JP5288356B2 - マンホール部の既設配管と新規配管の接続方法 - Google Patents
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図9は施工前の状態(初期状態)を示す図であり、(b)図は(a)図の円内拡大図である。
施工前においては、コンクリート製マンホール(A)の左右の側壁に夫々コンクリート製の既設管路(B)が接続され、各既設管路(B)には既設配管(C)が内蔵されている。既設配管(C)には電力ケーブル等のケーブル(D)が挿通されている。そして、左右の配管(C)に挿通されたケーブル(D)の端部同士が、マンホール(A)内において接続箱(E)を介して接続されている。
次に、掘削孔(K)に作業者が入り、掘削により露出した部分の既設管路(B)及びマンホール(A)の左右側壁のコンクリートをはつり除去する。マンホール(A)の側壁をはつることにより、作業者がマンホール(A)内に入るための穴を形成する。また、既設管路(B)のコンクリートをはつることにより、既設管路(B)内の配管(C)の端部(マンホールとの接続端部)を露出させる。
既設管路(B)内の配管(C)の端部と新規配管(L)の端部の接続に際しては、モルタル(P)により両者を固定した後、掘削孔(K)及びマンホールの首部(F)から生コンクリートを型枠(図示せず)に流し込む(矢印参照)。これにより、既設管路(B)内の配管(C)と新規配管(L)の接続部がコンクリートで被覆され、既設管路(B)内の配管(C)と新規配管(L)とが接続される。同時に新規配管(L)の周囲がコンクリートで被覆された新規管路(M)が形成される。尚、図中の(N)は新規配管(L)同士を接続する継手、(Q)は配管(C)及び新規配管(L)内に挿通されるケーブルである。
新規管路(M)の下方には、新規管路(M)を支持するための砕石(G)及び基礎コンクリート(H)が設けられる。
最後に、図13に示すように、マンホール(A)の首部(F)を撤去し、撤去により生じた穴をコンクリート(R)により塞いで、掘削孔を埋め戻すことにより、工事が完了する。
先ず、マンホール(A)の側壁及び既設管路(B)のコンクリートをはつって、既設管路(B)内の配管(C)の端部と新規管路(M)の配管(L)の端部を接続する作業は、コンクリートのはつりや接続部の整形に熟練を要するため、経験が浅い作業者が行うことは困難である。また、作業に長時間を要するため、全体の作業時間が長くなってしまう。
更に、モルタル(P)により既設管路(B)内の配管(C)の端部と新規管路(M)の配管(L)の端部とを固定しているため、接続部の固定強度が充分に得られない虞がある。
また、マンホール(A)の左右両端部において地面を掘削する作業が必要であるため、作業時間が長くなる。加えて、マンホール(A)の近傍に別の管路(例えばガス管や水道管)が敷設されている場合があり、このような場合には、掘削により別の管路を損傷してしまう虞がある。
更に、新規管路(M)がマンホール(A)内に築造されると、作業者がマンホール(A)の首部(F)から出入りすることが困難となり、作業性が低下する。
また、新規管路(M)を形成するための生コンクリートをマンホールの首部(F)から注入するが、首部(F)同士の間隔は約4mと広いため、生コンクリートをマンホール(A)内において水平方向(管路長さ方向)に流す作業が必要となり、材料分離が生じて固定強度が充分に得られない虞があった。
また、マンホールの左右両端部において地面を掘削する作業が不要となるため、作業時間を短縮することができる。更に、マンホールの近傍にガス管や水道管等の別の配管が敷設されている場合においても、別の配管を掘削により損傷してしまう虞が無く、安全に作業を行うことができる。
図1は本発明に係る方法の施工前の状態(初期状態)を示す図であって、(a)は概略断面図、(b)は(a)図の円内拡大図である。
施工前においては、コンクリート製のマンホール(1)の左右の側壁に夫々コンクリート製の既設管路(2)が接続され、各既設管路(2)には複数本の金属製又は樹脂製の既設配管(3)が内蔵されている。既設配管(3)の内部には電力ケーブル等のケーブル(4)が挿通されている。左右の既設配管(3)に挿通されたケーブル(4)の端部同士は、マンホール(1)内において接続箱(5)を介して接続されている。
第一段階では、マンホール(1)の上部を掘削してマンホール上面を露出する工程(第一工程)と、マンホール(1)の上面を穿孔して作業者がマンホール(1)内に出入りするための作業者出入り用穴(6)を形成する工程(第二工程)を実施する。図2において、(7)は第一工程において形成される掘削孔を示している。
上記第一工程において、マンホール(1)の上部の掘削は、マンホール(1)の上部全体に亘って行うのではなく、複数の首部(8)の間においてのみ行う。これにより、掘削量を削減して作業効率を向上させることができる。
上記第二工程においては、複数の首部(8)の間であって且つマンホール(1)の幅方向中心より外側にて、マンホール(1)の上面を穿孔して作業者出入り用穴(6)を形成する。尚、マンホール(1)の幅方向中心とは、複数の首部(8)の中心同士を結ぶ直線上の位置である。
作業者出入り用穴(6)は複数の首部(8)の中心同士を結ぶ直線上から外れた位置にある(図2(b)参照)。このように、作業者出入り用穴(6)をマンホール(1)の幅方向中心より外側に形成することにより、後述する新規管路がマンホール内に築造された状態でも、作業者がマンホール内に容易に出入りすることが可能となり、作業性が非常に向上する。
生コンクリート注入用孔(9)の形成は、複数の首部(8)の間であって且つマンホール(1)の幅方向中心にて、マンホール(1)の上面をコア抜きすることにより行う。
生コンクリート注入用孔(9)の数は、1つでもよいが複数個(図示例では2個)とすることが好ましい。複数個設ける場合には、図2(b)に示すように、複数の首部(8)の中心同士を結ぶ直線上に並べて設けることが好ましい。
このようにすると、作業者出入り用穴(6)の形成と生コンクリート注入用孔(9)の形成を同じコア抜き装置を使用して連続して行うことができるため、作業効率を高めることが可能となる。また、作業者出入り用穴(6)及び生コンクリート注入用孔(9)の直径を、後述する第四工程にて形成されるコア抜き孔(10)と同じとすると、コア抜き孔(10)の形成も同じコア抜き装置を使用して行うことができるため、より好ましい。
第二段階では、作業者出入り用穴(6)から作業者がマンホール(1)内に入り、既設配管(2)内のケーブル(4)を撤去する工程(第三工程)と、マンホール(1)の側壁の既設管路(2)が接続された部分をマンホール内側からコア抜きする工程(第四工程)を実施する。
コア抜き孔(10)は、マンホール(1)の側壁を貫通し、該側壁に接続された既設管路(2)と該管路に内蔵された既設配管(3)の端部(マンホールとの接続端部)を所定長さ(L)だけ除去するように形成される。所定長さ(L)は、後述する新規配管の端部を固定するために充分な長さに設定され、例えば100〜200mm程度に設定される。
コア抜き孔(10)の直径は、既設配管(3)の直径よりも一回り大きく設定される。
第三段階では、コア抜き孔(10)にマンホール内側から金属製又は樹脂製の新規配管(11)を挿入する工程(第五工程)と、挿入された新規配管(11)の端部と既設配管(3)の端部とを接続する工程(第六工程)と、接続された新規配管(11)と既設配管(3)の内部にケーブル(4)を挿通する工程(第七工程)を実施する。
靱性モルタル(12)の充填作業の際には、予めマンホール(1)の側壁(内壁)に新規配管(11)を囲う方形状の型枠(13)を設置し、靱性モルタル(12)をコア抜き孔(10)に充填するとともに型枠(13)内にも充填する。
型枠(13)内に充填された靱性モルタル(12)は、新規配管(11)を囲うようにマンホール(1)の側壁(内壁)に付着して固化する。
これにより、新規配管(11)は、靱性モルタル(12)によって既設配管(3)及びマンホール(1)の側壁に対して強固に固定される。また、固定部分においてひび割れが生じにくくなる。
第四段階では、マンホール(1)の首部(8)及び生コンクリート注入用孔(9)からマンホール(1)内に生コンクリートを注入して固化させる工程(第八工程)を実施する。尚、図中の矢印は生コンクリートの注入を表している。
コンクリート止め板(17)の高さは、最上部の新規配管(11)の上端よりも僅かに高い程度であり、マンホール(1)の内天井までは達しない高さとされる。
上記第八工程の終了時においては、新規配管(11)の周囲がコンクリートで被覆された新規管路(16)が形成された状態となり(図6(b)参照)、この状態からコンクリート止め板(17)を取り外す。
第五段階では、マンホール(1)内において固化したコンクリートの上方及び側方(即ち、新規管路(16)の上方及び側方)に砕石(18)を充填する工程(第九工程)を実施する。
第六段階では、マンホール(1)の首部(8)を撤去して、マンホール(1)の上部の掘削孔(7)を埋め戻す工程(第十工程)を実施する。
これにより施工が完了する。
そのため、定期的にマンホール(1)内に作業員が入ってケーブル(4)や接続箱(5)のメンテナンスをする必要がなくなる。
2 既設管路
3 既設配管
4 ケーブル
5 接続箱
6 作業者出入り用穴
7 掘削孔
8 マンホールの首部
9 生コンクリート注入用孔
10 コア抜き孔
11 新規配管
12 靱性モルタル
13 型枠
14 継手
15 支持部材
16 新規管路
17 コンクリート止め板
18 砕石
Claims (7)
- マンホールの左右側壁に夫々接続された既設管路に内蔵された既設配管内のケーブルが、マンホール内において接続されている既設マンホールにおいて、
前記既設配管内のケーブルを撤去する工程と、
前記ケーブルが撤去された既設配管に対応する部分において、前記マンホールの側壁をマンホール内側からコア抜きする工程と、
前記コア抜きにより形成されたコア抜き孔に対して、前記マンホール内側から新規配管を挿入する工程と、
前記新規配管の端部と前記既設配管の端部とを接続する工程と、
前記接続された新規配管と既設配管の内部にケーブルを挿通する工程と
を実施することを特徴とするマンホール部の既設配管と新規配管の接続方法。 - 前記コア抜きする工程の前に、
前記マンホールの上部を掘削してマンホール上面を露出する工程と、
前記マンホールの上面を穿孔して作業者がマンホール内に出入りできる作業者出入り用穴を形成する工程を実施し、
前記コア抜きする工程を、作業者が前記作業者出入り用穴から前記マンホール内に入って行うことを特徴とする請求項1記載のマンホール部の既設配管と新規配管の接続方法。 - 前記マンホールが複数の首部を有しており、
前記マンホール上面を露出する工程において、前記マンホールの上部の掘削を前記複数の首部の間においてのみ行い、
前記作業者出入り用穴を形成する工程において、前記複数の首部の間であって且つ前記マンホール幅方向中心より外側にて、前記マンホールの上面を穿孔して作業者出入り用穴を形成することを特徴とする請求項2記載のマンホール部の既設配管と新規配管の接続方法。 - 前記作業者出入り用穴を、コア抜きによって前記生コンクリート注入用孔と同径の穴を複数個繋げることにより形成することを特徴とする請求項2又は3記載のマンホール部の既設配管と新規配管の接続方法。
- 前記マンホールが複数の首部を有しており、
前記マンホール上面を露出する工程の後に、前記複数の首部の間において前記マンホールの上面を穿孔して生コンクリート注入用孔を形成する工程を実施し、
前記新規配管の端部と前記既設配管の端部とを接続する工程の後に、前記首部及び前記生コンクリート注入用孔から前記マンホール内に生コンクリートを注入して、前記新規配管の周囲で固化させる工程を実施することを特徴とする請求項2又は3記載のマンホール部の既設配管と新規配管の接続方法。 - 前記新規配管の端部と前記既設配管の端部とを接続する工程において、
前記コア抜き孔に靱性モルタルを充填することにより、前記新規配管を前記マンホール側壁及び前記既設配管に対して固定することを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載のマンホール部の既設配管と新規配管の接続方法。 - 前記マンホール内に生コンクリートを注入して固化させる工程の後、
固化したコンクリートの上方及び側方に砕石を充填する工程と、
前記マンホールの首部を撤去してマンホールの上部を埋め戻す工程を実施することを特徴とする請求項5記載のマンホール部の既設配管と新規配管の接続方法。
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