JP4111261B2 - 既製杭、杭基礎構造、杭基礎の構築方法 - Google Patents

既製杭、杭基礎構造、杭基礎の構築方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、土木、建築構造物の基礎として利用される基礎杭構造、その基礎杭構造に使用される既製杭、基礎杭の構築方法に関するものである。特に、下部に高支持力を発現する部分(支持力の強化構造体)を形成してある既製杭としてコンクリート杭や鋼管杭のような既製杭を使用し、その既製杭の下端部を杭穴の根固め部内に配置し、その造成された根固め部で高鉛直支持力を発現している基礎杭構造及びその施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
杭穴内に既製杭を埋設して杭基礎を構築する際に、一般に、既製杭の口径が大きくなれば、それに応じて杭の耐力を増加させることができる。逆に、口径が大きくなれば既製杭の価格が増加し、対応する杭穴の口径も大きくなるため掘削費用及び掘削土の排出量(即ち処理すべき掘削土の量)も多くなる問題点があった。従って、できるだけ小さな口径の杭穴を掘削し、できるだけ大きな支持力を得られる工法が模索されている。
【0003】
従来、比較的大きな支持力を要求されると考えられていた杭穴の底部で、杭穴径を拡大し、既製杭の口径も拡大して、効率良い支持力の増加を図ることを目的とした工法が提案されている。
【0004】
一の工法は、軸径Dの既製杭41であって、下端部外周に、縦鉄筋43、43を固定した拡開鉄筋42、42からなる折り畳み鉄筋篭40を取り付けた既製杭41を使用していた(特開平11−61811)。この工法では、既製杭41の拡開鉄筋42、42を折り畳み(図6(a))、外径D21として(D21>D)、杭穴44の軸部(外径D11)45を挿通して(図6(b))、杭穴44の根固め部(外径D12)46に沈設後に拡開鉄筋42、42を放射状に開いて、既製杭41の下端部を径D22に拡大して基礎杭構造50を構築する工法が提案されている(図6(c))。
【0005】
また、他の工法では、軸径Dの既製杭48の下端部外周に沿って布製筒体47を取り付けた既製杭48を使用していた(特開昭62−10325)。この工法では、布製筒体47を折り畳み、外径D21として(D21>D)、杭穴44の軸部(外径D11)45を挿通して(図7(a))、既製杭48を杭穴44の根固め部(外径D12)46に沈設後に布製筒体47内にセメント硬化材料を充填して、布製筒体47を外径D22になうように放射状に開いて、既製杭48の下端部の径を拡大して、基礎杭構造50を構築する工法が提案されている(図7(b))。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
(1) 前記従来の技術では、根固め部46において高鉛直支持力を発現している基礎杭構造50において、その根固め部46に配置され高支持力に主として寄与している強化構造体(拡開鉄筋42及び縦鉄筋43からなる折り畳み鉄筋篭40、布製筒体47)は、既製杭41、48の下端部の外側面に沿って配置されているが、保護カバーがないためにその既製杭41、48を杭穴44に挿入し、押入れ等の方法で沈設する時に、その強化構造体が杭穴壁に直接接触、あるいは掘削土泥の圧力等により変形・破損し易かった。
【0007】
従って、該強化構造体が杭孔内壁に接触しないよう、また、掘削土泥の圧力を直接に受けないように、杭穴44の軸部45の穴径D11を大径で掘削する必要があり、杭埋設作業が非常に面倒で作業性が悪く施工効率が悪かった。また、強化構造体の形状が不安定であり、杭基礎の根固め部の築造品質の面でも問題があった。
【0008】
(2) また、根固め部に強化構造体を有する基礎杭は、鉛直支持力が従来の基礎杭に比べて2倍程度(下端部の軸径と同一寸法・形状で強化構造体を有しない既製杭を根固め部に埋設した場合に比べて2倍程度)までに増強されることが期待されている(特開平11−61811号公報及び特開昭62−10325号公報等)。また、最近では施工実績も出て来ているようである。
【0009】
しかるに、従来工法では、根固め部に埋設される既製杭(下杭)とその上部に埋設される既製杭(上杭)とをその端径を同一としなければ、連結できず、また特殊接続具で、軸径を変化させることも提案されていたが、施工が煩雑であり、また該部での応力集中が生じ、対応が困難であった。従って、杭穴の上部において、高い水平耐力が要求される場合には、上杭に、大径で高強度の杭が選択できず、選択できる上杭と下杭との組合せ範囲が狭かった。よって、基礎杭構造の上部(軸部)の水平耐力や圧縮耐力が、基礎杭構造の下端部(根固め部)で発揮される鉛直支持力増に比べ相対的に小さく、根固め部の高鉛直支持力に比べバランスが取れず、杭基礎としてその根固め部の高支持力を生かした総合的に高強度な構成が実現できなかった。
【0010】
また、異なる軸径の既製杭を接続する基礎杭構造として、例えば、特公平5−47685号公報(第6図)等で各種の連結構造が提案されている。しかし、既製杭の軸径を変化させた部分が、杭穴の軸部内にあり、連結部の強度増強が難しくその連結部への応力集中に対応が容易に出来ないがために、連結部が弱点とされていた。
【0011】
従って、軸部の杭の選定に関しては、下端部の杭径と略同一寸法で高強度の杭材種を使用する程度に限られ、真にバランスの取れた経済的な基礎杭構造は実現されていなかった。
【0012】
(3)また、根固め部に強化構造体を有する基礎杭は、従来の基礎杭構造を全体として各強度を比較した時、高強度の鉛直支持力に比べて、前記の杭軸部の水平耐力や圧縮力が不足であることに加えて、更に、引抜き力に関しても強度が従来値であって不足であり、鉛直支持力増に見合った高引抜き力も得られず、杭基礎の各強度が全くバランスの取れていない状況となっていた。
【0013】
即ち、総合的に各杭耐力がバランスの取れた値になっておらず、根固め部の高鉛直支持力を充分生かした杭基礎が実現できなかった。
【0014】
【課題を解決するための手段】
然るにこの発明では、強化構造体の最大外径と同一寸法以上の外径を有する突起を形成した既製杭を使用し、あるいは、既製杭の寸法形状調節部又は少なくとも1つの突起を、杭穴の根固め部内に位置させると共に、既製杭の底面と杭穴底との間及び寸法形状調整部と根固め部の上縁部との間に、所定強度のセメント固化物層を形成した状態で、既製杭を埋設し、更に既製杭は、根固め部内での既製杭の底面や強化構造体及び突起の上下面から夫々せん断力が充分に発現するように埋設して、基礎杭構造を構成したので、前記問題点を解決した。
【0015】
即ち、既製杭の発明では、単独で使用し又は上端に他の杭を連結して使用し得る杭基体であって、杭穴の根固め部に配置される位置に、拡径可能な強化構造体を前記杭基体の外側面に沿って取付けると共に、前記杭基体で、前記杭穴の根固め部に配置される位置であって、前記強化構造体の上方に上方突起を、下方に下方突起を夫々形成し、前記各突起は、折り畳まれた状態の前記強化構造体の最大外径と同一寸法以上の外径を有する突起とし、前記上方突起の上縁は前記根固め部の上縁よりも下方に位置するように形成し、前記下方突起は、前記杭基体に鉛直荷重が作用した場合に、該下方突起から下方に向けて前記根固め部にせん断力が有効に伝搬できるように形成したことを特徴とする既製杭である。
【0016】
また、他の既製杭の発明は、単独で使用し又は上端に他の杭を連結して使用し得る杭基体であって、杭穴の根固め部に配置される位置に、前記杭基体の上部より下方に、寸法形状調整部を介して、縮径した細径軸部を形成し、該細径軸部に、拡径可能な強化構造体を該杭の外側面に沿って取付けると共に、前記強化構造体の下方であって前記杭穴の根固め部に配置される位置に、下方突起を形成し、前記下方突起及び前記杭基体の周囲外径を、折り畳まれた状態の前記強化構造体の最大外径と同一寸法以上の外径に形成し、前記寸法調節部の上縁は前記根固め部の上縁より下方に位置するように形成し、前記下方突起は、前記杭基体に鉛直荷重が作用した場合に、該下方突起から下方に向けて前記根固め部にせん断力が有効に伝搬できるように形成したことを特徴とする既製杭である。
【0017】
また、前記既製杭の発明において、折り畳まれた状態の強化構造体の最大外径と同一寸法以上の外径を有する突起は、杭基体に、埋設予定の杭穴の軸部に位置するように、少なくとも1つ形成すると共に、前記杭穴の根固め部に位置するように、少なくとも1つ形成したことを特徴とする既製杭である。
【0018】
また、基礎杭構造の発明は、軸部の下端部に根固め部を有する杭穴内に、縮拡可能な強化構造体を取り付けた既製杭を埋設し、前記杭穴と既製杭との間にセメント固化物を充填した杭基礎構造であって、杭穴軸部を拡開した強化構造体より小径に形成し、前記既製杭の強化構造体の下方に、縮径して収容した強化構造体より大径の下方突起を形成し、前記既製杭の下端部の強化構造体を拡開して、前記強化構造体を杭穴の根固め部内に位置させ、前記強化構造体の上方に形成した寸法調節部又は上方突起を、その上縁が前記根固め部の上縁よりも下方に位置するように、前記根固め部内に位置させ、前記下方突起は、前記杭基体に鉛直荷重が作用した場合に、該下方突起から下方に向けて前記根固め部にせん断力が有効に伝搬できるように位置させたことを特徴とする基礎杭構造である。
【0019】
また、構築方法の発明は、
(a) 所定外径寸法の根固め部を有する杭穴を掘削すると共に、 該杭穴内にセメントミルクを注入する。
(b) 下端部に強化構造体を折り畳んだ既製杭であって、前記既製杭で、前記強化構造体の上方に上方突起又は寸法形状調節部が形成され、かつ前記強化構造体の下方に、下方突起が形成され、前記強化構造体は最外側が既製杭の最大外径より小さく折り畳まれており、前記既製杭を杭穴のセメントミルク内に、挿入する。
(c) 強化構造体が杭穴の根固め部に達したならば、強化構造体を拡開すると共に、前記上方突起又は寸法形状調節部を前記根固め部内に位置させ、前記下方突起は、前記杭基体に鉛直荷重が作用した場合に、該下方突起から前記根固め部にせん断力が有効に伝搬できるように位置させ、杭穴底と既製杭の下端との間及び前記寸法形状調節部と根固め部との間に所定強度で、所定高さのセメントミルク層が形成されるように、保持する。
(d) セメントミルクが固化発現後、基礎杭構造を形成する。
以上の手順で構築することを特徴とした基礎杭の構築方法である
【0020】
前記における所定固化強度以上となるセメントミルク層とは、掘削泥土と置換されたセメントミルク又はセメントミルクと掘削泥土を撹拌混合して形成されるソイルセメントが、固化した状態の強度で、周辺地盤(支持地盤)の地盤強度と力学的に同質以上の強度となることをいう。
【0021】
前記における「杭基体の周囲外周」とは、強化構造体を設置した部分以外の杭基体の外周であり、「形状寸法調整部の上方のみ」あるいは、「形状寸法調整部の上方と細径軸部で、強化構造体を設置した部分以外」の両方を指す。
【0022】
【発明の実施の形態】
(1) この発明の既製杭は、杭基体の縮径軸部に強化構造体を取り付けた構成となっている。杭基体は、上端部が大径で、その下方に小径の縮径軸部を連設した形状で、上端部と縮径軸部との間に、形状寸法調節部が形成されている。即ち、強化構造体を取り付けた縮径軸部に、所望外径の上端部を形成する為に形状寸法調節部で形状寸法が調節される。また、杭基体の縮径軸部には、強化構造体の下方位置に、折畳んだ強化構造体を保護できる環状突起を形成する。即ち、強化構造体は、その上下を大径の上端部の形状寸法調整部及び環状突起により挟まれ、折畳んだ状態を保護される。
【0023】
杭基体の上端部にも1又は複数の環状突起を形成する。この場合には、環状突起と形状寸法調節部を同一高さに形成することもできる。
【0024】
強化構造体は、杭穴の軸部通過時は折り畳まれ、杭穴の根固め部で、拡開して既製杭の上端部の外径より大径となる構造であれは、その構造は問わない。例えば、縮径可能な各種鉄筋かご、折畳み可能でセメントミルクを注入して拡径できる筒状の袋体等が考えられる。
【0025】
(2) セメント固化物(セメントミルクなど)が充填された杭穴内に既製杭を埋設して、この発明の基礎杭構造を構成する。杭穴の根固め部内に、既製杭の強化構造体、形状寸法調節部が配置される。また、杭穴の根固め部の底と既製杭の下端とは所定距離(既製杭の軸径程度)を空けて配置する。
【0026】
即ち、基礎杭構造に鉛直荷重又は引抜力が作用した際に、杭穴の根固め部内の既製杭の底面、強化構造体及び突起の上下面から夫々せん断力が充分に発現するように、杭穴内に既製杭を配置すると共に、セメント固化物の強度は、支持地盤と力学的に同質以上の強度となるように形成して充填して、基礎杭構造とする。
【0027】
従って、所要の鉛直支持力及び引抜力に応じて、強化構造体(鉄筋かごや筒状の袋体等)と突起との間隔や、鉄筋かごを構成する鉄筋の間隔等を適宜調節して、各部の有効面積を増減して、せん断力を調節することが可能である。
【0028】
【実施例1】
図1、図2に基づきこの発明の実施例を説明する。
【0029】
[A]既製杭の構成
【0030】
上端部(上部軸部)2が外径Dで形成され、段差部(形状寸法調節部)3を経て、縮径され外径Dとなる縮径軸部4が下端5まで続いて形成され、杭基体1を構成する。前記杭基体1は、逆にいえば、軸径Dの下部軸部4の上部に外径Dの膨大部が形成される構造となる。また、前記杭基体1の上端には、上方に他の杭を接合する為の外径Dの上端板6が形成されている。また、杭基体1は、上端部2の中間部及び段差部3に、外径Dの環状突起8、8が形成され、また、縮径軸部4の下端部に、外径Dの環状突起7が形成されている。前記における杭基体1の中間部の環状突起8、8は、既製杭を杭穴内に埋設した際に、少なくとも1つ(1つ又は複数個)の環状突起8、8が、構築予定の杭穴の軸部に位置するように配置される。尚、ここでは1つの環状突起8が、杭穴軸部に配置され、また他の環状突起8の1つが、杭穴根固め部内に配置できるような位置に形成される。
【0031】
以上のように形成されたコンクリート系の杭基体1の縮径軸部4に、折り畳み鉄筋篭(強化構造体)10を固定する。折り畳み鉄筋篭10は、以下のように構成する。
【0032】
即ち、縮径軸部4で段差部3の直下に鋼製バンド11が固定され、鋼製バンド11に、円弧状の拡開腕(鋼製)12、12の基端13を水平面内で回動自在に取付ける。拡開腕12は、縮径軸部4の外表面に沿って収容され、拡開して、放射状に突出することができる。円周方向に6分割された形状の6つの拡開腕12、12が、1つの鋼製バンド11に等間隔に配置される。同様に環状突起7の直上にも鋼製バンド11が固定され、6つの拡開腕12、12が取り付ける。
【0033】
前記上下の拡開腕12、12は同位置に配置され、上下に位置する拡開腕12の先端に、縦鉄筋14の上下が接合連結されている。また、上下に位置する拡開腕12の中間位置にも、縦鉄筋15の上下が接合連結されている。また、縦鉄筋14、15の外側に、拡開腕12、12が最も開いた状態を保持できる環状のチェーン(形状柔軟性鋼材)16、16を固定する。チェーン16は、縦鉄筋14、15を束ねるフープ鉄筋の機能を有し、上下に2つ配置される。前記拡開腕12、チェーン16から斜め上方(通常、鉛直上方となす角度30度程度)又は斜め下方(通常、鉛直となす角度30度程度)にせん断力が充分に発現されるように、拡開腕12、チェーン16、チェーン16の間隙Hを、軸径D(例えば50cm)程度に保って配置する。以上で、折り畳み鉄筋篭10を構成する。
【0034】
前記における折り畳み鉄筋篭10の拡開腕12、チェーン16は、セメント固化物層内で構造材として作用するので、前記間隙Hとなるように上下の間隔を保てば、拡開腕12、チェーン16の周縁から生じるせん断力の伝搬が干渉することなく、有効なせん断力の伝搬が図られる。
【0035】
以上のようにして、基礎杭18を構成する(図1(a))。折り畳み鉄筋篭10の拡開腕12、12(縦鉄筋14、15)を折畳んだ状態(縮径軸部に沿って収容した状態)で、折り畳み鉄筋篭10の最外側(D21)は、杭基体1の最も大径の部分、即ち上端部2の環状突起8(径D)や環状突起7(径D)と同一径又はより小さな径としてある。即ち、収容状態の折り畳み鉄筋篭10が、杭基体1の最外側より突出しないようになっている(図2(a))。
【0036】
[B]基礎杭構造の構築
【0037】
(1) 先ず、前記既製杭1を埋設する杭穴20を準備する。即ち、基礎杭を築造する施工地点において、先ず、地面より、掘削機の掘削ヘッドを利用して、既製杭18の最大外径(環状突起8又は環状突起7の外径。即ち折り畳み鉄筋篭10の折畳んだ状態の外径より大きい寸法)より所定径(3cm程度)だけ大径の径D11の杭穴軸部21を掘削する。所定深度まで杭穴軸部21を掘削した後、掘削外径を拡大して、拡大根固め部22を掘削する。拡大根固め部22の径D12、高さHは、拡開した状態の折り畳み鉄筋篭10を所定位置に埋設し、既製杭1(鉄筋篭10を含む)からのせん断力が充分に発現できるような外径寸法で形成する。
【0038】
(2) 引き続き杭穴20内に、所定の固化強度のセメントミルクを注入・充填し、所定の根固め部22、杭穴軸部21とする。前記におけるセメントミルクの固化強度は、根固め部22で、20N/mm、軸部21で、20N/mm程度に設定して注入する。セメントミルクの注入・充填は、杭穴20内の掘削泥土をセメントミルクと置換し、あるいは杭穴20内の掘削泥土とセメントミルクとを撹拌混合してソイルセメントを形成して、所望の固化強度を確保する。尚、ここで所望の固化強度とは、周辺地盤(支持地盤)の地盤強度と力学的に同質以上の強度になるように形成する。
【0039】
前記における根固め部22へのセメントミルクの注入充填は、下記の(a)〜(d)の方法等により、求める基礎杭構造の必要性、即ち性能とコスト等により、適宜使い分けることができる。
(a) 杭穴20(拡大根固め部22)の底23から、注入口(掘削ロッド)を引き上げながらセメントミルクを注入し、拡大根固め部22の最上部(形状寸法調節部24)に達するまでに全量吐出しソイルセメント層からなる根固め層を形成する。従来の方法である。
(b) 全吐出量を1/3 量づつ3回に分けて、まず、1/3 量を杭穴の底23付近で撹拌しながら吐出し、次に1/3 量を引き上げ撹拌しながら吐出し、最後に、1/3 量を撹拌しながら拡大根固め部22内で、上下2往復させながら吐出を完了させる。均一な固化強度を得る上で、効果的な方法である。
(c) 先ず、杭穴20の底23からセメントミルクを吐出撹拌しながら拡大根固め部22内を上下2往復させて、最上部(形状寸法調節部24)で完了させる。簡便に固化強度を高める上で、効果的な方法である。
(d) 先ず、杭穴20の底23でセメントミルクを全量吐出する。これはシルト等が混入し、地層が良くない場合に主に採用される方法である。
【0040】
(3) 続いて、前記既製杭18を下杭として、上端板6に外径D(=D)の上杭26を接合しながら、杭穴20内に沈設する。
【0041】
この際、折り畳まれて縮径した折り畳み鉄筋篭10は外径D21であり、既製杭18の杭基体1の最外側より内側に収まっているので(D21<D、D21<D)、とりわけ、下端部の環状突起7がガイドとなり、既製杭1を沈設している途中に不慮に折り畳み鉄筋篭10が開くおそれが少ない。また、この下端部の環状突起7の外径が、沈設作業時に折り畳まれている折り畳み鉄筋篭10の外径と同一寸法以上の大径としてあるので、既製杭18の沈設時にガイドとなり既製杭18の沈設作業時に、折り畳み鉄筋篭10が杭穴壁や掘削土などの応力が直接作用しないようにされており、縦鉄筋14、15、拡開腕12等変形、破損が防止できる。
【0042】
(4) 続いて、既製杭18の折り畳み鉄筋篭10が、杭穴20の拡大根固め部22内に配置されたならば、既製杭18(上杭26)を回転させて、あるいは従来の他の拡開手段(油圧など)で、折り畳み鉄筋篭の拡開腕12、12を開く(外径D22)。
【0043】
(5) また、既製杭18の段差部3、即ち上端部2の環状突起8、8の下側の環状突起8も、拡大根固め部22内に配置され、既製杭18の段差部3の上縁は、杭穴20の拡大根固め部22の上縁24より、高さHu3(例えば、50cm程度)だけ下方に位置して、かつ杭穴底と既製杭の底との高さHが、既製杭の外径D以上(例えば、50cm程度)とする。これにより、せん断力が充分に発現できるような充分な固化セメントミルク層の厚さを確保できる。
【0044】
以上の状態で、既製杭18、上杭26を保持して、セメントミルクを固化発現させて、この発明の基礎杭構造28を構築する(図1(b)、図2(b))。
【0045】
前記において、折り畳み鉄筋かご10を有する既製杭18では、既製杭18の上端部に環状突起8があり、環状突起8の外径Dが既製杭18の軸部外径D(=上杭26の外径D)より大きい場合、杭穴20の軸部21の径D11と既製杭18の軸部外径Dとの差が大きくなり、杭穴20の軸部21内での間隙が広く形成される。従って、既製杭18を杭穴20の拡大根固め部22に設置する際に、環状突起8が杭穴20の軸部21内に無い場合(総ての環状突起8が拡大根固め部22内に配置される場合)、杭穴20の軸部21において既製杭18(上杭26)をセンタリングする作業が難しくなる。よって、このような既製杭18(上杭26)を杭穴20内の中央部(軸を合わせて)に確実に設置するためには、既製杭18を所定位置に埋設した状態で、杭穴20の軸部21に、環状突起8が位置するように、杭基体1に環状突起8を形成することが望ましい。このような、杭穴20の軸部21に配置される環状突起8は、少なくとも1つ必要であり、複数個形成することもでき、また杭穴20の拡大根固め部22内に配置される環状突起8と略同一寸法で形成することが望ましい。
【0046】
また、このように形成される杭穴20の軸部21に配置される環状突起8が、杭穴20の拡大根固め部22の近傍(直上付近)に位置すれば(図1(b))、基礎杭構造28に鉛直荷重が作用した場合、その杭穴20の軸部21の環状突起8においても、下方(拡大根固め部22側)へ向けてせん断力が伝搬し、せん断力の有効な発現により鉛直荷重の分散が図れ、高い支持力を発揮できる。
【0047】
また、このように基礎杭構造28を築造することにより、基礎杭構造28(既製杭18、上杭26)に荷重が作用した場合、拡大根固め部22内では拡開した鉄筋篭10により高鉛直支持力が得られると共に、既製杭18の底面5、環状突起7、段差部3(即ち下側の環状突起8)からも下方へ向けて斜め外方にせん断力が有効に伝搬して高鉛支持力が得られることに加えて、上杭26を下杭(既製杭18)の縮径軸部4に比して大径化でき、所望水平耐力を容易に確保できる。更に、基礎杭構造28(既製杭18、上杭26)に引抜力が作用した場合にも、拡大根固め部22内で、既製杭18の鉄筋篭10、環状突起7、段差部3(即ち下側の環状突起8)から上方へ向けて斜め外方にせん断力が有効に伝搬して、従来の2倍程度まで耐力が実現でき、各耐力のバランスが取れた基礎杭構造28が実現できる。
【0048】
また、杭穴20の深度が深い場合には軸部21で多数の杭を連結する必要があるが、既製杭18の杭径を変化させる段差部3を、杭穴20の拡大根固め部22内に配置したので、杭穴20の軸部21内では、応力が集中する杭径を変化させる部分を不要にでき、基礎杭構造全体としての耐力を高めることができる。
【0049】
即ち、下杭である既製杭18の上端部2に、必要な上杭の杭径に応じた径を採用すれば、杭穴20の軸部21内では、同径の既製杭の接合で打ち継ぐことができる。よって、杭穴20の軸部21における所要耐力を満たす大径寸法を採用すできるので、杭穴20の軸部21での連結において、同一寸法の杭材でかつ所要強度に見合った杭種が連結でき、実務上、従来から強度に問題があるとされている軸部での異なる寸法・形状同志での杭連結を避けることが出来る。
【0050】
また、加えて、折り畳み鉄筋篭10も下方の環状突起7と環状突起8との大径部分の間に挟まれることとなり、変形予防が更に確実となり鉄筋篭としての品質的にもより安定し、杭穴20の軸部21の掘削径も一定寸法にできること等施工管理面からも経済的となる。
【0051】
[C]他の実施例
【0052】
(1) 前記実施例において、折り畳み鉄筋篭10は、拡開腕12、縦鉄筋14、15、チェーン16等により構成したが、折り畳み時に杭基体1の側面に沿って収容でき、拡開して所定強度を発揮できる構造であれば、他の構造を採用することもできる(図示していない)。
【0053】
また、前記実施例において、拡開腕12とチェーン16の間隔、チェーン16同志の間隙を夫々Hとしたが、各間隔は所定間隔(D程度)であれば、同一のHに設定する必要は無い。
【0054】
また、前記実施例において、杭基体1に環状突起7を形成することが望ましいが、既製杭18の沈設時に折り畳み鉄筋篭10を保護できれば、所定間隔で環状に配置した突起でも可能である(図示していない)。また、環状突起8の形状も同様である。
【0055】
また、前記実施例において、杭基体1は同様な形状に構成できれば、コンクリート系、鋼管系、あるいはそれらの組合せなどその材質は問わないが、該環状突起等を支持力増強に利用する場合はコンクリート杭が望ましい。尚、通常の節付きコンクリート杭の軸径、節径と同様な形状、寸法で対応可能であるので、調達上望ましい。即ち、通常の節付きコンクリート杭を杭基体1として採用し鉄筋篭10を取付けることもできる。
【0056】
また、前記実施例において、杭基体1は上端部に他の杭と連結するための上端板6を形成したが、単独で使用する場合には、他の杭と連結する為の端板を不要とすることもできる(図示していない)。
【0057】
(2) 前記実施例において、既製杭に、ストレート状の上杭26を接合したが、求める軸部の要求仕様に応じて、いわゆる節杭等のように突起を有する上杭を採用することもできる(図示していない)。
【0058】
また、前記実施例において、2つの環状突起8、8の内下側の環状突起8のみを拡大根固め部22内に配置したが、2つの環状突起8、8のいずれも拡大根固め部22内に配置することもできる(図示していない)。
【0059】
また、前記実施例において、杭穴の軸部又は杭穴の根固め部に位置する、杭基体1の中間部の環状突起8、8を夫々1つづつ形成したが、複数個つづ形成することもできる(図示していない)。
【0060】
また、前記実施例において、杭穴20は軸部21を細くして根固め部を拡径掘削することが杭基礎構造全体としての耐力や掘削効率上望ましいが、基礎杭構造の所要耐力に応じて、開いた折り畳み鉄筋篭10を収容できる径として、ストレート状の杭穴20として、強化したセメントミルクを注入して根固め部とすることもできる(図示していない)。
【0061】
【実施例2】
図2、図3に基づきこの発明の実施例を説明する。この実施例は、実施例1とは、杭基体1の形状が異なる実施例である。
【0062】
[A]既製杭の構成
【0063】
(1) 上端部2が外径Dで形成され、徐々に径が細くなる段差部(寸法形状調節部)3を経て、外径Dとなる縮径軸部4が下端まで続いて形成され、杭基体1を構成する。前記杭基体1は、異なる捉え方をすれば、軸径Dの軸部4の上端に外径Dの膨大部が形成される構造となる。また、前記杭基体1の上端には、上方に他の杭(外径D)を接合する為の外径D(D=D)の上端板6が形成されている。また、杭基体1は、縮径軸部4の下端部に、外径Dの環状突起7が形成されている。
【0064】
以上のように形成されたコンクリート系の杭基体1の縮径軸部4に、折り畳み鉄筋篭(強化構造体)10を固定する。折り畳み鉄筋篭10は、以下のように構成する。
【0065】
即ち、縮径軸部4で段差部3の直下に鋼製バンド11が固定され、鋼製バンド11に、円弧状の拡開腕(鋼製)12、12の基端13を水平面内で回動自在に取付ける。拡開腕12は、縮径軸部4の外表面に沿って収容され、拡開して、放射状に突出することができる。円周方向に6分割された形状の6つの拡開腕12、12が、1つの鋼製バンド11に等間隔に配置される。同様に環状突起7の直上にも鋼製バンド11が固定され、6つの拡開腕(鋼製)12、12が取り付ける。
【0066】
前記上下の拡開腕12、12は同位置に配置され、上下に位置する拡開腕12の先端に、縦鉄筋14の上下が接合連結されている。また、上下に位置する拡開腕の中間位置にも、縦鉄筋15の上下が接合連結されている。また、縦鉄筋14、15の外側に、拡開腕12、12が最も開いた状態を保持できる環状のチェーン(形状柔軟性鋼材)16、16を固定する。チェーン16は、縦鉄筋14、15を束ねるフープ鉄筋の機能を有し、上下に2つ配置される。前記拡開腕12、チェーン16から斜め上方又は斜め下方にせん断力が充分に発現されるように、拡開腕12、チェーン16、チェーン16の間隙Hを、軸径D(所定の固化強度を有するソイルセメント層内で、有効なせん断力の伝搬が図れるように、例えば50cm)程度に保って配置する。以上で、折り畳み鉄筋篭10を構成する。
【0067】
前記における折り畳み鉄筋篭10の拡開腕12、チェーン16は、セメント固化物層内で構造材として作用するので、前記間隙Hとなるように上下の間隔を保てば、拡開腕12、チェーン16の周縁から生じるせん断力の伝搬が干渉することなく、有効なせん断力の伝搬が図られる。
【0068】
以上のようにして、基礎杭18を構成する(図3(a))。折り畳み鉄筋篭10の拡開腕12、12(縦鉄筋14、15)を折畳んだ状態(縮径軸部に沿って収容した状態)で、折り畳み鉄筋篭10の最外側(D21)は、杭基体1の最も大径の部分、即ち上端部2(径D)や環状突起7(径D)と同一径又はより小さな径としてある。即ち、収容状態の折り畳み鉄筋篭10が、杭基体1の最外側より突出しないようになっている(図2(a)参照、図3(a))。
【0069】
[B]基礎杭の構築
【0070】
(1) 先ず、前記既製杭1を埋設する杭穴20を準備する。即ち、基礎杭を築造する施工地点において、先ず、地面より、掘削機の掘削ヘッドを利用して、既製杭18の最大外径(上端部2又は環状突起7の外径。即ち折り畳み鉄筋篭10の折畳んだ状態の外径より大きい寸法)より所定径(3cm程度)だけ大径の径D11の杭穴軸部21を掘削する。所定深度まで杭穴軸部21を掘削した後、掘削外径を拡大して、拡大根固め部22を掘削する。拡大根固め部22の径D12、高さHは、拡開した状態の折り畳み鉄筋篭10を所定位置に埋設し、既製杭1(鉄筋篭10を含む)からのせん断力が充分に発現できるような外径寸法で形成する。
【0071】
(2) 引き続き杭穴20内に、所定の固化強度のセメントミルクを注入・充填し、所定の根固め部22、杭穴軸部21とする。前記におけるセメントミルクの固化強度は、根固め部22で、20N/mm、軸部21で、20N/mm程度に設定する。セメントミルクの注入・充填は、杭穴20内の掘削泥土をセメントミルクと置換し、あるいは杭穴20内の掘削泥土とセメントミルクとを撹拌混合してソイルセメントを形成して、所望の固化強度(支持地盤の地盤強度と力学的に同質以上となる強度)を確保する。
【0072】
前記における根固め部22へのセメントミルクの注入充填は前記実施例1と同様である。
【0073】
(3) 続いて、前記既製杭18を下杭として、上端板6に外径D(=D)の上杭26を接合しながら、杭穴20内に沈設する。
【0074】
この際、折り畳まれた折り畳み鉄筋篭10は外径D21であり、既製杭18の杭基体1の最外側より内側に収まっているので(D21<D、D21<D)、とりわけ、下端部の環状突起7がガイドとなり、既製杭1を沈設している途中に不慮に折り畳み鉄筋篭10が開くおそれが少ない。また、この下端部の環状突起7の外径が、沈設作業時に折り畳まれている折り畳み鉄筋篭10の外径と同一寸法以上の大径としてあるので、既製杭18の沈設時にガイドとなり既製杭18の沈設作業時に、折り畳み鉄筋篭10が杭穴壁や掘削土などの応力が直接作用しないようにされており、縦鉄筋14、15、拡開腕12等変形、破損が防止できる。
【0075】
(4) 続いて、既製杭18の折り畳み鉄筋篭10が、杭穴20の拡大根固め部22内に配置されたならば、既製杭18(上杭26)を回転させて、折り畳み鉄筋篭の拡開腕12、12を開く(外径D22)。
【0076】
(5) また、既製杭18の段差部3も拡大根固め部22内に配置され、既製杭18の段差部3の上縁は、杭穴20の拡大根固め部22の上縁24より、高さHu3(例えば、50cm程度)だけ下方に位置して、かつ杭穴底と既製杭の底との高さHが、既製杭の外径D以上(例えば、50cm程度)とする。これにより、せん断力が充分に発現できるような充分な固化セメントミルク層の厚さを確保できる。
【0077】
以上の状態で、既製杭12、上杭26を保持して、セメントミルクを固化発現させて、この発明の基礎杭構造28を構築する(図3(b)、図2(b)参照)。
【0078】
このように基礎杭構造28を築造することにより、基礎杭構造28(既製杭18、上杭26)に荷重が作用した場合、拡大根固め部22内では拡開した鉄筋篭10により高鉛直支持力が得られると共に、既製杭18の底面5、環状突起7、段差部3からも下方へ向けて斜め外方にせん断力が有効に伝搬して高鉛支持力が得られることに加えて、上杭26を下杭(既製杭18)の縮径軸部4に比して大径化でき、所望水平耐力を容易に確保できる。更に、基礎杭構造28(既製杭18、上杭26)に引抜力が作用した場合にも、拡大根固め部22内で、既製杭18の鉄筋篭10、環状突起7等3から上方へ向けて斜め外方にせん断力が有効に伝搬して、従来の2倍程度まで耐力が実現でき、また段差部3の強度も根固め部全体で増強されており、各耐力のバランスが取れた基礎杭構造28が実現できる。
【0079】
また、杭穴20の深度が深い場合には軸部21で多数の杭を連結する必要があるが、既製杭18の杭径を変化させる段差部3を、杭穴20の拡大根固め部22内に配置したので、杭穴20の軸部21内では、応力が集中する杭径を変化させる部分を不要にでき、基礎杭構造全体としての耐力を高めることができる。
【0080】
即ち、下杭である既製杭18の上端部2に、必要な上杭の杭径に応じた径を採用すれば、杭穴20の軸部21内では、同径の既製杭の接合で打ち継ぐことができる。よって、杭穴20の軸部21における所要耐力を満たす大径寸法を採用できるので、杭穴20の軸部21での連結において、同一寸法の杭材でかつ所要強度に見合った杭種が連結でき、実務上、従来から強度に問題があるとされている軸部での異なる寸法・形状同志での杭連結を避けることが出来る。
【0081】
また、加えて、折り畳み鉄筋篭10も下方の環状突起7と上端部2との大径部分の間に挟まれることとなり、変形予防が更に確実となり鉄筋篭としての品質的にもより安定し、杭穴20の軸部21の掘削径も一定寸法にできること等施工管理面からも経済的となる。
【0082】
また、前記において、折畳んだ状態の折り畳み鉄筋かご10の最大外径D21は、杭基体1の最大外径、即ち上端部2の径Dと同等又は小径に形成したので(図3(a))、杭穴20の軸部21(径D11)と既製杭18の軸部外周(径D=上杭26の軸部外径D)との間隙を小さくできる。従って、実施例1(図1)のようにセンタリング用の環状突起8を形成することなく、既製杭18(上杭26)と杭穴20の軸部21との軸合わせ作業が容易となり、既製杭18を杭穴20の拡大根固め部22内に納めることができる利点がある。
【0083】
[C]他の実施例
基礎杭18、構築方法などの他の実施例は、前記実施例1と同様である。
【0084】
【実施例3】
図4、図5に基づきこの発明の他の実施例を説明する。この実施例は、実施例1、2と強化構造体の構成が異なる。
【0085】
[A]既製杭33の構成
【0086】
実施例1と同様に、杭基体1を構成する。即ち、杭基体1を構成する。即ち、上端部(上部軸部)2が外径Dで形成され、段差部(形状寸法調節部)3を経て、縮径され外径Dとなる縮径軸部4が下端5まで続いて形成され、杭基体1を構成する。前記杭基体1は、逆にいえば、軸径Dの下部軸部4に外径Dの膨大部が形成される構造となる。また、前記杭基体1の上端には、上方に他の杭を接合する為の外径Dの上端板6が形成されている。また、杭基体1は、上端部2の中間部及び段差部3に、外径Dの環状突起8、8が形成され、また、縮径軸部4の下端部に、外径Dの環状突起7が形成されている。
【0087】
前記杭基体1の縮径軸部4に、上下の鋼製バンド31、31で、柔軟筒体(強化構造体)30を取付ける。柔軟筒体30は、内部に高圧縮強度のセメントミルクを充填すると、縮径軸部4を拡径した形状に膨らますことができ、杭基体1と構造的に一体となる。前記柔軟筒体30は、通常時は折り畳まれ、縮径軸部4に沿って収容できる。
【0088】
前記柔軟筒体30の材質は、金属、天然樹脂又は合成樹脂からなる布やシート等からなり、内部にセメントミルクを注入した際に、ある程度高圧で注入しても破れない強度と、セメントミルクが外に漏れない性質で、かつセメントミルクから脱水され、柔軟筒体30内のセメントミルクを固化できる材質であることが必要とされる。
【0089】
以上のようにして、既製杭33を構成する(図4(a))。
【0090】
[B]基礎杭構造36の構築
【0091】
(1) 実施例1と同様に、外径D11の杭穴の軸部21の下端部に、外径D12の拡大根固め部22を有する杭穴20を掘削する。
【0092】
(2) 杭穴20内に、所定の固化強度のセメントミルクを注入・充填し、所定の根固め部22、杭穴軸部21とする。前記におけるセメントミルクの固化強度は、前記実施例1と同様である。セメントミルクの注入・充填は、杭穴20内の掘削泥土をセメントミルクと置換し、あるいは杭穴20内の掘削泥土とセメントミルクとを撹拌混合してソイルセメントを形成して、所望の固化強度を確保する。前記における根固め部22へのセメントミルクの注入充填は、実施例1と同様である。
【0093】
(3) 続いて、既製杭33を下杭として、上端端板6に外径D(=D)の上杭26を接合しながら、杭穴20内に沈設する(図4(a))。
【0094】
この際、折り畳まれて縮径した柔軟筒体30は外径D21であり、既製杭18の杭基体1の最外側より内側に収まっているので(D21<D、D21<D)、とりわけ、下端部の環状突起7がガイドとなり、既製杭1を沈設している途中に不慮に柔軟筒体30が開くおそれが少なく、また柔軟筒体30を保護できる。
【0095】
(4) 続いて、既製杭18の柔軟筒体30が、杭穴20の拡大根固め部22内に配置されたならば、地上から柔軟筒体30内にセメントミルクを注入して、柔軟筒体を外径D22に拡げる。セメントミルクの注入は、既製杭33の中空部34中又は既製杭33と杭穴20の間隙中に挿入した注入管から加圧注入する(図示していない)。また、注入管は既製杭33、上杭26の肉厚内に予め埋設することもできる(図示していない)。
【0096】
(5) また、既製杭33の段差部3も拡大根固め部22内に配置され、既製杭18の段差部3の上縁は、杭穴20の拡大根固め部22の上縁24より、高さHu4が既製杭33の外径D程度(例えば、50cm程度)だけ下方に位置して、かつ杭穴底と既製杭の底との高さHが、既製杭の外径D以上(例えば、50cm程度)とする。
【0097】
以上の状態で、既製杭33、上杭26を保持して、セメントミルクを固化発現させて、既製杭33(柔軟筒体30を含む)のせん断力が充分発現できる位置に配置したこの発明の基礎杭構造36を構築する(図4(b))。
【0098】
このように基礎杭構造36を築造することにより、実施例1と同様に、基礎杭構造36(既製杭18、上杭26)に荷重又は引抜力が作用した場合、拡大根固め部22内で、せん断力が効率よく伝搬して高鉛支持力をはじめ各種の高耐力が得られる。その他、実施例1と同様の作用効果を得られる。
【0099】
[C]他の構成
【0100】
(1) 前記実施例の既製杭33において、杭基体1を実施例2と同様に形成することもできる。即ち、上端部2が外径Dで形成され、徐々に径が細くなる段差部(寸法形状調節部)3を経て、外径Dとなる縮径軸部4が下端まで続いて形成され、杭基体1を構成する。前記杭基体1は、異なる捉え方をすれば、軸径Dの軸部4の上端に外径Dの膨大部が形成される構造となる。また、前記杭基体1の上端には、上方に他の杭(外径D)を接合する為の外径D(D=D)の上端板6が形成されている。また、杭基体1は、縮径軸部4の下端部に、外径Dの環状突起7が形成されている(図5(a))。
【0101】
この場合も、前記実施例と同様に、杭穴20内に埋設して、基礎杭構造36を構成できる(図5(a)(b))。
【0102】
(2)その他前記実施例1、2と同様である。
【0103】
【発明の効果】
この発明の基礎杭構造は、拡開可能な強化構造体を有するので、折り畳んで、小さな杭穴軸部を挿通して、杭穴根固め部で拡開して大径の既製杭とすることができ、小さな杭穴軸部径で、より大きな支持力を発揮できる効果がある。加えて基礎杭構造は、根固め部内において、既製杭及び強化構造体における鉛直荷重又は引抜力によって、生じる斜め下方又は斜め上方のせん断力を充分発揮できるように築造したので、更に大きな支持力を発揮できる。
【0104】
また、杭基体に、折り畳まれた状態の強化構造体の最大外径と同一寸法以上の外径を有する突起を形成して既製杭を構成したので、基礎杭の沈設に際して強化構造体が変形したり、あるいは杭穴軸部で不慮に開くおそれもなく、強化構造体を保護できる。更に、折畳んだ強化構造体の外径より大径の突起を形成した場合には、確実に強化構造体を保護できる。
【0105】
また、既製杭の強化構造体の下方位置に、収容した強化構造体の外径と同一又はより大径の環状突起を形成すると共に、強化構造体の上方位置に、1個または複数個の突起を形成すれば、前記強化構造体の保護に加えて、両環状突起を杭穴の根固め部内に埋設すれば、鉛直荷重、引抜力の強化ができる。
【0106】
また、既製杭で、強化構造体の上方に突起を形成し、杭穴の根固め部内に埋設した場合には、引く抜き力を2倍以上へ増強できる。
【0107】
また、既製杭に寸法形状調節部を形成した場合に、傾斜段部を杭穴の根固め部内に埋設すれば、該部の強度が増加されると共に、杭穴の軸部内で軸径の変化部分が存在せず、基礎杭構造の上部での水平耐力を高めることができる。また、この発明の基礎杭を下杭として、上方に他の既製杭を上杭として接合する杭構成を取った場合、この発明の既製杭では、強化構造体の上方であって、杭穴の根固め部内に配置される位置に、上下杭の形状寸法調整部を形成しており、継杭連結が容易となり、上杭の所要曲げ強度の杭材種選定範囲が広くなった。同一杭材同志でも50%以上曲げ耐力の増強が期待できる。よって、連結部を根固め部内に埋設した杭の形状・寸法調整部を形成することにより、該部の強度が強化され、従来、殆ど実用化されていなかった、異なる形状・寸法の杭同志の連結が可能となった。
【0108】
また、寸法形状調整部を介して、縮径した細径軸部を形成し、細径軸部に、拡径可能な強化構造体を取付けた既製杭で、折り畳まれた強化構造体の最大外径と同一寸法以上の外径を有する環状突起を形成する等して大径にした場合、形状寸法調整部の位置又はその上方に突起を形成することなく、既製杭を埋設する際に、折畳んだ状態の強化構造体を保護できると共に、杭基体の上部の杭径や杭基体に接続する上杭の杭径を、折畳んだ状態の強化構造体より太くできる効果がある。
【0109】
また、強化構造体を有する基礎杭構造の構築において、掘削径の縮径により、掘削土の排出節減および掘削時間の節減ができ、総合的に産業排出物を節減できる効果がある。
【0110】
また、折り畳まれた状態の強化構造体の最大外径と同一寸法以上の外径を有する突起を、杭基体の埋設予定の杭穴の軸部に位置するように配置すれば、既製杭を拡大根固め部内に設置する際に、既製杭の軸と杭穴の軸とを合わせるセンタリングの作業が容易となる効果がある。更に、この埋設予定の杭穴の軸部に位置するように配置した突起を杭穴の根固め部近傍に配置される位置に設ければ、支持力の分散化が図られ、更に高支持力を発揮できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1の縦断面図で、(a)は既製杭を沈設中、(b)は既製杭の沈設が完了し基礎杭構造を構築した状態を夫々表す。
【図2】(a)は図1(a)のA−A断面図、(b)は図1(b)のB−B断面図である。
【図3】この発明の実施例2の縦断面図で、(a)は既製杭を沈設中、(b)は既製杭の沈設が完了し基礎杭構造を構築した状態を夫々表す。
【図4】この発明の実施例3の縦断面図で、(a)は既製杭を沈設中、(b)は既製杭の沈設が完了し基礎杭構造を構築した状態を夫々表す。
【図5】この発明の実施例3の他の実施例の縦断面図で、(a)は既製杭を沈設中、(b)は既製杭の沈設が完了し基礎杭構造を構築した状態を夫々表す。
【図6】この発明の従来例で、(a)は既製杭の一部斜視図、(b)は既製杭を沈設中、(c)は既製杭の沈設が完了し基礎杭構造を構築した状態を夫々表す。
【図7】同じく他の従来例で、(a)は既製杭を沈設中、(b)は既製杭の沈設が完了し基礎杭構造を構築した状態を夫々表す。
【符号の説明】
1 杭基体
2 上端部
3 段差部(寸法形状調節部)
4 縮径軸部
5 下端
6 上端板
7 環状突起(下)
8 環状突起(上)
10 折り畳み鉄筋篭
11 鋼製バンド
12 拡開腕
14 縦鉄筋(外側)
15 縦鉄筋(中間部)
16 チェーン
18 既製杭
20 杭穴
21 杭穴の軸部
22 杭穴の拡大根固め部
23 杭穴の底
24 杭穴の形状寸法調整部
26 上杭
28 基礎杭構造
30 柔軟筒体
31 鋼製バンド
33 既製杭
34 既製杭の中空部
36 基礎杭構造
40 折り畳み鉄筋篭(従来例)
41 既製杭(従来例)
42 拡開鉄筋(従来例)
43 縦鉄筋(従来例)
44 杭穴(従来例)
45 杭穴の軸部(従来例)
46 杭穴の根固め部(従来例)
47 布製筒体(従来例)
48 既製杭(従来例)
50 基礎杭構造(従来例)

Claims (5)

  1. 単独で使用し又は上端に他の杭を連結して使用し得る杭基体であって、杭穴の根固め部に配置される位置に、拡径可能な強化構造体を前記杭基体の外側面に沿って取付けると共に、前記杭基体で、前記杭穴の根固め部に配置される位置であって、前記強化構造体の上方に上方突起を、下方に下方突起を夫々形成し、
    前記各突起は、折り畳まれた状態の前記強化構造体の最大外径と同一寸法以上の外径を有する突起とし、前記上方突起の上縁は前記根固め部の上縁よりも下方に位置するように形成し、
    前記下方突起は、前記杭基体に鉛直荷重が作用した場合に、該下方突起から下方に向けて前記根固め部にせん断力が有効に伝搬できるように形成したことを特徴とする既製杭。
  2. 単独で使用し又は上端に他の杭を連結して使用し得る杭基体であって、杭穴の根固め部に配置される位置に、前記杭基体の上部より下方に、寸法形状調整部を介して、縮径した細径軸部を形成し、該細径軸部に、拡径可能な強化構造体を該杭の外側面に沿って取付けると共に、前記強化構造体の下方であって前記杭穴の根固め部に配置される位置に、下方突起を形成し、前記下方突起及び前記杭基体の周囲外径を、折り畳まれた状態の前記強化構造体の最大外径と同一寸法以上の外径に形成し、前記寸法調節部の上縁は前記根固め部の上縁より下方に位置するように形成し、
    前記下方突起は、前記杭基体に鉛直荷重が作用した場合に、該下方突起から下方に向けて前記根固め部にせん断力が有効に伝搬できるように形成した
    ことを特徴とする既製杭。
  3. 折り畳まれた状態の強化構造体の最大外径と同一寸法以上の外径を有する突起は、杭基体に、埋設予定の杭穴の軸部に位置するように、少なくとも1つ形成すると共に、前記杭穴の根固め部に位置するように、少なくとも1つ形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の既製杭。
  4. 軸部の下端部に根固め部を有する杭穴内に、縮拡可能な強化構造体を取り付けた既製杭を埋設し、前記杭穴と既製杭との間にセメント固化物を充填した杭基礎構造であって、
    杭穴軸部を拡開した強化構造体より小径に形成し、前記既製杭の強化構造体の下方に、縮径して収容した強化構造体より大径の下方突起を形成し、前記既製杭の下端部の強化構造体を拡開して、前記強化構造体を杭穴の根固め部内に位置させ、前記強化構造体の上方に形成した寸法調節部又は上方突起を、その上縁が前記根固め部の上縁よりも下方に位置するように、前記根固め部内に位置させ、
    前記下方突起は、前記杭基体に鉛直荷重が作用した場合に、該下方突起から下方に向けて前記根固め部にせん断力が有効に伝搬できるように位置させた
    ことを特徴とする基礎杭構造。
  5. (1) 所定外径寸法の根固め部を有する杭穴を掘削すると共に、 該杭穴内にセメントミルクを注入する。
    (2) 下端部に強化構造体を折り畳んだ既製杭であって、前記既製杭で、前記強化構造体の上方に上方突起又は寸法形状調節部が形成され、かつ前記強化構造体の下方に、下方突起が形成され、
    前記強化構造体は最外側が既製杭の最大外径より小さく折り畳まれており、前記既製杭を杭穴のセメントミルク内に、挿入する。
    (3) 強化構造体が杭穴の根固め部に達したならば、強化構造体を拡開すると共に、前記上方突起又は寸法形状調節部を前記根固め部内に位置させ、前記下方突起は、前記杭基体 に鉛直荷重が作用した場合に、該下方突起から前記根固め部にせん断力が有効に伝搬できるように位置させ、杭穴底と既製杭の下端との間及び前記寸法形状調節部と根固め部との間に所定強度で、所定高さのセメントミルク層が形成されるように、保持する。
    (4) セメントミルクが固化発現後、基礎杭構造を形成する。
    以上の手順で構築することを特徴とした基礎杭の構築方法。
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