JP2003119775A - 基礎杭構造 - Google Patents

基礎杭構造

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JP2003119775A
JP2003119775A JP2001318183A JP2001318183A JP2003119775A JP 2003119775 A JP2003119775 A JP 2003119775A JP 2001318183 A JP2001318183 A JP 2001318183A JP 2001318183 A JP2001318183 A JP 2001318183A JP 2003119775 A JP2003119775 A JP 2003119775A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】杭穴に中間拡径部を形成し、ソイルセメントを
充填して既製杭と一体として、中間支持力を増強し、基
礎杭構造全体での耐力を増強する。 【解決手段】掘削ロッド1で、杭穴壁に練付けながらD
の杭穴軸部18を形成し(a)、逆転して中間支持層
28にDの中間拡径部20を形成する(b)。掘削ロ
ッド1を正転に戻し、杭穴軸部18を形成し(c)、再
度逆転して支持層27内にD、Lの拡底部23を形
成する(d)。杭穴17内に、ソイルセメント層を形成
しながら掘削ロッド1を引き上げる(e)。地上付近ま
でソイルセメント層を形成した後、下杭(節杭)14及
び上杭(円筒)15を連結してなる既製杭13を下降す
る(f)。拡底部23の底24から約50cm上方に下
杭14の底16を位置させて既製杭1の埋設が完了し、
セメントミルクが固化発現後に、基礎杭構造30を構成
する(g))。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、根固め部をスト
レート状とし、あるいは拡底部とした杭穴内に、セメン
トミルクなどの硬化性材料を充填して、既製杭を埋設す
る基礎杭構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、既製杭を埋設する方法として、杭
穴軸部の底に拡底部を形成し、該拡底部内に根固液とし
てのセメントミルクを、杭穴軸部内に杭周固定液として
のセメントミルクを充填し、その後既製杭を埋設し、該
既製杭の先端部が拡底部内に位置するように設置するプ
レボーリング拡大根固め工法が用いられている。
【0003】また、ストレート状の杭穴の下端に根固液
としてのセメントミルクを、その上部に杭周固定液とし
てのセメントミルクを充填し、その後既製杭を埋設し、
該既製杭の先端部が根固部内に位置するように設置する
プレボーリング根固め工法も知られている。
【0004】前者の工法は、支持層となり得る層に拡底
部を形成し、該拡底部内に根固液を充填し、既製杭の先
端を拡底部内に位置させることによって、上部構造物等
による荷重応力を拡底部に伝達させ、高支持力を得られ
るものである。
【0005】後者の工法も同様に、支持層となり得る層
までストレート状に掘削して杭穴を形成し、該杭穴の下
端部に根固液を充填し、既製杭の先端を根固部内に位置
させることによって、上部構造物による荷重応力を根固
部に伝達させ、支持力を得るものである。
【0006】前記支持層となり得るためには、所定の地
盤強度(例えばN値50以上)を持ち、杭の先端から一
定の長さ根入れでき、かつ杭先端の下方にも数メートル
十分な地盤強度を有するような層厚がなければならな
い。
【0007】そのため、例えば地盤強度は基準値を超え
ていても、層厚が薄いため、支持層として採用できない
地層があった場合は、通常の杭穴掘削として掘削され、
杭周面摩擦力として寄与するものの、比較的大きな支持
力化や耐引抜力化としては不充分であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記のような、地盤強
度は基準値を超えていても層厚が薄い場合や、支持層と
なり得る地盤強度が不足しているが、層厚は所定の厚さ
がある場合には、これらの層を有効に活用できなっかっ
た。
【0009】本発明では、支持層とはなり得ない層の杭
穴軸部を拡大掘削して中間拡径部を形成し、該中間拡径
部にもセメントミルク等の硬化性材料を充填することに
よって、根固め部(支持層への根入れ部)における先端
支持力、また杭全長の杭周面摩擦力に加えて中間拡径部
における中間支持力を得られるものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】然るにこの発明では、杭
穴に中間拡径部を形成して、硬化性材料を充填して基礎
杭を埋設したので、前記問題点を解決した。
【0011】(1) 即ちこの発明は、根固め部を有する杭
穴内にセメントミルク等の硬化性材料を充填し、該杭穴
内に、既製杭を設置した基礎杭構造において、前記根固
め部の上方に、1又は複数の中間拡径部を形成し、該中
間拡径部内にもセメントミルク等の硬化性材料を充填
し、前記既製杭を設置したことを特徴とする基礎杭構造
である。
【0012】また、前記において、外周に突起を形成し
た既製杭を使用し、中間拡径部に前記突起が位置するよ
うに前記既製杭を埋設したことを特徴とする基礎杭構造
である。また、中間拡径部の高さ範囲は、突起付き既製
杭の1又は複数の突起を包含するような高さ範囲で、形
成したことを特徴とする基礎杭構造である。
【0013】また、前記において、突起付きの既製杭を
単独で、あるいは突起付きの既製杭と円筒状の既製杭と
を組合わせて用いたことを特徴とする基礎杭構造であ
る。また、突起付き既製杭の突起部を、杭穴の中間拡径
部の直上又は直下の該中間拡径部の範囲外に位置させた
ことを特徴とする基礎杭構造である。
【0014】また、前記において、杭穴の根固め部を拡
大掘削して拡底部とし、該拡底部以外の杭穴の部分を杭
穴軸部とし、該杭穴軸部に充填されれる硬化性材料の固
化強度を、拡底部に充填される硬化性材料の固化強度よ
りも小さくしたことを特徴とする基礎杭構造である。ま
た、根固め部の穴径を杭穴軸部と略同径としたストレー
ト状の杭穴とし、中間拡径部を含めて杭穴軸部の杭周部
に充填する硬化性材料の固化強度を、杭穴の根固部に充
填される硬化性材料の固化強度よりも小さくしたことを
特徴とする基礎杭構造である。更に、杭穴軸部に設けた
中間拡径部に充填される硬化性材料の固化強度を、杭穴
軸部で前記中間拡径部以外の部分に充填される硬化性材
料の固化強度以上で、拡底部に充填される硬化性材料の
固化強度以下の範囲内で、造成したことを特徴とする基
礎杭構造である。
【0015】(2) 前記における硬化性材料とは、セメン
トミルクまたはこれと同等の水硬性材料、あるいはこれ
らと掘削土とを攪拌混合したいわゆるソイルセメントを
も含めた材料である。この固化性材料の強度は、周辺地
盤強度と同等又はそれ以上の固化強度を有する材料を採
用する。
【0016】また、前記における既製杭は、構成する基
礎杭構造の深さに応じて、単独の既製杭から構成する場
合、複数(通常2本)本の既製杭を接合して使用するこ
ともできる。この場合、使用する既製杭は、一般的に
は、杭穴との間隙の硬化性材料との付着を考慮し、コン
クリート系の材料からなる構造とすることが望ましい
が、鋼管杭あるいは、これらを合わせた構造とすること
もできる。
【0017】また、既製杭の構造は、ストレート状の構
造の他、いわゆる節杭のように外面に円環状の突起を形
成した構造の既製杭を採用することもできる。また、複
数の既製杭を使用する場合、各構成する既製杭を同一の
構造とするか異なる構造とするかは求める基礎杭構造に
応じて適宜選択できる。
【0018】また、突起付きの既製杭を使用した場合、
突起の形状は、円環状に限らず、環状突起の一部を切り
欠いた形状、独立した突起(例えば、いぼ状、板状、帯
状等)であっても、突起による支圧力が発現できる強度
の材料・形状であれば、可能である。また、独立した突
起を使用した場合の突起の配置も自由であり、例えば、
整列配置、散点状配置、螺旋状に沿った配置などが可能
である。また、上部、中間部、下部で所定長さに亘って
他の位置より軸径を大きく形成して突起とすることもで
きる。
【0019】また、前記において、中間拡径部に充填す
る硬化性材料の強度を、杭穴の根固め部に充填する硬化
性材料の固化強度以下で、杭穴の軸部に充填する硬化性
材料の固化強度以上としたので、地盤性状に応じて、経
済的面を含めて、効率良い支持力の増強を図れる。中間
拡径部に充填する硬化性材料の固化強度を、杭穴軸部の
杭周部に充填する硬化性材料の固化強度未満とした場
合、中間拡径部が杭周部の強度より弱いため、中間拡径
部に応力が集中した際に、地盤からの抵抗力によって杭
周部が損傷するよりも先に中間拡径部が破壊されるおそ
れがある。また、根固め部充填する硬化性材料の固化強
度より強い強度とした場合、逆に根固め部が先に破壊さ
れるおそれがあり、材料費や作業の繁雑さを考慮すると
根固め部よりも強度の強い中間拡径部は無駄となる。
【0020】
【発明の実施の形態】(1) この発明は、杭穴17の軸部
18に中間拡径部20を形成して、杭穴17の底部に根
固め部23を形成して杭穴17を掘削する。杭穴17内
に、セメントミルクを注入した後、あるいは杭穴17内
にセメントミルクを注入しながら、既製杭13を埋設し
て、セメントミルクが固化発現後、この発明の基礎杭構
造30を構成する(図2(a))。従って、この発明で
は、杭穴17内で、既製杭13との間隙で固化したセメ
ントミルクと既製杭13とが一体となって、杭穴17の
形状で、支持力を発揮できる。
【0021】(2) 地盤の支持層に対応する位置の杭穴1
7を根固め部23とし、中間支持層28の位置に対応さ
せて、中間拡径部22を形成すれば、効率的に支持力を
増強できる(図1、図2)。また、地盤強度(地盤性
状)と関係なく、地盤強度が比較的弱い位置に中間拡径
部20を形成した場合であっても、支持力の増強を獲得
することができる。
【0022】(3) 例えば、中間層に支持層となるべき層
厚はないが、例えばN値50以上の地盤強度を持ち合わ
せていた場合、その地層の深さに対応して、杭穴の中間
拡径部20を形成する。この場合、中間拡径部20のソ
イルセメント層の強度と組合わせることによって、中間
拡径部20から周辺地盤への支圧力がさらに向上し、こ
の中間拡径部20における中間支持力と拡底部23の先
端支持力によって、基礎杭構造30としての支持力が増
大する。
【0023】また、支持地盤としての層厚はあるが、地
盤強度が基準値を満たさない地層があった場合にも、前
記した中間拡径部20のソイルセメント層の強度と組合
わせることによって、中間拡径部20による周辺地盤へ
の摩擦力が発生し、この中間支持力と拡底部23の先端
支持力によって基礎杭構造30としての支持力が増大す
る。
【0024】(4) 基礎杭構造30では、杭穴17の根固
め部を拡底部23とし、既製杭13をストレート状の構
造を採用した場合、鉛直荷重に対しては、既製杭13の
下面16から斜め下方にむけて拡がるように支圧力が伝
搬すると共に、杭穴17の拡底部23の底24、中間拡
径部20の下面22でも同様に斜め下方に向けて拡がる
ように支圧力が伝搬する。従って、既製杭13の下面1
6、拡底部23の下面24、中間拡径部20の下面22
で鉛直荷重に対する抵抗力P、Pが作用するので、総体
として鉛直支持力を強化できる(図10(a))。
【0025】また、引抜力に対しては、杭周面の摩擦力
だけでなく、拡底部23の上面25、中間拡径部22の
上面21で、斜め上方に向けて拡がるように支圧力が伝
搬する。従って、拡底部23の上面25、中間拡径部2
0の上面21で、引抜力に対する抵抗力Q、Qが作用す
るので、総体として大きな引抜力に抵抗できる(図10
(a))。
【0026】(5) 基礎杭構造30では、杭穴17の根固
め部23を拡底部とし、既製杭13を外周に節部(環状
突起)32を有する構造を採用した場合、ストレート状
の既製杭13の場合の作用に加えて、鉛直荷重に対して
は節部32の下面34で抵抗力P、Pが、引抜力に対し
ては節部32の上面33、33で、抵抗力Q、Q、が夫
々作用して、ストレート状の既製杭13に比較してより
大きな鉛直支持力、引抜抵抗力を得ることができる(図
10(b)(c))。
【0027】外周に突起部を形成した既製杭を使用し、
中間拡径部に突起部を位置させるに際し、各突起による
せん断支圧が互いに重ならないで十分発現できるような
突起間隔を持つように既製杭を形成することが望まし
い。また、必要耐力を満たす固化強度のソイルセメント
層の形成された(ソイルセメント層の厚さ、幅が所要寸
法で、セメントミルク濃度も所望の値で充填されてい
る)中間拡径部に突起部を配置することにより、突起部
によるせん断力を最大限に有効活用することができ、安
定した高支持力が得られる。中間拡径部の拡径寸法を増
減することによって、中間支持力を増減することも可能
である。
【0028】即ち、従来のように、単に既製杭の表面に
突起などを設け、杭の表面積を増加させ、あるいは表面
の摩擦係数を増加させて、杭周面での摩擦力を増加させ
る手法ではなく、基礎杭の中間部で積極的に支持力を発
現させるべく、所要支持力に適合して杭穴に中間拡径部
を設けると共に適切な構造の既製杭を組み合わせて、基
礎杭を採用したことにある。
【0029】(6) 前記における杭穴の根固め部は、通常
は、杭穴軸部に充填するセメントミルクより、固化強度
が高いセメントミルクを充填して構成し、及び/また
は、杭穴底部を拡径して、拡大根固め部を形成すること
もできる。
【0030】(7) 前記における中間拡径部は、1つある
いは2つ以上形成することができる。複数の中間拡径部
を設けた場合、中間拡径部の外径は同一とすることもで
き(図2(b)、図4(b)等)それぞれ異なる寸法と
することもできる。
【0031】例えば、杭穴17の軸部18の径D、根
固め部23の径D、中間拡径部20a、20bの径を
上から径D1−1、D1−2、とする。 D<D、D2−1<D2−2、 とする構造(図9(a))、また、最上の中間拡径部2
0aから拡底部23へと下方に向けて徐々に大径となる
ように、 D<D2−1<D2−2<D、 とする構造(図9(b))、また、逆に最上の中間拡径
部20aを最大径として拡径部23へと下方に向けて徐
々に小径となるように、 D<D<D2−2<D2−1、 とする構造(図9(c))等とすることができる。
【0032】このように、杭穴の長さ方向で中間拡径部
及び/又は拡底部の径を変化させることによって、過剰
な鉛直荷重や引抜力が作用した際に。ある箇所の中間拡
径部が損傷した場合であっても、他の箇所の中間拡径部
でカバーさせることができる。とりわけ、地盤強度が強
い層に大きい径の中間拡径部及び/又は拡底部を設けれ
ば、この中間拡径部及び/又は拡底部が地盤への抵抗体
として高い効果を発揮する。
【0033】(8) この発明の実施に使用する掘削ロッド
1の掘削ヘッド2の構成は任意であるが、中間拡径部2
0を形成できるような掘削径を可変とすることができる
構造とすることが望ましい。例えば、拡開できる拡大掘
削用の掘削刃を設ける構造(図1(a)(b))、揺動
する掘削アーム6、6を一側と他側の揺動方向で掘削径
を変更できる構造(図3(a)(b))等を使用するこ
とができる。その他、数段階に拡開が可能な油圧を使用
した掘削ヘッドを用いたり、ジェット噴射機能を有する
掘削ヘッドによってジェット圧を調節して寸法の異なる
掘削ヘッドを有する掘削ロッドを使用することができる
(図示していない)。
【0034】また、本発明では、プレボーリング工法だ
けでなく、杭中空部内に、先端に掘削ヘッドを有する掘
削ロッドを挿通させて、掘削と同時に既製杭を埋設する
中掘工法であっても同様に適用できる。
【0035】
【実施例1】図1、図2に基づき、この発明の実施例を
説明する。
【0036】(1) この発明の実施に使用する掘削ロッド
1は、先端に掘削ヘッド2を有し、中間部には、所定間
隔毎に練付ドラム10、10、攪拌バー11、11を有
し、掘削土を破砕攪拌して、杭穴壁に練付られる構成と
なっている。掘削ヘッド2には種々なものがあるが、本
実施例では、螺旋状に形成されたヘッド本体3に、水平
方向に開く拡大翼4、4が取付けられた構造の掘削ヘッ
ド2を用いる。掘削ヘッド2は、掘削ロッド1の逆回転
時に拡大翼4、4が拡開し、通常時の杭穴掘削に比べて
大きな杭穴17を形成することができるようになってい
る(図1(a)(b))。
【0037】(2) この施工地盤26では、深度25m以
降に支持層27となるべき地盤が続いているものとし、
地上から25m〜27mまで拡底部23を形成して、既
製杭13の先端を26mに位置させる。また、深度19
m〜22mに中間支持層28が続いているものとし、深
度20m〜21mに中間拡径部20を形成するように杭
穴17を構築する。
【0038】(3) 従って、本実施例で使用する既製杭1
3は、 下杭14:PHC杭A種 外径600mm 杭長14mの中空円筒杭 上杭15:PRC杭B種 外径600mm 杭長10mの中空円筒杭 とし、下杭14と上杭15を溶接又は無溶接(上下杭の
端板外周に、リングを複数個に分割した接続プレートを
嵌合し、該プレート外面から端板にボルト締めを行う
等)にて連結して使用する(図2(a))。
【0039】(4) このようにして構成された掘削ロッド
1を、杭打ち機のオーガーに取り付けると共に、杭打機
を杭芯位置(杭穴掘削位置)に移動し、掘削ヘッド2を
杭芯にセットし、掘削を開始する。まず、掘削ロッド1
を正回転させて、掘削ヘッド2で水等を吐出しながら掘
削し、掘削によって生じる掘削土を攪拌バー11、11
で破砕して、練付けドラム10、10で杭穴壁に練付け
ながら杭穴軸部18を形成する。杭穴軸部18は、既製
杭13の外径よりも若干大径の径D(例えば630m
m程度)で形成する(図1(a))。
【0040】(5) 深度20m付近まで杭穴軸部18を形
成した後、掘削ロッド1を逆回転して掘削ヘッド2の拡
大翼4、4を拡開させ、中間拡径部20、20を形成す
る。中間拡径部は、例えば径D(D=800mm程
度)とし、深度21mまで、深さL(L=1m程
度)形成する(図1(b))。
【0041】(6) 中間拡径部20を形成した後、掘削ロ
ッド1を正回転に戻し、再び深度25mまで杭穴軸部1
8を形成する(図1(c))。
【0042】(7) 深度25mに到達した後、掘削ロッド
1を逆回転させて支持層27内に拡底部(根固め部)2
3を形成する。拡底部23の形状は、例えば外径D
(D=800mm)、拡底部長L(L=2m)
とする(図1(d))。
【0043】(8) 拡底部23を形成した後、掘削ヘッド
2先端から吐出していた水をセメントミルクに切替え、
拡底部23内に根固液(固化強度30N/mm程度)
を注入して拡底部23内の掘削土と撹拌・混合し、ソイ
ルセメント層(固化強度30N/mm以上)を形成す
る。
【0044】その後、掘削ロッド1を正回転に戻し、杭
穴軸部18内に杭周固定液(固化強度20N/mm
度)を注入して杭穴軸部内の掘削土(泥土を含む)と撹
拌・混合し、ソイルセメント層(固化強度0.5N/m
以上)を形成する。
【0045】前記杭周固定液を深度20m〜21mの中
間拡径部20にも注入して、前記同様にソイルセメント
層(固化強度0.5N/mm以上)を形成する(図1
(e))。
【0046】ここでは杭穴軸部18と中間拡径部20と
に注入するセメントミルクの強度と同等したが、地上構
造物の荷重、使用する既製杭13の種類、地盤性状(地
質、N値等)などによっては、中間拡径部20に注入す
るセメントミルクの強度を杭穴軸部18のものより大き
くすることもできる。例えば根固液に用いるセメントミ
ルクと同等とすることもできる。これによって、中間拡
径部20のソイルセメント層の強度が向上し、中間拡径
部20から周辺地盤への鉛直荷重による支圧力、及び引
抜力による支圧力を増加させることができる。
【0047】(9) 地上付近までソイルセメント層を形成
した後、杭穴17内から掘削ロッド1を引抜き、杭打ち
機から掘削ロッドを取り外す。杭打ち機のオーガーの掘
削ロッドを杭保持キャップと取替えて、杭保持キャップ
に下杭を把持させて、沈設を開始する(図1(f))。
既製杭13の埋設に際し、下杭14を杭頭部から1m程
度残して沈設した状態で沈設作業を一旦停止し、下杭1
4の杭頭部を杭穴17の開口部付近で支持する。オーガ
ーから下杭14を外し、オーガーに上杭15を取り付け
ると共に、下杭14の上部に上杭15を連結し、連結し
た上杭15及び下杭14の沈設を再び進行する。杭穴1
7の拡底部23の底(最下端)24から約1m上方に下
杭14の杭先端部が位置するように下杭14を設置し、
既製杭13(上杭14、下杭15)の埋設が完了する
(図1(g))。以上のようにして、セメントミルクが
固化発現後に、この発明の基礎杭構造30を構成する
(図1(g))。
【0048】(10)他の実施例 前記実施例において、中間拡径部20は、1箇所だけ形
成したが、2箇所に形成することもできる(図2
(b))。この場合、周辺地盤に比べて、比較的に地盤
強度が高い、深さ位置に形成すれば、より効率的に支持
力を高められるので、望ましいが、地盤強度に拘わら
ず、適宜位置に中間拡径部20、20を形成しても支持
力等を高めることができる。
【0049】
【実施例2】図3、4に基づき、この発明の他の実施例
を説明する。
【0050】(1) この発明の実施に使用する掘削ロッド
1は、先端に掘削ヘッド2を有し、中間部には、所定間
隔毎に練付ドラム10、10及び攪拌バー11、11を
有し、掘削土を破砕攪拌して、杭穴壁に練付られる構成
となっている。掘削ヘッド2として本実施例では、先端
に固定刃を有するヘッド本体3の両面に、2本の掘削ア
ーム6、6を揺動自在に取り付けてなる掘削ヘッド2を
用いる。掘削ヘッド2はヘッド本体3にストッパーが固
着されており、掘削ロッド1を正回転させたとき、掘削
アーム6、6が一側に杭穴軸部18の径Dに対応して
小さく揺動し、掘削ロッド1を逆回転させたときは、掘
削アーム6、6が他側に中間拡径部20(拡底部23)
の径D、Dに対応して大きく揺動でき、掘削アーム
6、6の拡開度が替えられるようになっている(図3
(a)(b))。
【0051】(2) この施工地盤26では、深度25m以
降に支持層28となるべき地盤が続いているものとし、
25〜27.5mまで拡底部23を形成して、既製杭1
3の底面(先端)16を、深さ27mに位置させる。ま
た、深度19m〜23mに中間支持層28が続いている
ものとし、深度20m〜22mに、中間拡底部20を形
成するように杭穴17を構築する。
【0052】(3) 本実施例で使用する既製杭13は、 下杭14:節杭A種 軸部径600mm 節部径750mm 杭長14mの中空杭 先端から50cmの位置に第1の節部、 以後1m間隔で第2、第3の節部を有する 上杭15:SC杭(外殻鋼管付きコンクリート杭) 外径600mm 杭長10mの中空円筒杭 とし、下杭14と上杭15を溶接又は無溶接(例えば、
実施例1と同様の接合構造)にて連結して使用する(図
4(a))。
【0053】(4) このようにして構成された掘削ロッド
1を、杭打ち機のオーガーに取り付けると共に、杭打機
を杭芯位置(杭穴掘削位置)に移動し、掘削ヘッド2を
杭芯にセットし、掘削を開始する。まず、掘削ロッド1
を正回転させて、掘削アーム6、6を通常掘削状態に一
側に揺動させ、掘削ヘッド2の先端から水等を吐出しな
がら掘削し、掘削によって生じる掘削土を攪拌バー1
1、11で破砕して練付けドラム10、10で杭穴壁に
練付けながら杭穴軸部18を形成する。杭穴軸部18
は、節杭(既製杭)の節部32の外径(750mm)よ
りも若干大径の径D(D=780mm程度)で形成
する(図3(a))。
【0054】(5) 深度20m付近まで杭穴軸部18を形
成した後、掘削ロッド1を逆回転して掘削ヘッド2の掘
削アーム6、6を拡大掘削状態に揺動拡開させ、中間拡
径部20を形成する。中間拡径部20は、外径D(D
=1100mm)で深さL(L=2m)の範囲で
形成する(図3(b))。
【0055】(6) 中間拡径部20を形成した後、掘削ロ
ッド1を正回転に戻し、再び深度25mまで杭穴軸部1
8を形成する(図1(c))。
【0056】(7) 深度25mに到達した後、掘削ロッド
1を逆回転させて支持層27内に拡底部23を形成す
る。拡底部23の形状は、外径D(D=1100m
m)、深さL(L=2.5m)とする(図3
(d))。
【0057】(8) 拡底部23を形成した後、掘削ヘッド
1の先端から吐出していた水をセメントミルクに切替
え、拡底部23内に根固液(固化強度20N/mm
度)を注入して拡底部23内の掘削土と撹拌・混合し、
ソイルセメント層(固化強度20N/mm以上)を形
成する。
【0058】その後、掘削ロッド1を正回転に戻し、杭
穴軸部18内に杭周固定液(固化強度20N/mm
度)を注入して杭穴軸部18内の掘削土(泥土を含む)
と撹拌・混合し、ソイルセメント層(固化強度1.0N
/mm以上)を形成する。
【0059】杭周固定液を深度20m〜22mの中間拡
径部20にも注入して、同様にソイルセメント層(固化
強度1.0N/mm以上)を形成する(図3
(e))。
【0060】杭穴拡大部23に注入するセメントミルク
の強度は、上記のようにすることが望ましいが、実施例
1と同様に適宜可変することもできる。
【0061】(9) 地上付近までソイルセメント層を形成
した後、杭穴17内から掘削ロッド1を引抜き、杭打ち
機から掘削ロッド1を取り外す。杭打ち機のオーガーの
掘削ロッドを杭保持キャップと取替えて、杭保持キャッ
プに下杭(節杭)14を把持させて、沈設を開始する
(図3(f))。下杭14を杭頭部から1m程度残して
沈設した状態で沈設作業を一旦停止し、下杭14を杭穴
17の開口部付近で支持する。オーガーを下杭14から
外し、オーガーに上杭15を取り付けると共に、下杭1
4の上部に上杭15を連結し、連結した上杭15及び下
杭14の沈設を再び進行する。杭穴17の拡底部23の
底(最下端)24から約50cm上方に下杭14の底
(先端)16が位置するように下杭14を設置し、埋設
が完了する(図3(g))。以上のようにして、セメン
トミルクが固化発現後に、この発明の基礎杭構造30を
構成する(図3(g))。
【0062】(10)また、上記のように、杭穴17内に既
製杭13を埋設した状態で、拡底部23内に下杭(節
杭)14の節部32、32が配置され、また、既製杭1
3の下面16と拡底部23の底24との間、および拡底
部23内に位置する最上の節部32と拡底部23の上面
の間、に夫々間隙が形成され、セメントミルクが充填さ
れる。また、セメントミルクが充填された中間拡径部2
0内にも下杭14の節部32、32が位置する。
【0063】従って、杭穴拡底部23内で、既製杭13
の下面16からの支圧力だけでなく、節部32下面から
の斜め下方に向けた支圧力、および節部32上面からの
斜め上方に向けた支圧力などの伝搬も得られる。よっ
て、支圧力の伝播範囲が拡底部23内に拡がるため、既
製杭13の下端部での鉛直及び引抜方向の支持力・抵抗
力が大幅に向上する。
【0064】更に、中間拡径部20にも下杭14の節部
32、32が配置されるため、前記拡底部23内におけ
る作用と同様に節部32からの支圧力が得られ、拡底部
23の既製杭13の先端支持力と相俟って基礎杭構造3
0全体としてさらに大きな支持力を得ることができる。
【0065】(11)他の実施例 前記実施例において、中間拡径部20を杭穴17の中間
部より下方に1箇所のみ設けたが、杭穴軸部18であれ
ばいずれの場所でも可能である。また中間拡径部20
は、2つなど複数箇所設けることも可能である(図4
(b))。
【0066】また、前記実施例では中間拡径部を形成す
るにあたって、杭の突起部(ここでは節部)を包含する
形状・寸法に構築したが、突起部を外して杭軸部が位置
する杭穴に杭穴拡大部を形成することもできる。例え
ば、突起部が中間拡径部の直上又は直下に位置させれ
ば、突起部を外して杭穴拡大部を形成した場合でも、上
下の突起部間に杭穴拡大部が設けられているため、鉛直
荷重に対しては、上側の突起部の下面から杭穴拡大部に
支圧力が伝播し、引抜力に対しては下側の突起部の上面
から杭穴拡大部に支圧力が伝播し、中間支持力として十
分に機能させることができる(図4(b))。また、節
部32、32が中間拡径部20の直上又は直下に位置さ
せることが望ましいが、他の位置でも可能である(図示
していない)。
【0067】前記実施例における既製杭の突起部の形状
は、支圧力の伝搬を考慮すれば、円環状とすることが望
ましいが、その形状は任意である。
【0068】
【実施例3】図5、図6に基づき、この発明の他の実施
例を説明する。この実施例では、拡底部を有しないスト
レート状(杭穴軸部のみ)の杭穴において、既製杭の支
持層への根入れ部分よりも上方の杭穴に中間拡径部を形
成した基礎杭構造である。
【0069】(1) この発明の実施に使用する掘削ロッド
1は、前記実施例1と同様である。
【0070】(2) この施工地盤26では、例えば深度2
5m以降に支持層となるべき地盤が続いている場合、2
7mまでを根固部とし、杭先端を26mに位置させる。
また、杭穴の20m〜21mに中間拡径部を形成する。
【0071】(3) 本実施例で使用する既製杭13は、実
施例1と同様とする。
【0072】(4) 実施例1と同様に、掘削ロッド1を、
杭打ち機のオーガーに取り付けると共に、杭打機を杭芯
位置(杭穴掘削位置)に移動し、掘削ヘッド2を杭芯に
セットし、掘削を開始する。まず、掘削ロッド1を正回
転させて、掘削ヘッド2で水等を吐出しながら掘削し、
掘削によって生じる掘削土を攪拌バー11、11で破砕
し、練付けドラム20、20で杭穴壁に練付けながら杭
穴軸部18を形成する。杭穴軸部18の径Dは、杭外
径よりも若干大径に(例えば630mm程度)形成する
(図5(a))。
【0073】(5) 深度20m付近までストレート状の杭
穴17の軸部18を形成した後、掘削ロッド1を逆回転
して掘削ヘッド1の拡大翼6、6を拡開させ、中間拡径
部20を形成する。中間拡径部20の径Dは、例えば
800mm程度とし、深度21mまで形成する(図5
(b))。
【0074】(6) 中間拡径部20を形成した後、掘削ロ
ッド1を正回転に戻し、再び深度27mまでストレート
状の杭穴軸部18を形成する(図5(c))。杭穴17
の根固め部23は拡大しないので(根固め部23の径D
=D)、そのままの径で杭穴17の底24まで掘削
する。
【0075】(7) 杭穴17を形成後、掘削ヘッド2の先
端から吐出していた水をセメントミルクに切替え、深度
25m〜27mの根固部内に根固液(固化強度30N/
mm程度)を注入して、根固部2内の掘削土と撹拌・
混合し、ソイルセメント層(固化強度30N/mm
上)を形成する。
【0076】(8) その後、根固部23より上方の杭穴1
7に杭周固定液(固化強度20N/mm程度)を注入
して、杭17内の掘削土(泥土を含む)と撹拌・混合
し、ソイルセメント層(固化強度0.5N/mm
上)を形成する。
【0077】前記杭周固定液を深度20m〜21mの中
間拡径部にも注入して、前記同様にソイルセメント層
(固化強度0.5N/mm以上)を形成する。
【0078】ここでは中間拡径部20に注入するセメン
トミルクの強度を杭周固定液と同等としたが、中間拡径
部20に注入するセメントミルクの強度を杭周固定液よ
り大きくすることもできる。これによって、中間拡径部
20のソイルセメント層の強度が向上し、中間拡径部2
0から周辺地盤への鉛直荷重による支圧力、及び引抜力
による支圧力が増加する。また、根固部23、杭周固定
部及び杭穴拡大部に注入するセメントミルクの固化強度
を同一としてもよい。
【0079】(9) 地上付近までソイルセメント層を形成
した後、掘削ロッド1を引抜き、前記実施例1と同様
に、ストレート状の下杭14、上杭15を順次沈設し、
杭穴底部24から約1m上方に下杭14の下面16が位
置するように既製杭13(上杭15、下杭14)を設置
し、埋設が完了する(図5(f)(g))。以上のよう
にして、セメントミルクが固化発現後に、この発明の基
礎杭構造30を構成する(図5(g))。
【0080】(10)この基礎杭構造30によれば、杭の根
入れ部(根固め部23の深さ範囲L。例えば杭径の約
1.5倍)よりも上方の杭穴17に、すなわち杭穴17
の深度方向に支持地盤としての地盤強度はあるが、層厚
が薄くて支持層とはなり得ない地層、及び支持地盤とし
ての層厚はあるが、地盤強度が基準値を満たさない地層
等に中間拡径部20を設けたため、ソイルセメント層と
既製杭13とが一体となった基礎杭構造30として、根
固部23での先端支持力及び杭周面の摩擦力と相俟っ
て、中間拡径部20が鉛直荷重や引抜力の抵抗体となる
ため、安定した支持力を得ることができる。
【0081】(11)他の実施例 前記実施例において、中間拡径部20を杭穴17の中間
部下方に1箇所のみ設けたが、2箇所に設けることもで
き(図6(b))、支持層への根入れ部分より上方であ
ればいずれの場所でも、また3箇所以上の複数箇所に設
けることもできる(図示していない)。
【0082】
【実施例4】図7、図8に基づきこの発明の他の実施例
について説明する。この実施例では、実施例3と同様な
杭穴17を形成し、既製杭13(上杭15、下杭14)
として、全長に亘り節部(突起部)32を有する節杭を
使用した実施例である。
【0083】(1) この発明の実施に使用する掘削ロッド
1は、前記実施例1と同様である。
【0084】(2) 本実施例では、地盤性状に応じて、実
施例3と同様な杭穴17(杭穴の軸部D=780mm
程度)を形成し、深度20m〜22mに中間拡径部20
を設ける。
【0085】(3) 本実施に使用する既製杭は、 下杭:節杭A種 軸部径600mm 節部径750mm 杭長14mの中空杭 先端から50cmの位置に第1の節部を、 以後1m間隔で第2、第3の節部を有する 上杭:異形鉄筋入り節杭 軸部径600mm 節部径750mm 杭長10mの中空杭 とし、下杭14と上杭15とを溶接又は無溶接(例え
ば、実施例1と同様の接合構造)にて連結して既製杭1
3として使用する(図8(a))。尚、上杭15に使用
した異形鉄筋入り節杭とは、下杭14に、曲げ強度を大
きくするため異形鉄筋を埋設した構造である。
【0086】(4) 実施例1等と同様に、掘削ロッド1
を、杭打ち機のオーガーに取り付けると共に、杭打機を
杭芯位置(杭穴掘削位置)に移動し、掘削ヘッド2を杭
芯にセットし、掘削を開始する。まず、掘削ロッド1を
正回転させて、掘削ヘッド2で水等を吐出しながら掘削
し、掘削によって生じる掘削土を攪拌バー11、11で
破砕して、練付けドラム10、10で杭穴壁に練付けな
がら杭穴軸部18を形成する。杭穴軸部18の径D
は、節杭の節部外径よりも若干大径(D=780m
m程度)に形成する(図7(a))。
【0087】(5) 深度20m付近まで杭穴軸部18を形
成した後、掘削ロッド1を逆回転して掘削ヘッド2の拡
大翼4、4を拡大掘削状態に拡開させ、中間拡径部20
を形成する。中間拡径部20は径D(D=1100
mm程度)、深度22mまで、高さL(L=2m程
度)で形成する(図7(b))。
【0088】(6) 中間拡径部20を形成した後、掘削ロ
ッド1を正回転に戻し、再び深度27mまで杭穴軸部1
8を形成する(図7(c))。杭穴17の根固め部23
は拡大しないので(根固め部23の径D=D)、そ
のままの径で杭穴17の底24まで掘削する。
【0089】(7) 杭穴17を形成後、掘削ヘッド2の先
端から吐出していた水をセメントミルクに切替え、深度
25m〜27mに根固め液(固化強度7.5N/mm
程度)を注入して掘削土と置換する。この際、根固め液
の注入の仕方は任意である。例えば、根固め液の全量を
杭穴の底から注入する場合、適量を杭穴底部で注入し残
量を掘削ロッド1を引き上げながら注入する場合等が可
能である。
【0090】(8) 引続き、中間拡径部20を含めて、杭
穴17の根固め部23の上方に、杭周固定液(固化強度
7.5N/mm程度)を注入して掘削土と撹拌・混合
してソイルセメント層(固化強度0.5N/mm
上)を形成する。
【0091】(9) 地上付近までソイルセメント層を形成
した後、掘削ロッド1を引抜き、前記実施例2と同様
に、下杭14、上杭15を順次沈設し、杭穴17の底2
4から約50cm上方に下杭14の下面16が位置する
ように下杭14を設置し、埋設が完了する(図7(f)
(g))。以上のようにして、セメントミルクが固化発
現後に、この発明の基礎杭構造30を構成する(図7
(g))。
【0092】(10) この基礎杭構造30によれば、中間
拡径部20内に埋設した既製杭13の節部32、32が
配置され、既製杭13(下杭14)の下面16からの支
圧力だけでなく、節部32からの支圧効果も得られ、中
間拡径部20内に位置する節部からの支圧効果も得ら
れ、中間拡径部20内に位置する節部32、32からの
支圧力の伝播範囲が中間拡径部20内に拡がるため、基
礎杭構造30全体として大きな摩擦力、鉛直支持力、引
抜抵抗力を得ることができる。
【0093】(11)他の実施例 ここでは中間拡径部20を杭穴17の中間部より下方に
1箇所のみ設けたが、支持層への根入れ部分(根固め部
23)より上方であればいずれの場所でも、また複数箇
所設けることができる。
【0094】また、前記実施例における中間拡径部20
と節部32、32との位置関係は、前記実施例2と同様
に、他の設定とすることもできる(図8(b))。
【0095】また、前記実施例において、中間拡径部2
0に注入するセメントミルクの強度を杭周固定液と同等
としたが、中間拡径部20に注入するセメントミルクの
強度を杭周固定液より大きくすることもできる。これに
よって、中間拡径部20のソイルセメント層の強度が向
上し、中間拡径部20から周辺地盤への鉛直荷重の支圧
力及び引抜荷重の支圧力が増加する。また、根固め部2
3、杭周固定部及び中間拡径部20に注入するセメント
ミルクの強度を同一とすることもできる。
【0096】前記実施例における既製杭の突起部の形状
は、支圧力の伝搬を考慮すれば、円環状とすることが望
ましいが、その形状は任意である。
【0097】(12)以上実施例1〜4を説明したが、次
に、実施例1〜4が夫々適用されると最適な場合につい
て説明する。
【0098】(a) 実施例2及び実施例4は、地盤上層部
が軟弱地盤で支持力が不足し、下層部で支持力が期待さ
れているが、従来の基礎杭構造では総合的な支持力が不
足するような場合に好適である。ここで、上部構造物の
荷重が大きい場合には、実施例2が有効であり、実施例
4に比べて大きい支持力が得られるため、上部構造物の
1本の柱当たりの基礎杭の本数を減らすことができ、そ
れに伴い産業廃棄物として処理される掘削残土量を削減
でき、環境上も好ましい結果となる。
【0099】また、実施例2、4の場合は、根固部での
高先端支持力に対し、上部構造物や地盤にもよるが、地
盤上層で水平力や曲げモーメント等が相対的に不足しが
ちであるため、連結杭とする場合には上杭に外殻鋼管付
きコンクリート杭(SC杭)を利用することが多い。従
って、実施例2、4の基礎杭構造において、根固部の下
杭にSC杭を使用し、その外側面に棒状、角状、板状の
鋼材を溶接等の手段で固定させた突起付き既製杭、ある
いは外殻の鋼管部を突起状に形成した突起付き既製杭を
利用することにより、上下杭の杭材を同一にでき、上下
杭の応力バランスが良くなり、更に、既製杭同士の連結
も容易で施工性も良くなり、上部構造物からの荷重、耐
震力等の要求仕様に対する地盤強度、施工性等に関し、
選択範囲が広がり有効である。
【0100】(b) 上部構造物の荷重に対して、施工地盤
の地質が良く、地盤強度が比較的高い場合には、実施例
1及び実施例3が有効であり、比較的良い地盤に中間拡
径部を用いると効率的である。ここで、上部構造物の荷
重が大きい場合には実施例1が有効であり、比較的に荷
重が大きくないような場合には実施例3を用いることが
できる。
【0101】
【発明の効果】杭穴の根固め部の上方に1又は複数の中
間拡径部を形成し、杭穴内にセメントミルク等の硬化性
材料を充填し、既製杭と一体化したため、鉛直荷重や引
抜力が作用した際に、中間支持力とし中間拡径部が周面
地盤への支圧力を発生し、基礎杭構造全体として支持力
を向上させることができる。
【0102】また、突起付きの既製杭を使用して、中間
拡径部内に突起を位置させたり、突起を包含するように
中間拡径部を形成することによって、鉛直荷重や引抜力
が作用した際に、突起の上面又は下面からの支圧力が得
られ、既製杭の下端面の支持力と相俟って基礎杭構造全
体としてさらに大きな支持力を得ることができる。
【0103】また、この発明は、杭穴に中間拡径部を形
成して硬化性材料を充填するので、注入するセメントミ
ルク等の硬化性材料や、形成されるソイルセメント層の
固化強度を、基礎杭構造の上方に構築される構造物の荷
重、使用する既製杭の種類、地盤性状(地質、N値等)
などに応じて、選定することによって、より一層安定し
た中間支持力を得ることができる効果がある。
【0104】また、既製杭を複数の杭で連結した杭を使
用した場合、中間拡径部に上下杭の連結部を位置させれ
ば、比較的強度が弱くなりがちな杭の連結部が杭穴の中
間拡径部内のセメントミルク等の硬化性材料によって補
強され、基礎杭構造の総体として、地震時等の水平力や
曲げモーメントに対する耐力を増強することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(g)は、この発明の実施例1の基礎
杭構造の構築工程を説明する縦断面図である。
【図2】(a)(b)は実施例1の基礎杭構造の縦断面
図である。
【図3】(a)〜(g)は、この発明の実施例2の基礎
杭構造の構築工程を説明する縦断面図である。
【図4】(a)(b)は実施例2の基礎杭構造の縦断面
図である。
【図5】(a)〜(g)は、この発明の実施例3の基礎
杭構造の構築工程を説明する縦断面図である。
【図6】(a)(b)は実施例3の基礎杭構造の縦断面
図である。
【図7】(a)〜(g)は、この発明の実施例4の基礎
杭構造の構築工程を説明する縦断面図である。
【図8】(a)(b)は実施例4の基礎杭構造の縦断面
図である。
【図9】(a)〜(c)は、この発明の中間拡径部と根
固め部の径の設定を表す縦断面図である。
【図10】この発明の基礎杭構造で、鉛直荷重に対する
抵抗力、引抜力に対する抵抗力を表す図で、(a)はス
トレート状の既製杭を使用した場合を表し、(b)は節
部を有する既製杭を使用した場合を表し、(c)は
(b)の節部の拡大図である。
【符号の説明】
1 掘削ロッド 2 掘削ヘッド 10 練付ドラム 11 攪拌バー 13 既製杭 14 上杭 15 下杭 16 既製杭(下杭)の下面 17 杭穴 18 杭穴の軸部 20、20a、20b 杭穴の中間拡径部 21 中間拡径部の上面 22 中間拡径部の下面 23 杭穴の根固め部(拡底部) 24 拡底部の底 25 拡底部の上面 26 地盤 27 支持層 28 中間支持層 30 基礎杭構造 32 既製杭の節部 33 節部の上面 34 節部の下面

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 根固め部を有する杭穴内にセメントミル
    ク等の硬化性材料を充填し、該杭穴内に、既製杭を設置
    した基礎杭構造において、 前記根固め部の上方に、1又は複数の中間拡径部を形成
    し、該中間拡径部内にもセメントミルク等の硬化性材料
    を充填し、前記既製杭を設置したことを特徴とする基礎
    杭構造
  2. 【請求項2】外周に突起を形成した既製杭を使用し、中
    間拡径部に前記突起が位置するように前記既製杭を埋設
    したことを特徴とする請求項1記載の基礎杭構造。
  3. 【請求項3】 中間拡径部の高さ範囲は、突起付き既製
    杭の1又は複数の突起を包含するような高さ範囲で、形
    成したことを特徴とする請求項2記載の基礎杭構造。
  4. 【請求項4】 突起付きの既製杭を単独で、あるいは突
    起付きの既製杭と円筒状の既製杭とを組合わせて用いた
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の基礎杭構
    造。
  5. 【請求項5】 突起付き既製杭の突起部を、杭穴の中間
    拡径部の直上又は直下の該中間拡径部の範囲外に位置さ
    せたことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の基礎
    杭構造。
  6. 【請求項6】 杭穴の根固め部を拡大掘削して拡底部と
    し、該拡底部以外の杭穴の部分を杭穴軸部とし、該杭穴
    軸部に充填されれる硬化性材料の固化強度を、拡底部に
    充填される硬化性材料の固化強度よりも小さくしたこと
    を特徴とする請求項1乃至請求項5記載の基礎杭構造。
  7. 【請求項7】 根固め部の穴径を杭穴軸部と略同径とし
    たストレート状の杭穴とし、中間拡径部を含めて杭穴軸
    部の杭周部に充填する硬化性材料の固化強度を、杭穴の
    根固部に充填される硬化性材料の固化強度よりも小さく
    したことを特徴とする請求項1乃至請求項5記載の基礎
    杭構造。
  8. 【請求項8】 杭穴軸部に設けた中間拡径部に充填され
    る硬化性材料の固化強度を、杭穴軸部で前記中間拡径部
    以外の部分に充填される硬化性材料の固化強度以上で、
    拡底部に充填される硬化性材料の固化強度以下の範囲内
    で、造成したことを特徴とする請求項1乃至請求項5記
    載の基礎杭構造。
JP2001318183A 2001-10-16 2001-10-16 基礎杭構造 Expired - Lifetime JP3960372B2 (ja)

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