JPH11182172A - 地山固結工法 - Google Patents

地山固結工法

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JPH11182172A
JPH11182172A JP35812697A JP35812697A JPH11182172A JP H11182172 A JPH11182172 A JP H11182172A JP 35812697 A JP35812697 A JP 35812697A JP 35812697 A JP35812697 A JP 35812697A JP H11182172 A JPH11182172 A JP H11182172A
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JP
Japan
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long
pipe
discharge
tube
consolidation
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JP35812697A
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English (en)
Inventor
Tatsuo Suzuki
立雄 鈴木
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】地山改良効果の確実性に優れ、コスト的にも有
利な地山固結工法を提供する。 【解決手段】周壁に長手方向に所定間隔で複数の小孔1
4が穿設され、上記各小孔14がシール部材15により
シールされた長尺注入管10を準備し、地山1に穿設さ
れた長穴4内に上記長尺注入管10を嵌挿し、上記長穴
4内の長尺注入管10内部に、上記各小孔14の間に位
置するよう隔壁部材29を設けることにより上記長尺注
入管10内部を複数の空間に仕切るとともに、複数の吐
出管17を上記長尺注入管10内に配設して各吐出管1
7の吐出口20をそれぞれ上記各空間に位置決めし、上
記各吐出管17に固結用薬液を圧入し、各吐出口20か
ら各空間内に固結用薬液を圧入することにより、上記長
尺注入管10のシール部材15によるシールを固結用薬
液の液圧で解除させて周壁の小孔14を開口させ、上記
各小孔14から固結用薬液を噴出させて長尺注入管10
外周の地山1内に浸透させることにより固結領域を形成
するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネルの穿設工
事等において、軟弱な地山を堅固な地山に改善するため
に用いられる地山固結工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、軟弱な地山や破砕された地山
等で行うトンネル穿設工事においては、セメント等の固
結用薬液を地山に浸透し硬化させることにより、地山を
強化改良することが行われている。このような地山の強
化は、図13に示すように、鎖線Dで示す地山1の掘削
予定面(鎖線Eはトンネルの穴部となる部分を示し、鎖
線DとEで囲まれる斜線部分はコンクリート層に形成さ
れる部分を示す)の外周に沿って、パイプ状の長尺注入
管2を地山1内に設置し、この長尺注入管2を介して地
山1内にセメント等の固結用薬液を浸透させて固結領域
Cを形成することによって行われる。このようにして地
山1を強化することにより、掘削による地山1のゆるみ
や地表面の変形を防止するとともに、安全な掘削作業が
可能になるのである。
【0003】上記のような固結領域Cを形成させる方法
として、注入式の長尺注入管2を使用する方法が行われ
ている。上記長尺注入管2は、図14に示すように、そ
の周壁に、地山1へ固結用薬液を浸透させるための小孔
8が所定間隔で形成されている。
【0004】上記長尺注入管2を用いてつぎのようにし
て固結領域Cを形成させる。まず、上記長尺注入管2内
に、管体の先端にドリル刃7が形成され、中心に削孔水
を吐出させる吐出孔6が形成されたビットシステム3を
設置する。ついで、上記吐出孔6から削孔水を吐出させ
ながらビットシステム3を回転させ、ドリル刃7で地山
1内を堀り進みながら長穴4を形成するとともに、この
長穴4内に長尺注入管2を入り込ませる(図14参
照)。ついで、上記長尺注入管2からビットシステム3
を抜き取り、セメント等の固結用薬液を供給するための
ホースを連結して固結用薬液を高圧で導入する。これに
より、固結用薬液が長尺注入管2内に充満して小孔8か
ら長穴4内に噴出し、地山1内に浸透したのち固化し、
図15に示すように、長尺注入管2周囲の地山1に固結
領域Cが形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記方法で
は、ドリル刃7で地山1内を堀り進みながら長穴4を形
成する際、吐出孔6から吐出された削孔水が長尺注入管
2の内部をつたって長穴4の外に排出される。このと
き、上記削孔水が小穴8から地山1に浸透し、本来改良
されるはずの地山1がかえって削孔水によって荒らされ
てしまうという問題があった。
【0006】そこで、上記長尺注入管2の小穴8にシー
ル部材を取り付けて栓することにより、削孔中に削孔水
が小穴8から地山1に浸透しないようにした工法も行わ
れている。この工法では、長穴4を削孔しながら長尺注
入管2を長穴4に設置したのち、ビットシステム3を抜
き取り、上記長尺注入管2内に固結用薬液を高圧で導入
すると、長尺注入管2内に充満した固結用薬液の液圧で
小孔8に取り付けられたシ−ル部材が外れ、開口した小
穴8から固結用薬液が長穴4内に噴出して固結領域Cが
形成される。
【0007】上記工法では、長尺注入管2に形成された
多数の小孔8のシール部材を、長尺注入管2内に充満さ
れた固結用薬液の圧力で一度に全部外すようにしてい
る。しかしながら、シール部材の取り付け強度等にばら
つきがあり、全部のシール部材が同時に外れないことも
生じうる。この場合、一部のシール部材だけが外されて
一部の小孔8が開口し、上記開口した小孔8から固結用
薬液の噴出が始まると、長尺注入管2内の液圧が低下し
てしまう。そして、長尺注入管2内の液圧が低下する
と、外れなかったシール部材は外されず、開口しなかっ
た小孔8からは固結用薬液が噴出しなくなる。このよう
に、一部の小孔8だけが開口し、そこから固結用薬液が
噴出してしまうと、固結用薬液の地山1への浸透が不均
一になり、充分な固結領域Cが形成されなくなるおそれ
がある。上記従来の工法では、地山改良効果の確実性と
いう点に問題があり、特に、最近のように長い長尺注入
管2が使用されるほどその傾向が強かった。しかも、上
記従来の工法では、長尺注入管2内の全長にわたって固
結用薬液を充満させなければシール部材を外すことがで
きないため、固結用薬液を注入して充満させるのに時間
がかかるうえ、注入ポンプも大容量のものが必要になっ
ていた。このため、コストアップが避けられないという
問題もあった。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、地山改良効果の確実性に優れ、コスト的にも有
利な地山固結工法の提供をその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の地山固結工法は、周壁に長手方向に所定間
隔で複数の小孔が穿設され、上記各小孔がシール手段に
よりシールされた長尺管を準備し、地山に長穴を削孔し
ながらこの長穴内に上記長尺管を嵌挿し、上記長穴内の
長尺管内部に、上記仕切り部材を設けることにより上記
長尺管内部を複数の空間に仕切るとともに、複数の吐出
管を上記長尺管内に配設して各吐出管の吐出口をそれぞ
れ上記各空間に位置決めし、上記各吐出管に固結用薬液
を圧入し、各吐出口から各空間内に固結用薬液を圧入す
ることにより、上記長尺管のシール手段によるシールを
固結用薬液の圧力で解除させて周壁の小孔を均一に開口
させ、上記各小孔から固結用薬液を噴出させて長尺管外
周の地山内に浸透させることにより固結領域を形成する
ようにしたことを要旨とする。
【0010】すなわち、本発明の地山固結工法は、長尺
管内部に、各小孔の間に位置するよう仕切り部材を設け
ることにより上記長尺管内部を複数の空間に仕切るとと
もに、複数の吐出管を上記長尺管内に配設して各吐出管
の開口をそれぞれ上記各空間に位置決めする。ついで、
上記複数の吐出管に固結用薬液を圧入し、各吐出口から
上記各空間内に固結用薬液を圧入することにより、上記
長尺管のシール手段のシールを固結用薬液の圧力で解除
させて周壁の小孔を均一に開口させる。このように、仕
切り部材で仕切った各空間に固結用薬液を圧入し、各空
間内をそれぞれ固結用薬液で充満させ、各空間ごとに液
圧でシール手段のシールを解除させるようにしている。
したがって、従来のように一部のシール手段だけが外れ
ることによって長尺管内の液圧が低下し、シール手段が
外されずに残るようなことがほとんど生じない。このよ
うに、各空間ごとにシール手段のシールが確実に解除さ
れ、長尺管全体として、小孔が開口されずに残ることが
ほとんど生じない。このため、長尺管のほとんど全ての
小孔から固結用薬液を吐出させ、長尺管の全長にわたっ
て周囲の地山に固結用薬液を浸透させることができる。
このように、本発明の地山固結工法では、地山改良効果
の確実性が格段に向上し、特に、最近のように長い長尺
管を使用する場合に有利である。さらに、長尺管を複数
に仕切った各空間ごとに固結用薬液を充満させるため、
固結用薬液を注入して長尺管内を充満させる時間が短縮
される。また、注入ポンプも小容量のものですむ。この
ため、コスト的にも有利である。
【0011】本発明において、長尺管内に挿入される長
尺状の挿入部材を準備し、この挿入部材の外周に、長手
方向に沿うよう各吐出管を配設するとともに、この挿入
部材の外周に仕切り部材を設け、上記挿入部材を長尺管
内に挿入して、長尺管内を複数の空間に仕切るととも
に、上記各吐出管を長尺管内に配設して各吐出口をそれ
ぞれ各空間に位置決めするようにした場合には、吐出管
が配設され仕切り部材が設けられた挿入部材を長尺管内
に挿入することにより、長尺管内を複数の空間に仕切る
とともに吐出管の吐出口を位置決めすることができる。
したがって、現場での作業性が飛躍的に向上する。さら
に、長尺管内に挿入された挿入部材の容量分だけ注入す
る固結用薬液の容量が少なくてすむうえ、固結用薬液の
注入,充填にかかる時間がさらに短縮され、コスト的に
一層有利になる。
【0012】また、本発明において、複数の吐出管のそ
れぞれに、固結用薬液を同時に圧入するようにした場合
には、固結用薬液の注入・充填にかかる時間がさらに短
縮される。
【0013】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0014】図1および図2は、本発明の地山固結工法
に使用する長尺注入管10を示す。この長尺注入管10
には、その周壁に、長手方向に所定間隔で複数の小孔1
4が穿設されている。そして、上記各小孔14は、離脱
自在のシール部材15が取り付けられることによって栓
されている。
【0015】上記小孔14は、図3に示すように、内周
面に周壁の外側に向かって広がるテーパーが設けられて
いる。また、上記シール部材15は、図4に示すよう
に、上記テーパー状の小孔14に嵌合する逆さ円錐台形
状であり、金属製の枠体15aの内部にゴム材15bが
充填されて形成されている。
【0016】そして、図5は、上記長尺管10の内部に
挿入される樹脂製の挿入管16である。この挿入管16
は、先端に天井部が設けられた有天筒状である。上記挿
入管16の外周には、薬液等が注入されることにより膨
張して隔壁部材を形成する袋体18が所定間隔で設けら
れている。上記各袋体18には、袋体18に薬液を注入
する注入パイプ(図示せず)が連結されている。また、
上記挿入管16の外周には、長手方向に沿うよう複数の
吐出管17が配設され、各吐出管17の先端に開口する
吐出口20が、それぞれ上記袋体18同士の間(先端側
では袋体18の前方)に開口している。
【0017】また、上記吐出管17の先端部分は、図6
に示す静止ミキサー21が取り付けられるように構成さ
れている。
【0018】上記静止ミキサ21には、根元側リング1
9部の中心から前方(図示の矢印X方向)に延びる線状
中心軸22を中心に、左半分にV字状2重羽根23が一
定間隔で傾斜配設され、右半分には1重羽根24が一定
間隔で傾斜配設されている。そして、吐出管17内に圧
入された固結用薬液(ウレタン樹脂のA液およびB液)
を、それぞれ左半分,右半分に受入れ、上記両液を同方
向(図示の矢印AおよびB方向)に旋回させながら移送
するようになっている。この場合、右半分には1重羽根
24、左半分にはV字状2重羽根23が設けられ、ウレ
タン樹脂液が右半分から左半分に旋回移行すると、入口
側が広く出口側が狭隘になっているV字状2重羽根23
の作用によって流速が速められ、左半分から右半分に戻
ると初期速度に戻る。すなわち、A液,B液は、左半
分,右半分の流速の差により、同方向に旋回しながらミ
キシングされるのであり、注入時の初期流速を維持した
ままミキシングされ前方に送られる。したがって、硬化
の著しく速いウレタン樹脂液を圧入する場合において、
ウレタン樹脂液を途中で硬化させることなくミキシング
移送し、先端の吐出口20から円滑に吐出させるように
なっている。
【0019】上記長尺注入管10および挿入管16を用
い、本発明の地山固結工法は、例えば、つぎのようにし
て行われる。
【0020】すなわち、まず、図7に示すように、長尺
注入管10内に、管体の先端にドリル刃12が形成さ
れ、中心に削孔水を吐出させる吐出孔11が形成された
ビットシステム13を設置する。ついで、上記ビットシ
ステム13先端の吐出穴11から削孔水を吐出させなが
らビットシステム13を回転させ、ドリル刃12で地山
1内を堀り進んで長穴4を形成しながら、この長穴4内
に長尺注入管10を嵌挿して設置する。ついで、上記長
尺注入管10内のビットシステム13を取り出したの
ち、図8に示すように、上記長尺注入管10内に、外周
に袋体18および吐出管17が配設された挿入管16を
挿入する。このとき、上記長尺注入管10を、その先端
が長穴4の奥に突き当たるように押し込んでおく。ま
た、この状態で、上記袋体18は、長尺注入管10に長
手方向に所定間隔で設けられた各小孔14の間に配設さ
れるとともに、吐出管17の先端吐出口20は、上記袋
体18同士の間(先端側では前側)に位置決めされる。
【0021】つぎに、上記袋体18に連結された注入パ
イプから、上記袋体18に、ウレタン樹脂からなる速硬
性の薬液を約10kg/cm2 以下程度の圧力で圧入し
て袋体18内に充満させる。これにより、袋体18内部
に注入された薬液が発泡し、袋体18が膨張した状態で
硬化することにより、袋体18が隔壁部材29に形成さ
れ、長尺注入管10内が複数の空間に仕切られる。ま
た、この状態で、上記吐出管17の先端吐出口20が、
各空間内に位置決めされる。
【0022】そののち、長穴4と長尺注入管10の後部
隙間および長尺注入管10と挿入管16の後部隙間をコ
ーキングしたのち、上記各吐出管17に、それぞれ薬液
注入ポンプを連結し、それぞれの吐出管17に同時にウ
レタン樹脂のA液およびB液からなる固結用薬液を圧入
する。これにより、隔壁部材29で仕切られた各空間内
に位置決めされた吐出口20から固結用薬液が圧入さ
れ、各空間内に充満される。そして、このときの液圧あ
るいは発泡圧によって、図9に示すように、各空間の周
壁の小孔14に取付けられたシール部材15が外側に向
かって押されて外される。このとき、長尺注入管10
を、隔壁部材29によって複数の空間に仕切り、各空間
ごとに固結用薬液を圧入し、その液圧あるいは発泡圧に
よりシール部材15を外すようにしたことから、各空間
ごとにシール部材15が確実に外され、長尺注入管10
全体として開口されない小孔14がほとんど残らない。
【0023】そして、シール部材15が外されて開口し
た各小孔14から固結用薬液が噴出し、図10に示すよ
うに、長尺注入管10の周辺の地山1に浸透し、固化し
て固結領域25が形成される。
【0024】上記地山固結工法によれば、長尺注入管1
0のほとんど全ての小孔14から固結用薬液を吐出さ
せ、長尺注入管10の全長にわたって周囲の地山1に固
結用薬液を浸透させることができるため、地山1の改良
効果の確実性が格段に向上する。また、長尺注入管10
を複数に仕切った各空間ごとに固結用薬液を充満させる
ため、固結用薬液を注入して長尺注入管10内を充満さ
せる時間も短縮されるうえ、注入ポンプも小容量のもの
ですむ。
【0025】上記実施の形態では、小孔14に外周面に
向かって広がるテーパを設け、シール部材15として、
逆円錐台形状のものを用いたが、これに限定されるもの
ではなく、例えば、図11に示すシール部材15aを用
いてもよい。このシール部材15aは、樹脂フィルムか
らなり、固結用薬液の液圧によりフィルムが破れてシー
ルが解除されるようになっている。さらに、シール部材
15として、ゴム栓やコルク栓のような栓体を使用して
もよい。これらの場合でも、上記実施の形態と同様の作
用効果を奏する。
【0026】図12は、本発明の第2の実施の形態を示
す。この工法では、先端部にも袋体18を配設した挿入
管16を挿入し、上記袋体18に薬液を注入することに
より、長尺注入管10の先端部に隔壁部材29を形成さ
せて長尺注入管10の先端開口を塞ぐことが行われる。
それ以外は、上記実施の形態と同様であり、上記実施の
形態と同様の作用効果を奏する。
【0027】なお、上記各実施の形態では、固結用薬液
としてA液とB液からなるウレタン樹脂を使用したが、
これに限定するものではなく、セメント等各種の薬液を
使用することができる。また、袋体18に薬液を注入し
て上記袋体18を膨張させることによって隔壁部材29
を形成し、この隔壁部材29によって長尺注入管10内
を複数の空間に仕切るようにしたが、これに限定するも
のではなく、スポンジ,ウレタン,発泡スチロール,シ
ール用布等で形成された隔壁部材29を用いてもよい。
【0028】また、上記各実施の形態では、吐出管17
から固結用薬液を吐出させ、その圧力でシール部材のシ
ールを解除するようにしたが、これに限定するものでは
なく、空気圧や、真空圧によってシール部材のシールを
解除するようにしてもよい。また、固結用薬液を吐出す
る吐出管17以外に、圧縮空気を導入する導入管もしく
は空気を排出する排気管を設けてもよい。
【0029】また、上記各実施の形態において、挿入管
16の材質としては、特に限定されるものではなく、塩
化ビニル,耐熱塩化ビニル,熱可塑性樹脂等の樹脂材
料、鋼,アルミニウム等の金属材料、ゴム材料等各種の
材料が用いられる。また、上記各実施の形態において、
吐出管17の材質としては、特に限定されるものではな
く、熱可塑性樹脂等の樹脂材料、鋼,銅,アルミニウム
等の金属材料、ゴム材料等各種の材料を用いることがで
きる。
【0030】
【発明の効果】以上のように、本発明の地山固結工法に
よれば、従来のように一部のシール手段だけが外れるこ
とによって長尺管内の液圧が低下し、シール手段が外さ
れずに残るようなことがほとんど生じない。このよう
に、各空間ごとにシール手段のシールが確実に解除さ
れ、長尺管全体として、小孔が開口されずに残ることが
ほとんどない。このため、長尺管のほとんど全ての小孔
から固結用薬液を吐出させ、長尺管の全長にわたって周
囲の地山に固結用薬液を浸透させることができる。この
ように、本発明の地山固結工法では、地山改良効果の確
実性が格段に向上し、特に、最近のように長い長尺管を
使用する場合に有利である。さらに、長尺管を複数に仕
切った各空間ごとに固結用薬液を充満させるため、固結
用薬液を注入して長尺管内を充満させる時間が短縮され
る。また、注入ポンプも小容量のものですむ。このた
め、コスト的にも有利である。
【0031】本発明において、長尺管内に挿入される長
尺状の挿入部材を準備し、この挿入部材の外周に、長手
方向に沿うよう各吐出管を配設するとともに、この挿入
部材の外周に仕切り部材を設け、上記挿入部材を長尺管
内に挿入して、長尺管内を複数の空間に仕切るととも
に、上記各吐出管を長尺管内に配設して各吐出口をそれ
ぞれ各空間に位置決めするようにした場合には、吐出管
が配設され仕切り部材が設けられた挿入部材を長尺管内
に挿入することにより、長尺管内を複数の空間に仕切る
とともに吐出管の吐出口を位置決めすることができる。
したがって、現場での作業性が飛躍的に向上する。さら
に、長尺管内に挿入された挿入部材の容量分だけ注入す
る固結用薬液の容量が少なくてすむうえ、固結用薬液の
注入,充填にかかる時間がさらに短縮され、コスト的に
一層有利になる。
【0032】また、本発明において、複数の吐出管のそ
れぞれに、固結用薬液を同時に圧入するようにした場合
には、固結用薬液の注入・充填にかかる時間がさらに短
縮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の地山固結工法に用いる長尺注入管を示
す側面図である。
【図2】上記長尺注入管を示す断面図である。
【図3】小孔がシール部材によってシールされた状態を
示す断面図である。
【図4】上記シール部材を示す斜視図である。
【図5】吐出管および袋体が取付けられた挿通管を示す
側面図である。
【図6】静止ミキサを示す図であり、(a)は斜視図、
(b)は側面図である。
【図7】本発明の地山固結工法の工程を示す説明図であ
る。
【図8】上記工程を示す説明図である。
【図9】上記工程を示す説明図である。
【図10】上記工程を示す説明図である。
【図11】シール部材の第2例を示す断面図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態の地山固結工法の
工程を示す説明図である。
【図13】地山固結工法の説明図である。
【図14】従来例の地山固結工法の説明図である。
【図15】上記地山固結工法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 地山 4 長穴 10 長尺注入管 14 小孔 15 シール部材 17 吐出管 20 吐出口 29 隔壁部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周壁に長手方向に所定間隔で複数の小孔
    が穿設され、上記各小孔がシール手段によりシールされ
    た長尺管を準備し、地山に長穴を削孔しながらこの長穴
    内に上記長尺管を嵌挿し、上記長穴内の長尺管内部に、
    上記仕切り部材を設けることにより上記長尺管内部を複
    数の空間に仕切るとともに、複数の吐出管を上記長尺管
    内に配設して各吐出管の吐出口をそれぞれ上記各空間に
    位置決めし、上記各吐出管に固結用薬液を圧入し、各吐
    出口から各空間内に固結用薬液を圧入することにより、
    上記長尺管のシール手段によるシールを固結用薬液の圧
    力で解除させて周壁の小孔を均一に開口させ、上記各小
    孔から固結用薬液を噴出させて長尺管外周の地山内に浸
    透させることにより固結領域を形成するようにしたこと
    を特徴とする地山固結工法。
  2. 【請求項2】 長尺管内に挿入される長尺状の挿入部材
    を準備し、この挿入部材の外周に、長手方向に沿うよう
    各吐出管を配設するとともに、この挿入部材の外周に仕
    切り部材を設け、上記挿入部材を長尺管内に挿入して、
    長尺管内を複数の空間に仕切るとともに、上記各吐出管
    を長尺管内に配設して各吐出口をそれぞれ各空間に位置
    決めするようにした請求項1記載の地山固結工法。
  3. 【請求項3】 複数の吐出管のそれぞれに、固結用薬液
    を同時に圧入するようにした請求項1または2記載の地
    山固結工法。
JP35812697A 1997-12-25 1997-12-25 地山固結工法 Pending JPH11182172A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35812697A JPH11182172A (ja) 1997-12-25 1997-12-25 地山固結工法

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JP35812697A JPH11182172A (ja) 1997-12-25 1997-12-25 地山固結工法

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