JPH07229146A - 連続掘削機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 深い掘削が安全に実施でき地下連続壁の造成
スピードアップが可能な連続掘削機。 【構成】 多軸掘削ユニット３ａの３本の掘削軸４の上
端を多軸減速機１の出力軸２に接続し、多軸掘削ユニッ
ト３ａ，３ｂ，３ｃの各掘削軸４を取り外し可能に接続
して長い掘削軸４とし、多軸掘削ユニット３ｃの掘削軸
４の下端には掘削ヘッド５を取り付け、多軸掘削ユニッ
ト３ａの上部ブラケットに設けた駆動スプロケット９に
よって駆動し多軸掘削ユニット３ａ，３ｂ，３ｃに設け
たガイドスプロケット１０によって走路規制をし多軸掘
削ユニット３ａ，３ｂ，３ｃの一方の側面部を下降し他
方の側面部を上昇するよう循環駆動される２連のチェイ
ンに多数のカッター１１を取り付けた連続掘削機。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、基礎杭、地下連続壁等
を造成するための掘削を行う連続掘削機に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】建設基礎工事そして土木工事等では騒
音、振動などの公害防止対策が必要であり、更に既設建
物に近接しての工事、大型建物の建設、或は地下高速道
路の造成等、都市部での工事では種々の制約があるため
に、既成の大型杭や大型鋼板壁材の打ち込み、或は地中
を予め広く掘削して行う地中壁の造成等は不可能の事例
があり、アースドリル工法、アースオーガ工法等により
現場で掘削した孔に杭を埋め込む、或は現場で掘削しな
がらセメントミルク等を注入して基礎杭を造成する工法
が採用されつつある。更に現場で造成する上記基礎杭を
並べ連続一体化させて地下連続壁を形成する工法が開発
されつつある。

【０００３】上記最近の工法に適する多軸掘削機として
特開平５−２４７９２７号公報に開示された例を図３を
参照して説明する。

【０００４】図３は、同公報記載の多軸掘削機実施例の
要部正面図であり、多軸掘削機の基盤部２０に油圧また
は電動のモータ２１が搭載してあり、モータ２１の出力
を多軸減速機２２で減速し下方に接続された３本の回転
ロッド２３を駆動し、回転ロッド２３の下端部に装着し
た掘削ヘッド２４を回転させる構成となっている。

【０００５】なお、図示の２５は真ん中の回転ロッド２
３をカバーするように多軸減速機２２に取り付けられて
いるガイドケーシングである。２６はガイドケーシング
２５に固定され３本の回転ロッド２３が回転可能に貫通
している連軸板であり、２７は３本の回転ロッド２３が
回転可能に貫通している連軸板で、どちらも３本の回転
ロッド２３を所定の間隔、所定の方向に保持するための
ものである。

【０００６】そして、不図示のクレーン車が備えたビー
ムのガイド部に上記多軸掘削機の基盤部２０を係合させ
てビーム先端部からのワイヤーによって吊し、掘削ヘッ
ド２４を回転させ吊りワイヤーを繰り出し多軸掘削機を
下降させながら３本の回転ロッド２３によって掘削す
る。所定の深さまで掘削したら、吊りワイヤーによって
多軸掘削機を吊り上げ回転ロッド２３の下端部に装着し
た掘削ヘッド２４を地上まで上昇させ、クレーン車のビ
ームを旋回、またはクレーン車自体を移動させて次の位
置の掘削を行う多軸掘削機であり、回転ロッド２３を複
数備えたことにより単軸の掘削機に比べて効率よく地中
杭、地中壁の造成ができる効果を有している。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記例
では、地中深くまで掘削する例が増えた最近の工事で
は、クレーン車に備えたビームによって多軸掘削機の基
盤部２０を非常に高くまで引き上げる必要があり、ビー
ムの高さは２０メートルでも不足し、もっと高いビーム
が必要となる。しかも基盤部２０には油圧または電動の
モータ２１、多軸減速機２２等の大きな重量物があり、
また下方には長い３本の回転ロッド２３が接続されてお
り、クレーン車は非常に不安定になる危険性がある。種
々安全対策は計られているが、現実に転倒事故が発生し
た例もある。

【０００８】特に、地中連続壁を造成するためには、工
事中に多軸掘削機を何度も吊り上げ移動させなければな
らず、そのため一層危険性が高まるといった問題があっ
た。

【０００９】更に、上記工法では掘削が何度も中断する
ため、工事は長期間を必要とするといった問題があっ
た。

【００１０】本発明は、上記従来の問題点を解消するた
めに成されたもので、クレーン車のビーム高さを従来よ
り低くして安全に深い掘削が実施でき、そして地下連続
壁の造成のスピードアップが可能な連続掘削機を提供す
ることを目的とするものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】このため、この発明に係
る連続掘削機は、原動機出力を減速した複数の出力軸を
有する多軸減速機と、多軸減速機に接続して下方に延長
され回動駆動される複数の掘削軸を有する多軸掘削ユニ
ット結合体と、多軸掘削ユニット結合体の一方の側面部
を下降し他方の側面部を上昇するよう循環駆動されるチ
ェインと該チェインに取り付けられ外方に向かって突出
している複数のカッターを有する側方掘削チェインと、
を備えた連続掘削機であって、前記多軸掘削ユニット結
合体は、複数の掘削軸と軸接続機構部と側方掘削チェイ
ンの循環をガイドするチェインガイド機構部とを有する
多軸掘削ユニットが取り外し可能に複数接続され、上端
部には側方掘削チェインを駆動するスプロケットを備え
下端部の掘削軸には掘削ヘッドが取り付けてあり、前記
側方掘削チェインは、前記多軸掘削ユニットの取り外し
或は接続による多軸掘削ユニット結合体の長さ変更に対
応してチェインの短縮・延長を行う接続部を有すること
を特徴とする構成によって、前記の目的を達成しようと
するものである。

【００１２】

【作用】以上の構成により、多軸掘削ユニット結合体は
多軸掘削ユニットの取り外し或は追加接続によって必要
な掘削深さに対応した長さに形成・調整ができる。

【００１３】深い掘削を行うときは、安全なクレーン車
のビーム高さに適する長さになるように多軸掘削ユニッ
トの台数、または長さを選択し接続した多軸掘削ユニッ
ト結合体によって掘削し、多軸減速機部分が地表面の近
くまで下降したら、多軸減速機と多軸掘削ユニット結合
体との接合部分、および側方掘削チェインの接続部を分
離し、多軸減速機を上昇させて多軸掘削ユニットとチェ
インを追加接続して当初より長い多軸掘削ユニット結合
体を形成して再び掘削を開始することができる。もし必
要なら多軸掘削ユニットを何度も追加接続して掘削する
ことができ、安全面から限られた高さのクレーン車のビ
ームによって深い掘削が可能である。

【００１４】更に、側方掘削チェインの循環駆動によっ
て多軸掘削ユニット結合体の側面部分の掘削が可能であ
り、クレーン車のビームの移動、或はクレーン車自体を
移動させることによって多軸掘削ユニット結合体の側面
部分方向に連続掘削を行うことができる。

【００１５】

【実施例】以下、本発明に係る連続掘削機を実施例によ
り説明する。

【００１６】図１は、本発明の一実施例の構成を模式的
に示した正面図であり、図２は同側面図である。

【００１７】１は多軸減速機であり、内蔵した油圧また
は電動のモータの出力を減速し下方に向かった３本の出
力軸２を回動させる構成となっている。そして多軸減速
機１の裏面側等に被ガイドブロック１ａが形成してあ
り、不図示のクレーン車のビームに設けたガイド部に係
合させて搭載し、吊りワイヤー等によって上昇・下降で
きるよう構成されている。

【００１８】３ａ，３ｂ，３ｃは多軸掘削ユニットであ
って、何れも３本の掘削軸４を有しており、多軸掘削ユ
ニット３ａの掘削軸４の上端は多軸減速機１の出力軸２
に接続し、多軸掘削ユニット３ａ，３ｂ，３ｃの各掘削
軸４を接続して長い掘削軸４となっている。そして多軸
掘削ユニット３ｃの掘削軸４の下端には掘削ヘッド５が
取り付けてある。

【００１９】多軸掘削ユニット３ａ，３ｂ，３ｃの３本
の掘削軸４のうち両側の掘削軸４は同一回転方向に、そ
して真ん中の掘削軸４は両側の掘削軸４とは反対の回転
方向に駆動されるよう構成してある。そして、掘削軸４
の外周部には板状材をスクリュー状に形成し突出させた
螺旋刃６と、掘削軸４の中空部から送ったセメントミル
ク等を外部に吐出させるセメントミルク吐出口７を有し
ている。なお掘削ヘッド５を貫通する多軸掘削ユニット
３ｃの掘削軸４の先端部にも不図示のセメントミルク吐
出口が開口させてある。

【００２０】上記の多軸掘削ユニット３ａ，３ｂ，３ｃ
の接続一体化によって多軸掘削ユニット結合体が形成し
てある。なお多軸掘削ユニット結合体の形成は３台の多
軸掘削ユニットの接続に限ることなく、図示例では多軸
掘削ユニット３ｂを取り外して多軸掘削ユニット３ａと
多軸掘削ユニット３ｃを直接接続することも可能であ
り、また多軸掘削ユニット３ａと多軸掘削ユニット３ｃ
との間に多軸掘削ユニット３ｂだけでなく更に同様構成
の多軸掘削ユニットを何台も接続して一体化させ多軸掘
削ユニット結合体を形成することができる。

【００２１】８は側方掘削チェインであり、多軸掘削ユ
ニット３ａの上部ブラケットに設けた駆動スプロケット
９によって駆動され、各多軸掘削ユニット３ａ，３ｂ，
３ｃに設けたガイドスプロケット１０による走路規制に
よって、図示のように多軸掘削ユニット結合体の一方の
側面部を下降し他方の側面部を上昇するよう循環駆動さ
れる２連のチェインに多数のカッター１１が外方に向か
って突出させてある。

【００２２】そして、側方掘削チェイン８は、多軸掘削
ユニットの取り外し或は追加接続による多軸掘削ユニッ
ト結合体の長さ変更に対応してチェインの短縮・延長を
実施する必要があり、チェインの短縮・延長が行えるチ
ェイン軸を有している。そして接続用のチェインも準備
してある。

【００２３】なお、本実施例では側面図に示すように、
側方掘削チェイン８は、多軸掘削ユニット結合体の側面
部に２連を備えており、２連のチェインは互いに反対回
転方向に駆動され循環する構成となっている。

【００２４】以上の構成により、多軸掘削ユニット結合
体は多軸掘削ユニット３ａ，３ｂ，３ｃの取り外し或は
追加接続によって必要な長さに対応させて形成・調整す
ることができる。

【００２５】深い掘削を行うときは、安全なクレーン車
のビーム高さに適する長さになるように多軸掘削ユニッ
トの台数、または長さを選択し接続した多軸掘削ユニッ
ト結合体によって掘削し、多軸減速機１の部分が地表面
の近くまで下降したら、多軸減速機１と多軸掘削ユニッ
ト結合体との接合部分、および側方掘削チェイン８の接
続部を分離し、多軸減速機１を上昇させて多軸掘削ユニ
ットとチェインを追加接続して当初より長い多軸掘削ユ
ニット結合体を形成して再び掘削を開始することができ
る。もし必要なら多軸掘削ユニットを何度も追加接続し
て掘削することができ、充分に安全な高さのクレーン車
のビームによって深い掘削が可能であり、安全性が大い
に向上する。

【００２６】なお、実施例では、真ん中の掘削軸４の回
転方向を両側の掘削軸４の回転方向と反対に駆動して掘
削を行う構成であり、安定性が良い掘削ができる。

【００２７】更に、側方掘削チェイン８の循環駆動によ
って多軸掘削ユニット結合体の側面部分の掘削が可能で
あり、クレーン車のビームの移動、或はクレーン車自体
を移動させることによって多軸掘削ユニット結合体の側
面部分方向に連続掘削を行うことができ、地下連続壁造
成工事を大幅にスピードアップすることができる。

【００２８】なお、実施例では、側方掘削チェイン８
は、多軸掘削ユニット結合体の側面部に２連を備えてお
り、２連のチェインは異なる回転方向に循環する構成で
あり、安定性が良い掘削進行ができる。

【００２９】そして、実施例では、セメントミルク吐出
口７が設けてあるので、掘削軸４の中空部からセメント
ミルクを送り、掘削軸４から掘削中の地中に吐出させる
ことができ、掘削軸４に設けたネジ状の螺旋刃６および
側方掘削チェイン８によって掘削土との撹はんを実施で
き、良質の地下連続壁を容易に造成できる。

【００３０】本実施例では、掘削軸は３本、側方掘削チ
ェインは２本で構成してあるが、掘削軸は２本以上、側
方掘削チェインは１本以上で他の実施例を構成すること
ができる。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
多軸掘削ユニットの取り外し或は追加接続ができること
により、クレーン車のビーム高さは工事を充分に安全な
条件下で実施する高さに制限して掘削施工することがで
きる。

【００３２】深い掘削を行うときは、クレーン車の安全
なビーム高さに適する長さになるように多軸掘削ユニッ
トの個数、または長さを選択し接続した多軸掘削ユニッ
ト結合体によって掘削し、多軸減速機部分が地表面の近
くまで下降したら、多軸減速機と多軸掘削ユニット結合
体との接合部分、および側方掘削チェインの接続部を分
離し、多軸減速機を上昇させて多軸掘削ユニットとチェ
インを追加接続して当初より長い多軸掘削ユニット結合
体を形成して再び掘削を開始することができる。必要な
ら多軸掘削ユニットを何度も追加接続して掘削すること
ができ、安全面から限られた高さのクレーン車のビーム
によって深い掘削が可能である。

【００３３】更に、側方掘削チェインの循環駆動によっ
て多軸掘削ユニット結合体の側面部分の掘削が可能であ
り、クレーン車のビームの移動、或はクレーン車自体を
移動させることによって多軸掘削ユニット結合体の側面
部分方向に連続掘削を行うことができる。

【００３４】上記のように、深い掘削と、地下連続壁造
成のスピードアップと安全性の向上が達成できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 一実施例の正面図である。

【図２】 一実施例の側面図である。

【図３】 従来例の要部正面図である。

【符号の説明】

１ 多軸減速機 １ａ 被ガイドブロック ２ 出力軸 ３ａ，３ｂ，３ｃ 多軸掘削ユニット ４ 掘削軸 ５ 掘削ヘッド ６ 螺旋刃 ７ セメントミルク吐出口 ８ 側方掘削チェイン ９ 駆動スプロケット １０ ガイドスプロケット １１ カッター

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 原動機出力を減速した複数の出力軸を有
   する多軸減速機と、多軸減速機に接続して下方に延長さ
   れ回動駆動される複数の掘削軸を有する多軸掘削ユニッ
   ト結合体と、多軸掘削ユニット結合体の一方の側面部を
   下降し他方の側面部を上昇するよう循環駆動されるチェ
   インと該チェインに取り付けられ外方に向かって突出し
   ている複数のカッターを有する側方掘削チェインと、を
   備えた連続掘削機であって、 前記多軸掘削ユニット結合体は、複数の掘削軸と軸接続
   機構部と側方掘削チェインの循環をガイドするチェイン
   ガイド機構部とを有する多軸掘削ユニットが取り外し可
   能に複数接続され、上端部には側方掘削チェインを駆動
   するスプロケットを備え下端部の掘削軸には掘削ヘッド
   が取り付けてあり、 前記側方掘削チェインは、前記多軸掘削ユニットの取り
   外し或は接続による多軸掘削ユニット結合体の長さ変更
   に対応してチェインの短縮・延長を行う接続部を有する
   ことを特徴とする連続掘削機。
2. 【請求項２】 側方掘削チェインは、循環駆動される前
   記チェインを複数連備え、該複数連のチェインの中には
   他のチェインと反対循環方向のチェインがあることを特
   徴とする請求項１記載の連続掘削機。
3. 【請求項３】 多軸掘削ユニット結合体の複数の掘削軸
   には他の掘削軸と反対回転方向の掘削軸があり、掘削軸
   の外周部にはスクリュー状に突出させた螺旋刃と、掘削
   軸の中空部から送ったセメントミルクを外部に吐出させ
   るセメントミルク吐出口を有することを特徴とする請求
   項１または２に記載の連続掘削機。