JP4442443B2 - 既製杭の施工方法 - Google Patents
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(5)また、上記(3)又は(4)の地盤に貫入したケーシング付き既製杭のケーシングを引き上げる際に、該ケーシングの先端部から既製杭の外周にセメントミルクを注入するようにした。
(7)上記(2)〜(6)のいずれか1項のトルク伝達部を、既製杭の下部外周に設けた係止突部と、ケーシングの下部に設けられ前記係止突部が着脱可能に係止する係合部とによって形成した。
(9)上記(1)〜(8)のいずれか1項のケーシングの外周に推進翼を設けた。
図1は本発明の実施の形態1に係る既製杭の施工方法の第1の工程に使用されるケーシング付きオーガー、及び第2の工程に使用されるケーシング付き既製杭の模式的一部断面図である。
第1の工程に使用されるケーシング付きオーガーCAにおいて、10はオーガーで、中空のオーガーシャフト11の先端部には、図2に示すように、下面に地盤を掘削するビット13を有し、中央部に開口部14(図1(a))が設けられたオーガーヘッド12が固定されている。このオーガーヘッド12は幅狭で長さLは、例えば後述のケーシング30の外径D1に対して、L=1〜3D1程度に形成されている。なお、このオーガーヘッド12は、必要に応じて地上からの操作により、拡張又は縮小しうるように構成してもよい。
このケーシング30はオーガー10の外周に嵌装され、その先端部がオーガーヘッド12に設けた固定治具17により着脱可能に取付けられている。
そして、オーガー10とケーシング30とによりケーシング付きオーガーCAを構成する。
この既製杭1の杭本体2の先端部近傍の外周には、例えば1段又は複数段の螺旋状若しくはリング状又はリブの如き突部3あるいは不連続の突部3が設けられている。この突部3は杭本体2の外径や施工する地盤の状況によって異なるが、例えば、杭本体2の外周から2〜70mm程度突出している。なお、突部3に代えて、ねじ込み杭に設けられる螺旋翼あるいは翼状板(例えば半円状)を設けてもよい。
また、トルク伝達部5を、既製杭1に設けた2個の係止突部4と、この係止突部4に対応してケーシング30に設けた係合部31とによって構成した場合を示したが、係止突部4は杭本体2の外径や施工する地盤の状況に応じて1個又は3個以上を適宜選択すればよく、ケーシング30にこれに対応して係止部31を設ければよい。
先ず、図6に示すように、既製杭1を埋設する位置の地盤上にケーシング30の胴部をチャックして回転駆動する全周回転機50を設置する。ついで、オーガー10にケーシング30が嵌装され、固定治具17により一体化されたケーシング付きオーガーCAを、クレーン等(図示せず)で吊り下げて全周回転機50と位置合わせしてセットし、ケーシング30の胴部を全周回転機50でチャックする。そして、オーガー10に設けたパイプ20を接続具21によりプラント60の吐出パイプ61と接続する。
そして、全周回転機50によるケーシング30のチャック位置を段階的に調整することにより、ケーシング付きオーガーCAは、ソイルセメント40を造成しつつ逐次地中に貫入される。なお、オーガー10の芯ずれを防止するために、オーガーシャフト11とケーシング30との間にスペーサなどを介装してもよい。
ケーシング付きオーガーCAを地上に引き上げたのちの地盤の状態を図7(d)に示す。この状態では、支持層付近に根固め球根41が造成され、この根固め球根41と地表までの間にソイルセメント柱42が造成される。なお、全周回転機50はそのままにしておく。
以上により、第1の工程が終了する。
これにより、トルク伝達部5による既製杭1とケーシング30との連結が切り離され、引続きケーシング30を引き上げれば、図8(d)に示すように、既製杭1は地中に残置され、ケーシング30は地上に引き上げられて回収され、再びオーガー10に嵌装される。
これにより、第2の工程が終了し、既製杭1の埋設が完了する。
また、ケーシング付きオーガーCAを引き上げる際、ケーシング30内に侵入したセメント混じり土の大部分は先端開口部から排出されるが、地盤によってセメント混じり土の地上への排出が予想される場合は、例えば図6に破線で示すように、ケーシング30の外径より大きい穴をあらかじめ掘っておくか、あるいは、ある程度の深さまでセメントミルクを噴射せず、途中からセメントミルクを噴射するようにすれば、セメント混じり土が地上に排出されないか、又は排出量を少なくすることができる。
次に、本発明の実施の形態2に係る既製杭の施工方法について説明する。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態においても実施の形態1の場合に準じて施工するので、主として実施の形態1と異なる部分について説明する。
第1の工程が終了すると、図9(d)に示すように、支持層付近に根固め球根41が造成され、この根固め球根41と地表までの間に軟化した地盤44(以下、軟化地盤という)が形成される。
地中に埋設された既製杭1は、その周囲が押圧された地盤により周面摩擦力を得ることができ、また、根固め球根41により大きな先端支持力を得ることができる。
これにより、図11(b)に示すように、既製杭1の周面がソイルセメント40となるので、周面摩擦力をより増大させることができる。
本実施の形態も実施の形態1とほぼ同様の効果が得られるが、さらに、根固め球根41を造成するためのセメントミルク、又は根固め球根41の造成と杭本体2の周面へのセメントミルクの注入だけなので、実施の形態1の場合に比べてセメントミルクの使用量が少なく、コストを低減することができる。
実施の形態1、2では、第1の工程が終了するとオーガー10からケーシング30を取り外し、このケーシング30を埋設する既製杭1に嵌装して第2の工程を施工する場合について説明したが、本実施の形態は、ケーシング付きオーガーCAとケーシング付き既製杭CPのケーシング30に、それぞれ別のケーシング30を用いたものである。
本実施の形態によれば、第1の工程が終って地上に回収したケーシング付きオーガーCAはそのままにしておき、あらかじめ既製杭1にケーシング30を嵌装したケーシング付き既製杭CPにより第2の工程を開始できるので、オーガー10から取り外したケーシング30を既製杭1に嵌装する手間を省くことができ、施工能率を向上し施工時間を短縮することができる。
図12は本発明の実施の形態4に係るケーシング付き既製杭CPの斜視図である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態は、ケーシング付きオーガーCA又はケーシング付き既製杭CP、あるいはその両者において、推進力に寄与するために、ケーシング30の外周に突部3と同方向に傾斜した螺旋翼又は翼状板などの推進翼35を取付けたものである(図には、ケーシング付き既製杭CPの場合が示してある)。
また、本発明において、既製杭1を埋設する支持層が深い場合は、オーガー10のオーガーシャフト11とケーシング30、既製杭1の杭本体2とケーシング30をそれぞれ溶接あるいはボルトなどによる機械式継手等により接合する。この場合、溶接によって接合すると、ケーシング付きオーガーCA及びケーシング付き既製杭CPのケーシング30を引き上げる際に切り離しに時間がかかるばかりでなく、再使用の際に開先加工が必要になるなどの問題がある。そのため、接合、切り離しが簡単で短時間に行うことができ、再使用の際も加工が不要であることなどから、機械式継手が望ましい。なお、機械的継手は、施工にあたってトルクを十分伝達することができ、また、既製杭1の埋設後圧縮、引張り、曲げなどの荷重に十分耐えうるものであれば、どのような構造であってもよい。
さらに、ケーシング30を用いた施工であるため、既製杭1にNF対策などを施した杭も施工することができる。
また、ケーシング30は既製杭1の埋設後に引き上げて回収するので、回収したケーシング30を何回でも再使用できるので、経済的である。
Claims (9)
- オーガーに嵌装してオーガーヘッドに連結されたケーシングを回転駆動させて地盤を掘削しつつ貫入し、所定深度に達したときは地上に引き上げ、ついで既製杭に嵌装して回転伝達かつ着脱可能に連結されたケーシングを回転駆動して前記掘削された地盤に貫入し、所定深度に達したときは前記既製杭を地中に残置して前記ケーシングを地上に引き上げることを特徴とする既製杭の施工方法。
- 中空のオーガーシャフト内に挿入されたパイプがオーガーヘッドの開口部に接続されたオーガー、及び該オーガーに嵌装され前記オーガーヘッドに着脱可能に取付けられたケーシングからなるケーシング付きオーガーと、
既製杭、及び該既製杭にトルク伝達部により回転伝達かつ着脱可能に連結されたケーシングからなるケーシング付き既製杭とを有し、
前記ケーシング付きオーガーのケーシングを回転駆動して前記パイプからセメントミルクを噴射しつつ地盤を掘削して貫入し、所定深度に達したときは該ケーシング付きオーガーを地上に引き上げ、ついで、前記ケーシング付き既製杭のケーシングを回転圧入して前記セメントミルクと掘削土によって造成されたソイルセメント柱に貫入し、所定深度に達したときは前記既製杭を地中に残置して前記ケーシングを地上に引き上げることを特徴とする既製杭の施工方法。 - 中空のオーガーシャフト内に挿入されたパイプがオーガーヘッドの開口部に接続されたオーガー、及び該オーガーに嵌装され前記オーガーヘッドに着脱可能に取付けられたケーシングからなるケーシング付きオーガーと、
既製杭、及び該既製杭にトルク伝達部により回転伝達かつ着脱可能に連結されたケーシングからなるケーシング付き既製杭とを有し、
前記ケーシング付きオーガーのケーシングを回転駆動し必要に応じて前記パイプから水又はエアーを噴射しつつ地盤を掘削して貫入し、所定深度に達したときは該ケーシング付きオーガーを地上に引き上げ、ついで、前記ケーシング付き既製杭のケーシングを回転圧入して前記掘削された地盤に貫入し、所定深度に達したときは前記既製杭を地中に残置して前記ケーシングを地上に引き上げることを特徴とする既製杭の施工方法。 - 前記地盤に貫入したケーシング付きオーガーが所定深度に達したときは、前記パイプからセメントミルクを噴射して根固め球根を造成することを特徴とする請求項2又は3記載の既製杭の施工方法。
- 前記地盤に貫入したケーシング付き既製杭のケーシングを引き上げる際に、該ケーシングの先端部から既製杭の外周にセメントミルクを注入することを特徴とする請求項3又は4記載の既製杭の施工方法。
- 前記既製杭の先端部近傍の外周にほぼ螺旋状などの突部を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の既製杭の施工方法。
- 前記トルク伝達部を、既製杭の下部外周に設けた係止突部と、ケーシングの下部に設けられ前記係止突部が着脱可能に係止する係合部とによって形成したことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の既製杭の施工方法。
- 前記ケーシングを、オーガーに嵌装されオーガーヘッドに固定された第1のケーシングと、既製杭に嵌装され下部に該既製杭の係止突部に係止する係合部が設けられた第2のケーシングとによって構成したことを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の既製杭の施工方法。
- 前記ケーシングの外周に推進翼を設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の既製杭の施工方法。
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