドレン管(図示せず)が接続されている。この各接続において、掘削時に固定軸30が回転しないため、接続部にスイベルジョイント等の特殊な機構を設ける必要がなく、掘削装置1の構成が簡素化されている。
ここで、各固定軸30,30の間には、軸方向が左右方向に配置され、両端部が各固定軸30,30に取り付けられている連結部材23が、アウターモータ40,40よりも上方に設けられており、掘削軸22の上端部は、軸方向に回転可能な状態で連結部材23に取り付けられている。これにより、掘削軸22は、軸周りに回転可能な状態で、2本の固定軸30,30に支持されている。
また、掘削軸22の下端部は、各固定軸30,30の下端部よりも下方に配置されており、掘削軸22と連動して回転するようにして掘削刃21が取り付けられている。
まず、図1および図2に示すように、掘削する所定位置の側方にベースマシン2を移動させ、旋回台座5および可倒手段6を調整して掘削撹拌手段20を所定位置に鉛直状態で設置する。そして、掘削撹拌手段20を下降させ、掘削刃21を地上面に当接させる。
このとき、掘削面が大きな掘削刃21を有する掘削軸22は、連結部材23を介して2本の固定軸30,30によって支持されているため、掘削時に掘削刃21の振動を少なくすることができる。これにより、掘削面が大きな掘削刃21が安定した状態で地盤を掘削することができるため、大きな口径の掘削孔を効率良く構築することができる。
そして、掘削撹拌手段20の離脱後に、掘削孔内の掘削土砂が硬化することによって、掘削孔内の地盤の強度が高まり、地盤の改良が完了する。
次に、本発明の第2実施形態に係る掘削装置について説明する。
図3は、本発明の第2実施形態に係る掘削装置の掘削撹拌手段を示した図で、(a)は掘削撹拌手段の正面図、(b)は図3(a)のB−B断面図である。
なお、以下の説明において右側とは図3の右側に対応し、左側とは図3の左側に対応している。
第2実施形態に係る掘削装置の掘削撹拌手段20aでは、図3に示すように、掘削軸22および各固定軸30,30の周囲を掘削軸22周りに回転可能な円筒形状の外周部材50を備えている。さらに、各アウターモータ40,40の出力部42には、固定軸30と同心軸に配置された回転軸32が取り付けられている。
さらに、外周部材50の内面には、掘削孔内の掘削土砂を撹拌可能な棒状部材である複数の撹拌部材53が、軸方向を水平方向に配置した状態で等間隔で取り付けられている。
また、回転軸32の外周面には、掘削孔内の掘削土砂を撹拌可能な棒状部材である複数の撹拌部材33が、軸方向を水平方向に配置した状態で取り付けられている。さらに、回転軸32の下端部には、掘削土砂を粉砕するための粉砕用掘削刃34が取り付けられており、この粉砕用掘削刃34は、上下方向において外周部材50の下端部と掘削刃21との間に配置されている。なお、回転軸32および外周部材50の撹拌部材33,53は、回転軸32および外周部材50が回転した際に、互いに接触しないようにして、高さ方向において交互に配置されている。
例えば、前記した第1実施形態および第2実施形態では、固定軸30周りに回転可能な出力部42を有する外周駆動型のアウターモータ40を用いているが、軸方向が鉛直方向に配置された出力軸(出力部)を有する油圧モータ(以下、「インナーモータ」という)を用いることができる。
図4は、本発明の第2実施形態に係る掘削撹拌手段の他の構成を示した正面図である。
ここでは、本発明の第2実施形態に係る掘削撹拌手段20a(図3参照)にインナーモータを用いた場合を例として説明する。そのため、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
この掘削撹拌手段20bでは、インナーモータ60はアウターモータよりも小型に形成することができるため、各固定軸30,30の間隔を小さくすることができる。また、インナーモータ60は、アウターモータよりも製作費用が少ないため、掘削装置の製作費用を少なくすることができる。
さらに、掘削軸22および外周部材50に対するアウターモータ40またはインナーモータ60の配置も限定されるものではなく、例えば、3基のモータ40,60を掘削軸22の周囲に平面視で三方に配置したり、4基のモータ40,60を掘削軸22の周囲に平面視で四方に配置して、モータ40,60の駆動歯車43と掘削軸22および外周部材50の従動歯車24,51とを係合させてもよく、掘削時の掘削刃21の振動が少なくなるようにして、適宜に設定することが好ましい。
20 掘削撹拌手段
21 掘削刃
22 掘削軸
24 従動歯車
30 固定軸
32 回転軸
33 撹拌部材
40 アウターモータ(駆動モータ)
41 撹拌部材
42 出力部
43 駆動歯車
50 外周部材
51 従動歯車
53 撹拌部材
60 インナーモータ(駆動モータ)
Claims (4)
- 掘削刃により地盤を掘削可能な掘削装置であって、
軸方向が進行方向に配置されている複数の固定軸と、
先端部に前記掘削刃を有し、軸周りに回転可能な状態で、前記各固定軸に支持されている掘削軸と、を備え、
前記各固定軸の先端部には、駆動モータが取り付けられており、
前記各駆動モータの出力部に設けられた駆動歯車と、前記掘削軸に設けられた従動歯車とを係合させることにより、前記各駆動モータの前記出力部の回転力によって、前記掘削軸が回転するように構成されていることを特徴とする掘削装置。 - 前記駆動モータは、前記固定軸が内挿された状態で、前記出力部が前記固定軸周りに回転可能な油圧モータであることを特徴とする請求項1に記載の掘削装置。
- 前記各固定軸には、前記掘削軸および前記各固定軸の周囲を前記掘削軸周りに回転可能な外周部材が取り付けられ、
前記外周部材の内面には、掘削土砂を撹拌可能な撹拌部材が取り付けられており、
前記外周部材に設けられた環状の従動歯車と、前記各駆動モータの前記出力部に設けられた前記駆動歯車とを係合させることにより、前記各駆動モータの前記出力部の回転力によって、前記外周部材が回転するように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の掘削装置。 - 前記駆動モータの前記出力部には、前記固定軸と同心軸に配置された回転軸が取り付けられており、
前記回転軸の周囲には、掘削土砂を撹拌可能な撹拌部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の掘削装置。
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