JP2004092127A - 地盤改良方法および地盤改良機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】掘削具を備えたカッターポストを地中に差し込んだ状態で左右方向に移動させて掘削溝を形成するとともに、その掘削溝に改良材を投入する地盤改良方法において、掘削具として左右方向の掘削を行うチェーン式カッターのカッタービット11に加え、前後方向の掘削を行うサイドカッター22,23を設け、カッタービット11による左右方向の掘削溝の終点で、サイドカッター22,23による前後方向の掘削を行わせてカッターポスト6を前後方向に位置を変えながら折り返し掘削を行うことにより、掘削溝を前後複数列に連続させて一定領域の地盤を改良することを特徴とする。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地盤強度を向上させるための地盤改良方法および地盤改良機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、地盤を改良する方法として例えば、特開平5−098631号公報に記載の深層混合処理方法が知られている。
【0003】
この処理方法は、下端部に撹拌翼を備えた撹拌軸を回転させながら地中に貫入し、生石灰やセメントミルク等の改良材と軟弱粘性土等を地盤中で撹拌混合し、改良材と粘性土等の化学的な結合作用を利用して、強固な円柱状パイルを造成するものである。
【0004】
この深層混合処理方法によって所望する範囲の地盤を改良する場合、上記円柱状パイルを前後左右に隙間なく施工することになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の深層混合処理方法では、1回の施工で造成されるパイルが円柱状であるため、連続して地盤を改良するには、図13に示すように、その一部(図中、F部分)を重複させて施工しなければならず、しかも、地盤改良部位を移動する毎に(例えばH1からH2に)撹拌軸を地中から引き上げなければならず、時間的に、また経済的にも多大なロスが発生していた。
【0006】
また、改良材と撹拌混合する軟弱粘性土は深度によってその性状が異なることがあり、深度方向に均一な強度と品質を確保することが困難であるという問題もある。
【0007】
本発明は以上のような従来の深層混合処理方法における課題を考慮してなされたものであり、重複施工を解消して時間的、経済的なロスを低減することができ、かつ深度方向に均一な強度と品質を得ることができる地盤改良方法および地盤改良機を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の地盤改良方法は、掘削具を備えたカッターポストを地中に差し込んだ状態で左右方向に移動させて掘削溝を形成するとともに、その掘削溝に改良材を投入する地盤改良方法において、掘削具として左右方向の掘削を行う第一掘削具に加え、前後方向の掘削を行う第二掘削具を設け、第一掘削具による左右方向の掘削溝の終点で、第二掘削具による前後方向の掘削を行わせてカッターポストを前後方向に位置を変えながら折り返し掘削を行うことにより、掘削溝を前後複数列に連続させて一定領域の地盤を改良する地盤改良方法である。
【0009】
上記地盤改良方法において、第一掘削具による掘削溝の終点で、第二掘削具によりカッターポストを掘削溝と直角方向に移動させ、次の列の掘削溝を平行に折り返し掘削すれば、地盤を矩形状に改良することができる。
【0010】
上記地盤改良方法において、カッターポストに押付手段を有し、掘削溝の終点でこの押付手段により第二掘削具を掘削地盤に押し付けながら前後方向の掘削を行うことが好ましい。
【0011】
上記地盤改良方法において、カッターポストの傾斜を検出する傾斜検出手段を有し、この傾斜検出手段から求められる傾斜角度に基づいてカッターポストの掘削姿勢を制御すれば、設計通りの掘削溝を形成することができ、カッターポストの下端に至るまで正確に地盤を改良することができる。
【0012】
本発明の地盤改良機は、掘削具を備えたカッターポストを地中に差し込んだ状態で左右方向に移動させて掘削溝を形成するとともに、その掘削溝に改良材を投入する地盤改良機において、掘削具として左右方向の掘削を行う第一掘削具に加えて、前後方向の掘削を行う第二掘削具が設けられた地盤改良機である。
【0013】
上記地盤改良機において、上記カッターポストに、カッターポストまわりを周回するチェーン式カッターが設け、このチェーン式カッターに第一掘削具および第二掘削具を設けることができる。
【0014】
上記地盤改良機において、上記カッターポストに、第二掘削具を掘削地盤に押し付ける押付手段を設けることが好ましい。
【0015】
上記地盤改良機において、上記押付手段は、カッターポストを部分的に押圧するように構成され、かつカッターポストの深度方向に設けられたガイドレールに沿って昇降できるように構成することができる。
【0016】
上記地盤改良機において、上記押付手段の一具体例としては、拡縮し得る袋体と、その袋体に対して流体を給排する給排装置とから構成されたものが示される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の地盤改良方法に使用される地盤改良機の構成を示した側面図であり、図2はその正面図である。
【0019】
両図において、地盤改良機1は、TRD(Trench−cutting Re−mixing Deep Wall Method)工法に使用される連続溝掘削機と基本的に同じ構成からなり、地上を走行するためのクローラ2aを装着した下部走行体2上に上部旋回体3を搭載し、この下部走行体2に門型フレーム4を備えている。
【0020】
この門型フレーム4には、一対の横行上シリンダ4aおよび横行下シリンダ4bが上下に平行して配置されており、リーダ5に垂下されたカッターポスト6に対して横行掘削推力を与えるようになっている。このカッターポスト6をガイドとしてチェーン式カッター7が回転するようになっている。
【0021】
上記カッターポスト6は、連結された長尺の箱形フレームで構成されており、その上端部に設けられた回転駆動装置8によって駆動輪9aが回転する。この駆動輪9aとカッターポスト6の下端部に設けられた遊動輪9bとの間に上記チェーン式カッター7のエンドレスチェーン10が掛け渡されており、このチェーン10の外周側にビットプレートを介して多数の掘削ビット(第一掘削具)11が配列されている。なお、回転駆動装置8はリーダ5に配置された昇降シリンダ5aによって昇降させることができるようになっている。
【0022】
上記チェーン式カッター7を駆動させつつ地中でカッターポスト6を横方向(図2のX−X′方向)に移動させることにより、その進行方向に溝を掘削する。
【0023】
また、回転駆動装置8には地上傾斜計が備えられ、カッターポスト6には地中傾斜計が深さ方向に複数配設されている。これらの傾斜計は、例えば、ひずみゲージ式センサ、ポテンショメータ等から構成され傾斜検出手段として機能するものであり、地盤改良機1の進行方向における傾斜角を検出するもの、また、地盤改良機1の進行方向に対して直交する側方の傾斜角を検出するもの、進行方向および側方の傾斜角を同時に検出するものがある。
【0024】
これらの傾斜計から得られた傾斜角データは、運転室内のコンピュータで処理され、カッターポスト6の傾斜状態や撓みがモニタ画面にリアルタイムで表示されるようになっている。
【0025】
図3は、地盤改良機1のカッターポスト6の側面に装備された押付手段としての側方推力補助装置を示したものであり、(a)は図2のA−A矢視断面図、(b)はその正面図、(c)はその側面図である。
【0026】
図3の各図において、カッターポスト6の側面にはその長手方向にガイドレール20a,20bが配設されており、このガイドレール20a,20bをガイドして箱状の側方推力補助装置21が昇降するようになっている。
【0027】
この側方推力補助装置21は、掘削ビット11の外周端11aとカッターポスト6側面との隙間Bを利用して取り付けられており、昇降用ロープ20cを図示しないウインチで巻き取り、または巻き解くことにより昇降するようになっている。なお、下降推力は、側方推力補助装置21の下端部に取り付けられた錘によって発生する。なお、図中20dは推力を発生させる媒体としての流体を供給するための流体注入ホースであり、この流体注入ホースは図示しない流体給排装置に接続されている。
【0028】
側方推力補助装置21は、その内部に流体を収納し得る袋体としてのバッグを備えており、流体を注入すると、図4に示すように、台座21aからバッグ21bが矢印C方向(側方)に伸張し、バッグ21bの先端に設けられている押圧板21cが掘削壁Dを押圧し、それにより、後述するサイドカッター(矢印E方向に掘削する)の掘削反力を支持するようになっている。
【0029】
なお、バッグ21bの仕様は、地盤改良機の能力に応じて適宜選択されるが本実施形態においては、伸張長さが1500mm程度、最大推力が100kN程度のものを採用している。
【0030】
図5は側方掘削を行うためのサイドカッター(側方カッター)の構成を示したものであり、(a)はサイドカッターの正面図、(b)はその側面図、(c)はその底面図を示している。
【0031】
図5の各図において、サイドカッターは、カッターポスト6の一方側を移動する掘削ビット11のビットプレート11bに対してL字状に接続された第一サイドカッター22と、他方側を移動する掘削ビット11のビットプレート11bに対してL字状に接続され、第一サイドカッター22に対して左右対称に配置された第二サイドカッター23とから構成されている。上記両サイドカッター22,23は第二掘削具として機能する。
【0032】
第一サイドカッター22を代表して説明すると、第一サイドカッター22は、上下方向に複数段(本実施形態では3段)配置された横フレーム22aと、各横フレーム22aを縦方向に接続する縦フレーム22bとを有している。横フレーム22aにはT字状のガイド22c(図5(b)参照)が設けられており、このガイド22cに対してT字溝を有する掘削ビットユニット22dが複数差し込まれ、図示しない固定ピンによって固定されている。なお、掘削ビットユニット22dの上下両端に掘削ビット22eが取り付けられている。
【0033】
この第一サイドカッター22では、掘削ビットユニット22dをガイド22cに対して所望する個数、また、任意の位置に取り付けることができ、また、取り外すことも可能である。
【0034】
この第一サイドカッター22と第二サイドカッター23とがそれぞれ昇降動作することにおり、カッターポスト側方の地盤を掘削することができるようになっている。
【0035】
図6はその側方掘削の原理図を示したものであり、(a)は平面図、(b)は側面図である。同図に示すように、カッターポスト6における側方推力補助装置21取付側と反対側に上記第一サイドカッター22および第二サイドカッター23を配置しているため、カッターポスト6を後方向に移動させながら掘削を行うことが可能になる。
【0036】
ただし、上記した両サイドカッター22,23は、側方掘削を行うときにのみ掘削ビット11のビットプレート11aに装着されるものであり、従来の左右方向の連続溝を掘削する場合には取り外される。
【0037】
次に、上記構成を有する地盤改良機1を用いた地盤改良方法について説明する。
【0038】
図7は地盤改良の施工手順を示したものである。
【0039】
まず、地盤改良機1を施工範囲Eにおける施工開始位置P1(施工範囲Eのコーナー部分)に移動させ、カッターポスト6を所定深度まで建て込む。
【0040】
次に、左右方向P1→P2について地盤改良を行う。このとき、地中に差し込んだカッターポスト6をd1方向に移動させ、溝掘削と造成(固化液と掘削部分の土砂とを混合、撹拌する)を一回の工程で行ういわゆる1パス施工を行う。
【0041】
このとき、地盤改良機1のカッターポスト6にはその深度方向に傾斜計が備えられているため、掘削される連続溝の形状がリアルタイムでモニタの画面上に表示される。したがって掘削される連続溝の形状を最深部にいたるまで監視することができる。また、傾斜角度データに基づいてカッターポストの姿勢を制御することができるため、後述するように地盤改良を繰り返し施工する場合において重複部分を最小限、またはゼロにして地盤改良を行うことができる。
【0042】
次に、移動端のP2ではカッターポスト6を側方(d2方向)に移動させる。従来の連続溝掘削機では専らd1方向の掘削施工のみ可能であり側方掘削を行う機能が備わっていない。ところが、本実施形態の地盤改良機では側方掘削を行うための両サイドカッター22,23と、その両サイドカッター22,23を掘削壁に押圧するための側方推力補助装置21が備えられているため、カッターポスト6を側方(d2方向)に移動させつつ地盤改良を行うことができる。
【0043】
詳しく説明すると、側方掘削ではチェーン式カッター7において地上に露出している部分に各サイドカッター22,23を装着する。このとき、各サイドカッター22,23を深度方向に位置をずらせて装着し、チェーン10をカッターポスト6を周回させずにカッターポスト6右側に位置するチェーンと左側に位置するチェーンを互いに逆方向となるように限られた範囲で往復移動させることにより両サイドカッター22,23を駆動させる。
【0044】
次に、地中に差し込まれたカッターポスト6の上方に側方推力補助装置21を配置し、そのバッグ21b(図4参照)に流体を注入して側方掘削の駆動反力を支持し、その側方推力補助装置21を順次、カッターポスト6の下部まで降下させて側方掘削を行う。
【0045】
カッターポスト6の下端まで側方掘削が行われてカッターポスト6が略鉛直の姿勢になると、側方推力補助装置21のバッグ21bに注入した流体を吸入して側方推力補助装置21による押圧力を解除し、ウインチを巻き取ることによって側方推力補助装置21を地上に引き上げる。
【0046】
次いで、両サイドカッター22,23を取り外す。
【0047】
引き続き、図7においてカッターポスト6を横方向(矢印d3方向)に移動させて溝掘削、造成を行う。
【0048】
地盤改良機には、地中壁の状況を監視する監視装置が搭載されており、カッターポストの各深度毎に配設されたセンサーからの信号とGPS(Global Positioning System)等の外部からの位置信号にもとづき、地中の改良状況が二次元または三次元で表示されるようになっている。そして、重複部(オーバーラップ量)Cを確保した位置P3まで掘削および造成しながら移動する。
【0049】
そして、既に造成された地中の様子は、上記監視装置によって地盤改良状況として記録され、その地盤改良状況をもとにして折り返し掘削の進路が設定される。
【0050】
なお、予定造成領域に対して位置ずれがある場合には、その位置ずれを補正するように監視装置を設定し修正造成を行う。この際、造成領域の計測を行なった後に補正を行うようにするとより精度を向上させることができる。
【0051】
このように、上記監視装置で記録された造成領域のデータに基づいて折り返し掘削が行われる。また、このようにして造成作業を行うことで、重複して造成する重複部Cを最小限としながら改良漏れのない造成を行うことができる。
【0052】
移動端P4では上記したP2と同様にして側方掘削(矢印d4方向)を行う。
【0053】
上記した横方向の溝掘削、造成と、側方への溝掘削、造成をジグザクに施工していくことにより、施工範囲E全体の地盤改良を行う。
【0054】
なお、側方掘削において、地盤改良機1本体は矢印d2方向に自走することはできないため、図8に示す搬送手段を利用する。
【0055】
同図において、移動端P2にはローラ付き台座24,25が設置されており、地盤改良機1はこの台座24,25上にd1方向から乗り上がる。図中2a,2aは、台座24,25上に乗り上った地盤改良機1のクローラを示している。
【0056】
この状態でワイヤロープ等で地盤改良機1の本体を矢印d2方向に引っ張ることにより、地盤改良機1の本体を側方に移動させる。
【0057】
なお、初回造成時には予定領域を設定しておき、これに対してリアルタイムで検出される造成データとを比較し、この間で位置ずれがある場合は、適宜修正の造成を行うように警報を出力するように構成してもよい。
【0058】
また、折り返し造成時には、監視装置に記録されている造成済み地中領域のデータから、予め漏れが無いように造成するのに必要な造成領域とそのための造成ルートと自動的に演算し表示することもできる。また、折り返し掘削で造成する新規の造成領域とを比較しながら漏れがないように造成を自動で行うように制御することもできる。
【0059】
なお、上述した実施形態では図3に示したように所定のサイズの側方推力補助装置21を用いており、降下させながらカッターポスト6の深度方向に側方掘削を行う方法を示した。この場合の側方掘削を図9の(a)に示す。
【0060】
しからながら、側方推力補助装置21は上記したものに限らず、例えば図9(b)の21´に示すように、カッターポスト6の深度方向全体にわたって同時に押圧するものであってもよい。
【0061】
また、図9(c)に示すように、深度方向に複数の側方推力補助装置21″を配設し、必要に応じていずれかの側方補助装置21″に対して選択的に側方推力を発生させるものであってもよい。
【0062】
また、図10は側方推力補助装置の別の実施例を示したものである。
【0063】
同図に示す側方推力補助装置は、流体をバッグに注入によって推力を発生するのとは異なり、機械的に伸縮する機構を用いて側方推力を発生するように構成されている。
【0064】
この側方推力補助装置30は、カッターポスト6に沿って昇降し得る油圧シリンダ30aと、その油圧シリンダ30aのロッド30b先端に設けられたパンタグラク機構30cとから構成されている。
【0065】
油圧シリンダ30aのヘッド側に圧油を供給すると、ロッド30bが伸長し、カッターポスト6と掘削壁との間に配置されたパンタグラク機構30cが拡張する方向に動作し、カッターポスト6を介してサイドカッター22,23を掘削壁に押圧する。
【0066】
油圧シリンダ30aのロッド側に圧油を供給すると、ロッド30bが縮小し、パンタグラク機構30cが縮小する方向に動作し、両サイドカッター22,23の押圧が解除される。
【0067】
このように機械的な押付手段によってもサイドカッター22,23を掘削壁に押圧するための側方推力を発生することができる。
【0068】
図11および図12は第二掘削具の変形例および別の変形例を示したものである。
【0069】
なお、両図において、図5と同じ構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0070】
図11において、サイドカッターは、第一サイドカッター40と、第一サイドカッター40に対して左右対称に配置された第二サイドカッター41とから構成されている。
【0071】
第一サイドカッター40を代表して説明すると、第一サイドカッター40は、上下方向に3段配置された横フレーム40aと、各横フレーム40aを縦方向に接続する縦フレーム40bとを有している。横フレーム40aには複数の掘削ビット支持体40cが溶接されており、この掘削ビット支持体40cに掘削ビット40dが取り付けられる。
【0072】
また、図12に示すサイドカッター42は、二つのビットプレート11b,11bに跨がって取り付けられた矩形状のプレート42aを有し、このプレート42a上には、図5で説明したガイド22cと同様の構成からなるガイド42bが平行して配設されており、各ガイド42bに、掘削ビット42cを備えた掘削ビットユニット42dが装着されている。
【0073】
なお、各ガイド42bに装着される掘削ビット42cは横方向に位置をずらせて取り付けられており、全体として全幅掘削を行うように構成されている。このサイドカッター42の構成では、掘削ビット42cの捻転を防止することができる利点がある。
【0074】
なお、図では省略しているが、カッターポスト6の左側には、サイドカッター42と左右対称にサイドカッター43(図示しない)が配置されている。
【0075】
なお、上記実施形態では、カッターポスト6を後方向に位置を変えながら順次複数列の掘削溝を形成したが、両サイドカッター22,23と側方推力補助装置30の配置を逆にすれば、具体的にはカッターポスト6の前面側に両サイドカッター22,23を配置し、カッターポスト6の背面側に側方推力補助装置21を配置すれば、カッターポスト6を前方向に位置を変えながら順次複数列の掘削溝を形成することもできる。
【0076】
この場合は、造成済みの領域の上に敷板を敷き詰めるなどして養生を施し、地盤改良機が乗り入れ可能な状態とすることが望ましい。
【0077】
さらに、複数台の地盤改良機を用いて造成を行う場合は、各々機械に搭載された監視装置のデータを現場事務所や基地局等のサーバーに送信して蓄積管理し、このサーバーでのシミュレーション等の演算処理結果を地盤改良機へ送信することで造成作業を効率良く行うことができるようになる。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、請求項1の本発明によれば、第一掘削具による左右方向の掘削溝の終点で、第二掘削具による前後方向の掘削を行わせてカッターポストを前後方向に位置を変えながら折り返し掘削を行なうことにより、掘削溝を前後複数列に連続させて一定領域の地盤を改良するため、重複施工を解消して時間的、経済的なロスを低減することができる。
【0079】
請求項2の本発明によれば、地盤を矩形状に改良することができる。
【0080】
請求項3の本発明によれば、掘削溝の終点で押付手段により第二掘削具を掘削地盤に押し付けながら前後方向の掘削を行うため、効率の良い側方掘削が行える。
【0081】
請求項4の本発明によれば、傾斜検出手段から求められる傾斜角度に基づいてカッターポストの掘削姿勢を制御するため、設計通りの掘削溝を形成することができ、カッターポストの下端に至るまで正確に地盤を改良することができる。
【0082】
請求項5の本発明によれば、掘削具として左右方向の掘削を行う第一掘削具に加えて、前後方向の掘削を行う第二掘削具が設けたため、掘削溝を前後複数列に連続させて掘削し地盤を改良することができる。
【0083】
請求項6の本発明によれば、カッターポストに、カッターポストまわりを周回するチェーン式カッターを設け、このチェーン式カッターに第一掘削具および第二掘削具を設けることにより、左右方向の掘削と前後方向の掘削が簡単な構成によって行えるようになる。
【0084】
請求項7の本発明によれば、カッターポストに、第二掘削具を掘削地盤に押し付ける押付手段を設けたため、効率の良い側方掘削が行える。
【0085】
請求項8の本発明によれば、押付手段を、カッターポストを部分的に押圧するように構成し、かつカッターポストの深度方向に設けられたガイドレールに沿って昇降できるように構成したため、押付手段の構成をコンパクトに実現することができるともに、カッターポストの深度方向において任意の部位を押し付けることが可能になる。
【0086】
請求項9の本発明によれば、押付手段を、拡縮し得る袋体と、その袋体に対して流体を給排する給排装置とから構成したため、流体の流量を制御することにより押付圧を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る地盤改良機の全体構成を示す側面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】(a)は図1のカッターポストに備えられる側方推力補助装置の平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図4】図3の側方推力補助装置の動作を説明する平面図である。
【図5】(a)は図1のカッターポストに備えられるサイドカッターの正面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。
【図6】(a)は側方掘削の原理を示す平面図、(b)は側面図である。
【図7】本発明による地盤改良方法を説明する模式図である。
【図8】側方掘削における地盤改良機の移動方法を示す平面図である。
【図9】(a)は第一の側方掘削方法、(b)は第二の側方掘削方法、(c)は第三側方掘削方法を示す説明図である。
【図10】側方推力補助装置の変形例を示す側面図である。
【図11】サイドカッターの変形例を示す図5相当図である。
【図12】サイドカッターの別の変形例を示す図5相当図である。
【図13】従来の深層混合処理方法による地盤改良方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 地盤改良機
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 門型フレーム
5 リーダ
6 カッターポスト
7 チェーン式カッター
8 回転駆動装置
10 エンドレスチェーン
11 掘削ビット
21 側方推力補助装置
21a 台座
21b バッグ
21c 押圧板
22 第一サイドカッター
22e 掘削ビット
23 第二サイドカッター
Claims (9)
- 掘削具を備えたカッターポストを地中に差し込んだ状態で左右方向に移動させて掘削溝を形成するとともに、その掘削溝に改良材を投入する地盤改良方法において、
上記掘削具として左右方向の掘削を行う第一掘削具に加え、前後方向の掘削を行う第二掘削具を設け、上記第一掘削具による左右方向の掘削溝の終点で、上記第二掘削具による前後方向の掘削を行わせてカッターポストを前後方向に位置を変えながら折り返し掘削を行うことにより、掘削溝を前後複数列に連続させて一定領域の地盤を改良することを特徴とする地盤改良方法。 - 上記第一掘削具による掘削溝の終点で、上記第二掘削具によりカッターポストを掘削溝と直角方向に移動させ、次の列の掘削溝を平行に折り返し掘削する請求項1記載の地盤改良方法。
- 上記カッターポストに押付手段を有し、上記掘削溝の終点でこの押付手段により上記第二掘削具を掘削地盤に押し付けながら前後方向の掘削を行う請求項1または2記載の地盤改良方法。
- 上記カッターポストの傾斜を検出する傾斜検出手段を有し、この傾斜検出手段から求められる傾斜角度に基づいて上記カッターポストの掘削姿勢を制御する請求項1〜3のいずれかに記載の地盤改良方法。
- 掘削具を備えたカッターポストを地中に差し込んだ状態で左右方向に移動させて掘削溝を形成するとともに、その掘削溝に改良材を投入する地盤改良機において、
上記掘削具として左右方向の掘削を行う第一掘削具に加えて、前後方向の掘削を行う第二掘削具が設けられたことを特徴とする地盤改良機。 - 上記カッターポストに、カッターポストまわりを周回するチェーン式カッターが設けられ、このチェーン式カッターに上記第一掘削具および上記第二掘削具が設けられる請求項5記載の地盤改良機。
- 上記カッターポストに、上記第二掘削具を掘削地盤に押し付ける押付手段が設けられている請求項5または6記載の地盤改良機。
- 上記押付手段は、上記カッターポストを部分的に押圧するように構成され、かつカッターポストの深度方向に設けられたガイドレールに沿って昇降できるように構成されている請求項7記載の地盤改良機。
- 上記押付手段が、拡縮し得る袋体と、その袋体に対して流体を給排する給排装置とから構成されている請求項7または8記載の地盤改良機。
Priority Applications (1)
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