JP2009087454A - 磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Coを含有する強磁性記録層からなる磁性パターンと、前記磁性パターン間を分断し前記磁性パターンよりもCo濃度が低い非磁性層とを具備したことを特徴とする磁気記録媒体。
【選択図】 図4
Description
基板としては、たとえばガラス基板、Al系合金基板、セラミック基板、カーボン基板、酸化表面を有するSi単結晶基板などを用いることができる。ガラス基板としては、アモルファスガラス、結晶化ガラスが挙げられる。アモルファスガラスとしては、汎用のソーダライムガラス、アルミノシリケートガラスが挙げられる。結晶化ガラスとしては、リチウム系結晶化ガラスが挙げられる。セラミック基板としては、汎用の酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素などを主成分とする焼結体や、これらの繊維強化物などが挙げられる。基板としては、上述した金属基板や非金属基板の表面に、メッキやスパッタリングによりNiP層が形成されたものを用いることもできる。
軟磁性下地層(SUL)は、垂直磁磁気記録層を磁化するための単磁極ヘッドからの記録磁界を水平方向に通して、磁気ヘッド側へ還流させるという磁気ヘッドの機能の一部を担っており、磁界の記録層に急峻で充分な垂直磁界を印加させ、記録再生効率を向上させる作用を有する。軟磁性下地層には、Fe、NiまたはCoを含む材料を用いることができる。このような材料として、FeCo系合金たとえばFeCo、FeCoVなど、FeNi系合金たとえばFeNi、FeNiMo、FeNiCr、FeNiSiなど、FeAl系合金、FeSi系合金たとえばFeAl、FeAlSi、FeAlSiCr、FeAlSiTiRu、FeAlOなど、FeTa系合金たとえばFeTa、FeTaC、FeTaNなど、FeZr系合金たとえばFeZrNなどを挙げることができる。Feを60at%以上含有するFeAlO、FeMgO、FeTaN、FeZrNなどの微結晶構造または微細な結晶粒子がマトリクス中に分散されたグラニュラー構造を有する材料を用いることもできる。軟磁性下地層の他の材料として、Coと、Zr、Hf、Nb、Ta、TiおよびYのうち少なくとも1種とを含有するCo合金を用いることもできる。Co合金には80at%以上のCoが含まれることが好ましい。このようなCo合金は、スパッタリングにより製膜した場合にアモルファス層が形成されやすい。アモルファス軟磁性材料は、結晶磁気異方性、結晶欠陥および粒界がないため、非常に優れた軟磁性を示すとともに、媒体の低ノイズ化を図ることができる。好適なアモルファス軟磁性材料としては、たとえばCoZr、CoZrNbおよびCoZrTa系合金などを挙げることができる。
垂直磁気記録層として用いられる強磁性層は、Coを主成分とし、少なくともPtを含み、さらに酸化物を含む材料を用いることが好ましい。垂直磁気記録層は、必要に応じて、Crを含んでいてもよい。酸化物としては、特に酸化シリコン、酸化チタンが好適である。垂直磁気記録層は、層中に磁性粒子(磁性を有した結晶粒子)が分散していることが好ましい。この磁性粒子は、垂直磁気記録層を上下に貫いた柱状構造であることが好ましい。このような構造を形成することにより、垂直磁気記録層の磁性粒子の配向および結晶性を良好なものとし、結果として高密度記録に適した信号ノイズ比(SN比)を得ることができる。このような構造を得るためには、含有させる酸化物の量が重要となる。
保護層は、垂直磁気記録層の腐食を防ぐとともに、磁気ヘッドが媒体に接触したときに媒体表面の損傷を防ぐ目的で設けられる。保護層の材料としては、たとえばC、SiO2、ZrO2を含むものが挙げられる。保護層の厚さは1ないし10nmとすることが好ましい。これにより、ヘッドと媒体の距離を小さくできるので、高密度記録に好適である。カーボンは、sp2結合炭素(グラファイト)とsp3結合炭素(ダイヤモンド)に分類できる。耐久性、耐食性はsp3結合炭素のほうが優れるが、結晶質であることから表面平滑性はグラファイトに劣る。通常、カーボンの成膜はグラファイトターゲットを用いたスパッタリング法で形成される。この方法では、sp2結合炭素とsp3結合炭素が混在したアモルファスカーボンが形成される。sp3結合炭素の割合が大きいものはダイヤモンドライクカーボン(DLC)と呼ばれ、耐久性、耐食性に優れ、アモルファスであることから表面平滑性にも優れるため、磁気記録媒体の表面保護層として利用されている。CVD(chemical vapor deposition)によるDLCの成膜は、原料ガスをプラズマ中で励起、分解し、化学反応によってDLCを生成させるため、条件を合わせることで、よりsp3結合炭素に富んだDLCを形成することができる。
基板の表面にレジストをスピンコート法で塗布し、モールドを押し付けることにより、レジストにモールドのパターンを転写する。レジストとしては、たとえば一般的なノボラック系のフォトレジストや、スピンオングラス(SOG)を用いることができる。サーボ情報と記録トラックに対応する凹凸パターンが形成されたモールドの凹凸面を、基板のレジストに対向させる。このとき、ダイセットの下板にモールド、基板、バッファ層を積層し、ダイセットの上板で挟み、たとえば2000barで60秒間プレスする。インプリントによってレジストに形成されるパターンの凹凸高さはたとえば60〜70nmである。この状態で約60秒間保持することにより、排除すべきレジストを移動させる。また、モールドにフッ素系の剥離材を塗布することで、モールドをレジストから良好に剥離することができる。
RIE(反応性イオンエッチング)により、レジストの凹部の底に残存している残渣を除去する。このとき、レジストの材料に応じて適切なプロセスガスを用いる。プラズマソースは、低圧で高密度プラズマを生成可能なICP(Inductively Coupled Plasma)が好適であるが、ECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマや、一般的な平行平板型RIE装置を用いてもよい。
残渣を除去した後、レジストパターンをエッチングマスクとして用い、磁気記録層を加工する。磁気記録層の加工には、Arイオンビームを用いたエッチング(Arイオンミリング)が好適であるが、Clガス、またはCOとNH3の混合ガスを用いたRIEでもよい。COとNH3の混合ガスを用いたRIEの場合、エッチングマスクにはTi、Ta、Wなどのハードマスクを用いる。RIEを用いた場合、凸状の磁性パターンの側壁にテーパが付着しにくい。いかなる材料でもエッチング可能なArイオンミリングで磁気記録層を加工する場合、たとえば加速電圧を400Vとし、イオン入射角度を30°、70°と変化させてエッチングを行うと、凸状の磁性パターンの側壁にテーパが付着しにくい。ECRイオンガンを用いたミリングにおいては、静止対向型(イオン入射角90°)でエッチングすると、凸状の磁性パターンの側壁にテーパが付着しにくい。
磁気記録層をエッチングした後、レジストを剥離する。レジストとして一般的なフォトレジストを用いた場合、酸素プラズマ処理を行うことによって容易に剥離することができる。具体的には、酸素アッシング装置を用い、たとえばチャンバー圧を1Torr、パワーを400Wとし、処理時間を5分としてフォトレジストを剥離する。レジストとしてSOGを用いた場合、フッ素系ガスを用いたRIEでSOGを剥離する。フッ素系ガスとしてはCF4やSF6が好適である。なお、フッ素系ガスが大気中の水と反応してHF、H2SO4などの酸が生じることがあるため、水洗を行う。
必要に応じて、レジスト剥離後、磁性パターン間の凹部に平坦化層を埋め込む。平坦化層は、プロセスダストが生じにくい通常のスパッタ法で成膜することが好ましい。平坦化層としては、無機化合物、金属、金属酸化物、金属窒化物から選択される。具体的には、Si、SiC、SiC−C、SiOC、SiON、Si3N4、Al、AlxOy、Ti、TiOx、Ru、Pd、NiNb、NiNbTi、NiTa、NiSi、Zr、ZrOx、W、Ta、Cr、CrN、CNなどから選択できる。バイアススパッタ法は、基板にバイアスをかけながらスパッタ成膜する方法で、容易に凹凸を埋め込みながら成膜できる。しかし、基板バイアスによる基板の溶解、スパッタダストが生じやすいので、通常のスパッタ法を用いるのが好適である。RFスパッタを用いることもできるが、膜厚に分布が生じやすいため、DCスパッタが好ましい。
磁性パターン上の保護膜または磁性パターンが露出するまでエッチバックを行う。このエッチバックプロセスは、たとえばArイオンミリングを用いて行うことができる。SiO2などのシリコン系の非磁性体を用いた場合には、フッ素系ガスを用いたRIEによりエッチバックを行ってもよい。また、ECRイオンガンを用いて非磁性体をエッチバックしてもよい。エッチバックのガスにO2を混合すると、表面を改質しながらエッチバックを行うことができる。O2分圧が1%以下では改質が進まず、70%以上ではカーボン保護膜の表面が荒れるので好ましくない。
エッチバック後、カーボン保護層を形成する。カーボン保護層は、CVD法、スパッタ法、または真空蒸着法により成膜することができる。CVD法によれば、sp3結合炭素を多く含むDLC膜が形成される。保護層の膜厚は、2nm未満だとカバレッジが悪くなり、10nmを超えると磁気ヘッドと媒体との磁気スペーシングが大きくなってSNRが低下するので好ましくない。保護層上に潤滑剤を塗布する。潤滑剤としては、たとえばパーフルオロポリエーテル、フッ化アルコール、フッ素化カルボン酸などを用いることができる。
図1に示したようなサーボパターン(プリアンブル、アドレス、バースト、トラック)が凹凸パターンとして形成されたスタンパを用い、図3に示した方法でDTR媒体を作製した。強磁性記録層32の厚さは15nm、DLC保護膜33の厚さは5nmとした。レジスト34にはSOGを使用した。ECRイオンガンを用いて40秒エッチングし、DLC保護膜33を除去し、さらに強磁性記録層32の凹部の深さが10nmになるように加工した。CF4とO2の混合ガスを用いてフッ素処理を行った。ガス流量はそれぞれ40sccmと5sccm、処理時間は70secとした。原子間力顕微鏡(AFM)で表面形状を調べたところ、SOGレジストが剥離され、深さ10nmの凹部が形成されていることを確認できた。表面保護膜37としてDLCを成膜し、潤滑剤を塗付してDTR媒体を作製した。
実施例1と同一なスタンパを用いて、Co除去工程を行わなかった以外は実施例1と同様な方法でDTR媒体を作製した。強磁性記録層32の厚さは15nm、DLC保護膜33の厚さは5nmとした。レジスト34にはSOGを使用した。ECRイオンガンを用いて40secエッチングし、DLC保護膜33を除去し、さらに強磁性記録層32の凹部の深さが10nmになるように加工した。フッ素処理は行わず、代わりにイソプロピルアルコールへの浸漬によりSOGを剥離した。AFMで表面形状を調べたところ、SOGレジストが剥離され、深さ10nmの凹部が形成されていることを確認できた。表面保護膜37としてDLCを成膜し、潤滑剤を塗付してDTR媒体を作製した。
図1に示したようなサーボパターン(プリアンブル、アドレス、バースト、トラック)が凹凸パターンとして形成されたスタンパを用い、図7に示した方法でDTR媒体を作製した。強磁性記録層32の厚さは15nm、DLC保護膜33の厚さは5nmとした。レジスト34にはSOGを使用した。ECRイオンガンを用いて15秒エッチングし、DLC保護膜33のみの厚さに対応して凹部の深さが5nmになるように加工した。CF4とO2の混合ガスを用いてフッ素処理を行った。ガス流量はそれぞれ40sccmと5sccm、処理時間は120secとした。AFMで表面形状を調べたところ、SOGレジストが剥離され、深さ10nmの凹部が形成されていることを確認できた。表面保護膜37としてDLCを成膜し、潤滑剤を塗付してDTR媒体を作製した。
図1に示したようなサーボパターン(プリアンブル、アドレス、バースト、トラック)が凹凸パターンとして形成されたスタンパを用い、エッチング時に厚いDLCを残した以外は実施例2と同様な方法でDTR媒体を作製した。強磁性記録層32の厚さは15nm、DLC保護膜33の厚さは5nmとした。レジスト34にはSOGを使用した。ECRイオンガンを用いて3秒エッチングし、DLC保護膜33を4nm残して凹部の深さが1nmになるように加工した。CF4とO2の混合ガスを用いてフッ素処理を行った。ガス流量はそれぞれ40sccmと5sccm、処理時間は200secとした。AFMで表面形状を調べたところ、SOGレジストが剥離され、深さ1nmの凹部が形成されていることを確認できた。表面保護膜37としてDLCを成膜し、潤滑剤を塗付してDTR媒体を作製した。
図1に示したようなサーボパターン(プリアンブル、アドレス、バースト、トラック)が凹凸パターンとして形成されたスタンパを用い、図3に示した方法でDTR媒体を作製した。強磁性記録層32の厚さは15nm、DLC保護膜33の厚さは5nmとした。レジスト34にはSOGを使用した。ECRイオンガンを用いて40秒、34秒、または30秒エッチングし、DLC保護膜33を除去し、さらに強磁性記録層32の凹部の深さが10nm、7nm、または5nmになるように加工した。CF4とO2の混合ガスを用いてフッ素処理を行った。ガス流量はそれぞれ40sccmと5sccm、処理時間は70secとした。表面保護膜37としてDLCを成膜し、潤滑剤を塗付してDTR媒体を作製した。
図1に示したようなサーボパターン(プリアンブル、アドレス、バースト、トラック)が凹凸パターンとして形成されたスタンパを用い、図3に示した方法でDTR媒体を作製した。強磁性記録層32の厚さは15nm、DLC保護膜33の厚さは5nmとした。レジスト34にはSOGを使用した。ECRイオンガンを用いて44、または50秒エッチングし、DLC保護膜33を除去し、さらに強磁性記録層32の凹部の深さが12nm、または15nmになるように加工した。CF4とO2の混合ガスを用いてフッ素処理を行った。ガス流量はそれぞれ40sccmと5sccm、処理時間は70secとした。表面保護膜37としてDLCを成膜し、潤滑剤を塗付してDTR媒体を作製した。
図1に示したようなサーボパターン(プリアンブル、アドレス、バースト、トラック)が凹凸パターンとして形成されたスタンパを用い、図3に示した方法でDTR媒体を作製した。強磁性記録層32の組成はCo:60%、Cr:9%、Pt:23%、SiO2:8%であり、厚さは15nmとした。DLC保護膜33の厚さは5nmとした。レジスト34にはSOGを使用した。ECRイオンガンを用いて40秒エッチングし、DLC保護膜33を除去し、さらに強磁性記録層32の凹部の深さが10nmになるように加工した。CF4とO2の混合ガスを用いてフッ素処理を行った。ガス流量はそれぞれ40sccmと5sccm、処理時間は70secとした。原子間力顕微鏡(AFM)で表面形状を調べたところ、SOGレジストが剥離され、深さ10nmの凹部が形成されていることを確認できた。表面保護膜37としてDLCを成膜し、潤滑剤を塗付してDTR媒体を作製した。
フッ素処理を十分に行わなかった以外は実施例4と同様な方法でDTR媒体を作製した。CF4とO2の混合ガスを用いてフッ素処理を行った。ガス流量はそれぞれ40sccmと5sccm、処理時間は70secとしたが、処理時間は20secと短くした。
実施例1と同様の方法で、DTR媒体を作製した。フッ素処理後の非磁性層について深さ方向のCo濃度分布を測定した。その結果、非磁性層のCo濃度は平均で20%であったが、最表面では5%であった。
図1に示したようなサーボパターン(プリアンブル、アドレス、バースト、トラック)が凹凸パターンとして形成されたスタンパを用い、従来の方法でDTR媒体を作製した。強磁性記録層32の厚さは15nm、DLC保護膜33の厚さは5nmとした。レジスト34にはSOGを使用した。ECRイオンガンを用いて5nmのDLC保護膜33および15nmの強磁性記録層32を全てエッチングして、深さ20nmの凹部を形成した。SOGレジストを剥離した。スパッタリングにより凹部にCoCrPt−SiO2(Co:10%、Cr:59%、Pt:23%、SiO2:8%)からなる厚さ50nmの平坦化層を埋め込んだ。ECRイオンガンを使用して30nmのエッチバックを行った。平坦化層の埋め込みおよびエッチバックを10回繰り返し、最後のエッチバックで磁性パターンの表面を出した。この平坦化層のCo濃度は磁性パターンの約17%であり、実施例4および5の非磁性層と同等であった。媒体の記録トラック領域の凹凸はおよそ10nmであった。表面保護膜37としてDLCを成膜し、潤滑剤を塗付してDTR媒体を作製した。
実施例1と同様に、図1に示したようなサーボパターン(プリアンブル、アドレス、バースト、トラック)が凹凸パターンとして形成されたスタンパを用い、図3に示した方法でDTR媒体を作製した。強磁性記録層32の厚さは15nm、DLC保護膜33の厚さは5nmとした。レジスト34にはSOGを使用した。ECRイオンガンを用いてエッチングし、DLC保護膜33を除去し、さらに強磁性記録層32の凹部の深さが10nmになるように加工した。フッ素処理を行い、SOGレジストを剥離し、深さ10nmの凹部を形成した。スパッタリングにより凹部にNiNbTiからなる厚さ50nmの平坦化層を埋め込んだ。ECRイオンガンを使用して50nmのエッチバックを行った。平坦化層の埋め込みおよびエッチバックを5回繰り返した。トラック領域の表面のRaを測定すると、1.5nmであった。表面保護膜37としてDLCを成膜し、潤滑剤を塗付してDTR媒体を作製した。このDTR媒体について浮上試験を行った。その結果、良好な浮上性が得られた。
図1に示したようなサーボパターン(プリアンブル、アドレス、バースト、トラック)が凹凸パターンとして形成されたスタンパを用い、従来の方法でDTR媒体を作製した。強磁性記録層32の厚さは15nm、DLC保護膜33の厚さは5nmとした。レジスト34にはSOGを使用した。ECRイオンガンを用いて5nmのDLC保護膜33および15nmの強磁性記録層32を全てエッチングして、深さ20nmの凹部を形成した。SOGレジストを剥離した。スパッタリングにより凹部にNiNbTiからなる厚さ50nmの平坦化層を埋め込んだ。ECRイオンガンを使用して50nmのエッチバックを行った。平坦化層の埋め込みおよびエッチバックを5回繰り返した。トラック領域の表面のRaを測定すると、8.3nmであった。表面保護膜37としてDLCを成膜し、潤滑剤を塗付してDTR媒体を作製した。このDTR媒体について浮上試験を行った。その結果、媒体のサーボ領域上で、ヘッドの浮上量が約10nm低下することが観測された。
図1に示したようなサーボパターン(プリアンブル、アドレス、バースト、トラック)が凹凸パターンとして形成されたスタンパを用い、図8に示した方法でDTR媒体を作製した。強磁性記録層32の厚さは15nm、DLC保護膜33の厚さは5nmとした。レジスト34にはノボラック系フォトレジストS1801を使用した。インプリント後に、酸素RIEによってレジストパターンの凹部の底に残っているレジスト残渣を除去した。ECRイオンガンを用いて40秒エッチングし、DLC保護膜33を除去し、さらに強磁性記録層32の凹部の深さが10nmになるように加工した。CF4とO2の混合ガスを用いてフッ素処理を行った。ガス流量はそれぞれ40sccmと5sccm、処理時間は70secとした。O2アッシングによって残ったフォトレジストおよびDLC保護膜を除去した。原子間力顕微鏡(AFM)で表面形状を調べたところ、フォトレジストおよびDLCが剥離され、深さ10nmの凹部が形成されていることを確認できた。表面保護膜37としてDLCを成膜し、潤滑剤を塗付してDTR媒体を作製した。
Claims (8)
- Coを含有する強磁性記録層からなる磁性パターンと、
前記磁性パターン間を分断し前記磁性パターンよりもCo濃度が低い非磁性層と
を具備したことを特徴とする磁気記録媒体。 - 前記磁性パターンの厚さをTm(nm)、前記非磁性層の厚さをTn(nm)としたとき、Tm≧Tn≧Tm−10nmであることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
- 前記非磁性層のCo濃度が、前記磁性パターンのCo濃度の60%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
- 前記非磁性層のCo濃度は、表面側よりも下地側で高いことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
- 基板上にCoを含有する強磁性記録層を成膜し、
前記強磁性記録層の一部から選択的にCoを除去することによって、Coを含有する強磁性記録層からなる磁性パターンと、前記磁性パターン間を分断し前記磁性パターンよりもCo濃度が低い非磁性層とを形成する
ことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。 - 前記強磁性記録層上に保護膜を形成し、前記非磁性層を形成する部分の保護膜に凹部を形成し、その部分の前記強磁性記録層から選択的にCoを除去することを特徴とする請求項5に記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 前記非磁性層を形成する部分の前記強磁性記録層の一部を選択的にエッチングし、その部分の前記強磁性記録層から選択的にCoを除去することによって、Coを含有する強磁性記録層からなる磁性パターンと、前記磁性パターン間を分断し前記磁性パターンよりもCo濃度が低い非磁性層とを形成し、前記磁性パターンの厚さをTm(nm)、前記非磁性層の厚さをTn(nm)としたとき、Tm≧Tn≧Tm−10nmとすることを特徴とする請求項5に記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 前記非磁性層を形成する部分の前記強磁性記録層を、フッ素を含む気体または液体と反応させ、Coを含有する反応生成物を除去することを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
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