JP4882492B2 - 鋼管杭構造およびその施工方法 - Google Patents

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本発明は、土木および建築分野の基礎杭の構造、特に地震などにより大きな水平力を受ける杭としてコンクリートを充填した鋼管杭の構造およびその施工方法に関するものである。
鋼管杭には鉛直方向の荷重(軸方向力)と地震や風などによる水平方向の荷重が作用し、この水平方向の荷重により曲げモーメントが生じる。鋼管杭の設計では、軸方向力と曲げモーメントに耐え得るように鋼管の径、板厚を設定する。
近年、杭先端部に鋼板により翼(羽根)を設けたり、ソイルセメント固化体により根固め球根を築造したりするなど、杭径に対する軸方向力が増大している。それに伴い設計上必要な鋼管の板厚も増え、特に杭に生じるモーメントが大きくなることが多い上杭について顕著である。
一般的に鋼管杭は熱延コイルにより製造されるスパイラル鋼管を用いるが、スパイラル鋼管は製造上の制約から板厚25MM程度以下までしか製造できず、それを超える板厚においては厚板鋼板により製造される板巻鋼管、UOE鋼管等を使用しなければならず、製造コストが増加してしまう問題があった。
このような状況に対応する発明として、特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載された発明などがある。
特開2001-214440号公報 特開2002-302941号公報 特開2002-180460号公報
特許文献1記載の発明は上杭部分の鋼管径を中、下杭より1.15〜1.6倍大きくすることにより、板厚を低減するものである。しかしながら、異なる鋼管径のものを接合しなければならないことから、接合部の構造が煩雑になり製造コストが高くなることと、施工時における地盤からの貫入抵抗が増加することにより施工性が低下するという問題がある。
特許文献2、特許文献3記載の発明は鋼管杭に生じる曲げモーメントが大きくなる部分にコンクリートを充填するものである。しかしながら、鋼管コンクリート構造が曲げを受けた場合に、複合部材の合成効果を発揮するためには鋼管とコンクリートが一体として挙動する必要があり、鋼管中空部にコンクリートを充填するだけでは、一体として挙動するための荷重伝達が保証されないという問題がある。
本発明は、鋼管杭に大きな軸方向力と曲げモーメントが作用する場合においても、上杭部分の鋼管径を大きくする必要がなく、板厚も厚くする必要がなく、スパイラル鋼管の製造範囲に収めることのできる合理的、かつ構造的に安定な鋼管杭構造、および該鋼管杭構造の施工効率を向上させる施工方法を提供するものである。
本願の請求項1に係る発明は、鋼管杭の長さ方向の一部にコンクリートを充填してなる鋼管杭構造であって、前記コンクリートを充填する区間を、杭頭部から該鋼管杭を構成する鋼管の外径Dの3倍以上、5倍以下とし、前記コンクリートを充填する区間の下端位置近傍にのみ該鋼管杭を構成する鋼管の内面に前記コンクリートが分担した軸方向力を該鋼管に伝達するための肉盛突起が設けられていることを特徴とするものである。
すなわち、鋼管杭が地震などによる水平力を受けた場合、該杭体には曲げモーメントが発生するが、本発明はその鋼管杭の中空部に、杭頭部から発生曲げモーメントが小さく収斂する部位までコンクリートを充填し、コンクリートが分担した軸方向力をそのコンクリート充填範囲の下端部周辺の突起により鋼管に伝達するようにしたものである。
鋼管杭に生じる曲げモーメントは杭先端側(下杭)に比べて、杭頭側(上杭)の方が大きいことから、上杭の板厚が最も厚くなることが多い。従って、杭頭部から曲げモーメントが小さく収斂する部分までコンクリートを充填することにより、鋼管とコンクリートの合成効果が得られ、鋼管の板厚の増加を抑制するなどの合理化が可能となる。
なお、本発明におけるコンクリートは、モルタルやセメントミルクなどを含む広い概念でのコンクリートを意味し、鋼管杭の中空部に充填して硬化させることにより、鋼管杭を補強できるものであれば特に限定されない。また、鉄筋等により補強した鉄筋コンクリートも含まれる。
ただし、上記の合成効果を得るには、鋼管とコンクリートの両者が一体として挙動することが前提であることから、コンクリート充填区間において、コンクリートの負担している軸方向力を実質的に全て鋼管へ伝達させる必要がある。そこで本発明では、コンクリート充填区間下端周辺に荷重伝達要素である突起を設けている。なお、突起は鋼管に一体成形したもの、スタッドジベル、その他のシアコネクター等、その形態、形状、材質等は特に限定されない。
また、本発明では突起の位置をコンクリート充填区間の下端位置近傍としている。コンクリート充填区間の下端位置で杭断面が急変することになるが、この急変位置を曲げモーメントが小さく収斂する部分におくことで、断面変化の影響を抑えつつ、この部分に突起を設けることで遷移域としてコンクリートから鋼管へスムーズに荷重を伝達することができる。
また、コンクリート充填区間全長に渡り離散的に突起を設けようとした場合、鋼管端部から奥に入るほど突起の設置が難く、製造効率が低下するが、本発明では限定した部分に突起を設けることで製造の効率化が図れる。
請求項2は、請求項1に係る鋼管杭構造において、前記コンクリートを充填する区間の鋼管の板厚を、該区間直下の鋼管の板厚以上としたものである。
コンクリート充填範囲の下端位置周辺の突起からコンクリートが負担した軸方向力を鋼管へ伝達させることから、該範囲最下端における鋼管は、全ての軸方向力を分担することになる。従って、該区間の板厚は該区間直下の板厚と同等、もしくはそれ以上とすることが好ましい。
一般的に杭頭部におけるフーチングとの接合は剛結であるが、その場合、鋼管杭に生じる曲げモーメントは杭頭部で最も大きく、深度が深くなるに伴い収斂していく。コンクリート充填区間を短くし過ぎると、大きな曲げモーメントが発生している深度で、急激に断面を変化させることになり、構造的な安定性を欠くことになる。曲げモーメント分布に影響を与える因子としては、地盤、鋼管径、板厚などがある。
従来から慣習的に杭頭から5D程度の深度で曲げモーメントは収斂するとされてきたが、発明者らの検討結果から杭頭から地盤内へ3〜5Dの深度範囲で、曲げモーメントがほぼ収斂することが分かった。
図1に結果の一例を示す。図は鋼管径1000mm、板厚25mmとし、水平地盤反力係数kh=4430kN/m2、8850kN/m2、17710kN/m2の場合における、杭頭発生モーメントMoと各深度における発生モーメントMの比の深度分布(杭径Dで無次元化表記)を示したものである。
発生モーメントは鋼管杭を地盤反力係数が一定の場合の弾性支承梁として算出した。地盤反力係数は、地盤の変形係数Eo=700N(kN/m2)〔NはN値〕と考えた場合におけるN=2.5、5、10相当の値である。
図より杭頭から3〜5Dの範囲で、曲げモーメントが小さく収斂することが分かり、また他の条件においても同様の傾向がうかがえた。これは、鋼管杭では場所打ち杭やコンクリート既製杭に比べて、同耐力時における曲げ剛性が低いことから、浅い深度で曲げモーメントが収斂するためと考えられる。従って杭頭から3〜5Dの範囲にコンクリートを充填すれば構造的な安定性を確保することができる。
請求項は、請求項1または2に係る鋼管杭構造において、前記コンクリートを充填する区間の最下端位置にコンクリートを堰き止める蓋を設けてある場合である。
コンクリートの充填区間を長くすると、必要なコンクリート体積が増加し、かつ施工性が悪化するため不経済となる。本発明の機能は必要な部分に限定してコンクリートを充填することで得られ、この蓋は構造的な機能を有する必要はないため、打設するコンクリートの自重に耐えることができれば良い。
鋼管内にロッドを入れて施工する中掘り杭の場合などは、鋼管杭埋設後に蓋を落とし込むが、先端翼付き杭(回転杭)、打撃杭など、施工に鋼管中空部を使用しない杭では、施工前に所定位置へ取り付けておくこともできる。
請求項に係る発明は、請求項1、2または3に係る鋼管杭構造の施工方法であり、前記鋼管杭を構成する鋼管を地盤中に建て込む際、該鋼管にあらかじめ前記突起の周辺部と土砂の接触を防ぐための保護具を取り付けて建て込みを行い、前記鋼管内の土砂を除去した後、前記保護具を撤去し、コンクリートの充填を行うことを特徴とするものである。
先端翼付き杭(回転杭)で杭先端に開口部を有する場合や、中掘り杭のように鋼管内にロッドを入れて地盤を掘削することにより鋼管を沈設する場合、施工時に鋼管内のコンクリートを充填する区間へ土砂や泥水が入ることが想定される。
鋼管内面の突起に付着物があるとコンクリートから鋼管への荷重伝達に支障が生じることが懸念されることから、土砂や泥水の除去後、コンクリートを打設する前に、突起周辺部に付着物がないように清掃をしなければならない。
請求項に係る発明によれば、突起周辺部の清掃作業工程が不要になるか、もしくは簡略化することができる。
本発明の鋼管杭構造によれば、杭頭部から曲げモーメントが小さく収斂する部分までコンクリートを充填することにより、鋼管とコンクリートの合成効果が得られ、鋼管の板厚の増加を抑制するなどの合理化が可能となる。
また、本発明では突起の位置を杭断面が急変するコンクリート充填区間の下端位置を曲げモーメントが小さく収斂する部分におくことで、断面変化の影響を抑えつつ、この部分に突起を設けることで遷移域としてコンクリートから鋼管へスムーズに荷重を伝達することができる。
本発明の鋼管杭構造の施工方法によれば、施工時に鋼管内のコンクリートを充填する区間へ土砂や泥水が入ることが想定される場合において、突起周辺部の清掃作業工程が不要になるか、もしくは簡略化することができる。
図2は鋼管杭に生じる曲げモーメントMの深度方向分布と本発明の実施形態を示している(上部のみ)。鋼管杭に地震などにより水平力Qが作用すると、図2(a)に示すように杭頭付近で大きな曲げモーメントが作用し、深くなるに伴い収斂していく。
図2(b),(c),(d)はそれぞれ本発明の実施形態を示したものであるが、これらの例では杭頭から深度L=5Dの位置まで、コンクリート2を充填している。曲げモーメントは3〜5Dの範囲で収斂しているが、鋼管1内面に突起3を設置するにあたり、製造時における鋼管1下端(図における現場周溶接位置)から奥に入るほど製造効率が低下することから、鋼管1どうしを溶接する現場周溶接4位置に近い位置に突起3を設けるため、コンクリート充填長を5Dと設定している。
なお、ここでは突起3位置を現場周溶接4位置から決めているが、工場周溶接位置から決めることも考えられる。
突起3の条数は、コンクリート2が分担する軸方向力を鋼管1に伝達し得る数だけ設置すればよく、例えば、
P:軸方向力、
Ps:コンクリート充填区間の鋼管に生じる軸方向力、
Pc:コンクリートに生じる軸方向力、
Pb:突起による伝達可能荷重、
As:鋼管の断面積、
Ac:コンクリートの断面積、
Es:鋼管の弾性係数、
Ec:コンクリートの弾性係数、
εs:鋼管の発生ひずみ、
εc:コンクリートの発生ひずみ、
n:突起条数、
Ab:突起1条当たりの投影面積、
σc:コンクリートの圧縮強度、
α:係数、
と表わし、以下のように設定できる。
図3に杭体への荷重伝達機構の模式図を示す。図に示すように、上部構造物等から鋼管杭に生じる軸方向力PはPsとPcに分担され、その値は次式で表される。
P=Ps+Pc=Es・εs・As+Ec・εc・Ac … (1)
鋼管1とコンクリート2は、上部はフーチング5により、下部は鋼管内面突起3により一体化されるので、両者は等ひずみ(εs=εc)となることから、(1)式よりPcは次式で示される。
Pc=P×Ec・Ac/(Es・As+Ec・Ac) … (2)
一方、突起3によるコンクリート2から鋼管1への伝達可能な荷重Pbは次式で表すことができる。なお、次式の適用に当たっては、既往の試験等から突起の高さhとピッチPの比をP/h≧10〜15以上とする必要がある。
Pb=α・n・Ab・σc … (3)
ここでの係数αは、鋼管1によってコンクリート2が拘束されることにより、見かけ上、支圧面積(n×Ab)が広がることを考慮した係数であり、構造試験等により求めることができる。
従って、Pcを鋼管1内面の突起3により全て鋼管1へ伝達させるためには(2)、(3)式より下式を満たす条数nを設置すればよい。
Pb≧Pcから
n≧P×Ec・Ac/〔(Es・As+Ec・Ac)・α・Ab・σc 〕 … (4)
図2の例では、コンクリート2を充填している区間の鋼管1の板厚とその直下の板厚は同一である。図3に示すように、突起3によりPcを鋼管1へ伝達させることから、コンクリート2充填下端のA−A’断面において鋼管1にはP(=Ps+Pc)が作用している。
従ってA−A’断面の直上の板厚は、該断面直下の板厚と同一かそれ以上の板厚が必要となる。
図2(b)は鋼管1杭埋設後、コンクリート2を堰き止めるため所定位置へ蓋6を設置したものである。施工前にコンクリート2充填区間の下側(先端側)に蓋止め金具7を取り付けておき、施工後に蓋6を鋼管1内に落とし込む。
中掘り杭のように鋼管1内にロッドを入れて施工する杭の場合には、施工の障害にならないように、後から蓋6を落とし込むが、施工の障害にならない場合には、予め蓋6を取り付けておくこともできる。
また、図2(c)のように施工により鋼管1内に土砂8が入る、または根切り等による残土を鋼管1内に廃棄することにより、所定位置まで鋼管1内を閉塞することができる場合、蓋を落とし込まなくてもよい。
図2(d)は図2(b)のコンクリート2充填部を鉄筋コンクリートにしたものである。必要耐力に応じて、コンクリート2充填部に鉄筋9を入れることもある。
図4は肉盛突起の製造方法について示している。鋼管内面に突起を設置するには、該当部分に内面リブ付き鋼管を用いることや、平鋼や丸鋼を溶接することが考えられる。前者は突起の高さが低いため、コンクリートが分担した軸方向力を鋼管に伝達するには、長い範囲に適用する必要があること、また平鋼管に比べてコストが高いことからあまり合理的ではない。
また、平鋼や丸鋼により突起を設置するには、まず鋼材の曲げ加工を行い、それを鋼管内に仮付けし、その後溶接により取り付けるという工程が必要となる。それに比べて図に示す肉盛突起は1工程で完結することができ合理的である。
溶接装置11からブーム12を張り出し、その先に溶接トーチ13を取り付け、溶接トーチ13は固定し、鋼管1を回転させることにより環状の肉盛突起が製造できる。
その際に、図5に示すように溶接トーチ13を挟んで1対の当て板15を配置して、肉盛突起を成型しながら製造すれば、突起が高く形成され、突起1条あたりの荷重伝達性能が向上し、突起条数を少なくすることができる。
ただし、突起が高すぎると突起下側(先端側)へのコンクリート充填が不完全になる恐れがあることから、高さは5〜15mm程度が推奨される。
図6は本発明の鋼管杭構造の施工手順の一例として、先端翼付き杭(回転杭)の場合を示したものである。図6(a)は下杭1aの施工状況を示したものあり、鋼管杭を回転させることにより生じる先端翼21の推進力で地盤へ貫入していく。ここでは図示していないが、鋼管杭への回転力は全周回転機や3点式杭打ち機を用いて付与する。
図6(b)は上杭1bまで施工が終了した状況である(途中部分は省略)。上杭の途中に荷重伝達用の突起3と、それより出幅が大きい蓋止め金具7が設けられている。
コンクリート2の充填範囲は曲げモーメントの分布、鋼管1の周溶接4位置、特に溶接肉盛突起の場合では、周溶接4位置と溶接トーチを付けたブームが届く製造可能位置を考慮した上で、可能な限り短くするのが合理的である。
図6(c)はコンクリート2を堰き止めるための蓋6を設置し、コンクリート2を打設している状況である。コンクリート2をポンプ車からトレミー管を介して鋼管1内に充填する。図6(d)が完成図である。
図7は本発明の鋼管杭構造の施工手順の他の例として、中掘り杭の場合を示したものである。図7(a)は下杭1aの施工状況を示したものであり、鋼管内にロッド31を入れて地盤を掘削することにより鋼管を沈設していく。ロッド31は3点式杭打ち機により回転させ、地盤条件等により鋼管を回転させる場合とさせない場合がある。
図7(b)は上杭1bまで施工が終了した状況であり、杭先端部にはソイルセメント固化体により根固め球根32が築造される。施工により鋼管1内のコンクリートを充填する区間に、土砂や泥水が入っている場合も想定される。
その場合、図7(c)に示すように土砂や水を水中ポンプやクラムシェルなどにより撤去し(図示せず)、突起周辺部を高圧水やブラシ33などで清掃する必要がある。これは突起周辺部が土砂により汚れていると、コンクリート2から鋼管1への荷重伝達が不完全になることが懸念されるためである。その後の作業は図6(c)、図6(d)と同様である。
図8は請求項5に係る施工方法の実施形態を示したものである。前述の図7(c)では鋼管を沈設する際、鋼管内に土砂、泥水が入ってくる場合に、突起3周辺部を清掃することとしたが、突起3周辺部の清掃作業を実施しなくてもよくする、もしくは簡易なもので済ませるために、鋼管1沈設前に予め図8(a)に示すような保護具41を突起3周辺部へ施し、土砂8除去後にそれを取り外す。
図8(a)の保護具41としては、薄い鋼板、もしくは遮水性のあるシートなどが利用でき、突起3部を覆うように鋼管1内面に取り付ける。土砂8の除去後、コンクリートの打設前に、保護具41は連結されているワイヤ42をクレーン等により引き上げて回収する。
図8(b)は保護具43の別の例を示したものであるが、機能としては図8(a)と同じである。図に示すように予め鋼管1内に保護具43である鋼管杭より一回り径の小さなケーシングを入れておき、土砂8除去後に回収するものである。
鋼管内に土砂、水が入り込む施工をする杭においては、図8に示す方法により施工の効率化を図ることができる。
杭頭発生モーメントMoと各深度における発生モーメントMの比の深度分布(杭径Dで無次元化表記)を示したグラフである。 (a)は鋼管杭に生じる曲げモーメントMの深度方向分布の図であり、(b),(c),(d)はそれぞれ本発明の実施形態を(a)の図に対応させて示した鉛直断面図である。 本発明における杭体への荷重伝達機構を示す模式図である。 溶接肉盛による突起の製造方法を概略的に示した断面図である。 図4の突起の製造方法において、肉盛突起を高く成型する方法を概略的に示した斜視図である。 本発明の鋼管杭構造の施工手順の一例として、先端翼付き杭(回転杭)の場合を示した鉛直断面図である。 本発明の鋼管杭構造の施工手順の他の例として、中掘り杭の場合を示した鉛直断面図である。 (a),(b)はそれぞれ請求項5に係る施工方法の実施形態を示す鉛直断面図である。
符号の説明
1…鋼管、2…コンクリート、3…突起、4…溶接、5…フーチング、6…蓋、7…蓋止め金具、8…土砂、9…鉄筋、
11…溶接装置、12…ブーム、13…溶接トーチ、14…溶接ワイヤ、15…当て板、
21…先端翼、31…ロッド、32…根固め球根、33…ブラシ、34…トレミー管、
41…保護具、42…ワイヤ、43…保護具。

Claims (4)

  1. 鋼管杭の長さ方向の一部にコンクリートを充填してなる鋼管杭構造であって、前記コンクリートを充填する区間を、杭頭部から該鋼管杭を構成する鋼管の外径Dの3倍以上、5倍以下とし、前記コンクリートを充填する区間の下端位置近傍にのみ該鋼管杭を構成する鋼管の内面に前記コンクリートが分担した軸方向力を該鋼管に伝達するための肉盛突起が設けられていることを特徴とする鋼管杭構造。
  2. 前記コンクリートを充填する区間の鋼管の板厚を、該区間直下の鋼管の板厚以上とすることを特徴とする請求項1記載の鋼管杭構造。
  3. 前記コンクリートを充填する区間の最下端位置にコンクリートを堰き止める蓋を設けてあることを特徴とする請求項1または2記載のコンクリート充填鋼管杭構造。
  4. 前記鋼管杭を構成する鋼管を地盤中に建て込む際、該鋼管にあらかじめ前記突起の周辺部と土砂の接触を防ぐための保護具を取り付けて建て込みを行い、前記鋼管内の土砂を除去した後、前記保護具を撤去し、コンクリートの充填を行うことを特徴とする請求項1、2または3記載の鋼管杭構造の施工方法。
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