JP5308895B2 - 杭孔壁防護方法 - Google Patents
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Description
本発明は、場所打ち杭の杭孔掘削作業と同時並行して、杭孔よりも小径で、掘削した部分の深さより短い、もしくは同等の長さの短い円筒管を複数繋ぎ合わせて孔壁に沿って落とし込み、孔壁と円筒管との隙間に充填材を充填して密着させる杭孔壁防護方法であって、地上の杭口元に配置した注入ノズルより充填材を注入し、充填材の自重で充填するようにしたことを特徴とする。
また、本発明は、前記充填材は作業現場から離れた箇所で練り上げられ、前記注入ノズルまで圧送されることを特徴とする。
また、本発明は、前記充填材はその粘性により前記円筒管の落とし込まれる動きに自重で追随し、円筒管と地山とを密着させることを特徴とする。
また、本発明は、円筒管と地山との隙間に充填材を充填させて地山への泥水の漏水を防止することを特徴とする。
また、本発明は、杭掘削泥水と充填材との水頭差により、充填材の充填速度を調整することを特徴とする。
また、本発明は、前記円筒管の先端部周囲に、充填材の逸出防止用シール材を取り付けたことを特徴とする。
また、本発明は、前記充填材に逸泥水防止剤を混ぜたことを特徴とする。
図1は場所打ち杭を施工する際の孔壁防護方法の例を説明する図で、図1(a)は側断面図、図1(b)は掘削機とライナープレートを説明する上面図である。
駅ホーム3の付近で杭孔を掘削する場合、仮囲い5を設置して掘削機地上装置10からロッド11の先端部に取り付けた掘削ビット12を回転駆動して地山1を掘削する。本実施形態では掘削と同時並行で、杭孔よりも小径のライナープレートなどの鋼製の円筒管14を孔壁15に沿って落とし込む。円筒管14は鋼製に限定されるものではなく、例えば、鉄筋コンクリート製、コンクリート製、樹脂製、木製等を用いてもよく、現場の状況に応じて適宜選択して用いればよい。円筒管14は掘削した部分の深さより短い、もしくは同等の長さの管をボルト等で複数段繋ぎ合わせ、支持用治具13によりワイヤーで吊り下げて順次落とし込んでいく。このとき円筒管14は杭孔よりも小径のため自重により容易に落とし込むことができる。なお、図では円筒管を繋ぎ合わせて杭底まで施工する例を示しているが、杭底の方の地盤が硬くてしっかりしている場合は、円筒管は地盤の軟らかい杭孔の途中までだけ施工するようにしてもよい。円筒管14を落とし込むのに合わせて円筒管14と孔壁15との間にセメントミルク、セメントミルクにエアーを混ぜたもの、粘土に固化材または固化剤を混ぜたもの等からなる粘性のある充填材(裏込め材)16を地上の杭の口元に配置した注入ノズル(図示せず)から注入し、地下水圧に抗して自重により充填していく。なお、充填材16は作業現場から離れた位置で練り上げ、杭の口元に配置した注入ノズルまで圧送し、自動で注入するか、半自動(充填の状況を監視しながら作業員がノズルを開けたり閉めたりする)で注入してもよく、このようにすることで狭隘な作業現場であっても対応することができる。掘削機の掘削ビット12は伸縮機構付になっていて、ビットを伸ばした状態で掘削することで円筒管14よりも大径で削孔し、作業終了時にはビットを縮小させて円投管と接触せずに引き上げられるようになっている。
複数段の円筒管14と孔壁15との間は充填材16により密着し、充填材は時間の経過とともに固化し、孔壁からの土圧は充填材を介して円筒管14で支持できるため、地層によらず孔壁防護が可能となる。また、充填材16は粘性があるため円筒管14の落とし込みの動きに自重で追随し、常に円筒管と孔壁を密着させて、地山からの地盤反力、せん断抵抗を作用させて円筒管と地盤を安定させることができる。また、杭孔内には所定水位の掘削泥水18があるが、充填材16の比重が大きいため、泥水位の管理を必要とせずに、杭の口元からの注入のみで充填することができる。また、充填材の充填速度は掘削泥水と充填材との水頭差で変化し、掘削泥水の水位を下げると充填速度は速くなり、掘削泥水の水位を上げると充填速度は遅くなるので、掘削泥水の水位により充填速度を調整することができる。また、充填材が低比重の場合は、掘削泥水の水位を下げることで充填させることができる。
1段目(先端)の円筒管12の底面周縁部に沿って、底面から孔壁に接するように延びて、先端部を上方へ折り曲げるようにして取り付けられた充填材の逸出防止用シール材20がボルトナット等により取り付けられる。シール材は、不織布、ブラシ、ゴム板、鋼板等、もしくはその組み合わせからなる。シール材の先端部は上方へ折り曲げられて孔壁に接するようにしているため、円筒管14の落とし込み時に孔壁に接した状態が維持され、比重の大きい充填材が下方へ逸出するのを防止する。また、掘削泥水の水位(泥水圧)を高くすることでも充填材が杭の下方へ逃げるのを防ぐことが可能である。また、充填材中に、パルプ、レーヨン、ロックウール、おがくず、線実絞りかす、クルミ殻などの目詰まりを起こす成分(逸泥水防止剤)を混ぜることで泥水が逸水して孔壁が崩れるのを防止することが可能である。
Claims (7)
- 場所打ち杭の杭孔掘削作業と同時並行して、杭孔よりも小径で、掘削した部分の深さより短い、もしくは同等の長さの短い円筒管を複数繋ぎ合わせて孔壁に沿って落とし込み、孔壁と円筒管との隙間に充填材を充填して密着させる杭孔壁防護方法であって、地上の杭口元に配置した注入ノズルより充填材を注入し、充填材の自重で充填するようにしたことを特徴とする杭孔壁防護方法。
- 前記充填材は作業現場から離れた箇所で練り上げられ、前記注入ノズルまで圧送されることを特徴とする請求項1記載の杭孔壁防護方法。
- 前記充填材はその粘性により前記円筒管の落とし込まれる動きに自重で追随し、円筒管と地山とを密着させることを特徴とする請求項1記載の杭孔壁防護方法。
- 円筒管と地山との隙間に充填材を充填させて地山への泥水の漏水を防止することを特徴とする請求項1記載の杭孔壁防護方法。
- 杭掘削泥水と充填材との水頭差により、充填材の充填速度を調整することを特徴とする請求項1記載の杭孔壁防護方法。
- 前記円筒管の先端部周囲に、充填材の逸出防止用シール材を取り付けたことを特徴とする請求項1記載の杭孔壁防護方法。
- 前記充填材に逸泥水防止剤を混ぜたことを特徴とする請求項1記載の杭孔壁防護方法。
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