JP4863120B2 - 基礎杭 - Google Patents

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Description

本発明は、建造物の基礎を支持する基礎杭に関する。
従来、既製杭と、内径が既製杭の外径より大きく、長さが既製杭の全長より短く、既製杭の頭部の周りに配置される中空の外管とから構成される異径組合せ杭が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の異径組合せ杭においては、既製杭と外管との間の空間に、例えば、既製杭の直径以上の長さもしくは外管の全長に渡って基礎に連続するコンクリートが充填される。また、コンクリートは、既製杭と外管との間の土砂や地下水、あるいは前記土砂を固化改良したソイルセメント等と置換される形で充填される。
また、既製杭と外管との間にコンクリートを充填せずに、既製杭と外管との間を中空状態とする例も提案されている。また、この場合に基礎と杭頭との間に積層ゴム支承等の絶縁装置が配置され、基礎からの水平力が伝達されないようになっている。
特開2001−107356号公報
ところで、特許文献1に記載されているように、既製杭を継ぎ足して完成する杭に大きな鉛直力を支持させる場合に、地震時に杭頭部に作用する慣性力である水平力が大きくなり、既製杭の杭頭部側で負担する曲げモーメントが大きくなる。そこで、杭頭部側の曲げモーメントに対する抵抗力の大きな構造とするために、杭頭部側の径を杭先端部側の径より大きくした拡頭杭が考えられるが、杭径が変化する上側の既製杭と下側の既製杭との継手部において鉛直力の伝達が十分に行われなくなり、また、継手部に鉛直力により曲げモーメントが発生するため継手部が構造上の弱点となりやすい。
そこで、特許文献1に記載された異径組合せ杭では、主として鉛直力を既製杭に、水平力を外管にそれぞれ負担させ、鉛直力と水平力の負担を既製杭と外管とで分担させることにより、杭頭部側に径の大きい既製杭を使用する必要をなくすようにしている。
しかし、既製杭と外管との間の空間に、例えば、既製杭の直径以上の長さにコンクリートを充填する場合、特に、外管の長さ全体に渡ってコンクリートを充填する場合には、既製杭と外管とを地盤中に埋設した状態に配置した後に、既製杭と外管との間に存在する元々その位置に有った土砂や、既製杭を埋設する際の掘削により崩された状態の土砂等を除去してからコンクリートを打設することになるが、既製杭と外管との間の円環状空間から土砂を排出することは困難であり、施工手間およびコストの増大を招いてしまう。
また、既製杭と外管との間の土砂を除去することで、処分しなければならない廃土量が増加してしまう。
また、既製杭と外管との間にコンクリートを充填するにあたって、既製杭と外管とを施工する際に、これらの間に土砂が入り込まないように施工した後に、これらの間にコンクリートを打設することも考えられるが、土砂が入り込まないようにするための工夫が必要となるとともに施工手間とコストが増大するものと思われる。
また、外管の全長もしくは長い距離に渡って外管と既製杭との狭い空間にコンクリートを打設するのも困難な作業である。
また、異径組合せ杭において、既製杭と外管との間を中空状態とし、既製杭と基礎の間に絶縁部材を配置する構成の場合には、既製杭と外管との間で力が伝達されず、外管は鉛直力に対して周面摩擦力しか反力を取ることができないので、外管はほぼ水平力だけを支持し、既製杭は外管に覆われる部分で周囲が空間でかつ基礎と絶縁されていることにより、水平力をほとんど分担せず、鉛直力の大部分を支持することになる。
この場合は、鉛直力と水平力とをそれぞれ外管と既製杭とで確実に分担して負担することになるとともに、上述の拡頭杭の問題を解消することができる。
しかし、上述の場合と同様に既製杭と外管との間に土砂が無い状態とするために、施工手間とコストが増大することになる。また、廃土量も増加する。
また、外管の内側が空間となることで、外管の径に対して肉厚を十分に取らないと(径厚比を十分に小さくしなと)、外管が局部座屈する可能性が高くなる。
また、既製杭が基礎と絶縁されていたり、既製杭と基礎とが十分に接合されていない状態だと、基礎と外管とが接合されていても、外管と既製杭とが接合されていないので、地震時や強風時に過大な引き抜き力が作用した場合に、既製杭だけ取り残された状態となる虞がある。
また、既製杭と外管との間にソイルセメントを充填した状態とした場合には、ソイルセメント化するための材料費がかかるとともに、土砂を一部排出する必要が生じ廃土量が増加する。また、ソイルセメントの品質は場所によって異なり、均等ではないため、既製杭と外管との間に中途半端で不均等な荷重伝達が生じてしまう。
また、杭頭部分において、既製杭と外管との間にコンクリートを打設する場合に、固化したソイルセメントを粉砕、排出しなければならないが、狭い間隙で外管や既製杭を損傷することなく、この作業を行うことは困難である。
そこで、ソイルセメントが固化する前にコンクリートの打設部分を除去することが考えられるが、杭打設直後に除去を行うことは現実的でない場合が多く、特に、地中に杭を打ち止める場合(ヤットコ打ちの場合)には実施困難である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、内管が垂直荷重を主に支持し、外管が水平荷重を主に支持する二重管構造を有し、容易な施工で低コストに構築可能な基礎杭を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、内管と、当該内管との間に間隔をあけて外側を囲むとともに、当該内管よりも地盤中の深さが浅い外管とを備える基礎杭であって、
前記内管と前記外管との間には、当該内管および外管の頭部となる位置に深さが前記内管外径の0.5倍以下となるようにコンクリートが充填されてなるコンクリート層が形成されるとともに、当該コンクリート層の下側に排出されることなく残された土砂からなる土砂層が形成され、
前記内管頭部と前記外管頭部とのそれぞれに建造物の基礎に接続される接続部材が設けられているとともに、
前記内管にかかる水平荷重は、前記外管がなかった場合に前記内管にかかる水平荷重のおよそ20%〜40%となっていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明においては、内管と外管がそれぞれ接続部材で基礎とつながれており、かつ内管と外管との間のコンクリートの充填深さが、内管の外径の0.5倍以下なので、内管、外管それぞれから曲げモーメントが基礎に伝達される。
すなわち、水平荷重(曲げモーメント)は、内管と外管とが両者の剛性の比に応じてそれぞれ負担することになる。このとき、内管より径が大きく、肉厚が内管より極めて薄くなければ剛性が内管より高くなる外管が主に負担することになる。
また、内管と外管との間が僅かなコンクリート層を除いて土砂であることから、内管と外管との間で垂直荷重が伝達されないので、外管は周面摩擦力しか反力を取ることができない構造となり、鉛直荷重のほとんどを内管が負担することになる。
このような構成とすることで内管の水平荷重の負担が少ないので、内管の上部を下部より極端に厚肉化したり、広い径にするような必要がなくなる。
また、内管も接続部材で基礎に繋がれているので、地震時や強風時に過大な引き抜き力が作用した際に内管が取り残された状態となることがない。
内管と外管との間のコンクリートの下側は、排出されることなく残された土砂からなる土砂層となっているので、施工時に内管と外管との間に入り込んだ状態の土砂を除去する必要がなく、施工を容易とするとともにコストの低減を図ることができる。なお、コンクリート層となるコンクリートを充填する場合に、コンクリート層が極めて浅いものであり、土砂を除去するとしても僅かなものである。
請求項2に記載の発明は、内管と、当該内管との間に間隔をあけて外側を囲むとともに、当該内管よりも地盤中の深さが浅い外管とを備える基礎杭であって、
前記内管と前記外管との間には、当該内管および外管の頭部となる位置に深さが前記内管外径の0.5倍以下となるようにコンクリートが充填されてなるコンクリート層が形成されるとともに、当該コンクリート層の下側に排出されることなく残された土砂からなる土砂層が形成され、
前記内管頭部の内部にコンクリートが充填されてなる内管コンクリート層が形成され、
前記外管頭部と前記内管コンクリート層とのそれぞれに建造物の基礎に接続される接続部材が設けられているとともに、
前記内管にかかる水平荷重は、前記外管がなかった場合に前記内管にかかる水平荷重のおよそ20%〜40%となっていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の発明に対して、接続部材が基礎と内管とを直接接続せずに、内管内に充填されたコンクリートと基礎とを接続するようになっていることが異なるが、その他の構成は同様であり、かつ、内管コンクリート層により間接的に内管と接続部材が接続されることから、請求項1に記載の発明とほぼ同様の効果を奏することができる。
以上説明したように、本発明の基礎杭によれば、外管に水平荷重を主に負担させ、内管に垂直荷重を主に負担させる二重管構造の基礎杭において、施工を容易にするとともにコストの低減を図ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1〜3は、本発明の第1の実施の形態に係る基礎杭を示す縦断面図である。
この基礎杭1は、建造物2のコンクリートからなる基礎3を支持するように地盤4中に設けられた杭であり、内管11と当該内管11との間に間隔をあけて外側を囲むとともに、当該内管よりも地盤中の深さが浅い外管12とを備えるものである。
内管11は、例えば、円筒状の鋼管杭であり、上端部が基礎3の下端部から地盤4中の支持地盤(硬質な地盤)5に達する深さまで設けられている。なお、内管11は、例えば、溶接や各種継手により複数の分割体を連接した構造となっていてもよい。
外管12は、円筒状の鋼管であり、内径が内管11の外径より大きく、後述のように内管11と略同軸上に配置した場合に、内管11の外周面と外管12の内周面との間に間隔があくようになっている。外管12の外径は、外管の必要剛性や施工性等から、好ましくは内管11の外径をDpとした場合に、1.2Dpから1.5Dp程度である。
また、外管12の長さは、内管11より短い。内管11の外径Dpに対して4Dp〜10Dp程度であれば十分であることが多い。なお、外管12の上端と、内管11の上端は、ほぼ同じ高さ位置、すなわち基礎3の下端部に配置されるので、外管12の下端が内管11の下端より高い(浅い)位置となる。また、内管11は、上述のように支持地盤5に達する長さとなるが、外管12は、支持地盤5に達することはなく、垂直荷重に対して支持地盤5から周面摩擦力しか反力を取ることはできない。
また、内管11および外管12の上端部は、内管11の外径Dpの半分程度もしくはそれより短い長さだけ、基礎3の下端部内に入り込んだ状態となっている。
また、外管12の肉厚は、内管11の肉厚と同程度か、それより小さいものでよく、施工時に座屈したり、曲げを受けたときに局部座屈を生じない厚さであればよい。
そして、内管11の内部には、その上端部(杭頭部分)にコンクリートが充填され、内管コンクリート層13が形成されている。また、内管コンクリート層13の内管11上端からの深さは、特に限定されないが、内管11の外径Dpと同等程度で十分であることが多い。
また、図3に示すように、内管11の内管コンクリート層13が形成される部分には、例えば、周方向に沿った突条(突起18)が形成されているものとしてもよい。これは、基礎3から連続する内管コンクリート層13と内管11との間での力の伝達を確実にするためのものである。なお、図4に示すように、内管11の頭部にフタ22を設ける等、内管11の頭部端面を閉塞する構造の基礎杭1´とすれば、内管コンクリート層13や突条18を省略することもできる。
また、内管コンクリート層13の下は、内管土砂層14となっている。
この内管土砂層14は、内管11の打設方法(埋設方法)にもよるが、その場に元々あった土砂、中掘り工法等による掘削土の一部、埋め戻された土砂、ソイルセメント化されたものなどである。
そして、前記内管11と前記外管12との間には、当該内管11および外管11の頭部となる位置に深さが前記内管外径の0.5倍以下となるようにコンクリートが充填されてコンクリート層16が形成されている。内管11と外管12とはいずれが先に地盤中に埋設された状態となっても良いが、内管11と外管12とはほぼ同軸(同心)上に配置される。
また、このコンクリート層16の下端(下面)は、基礎3の下面と同じ高さレベルになっている。すなわち、内管11と外管12との間には、内管11と外管12が基礎3の下端部内に入り込んだ長さだけコンクリートが充填された状態となっている。
この場合、基礎3を構築する際に、掘削された基礎部分の底部に内管11およびが外管12の上端部が露出した状態となるが、この露出部分の内管11と外管12との間にコンクリート層16が形成されることになる。
また、コンクリート層16の下側には、排出されることなく残された土砂からなる土砂層17が形成されている。
そして、前記内管11の頭部と前記外管12頭部とのそれぞれに、すなわち、これらの上端部のそれぞれに建造物2の基礎3に接続される接続部材19,20が設けられている。
この接続部材19,20は、例えば、鉄筋(定着筋)である。そして、内管11の上端部の外周面に周方向に間隔をあけて複数の接続部材19が溶接されている。また、接続部材19は、内管11の軸方向、すなわち、上下方向に沿って配置されている。同様に、外管12の上端部の外周面に周方向に間隔をあけて複数の接続部材20が溶接されている。また、接続部材20は、外管12の軸方向、すなわち、上下方向に沿って配置されている。
これら接続部材19,20は、内管11および外管12に、それぞれが分担する曲げモーメントを基礎3のコンクリートに伝達するのに必要な数量が設置される。
そして、このような内管11および外管12からなる二重管構造の基礎杭1は、例えば、以下のようなプレボーリング工法で施工することができる。
まず、外管12を所定位置に打設し、外管12をガイド管として杭孔を削孔するとともに、杭孔内にセメントミルクを攪拌してソイルセメント化する。
ただし、内管11と外管12との間はソイルセメントとする必要はなく、外管12の範囲内ではセメントミルクを噴出させず、掘削水を噴出させて攪拌する。すなわち、外管12の下端部より下側でセメントミルクを噴出させるようにする。
次に、セメントミルクと土砂が攪拌された状態の杭孔内に内管11を沈設する。
セメントミルクの硬化後、基礎3となる部分を掘削し、内管11と外管12の頭部を露出させる。続いて、内管11および外管12の上端部に接続部材19,20を溶接し、内管11内にコンクリートを打設して内管コンクリート層13を形成するとともに、内管11と外管12との間にコンクリートを打設してコンクリート層16を構築する。その後、基礎3を構築する。
このとき、内管コンクリート層13およびコンクリート層16を基礎3のコンクリートと一緒に構築するものとしてもよい。
以上のような工法の場合に、内管11と外管12との間のコンクリート層16の下側には、上述のように攪拌された掘削土が入り込んだ状態となり土砂層17が形成される。また、内管11の内管コンクリート層13の下側は、外管12の下端部となる深さ位置まで、上述の攪拌された掘削土が配置され、その下側がソイルセメントとなった内管土砂層14が形成される。
また、中掘り工法によって、基礎杭1を構築するものとしてもよい。
すなわち、まず、上述のプレボーリング工法の場合と同様に、外管12を所定位置に埋設する。
次に、内管11を中掘り施工する。すなわち、内管11内に配置されたアースオーガ等の掘削装置で、内管11の先端部で土砂を掘削するとともに、内管11を掘削された部分に挿入していく。
内管11が打設された後は、上述のプレボーリング工法と同様に接続部材19,29の溶接、コンクリート層16および内管コンクリート層13を構築するとともに基礎3を構築する。
この場合に、内管11と外管12との間のコンクリート層16の下側は、その場に存在した土砂としての原位置土が残置された状態の土砂層17が形成される。また、内管11内の内管コンクリート層13の下側には、中掘りした際の排出されなかった掘削土や埋め戻し土により内管土砂層14が形成される。
また、中掘り工法の場合に、先に内管11を中掘り工法により地盤中に打設した後に、
その外側に、内管11とほぼ同軸上となるように外管12を例えば回転貫入などにより所定深さまで埋設するものとしてもよい。
この場合も基本的には上述の中掘り工法と同様に土砂層17が形成される。
また、回転貫入工法により内管11を埋設するものとしてもよい。
この際には、内管11を、先端翼付きの回転貫入杭とし、これを回転貫入により埋設した後に、その外側に、外管12を回転貫入等により埋設する。この工法では、内管11の先端翼の翼径は、外管12の外径以上であってもよい。
この場合も、接続部材19,29の溶接、コンクリート層16および内管コンクリート層13を構築するとともに基礎3を構築する。また、上述の中掘り工法と同様に土砂層17が形成される。
以上のような、この基礎杭によれば、外管12は、内管11よりも径が大きいことから、肉厚が内管11より極めて薄くされていなければ、剛性が内管11よりも大きくなる。そのため水平荷重(曲げモーメント)の多くが耐力の大きな外管12で分担されることになる。
また、内管11、外管12との両方に基礎3に接続する接続部材19,20が設けられており、内管11も水平荷重の一部を分担する。このとき、内管11にかかる水平荷重は、外管12がなかった場合に内管11にかかる水平荷重のおよそ20%〜40%となるようにするのがよい。20%以下とするには、外管12の剛性を高くする必要があり、コスト、施工性で不利である。
しかし、内管11で負担する水平荷重は、外管12が無い場合よりも、確実に低いものであり、水平荷重を支持する内管11の上部を下部より極端に厚肉化したり径を大きくするなどの必要がなく、内管11の施工は容易なものとなる。
また、外管12は、先端が硬質の地盤(支持地盤)に達しないこと、外管12と内管11との間は未改良の掘削土や原位置土が残置されているのみで内管11からの荷重が伝達されないこと、などから外管12は周面摩擦力しか反力を取ることができないので、鉛直荷重をほとんど分担することができず、鉛直荷重については内管11が大部分を分担することになる。
また、外管12と内管11との間は、その上端部の基礎に入り込んだ部分を除き、上述の掘削土や原位置土からなる土砂層17となっており、土砂を撤去したりする作業を行わないので施工を容易にするとともに施工コストを低減することができる。
また、上述のように外管12、内管11との両方が基礎3と接続される接続部材19,20を有するので、基礎3と確実に接続され、例えば、地震時に内管11に引き抜き方向の力がかかった場合に、基礎3と内管11とが離れて、内管11が取り残された状態となるのを防止できる。
図5は、本発明の第2の実施形態の基礎杭6を示すものである。基本的に接続部材19に代えて接続部材21を用いた以外は、第1の実施形態の基礎杭1と同様の構成となっており、同様の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略する。
第2の実施形態では、前記内管11の頭部の内部にコンクリートが充填されて内管コンクリート層13が形成され、前記内管11に直接接続されていた接続部材19に代えて、内管コンクリート層13に、建造物2の基礎3に接続される接続部材21が設けられている。
また、内管コンクリート層13は、上述のように、内管11内にコンクリートが充填されることで形成される。その深さは、特に限定されないが、内管11の外径Dpと同等程度で十分であることが多い。
なお、この場合に、内管11と接続部材21とが直接的に接続されず、内管コンクリート層13を介して内管11と接続部材21とが接続されるので、上述のように引く抜き応力が発生した場合に、内管11が取り残されないように、内管11の内周面に突起18を設けることで、内管11と内管コンクリート層13とが定着した状態となるようにすることが好ましい。
このような、第2の実施形態の基礎杭6においても、第1の実施形態の基礎杭1と同様の作用効果を得ることができる。
また、第2の実施形態の基礎杭6において、さらに第1の実施形態のように内管11の頭部にも接続部材19を設けてもよい。
本発明の第1の実施の形態に係る構造物の基礎に設けられた基礎杭の概略を示す図である。 前記基礎杭を示す縦断面図である。 前記基礎杭を示す要部縦断面図である。 第1の実施の形態の変形例に係る基礎杭を示す要部縦断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る基礎杭を示す要部縦断面図である。
符号の説明
1 基礎杭
1´ 基礎杭
2 建造物
3 基礎
4 地盤
5 支持地盤
6 基礎杭
11 内管
12 外管
13 内管コンクリート層
16 コンクリート層
17 土砂層
19 接続部材
20 接続部材
21 接続部材
22 フタ

Claims (2)

  1. 内管と、当該内管との間に間隔をあけて外側を囲むとともに、当該内管よりも地盤中の深さが浅い外管とを備える基礎杭であって、
    前記内管と前記外管との間には、当該内管および外管の頭部となる位置に深さが前記内管外径の0.5倍以下となるようにコンクリートが充填されてなるコンクリート層が形成されるとともに、当該コンクリート層の下側に排出されることなく残された土砂からなる土砂層が形成され、
    前記内管頭部と前記外管頭部とのそれぞれに建造物の基礎に接続される接続部材が設けられているとともに、
    前記内管にかかる水平荷重は、前記外管がなかった場合に前記内管にかかる水平荷重のおよそ20%〜40%となっていることを特徴とする基礎杭。
  2. 内管と、当該内管との間に間隔をあけて外側を囲むとともに、当該内管よりも地盤中の深さが浅い外管とを備える基礎杭であって、
    前記内管と前記外管との間には、当該内管および外管の頭部となる位置に深さが前記内管外径の0.5倍以下となるようにコンクリートが充填されてなるコンクリート層が形成されるとともに、当該コンクリート層の下側に排出されることなく残された土砂からなる土砂層が形成され、
    前記内管頭部の内部にコンクリートが充填されてなる内管コンクリート層が形成され、
    前記外管頭部と前記内管コンクリート層とのそれぞれに建造物の基礎に接続される接続部材が設けられているとともに、
    前記内管にかかる水平荷重は、前記外管がなかった場合に前記内管にかかる水平荷重のおよそ20%〜40%となっていることを特徴とする基礎杭。
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