JP2005030142A - 地中壁の築造工法、地中壁の築造装置および地中壁の築造装置におけるチェーン式掘削装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 走行体を有するベースマシンには可動可能なアームが設けられ、このアームにチェーン式掘削装置が設けられる。このチェーン式掘削装置は、掘削歯を備えた複数のエンドレスチェーンが互いに独立してカッターポストの上下両端間に循環可能に掛け渡されてなり、複数のエンドレスチェーンを正回転または逆回転させたり、別々に回転速度および回転方向を変えたりすることを選択的に実施する。
【選択図】 図1
Description
このような掘削装置101を使用する地中壁の築造方法では、図12に示すようにベースマシン102の進行方向に対し側方に取付たガイドフレーム104に沿ってチェーン式掘削装置108が直線状にのみ移動するため、曲線や直角に折れ曲がった地中壁の築造においては、その都度チェーン式掘削装置108を地上に引き上げて、新たにセットアップし直すという作業が必要となり、時間と労力を要する課題がある。
しかし、この方法もトレンチャーの掘削歯を取付けた一本のチェーンが、正回転または逆回転するだけであるので、曲線や直角に折れ曲がった地中壁の築造においては、その都度トレンチャーを地上に引き上げて、新たにセットアップし直すという作業が必要となり、作業効率が悪いし労力もかかる課題がある。
前記チェーン式掘削装置は、掘削歯を備えた複数のエンドレスチェーンの一部または全部が互いに独立してカッターポストの上下両端間に循環可能に掛け渡されてなり、この複数のエンドレスチェーンの一部または全部にはそれぞれ独立したモータが連結され、そのエンドレスチェーンは独立して正回転または逆回転されるものであり、複数のエンドレスチェーンを正回転または逆回転したり、複数のエンドレスチェーンの回転速度を変えたり、および複数のエンドレスチェーンの回転方向を変えたりすることを選択的に実施して掘削することを特徴とする。
また、このチェーン式掘削装置は、ベースマシンに可動可能に設けられたアームに取付けられているので、例えば、河川の堤などの狭い場所の中央であっても容易に地中壁の築造が施工できる。
予め地盤に地上から最深部に向かって傾斜底面となっているガイドトレンチを形成する第1工程と、
ベースマシンのアームにチェーン式掘削装置の建て込んだとき上端となる側を回転自在に連結した後、ベースマシンによりチェーン式掘削装置を傾斜底面にガイドさせつつ下端が最深部に到達するまで挿入し、チェーン式掘削装置をガイドトレンチ内の最深部から傾斜底面に沿って位置させる第2工程と、
この状態でチェーン式掘削装置を駆動させガイドトレンチの傾斜底面を主にチェーン式掘削装置の自重による掘削歯の抵抗により掘削しつつベースマシンを徐々に進めることにより傾斜状態にあったチェーン式掘削装置を、徐々に垂直状態にし、垂直状態になったらチェーン式掘削装置を固定手段によりベースマシンのアームに固定する第3工程と、
その後、チェーン式掘削装置を駆動し掘削土と処理材を撹拌混合しつつ徐々にベースマシンを前進または後退させることによって地中壁を築造する第4工程とよりなることを特徴とする。
これによりチェーン式掘削装置を地盤中に容易に能率よく建て込み、地中壁の施工ができる。
これによりチェーン式掘削装置を地盤中に容易に能率的に建て込み、直線状だけでなく曲線状や直角な折り曲げ線状の地中壁を、セットアップし直すことなく連続して施工できるし、例えば、河川の堤などの狭い場所の中央でも地中壁の施工ができる。
前記チェーン式掘削装置は、掘削歯を備えた複数のエンドレスチェーンの一部または全部が互いに独立してカッターポストの上下両端間に循環可能に掛け渡されてなり、この複数のエンドレスチェーンの一部または全部にはそれぞれ独立したモータが連結され、そのエンドレスチェーンは独立して正回転または逆回転されることを特徴とする。
この築造装置によれば掘削歯を備えた複数のエンドレスチェーンを、それぞれ独立して正回転または逆回転させたり、互いの回転速度を変えたり、互いの回転方向を変えたりすることができるので、これらの動作を選択して施工することで直線状はもちろんのこと曲線状や直角な折り曲り線状の地中壁を、セットアップし直すことなく連続して築造することができる。また、この築造装置のチェーン式掘削装置は、ベースマシンに可動可能に設けられたアームに取付けられているので、例えば、河川の堤などの狭い場所の中央であっても地中壁の築造ができる。
これにより掘削歯を備えた複数のエンドレスチェーンを、それぞれ独立して正回転または逆回転させたり、互いの回転速度を変えたり、互いの回転方向を変えたりすることができるので、これらの動作を選択して施工することで直線状はもちろんのこと曲線状や直角な折り曲り線状の地中壁を、セットアップし直すことなく連続して築造することができる。また、このチェーン式掘削装置は、他の種々の施工機に採用してもよいことはもちろんである。
また、この発明の処理材としては、一般に地盤改良に使用されるものであればよく、例えばセメントスラリーやセメント系固化材液であっても、軽量体等の粒状体等でも、振動遮断用の目的に使用されるものであってもよい。
(1)この発明によればチェーン式掘削装置は、掘削歯を備えた複数のエンドレスチェーンの一部または全部が互いに独立してカッターポストの上下両端間に循環可能に掛け渡されてなり、この複数のエンドレスチェーンの一部または全部にそれぞれ独立したモータが連結されているので、その掘削歯を備えた複数のエンドレスチェーンは、それぞれ独立して正回転または逆回転できるし、互いの回転速度および回転方向を同一としたり変えたりすることができる。従って、これらを適宜選択して施工することにより直線状だけでなく曲線状や直角な折り曲り線状の地中壁もセットアップしなおすことなく連続して築造することができる。
(3)この発明の地中壁の築造工法によれば、チェーン式掘削装置を地盤中に容易に能率よく建て込み、地中壁の施工ができる。
図5は上端の左右外側の駆動スプロケット部分の拡大側面図、図6は上端の中央の駆動スプロケット部分の拡大側面図である。同図に示すように本例ではカッターポスト9の上端の3個のスプロケットの内、左右外側の駆動スプロケット13は大径であり、中央のスプロケット13aは小径となっている。そして、少なくとも左右外側のスプロケット13、13には独立のモータ15、16が連結され、それぞれ独立して回転するが、中央の小径のスプロケット13aは両側のいずれかのスプロケット13と連動してもよいし、別のモータ(図示省略)で独立して回転してもよい。
まず、図10(A)に示すように予め地盤に地上から最深部21bに向かって傾斜底面21aとなっているガイドトレンチ(ガイド溝)21を形成する。このガイドトレンチ21の形成は、バックホウ等の掘削装置を用いて行う。
次に、図10(B)に示すようにガイドトレンチ21近傍の地上においてチェーン式掘削装置8を組立てる。この図10(B)では、組立てられたチェーン式掘削装置8が地上にねかされている状態が示されている。この時のチェーン式掘削装置8の長さ、つまりカッターポスト9の長さは、地中壁の計画深さに合わせて選択される。
ガイドトレンチ21を掘削したら、このガイドトレンチ21を跨いで架台を設置してその上にチェーン式掘削装置8を水平に組立てる。この時チェーン式掘削装置8を組立てるカッターポスト9の長さは、築造しようとする地中壁の計画深さに合わせて選択される。次にベースマシン2を移動してアーム4とチェーン式掘削装置8の最頂部を回転ピンで回転自在に連結する。この時は固定手段としての固定ピン17(図1参照)はまだ使用せず、回転自在となっている。この状態でアーム4に回転自在に連結されたチェーン式掘削装置8は、クレーンにより水平に保持した後、架台を取り除き、クレーンによりガイドトレンチ21内に降ろし、図11(E)に示すように先端がガイドトレンチ21の最深部21bに位置して傾斜底面21aに設置して建て込む。
チェーン式掘削装置8のガイドトレンチ21への建て込みに際しては、ガイドトレンチ21の溝壁が崩壊しないようにガイドトレンチ21内をベントナイト安定液で満たすのが好ましい。
この時、地中壁の築造装置1のチェーン式掘削装置8は、左右両側のエンドレスチェーン10、10がそれぞれ独立して循環可能となっており、それぞれのエンドレスチェーン10、10にはそれぞれ独立したモータが連結されて循環されるようになっているので、エンドレスチェーン10、10は正回転のみならず逆回転により溝壁切削面(掘削面)から離れて(後退して)掘削土と処理材の撹拌混合を行うことも、また、左右のエンドレスチェーン10、10の回転速度を変えて、掘削方向(地中壁の築造方向)を制御することも、さらに、左右のエンドレスチェーン10、10の回転方向を互いに逆方向に回転して進行方向を制御して、曲線状や折れ曲がり線状に屈曲した地中壁や直角に曲った地中壁を築造することもできる。
また、処理材としては、一般に地盤改良に使用されるものであればよく、例えば、セメントスラリーやセメント系固化材液であっても、軽量体等の粒状体等でも、汚染地盤の浄化用のものであっても、振動遮断用の目的に使用されているものであってもよい。
2 ベースマシン
3 走行体
4 アーム
4a 主アーム
4b 第1アーム
4c 第2アーム
8 チェーン式掘削装置
9 カッターポスト
10 エンドレスチェーン
11 掘削歯
12 邪魔板
13、13a 駆動スプロケット
14 ガイドスプロケット
15、16 モータ
17 固定ピン
21 ガイドトレンチ
21a 傾斜底面
21b 最深部
Claims (5)
- 走行体を有するベースマシンには可動可能なアームが設けられ、掘削歯を備えたエンドレスチェーンがカッターポストの上下両端間に循環可能に掛け渡されてなるチェーン式掘削装置を、該アームに取付た築造装置を用いて処理材と掘削土を撹拌混合することにより地中壁を築造する工法であって、
前記チェーン式掘削装置は、掘削歯を備えた複数のエンドレスチェーンの一部または全部が互いに独立してカッターポストの上下両端間に循環可能に掛け渡されてなり、この複数のエンドレスチェーンの一部または全部にはそれぞれ独立したモータが連結され、そのエンドレスチェーンは独立して正回転または逆回転されるものであり、複数のエンドレスチェーンを正回転または逆回転したり、複数のエンドレスチェーンの回転速度を変えたり、および複数のエンドレスチェーンの回転方向を変えたりすることを選択的に実施して掘削することを特徴とする地中壁の築造工法。 - 走行体を有するベースマシンには可動可能なアームが設けられ、掘削歯を備えたエンドレスチェーンがカッターポストの上下両端間に循環可能に掛け渡されてなるチェーン式掘削装置を、該アームに取付た築造装置を用いて処理材と掘削土を撹拌混合することにより地中壁を築造する工法であって、
予め地盤に地上から最深部に向かって傾斜底面となっているガイドトレンチを形成する第1工程と、
ベースマシンのアームにチェーン式掘削装置の建て込んだとき上端となる側を回転自在に連結した後、ベースマシンによりチェーン式掘削装置を傾斜底面にガイドさせつつ下端が最深部に到達するまで挿入し、チェーン式掘削装置をガイドトレンチ内の最深部から傾斜底面に沿って位置させる第2工程と、
この状態でチェーン式掘削装置を駆動させガイドトレンチの傾斜底面を主にチェーン式掘削装置の自重による掘削歯の抵抗により掘削しつつベースマシンを徐々に進めることにより傾斜状態にあったチェーン式掘削装置を、徐々に垂直状態にし、垂直状態になったらチェーン式掘削装置を固定手段によりベースマシンのアームに固定する第3工程と、
その後、チェーン式掘削装置を駆動し掘削土と処理材を撹拌混合しつつ徐々にベースマシンを前進または後退させることによって地中壁を築造する第4工程とよりなることを特徴とする地中壁の築造工法。 - 前記チェーン式掘削装置は、掘削歯を備えた複数のエンドレスチェーンの一部または全部が互いに独立してカッターポストの上下両端間に循環可能に掛け渡されてなり、この複数のエンドレスチェーンの一部または全部にはそれぞれ独立したモータが連結され、そのエンドレスチェーンは独立して正回転または逆回転さされるものであり、複数のエンドレスチェーンを正回転または逆回転したり、複数のエンドレスチェーンの回転速度を変えたり、および複数のエンドレスチェーンの回転方向を変えたりすることを選択的に実施して掘削することを特徴とする請求項2記載の地中壁の築造工法。
- 走行体を有するベースマシンには可動可能なアームが設けられ、掘削歯を備えたエンドレスチェーンがカッターポストの上下両端間に循環可能に掛け渡されてなるチェーン式掘削装置を、該アームに取付た築造装置を用いて処理材と掘削土を撹拌混合する地中壁の築造装置であって、
前記チェーン式掘削装置は、掘削歯を備えた複数のエンドレスチェーンの一部または全部が互いに独立してカッターポストの上下両端間に循環可能に掛け渡されてなり、この複数のエンドレスチェーンの一部または全部にはそれぞれ独立したモータが連結され、そのエンドレスチェーンは独立して正回転または逆回転されることを特徴とする地中壁の築造装置。 - 掘削歯を備えた複数のエンドレスチェーンの一部または全部が互いに独立してカッターポストの上下両端間に循環可能に掛け渡されてなり、この複数のエンドレスチェーンの一部または全部にはそれぞれに独立したモータが連結され、そのエンドレスチェーンは独立して正回転または逆回転されることを特徴とする地中壁の築造装置におけるチェーン式掘削装置。
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