JP6615494B2 - 土留部材の撤去方法 - Google Patents

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Description

本発明は、土留め工事で使用された土留部材を、地割れや地盤の軟化等を生じることなく引き抜き、地盤内から撤去する方法に関する。
水道管、下水管、ガス管、カルバートボックス等を埋設する工事では、これらが地表面から比較的浅い位置に埋設されることから、最初に、溝の両壁を構築すべき位置に鋼矢板やH形鋼等の土留部材を設置して、溝壁が崩れないように支持し、その後に、地面を掘削して溝を形成し、その溝内に水道管等を敷設する作業が行われている。
周囲に建物や埋設物が存在する場合に土留部材を撤去すると、建物や埋設物の沈下やクラックを発生させることから、通常、回収せずに埋設したままの状態とされている。しかしながら、資源の有効利用や温室効果ガスの発生を抑制するべく、近年では回収されるようになってきている。
埋設された土留部材の回収は、地盤内からその土留部材を、土留部材圧引抜機を利用して引き抜くことにより行われている。しかしながら、引き抜く際、地盤内に空隙を生じて建物等の沈下やクラックを発生させることから、その空隙に固化剤等の注入材を注入する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−036280号公報
しかしながら、上記の方法では、3または4つの土留部材毎に1つの注入管を隣接または近隣して埋設する必要があり、注入管の使用本数が多く、土留部材の撤去に時間やコストがかかるという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑み、連設された5以上の土留部材を1つのブロックとし、ブロックの中央に位置する土留部材に隣接または近隣して注入管を挿入し、該土留部材に固定することなく地盤内に設置する工程と、ブロック内の土留部材を1つずつ順に一定高さ引き上げる毎に注入管から注入材を流出させて、地盤内に発生した空隙に注入材を流入させ、該空隙を埋める工程とを含む、土留部材の撤去方法が提供される。
本発明の方法を採用することにより、注入管を設置する本数を減らし、土留部材の撤去にかかる時間を短縮し、施工コストを削減することができる。
土留部材としてのシートパイルを示した図。 土留部材圧引抜機を示した正面図。 注入管の下部構造の一例を示した図。 注入管の下部構造の別の例を示した図。 埋められている土留部材に隣接して注入管を設置する場合の位置を例示した図。 土留部材の撤去方法における処理の流れを示したフローチャート。 注入管から注入材を流出させるとともに、土留部材圧引抜機により土留部材を引き上げているところを示した図。
本発明の土留部材の撤去方法を説明する前に、地盤に埋められている土留部材について説明する。掘削した法面や斜面の土砂の崩壊を防止するために、土留めと呼ばれる架構が設けられる。この土留めは、土留め壁と支保工とから構成され、土留め壁には、鋼矢板(シートパイル)といった土留部材が用いられ、支保工には、断面がH形をしたH形鋼や、断面がI形をしたアイビーム等が用いられる。
図1は、土留部材としてのシートパイルを示した図である。シートパイル10は、その断面形状からU形、Z形、直線形、H形があり、複数を一列に並べて地盤に打ち込み、隙間のない壁面を構築する。このような形状は、シートパイル10が受ける土圧や水圧に耐えうる強度をもたせるためで、仮設用にあっては、打ち込みと引き抜きの反復使用に耐えうる剛性をもたせるためである。ちなみに、図1に示したシートパイル10は、U形鋼矢板である。
U形鋼矢板は、両側に引っ掛けて連結するための継手11が設けられ、複数を連結すると、図5に示すような凹凸を有する壁面を形成することができる。このような壁面を形成することで、単に直線状の壁面に比較して高い強度を付与することができる。シートパイル10は、防食のために銅を含むことができ、表面にポリエチレン系樹脂やポリウレタン系樹脂をコーティングしたものを用いることができる。
複数のシートパイル10を互いの継手11により連結して土留め壁を構築し、水道管の敷設等の工事を行った後、複数のシートパイル10は、周囲に構造物や埋設物がない場合、引き抜き撤去される。これに対し、周囲に構造物や埋設物が存在する場合は、引き抜く際に、埋設物に接触して破損させたり、地盤内に空隙を生じ、その空隙が崩壊して地盤が沈下し、構造物が倒壊するおそれがある。このため、構造物や埋設物が周囲に存在する場合には、シートパイル10を引き抜かずに放置していた。その結果、埋められたままのシートパイル10が大量に存在している。
埋められたままのシートパイル10の大部分は、再利用可能である。再利用できれば、資源を有効利用でき、また、再利用によりシートパイル10を製造する際の二酸化炭素の発生を抑制することができる。そこで、周囲に構造物や埋設物が存在する場合においても、埋設物を破損させることなく、構造物を倒壊させることなく、しかも、時間やコストをかけることなく、シートパイル10を引き抜き、撤去する方法を以下に詳述する。
本発明では、シートパイル10の撤去に際し、注入材を注入するための注入管、注入管内へ注入材を供給するための供給ポンプ、注入材が収容される容器、地盤を削孔するための削孔装置、削孔装置により形成された孔内に注入管を挿入して設置する注入管建込装置、シートパイル10を引き抜くための土留部材圧引抜機が使用される。供給ポンプ、容器、削孔装置、注入管建込装置は、一般に使用されるものを採用することができる。
供給ポンプは、ギアポンプ等の遠心ポンプ、プランジャーポンプ等の往復ポンプを用いることができる。容器は、鋼製、ポリ塩化ビニルやFRP(Fiber Reinforced Plastics)といったプラスチック樹脂製のいかなる形状であってもよく、注入材の使用量に応じた適切な容量を有するものを用いることができる。
削孔装置は、尖った円錐状の先端を有し、螺旋状の溝が形成された削孔部材であるモニタと、そのモニタが接続される棒状のロッドと、そのロッドを回転可能、かつ昇降可能に挟持する挟持手段とを備えるものとすることができる。モニタは、先端が尖った円錐状で、螺旋状の溝が形成されたものに限定されるものではなく、地盤を切削しながら貫入する複数の刃(チップ)を先端にもつビット等であってもよい。
注入管建込装置は、注入管を挟持する挟持手段を備え、注入管を挟み込む力を調節することで、一定速度で降下させて注入管を挿入し、挿入孔内へ注入管を挿設するものを挙げることができる。これらは一例であるので、これらの装置に限定されるものではない。
図2を参照して、土留部材圧引抜機について説明する。土留部材圧引抜機20は、無騒音、無振動の杭材圧引抜機として普及している周知の装置である。この土留部材圧引抜機20は、油圧によって土留部材21の圧引および引き抜きを行うものである。具体的には、土留部材圧引抜機20は、圧引または引き抜きの対象である土留部材21を掴むためのチャック22と、チャック22を昇降させる昇降装置23とを備えている。
チャック22の上部には、土留部材21が通過できる程度の、図示しない小さな円形の開口部が設けられている。また、土留部材圧引抜機20は、地盤に埋められている土留部材24の頂部を掴むための掴み部25を複数備えている。掴み部25は、既設杭の頂部を掴むことにより、既設杭から反力をとり、チャック22によって土留部材21を地盤に対して圧入または引き抜けるようになっている。また、土留部材圧引抜機20は、一列に配列する土留部材24の頂部を伝って、その配列する方向へ移動することができるように構成されている。
次に、図3を参照して、注入管について説明する。注入管30は、鋼管や、ポリ塩化ビニル管等のプラスチック樹脂からなる管のほか、先端部を様々な形状に成形したものを用いることができる。例えば、図3(a)のように成形し、図3(a)のような内部構造としたものを用いることができる。
注入管30を挿入する孔を、上記の削孔装置を用いて予め形成し、上記の注入管建込装置を用いてその形成した孔へ挿入する形で、注入管30が設置される。このため、注入管30の先端部は、その形成した孔へ挿入しやすい、先端にいくにつれて先細とされた形状が好ましい。また、先端部は、地面に対して水平方向に向いた、管壁に注入材を流出させるための流出口31を備えており、円筒状の栓32と、その栓32の一端に連結され、注入管30の長さ方向へ伸縮可能な弾性体33とを内部に備えている。
栓32は、その外壁面が注入管30の内壁面に隣接し、隙間が形成されないようになっており、注入材が供給されないときは、弾性体33が伸びて、その位置が上昇し、図3(a)のように流出口31を塞いでいる。その一方、注入管30内へ注入材が供給されると、その荷重により、弾性体33が収縮し、栓32が下降して、図3(b)のように、流出口31が開き、連続供給される注入材が、矢線で示すように周囲の土壌中へ流出するようになっている。
弾性体33は、例えば、コイルばねを用いることができる。栓32と、注入管30の内壁面との間には、Oリングを設け、注入材の漏洩をより確実に防止することも可能である。
ここでは、削孔には、先端にモニタを備えるロッドを用い、削孔した後、注入管30を挿入し、孔内に設置するものとして説明しているが、これに限られるものではない。例えば、注入管30の先端に、削孔に使用するモニタを取り付け、削孔装置のみを使用し、削孔と同時に注入管30の挿入および設置を行い、さらに、施工時間を短縮し、施工コストを削除することができる。モニタは、後に注入管30を回収したときに取り外し、点検した後、再度利用することができる。
図3に示した構造の注入管30は、玉石混じりや砂等のN値が高い土質では、振動を与えながら削孔を行う必要があるため、弾性体33が動いて栓32が下がり、流出口31が開き、土砂が逆流し、内部が土砂で詰まるという問題がある。これでは、地上に引き上げて清掃し、再び挿入しなければならず、手間がかかる。そこで、N値が高い土質では、図4に示す構造の注入管30を採用することができる。
図4に示す注入管30は、栓32、弾性体33をなくし、流出口31を、第1の径を有する第1の穴31aと、それに連続する第1の径より大きい径を有する第2の穴31bとから構成されるものとし、第2の穴31bを円盤状の閉鎖部材である蓋34により内部を閉鎖したものとする。これにより、土砂が逆流して注入管30の内部に入ろうとしても、蓋34により抑止され、注入材の流出においては、注入材により押し出し、第2の穴31bから自動的に外すことができる。
図4では、一重の蓋34としているが、二重の蓋34とし、より密封度を高め、確実に逆流を防止できる構造としてもよい。この場合、内側の蓋を、逆流する土砂の圧力に耐え得る所定強度を有するプラスチック樹脂からなる蓋とし、外側の蓋を、密閉性を高めるシリコン樹脂からなる蓋とすることができる。図4では、注入管30の先端に削孔部材35が取り付けられ、先端が閉鎖されている。また、図4では、2つの注入材が合流する合流部36も示されている。
次に、注入管30から注入する注入材について簡単に説明する。図1に示すシートパイル10を、図2に示す土留部材圧引抜機20を使用して引き抜く場合、そのシートパイル10が存在していた土壌部分が空隙となる。土壌中には細かい隙間が数多く存在するため、長時間液体のままで存在すると、土壌中を浸透していってしまう。これでは、再び空隙が生じてしまい、地盤沈下等の原因となる。これを防止するため、本発明において使用される注入材は、注入管30から注入した後、土壌中を浸透しないように、即座にゲル化することが好ましい。
浸透を防止するためには、注入材が流動性を失い、粘性が急激に増加するまでの時間(ゲルタイム)が、20秒〜70秒程度であることが望ましい。この程度の時間に調整することで、空隙へ移動し、その空隙を埋めた後にゲル化し、その後は土壌中を浸透せず、その位置に留まり続けるので好ましい。
注入材は、例えば、一般土木、建築構造物用として広く用いられる高炉セメントB種と、水酸化カルシウムを主成分とする促進剤および炭酸ナトリウムとアルミン酸ナトリウムを主成分とする硬化剤と、水とを用い、高炉セメントB種と促進剤と水とから構成されるA液と、硬化剤と水とから構成されるB液とにそれぞれ調製したものを用いることができる。これらA液とB液は混合することにより短時間でゲル化する。ゲルタイムは、これらの割合を変えることにより調節することができる。なお、A液とB液は混合すると短時間でゲル化するため、土壌へ流出させる直前に混合することが望ましい。
一例としては、A液は、促進剤と高炉セメントB種と水とを、その質量比で1:20〜30:40〜45とし、B液は、硬化剤と水とを、その質量比で1:15〜20とすることができる。
A液とB液とを直前で混合することを可能にする注入管30としては、内部が、A液が通る通路1と、B液が通る通路2の2つの通路を有する構造とし、栓32がある直前で1つの通路となる構造とすることができる。このため、注入管30の先端部とは反対側の末端部も、A液とB液とが各通路へ供給されるように、2つの注入ノズルが設けられる構造とされる。
図5は、注入管30を設置する位置を例示した図である。地面を少し掘削し、土留部材40の上端を露出させ、それを上空側から見ると、図5に示すような図となる。U形鋼矢板としての土留部材40は、複数枚が連続して一列に並ぶように連結され、それが地盤に埋設されている。これをそのまま引き抜くと、土留部材40が存在していた部分が空隙となり、その空隙が崩壊して沈下やクラックを発生させる。そこで、注入管30を設置し、注入材を空隙に埋め込むが、注入管30を設置するために孔41を形成する位置が重要となる。
孔41を形成する位置としては、連設された所定数の土留部材40を1つのブロックとし、ブロック内の中央に位置する土留部材40に隣接または近隣した位置とすることができる。1つのブロックを構成する土留部材40の数は、好ましくは奇数の5もしくは7とすることができるが、9以上の奇数であってもよい。孔41を形成する位置は、当該中央に位置する土留部材40に隣接または近隣する位置であればいかなる位置であってもよいが、土留部材40が並ぶ方向の当該土留部材40の中央位置が望ましい。また、その土留部材40の凸側の面ではなく、その裏の凹側の面に隣接または近隣した当該中央位置がより望ましい。土留部材40が並ぶ方向に空隙が発生するため、凹側の面の方が注入管30の2つの流出口31を土留部材40が並ぶ方向に向けて配置することができ、より適切に注入材を流出させることができるからである。
なお、ブロックは、奇数の土留部材40に限らず、偶数であってもよく、この場合、中央に位置する2つの土留部材40が連結される継手11に隣接または近隣した位置を、孔41を形成する位置とすることができる。空隙を効率良く埋めるためには、土留部材40に出来るだけ近い位置に注入管30を設置するのが好ましいからである。
本発明では、削孔装置を利用して孔41を形成し、注入管30を挿入して設置した後、その注入管30は、隣接または近隣する土留部材40に溶接する等して固定しない。固定すると、一方から順ではなく、ブロックの両端の最も遠い土留部材から左右交互に順に引き抜き、最後に注入管30が固定された中央の土留部材40を引き抜くため、土留部材圧引抜機の移動や設置に時間や手間がかかるからである。具体的には、両隣りの土留部材が引き抜かれておらず、先に真ん中の土留部材を引き抜く場合、土留部材同士を連結する部分の抵抗が大きいため、簡単には引き抜くことができないからである。また、そのブロックにおいてまだ引き抜くべき土留部材40があるのに、注入管30が固定された土留部材を先に引き抜いてしまったという間違いも発生しやすくなるからである。
このように、注入管30を、隣接または近隣する土留部材40に固定しないことで、一方から順に引く抜くことができ、作業効率を向上させることができる。
図6を参照して、本発明の土留部材の撤去方法について詳細に説明する。図6は、この方法の流れを示すフローチャートで、この方法は、注入管30、削孔装置、土留部材圧引抜機20、注入材等を準備し、工程600から開始する。工程605では、連設された5以上の土留部材40を1つのブロックとし、そのブロックの中央に位置する土留部材40に隣接または近隣して、削孔装置を用い、注入管30を挿入するための孔41を形成する。そして、注入管建込装置を使用し、孔41内に注入管30を挿入して設置する。
注入管30は、孔41と注入管30との間に隙間があると、この隙間へ集中して注入材が流れ込み、空隙を適切に埋めることができず、また、空隙を埋めるにはより多くの注入材が必要となるため、地盤に埋設することが好ましい。また、注入管30は、隣接または近隣する土留部材40には固定されず、自由(フリー)とされる。
工程610において、注入管30と注入材が収容された容器とを、ポンプを介して接続し、土留部材圧引抜機20のチャック22により引抜対象の土留部材40を掴み、いつでも引き上げることができる状態にする。また、ポンプを起動し、いつでも注入を開始することができる状態にする。工程615において、引抜対象の土留部材40の引き上げを開始し、工程620でその土留部材40を一定高さほど引き上げる。
工程625では、一定時間注入材の注入を行う。工程620と工程625は、同時に実施することもできる。引き上げ高さが500mm程度と小さい場合は、大きく地盤が沈下したり、大きいクラックが発生することはないことから、この順に実施することができる。なお、注入材は、土留部材40が引き抜かれて空隙が発生した方向へと移動し、その空隙へ流入して、その空隙を埋める。空隙を埋めた注入材は、短時間でゲル化してその場に留まるため、沈下やクラックの発生を防止することができる。
工程620では、土留部材40の引き抜きを、例えば500mm引き抜く毎に止め、工程625では、注入材が注入されるのを一定時間待つ。この時間はタイマによって計測し、一定時間注入することで、所定量の注入を実現する。注入する時間は、土留部材40の高さ500mm分の容積を計算し、計算した容積と供給ポンプの能力から決定することができる。
工程630では、その土留部材40の引き抜きが完了したかを判断する。完了していない場合、工程610へ戻り、再び一定高さほど引き上げ、注入材を注入して空隙を埋める作業を繰り返す。工程630で完了した場合、工程635へ進み、ブロック内に引抜対象の土留部材40があるかを判断する。まだある場合、工程610へ戻り、土留部材圧引抜機20を移動させ、チャック22により次の引抜対象の土留部材40を掴み、いつでも引き上げることができる状態にする。この段階ではまだ注入管30が設置されているので、必要に応じて注入材を再注入することも可能である。再注入は、土留部材40の引き抜き時に行うことも可能である。
工程635でブロック内に引抜対象の土留部材40がない場合、工程640へ進み、注入材の注入を行いながら、クレーン等で注入管30を引き抜く。注入管30の引き抜きにおいては、注入管30に設けられたスイベルにU字形のシャックルと呼ばれるワイヤを連結するための連結部材を取り付け、その連結部材にワイヤを連結してクレーン等で吊り上げ、引き抜くことができる。引き抜いた後、注入管30は、作業員が再利用することができるかどうかを点検し、再利用できる場合、次のブロックにおける土留部材の引き抜き、あるいは他の現場での利用に転用される。
工程645では、まだ処理していないブロックが存在するかを判断する。存在する場合、工程605へ戻り、次のブロックにおいて注入管30の設置を実施する。存在しない場合、工程650へ進み、土留部材40の撤去作業を終了する。
空隙を埋めている間、地表面に注入材がしみ出しているかどうかを検査し、しみ出していることを検出した場合には、注入量を調整することができる。しみ出している場合は、注入量が多いため、注入する時間を短縮するか、注入する流量を減少させるかして、注入量を減らすことができる。注入材がしみ出しているか否かは、例えば、地表面に設置したセンサー等の検出手段により検出することができる。このため、検出手段による検出に応答して、注入材の供給手段であるポンプに対して流量の設定値を変更し、注入材の流量を調整することができる。
図7を参照して、1つのブロックを5つの土留部材40で構成し、ブロック毎に1つの孔41を形成し、その孔41へ注入管30を挿入し、注入材を充填する方法について詳細に説明する。注入管30は、1つの流出口のみを備える場合、2つの流出口を備える場合のいずれにおいても、流出口が、望ましくは空隙が形成される方向に向けて設置される。5つの土留部材40の中央に位置する土留部材に隣接または近隣して孔41が形成され、5つの土留部材40を一方から順に引き抜いていく。したがって、図7の例で示すように、図7(a)、図7(b)、図7(c)、図7(d)、図7(e)の順に土留部材40が土留部材圧引抜機20により引き抜かれる。その後、図7(f)に示す注入管30がクレーン等により引き抜かれる。各図では、土留部材40が引き上げ途中とされ、土留部材40が存在していた部分に注入材が充填されているのが示されている。
注入材は、液体で、注入管から略水平方向へ流出するので、土留部材40の引き抜きにより発生した空隙に注入材が流入し、その空隙を即座に埋めていく。空隙を埋めた注入材は、一定時間経過後、ゲル化する。このようにして、下方から順に発生した空隙を注入材で埋め、土留部材40が完全に引き抜かれた後も、地表面に至るまで空隙を注入材で埋める。
続いて、引き抜かれた土留部材40に隣り合う土留部材40を同様にして引き抜き、同様にして空隙を埋めていく。これを繰り返し、連設された5つの土留部材40を一方から順に引き抜き、注入材で埋め、そのブロックの撤去作業を完了する。完了後は、まだ地盤内に設置されている注入管30から、必要に応じて注入材を注入することができる。注入管30は、次のブロックに対する施工を開始する前に引き抜き、点検し、可能である場合、次のブロックに対する施工に再利用される。
以上のことから、本発明の方法は、地盤の沈下やクラックの発生を防止することができ、かつ注入管30を設置する本数を減らし、土留部材の撤去にかかる時間を短縮し、施工コストを削減することができる。土留部材40に注入管30を溶接等して固定しないので、引き抜き時等に土留部材40が弓なりに曲がったとしても、注入管30は弓なりに曲がることなく引く抜くことができ、再利用することができる。
もともと土壌中に存在している空隙にも注入材を充填することができるので、周辺地盤との密着性を向上させることができる。本発明の方法では、注入材を圧入する必要がないので、注入材の無駄を防止することができ、高圧で供給するための高価なポンプの設置も不要である。
また、本発明の方法では、空隙が適切に埋められているかを、地表面に注入材がしみ出ているかどうかにより判断することができ、土留部材40の引き抜き時の空隙充填を確実に実施することができ、確実に沈下やクラックの発生を防止することができ、余分な注入材コストを削減することができる。そして、土留部材40の再利用が可能となるので、土留部材40の製造量を減少させることができ、土留め工事の施工コストを低減でき、また、土留部材40の製造量の減少に伴い、温暖化ガスの発生を抑制することができる。
なお、礫層地盤や砂質地盤においては、表面にしみ出ない場合もあるため、例えば、地盤の沈下量を沈下計、地盤の傾きを傾斜計により計測し、計測結果から空隙充填の効果を判断することができる。具体的には、沈下量や傾きが設定した一次管理値の範囲内であるか否かにより判断することができる。
本発明では、図2に示した土留部材圧引抜機20を用いる以外に、クレーンや振動式杭打機であるバイブロハンマー等を用いて引き上げることも可能である。これらのクレーン等を用いる場合、地盤が安定していなければ転倒してしまうおそれがあるが、本発明では、空隙の発生と同時に注入材で埋め、かつ短時間で固まって所定の強度を有するため、クレーン等を使用しても、その安定性が維持できるからである。なお、クレーン等を使用する場合、土留部材圧引抜機20のように、チャックを使用しないため、シートパイルが曲がって設置されていても引き上げることができ、また、土留部材40を注入管30から遠い順、あるいは一方から順のいずれの順序でも引き抜くことができる。
また、クレーン等を用いる場合、準備が簡単で、土留部材圧引抜機20のようにエンジンユニット、キャリアカー、油圧ホース等が不要で、また、引き抜いたシートパイルもトラックにそのまま積載することができるので、施工場所が狭い場合であっても、施工が可能で、装置や機材が散乱した状態にはならないので、安全に作業を行うことができる。
これまで本発明の土留部材の撤去方法について図面に示した実施形態を参照しながら詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
10…シートパイル、11…継手、20…土留部材圧引抜機、21…土留部材、22…チャック、23…昇降装置、24…土留部材、25…掴み部、30…注入管、31…流出口、31a…第1の穴、31b…第2の穴、32…栓、33…弾性体、34…蓋、35…削孔部材、36…合流部、40…土留部材、41…孔

Claims (3)

  1. 連設された5以上の土留部材を1つのブロックとし、前記ブロックの中央に位置する土留部材に隣接または近隣して注入管を挿入し、該土留部材に固定することなく地盤内に設置する工程と、
    前記ブロック内の土留部材を1つずつ順に一定高さ引き上げる毎に該土留部材の引き抜きを止め、前記注入管からゲルタイムが20秒〜70秒である注入材を流出させ、前記注入材を流出させた状態で一定時間が経過するのを待つことにより、前記地盤内に発生した空隙に該注入材を流入させ、該空隙を埋める工程とを含む、土留部材の撤去方法。
  2. 前記地盤内に設置する工程では、先端に土壌を削孔するための削孔部材を備える前記注入管を使用して、前記地盤を削孔しながら該注入管を挿入して該地盤内に設置する、請求項1に記載の土留部材の撤去方法。
  3. 前記ブロック内の前記5以上の土留部材を全て引き抜いた後、前記地盤内に設置した前記注入管を引き抜く工程をさらに含む、請求項1または2に記載の土留部材の撤去方法。
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