JP2004204518A - 掘削装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】掘削孔を拡幅するための拡幅用ビットと掘削手段の本体部との接続部の強度を十分に確保し、掘削手段の破損を防止することができ、維持費用を抑制することができる掘削装置を提供することを課題としている。
【解決手段】ベースマシンに昇降可能に支持されている回転手段を備え、回転手段は、下端部に下部掘削手段(掘削手段)50が取り付けられた回転軸21を有する掘削装置であって、下部掘削手段50は、本体部51R,51Lと、掘削孔を掘削するために、本体部51R,51Lの底面部54に設けられた掘削用ビット55と、掘削孔を拡幅するために、本体部51R,51Lの側面部52に設けられた拡幅用ビット53とを備え、本体部51R,51Lは、油圧シリンダ(駆動手段)56によって、掘削孔の直径方向において底面部54の拡張及び縮退の切り替えが自在となるように構成されている。
【選択図】 図3
【解決手段】ベースマシンに昇降可能に支持されている回転手段を備え、回転手段は、下端部に下部掘削手段(掘削手段)50が取り付けられた回転軸21を有する掘削装置であって、下部掘削手段50は、本体部51R,51Lと、掘削孔を掘削するために、本体部51R,51Lの底面部54に設けられた掘削用ビット55と、掘削孔を拡幅するために、本体部51R,51Lの側面部52に設けられた拡幅用ビット53とを備え、本体部51R,51Lは、油圧シリンダ(駆動手段)56によって、掘削孔の直径方向において底面部54の拡張及び縮退の切り替えが自在となるように構成されている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、掘削孔を掘削するための掘削装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、掘削孔を掘削する掘削装置としては、ベースマシンと、ベースマシンに昇降可能に支持されている回転手段とを備え、回転手段は、下端部に掘削手段が取り付けられた回転軸を有し、回転軸を回転させることにより、掘削孔を掘削する掘削装置がある。
ここで、並設された掘削孔によって連続地中壁を構築する場合には、隣接する掘削孔を確実に接合させ、連続地中壁の壁面に隙間が形成されないようにして止水性を確保する必要がある。また、各掘削孔内にH鋼材等の芯材を埋設する場合には、掘削孔内の所定位置が所定深度まで垂直に掘削されている必要がある。しかしながら、従来の掘削装置では、掘削孔の深度に対応させて回転軸を延長させるため、掘削孔の深度が大きい場合には、回転軸の強度が低下して地盤内で斜め方向に湾曲してしまう場合がある。これにより、図6(a)の掘削孔の側面図に示すように、掘削孔Aの下部が斜め方向に湾曲して掘削され、斜め方向に湾曲した側面領域Bによって連続地中壁の壁面に隙間が形成されてしまう。また、掘削孔A内の所定位置が所定深度まで垂直に掘削されないため、芯材を掘削孔A内の所定位置に埋設することができなくなってしまう。
さらに、図6(b)の掘削孔の平面図に示すように、平面視で直線状に連続地中壁を構築する場合に、回転手段によって掘削された掘削孔Cが予め設定された位置からずれてしまう場合がある。これにより、芯材Hを埋設するための所定位置Dの全体が掘削されないため、芯材Hを所定位置D内に埋設することができなくなり、連続地中壁内に芯材Hを直線状に連続させて埋設することができなくなってしまう。
【0003】
そこで、掘削孔が地盤内で斜め方向に湾曲したり、掘削位置がずれてしまった場合に、掘削孔を拡幅して所定位置の直下領域又は斜め方向に湾曲した側面領域を掘削し、所定位置を所定深度まで垂直に掘削する掘削装置がある。
例えば、下端部に掘削手段(掘削刃体)が取り付けられた回転軸(スパイラルロッド)を回転させて地盤を掘削する掘削装置(アースオーガ)であって、掘削手段から掘削孔の直径方向に突出可能な拡幅用ビット(拡張刃体)を付設した掘削装置がある。この掘削装置では、掘削孔内に配置された掘削手段から拡幅用ビットを突出させた状態で、ベースマシンによって回転手段を上昇させながら、回転軸を回転させ、拡幅用ビットによって掘削孔の側壁を掘削して拡幅することにより、所定位置を所定深度まで垂直に掘削することができる(例えば、特許文献1参照。)。
また、掘削手段(ビット)に取り付けられた油圧シリンダのロッドの先端部を、掘削手段のガイド部材に沿って移動可能な拡幅用ビット(オーバカッタ)に取り付け、油圧シリンダのロッドを伸長させることにより、拡幅用ビットを掘削手段から突出させる掘削装置がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−32662号公報(第2−4頁、第3−6図)
【特許文献2】
特開平10−176477号公報(第2−4頁、第1−3図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、掘削孔を拡幅可能な従来の掘削装置では、以下の問題がある。従来の掘削装置では、拡幅用ビット自体が掘削手段の本体部に移動可能に取り付けられており、拡幅用ビットと本体部との取付部の強度が低くなるため、硬質な地盤を掘削した場合に取付部が破損してしまう場合があり、掘削装置の整備や補修等に係る費用が増加し、従来の掘削装置と比較して、掘削装置の維持費用が高くなってしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、掘削孔を拡幅するための拡幅用ビットと掘削手段の本体部との取付部の強度を十分に確保し、硬質の地盤を拡幅する場合であっても、掘削手段の破損を防止することができ、維持費用を抑制することができる掘削装置を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決すべく構成されるものであり、請求項1に記載の発明は、ベースマシンと、ベースマシンに昇降可能に支持されている回転手段と、を備え、回転手段は、下端部に掘削手段が取り付けられた回転軸を有し、回転軸を回転させることにより掘削孔を掘削する掘削装置であって、掘削手段は、本体部と、掘削孔を掘削するために、本体部の底面部に設けられた掘削用ビットと、掘削孔を拡幅するために、本体部の側面部に設けられた拡幅用ビットとを備え、本体部は、駆動手段によって、掘削孔の直径方向において底面部の拡張及び縮退の切り替えが自在となるように構成されていることを特徴としている。
【0008】
ここで、ベースマシンは、回転手段を昇降可能な装置であれば自走式や固定式など、その構成は限定されるものではない。また、ベースマシンに支持される回転手段の台数は限定されるものではなく、複数の回転手段をベースマシンに対して並設させてもよい。
さらに、駆動手段の構成は限定されるものではなく、駆動源も油圧式や電動式など限定されるものではない。
また、掘削用ビット及び拡幅用ビットの形状や構成は限定されるものではなく、掘削孔を効率良く掘削及び拡幅することができる形状及び構成であればよい。
【0009】
この発明によれば、掘削手段の本体部の底面部を掘削孔の直径方向に拡張させることにより、本体部の側面部に設けられた拡幅用ビットが掘削孔の直径方向に拡張されるため、拡幅用ビットを本体部に強固に固定することができる。これにより、硬質の地盤を掘削する場合であっても、掘削手段の破損を防止することができる。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の掘削装置であって、掘削手段の本体部は、回転軸を境に2分割された状態で回転軸の支持部に取り付けられており、駆動手段は、基端部が回転軸に取り付けられており、先端部が分割された各本体部に取り付けられた2体のシリンダであり、分割された各本体部の底面部を、各シリンダの伸長によって、支持部を中心として互いに離間する方向に回動させることにより、分割された各本体部の底面部が掘削孔の直径方向に拡張されるように構成されていることを特徴としている。
【0011】
この発明によれば、掘削手段の本体部の底面部を掘削孔の直径方向に拡張させるための機構が簡易化されているため、拡幅用ビットを短期間で拡張させることができる。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の掘削装置であって、回転軸は、本体部と、掘削孔を掘削及び拡幅するために、本体部の上面部に設けられた掘削用ビットとを備え、本体部は、駆動手段によって、掘削孔の直径方向において上面部の拡張及び縮退の切り替えが自在となるように構成されている他の掘削手段を備えていることを特徴としている。
【0013】
ここで、掘削孔の掘削を完了し、掘削装置の回転手段を掘削孔内から引き上げる際に、回転手段と掘削土砂の間に発生する抵抗力によって引き上げ作業が煩雑になってしまう場合がある。特に、回転軸に混練翼を設置し、掘削孔内で掘削土砂と固化剤を撹拌混合して地盤を改良する場合には、掘削孔内の上方で掘削土砂と固化剤の硬化が進行するため、回転手段を引き上げる際の抵抗力が大きくなってしまう。
【0014】
この発明によれば、回転軸に取り付けられた他の掘削手段の掘削用ビットによって、掘削孔の上部に貯留された掘削土砂を粉砕して柔かくすることができるため、回転手段を掘削孔内から簡易に引き上げることができる。
また、回転軸に取り付けられた複数の掘削手段によって、掘削孔の上下方向において複数の位置から掘削孔の側壁を掘削することができるため、掘削孔を効率良く拡幅することができる。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の掘削装置であって、他の掘削手段の本体部は、回転軸を境に2分割された状態で回転軸の支持部に取り付けられており、駆動手段は、基端部が回転軸に取り付けられており、先端部が分割された各本体部に取り付けられたシリンダであり、分割された各本体部の上面部を、シリンダの伸長によって、支持部を中心として互いに離間する方向に回動させることにより、分割された各本体部の上面部が掘削孔の直径方向に拡張されるように構成されていることを特徴としている。
【0016】
この発明によれば、他の掘削手段の本体部の上面部を掘削孔の直径方向に拡張させるための構成が簡易化されているため、本体部の上面部を短期間で拡張させることができる。
【0017】
したがって、本発明の掘削装置では、掘削手段の本体部の底面部を掘削孔の直径方向に拡張させることにより、本体部に設けられた拡幅用ビットが掘削孔の直径方向に拡張されるため、拡幅用ビットを本体部に強固に固定することができる。これにより、硬質の地盤を掘削する場合であっても、掘削手段の破損を防止することができるため、掘削装置の整備や補修等に係る維持費用を抑制することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0019】
本実施形態では、本発明の掘削装置を用いて鉛直方向の掘削孔を並設させて掘削し、その掘削孔内に固化剤を注入して掘削土砂と固化剤を撹拌混合することにより、地盤を改良して硬化させるとともに、掘削孔内に芯材を埋設させて連続地中壁を構築する場合を例として説明する。
【0020】
まず、本発明の実施形態に係る掘削装置について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る掘削装置を示した側面図である。図2は、本発明の実施形態に係る回転手段を示した正面図である。図3は、本発明の実施形態に係る下部掘削手段を示した図で、(a)は下部掘削手段の正面図、(b)は下部掘削手段の本体部の側面部を拡張させた状態を示した正面図である。図4は、本発明の実施形態に係る上部掘削手段を示した図で、(a)は上部掘削手段の正面図、(b)は上部掘削手段の本体部の側面部を拡張させた状態を示した正面図である。なお、以下の説明における、左右方向とは、図2における左右方向に対応するものである。
【0021】
まず、本発明の実施形態に係る掘削装置の構成について説明する。
掘削装置1は、図1及び図2に示すように、ベースマシン2と、ベースマシン2に昇降可能に支持されている3基の回転手段20C,20R,20Lとを備え、各回転手段20C,20R,20Lは、ベースマシン2に対して並設されている。各回転手段20C,20R,20Lは回転軸21を有し、回転軸21の下端部には下部掘削手段(請求項における「掘削手段」)50が取り付けられ、上部には上部掘削手段(請求項における「他の掘削手段」)60が取り付けられ、周囲には混練翼23が取り付けられている。そして、回転軸21を回転させることにより下部掘削手段50によって掘削孔を掘削するとともに、掘削孔内に固化剤を注入し、混練翼23によって掘削土砂と固化剤を撹拌混合して地盤を改良する。
なお、3基の回転手段20C,20R,20Lは、図2において、中央に配置された中央回転手段20Cと、右側に配置された右側回転手段20Rと、左側に配置された左側回転手段20Lとから構成されている。
【0022】
続いて、ベースマシン2の構成について説明する。
ベースマシン2は、図1に示すように、鉛直方向の昇降レール3と、昇降レール3に沿って昇降可能な支持部材4と、昇降レール3を水平方向に旋回させるための旋回台座5と、昇降レール3を縦方向に回動させるための可倒手段6と、各回転手段20C,20R,20Lに駆動用油を供給するための給油管7と、各回転手段20C,20R,20Lから駆動用油を排出するための排油管8と、各回転手段20C,20R,20Lに固化剤を供給するための供給管9と、ベースマシン2を移動させるためのキャタピラ10とを主要部として構成されている。
【0023】
旋回台座5は、上部台座5aと下部台座5bとから構成され、上部台座5aの先端部には昇降レール3が上向きに立設されており、上部台座5aを水平方向に回動させることにより、昇降レール3を水平方向に旋回させることができる。
昇降レール3の可倒手段6は、伸縮可能な油圧シリンダであり、下端部が上部台座5aの後端部に連結され、上端部が昇降レール3の上端部に連結されており、可倒手段6を伸縮させることにより、昇降レール3の下端部に設けられた回転支持部11を中心として、昇降レール3を縦方向に回動させて傾動させる。
【0024】
支持部材4は、各回転手段20C,20R,20Lを昇降レール3に沿って鉛直方向に昇降自在な状態で支持する部材である。なお、支持部材4を昇降させるための機構は限定されるものではなく、本実施形態では、旋回台座5上に電動ウィンチ(図示せず)を設置し、この電動ウィンチのワイヤ12を昇降レール3の上端部に設けられた滑車13と、支持部材4の上部に設けられた滑車14とを介して昇降レール3の上端部に固定することにより支持部材4を吊り上げ、ワイヤ12の繰り出し又は巻き取りによって支持部材4を昇降させている。
【0025】
給油管7及び排油管8は、各回転手段20C,20R,20Lを駆動させるために設けられており、施工現場に設置されたオイルタンク(図示せず)の駆動用油が、給油管7を通じて各回転手段20C,20R,20Lに供給されるとともに、各回転手段20C,20R,20Lから排出された駆動用油が、排油管8を通じてオイルタンクに回収されるように構成されている。
【0026】
次に、回転手段20C,20R,20Lの構成について説明する。
掘削装置1には、図1及び図2に示すように、3基の回転手段20C,20R,20Lがベースマシン2に対して並設されており、各回転手段20C,20R,20Lは、接続部材24及び3体の軸受部材25によって並設した状態で一体化され、ベースマシン2に昇降自在に支持されている。
【0027】
回転手段20C,20R,20Lは、固定軸30が貫通しており、混練翼23が周囲に設けられた出力部が固定軸30周りに回転可能な油圧モータ(以下、「アウターモータ」という)40と、固定軸30が内挿されるようにして、アウターモータ40の出力部に取り付けられることにより、固定軸30周りに回転可能であり、下部掘削手段50、上部掘削手段60及び混練翼23が取り付けられた回転軸21とから構成されている。なお、右側回転手段20R及び左側回転手段20Lの固定軸30の上端部は、ベースマシン2の支持部材4に固定されている。
【0028】
アウターモータ40は、貫通した固定軸30周りに出力部が回転する外周駆動型のラジアルピストンモータであり、出力部の周囲に混練翼23が設けられている。
【0029】
接続部材24は、3基の回転手段20C,20R,20Lを一体化するための部材であり、中央回転手段20Cの固定軸30の上端部が固定されるとともに、右側回転手段20R及び左側回転手段20Lの固定軸30が貫通した状態で固定されている。
3体の軸受部材25は、3基の回転手段20C,20R,20Lを一体化するための部材であり、各回転手段20C,20R,20Lの回転軸21が回転可能な状態で貫通して支持されている。3体の軸受部材25は、接続部材24の下方であり、アウターモータ40の上方となる位置に2体の軸受部材25が上下方向に所定間隔を離して配置され、アウターモータ40の下方に1体の軸受部材25が配置されている。
【0030】
固定軸30は、中央部に貫通孔を有する中空管であり、中空部の周囲には、掘削孔内に圧縮空気を供給するための空気孔、アウターモータ40に駆動用油を供給するための給油孔、アウターモータ40からの駆動用油を排出するための排油孔及びアウターモータ40の内部で駆動用油が流出した際のドレン孔として利用される複数の貫通孔が配置されている。
【0031】
右側回転手段20R及び左側回転手段20Lの固定軸30の中空部には供給管9が接続されている(図1参照)。さらに、給油孔には給油管7が接続されるとともに、排油孔には排油管8が接続され(図1参照)、ドレン孔にはドレン管(図示せず)が接続され、空気孔には圧縮空気を供給する空気供給手段(図示せず)が接続されている。また、中央回転手段20Cの固定軸30の給油孔、排油孔及びドレン孔は、接続部材24の内部で右側回転手段20R及び左側回転手段20Lの給油孔、排油孔及びドレン孔とホース等によって接続されており、右側回転手段20R及び左側回転手段20Lを介して給油及び排油が行われるように構成されている。
なお、各回転手段20C,20R,20Lの固定軸30の各孔と、給油管7,排油管8,供給管9との接続において、固定軸30は回転しないため、接続部にスイベルジョイント等の特殊な機構を設置する必要がない。
【0032】
回転軸21は、図2に示すように、混練翼23が周囲に設けられた中空管であり、アウターモータ40を介して上下方向に分割され、上部に上部掘削手段60を備える上部回転軸21aと、下端部に下部掘削手段50を備える下部回転軸21bとが形成されている。上部回転軸21aと下部回転軸21bには、固定軸30が内挿されており、上部回転軸21aの下端部と、下部回転軸21bの上端部とがアウターモータ40の出力部に取り付けられることにより、各回転軸21a,21bは固定軸30周りに回転可能となっている。
【0033】
そして、上部回転軸21a及び下部回転軸21bをアウターモータ40によって回転させ、下部回転軸21aの下端部に取り付けられた下部掘削手段50を回転させることにより、掘削孔の底面を掘削することができるとともに、上部回転軸21aの上部に取り付けられた上部掘削手段60を回転させ、上部回転軸21aよりも上方に貯留された掘削土砂を粉砕することができるようになっている。また、混練翼23は、回転軸21の周囲に設置された螺旋状の部材であり、各回転軸21a,21bを回転させることにより、掘削孔内の掘削土砂と固化剤を撹拌混合することができる。なお、混練翼23の構成は限定されるものではなく、効率良く掘削孔内を撹拌することができる形状及び材質であればよい。
【0034】
下部掘削手段50は、図3に示すように、下部回転軸21bの下端部に取り付けられた本体部51R,51Lと、掘削孔を掘削するために、本体部51R,51Lの底面部54に設けられた掘削用ビット55と、掘削孔を拡幅するために、本体部51R,51Lの側面部52に設けられた拡幅用ビット53とを備え、本体部51R,51Lは、駆動手段である油圧シリンダ56によって、掘削孔の直径方向において底面部54の拡張及び縮退の切り替えが自在となるように構成されている。
【0035】
本体部51R,51Lは、下部回転軸21bを境に2体に分割された同一形状の螺旋体であり、上下方向における略中央部が、図3(a)に示された下部回転軸21bの表面側と裏面側に設けられた支持部57に取り付けられている。2体の本体部51R,51Lは、図3(a)における下部回転軸21bの表面側で支持部57に取り付けられ、底面部54が下部回転軸21bの右側に配置された右側本体部51Rと、下部回転軸21bの裏面側で支持部(図示せず)に取り付けられ、底面部54が下部回転軸21bの左側に配置された左側本体部51Lとから構成されている。なお、各本体部51R,51Lは、下部回転軸21bの周囲に配置された螺旋体であるため、本体部51R,51Lの底面部54と上面部58は、図3(a)における下部回転軸21bの各々反対の側面に配置されることになる。
【0036】
また、本体部51R,51Lの底面部54には、掘削孔を掘削するための複数の掘削用ビット55が設けられ、本体部51R,51Lの側面部52において、支持部57よりも下方であり、掘削孔の壁面に相対する位置に、掘削孔を拡幅するための複数の拡幅用ビット53が設けられている。なお、掘削用ビット55及び拡幅用ビット53は、本体部51R,51Lの側面部52及び底面部54に強固に固定されており、硬質の地盤を掘削した場合であっても接続部が破損しないように強度が確保されている。
【0037】
支持部57は、下部回転軸21bの下端部に設けられた水平孔と、上下方向に回動可能な状態で水平孔に挿入されて取り付けられた軸部材とから構成され、軸部材に取り付けられた本体部51R,51Lが、上下方向に回動可能な状態で下部回転軸21bに支持されるように構成されている。これにより、回転軸21が回転した際には、各本体部51R,51Lは、下部回転軸21bに設けられた支持部57及び油圧シリンダ56に支持された状態で回転軸21に連動して回転することになる。
【0038】
油圧シリンダ56は、基端部59Aが下部回転軸21bに取り付けられており、先端部が本体部51R,51Lに取り付けられた伸縮自在なロッド59Bを備えている。そして、ロッド59Bが下向きに配置され、斜め下方に向けて伸長するようにして、図3(a)における下部回転軸21bの表面側と裏面側に1基ずつ設置されている。また、各油圧シリンダ56の基端部59Aは、下部回転軸21bに上下方向に回動可能な状態で取り付けられ、ロッド59Bの先端部は、本体部51R,51Lの上面部58に、上下方向に回動可能な状態で取り付けられている。
【0039】
そして、下部掘削手段50によって、掘削孔を掘削する際には、図3(a)に示すように、油圧シリンダ56のロッド59Bは縮退しており、本体部51R,51Lの内側面が下部回転軸21bの周囲に接した状態となっている。また、掘削孔を拡幅する際には、図3(b)に示すように、油圧シリンダ56のロッド59Bを伸長させ、本体部51R,51Lの上面部58を、支持部57を中心として互いに離間する方向に回動させる。これにより、支持部57よりも下方の底面部54が支持部57を中心として互いに離間する方向に回動するため、支持部57よりも下方の側面部52に設置された拡幅用ビット53の位置が掘削孔の直径方向に拡張される。
【0040】
上部掘削手段60は、図4に示すように、上部回転軸21aの上部に取り付けられた本体部61R、61Lと、掘削孔を掘削及び拡幅するために、本体部61R,61Lの上面部62に設けられた掘削用ビット63とを備え、本体部61R,61Lは、駆動手段である油圧シリンダ64によって、掘削孔の直径方向において上面部62の拡張及び縮退の切り替えが自在となるように構成されている。
【0041】
本体部61R、61Lは、上部回転軸21aを境に2分割された同一形状の長方形の部材であり、図4(a)における上部回転軸21aの右側に配置された右側本体部61Rと、左側に配置された左側本体部61Lとに分割された状態で上部回転軸21aに取り付けられている。2体の本体部61R,61Lは、上端部が上部回転軸21aに固定された支持部65に取り付けられ、下端部を斜め下方に向けて配置されている。
【0042】
また、本体部61R,61Lの上面部62には、掘削孔内の掘削土砂及び掘削孔を拡幅するための複数の掘削用ビット63が設けられている。なお、掘削用ビット63は、本体部61R,61Lの上面部62に強固に固定されており、硬質の地盤を掘削した場合であっても接続部が破損しない程度の強度が確保されている。
【0043】
支持部65は、上部回転軸21aの周囲に固定された円筒状の部材であり、図4(a)における支持部65の両側端部に各本体部61R,61Lの上端部が上下方向に回動可能な状態で取り付けられている。
【0044】
油圧シリンダ64は、軸受部材25上に取り付けられており、上部回転軸21aが回転可能な状態で貫通可能な中空部を有するセンターホール型の油圧シリンダ64であり、上下方向に伸縮可能なロッド66を備えている。ロッド66の上端部には、回転軸21周りに回転可能なベアリング67を介して中空体の固定部68が取り付けられており、ベアリング67によって固定部68は固定軸21周りに回転可能に構成されている。そして、固定部68と各支持部61R,61Lの下端部との間には、スポーク69が取り付けられており、固定部68及び各支持部61R,61Lと、スポーク69との各取付部は、上下方向に回動可能な状態に構成されている。
なお、中央回転手段20Cの油圧シリンダ64は、3体の軸受部材25において、最上段の軸受部材25上に取り付けられ、右側回転手段20R及び左側回転手段20Lの油圧シリンダ64は、上方から2段目の軸受部材25上に取り付けられ、各上部掘削手段60が干渉しないようにして配置されている。
【0045】
ここで、回転軸21が回転した際には、上部回転軸21aに固定された支持部65が回転し、この支持部65に取り付けられた各本体部61R,61Lも回転する。このとき、各本体部61R,61Lの下端部はスポーク69を介して油圧シリンダ64の固定部68に取り付けられており、この固定部68は回転軸21周りに回転可能に構成されているため、各本体部61R,61Lは支持部65及び油圧シリンダ64に支持された状態で、回転軸21に連動して回転する。
【0046】
そして、上部掘削手段60によって、掘削孔内の掘削土砂を掘削する際には、図4(a)に示すように、油圧シリンダ64のロッド66は縮退しており、各本体部61R,61Lと上部回転軸21aとの間隔が最も狭い状態となっている。また、掘削孔を拡幅する際には、図4(b)に示すように、油圧シリンダ64のロッド66を伸長させ、本体部61R,61Lの下端部をスポーク69によって外方に押し出すことにより、各本体部61R,61Lの上面部62を、支持部65を中心として互いに離間する方向に回動させる。これにより、各本体部61R,61Lの上面部62が掘削孔の直径方向に拡張されるため、上面部62に設置された掘削用ビット63の位置が掘削孔の直径方向に拡張される。
【0047】
次に、本発明の実施形態に係る掘削装置1を用いた地盤掘削方法について説明する。
まず、図1及び図2に示すように、掘削する所定位置の側方にベースマシン2を移動させ、旋回台座5及び可倒手段6を調整して各回転手段20C,20R,20Lを所定位置に鉛直状態で設置する。そして、各回転手段20C,20R,20Lを下降させ、各回転軸21の下端部に設置された下部掘削手段50を地上面に当接させる。
【0048】
続いて、各回転手段20C,20R,20Lの各アウターモータ40を駆動して各回転軸21を回転させ、下部掘削手段50によって地盤を掘削する。さらに、ベースマシン2によって各回転手段20C,20R,20Lを順次に下降させて所定深さの掘削孔を構築し、各回転手段20C,20R,20Lの各アウターモータ40を掘削孔内に配置する。このとき、各回転軸21の起動停止及び回転方向を各々設定することにより、3基の回転手段20C,20R,20L全体を回動させることができる。例えば、中央回転手段20Cの回転軸21Cのみを回転させることにより、中央回転手段20Cを中心として3基の回転手段20C,20R,20L全体を回動させ、各回転手段20C,20R,20Lの位置を微調整することができる。
【0049】
一方、各回転手段20C,20R,20Lで地盤を掘削しながら、右側回転手段20R及び左側回転手段20Lの中央部の貫通孔に供給管9を通じて固化剤を供給する(図3参照)。この固化剤は各回転手段20R,20Lの固定軸30の内部を通過して、固定軸30の下端部から掘削孔内に注入される。さらに、中央回転手段20Cの固定軸30の空気孔から掘削孔内に圧縮空気を供給する。
【0050】
そして、各回転手段20C,20R,20Lの混練翼23によって掘削土砂と固化剤とが掘削孔内で撹拌混合される。このとき、各回転軸21の混練翼23とともに、各アウターモータ40の混練翼23によっても掘削孔内が撹拌されるため、効率良く撹拌混合することができる。また、中央回転手段20Cの回転軸21と、右側回転手段20R及び左側回転手段20Lの回転軸21とを異なる方向に回転させることにより、各回転手段20C,20R,20L同士の間が確実に撹拌される。さらに、各アウターモータ40の混練翼23によって、各回転手段20C,20R,20Lの高さ方向において広範囲に混練翼23が設置されているため、掘削土砂を効率良く上方に排土することができる。
【0051】
ここで、図6(a)に示すように、大深度の掘削孔Aを掘削した際に、各回転軸20C,20R,20Lの回転軸21が地盤内で斜め方向に湾曲し、掘削孔Aの下部が斜め方向に湾曲して掘削されてしまう場合がある。この場合には、斜め方向に湾曲した側面領域Bによって芯材を埋設する所定位置が所定深度まで垂直に掘削されない状態になってしまう。
【0052】
そこで、図3(b)に示すように、下部掘削手段50の油圧シリンダ56のロッド59Bを伸長させ、本体部51R,51Lの上面部58を、支持部57を中心として互いに離間する方向に回動させる。これにより、支持部57よりも下方の底面部54も支持部57を中心として互いに離間する方向に回動するため、支持部57よりも下方の側面部52に設置された拡幅用ビット53の位置が掘削孔の直径方向に拡張された状態となる。
また、図4(b)に示すように、上部掘削手段60の油圧シリンダ64のロッド66を伸長させ、本体部61R,61Lの下端部をスポーク69によって外方に押し出すことにより、各本体部61R,61Lの上面部62を、支持部65を中心として互いに離間する方向に回動させる。これにより、各本体部61R,61Lの上面部62が掘削孔の直径方向に拡張されるため、上面部62に設置された掘削用ビット63の位置が掘削孔の直径方向に拡張された状態となる。
【0053】
そして、ベースマシン2によって回転手段20C,20R,20Lを上昇させながら、回転軸21を回転させることにより、拡張された拡幅用ビット53及び掘削用ビット63によって掘削孔Aの側壁を掘削して掘削孔Aを拡幅する。これにより、斜め方向に湾曲した側面領域B(図6(a)参照)が掘削され、隣接する掘削孔同士が確実に接合されるため、連続地中壁の止水性を高めることができる。また、掘削孔A内の所定位置が所定深度まで垂直に掘削されるため、芯材を所定位置に埋設することができる。
なお、拡幅用ビット53及び掘削用ビット63は、本体部部51R,51L,61R,61Lに強固に固定されているため、硬質の地盤を掘削する場合であっても、下部掘削手段50及び上部掘削手段60の破損を防止することができる。
【0054】
また、図6(b)に示すように、平面視で直線状に連続地中壁を構築する場合に、回転手段20C,20R,20Lによって掘削された掘削孔Cが予め設定された位置からずれてしまう場合がある。この場合には、芯材Hの埋設位置が存在する所定位置Dの全体が掘削されない状態になってしまう。そこで、掘削孔C内に配置された下部掘削手段50の拡幅用ビット53及び上部掘削手段60の掘削用ビット63を掘削孔Cの直径方向に拡張させ、拡幅用ビット53及び掘削用ビット63によって掘削孔Cの側壁を掘削して掘削孔Cを範囲Eまで拡幅する。これにより、所定位置Dの直下領域が掘削され、所定位置Dが所定深度まで垂直に掘削されるため、芯材Hを所定位置D内に埋設することができる。
【0055】
最後に、掘削土砂と固化剤を撹拌混合しながら、各回転手段20C,20R,20Lを上昇させて掘削孔から引き上げる。このとき、混練翼23が設けられた各アウターモータ40の出力部を回転させながら上昇させることにより、アウターモータ40と掘削土砂との間の抵抗力が小さくなるため、掘削孔から容易に引き上げることができる。さらに、掘削孔の上方で掘削土砂の硬化が進行している場合であっても、各回転軸21の上部に取り付けられた上部掘削手段60によって掘削土砂を粉砕して柔らかくすることができるため、掘削孔から容易に引き上げることができる。そして、各回転手段20C,20R,20Cの離脱後に掘削孔内の掘削土砂の硬化が完了して地盤が改良される。
【0056】
したがって、本発明の掘削装置1では、拡幅用ビット53や掘削用ビット63を各掘削手段50,60の本体部51R,51L,61R,61Lに強固に固定することができるため、硬質の地盤を掘削する場合であっても、各掘削手段50,60の破損を防止することができ、掘削装置1の整備や補修等に係る維持費用を抑制することができる。
【0057】
以上、本発明の好適な実施形態についての一例を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
例えば、ベースマシン2に対して複数の回転手段を並設させた場合に、全ての回転手段に拡張可能な掘削手段50,60を取り付けることなく、各種施工条件に対応させて取り付ける台数を設定してもよい。
また、各回転手段20C,20R,20Lの固定軸30にアウターモータ40を取り付ける個数は限定されるものではない。また、モータの構成も限定されるものではなく、モータ自体が固定軸30や接続部材24等に固定され、出力部に内挿された回転軸を回転させる油圧モータをアウターモータ40と組み合せてもよく、土壌の土質など各種施工条件に対応させて各種のモータを適宜に設定し、掘削及び撹拌を効率良く行うことが好ましい。
また、固定軸30の下端部に、掘削孔内における回転軸21の傾きを計測する計測装置を取り付けることにより、掘削孔内の掘削状態をリアルタイムで把握して正確に施工を管理するように構成してもよい。このとき、固定軸30は掘削時に回転しないため、計測装置の電源ケーブルや通信ケーブル等を固定軸30の貫通孔に挿入して配線することができ、回転手段20C,20R,20Lに計測装置を簡易に取り付けることができる。
【0058】
さらに、下部掘削手段の他の構成としては、図5の正面図に示すように、本体部51R,51Lの側面部に拡幅用ビットを設けることなく、下部回転軸21bに取り付けられた螺旋体である本体部51R,51Lの上面部58に、下部回転軸21bから離間する方向に伸長可能なロッド71Bを備えた油圧シリンダ70の基端部71Aを固定し、ロッド71Bの先端部に拡幅用ビット72を固設した下部掘削手段50’としてもよい。この構成では、油圧シリンダ70の基端部71Bと各本体部51R,51Lとの取付面積を大きく確保することができるため、大型で高強度の油圧シリンダ70を各本体部51R,51Lに取り付けることができる。これにより、高強度のロッド71に拡幅用ビット72を強固に固定することができるため、硬質の土壌を掘削する場合であっても、掘削手段50’の破損を防止することができる。
【0059】
【発明の効果】
本発明の掘削装置及び地盤掘削方法によれば、掘削手段の本体部の底面部を拡張させることにより、本体部の側面部に設置された拡幅用ビットを掘削孔の直径方向に移動させることができるため、拡幅用ビットを本体部に強固に固定することができる。これにより、硬質の地盤を掘削する場合であっても、掘削手段の破損を防止することができるため、掘削装置の整備や補修等に係る維持費用を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る掘削装置を示した側面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る回転手段を示した正面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る下部掘削手段を示した図で、(a)は下部掘削手段の正面図、(b)は下部掘削手段の本体部の側面部を拡張させた状態を示した正面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る上部掘削手段を示した図で、(a)は上部掘削手段の正面図、(b)は上部掘削手段の本体部の側面部を拡張させた状態を示した正面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る下部掘削手段の他の構成を示した正面図で、(a)は下部掘削手段の正面図、(b)は下部掘削手段のロッドを伸長させた状態を示した正面図である。
【図6】地盤に構築された掘削孔を示した図で、(a)は掘削孔の下方が斜め方向に湾曲して掘削された状態を示した側断面図、(b)は掘削位置がずれた状態を示した平面図である。
【符号の説明】
1・・・・掘削装置
2・・・・ベースマシン
20C・・・中央回転手段
20R・・・右側回転手段
20L・・・左側回転手段
21・・・・回転軸
23・・・・混練翼
40・・・・アウターモータ
50・・・・下部掘削手段
51R・・・右側本体部(下部掘削手段)
51L・・・左側本体部(下部掘削手段)
52・・・・側面部(下部掘削手段)
53・・・・拡幅用ビット(下部掘削手段)
54・・・・底面部(下部掘削手段)
55・・・・掘削用ビット(下部掘削手段)
60・・・・上部掘削手段
61R・・・右側本体部(上部掘削手段)
61L・・・左側本体部(上部掘削手段)
62・・・・上面部(上部掘削手段)
63・・・・掘削用ビット(下部掘削手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、掘削孔を掘削するための掘削装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、掘削孔を掘削する掘削装置としては、ベースマシンと、ベースマシンに昇降可能に支持されている回転手段とを備え、回転手段は、下端部に掘削手段が取り付けられた回転軸を有し、回転軸を回転させることにより、掘削孔を掘削する掘削装置がある。
ここで、並設された掘削孔によって連続地中壁を構築する場合には、隣接する掘削孔を確実に接合させ、連続地中壁の壁面に隙間が形成されないようにして止水性を確保する必要がある。また、各掘削孔内にH鋼材等の芯材を埋設する場合には、掘削孔内の所定位置が所定深度まで垂直に掘削されている必要がある。しかしながら、従来の掘削装置では、掘削孔の深度に対応させて回転軸を延長させるため、掘削孔の深度が大きい場合には、回転軸の強度が低下して地盤内で斜め方向に湾曲してしまう場合がある。これにより、図6(a)の掘削孔の側面図に示すように、掘削孔Aの下部が斜め方向に湾曲して掘削され、斜め方向に湾曲した側面領域Bによって連続地中壁の壁面に隙間が形成されてしまう。また、掘削孔A内の所定位置が所定深度まで垂直に掘削されないため、芯材を掘削孔A内の所定位置に埋設することができなくなってしまう。
さらに、図6(b)の掘削孔の平面図に示すように、平面視で直線状に連続地中壁を構築する場合に、回転手段によって掘削された掘削孔Cが予め設定された位置からずれてしまう場合がある。これにより、芯材Hを埋設するための所定位置Dの全体が掘削されないため、芯材Hを所定位置D内に埋設することができなくなり、連続地中壁内に芯材Hを直線状に連続させて埋設することができなくなってしまう。
【0003】
そこで、掘削孔が地盤内で斜め方向に湾曲したり、掘削位置がずれてしまった場合に、掘削孔を拡幅して所定位置の直下領域又は斜め方向に湾曲した側面領域を掘削し、所定位置を所定深度まで垂直に掘削する掘削装置がある。
例えば、下端部に掘削手段(掘削刃体)が取り付けられた回転軸(スパイラルロッド)を回転させて地盤を掘削する掘削装置(アースオーガ)であって、掘削手段から掘削孔の直径方向に突出可能な拡幅用ビット(拡張刃体)を付設した掘削装置がある。この掘削装置では、掘削孔内に配置された掘削手段から拡幅用ビットを突出させた状態で、ベースマシンによって回転手段を上昇させながら、回転軸を回転させ、拡幅用ビットによって掘削孔の側壁を掘削して拡幅することにより、所定位置を所定深度まで垂直に掘削することができる(例えば、特許文献1参照。)。
また、掘削手段(ビット)に取り付けられた油圧シリンダのロッドの先端部を、掘削手段のガイド部材に沿って移動可能な拡幅用ビット(オーバカッタ)に取り付け、油圧シリンダのロッドを伸長させることにより、拡幅用ビットを掘削手段から突出させる掘削装置がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−32662号公報(第2−4頁、第3−6図)
【特許文献2】
特開平10−176477号公報(第2−4頁、第1−3図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、掘削孔を拡幅可能な従来の掘削装置では、以下の問題がある。従来の掘削装置では、拡幅用ビット自体が掘削手段の本体部に移動可能に取り付けられており、拡幅用ビットと本体部との取付部の強度が低くなるため、硬質な地盤を掘削した場合に取付部が破損してしまう場合があり、掘削装置の整備や補修等に係る費用が増加し、従来の掘削装置と比較して、掘削装置の維持費用が高くなってしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、掘削孔を拡幅するための拡幅用ビットと掘削手段の本体部との取付部の強度を十分に確保し、硬質の地盤を拡幅する場合であっても、掘削手段の破損を防止することができ、維持費用を抑制することができる掘削装置を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決すべく構成されるものであり、請求項1に記載の発明は、ベースマシンと、ベースマシンに昇降可能に支持されている回転手段と、を備え、回転手段は、下端部に掘削手段が取り付けられた回転軸を有し、回転軸を回転させることにより掘削孔を掘削する掘削装置であって、掘削手段は、本体部と、掘削孔を掘削するために、本体部の底面部に設けられた掘削用ビットと、掘削孔を拡幅するために、本体部の側面部に設けられた拡幅用ビットとを備え、本体部は、駆動手段によって、掘削孔の直径方向において底面部の拡張及び縮退の切り替えが自在となるように構成されていることを特徴としている。
【0008】
ここで、ベースマシンは、回転手段を昇降可能な装置であれば自走式や固定式など、その構成は限定されるものではない。また、ベースマシンに支持される回転手段の台数は限定されるものではなく、複数の回転手段をベースマシンに対して並設させてもよい。
さらに、駆動手段の構成は限定されるものではなく、駆動源も油圧式や電動式など限定されるものではない。
また、掘削用ビット及び拡幅用ビットの形状や構成は限定されるものではなく、掘削孔を効率良く掘削及び拡幅することができる形状及び構成であればよい。
【0009】
この発明によれば、掘削手段の本体部の底面部を掘削孔の直径方向に拡張させることにより、本体部の側面部に設けられた拡幅用ビットが掘削孔の直径方向に拡張されるため、拡幅用ビットを本体部に強固に固定することができる。これにより、硬質の地盤を掘削する場合であっても、掘削手段の破損を防止することができる。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の掘削装置であって、掘削手段の本体部は、回転軸を境に2分割された状態で回転軸の支持部に取り付けられており、駆動手段は、基端部が回転軸に取り付けられており、先端部が分割された各本体部に取り付けられた2体のシリンダであり、分割された各本体部の底面部を、各シリンダの伸長によって、支持部を中心として互いに離間する方向に回動させることにより、分割された各本体部の底面部が掘削孔の直径方向に拡張されるように構成されていることを特徴としている。
【0011】
この発明によれば、掘削手段の本体部の底面部を掘削孔の直径方向に拡張させるための機構が簡易化されているため、拡幅用ビットを短期間で拡張させることができる。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の掘削装置であって、回転軸は、本体部と、掘削孔を掘削及び拡幅するために、本体部の上面部に設けられた掘削用ビットとを備え、本体部は、駆動手段によって、掘削孔の直径方向において上面部の拡張及び縮退の切り替えが自在となるように構成されている他の掘削手段を備えていることを特徴としている。
【0013】
ここで、掘削孔の掘削を完了し、掘削装置の回転手段を掘削孔内から引き上げる際に、回転手段と掘削土砂の間に発生する抵抗力によって引き上げ作業が煩雑になってしまう場合がある。特に、回転軸に混練翼を設置し、掘削孔内で掘削土砂と固化剤を撹拌混合して地盤を改良する場合には、掘削孔内の上方で掘削土砂と固化剤の硬化が進行するため、回転手段を引き上げる際の抵抗力が大きくなってしまう。
【0014】
この発明によれば、回転軸に取り付けられた他の掘削手段の掘削用ビットによって、掘削孔の上部に貯留された掘削土砂を粉砕して柔かくすることができるため、回転手段を掘削孔内から簡易に引き上げることができる。
また、回転軸に取り付けられた複数の掘削手段によって、掘削孔の上下方向において複数の位置から掘削孔の側壁を掘削することができるため、掘削孔を効率良く拡幅することができる。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の掘削装置であって、他の掘削手段の本体部は、回転軸を境に2分割された状態で回転軸の支持部に取り付けられており、駆動手段は、基端部が回転軸に取り付けられており、先端部が分割された各本体部に取り付けられたシリンダであり、分割された各本体部の上面部を、シリンダの伸長によって、支持部を中心として互いに離間する方向に回動させることにより、分割された各本体部の上面部が掘削孔の直径方向に拡張されるように構成されていることを特徴としている。
【0016】
この発明によれば、他の掘削手段の本体部の上面部を掘削孔の直径方向に拡張させるための構成が簡易化されているため、本体部の上面部を短期間で拡張させることができる。
【0017】
したがって、本発明の掘削装置では、掘削手段の本体部の底面部を掘削孔の直径方向に拡張させることにより、本体部に設けられた拡幅用ビットが掘削孔の直径方向に拡張されるため、拡幅用ビットを本体部に強固に固定することができる。これにより、硬質の地盤を掘削する場合であっても、掘削手段の破損を防止することができるため、掘削装置の整備や補修等に係る維持費用を抑制することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0019】
本実施形態では、本発明の掘削装置を用いて鉛直方向の掘削孔を並設させて掘削し、その掘削孔内に固化剤を注入して掘削土砂と固化剤を撹拌混合することにより、地盤を改良して硬化させるとともに、掘削孔内に芯材を埋設させて連続地中壁を構築する場合を例として説明する。
【0020】
まず、本発明の実施形態に係る掘削装置について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る掘削装置を示した側面図である。図2は、本発明の実施形態に係る回転手段を示した正面図である。図3は、本発明の実施形態に係る下部掘削手段を示した図で、(a)は下部掘削手段の正面図、(b)は下部掘削手段の本体部の側面部を拡張させた状態を示した正面図である。図4は、本発明の実施形態に係る上部掘削手段を示した図で、(a)は上部掘削手段の正面図、(b)は上部掘削手段の本体部の側面部を拡張させた状態を示した正面図である。なお、以下の説明における、左右方向とは、図2における左右方向に対応するものである。
【0021】
まず、本発明の実施形態に係る掘削装置の構成について説明する。
掘削装置1は、図1及び図2に示すように、ベースマシン2と、ベースマシン2に昇降可能に支持されている3基の回転手段20C,20R,20Lとを備え、各回転手段20C,20R,20Lは、ベースマシン2に対して並設されている。各回転手段20C,20R,20Lは回転軸21を有し、回転軸21の下端部には下部掘削手段(請求項における「掘削手段」)50が取り付けられ、上部には上部掘削手段(請求項における「他の掘削手段」)60が取り付けられ、周囲には混練翼23が取り付けられている。そして、回転軸21を回転させることにより下部掘削手段50によって掘削孔を掘削するとともに、掘削孔内に固化剤を注入し、混練翼23によって掘削土砂と固化剤を撹拌混合して地盤を改良する。
なお、3基の回転手段20C,20R,20Lは、図2において、中央に配置された中央回転手段20Cと、右側に配置された右側回転手段20Rと、左側に配置された左側回転手段20Lとから構成されている。
【0022】
続いて、ベースマシン2の構成について説明する。
ベースマシン2は、図1に示すように、鉛直方向の昇降レール3と、昇降レール3に沿って昇降可能な支持部材4と、昇降レール3を水平方向に旋回させるための旋回台座5と、昇降レール3を縦方向に回動させるための可倒手段6と、各回転手段20C,20R,20Lに駆動用油を供給するための給油管7と、各回転手段20C,20R,20Lから駆動用油を排出するための排油管8と、各回転手段20C,20R,20Lに固化剤を供給するための供給管9と、ベースマシン2を移動させるためのキャタピラ10とを主要部として構成されている。
【0023】
旋回台座5は、上部台座5aと下部台座5bとから構成され、上部台座5aの先端部には昇降レール3が上向きに立設されており、上部台座5aを水平方向に回動させることにより、昇降レール3を水平方向に旋回させることができる。
昇降レール3の可倒手段6は、伸縮可能な油圧シリンダであり、下端部が上部台座5aの後端部に連結され、上端部が昇降レール3の上端部に連結されており、可倒手段6を伸縮させることにより、昇降レール3の下端部に設けられた回転支持部11を中心として、昇降レール3を縦方向に回動させて傾動させる。
【0024】
支持部材4は、各回転手段20C,20R,20Lを昇降レール3に沿って鉛直方向に昇降自在な状態で支持する部材である。なお、支持部材4を昇降させるための機構は限定されるものではなく、本実施形態では、旋回台座5上に電動ウィンチ(図示せず)を設置し、この電動ウィンチのワイヤ12を昇降レール3の上端部に設けられた滑車13と、支持部材4の上部に設けられた滑車14とを介して昇降レール3の上端部に固定することにより支持部材4を吊り上げ、ワイヤ12の繰り出し又は巻き取りによって支持部材4を昇降させている。
【0025】
給油管7及び排油管8は、各回転手段20C,20R,20Lを駆動させるために設けられており、施工現場に設置されたオイルタンク(図示せず)の駆動用油が、給油管7を通じて各回転手段20C,20R,20Lに供給されるとともに、各回転手段20C,20R,20Lから排出された駆動用油が、排油管8を通じてオイルタンクに回収されるように構成されている。
【0026】
次に、回転手段20C,20R,20Lの構成について説明する。
掘削装置1には、図1及び図2に示すように、3基の回転手段20C,20R,20Lがベースマシン2に対して並設されており、各回転手段20C,20R,20Lは、接続部材24及び3体の軸受部材25によって並設した状態で一体化され、ベースマシン2に昇降自在に支持されている。
【0027】
回転手段20C,20R,20Lは、固定軸30が貫通しており、混練翼23が周囲に設けられた出力部が固定軸30周りに回転可能な油圧モータ(以下、「アウターモータ」という)40と、固定軸30が内挿されるようにして、アウターモータ40の出力部に取り付けられることにより、固定軸30周りに回転可能であり、下部掘削手段50、上部掘削手段60及び混練翼23が取り付けられた回転軸21とから構成されている。なお、右側回転手段20R及び左側回転手段20Lの固定軸30の上端部は、ベースマシン2の支持部材4に固定されている。
【0028】
アウターモータ40は、貫通した固定軸30周りに出力部が回転する外周駆動型のラジアルピストンモータであり、出力部の周囲に混練翼23が設けられている。
【0029】
接続部材24は、3基の回転手段20C,20R,20Lを一体化するための部材であり、中央回転手段20Cの固定軸30の上端部が固定されるとともに、右側回転手段20R及び左側回転手段20Lの固定軸30が貫通した状態で固定されている。
3体の軸受部材25は、3基の回転手段20C,20R,20Lを一体化するための部材であり、各回転手段20C,20R,20Lの回転軸21が回転可能な状態で貫通して支持されている。3体の軸受部材25は、接続部材24の下方であり、アウターモータ40の上方となる位置に2体の軸受部材25が上下方向に所定間隔を離して配置され、アウターモータ40の下方に1体の軸受部材25が配置されている。
【0030】
固定軸30は、中央部に貫通孔を有する中空管であり、中空部の周囲には、掘削孔内に圧縮空気を供給するための空気孔、アウターモータ40に駆動用油を供給するための給油孔、アウターモータ40からの駆動用油を排出するための排油孔及びアウターモータ40の内部で駆動用油が流出した際のドレン孔として利用される複数の貫通孔が配置されている。
【0031】
右側回転手段20R及び左側回転手段20Lの固定軸30の中空部には供給管9が接続されている(図1参照)。さらに、給油孔には給油管7が接続されるとともに、排油孔には排油管8が接続され(図1参照)、ドレン孔にはドレン管(図示せず)が接続され、空気孔には圧縮空気を供給する空気供給手段(図示せず)が接続されている。また、中央回転手段20Cの固定軸30の給油孔、排油孔及びドレン孔は、接続部材24の内部で右側回転手段20R及び左側回転手段20Lの給油孔、排油孔及びドレン孔とホース等によって接続されており、右側回転手段20R及び左側回転手段20Lを介して給油及び排油が行われるように構成されている。
なお、各回転手段20C,20R,20Lの固定軸30の各孔と、給油管7,排油管8,供給管9との接続において、固定軸30は回転しないため、接続部にスイベルジョイント等の特殊な機構を設置する必要がない。
【0032】
回転軸21は、図2に示すように、混練翼23が周囲に設けられた中空管であり、アウターモータ40を介して上下方向に分割され、上部に上部掘削手段60を備える上部回転軸21aと、下端部に下部掘削手段50を備える下部回転軸21bとが形成されている。上部回転軸21aと下部回転軸21bには、固定軸30が内挿されており、上部回転軸21aの下端部と、下部回転軸21bの上端部とがアウターモータ40の出力部に取り付けられることにより、各回転軸21a,21bは固定軸30周りに回転可能となっている。
【0033】
そして、上部回転軸21a及び下部回転軸21bをアウターモータ40によって回転させ、下部回転軸21aの下端部に取り付けられた下部掘削手段50を回転させることにより、掘削孔の底面を掘削することができるとともに、上部回転軸21aの上部に取り付けられた上部掘削手段60を回転させ、上部回転軸21aよりも上方に貯留された掘削土砂を粉砕することができるようになっている。また、混練翼23は、回転軸21の周囲に設置された螺旋状の部材であり、各回転軸21a,21bを回転させることにより、掘削孔内の掘削土砂と固化剤を撹拌混合することができる。なお、混練翼23の構成は限定されるものではなく、効率良く掘削孔内を撹拌することができる形状及び材質であればよい。
【0034】
下部掘削手段50は、図3に示すように、下部回転軸21bの下端部に取り付けられた本体部51R,51Lと、掘削孔を掘削するために、本体部51R,51Lの底面部54に設けられた掘削用ビット55と、掘削孔を拡幅するために、本体部51R,51Lの側面部52に設けられた拡幅用ビット53とを備え、本体部51R,51Lは、駆動手段である油圧シリンダ56によって、掘削孔の直径方向において底面部54の拡張及び縮退の切り替えが自在となるように構成されている。
【0035】
本体部51R,51Lは、下部回転軸21bを境に2体に分割された同一形状の螺旋体であり、上下方向における略中央部が、図3(a)に示された下部回転軸21bの表面側と裏面側に設けられた支持部57に取り付けられている。2体の本体部51R,51Lは、図3(a)における下部回転軸21bの表面側で支持部57に取り付けられ、底面部54が下部回転軸21bの右側に配置された右側本体部51Rと、下部回転軸21bの裏面側で支持部(図示せず)に取り付けられ、底面部54が下部回転軸21bの左側に配置された左側本体部51Lとから構成されている。なお、各本体部51R,51Lは、下部回転軸21bの周囲に配置された螺旋体であるため、本体部51R,51Lの底面部54と上面部58は、図3(a)における下部回転軸21bの各々反対の側面に配置されることになる。
【0036】
また、本体部51R,51Lの底面部54には、掘削孔を掘削するための複数の掘削用ビット55が設けられ、本体部51R,51Lの側面部52において、支持部57よりも下方であり、掘削孔の壁面に相対する位置に、掘削孔を拡幅するための複数の拡幅用ビット53が設けられている。なお、掘削用ビット55及び拡幅用ビット53は、本体部51R,51Lの側面部52及び底面部54に強固に固定されており、硬質の地盤を掘削した場合であっても接続部が破損しないように強度が確保されている。
【0037】
支持部57は、下部回転軸21bの下端部に設けられた水平孔と、上下方向に回動可能な状態で水平孔に挿入されて取り付けられた軸部材とから構成され、軸部材に取り付けられた本体部51R,51Lが、上下方向に回動可能な状態で下部回転軸21bに支持されるように構成されている。これにより、回転軸21が回転した際には、各本体部51R,51Lは、下部回転軸21bに設けられた支持部57及び油圧シリンダ56に支持された状態で回転軸21に連動して回転することになる。
【0038】
油圧シリンダ56は、基端部59Aが下部回転軸21bに取り付けられており、先端部が本体部51R,51Lに取り付けられた伸縮自在なロッド59Bを備えている。そして、ロッド59Bが下向きに配置され、斜め下方に向けて伸長するようにして、図3(a)における下部回転軸21bの表面側と裏面側に1基ずつ設置されている。また、各油圧シリンダ56の基端部59Aは、下部回転軸21bに上下方向に回動可能な状態で取り付けられ、ロッド59Bの先端部は、本体部51R,51Lの上面部58に、上下方向に回動可能な状態で取り付けられている。
【0039】
そして、下部掘削手段50によって、掘削孔を掘削する際には、図3(a)に示すように、油圧シリンダ56のロッド59Bは縮退しており、本体部51R,51Lの内側面が下部回転軸21bの周囲に接した状態となっている。また、掘削孔を拡幅する際には、図3(b)に示すように、油圧シリンダ56のロッド59Bを伸長させ、本体部51R,51Lの上面部58を、支持部57を中心として互いに離間する方向に回動させる。これにより、支持部57よりも下方の底面部54が支持部57を中心として互いに離間する方向に回動するため、支持部57よりも下方の側面部52に設置された拡幅用ビット53の位置が掘削孔の直径方向に拡張される。
【0040】
上部掘削手段60は、図4に示すように、上部回転軸21aの上部に取り付けられた本体部61R、61Lと、掘削孔を掘削及び拡幅するために、本体部61R,61Lの上面部62に設けられた掘削用ビット63とを備え、本体部61R,61Lは、駆動手段である油圧シリンダ64によって、掘削孔の直径方向において上面部62の拡張及び縮退の切り替えが自在となるように構成されている。
【0041】
本体部61R、61Lは、上部回転軸21aを境に2分割された同一形状の長方形の部材であり、図4(a)における上部回転軸21aの右側に配置された右側本体部61Rと、左側に配置された左側本体部61Lとに分割された状態で上部回転軸21aに取り付けられている。2体の本体部61R,61Lは、上端部が上部回転軸21aに固定された支持部65に取り付けられ、下端部を斜め下方に向けて配置されている。
【0042】
また、本体部61R,61Lの上面部62には、掘削孔内の掘削土砂及び掘削孔を拡幅するための複数の掘削用ビット63が設けられている。なお、掘削用ビット63は、本体部61R,61Lの上面部62に強固に固定されており、硬質の地盤を掘削した場合であっても接続部が破損しない程度の強度が確保されている。
【0043】
支持部65は、上部回転軸21aの周囲に固定された円筒状の部材であり、図4(a)における支持部65の両側端部に各本体部61R,61Lの上端部が上下方向に回動可能な状態で取り付けられている。
【0044】
油圧シリンダ64は、軸受部材25上に取り付けられており、上部回転軸21aが回転可能な状態で貫通可能な中空部を有するセンターホール型の油圧シリンダ64であり、上下方向に伸縮可能なロッド66を備えている。ロッド66の上端部には、回転軸21周りに回転可能なベアリング67を介して中空体の固定部68が取り付けられており、ベアリング67によって固定部68は固定軸21周りに回転可能に構成されている。そして、固定部68と各支持部61R,61Lの下端部との間には、スポーク69が取り付けられており、固定部68及び各支持部61R,61Lと、スポーク69との各取付部は、上下方向に回動可能な状態に構成されている。
なお、中央回転手段20Cの油圧シリンダ64は、3体の軸受部材25において、最上段の軸受部材25上に取り付けられ、右側回転手段20R及び左側回転手段20Lの油圧シリンダ64は、上方から2段目の軸受部材25上に取り付けられ、各上部掘削手段60が干渉しないようにして配置されている。
【0045】
ここで、回転軸21が回転した際には、上部回転軸21aに固定された支持部65が回転し、この支持部65に取り付けられた各本体部61R,61Lも回転する。このとき、各本体部61R,61Lの下端部はスポーク69を介して油圧シリンダ64の固定部68に取り付けられており、この固定部68は回転軸21周りに回転可能に構成されているため、各本体部61R,61Lは支持部65及び油圧シリンダ64に支持された状態で、回転軸21に連動して回転する。
【0046】
そして、上部掘削手段60によって、掘削孔内の掘削土砂を掘削する際には、図4(a)に示すように、油圧シリンダ64のロッド66は縮退しており、各本体部61R,61Lと上部回転軸21aとの間隔が最も狭い状態となっている。また、掘削孔を拡幅する際には、図4(b)に示すように、油圧シリンダ64のロッド66を伸長させ、本体部61R,61Lの下端部をスポーク69によって外方に押し出すことにより、各本体部61R,61Lの上面部62を、支持部65を中心として互いに離間する方向に回動させる。これにより、各本体部61R,61Lの上面部62が掘削孔の直径方向に拡張されるため、上面部62に設置された掘削用ビット63の位置が掘削孔の直径方向に拡張される。
【0047】
次に、本発明の実施形態に係る掘削装置1を用いた地盤掘削方法について説明する。
まず、図1及び図2に示すように、掘削する所定位置の側方にベースマシン2を移動させ、旋回台座5及び可倒手段6を調整して各回転手段20C,20R,20Lを所定位置に鉛直状態で設置する。そして、各回転手段20C,20R,20Lを下降させ、各回転軸21の下端部に設置された下部掘削手段50を地上面に当接させる。
【0048】
続いて、各回転手段20C,20R,20Lの各アウターモータ40を駆動して各回転軸21を回転させ、下部掘削手段50によって地盤を掘削する。さらに、ベースマシン2によって各回転手段20C,20R,20Lを順次に下降させて所定深さの掘削孔を構築し、各回転手段20C,20R,20Lの各アウターモータ40を掘削孔内に配置する。このとき、各回転軸21の起動停止及び回転方向を各々設定することにより、3基の回転手段20C,20R,20L全体を回動させることができる。例えば、中央回転手段20Cの回転軸21Cのみを回転させることにより、中央回転手段20Cを中心として3基の回転手段20C,20R,20L全体を回動させ、各回転手段20C,20R,20Lの位置を微調整することができる。
【0049】
一方、各回転手段20C,20R,20Lで地盤を掘削しながら、右側回転手段20R及び左側回転手段20Lの中央部の貫通孔に供給管9を通じて固化剤を供給する(図3参照)。この固化剤は各回転手段20R,20Lの固定軸30の内部を通過して、固定軸30の下端部から掘削孔内に注入される。さらに、中央回転手段20Cの固定軸30の空気孔から掘削孔内に圧縮空気を供給する。
【0050】
そして、各回転手段20C,20R,20Lの混練翼23によって掘削土砂と固化剤とが掘削孔内で撹拌混合される。このとき、各回転軸21の混練翼23とともに、各アウターモータ40の混練翼23によっても掘削孔内が撹拌されるため、効率良く撹拌混合することができる。また、中央回転手段20Cの回転軸21と、右側回転手段20R及び左側回転手段20Lの回転軸21とを異なる方向に回転させることにより、各回転手段20C,20R,20L同士の間が確実に撹拌される。さらに、各アウターモータ40の混練翼23によって、各回転手段20C,20R,20Lの高さ方向において広範囲に混練翼23が設置されているため、掘削土砂を効率良く上方に排土することができる。
【0051】
ここで、図6(a)に示すように、大深度の掘削孔Aを掘削した際に、各回転軸20C,20R,20Lの回転軸21が地盤内で斜め方向に湾曲し、掘削孔Aの下部が斜め方向に湾曲して掘削されてしまう場合がある。この場合には、斜め方向に湾曲した側面領域Bによって芯材を埋設する所定位置が所定深度まで垂直に掘削されない状態になってしまう。
【0052】
そこで、図3(b)に示すように、下部掘削手段50の油圧シリンダ56のロッド59Bを伸長させ、本体部51R,51Lの上面部58を、支持部57を中心として互いに離間する方向に回動させる。これにより、支持部57よりも下方の底面部54も支持部57を中心として互いに離間する方向に回動するため、支持部57よりも下方の側面部52に設置された拡幅用ビット53の位置が掘削孔の直径方向に拡張された状態となる。
また、図4(b)に示すように、上部掘削手段60の油圧シリンダ64のロッド66を伸長させ、本体部61R,61Lの下端部をスポーク69によって外方に押し出すことにより、各本体部61R,61Lの上面部62を、支持部65を中心として互いに離間する方向に回動させる。これにより、各本体部61R,61Lの上面部62が掘削孔の直径方向に拡張されるため、上面部62に設置された掘削用ビット63の位置が掘削孔の直径方向に拡張された状態となる。
【0053】
そして、ベースマシン2によって回転手段20C,20R,20Lを上昇させながら、回転軸21を回転させることにより、拡張された拡幅用ビット53及び掘削用ビット63によって掘削孔Aの側壁を掘削して掘削孔Aを拡幅する。これにより、斜め方向に湾曲した側面領域B(図6(a)参照)が掘削され、隣接する掘削孔同士が確実に接合されるため、連続地中壁の止水性を高めることができる。また、掘削孔A内の所定位置が所定深度まで垂直に掘削されるため、芯材を所定位置に埋設することができる。
なお、拡幅用ビット53及び掘削用ビット63は、本体部部51R,51L,61R,61Lに強固に固定されているため、硬質の地盤を掘削する場合であっても、下部掘削手段50及び上部掘削手段60の破損を防止することができる。
【0054】
また、図6(b)に示すように、平面視で直線状に連続地中壁を構築する場合に、回転手段20C,20R,20Lによって掘削された掘削孔Cが予め設定された位置からずれてしまう場合がある。この場合には、芯材Hの埋設位置が存在する所定位置Dの全体が掘削されない状態になってしまう。そこで、掘削孔C内に配置された下部掘削手段50の拡幅用ビット53及び上部掘削手段60の掘削用ビット63を掘削孔Cの直径方向に拡張させ、拡幅用ビット53及び掘削用ビット63によって掘削孔Cの側壁を掘削して掘削孔Cを範囲Eまで拡幅する。これにより、所定位置Dの直下領域が掘削され、所定位置Dが所定深度まで垂直に掘削されるため、芯材Hを所定位置D内に埋設することができる。
【0055】
最後に、掘削土砂と固化剤を撹拌混合しながら、各回転手段20C,20R,20Lを上昇させて掘削孔から引き上げる。このとき、混練翼23が設けられた各アウターモータ40の出力部を回転させながら上昇させることにより、アウターモータ40と掘削土砂との間の抵抗力が小さくなるため、掘削孔から容易に引き上げることができる。さらに、掘削孔の上方で掘削土砂の硬化が進行している場合であっても、各回転軸21の上部に取り付けられた上部掘削手段60によって掘削土砂を粉砕して柔らかくすることができるため、掘削孔から容易に引き上げることができる。そして、各回転手段20C,20R,20Cの離脱後に掘削孔内の掘削土砂の硬化が完了して地盤が改良される。
【0056】
したがって、本発明の掘削装置1では、拡幅用ビット53や掘削用ビット63を各掘削手段50,60の本体部51R,51L,61R,61Lに強固に固定することができるため、硬質の地盤を掘削する場合であっても、各掘削手段50,60の破損を防止することができ、掘削装置1の整備や補修等に係る維持費用を抑制することができる。
【0057】
以上、本発明の好適な実施形態についての一例を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
例えば、ベースマシン2に対して複数の回転手段を並設させた場合に、全ての回転手段に拡張可能な掘削手段50,60を取り付けることなく、各種施工条件に対応させて取り付ける台数を設定してもよい。
また、各回転手段20C,20R,20Lの固定軸30にアウターモータ40を取り付ける個数は限定されるものではない。また、モータの構成も限定されるものではなく、モータ自体が固定軸30や接続部材24等に固定され、出力部に内挿された回転軸を回転させる油圧モータをアウターモータ40と組み合せてもよく、土壌の土質など各種施工条件に対応させて各種のモータを適宜に設定し、掘削及び撹拌を効率良く行うことが好ましい。
また、固定軸30の下端部に、掘削孔内における回転軸21の傾きを計測する計測装置を取り付けることにより、掘削孔内の掘削状態をリアルタイムで把握して正確に施工を管理するように構成してもよい。このとき、固定軸30は掘削時に回転しないため、計測装置の電源ケーブルや通信ケーブル等を固定軸30の貫通孔に挿入して配線することができ、回転手段20C,20R,20Lに計測装置を簡易に取り付けることができる。
【0058】
さらに、下部掘削手段の他の構成としては、図5の正面図に示すように、本体部51R,51Lの側面部に拡幅用ビットを設けることなく、下部回転軸21bに取り付けられた螺旋体である本体部51R,51Lの上面部58に、下部回転軸21bから離間する方向に伸長可能なロッド71Bを備えた油圧シリンダ70の基端部71Aを固定し、ロッド71Bの先端部に拡幅用ビット72を固設した下部掘削手段50’としてもよい。この構成では、油圧シリンダ70の基端部71Bと各本体部51R,51Lとの取付面積を大きく確保することができるため、大型で高強度の油圧シリンダ70を各本体部51R,51Lに取り付けることができる。これにより、高強度のロッド71に拡幅用ビット72を強固に固定することができるため、硬質の土壌を掘削する場合であっても、掘削手段50’の破損を防止することができる。
【0059】
【発明の効果】
本発明の掘削装置及び地盤掘削方法によれば、掘削手段の本体部の底面部を拡張させることにより、本体部の側面部に設置された拡幅用ビットを掘削孔の直径方向に移動させることができるため、拡幅用ビットを本体部に強固に固定することができる。これにより、硬質の地盤を掘削する場合であっても、掘削手段の破損を防止することができるため、掘削装置の整備や補修等に係る維持費用を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る掘削装置を示した側面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る回転手段を示した正面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る下部掘削手段を示した図で、(a)は下部掘削手段の正面図、(b)は下部掘削手段の本体部の側面部を拡張させた状態を示した正面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る上部掘削手段を示した図で、(a)は上部掘削手段の正面図、(b)は上部掘削手段の本体部の側面部を拡張させた状態を示した正面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る下部掘削手段の他の構成を示した正面図で、(a)は下部掘削手段の正面図、(b)は下部掘削手段のロッドを伸長させた状態を示した正面図である。
【図6】地盤に構築された掘削孔を示した図で、(a)は掘削孔の下方が斜め方向に湾曲して掘削された状態を示した側断面図、(b)は掘削位置がずれた状態を示した平面図である。
【符号の説明】
1・・・・掘削装置
2・・・・ベースマシン
20C・・・中央回転手段
20R・・・右側回転手段
20L・・・左側回転手段
21・・・・回転軸
23・・・・混練翼
40・・・・アウターモータ
50・・・・下部掘削手段
51R・・・右側本体部(下部掘削手段)
51L・・・左側本体部(下部掘削手段)
52・・・・側面部(下部掘削手段)
53・・・・拡幅用ビット(下部掘削手段)
54・・・・底面部(下部掘削手段)
55・・・・掘削用ビット(下部掘削手段)
60・・・・上部掘削手段
61R・・・右側本体部(上部掘削手段)
61L・・・左側本体部(上部掘削手段)
62・・・・上面部(上部掘削手段)
63・・・・掘削用ビット(下部掘削手段)
Claims (4)
- ベースマシンと、
前記ベースマシンに昇降可能に支持されている回転手段と、を備え、
前記回転手段は、下端部に掘削手段が取り付けられた回転軸を有し、前記回転軸を回転させることにより掘削孔を掘削する掘削装置であって、
前記掘削手段は、
本体部と、
掘削孔を掘削するために、前記本体部の底面部に設けられた掘削用ビットと、
掘削孔を拡幅するために、前記本体部の側面部に設けられた拡幅用ビットと、
を備え、
前記本体部は、駆動手段によって、掘削孔の直径方向において前記底面部の拡張及び縮退の切り替えが自在となるように構成されていることを特徴とする掘削装置。 - 前記掘削手段の前記本体部は、前記回転軸を境に2分割された状態で前記回転軸の支持部に取り付けられており、
前記駆動手段は、基端部が前記回転軸に取り付けられており、先端部が分割された前記各本体部に取り付けられた2体のシリンダであり、
分割された前記各本体部の前記底面部を、前記各シリンダの伸長によって、前記支持部を中心として互いに離間する方向に回動させることにより、分割された前記各本体部の前記底面部が掘削孔の直径方向に拡張されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の掘削装置。 - 前記回転軸は、
本体部と、
掘削孔を掘削及び拡幅するために、前記本体部の前記上面部に設けられた掘削用ビットと、を備え、
前記本体部は、駆動手段によって、掘削孔の直径方向において前記上面部の拡張及び縮退の切り替えが自在となるように構成されている他の掘削手段を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の掘削装置。 - 前記他の掘削手段の前記本体部は、前記回転軸を境に2分割された状態で前記回転軸の支持部に取り付けられており、
前記駆動手段は、基端部が前記回転軸に取り付けられており、先端部が分割された前記各本体部に取り付けられたシリンダであり、
分割された前記各本体部の前記上面部を、前記シリンダの伸長によって、前記支持部を中心として互いに離間する方向に回動させることにより、分割された前記各本体部の前記上面部が掘削孔の直径方向に拡張されるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の掘削装置。
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Cited By (2)
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2002
- 2002-12-25 JP JP2002373971A patent/JP2004204518A/ja active Pending
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Effective date: 20070815 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |