JP2004251057A - 低空頭掘削機 - Google Patents
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Abstract
【課題】掘削機本体の自重を減らしてワイヤー等の負担を軽減するとともに、礫層等の硬い地盤にも対応できる押圧力を有する低空頭掘削機を提供することを目的としている。
【解決手段】地盤上に配置されているワイヤーリール5とワイヤーリール5に巻装されたワイヤー4に吊り下げられているとともに下端に地盤Gを掘進していく掘削手段18が設けられている掘削機本体17とを備える低空頭掘削機において、掘削機本体17には掘削機本体17または掘削手段18のうち少なくとも一方を振動させる振動発生装置27が備えられ、或いは掘削手段18にはドラム状のカッター19とカッターの中心軸に間隔をあけて平行する回転軸21を中心にカッター19を回転させる偏芯回転機構とが備えられ、或いは掘削手段には断面形状が長形、角形或いは放射形状の変形カッターと変形カッターを回転させる回転機構とが備えられている。
【選択図】 図1
【解決手段】地盤上に配置されているワイヤーリール5とワイヤーリール5に巻装されたワイヤー4に吊り下げられているとともに下端に地盤Gを掘進していく掘削手段18が設けられている掘削機本体17とを備える低空頭掘削機において、掘削機本体17には掘削機本体17または掘削手段18のうち少なくとも一方を振動させる振動発生装置27が備えられ、或いは掘削手段18にはドラム状のカッター19とカッターの中心軸に間隔をあけて平行する回転軸21を中心にカッター19を回転させる偏芯回転機構とが備えられ、或いは掘削手段には断面形状が長形、角形或いは放射形状の変形カッターと変形カッターを回転させる回転機構とが備えられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、掘削機本体をワイヤーで吊り降ろしながら地盤を掘削する機械高さの低い低空頭掘削機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上方に障害物等があり掘削機の機械高さに制限が課せられる地盤では、機械高さの低い低空頭掘削機によって地盤改良を行い、或いは地中連続壁を形成する。低空頭掘削機は、地盤を掘削するドラム状のカッターと掘削によって生じた泥を排出する排土ポンプとを備える掘削機本体が、地表上のクローラーや基台等に付設されたリールに巻装されたワイヤーに吊り下げられている構成からなっている。この低空頭掘削機は、リールによってワイヤーを巻き取り或いは送り出すことで掘削機本体を上下動させ、掘削機本体に設けられたカッターを掘削面上に当接させるとともに軸回転させることで地盤を掘削する。このとき、カッターには掘削機本体の自重により下向きの押圧力が加わり、地盤を掘削するときに上向きに作用する掘削反力に対抗しつつ鉛直下方に掘削していく(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−346447号公報 (第2−3頁、第1図)
【特許文献2】
特開2000−282506号公報 (第2−3頁、第1図、第7図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の低空頭掘削機によると、礫層等の硬い地盤を掘削する場合には大きな掘削反力が作用するため、これに対抗する大きな押圧力がカッターには必要である。押圧力を増大させるには掘削機本体にウエイト等を搭載して掘削機本体の自重を大きくする必要があり、掘削機本体の自重が増大するとワイヤーや地表上のクローラー等にかかる負担が大きくなる。このため、掘削機本体の自重が増大するとともにワイヤーの径は大きくなり、また地表上のクローラー等の規模も大きくなり、大掛かりな設備が必要になるという問題が存在する。
【0005】
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、掘削機本体の自重を減らしてワイヤー等の負担を軽減するとともに、礫層等の硬い地盤にも対応できる押圧力を有する低空頭掘削機を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、地盤上に配置されているワイヤーリールと、該ワイヤーリールに巻装されたワイヤーに吊り下げられているとともに下端に前記地盤を掘進していく掘削手段が設けられている掘削機本体とを備える低空頭掘削機において、前記掘削機本体には、該掘削機本体または前記掘削手段のうち少なくとも一方を振動させる振動発生装置が備えられていることを特徴としている。
【0007】
このような特徴により、掘削手段が微振動を伴って地盤を掘削するため、掘削する際に働く掘削反力は軽減される。
【0008】
請求項2記載の発明は、地盤上に配置されているワイヤーリールと、該ワイヤーリールに巻装されたワイヤーに吊り下げられているとともに下端に前記地盤を掘進していく掘削手段が設けられている掘削機本体とを備える低空頭掘削機において、前記掘削手段には、ドラム状のカッターと、該カッターの中心軸と間隔をあけて平行する回転軸を中心に該カッターを回転させる偏芯回転機構とが備えられていることを特徴としている。
【0009】
また、請求項4記載の発明は、請求項1記載の低空頭掘削機において、前記掘削手段には、ドラム状のカッターと、該カッターの中心軸と間隔をあけて平行する回転軸を中心に該カッターを回転させる偏芯回転機構とが備えられていることを特徴としている。
【0010】
このような特徴により、カッターが偏芯回転しつつ掘削するため、掘削する際に衝撃的な振動が生じて掘削反力は軽減される。
【0011】
請求項3記載の発明は、地盤上に配置されているワイヤーリールと、該ワイヤーリールに巻装されたワイヤーに吊り下げられているとともに下端に前記地盤を掘進していく掘削手段が設けられている掘削機本体とを備える低空頭掘削機において、前記掘削手段には、断面形状が長形、角形或いは放射形状の変形カッターと、該変形カッターを回転させる回転機構とが備えられていることを特徴としている。
【0012】
また、請求項5記載の発明は、請求項1記載の低空頭掘削機において、前記掘削手段には、断面形状が長形、角形或いは放射形状の変形カッターと、該変形カッターを回転させる回転機構とが備えられていることを特徴としている。
【0013】
このような特徴により、断面形状が長形等の変形カッターを回転させて掘削すると、衝撃的な振動が生じて掘削反力は軽減される。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項1または5記載の低空頭掘削機において、前記掘削機本体には、前記地盤を改良するための改良材を吐出する改良材吐出手段が備えられていることを特徴としている。
【0015】
このような特徴により、掘削孔内に改良材が注入されるとともに、地盤を掘削するカッターによって掘削土と改良材とは攪拌される。
【0016】
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか記載の低空頭掘削機において、前記掘削機本体には、掘削孔の壁面に摺動するガイド部材が備えられていることを特徴としている。
【0017】
このような特徴により、掘削機本体は掘削孔内で鉛直が保たれ、掘削孔が孔曲がりになることが防止される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる低空頭掘削機の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、本実施の形態は、礫層が介在された軟弱な地盤Gを改良する場合の低空頭掘削機について説明する。
【0019】
図1、図2に示すように、地盤G上には、図示せぬ駆動モーターによって回動する二本のキャタピラ1を備え前後方向に移動可能なクローラ2が配置されている。クローラ2の上方にはクローラ2に固定されたベース3が配置されている。ベース3上の中央には、図示せぬ動力によってワイヤー4を巻き取り或いは送り出すワイヤーリール5と、リール基台6に載せられクローラ2の全長方向を軸に回転する二台一組のホースリール7a、7bと、鋼製長材を櫓状に組み立ててなるフレーム8と、フレーム8内に配置されクローラ2の全長方向を軸に回転するケーブルリール9とが設けられている。また、ベース3上の一端にはクローラ2を操作する図示せぬ操作部10aが備えられているオペレーションハウス10が配置され、他端には油圧ポンプ、油圧タンク、エアポンプ、エアタンク、改良材タンク等が内蔵されたポンプユニット11が搭載されている。
【0020】
ワイヤーリール5、ホースリール7a、7bおよびケーブルリール9にはそれぞれ図示せぬモーターが備えられており、図示せぬモーターは図示せぬ制御盤を介して操作部10aにそれぞれ接続されている。また、ポンプユニット11も同様に、図示せぬ制御盤を介して操作部10aに接続されている。
【0021】
フレーム8の上端部には、クローラ2の側方に水平に張り出されたアーム12の基端が固定されている。アーム12の基端両側にはアーム12の軸方向に回転する複数(図では5個)のローラーが半円弧状に配置されてなる二組の第1のホース案内部13a、13bが並設されており、アーム12の先端両側には第1のホース案内部13a、13bと同様の構成からなる二組の第2のホース案内部14a、14bが並設されている。第1のホース案内部13a、13bの間のアーム12基端にはアーム12の軸方向に回転する二個一組の第1のワイヤー滑車15a、15bが並設されており、第2のホース案内部14a、14bの間のアーム12先端にはアーム12の軸方向に回転する二個一組の第2のワイヤー滑車16a、16bが並設されている。
【0022】
アーム12先端の下方には、地盤Gを掘削する掘削機本体17が配置されている。掘削機本体17はクローラ2の側面に平行する中空の矩形板からなり、下端には地盤Gを掘進していく掘削手段18が設けられている。掘削手段18は、掘削機本体17に直交する方向に二基平行に延在するドラム状のカッター19と、カッター19を偏芯回転させる偏芯回転機構20とから構成されている。偏芯回転機構20は、カッター19の中心軸と間隔をあけて平行する回転軸材21と、回転軸材21を軸回転させるカッター用油圧モーター22とから構成されている。
【0023】
また、掘削機本体17の上部の両端および中間部の両端には、ドラム状のカッター19に平行し横方向に延在する長方形板状の羽板部23がそれぞれ設けられている。羽板部23の両端部には、掘削機本体17に平行する掘削孔25壁面と掘削機本体17に直交する掘削孔25壁面とにそれぞれ対向し摺動するガイド部材26がそれぞれ設けられている。ガイド部材26は、ガイド用油圧シリンダー24を介して水平方向に前後移動可能に備えられている。
【0024】
また、掘削機本体17の中央部には、掘削機本体17を微振動させる振動発生装置27が設けられている。振動発生装置27には、バイブ用油圧モーター28とバイブ用油圧モーター28の回転軸に偏芯して取り付けられている図示せぬ重り(マス)とが備えられており、図示せぬ重りの遠心力によって振動を発生させるアンバランスマス型のバイブレータが使用されている。
【0025】
掘削機本体17には、セメントミルクなどの液体状の硬化材からなる改良材を吐出する改良材吐出口29と掘削機本体17内に備えられ改良材を圧送するエアモーター式のエア噴射装置30とを備える改良材吐出手段31が設けられている。改良材吐出口29は、カッター19上方の掘削機本体17中央に設けられており、土等が詰らないようにするために網状の蓋が取り付けられている。
【0026】
また、上方の羽板部23には、掘削孔25の偏位を測定する偏位計32が取り付けられており、掘削機本体17の中央部には掘削機本体17の鉛直に対する傾きを測定する傾斜計33が取り付けられている。掘削機本体17の上端部中央には、ワイヤー4の中間部を折り返す第3のワイヤー滑車34が設けられている。ワイヤー4の一端はワイヤーリール5に固定され、ワイヤー4は第1のワイヤー滑車15a、一方の第2のワイヤー滑車16a、第3のワイヤー滑車33、他方の第2のワイヤー滑車16b、第1のワイヤー滑車15bの順で巻回され、ワイヤー4の他端はワイヤーリール5に巻装されており、掘削機本体17はワイヤー4によって吊り下げられている。
【0027】
また、掘削機本体17上端部の第3のワイヤー滑車34横(図1における右側)にはホースと管またはケーブル同士を連結する6連式の送り用連結具35が設けられており、送り用連結具35には送り管束36の一端が接続されている。送り管束36は、ポンプユニット11からエア噴射装置30にエアを供給する送り用エアホース37と、ポンプユニット11からエア噴射装置30に改良材を供給する送り用改良材ホース38と、ポンプユニット11からカッター用油圧モーター22に油圧を供給する送り用カッター油圧ホース39と、ポンプユニット11からバイブ用油圧モーター28に油圧を供給する送り用バイブ油圧ホース40と、ポンプユニット11からガイド用油圧シリンダー24に油圧を供給する送り用ガイド油圧ホース41と、偏位計32によって測定されたデータをベース3上に搭載された図示せぬ制御盤に伝達する偏位計ケーブル42とから構成されている。偏位計ケーブル42が接続された図示せぬ制御盤は操作部10aに接続されており、データは操作部10aに伝達される。
【0028】
掘削機本体17の上端部に一端が接続されている送り管束36は、一方の第2のホース案内部14aと一方の第1のホース案内部13aとに巻回され、他端が一方のホースリール7aに巻装されている。また、送り管束36はホースリール7aから図示せぬ接続管を介してポンプユニット11に接続されている。
【0029】
また、掘削機本体17上端部の第3のワイヤー滑車34横(図1における左側)には6連式の還り用連結具43が設けられており、還り用連結具43には還り管束44の一端が接続されている。還り管束44は、エア噴射装置30から回収したエアをポンプユニット11に送り戻す還り用エアホース45と、改良材を循環させるためエア噴射装置30から回収した改良材をポンプユニット11に送り戻す還り用改良材ホース46と、カッター用油圧モーター22から回収した油圧をポンプユニット11に送り戻す還り用カッター油圧ホース47と、バイブ用油圧モーター28から回収した油圧をポンプユニット11に送り戻す還り用バイブ油圧ホース48と、ガイド用油圧シリンダー24から回収した油圧をポンプユニット11に送り戻す還り用ガイド油圧ホース49と、傾斜計33によって測定されたデータをベース3上に搭載された図示せぬ制御盤に伝達する傾斜計ケーブル50とから構成されている。傾斜計ケーブル50が接続された図示せぬ制御盤は操作部10aに接続されており、データは操作部10aに伝達される。
【0030】
掘削機本体17の上端部に一端が接続されている還り管束44は、他方の第2のホース案内部14bと他方の第1のホース案内部13bとに巻回され、他端が他方のホースリール7bに巻装されている。また、還り管束44はホースリール7bから図示せぬ接続管を介してポンプユニット11に接続されている。
【0031】
図3は掘削機本体17内における油圧やエア等の配管経路を表すブロック図である。図3に示すように、送り用連結具35とエア噴射装置30とは送り用エア管51で接続されており、送り用エアホース37は送り用エア管51に連通されている。エア噴射装置30と還り用連結具43とは還り用エア管52で接続されており、還り用エア管52は還り用連結具43を介して還り用エアホース45に連通されている。また、送り用連結具35とエア噴射装置30とは送り用改良材管53で接続されており、送り用改良材管53は送り用連結具35を介して送り用改良材ホース38に連通されている。エア噴射装置30と還り用連結具43とは還り用改良材管54で接続されており、還り用改良材管54は還り用連結具43を介して還り用改良材ホース46に連通されている。
【0032】
また、掘削機本体17内には、二分岐式の第1のヘッダー55と第2のヘッダー56とがそれぞれ備えられている。送り用連結具35と第1のヘッダー55とは第1の送り用カッター油圧管57で接続されており、第1の送り用カッター油圧管57は送り用連結具35を介して送り用カッター油圧ホース39に連通されている。第1のヘッダー55と二基のカッター用油圧モーター22とは二本の第2の送り用カッター油圧管58a、58bでそれぞれ接続されている。第2のヘッダー56と二基のカッター用油圧モーター22とは二本の第1の還り用カッター油圧管59a、59bでそれぞれ接続されている。第2のヘッダー56と還り用連結具43とは第2の還り用カッター油圧管60で接続されており、第2の還り用カッター油圧管60は還り用連結具43を介して還り用カッター油圧ホース47に連通されている。なお、第2の送り用カッター油圧管58a、58bには図示せぬ油圧バルブがそれぞれ介装されており、図示せぬ油圧バルブは操作部10aに接続されている。
【0033】
また、送り用連結具35とバイブ用油圧モーター28とは送り用バイブ油圧管61で接続されており、送り用バイブ油圧管61は送り用連結具35を介して送り用バイブ油圧ホース40に連通されている。バイブ用油圧モーター28と還り用連結具43とは還り用バイブ油圧管62で接続されており、還り用バイブ油圧管62は還り用連結具43を介して還り用バイブ油圧ホース48に連通されている。なお、送り用バイブ油圧管61および還り用バイブ油圧管62には図示せぬ油圧バルブがそれぞれ介装されており、図示せぬ油圧バルブは操作部10aに接続されている。
【0034】
また、掘削機本体17内には、16分岐式(図3では4分岐式に省略する。)の第3のヘッダー63と第4のヘッダー64とがそれぞれ備えられている。送り用連結具35と第3のヘッダー63とは第1の送り用ガイド油圧管65で接続されており、第1の送り用ガイド油圧管65は送り用連結具35を介して送り用ガイド油圧ホース41に連通されている。第3のヘッダー63と16基(図では4基に省略する。)のガイド用油圧シリンダー24とは、16本(図では4本に省略する。)の第2の送り用ガイド油圧管66a、66b、66c、66dにそれぞれ接続されている。また、16基のガイド用油圧シリンダー24と第3のヘッダー63とは16本(図では4本に省略する。)の第1の還り用ガイド油圧管67a、67b、67c、67dでそれぞれ接続されており、第3のヘッダー63と還り用連結具43とは第2の還り用ガイド油圧管68で接続されており、第2の還り用ガイド油圧管68は還り用連結具43を介して還り用ガイド油圧ホース49に連通されている。なお、第2の送り用ガイド油圧管66a、66b、66c、66dには図示せぬ油圧バルブがそれぞれ介装されており、図示せぬ油圧バルブは操作部10aに接続されている。
【0035】
また、送り用連結具35と偏位計32とは接続ケーブル69で接続されており、接続ケーブル69は送り用連結具35を介して偏位計ケーブル42に接続されている。また、還り用連結具43と傾斜計33とは接続ケーブル70で接続されており、接続ケーブル70は還り用連結具43を介して傾斜計ケーブル50に接続されている。
【0036】
次に、上記した構成からなる低空頭掘削機を使用して地盤Gを改良する方法について説明する。
【0037】
図1、図2に示すように、オペレーションハウス10の操作部10aを操作して、改良しようとする対象域の側方にクローラ2を移動させ、掘削機本体17の下端に設けられた掘削手段18を改良対象域上に配置する。このとき、ワイヤーリール5、ホースリール7a、7bおよびケーブルリール9によってワイヤー4、送り管束36および還り管束44をそれぞれ巻き上げ、掘削機本体17を地表面より上に吊り下げておく。
【0038】
次に、ワイヤー4、送り管束36および還り管束44がそれぞれ下方に移行するようにワイヤーリール5、ホースリール7a、7bおよびケーブルリール9をそれぞれ回転させ、掘削機本体17を下降させる。このとき、掘削機本体17の自重がワイヤー4に作用して送り管束36や還り管束44にはかからないように、ワイヤーリール5、ホースリール7a、7bおよびケーブルリール9の回転速度を制御する。また、ポンプユニット11を起動させ、ポンプユニット11から供給される油圧によってカッター19を偏芯回転させるとともに振動発生装置27を起動させ掘削機本体17を振動させる。
【0039】
図1、図2、図3に示すように、カッター19を偏芯回転させる油圧は、ポンプユニット11から送り用カッター油圧ホース39に流入し、送り用カッター油圧ホース39から送り用連結具35を経由して第1の送り用カッター油圧管57に至る。そして、第1の送り用カッター油圧管57から第1のヘッダー55を経由して二本の第2の送り用カッター油圧管58a、58bに分岐し、二基のカッター用油圧モーター22に至る。この油圧によって、カッター用油圧モーター22は稼動し、カッター19は回転軸材21を中心に偏芯回転する。また、二基のカッター用油圧モーター22内にそれぞれ供給された油圧は、第1の還り用カッター油圧管59a、59bから第2のヘッダー56で合流して第2の還り用カッター油圧管60に至る。そして、第2の還り用カッター油圧管60から還り用連結具43を経由して還り用カッター油圧ホース47に至り、還り用カッター油圧ホース47からポンプユニット11に戻る。
【0040】
また、振動発生装置27を駆動させる油圧は、ポンプユニット11から送り用バイブ油圧ホース40に流入し、送り用バイブ油圧ホース40から送り用連結具35を経由して送り用バイブ油圧管61に至り、送り用バイブ油圧管61からバイブ用油圧モーター28に至る。この油圧によって、バイブ用油圧モーター28は稼動し、振動発生装置27は振動を発生させる。また、バイブ用油圧モーター28に供給された油圧は、還り用バイブ油圧管62から還り用連結具43を経由して還り用バイブ油圧ホース48に至り、還り用バイブ油圧ホース48からポンプユニット11に戻る。
【0041】
次に、図1、図2に示すように、引き続き振動発生装置27を振動させるとともに二基のカッター19をそれぞれ偏芯回転させ、さらに徐々に掘削機本体17を下降させる。二基のカッター19はそれぞれ相反する回り方向に回転するとともに同期して回転し、水平方向に偏芯する時は互いに打ち消し合い、上下方向に偏芯する時は協働して衝撃的振動を生む。また、掘削機本体17は掘削機本体17の自重により下方に掘進していく。このとき、掘削手段18によって掘削された掘削孔25の鉛直精度を、掘削孔25の壁面の偏位を測定する偏位計32と掘削機本体17の傾斜を測定する傾斜計33とで計測する。偏位計32および傾斜計33によって掘削孔25の孔曲りが確認された際には、ポンプユニット11から供給される油圧によってガイド部材26を水平方向に移動させ、掘削機本体17の傾きを制御して掘進方向を修正する。
【0042】
図1、図2、図3に示すように、ガイド部材26を移動させる油圧は、ポンプユニット11から送り用ガイド油圧ホース41に流入し、送り用ガイド油圧ホース41から送り用連結具35を経由して第1の送り用ガイド油圧管65に至る。そして、第1の送り用ガイド油圧管65から第3のヘッダー63を経由して16本の第2の送り用ガイド油圧管66a、66b、66c、66dに分岐し、16基のガイド用油圧シリンダー24に至る。この油圧によって、ガイド用油圧シリンダー24は稼動し、ガイド部材26は水平方向に移動する。また、16基のガイド用油圧シリンダー24内にそれぞれ供給された油圧は、第1の還り用ガイド油圧管67a、67b、67c、67dから第4のヘッダー64で合流して第2の還り用ガイド油圧管68に至る。そして、第2の還り用ガイド油圧管68から還り用連結具43を経由して還り用ガイド油圧ホース49に至り、還り用ガイド油圧ホース49からポンプユニット11に戻る。
【0043】
また、図1、図2に示すように、掘削機本体17を掘進させつつエア噴射装置30内に供給された改良材をエアによって掘削孔25内に噴射する。そして、偏芯回転しているカッター19によって、掘削孔25内の土と改良材とを攪拌する。
【0044】
図1、図2、図3に示すように、掘削孔25内に供給する改良材は、ポンプユニット11から送り用改良材ホース38に流入し、送り用改良材ホース38から送り用連結具35を経由して送り用改良材管53に至り、送り用改良材管53からエア噴射装置30に至る。改良材を噴射させるエアとは、ポンプユニット11から送り用エアホース37に流入し、送り用エアホース37から送り用連結具35を経由して送り用エア管51に至り、送り用エア管51からエア噴射装置30に至る。エア噴射装置30に供給された改良材は、エア噴射装置30に供給されたエアにより改良材吐出口29から噴射する。また、改良材の固化を防止するために改良材をポンプユニット11に戻して循環させるとともに、残留したエアをポンプユニット11に回収する。エア噴射装置30内の改良材は、還り用改良材管54から還り用連結具43を経由して還り用改良材ホース46に至り、還り用改良材ホース46からポンプユニット11に戻る。エア噴射装置30内のエアは、還り用エア管52を経由して還り用エアホース45に至り、還り用エアホース45からポンプユニット11に戻る。
【0045】
次に、図1、図2に示すように、所定の深さ(地盤改良の対象となる地盤の深さ)まで掘削機本体17を掘進させた後に、ワイヤーリール5、ホースリール7a、7bおよびケーブルリール9を逆回転させ、ワイヤー4、送り管束36および還り管束44を上方向に移行させて掘削機本体17を上昇させる。このとき、改良材の吐出を停止させる。
【0046】
上記した構成からなる低空頭掘削機によれば、掘削機本体17には振動発生装置27が備えられているため、掘削手段18は掘進することともに微振動するため、掘削する際に働く掘削反力は軽減される。また、カッター19は偏芯回転するため、地盤Gを掘削する際に衝撃的な振動が発生する。これによって、礫層を掘削する際に作用する掘削反力は軽減され、大きい掘削反力に対抗するために掘削機本体17の自重を重くする必要はなく、掘削機本体17の軽量化が図ることができる。また、掘削機本体17の軽量化されることで、低空頭掘削機を安価に製造することができるとともに、低空頭掘削機の搬出入を容易にすることができる。
【0047】
また、掘削機本体17には地盤Gを改良するための改良材を吐出する改良材吐出手段31が備えられているため、掘削孔25内には改良材が注入されるとともに、地盤Gを掘削するカッター19によって土と改良材とは攪拌される。これによって、地盤Gを改良することができる。
【0048】
また、掘削機本体17には掘削孔25の壁面に摺動するガイド部材26が備えられているため、掘削機本体17は掘削孔25内で鉛直が保たれ、掘削孔25が孔曲がりになることが防止される。また、ガイド部材26は水平方向に移動するため、掘削機本体17が掘削孔25内で傾斜した際にはガイド部材26を移動させることで掘削機本体17の傾斜は調節される。これによって、掘削孔25が孔曲がりした場合に修正することができる。また、掘削機本体17の吊るワイヤー4を挟んで左右対称に送り管束36と還り管束44とを配置され、掘削機本体17の吊り下げ支点である第3のワイヤー滑車34が掘削機本体17の重心軸上に配置されているため、掘削機本体17を安定した状態で吊り下げることができる。
【0049】
以上、本発明に係る低空頭掘削機の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記した実施の形態では掘削手段18はカッター19の中心軸から間隔をあけて平行する回転軸材21を軸にカッター19を回転させて掘削しているが、本発明は、図4に示すように、変形カッター100の断面形状を長円形状に形成し、該変形カッターを回転機構101によって軸回転させることで衝撃的な振動を伴って掘削させてもよい。これによって、掘削する際には衝撃的な振動が生じて掘削反力は軽減され、大きい掘削反力に対抗するために掘削機本体102の自重を重くする必要はなく、掘削機本体102の軽量化が図ることができる。また、変形カッター100の断面形状は、三角形や四角形などの角形でもよく、十字形や三つ葉形等の放射形状でもよい。
【0050】
また、上記した実施の形態では地盤Gを改良する際について説明しているが、本発明は、図5に示すように、地表上に掘削孔200の壁面の崩壊を防止する安定液を掘削孔200内に供給する安定液供給手段201と、掘削孔200内の泥水を掘削孔200外に排出する排土手段202とを配置して、地盤Gに掘削坑或いは地中壁を形成してもよい。安定液供給手段201は、粘性の優れた安定液を貯留するタンク203と、タンク203内に配置されたポンプ204と、ポンプ204から掘削孔200まで配管された安定液用ホース205とから構成されている。安定液は、ポンプ204によりタンク203内から安定液用ホース205内を流通し、掘削孔200内に流入する。また、排土手段202は、一端が掘削孔200内に配置され他端が地表に配置されたサクションホース206と、地表上のサクションホース206の一端に接続されたサクションポンプ207と、サクションポンプ207に接続され外部に泥水を排出する排土ホース208とから構成されている。掘削孔200内の泥水は、サクションポンプ207によってサクションホース206の一端からサクションホース206内に流入し、サクションポンプ207を経由して排土ホース208に至り、地表上に形成された溜池209に排出する。
【0051】
さらに、上記した実施の形態では、掘削機本体17を貫入させながら改良材を吐出しているため掘削した土を掘削孔25外へ排出する排土手段が備えられていないが、掘削機本体17を掘削孔25から引き抜くとともに改良材を吐出する場合には、排土手段を併用させて掘削した土を掘削孔25外へ排出するのが好ましい。
【0052】
【発明の効果】
本発明に係る低空頭掘削機によれば、振動を伴って地盤を掘削するため掘削反力は軽減される。これによって、礫層等の硬い地盤を掘削する際には、掘削機本体の自重を増大させることなく所要の押圧力を期待でき、また掘削機本体の軽量化が図れるためコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る低空頭掘削機の実施の形態を説明する側面図である。
【図2】本発明に係る低空頭掘削機の実施の形態を説明する背面図である。
【図3】本発明に係る低空頭掘削機の実施の形態を説明するブロック図である。
【図4】本発明に係る低空頭掘削機のその他の実施の形態を説明する側面図である。
【図5】本発明に係る低空頭掘削機のその他の実施の形態を説明する配置図である。
【符号の説明】
4 ワイヤー
5 ワイヤーリール
17、102 掘削機本体
18 掘削手段
19 カッター
20 偏芯回転機構
21 回転軸材(回転軸)
26 ガイド部材
27 振動発生装置
31 改良材吐出手段
100 変形カッター
101 回転機構
G 地盤
【発明の属する技術分野】
本発明は、掘削機本体をワイヤーで吊り降ろしながら地盤を掘削する機械高さの低い低空頭掘削機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上方に障害物等があり掘削機の機械高さに制限が課せられる地盤では、機械高さの低い低空頭掘削機によって地盤改良を行い、或いは地中連続壁を形成する。低空頭掘削機は、地盤を掘削するドラム状のカッターと掘削によって生じた泥を排出する排土ポンプとを備える掘削機本体が、地表上のクローラーや基台等に付設されたリールに巻装されたワイヤーに吊り下げられている構成からなっている。この低空頭掘削機は、リールによってワイヤーを巻き取り或いは送り出すことで掘削機本体を上下動させ、掘削機本体に設けられたカッターを掘削面上に当接させるとともに軸回転させることで地盤を掘削する。このとき、カッターには掘削機本体の自重により下向きの押圧力が加わり、地盤を掘削するときに上向きに作用する掘削反力に対抗しつつ鉛直下方に掘削していく(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−346447号公報 (第2−3頁、第1図)
【特許文献2】
特開2000−282506号公報 (第2−3頁、第1図、第7図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の低空頭掘削機によると、礫層等の硬い地盤を掘削する場合には大きな掘削反力が作用するため、これに対抗する大きな押圧力がカッターには必要である。押圧力を増大させるには掘削機本体にウエイト等を搭載して掘削機本体の自重を大きくする必要があり、掘削機本体の自重が増大するとワイヤーや地表上のクローラー等にかかる負担が大きくなる。このため、掘削機本体の自重が増大するとともにワイヤーの径は大きくなり、また地表上のクローラー等の規模も大きくなり、大掛かりな設備が必要になるという問題が存在する。
【0005】
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、掘削機本体の自重を減らしてワイヤー等の負担を軽減するとともに、礫層等の硬い地盤にも対応できる押圧力を有する低空頭掘削機を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、地盤上に配置されているワイヤーリールと、該ワイヤーリールに巻装されたワイヤーに吊り下げられているとともに下端に前記地盤を掘進していく掘削手段が設けられている掘削機本体とを備える低空頭掘削機において、前記掘削機本体には、該掘削機本体または前記掘削手段のうち少なくとも一方を振動させる振動発生装置が備えられていることを特徴としている。
【0007】
このような特徴により、掘削手段が微振動を伴って地盤を掘削するため、掘削する際に働く掘削反力は軽減される。
【0008】
請求項2記載の発明は、地盤上に配置されているワイヤーリールと、該ワイヤーリールに巻装されたワイヤーに吊り下げられているとともに下端に前記地盤を掘進していく掘削手段が設けられている掘削機本体とを備える低空頭掘削機において、前記掘削手段には、ドラム状のカッターと、該カッターの中心軸と間隔をあけて平行する回転軸を中心に該カッターを回転させる偏芯回転機構とが備えられていることを特徴としている。
【0009】
また、請求項4記載の発明は、請求項1記載の低空頭掘削機において、前記掘削手段には、ドラム状のカッターと、該カッターの中心軸と間隔をあけて平行する回転軸を中心に該カッターを回転させる偏芯回転機構とが備えられていることを特徴としている。
【0010】
このような特徴により、カッターが偏芯回転しつつ掘削するため、掘削する際に衝撃的な振動が生じて掘削反力は軽減される。
【0011】
請求項3記載の発明は、地盤上に配置されているワイヤーリールと、該ワイヤーリールに巻装されたワイヤーに吊り下げられているとともに下端に前記地盤を掘進していく掘削手段が設けられている掘削機本体とを備える低空頭掘削機において、前記掘削手段には、断面形状が長形、角形或いは放射形状の変形カッターと、該変形カッターを回転させる回転機構とが備えられていることを特徴としている。
【0012】
また、請求項5記載の発明は、請求項1記載の低空頭掘削機において、前記掘削手段には、断面形状が長形、角形或いは放射形状の変形カッターと、該変形カッターを回転させる回転機構とが備えられていることを特徴としている。
【0013】
このような特徴により、断面形状が長形等の変形カッターを回転させて掘削すると、衝撃的な振動が生じて掘削反力は軽減される。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項1または5記載の低空頭掘削機において、前記掘削機本体には、前記地盤を改良するための改良材を吐出する改良材吐出手段が備えられていることを特徴としている。
【0015】
このような特徴により、掘削孔内に改良材が注入されるとともに、地盤を掘削するカッターによって掘削土と改良材とは攪拌される。
【0016】
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか記載の低空頭掘削機において、前記掘削機本体には、掘削孔の壁面に摺動するガイド部材が備えられていることを特徴としている。
【0017】
このような特徴により、掘削機本体は掘削孔内で鉛直が保たれ、掘削孔が孔曲がりになることが防止される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる低空頭掘削機の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、本実施の形態は、礫層が介在された軟弱な地盤Gを改良する場合の低空頭掘削機について説明する。
【0019】
図1、図2に示すように、地盤G上には、図示せぬ駆動モーターによって回動する二本のキャタピラ1を備え前後方向に移動可能なクローラ2が配置されている。クローラ2の上方にはクローラ2に固定されたベース3が配置されている。ベース3上の中央には、図示せぬ動力によってワイヤー4を巻き取り或いは送り出すワイヤーリール5と、リール基台6に載せられクローラ2の全長方向を軸に回転する二台一組のホースリール7a、7bと、鋼製長材を櫓状に組み立ててなるフレーム8と、フレーム8内に配置されクローラ2の全長方向を軸に回転するケーブルリール9とが設けられている。また、ベース3上の一端にはクローラ2を操作する図示せぬ操作部10aが備えられているオペレーションハウス10が配置され、他端には油圧ポンプ、油圧タンク、エアポンプ、エアタンク、改良材タンク等が内蔵されたポンプユニット11が搭載されている。
【0020】
ワイヤーリール5、ホースリール7a、7bおよびケーブルリール9にはそれぞれ図示せぬモーターが備えられており、図示せぬモーターは図示せぬ制御盤を介して操作部10aにそれぞれ接続されている。また、ポンプユニット11も同様に、図示せぬ制御盤を介して操作部10aに接続されている。
【0021】
フレーム8の上端部には、クローラ2の側方に水平に張り出されたアーム12の基端が固定されている。アーム12の基端両側にはアーム12の軸方向に回転する複数(図では5個)のローラーが半円弧状に配置されてなる二組の第1のホース案内部13a、13bが並設されており、アーム12の先端両側には第1のホース案内部13a、13bと同様の構成からなる二組の第2のホース案内部14a、14bが並設されている。第1のホース案内部13a、13bの間のアーム12基端にはアーム12の軸方向に回転する二個一組の第1のワイヤー滑車15a、15bが並設されており、第2のホース案内部14a、14bの間のアーム12先端にはアーム12の軸方向に回転する二個一組の第2のワイヤー滑車16a、16bが並設されている。
【0022】
アーム12先端の下方には、地盤Gを掘削する掘削機本体17が配置されている。掘削機本体17はクローラ2の側面に平行する中空の矩形板からなり、下端には地盤Gを掘進していく掘削手段18が設けられている。掘削手段18は、掘削機本体17に直交する方向に二基平行に延在するドラム状のカッター19と、カッター19を偏芯回転させる偏芯回転機構20とから構成されている。偏芯回転機構20は、カッター19の中心軸と間隔をあけて平行する回転軸材21と、回転軸材21を軸回転させるカッター用油圧モーター22とから構成されている。
【0023】
また、掘削機本体17の上部の両端および中間部の両端には、ドラム状のカッター19に平行し横方向に延在する長方形板状の羽板部23がそれぞれ設けられている。羽板部23の両端部には、掘削機本体17に平行する掘削孔25壁面と掘削機本体17に直交する掘削孔25壁面とにそれぞれ対向し摺動するガイド部材26がそれぞれ設けられている。ガイド部材26は、ガイド用油圧シリンダー24を介して水平方向に前後移動可能に備えられている。
【0024】
また、掘削機本体17の中央部には、掘削機本体17を微振動させる振動発生装置27が設けられている。振動発生装置27には、バイブ用油圧モーター28とバイブ用油圧モーター28の回転軸に偏芯して取り付けられている図示せぬ重り(マス)とが備えられており、図示せぬ重りの遠心力によって振動を発生させるアンバランスマス型のバイブレータが使用されている。
【0025】
掘削機本体17には、セメントミルクなどの液体状の硬化材からなる改良材を吐出する改良材吐出口29と掘削機本体17内に備えられ改良材を圧送するエアモーター式のエア噴射装置30とを備える改良材吐出手段31が設けられている。改良材吐出口29は、カッター19上方の掘削機本体17中央に設けられており、土等が詰らないようにするために網状の蓋が取り付けられている。
【0026】
また、上方の羽板部23には、掘削孔25の偏位を測定する偏位計32が取り付けられており、掘削機本体17の中央部には掘削機本体17の鉛直に対する傾きを測定する傾斜計33が取り付けられている。掘削機本体17の上端部中央には、ワイヤー4の中間部を折り返す第3のワイヤー滑車34が設けられている。ワイヤー4の一端はワイヤーリール5に固定され、ワイヤー4は第1のワイヤー滑車15a、一方の第2のワイヤー滑車16a、第3のワイヤー滑車33、他方の第2のワイヤー滑車16b、第1のワイヤー滑車15bの順で巻回され、ワイヤー4の他端はワイヤーリール5に巻装されており、掘削機本体17はワイヤー4によって吊り下げられている。
【0027】
また、掘削機本体17上端部の第3のワイヤー滑車34横(図1における右側)にはホースと管またはケーブル同士を連結する6連式の送り用連結具35が設けられており、送り用連結具35には送り管束36の一端が接続されている。送り管束36は、ポンプユニット11からエア噴射装置30にエアを供給する送り用エアホース37と、ポンプユニット11からエア噴射装置30に改良材を供給する送り用改良材ホース38と、ポンプユニット11からカッター用油圧モーター22に油圧を供給する送り用カッター油圧ホース39と、ポンプユニット11からバイブ用油圧モーター28に油圧を供給する送り用バイブ油圧ホース40と、ポンプユニット11からガイド用油圧シリンダー24に油圧を供給する送り用ガイド油圧ホース41と、偏位計32によって測定されたデータをベース3上に搭載された図示せぬ制御盤に伝達する偏位計ケーブル42とから構成されている。偏位計ケーブル42が接続された図示せぬ制御盤は操作部10aに接続されており、データは操作部10aに伝達される。
【0028】
掘削機本体17の上端部に一端が接続されている送り管束36は、一方の第2のホース案内部14aと一方の第1のホース案内部13aとに巻回され、他端が一方のホースリール7aに巻装されている。また、送り管束36はホースリール7aから図示せぬ接続管を介してポンプユニット11に接続されている。
【0029】
また、掘削機本体17上端部の第3のワイヤー滑車34横(図1における左側)には6連式の還り用連結具43が設けられており、還り用連結具43には還り管束44の一端が接続されている。還り管束44は、エア噴射装置30から回収したエアをポンプユニット11に送り戻す還り用エアホース45と、改良材を循環させるためエア噴射装置30から回収した改良材をポンプユニット11に送り戻す還り用改良材ホース46と、カッター用油圧モーター22から回収した油圧をポンプユニット11に送り戻す還り用カッター油圧ホース47と、バイブ用油圧モーター28から回収した油圧をポンプユニット11に送り戻す還り用バイブ油圧ホース48と、ガイド用油圧シリンダー24から回収した油圧をポンプユニット11に送り戻す還り用ガイド油圧ホース49と、傾斜計33によって測定されたデータをベース3上に搭載された図示せぬ制御盤に伝達する傾斜計ケーブル50とから構成されている。傾斜計ケーブル50が接続された図示せぬ制御盤は操作部10aに接続されており、データは操作部10aに伝達される。
【0030】
掘削機本体17の上端部に一端が接続されている還り管束44は、他方の第2のホース案内部14bと他方の第1のホース案内部13bとに巻回され、他端が他方のホースリール7bに巻装されている。また、還り管束44はホースリール7bから図示せぬ接続管を介してポンプユニット11に接続されている。
【0031】
図3は掘削機本体17内における油圧やエア等の配管経路を表すブロック図である。図3に示すように、送り用連結具35とエア噴射装置30とは送り用エア管51で接続されており、送り用エアホース37は送り用エア管51に連通されている。エア噴射装置30と還り用連結具43とは還り用エア管52で接続されており、還り用エア管52は還り用連結具43を介して還り用エアホース45に連通されている。また、送り用連結具35とエア噴射装置30とは送り用改良材管53で接続されており、送り用改良材管53は送り用連結具35を介して送り用改良材ホース38に連通されている。エア噴射装置30と還り用連結具43とは還り用改良材管54で接続されており、還り用改良材管54は還り用連結具43を介して還り用改良材ホース46に連通されている。
【0032】
また、掘削機本体17内には、二分岐式の第1のヘッダー55と第2のヘッダー56とがそれぞれ備えられている。送り用連結具35と第1のヘッダー55とは第1の送り用カッター油圧管57で接続されており、第1の送り用カッター油圧管57は送り用連結具35を介して送り用カッター油圧ホース39に連通されている。第1のヘッダー55と二基のカッター用油圧モーター22とは二本の第2の送り用カッター油圧管58a、58bでそれぞれ接続されている。第2のヘッダー56と二基のカッター用油圧モーター22とは二本の第1の還り用カッター油圧管59a、59bでそれぞれ接続されている。第2のヘッダー56と還り用連結具43とは第2の還り用カッター油圧管60で接続されており、第2の還り用カッター油圧管60は還り用連結具43を介して還り用カッター油圧ホース47に連通されている。なお、第2の送り用カッター油圧管58a、58bには図示せぬ油圧バルブがそれぞれ介装されており、図示せぬ油圧バルブは操作部10aに接続されている。
【0033】
また、送り用連結具35とバイブ用油圧モーター28とは送り用バイブ油圧管61で接続されており、送り用バイブ油圧管61は送り用連結具35を介して送り用バイブ油圧ホース40に連通されている。バイブ用油圧モーター28と還り用連結具43とは還り用バイブ油圧管62で接続されており、還り用バイブ油圧管62は還り用連結具43を介して還り用バイブ油圧ホース48に連通されている。なお、送り用バイブ油圧管61および還り用バイブ油圧管62には図示せぬ油圧バルブがそれぞれ介装されており、図示せぬ油圧バルブは操作部10aに接続されている。
【0034】
また、掘削機本体17内には、16分岐式(図3では4分岐式に省略する。)の第3のヘッダー63と第4のヘッダー64とがそれぞれ備えられている。送り用連結具35と第3のヘッダー63とは第1の送り用ガイド油圧管65で接続されており、第1の送り用ガイド油圧管65は送り用連結具35を介して送り用ガイド油圧ホース41に連通されている。第3のヘッダー63と16基(図では4基に省略する。)のガイド用油圧シリンダー24とは、16本(図では4本に省略する。)の第2の送り用ガイド油圧管66a、66b、66c、66dにそれぞれ接続されている。また、16基のガイド用油圧シリンダー24と第3のヘッダー63とは16本(図では4本に省略する。)の第1の還り用ガイド油圧管67a、67b、67c、67dでそれぞれ接続されており、第3のヘッダー63と還り用連結具43とは第2の還り用ガイド油圧管68で接続されており、第2の還り用ガイド油圧管68は還り用連結具43を介して還り用ガイド油圧ホース49に連通されている。なお、第2の送り用ガイド油圧管66a、66b、66c、66dには図示せぬ油圧バルブがそれぞれ介装されており、図示せぬ油圧バルブは操作部10aに接続されている。
【0035】
また、送り用連結具35と偏位計32とは接続ケーブル69で接続されており、接続ケーブル69は送り用連結具35を介して偏位計ケーブル42に接続されている。また、還り用連結具43と傾斜計33とは接続ケーブル70で接続されており、接続ケーブル70は還り用連結具43を介して傾斜計ケーブル50に接続されている。
【0036】
次に、上記した構成からなる低空頭掘削機を使用して地盤Gを改良する方法について説明する。
【0037】
図1、図2に示すように、オペレーションハウス10の操作部10aを操作して、改良しようとする対象域の側方にクローラ2を移動させ、掘削機本体17の下端に設けられた掘削手段18を改良対象域上に配置する。このとき、ワイヤーリール5、ホースリール7a、7bおよびケーブルリール9によってワイヤー4、送り管束36および還り管束44をそれぞれ巻き上げ、掘削機本体17を地表面より上に吊り下げておく。
【0038】
次に、ワイヤー4、送り管束36および還り管束44がそれぞれ下方に移行するようにワイヤーリール5、ホースリール7a、7bおよびケーブルリール9をそれぞれ回転させ、掘削機本体17を下降させる。このとき、掘削機本体17の自重がワイヤー4に作用して送り管束36や還り管束44にはかからないように、ワイヤーリール5、ホースリール7a、7bおよびケーブルリール9の回転速度を制御する。また、ポンプユニット11を起動させ、ポンプユニット11から供給される油圧によってカッター19を偏芯回転させるとともに振動発生装置27を起動させ掘削機本体17を振動させる。
【0039】
図1、図2、図3に示すように、カッター19を偏芯回転させる油圧は、ポンプユニット11から送り用カッター油圧ホース39に流入し、送り用カッター油圧ホース39から送り用連結具35を経由して第1の送り用カッター油圧管57に至る。そして、第1の送り用カッター油圧管57から第1のヘッダー55を経由して二本の第2の送り用カッター油圧管58a、58bに分岐し、二基のカッター用油圧モーター22に至る。この油圧によって、カッター用油圧モーター22は稼動し、カッター19は回転軸材21を中心に偏芯回転する。また、二基のカッター用油圧モーター22内にそれぞれ供給された油圧は、第1の還り用カッター油圧管59a、59bから第2のヘッダー56で合流して第2の還り用カッター油圧管60に至る。そして、第2の還り用カッター油圧管60から還り用連結具43を経由して還り用カッター油圧ホース47に至り、還り用カッター油圧ホース47からポンプユニット11に戻る。
【0040】
また、振動発生装置27を駆動させる油圧は、ポンプユニット11から送り用バイブ油圧ホース40に流入し、送り用バイブ油圧ホース40から送り用連結具35を経由して送り用バイブ油圧管61に至り、送り用バイブ油圧管61からバイブ用油圧モーター28に至る。この油圧によって、バイブ用油圧モーター28は稼動し、振動発生装置27は振動を発生させる。また、バイブ用油圧モーター28に供給された油圧は、還り用バイブ油圧管62から還り用連結具43を経由して還り用バイブ油圧ホース48に至り、還り用バイブ油圧ホース48からポンプユニット11に戻る。
【0041】
次に、図1、図2に示すように、引き続き振動発生装置27を振動させるとともに二基のカッター19をそれぞれ偏芯回転させ、さらに徐々に掘削機本体17を下降させる。二基のカッター19はそれぞれ相反する回り方向に回転するとともに同期して回転し、水平方向に偏芯する時は互いに打ち消し合い、上下方向に偏芯する時は協働して衝撃的振動を生む。また、掘削機本体17は掘削機本体17の自重により下方に掘進していく。このとき、掘削手段18によって掘削された掘削孔25の鉛直精度を、掘削孔25の壁面の偏位を測定する偏位計32と掘削機本体17の傾斜を測定する傾斜計33とで計測する。偏位計32および傾斜計33によって掘削孔25の孔曲りが確認された際には、ポンプユニット11から供給される油圧によってガイド部材26を水平方向に移動させ、掘削機本体17の傾きを制御して掘進方向を修正する。
【0042】
図1、図2、図3に示すように、ガイド部材26を移動させる油圧は、ポンプユニット11から送り用ガイド油圧ホース41に流入し、送り用ガイド油圧ホース41から送り用連結具35を経由して第1の送り用ガイド油圧管65に至る。そして、第1の送り用ガイド油圧管65から第3のヘッダー63を経由して16本の第2の送り用ガイド油圧管66a、66b、66c、66dに分岐し、16基のガイド用油圧シリンダー24に至る。この油圧によって、ガイド用油圧シリンダー24は稼動し、ガイド部材26は水平方向に移動する。また、16基のガイド用油圧シリンダー24内にそれぞれ供給された油圧は、第1の還り用ガイド油圧管67a、67b、67c、67dから第4のヘッダー64で合流して第2の還り用ガイド油圧管68に至る。そして、第2の還り用ガイド油圧管68から還り用連結具43を経由して還り用ガイド油圧ホース49に至り、還り用ガイド油圧ホース49からポンプユニット11に戻る。
【0043】
また、図1、図2に示すように、掘削機本体17を掘進させつつエア噴射装置30内に供給された改良材をエアによって掘削孔25内に噴射する。そして、偏芯回転しているカッター19によって、掘削孔25内の土と改良材とを攪拌する。
【0044】
図1、図2、図3に示すように、掘削孔25内に供給する改良材は、ポンプユニット11から送り用改良材ホース38に流入し、送り用改良材ホース38から送り用連結具35を経由して送り用改良材管53に至り、送り用改良材管53からエア噴射装置30に至る。改良材を噴射させるエアとは、ポンプユニット11から送り用エアホース37に流入し、送り用エアホース37から送り用連結具35を経由して送り用エア管51に至り、送り用エア管51からエア噴射装置30に至る。エア噴射装置30に供給された改良材は、エア噴射装置30に供給されたエアにより改良材吐出口29から噴射する。また、改良材の固化を防止するために改良材をポンプユニット11に戻して循環させるとともに、残留したエアをポンプユニット11に回収する。エア噴射装置30内の改良材は、還り用改良材管54から還り用連結具43を経由して還り用改良材ホース46に至り、還り用改良材ホース46からポンプユニット11に戻る。エア噴射装置30内のエアは、還り用エア管52を経由して還り用エアホース45に至り、還り用エアホース45からポンプユニット11に戻る。
【0045】
次に、図1、図2に示すように、所定の深さ(地盤改良の対象となる地盤の深さ)まで掘削機本体17を掘進させた後に、ワイヤーリール5、ホースリール7a、7bおよびケーブルリール9を逆回転させ、ワイヤー4、送り管束36および還り管束44を上方向に移行させて掘削機本体17を上昇させる。このとき、改良材の吐出を停止させる。
【0046】
上記した構成からなる低空頭掘削機によれば、掘削機本体17には振動発生装置27が備えられているため、掘削手段18は掘進することともに微振動するため、掘削する際に働く掘削反力は軽減される。また、カッター19は偏芯回転するため、地盤Gを掘削する際に衝撃的な振動が発生する。これによって、礫層を掘削する際に作用する掘削反力は軽減され、大きい掘削反力に対抗するために掘削機本体17の自重を重くする必要はなく、掘削機本体17の軽量化が図ることができる。また、掘削機本体17の軽量化されることで、低空頭掘削機を安価に製造することができるとともに、低空頭掘削機の搬出入を容易にすることができる。
【0047】
また、掘削機本体17には地盤Gを改良するための改良材を吐出する改良材吐出手段31が備えられているため、掘削孔25内には改良材が注入されるとともに、地盤Gを掘削するカッター19によって土と改良材とは攪拌される。これによって、地盤Gを改良することができる。
【0048】
また、掘削機本体17には掘削孔25の壁面に摺動するガイド部材26が備えられているため、掘削機本体17は掘削孔25内で鉛直が保たれ、掘削孔25が孔曲がりになることが防止される。また、ガイド部材26は水平方向に移動するため、掘削機本体17が掘削孔25内で傾斜した際にはガイド部材26を移動させることで掘削機本体17の傾斜は調節される。これによって、掘削孔25が孔曲がりした場合に修正することができる。また、掘削機本体17の吊るワイヤー4を挟んで左右対称に送り管束36と還り管束44とを配置され、掘削機本体17の吊り下げ支点である第3のワイヤー滑車34が掘削機本体17の重心軸上に配置されているため、掘削機本体17を安定した状態で吊り下げることができる。
【0049】
以上、本発明に係る低空頭掘削機の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記した実施の形態では掘削手段18はカッター19の中心軸から間隔をあけて平行する回転軸材21を軸にカッター19を回転させて掘削しているが、本発明は、図4に示すように、変形カッター100の断面形状を長円形状に形成し、該変形カッターを回転機構101によって軸回転させることで衝撃的な振動を伴って掘削させてもよい。これによって、掘削する際には衝撃的な振動が生じて掘削反力は軽減され、大きい掘削反力に対抗するために掘削機本体102の自重を重くする必要はなく、掘削機本体102の軽量化が図ることができる。また、変形カッター100の断面形状は、三角形や四角形などの角形でもよく、十字形や三つ葉形等の放射形状でもよい。
【0050】
また、上記した実施の形態では地盤Gを改良する際について説明しているが、本発明は、図5に示すように、地表上に掘削孔200の壁面の崩壊を防止する安定液を掘削孔200内に供給する安定液供給手段201と、掘削孔200内の泥水を掘削孔200外に排出する排土手段202とを配置して、地盤Gに掘削坑或いは地中壁を形成してもよい。安定液供給手段201は、粘性の優れた安定液を貯留するタンク203と、タンク203内に配置されたポンプ204と、ポンプ204から掘削孔200まで配管された安定液用ホース205とから構成されている。安定液は、ポンプ204によりタンク203内から安定液用ホース205内を流通し、掘削孔200内に流入する。また、排土手段202は、一端が掘削孔200内に配置され他端が地表に配置されたサクションホース206と、地表上のサクションホース206の一端に接続されたサクションポンプ207と、サクションポンプ207に接続され外部に泥水を排出する排土ホース208とから構成されている。掘削孔200内の泥水は、サクションポンプ207によってサクションホース206の一端からサクションホース206内に流入し、サクションポンプ207を経由して排土ホース208に至り、地表上に形成された溜池209に排出する。
【0051】
さらに、上記した実施の形態では、掘削機本体17を貫入させながら改良材を吐出しているため掘削した土を掘削孔25外へ排出する排土手段が備えられていないが、掘削機本体17を掘削孔25から引き抜くとともに改良材を吐出する場合には、排土手段を併用させて掘削した土を掘削孔25外へ排出するのが好ましい。
【0052】
【発明の効果】
本発明に係る低空頭掘削機によれば、振動を伴って地盤を掘削するため掘削反力は軽減される。これによって、礫層等の硬い地盤を掘削する際には、掘削機本体の自重を増大させることなく所要の押圧力を期待でき、また掘削機本体の軽量化が図れるためコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る低空頭掘削機の実施の形態を説明する側面図である。
【図2】本発明に係る低空頭掘削機の実施の形態を説明する背面図である。
【図3】本発明に係る低空頭掘削機の実施の形態を説明するブロック図である。
【図4】本発明に係る低空頭掘削機のその他の実施の形態を説明する側面図である。
【図5】本発明に係る低空頭掘削機のその他の実施の形態を説明する配置図である。
【符号の説明】
4 ワイヤー
5 ワイヤーリール
17、102 掘削機本体
18 掘削手段
19 カッター
20 偏芯回転機構
21 回転軸材(回転軸)
26 ガイド部材
27 振動発生装置
31 改良材吐出手段
100 変形カッター
101 回転機構
G 地盤
Claims (7)
- 地盤上に配置されているワイヤーリールと、該ワイヤーリールに巻装されたワイヤーに吊り下げられているとともに下端に前記地盤を掘進していく掘削手段が設けられている掘削機本体とを備える低空頭掘削機において、
前記掘削機本体には、該掘削機本体または前記掘削手段のうち少なくとも一方を振動させる振動発生装置が備えられていることを特徴とする低空頭掘削機。 - 地盤上に配置されているワイヤーリールと、該ワイヤーリールに巻装されたワイヤーに吊り下げられているとともに下端に前記地盤を掘進していく掘削手段が設けられている掘削機本体とを備える低空頭掘削機において、
前記掘削手段には、ドラム状のカッターと、該カッターの中心軸と間隔をあけて平行する回転軸を中心に該カッターを回転させる偏芯回転機構とが備えられていることを特徴とする低空頭掘削機。 - 地盤上に配置されているワイヤーリールと、該ワイヤーリールに巻装されたワイヤーに吊り下げられているとともに下端に前記地盤を掘進していく掘削手段が設けられている掘削機本体とを備える低空頭掘削機において、
前記掘削手段には、断面形状が長形、角形或いは放射形状の変形カッターと、該変形カッターを回転させる回転機構とが備えられていることを特徴とする低空頭掘削機。 - 請求項1記載の低空頭掘削機において、
前記掘削手段には、ドラム状のカッターと、該カッターの中心軸と間隔をあけて平行する回転軸を中心に該カッターを回転させる偏芯回転機構とが備えられていることを特徴とする低空頭掘削機。 - 請求項1記載の低空頭掘削機において、
前記掘削手段には、断面形状が長形、角形或いは放射形状の変形カッターと、該変形カッターを回転させる回転機構とが備えられていることを特徴とする低空頭掘削機。 - 請求項1から5のいずれか記載の低空頭掘削機において、
前記掘削機本体には、前記地盤を改良するための改良材を吐出する改良材吐出手段が備えられていることを特徴とする低空頭掘削機。 - 請求項1から6のいずれか記載の低空頭掘削機において、
前記掘削機本体には、掘削孔の壁面と平行に摺動するガイド部材が備えられていることを特徴とする低空頭掘削機。
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JP2003044491A JP2004251057A (ja) | 2003-02-21 | 2003-02-21 | 低空頭掘削機 |
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JP2003044491A JP2004251057A (ja) | 2003-02-21 | 2003-02-21 | 低空頭掘削機 |
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JP2004251057A true JP2004251057A (ja) | 2004-09-09 |
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JP2003044491A Withdrawn JP2004251057A (ja) | 2003-02-21 | 2003-02-21 | 低空頭掘削機 |
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JP (1) | JP2004251057A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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KR20180053341A (ko) * | 2015-09-10 | 2018-05-21 | 소레탄체 프레씨네트 | 드릴링 머신 |
JP7395168B1 (ja) | 2023-10-26 | 2023-12-11 | 株式会社トラバース | 地盤改良材用ホースの巻取器及び地盤改良機 |
-
2003
- 2003-02-21 JP JP2003044491A patent/JP2004251057A/ja not_active Withdrawn
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