JP2009075077A - 原子炉内計測用配管の固定装置およびそれを用いた固定工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ジェットポンプディフューザ18の円筒外周面18aに対しC字形支持部材30によって外側部材41を支持するとともに、この外側部材41と内側部材42,43とによって計測用配管19を半径方向に挟持し、かつ円筒外周面18aと内側部材42,43との間にくさび体44,45を介装することにより計測用配管19を円筒外周面18aに堅固に固定する。
【選択図】図2
Description
また、原子炉圧力容器1の外部には図示しない再循環ポンプが設置され、この再循環ポンプ,ジェットポンプ11、およびこれら両者間に配設された再循環配管により再循環系が構成されている。そして、再循環ポンプによりジェットポンプ11に駆動水が供給され、ジェットポンプ11の作用により冷却材2を炉心内で強制循環させるようになっている。
沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器内に設けられているジェットポンプディフューザ(18)の円筒外周面(18a)に対し隙間を開けて上下方向に延びる計測用配管(19)を、前記円筒外周面(18a)に対して半径方向外側および半径方向内側から挟持しつつ前記円筒外周面(18a)に固定する装置(100,200)であって、
前記計測用配管(19)に前記半径方向外側から当接する外側部材(41,71)と、
前記計測用配管(19)に前記半径方向内側から当接する内側部材(42,43,76,77)と、
前記内側部材(42,43,76,77)と前記円筒外周面(18a)との間に介装されるくさび体(44,45,74,79)と、
前記外側部材(41,71)を前記円筒外周面(18a)に支持するための第1の支持手段(30)と、
前記内側部材(42,43,76,77)および前記くさび体(44,45,74,79)のいずれか一方(42,43,74,77)を前記外側部材(41,71)に対して前記半径方向に変位自在に支持する第2の支持手段(46,47,72,73)と、
前記内側部材(42,43,76,77)および前記くさび体(44,45,74,79)のいずれか他方(44,45,76,79)を前記外側部材(41,71)に対して上下方向に相対変位させる、前記内側部材(42,43,76,77)および前記くさび体(44,45,74,79)のいずれか他方(44,45,76,79)と前記外側部材(41,71)または前記内側部材(42,43,76,77)および前記くさび体(44,45,74,79)のいずれか一方(42,43,74,77)とに支持された上下方向変位手段(48,49,75,78)と、
を備えることを特徴とする。
これにより、流体振動によって計測用配管(19)に生じる応力を確実に低減できるばかりでなく、計測用配管(19)と円筒外周面(18a)とを接続している接続部(24)が設けられていない箇所においても計測用配管(19)を確実に円筒外周面(18a)に固定することができる。
すなわち、請求項2に記載した原子炉内計測用配管固定装置によれば、計測用配管(19)の上下に離間した2つの部分をジェットポンプディフューザ(18)の円筒外周面に対して同時に固定できるから、流体振動によって計測用配管(19)に生じる応力を確実に低減することができる。
これにより、外側部材(41,71)、内側部材(42,43,76,77)、くさび体(44,45,74,79)、および第2の支持手段(46,47,72,73)を一体に組み立てた組立体(40,70)を原子炉圧力容器内の計測用配管(19)に取り付けた後、第1の支持手段(30)をジェットポンプディフューザ(18)の円筒外周面(18a)に沿って降下させて外側部材(41,71)に係合させることにより、外側部材(41,71)を円筒外周面(18a)に支持し固定することができる。
すなわち、何らかの理由によって第1の支持手段(30)と外側部材(41,71)との間に隙間が生じると、外側部材(41,71)を計測用配管(19)に当接させることができなくなる。
このとき、請求項4に記載した原子炉内計測用配管固定装置(150,250)においては、第1の支持手段(35)に設けられている外側部材変位手段(60)によって外側部材(41,71)を半径方向内側に変位させることができるから、外側部材(41,71)を計測用配管(19)に確実に当接させることができる。
この場合、原子炉内計測用配管固定装置(300)の構造を簡単なものとしつつ、ジェットポンプディフューザ(18)の円筒外周面(18a)に第1の支持手段(30)を取り付ける作業と、計測用配管(19)に外側部材(41,71)を当接させる作業を同時にかつ容易に行うことができる。
そして、この係合部(41b)は、計測用配管(19)と円筒外周面との間に挿通されて前記接続部(24)の上面に当接するように、外側部材から湾曲した指状に延設することができる。
これにより、計測用配管(19)の接続部(24)に対する外側部材(41)の上下方向の位置決め作業を容易にかつ正確に行うことができる。
これにより、外側部材(41)の係合部(41b)を用いて計測用配管(19)の接続部(24)に対する外側部材(41)の上下方向の位置決めを行った後、上下方向変位手段(48,49)を操作することによって、計測用配管(19)のうち接続部(24)の直下の部分をジェットポンプディフューザ(18)の円筒外周面(18a)に固定することができる。
なお、係合凹部(74b)を下方に向かって開放する溝状に形成することにより、円筒外周面(18a)に沿ってくさび体(74)を降下させることにより、切り株状に残存している凸部(24a)にくさび体(74)を容易に係合させることができる。
すなわち、ジェットポンプディフューザ(18)の円筒外周面(18a)に切り株状に残存している凸部(24a)にくさび体(74)の係合凹部(74b)を係合させることにより、くさび体(74)を上下方向に位置決めすることができるから、計測用配管(19)の接続部のうち切り株状に残存している凸部(24a)に対する外側部材(71)の上下方向の位置決め作業を容易にかつ正確に行うことができる。
これにより、ジェットポンプディフューザ(18)の上方からこのねじ部材(48,49)を遠隔操作することによって、内側部材(42,43)とくさび体(44,45)を上下方向に相対変位させ、内側部材(42,43)を計測用配管(19)に密着させつつ、くさび体(44,45)をジェットポンプディフューザ(18)の円筒外周面(18a)に密着させて、計測用配管(19)を円筒外周面(18a)に固定することができる。
これにより、上側のねじ部材(48,75)および下側のねじ部材(49,78)をそれぞれ個別に、ジェットポンプディフューザ(18)の上方から容易に遠隔操作することができる。
すなわち、本発明の原子炉内計測用配管固定工法によれば、ジェットポンプディフューザ(18)の円筒外周面(18a)に計測用配管(19)を接続するための接続部(24)が設けられていない箇所においても、計測用配管(19)を当該円筒外周面(18a)に固定することができる。
これにより、計測用配管(19)のうち上下方向に離間した複数の箇所において計測用配管(19)を円筒外周面(18a)に固定することができる。
前記ジェットポンプディフューザ(18)の周囲に着脱可能に装着されるC字形支持部材(430)と、
このC字形支持部材(430)に設けられ、前記計測用配管(19)および前記ジェットポンプディフューザ(18)の円筒外周面(18a)に当接する組立体(431)と、
この組立体(431)に設けられ、前記計測用配管(19)を固定するための内側部材(435,437)およびくさび体(436,438)と、このくさび体(436,438)を移動させるねじ部材(439,440)と、を備えることを特徴とする。
また、ジェットポンプディフューザの円筒外周面と計測用配管との間で当接するくさび体を設け、くさび体による拡大を拘束することにより計測用配管をディフューザに強固に固定することができる。
なお、以下の説明においては、同一の部分に同一の符号を用いて重複した説明を省略するとともに、ジェットポンプディフューザ18の円筒外周面18aを基準として「半径方向」および「周方向」という用語を用いる。
まず最初に図1〜図8を参照し、本発明の原子炉内計測用配管固定装置の第1実施形態とその変形例、およびそれを用いた原子炉内計測用配管の固定工法について説明する。
湾曲部分31は、下側ほどその外径が大きくなるテーパ状の円筒外周面18aにおける小径の上側部分において容易に外嵌できるようにそのC字形形状が定められている。
また、湾曲部分31には、円筒外周面18aに当接する複数の凸部31aが設けられている。
組立体支持部32は、次述する外側部材41の背面部分41aを上下方向に受容しつつスライド自在に外嵌する凹溝33を有している。
さらに、湾曲部分31および組立体支持部32には、このC字形支持部材30を水平な状態で吊り下げるための複数の吊り耳34が設けられている。
また、図3に示したように、この外側部材41の上端部には、上方から見たときにL字形に湾曲して水平に延びる指状の係合部41bが連設されており、計測用配管19を円筒外周面18aに接続している接続部24の上面に係合して、この外側部材41を上下方向に位置決めできるようになっている。
さらに、この外側部材41の上端部および下端部には、図3および図5(a)に示したように、計測用配管19に対して半径方向外側から当接する配管当接部41c,41dがそれぞれ凹設されている。
なお、これらの配管当接部41c,41dは楕円形に形成され、円形断面の計測用配管19の外周面に対し周方向に離間した2つの箇所で当接するようになっている。これにより、計測用配管19が万一切損した場合でもその横方向のずれを防止することができる。
この上部支持手段46は、図3に示したように、外側部材41の周方向の一側においてその側面に突設された凸部41eと、この凸部41eにスライド自在に挿通されて半径方向に互いに平行に延びる上下2本のピン46aとを有しており、これらのピン46aの先端に上部内側部材42が固着されている。
なお、この配管当接部42aは楕円形に形成され、円形断面の計測用配管19の外周面に対し周方向に離間した2つの箇所で当接するようになっている。これにより、計測用配管19が万一切損した場合でもその横方向のずれを防止することができる。
そして、この腕部42cの先端には、ねじ部材48(上下方向変位手段)の上端部が遊嵌され、腕部42cに対して相対回転自在かつ半径方向に相対変位自在であるが上下方向には相対変位不能に支持されている。
なお、腕部42cおよびねじ部材48は、ジェットポンプディフューザ18の円筒外周面18aと計測用配管19との間の隙間内に挿通可能な形状に構成されている。
そして、この腕部44cの先端には、ねじ部材48の下端部が螺合している。
なお、腕部44cは、ジェットポンプディフューザ18の円筒外周面18aと計測用配管19との間の隙間内に、ねじ部材48と共に挿通可能な形状に構成されている。
これに伴い、上部くさび体44が上方に変位して、上部内側部材42の傾斜面42bとジェットポンプディフューザ18の円筒外周面18aとの間の隙間内に入り込むので、上部内側部材42は半径方向外側に押動されてその配管当接部42aが計測用配管19の外表面に当接する。
この下部支持手段47は、図4および図5(a)に示したように、外側部材41の周方向の一側においてその側面に突設された凸部41fと、この凸部41fにスライド自在に挿通されて半径方向に互いに平行に延びる上下2本のピン47aとを有しており、これらのピン47aの先端に下部内側部材43が固着されている。
なお、この配管当接部43aもまた楕円形に形成され、円形断面の計測用配管19の外周面に対し周方向に離間した2つの箇所で当接するようになっている。これにより、計測用配管19が万一切損した場合でもその横方向のずれを防止することができる。
また、この下部くさび体45には、外側部材41の凸部41gの下方に延びる腕部45cが連設されている。
そして、この腕部45cの先端にねじ部材49の下端部が螺合している。
これに伴い、下部くさび体45が上方に変位して、下部内側部材43の傾斜面43bとジェットポンプディフューザ18の円筒外周面18aとの間の隙間内に入り込むので、下部内側部材43は半径方向外側に押動され、その配管当接部43aが計測用配管19の外表面に当接する。
そして、この操作ポール53の下端に設けられている把持具54によって組立体40の外側部材41を把持しつつ、ジェットポンプディフューザ18の円筒外周面18aに計測用配管19を接続している複数の接続部24のうちの一つの近傍まで組立体40を降下させる。
次いで、図3に示したように、組立体40を計測用配管19の回りに90度回転させることにより、ねじ部材48を計測用配管19に対して周方向の他側に位置させる。
その後、組立体40をわずかに降下させることにより、外側部材41の上端に設けられている係合部41bを接続部24の上面に当接させて、組立体40を上下方向に位置決めする。
そして、ジェットポンプディフューザ18の上端の外径が小さい部分において、C字形支持部材30の湾曲部31を円筒外周面18aに遊嵌させた後、C字形支持部材30を水平に保ちつつ徐々に吊り降ろす。
そして、C字形支持部材30の組立体支持部32に設けられている凹溝33を外側部材41の背面41aに外嵌させることにより、組立体40をジェットポンプディフューザ18の円筒外周面18aに固定する。
これにより、流体振動によって計測用配管19に生じる応力を確実に低減できるばかりでなく、計測用配管19を円筒外周面18aに接続する接続部24が設けられていない箇所においても、計測用配管19を確実に円筒外周面18aに固定することができる。
これにより、ジェットポンプディフューザ18の円筒外周面18aと計測用配管19との間の隙間内に上部内側部材42およびくさび体44を挿通する作業と同時に、これらの腕部42c,44cおよびねじ部材48を当該隙間内に挿通して、計測用配管19に対して周方向の他側にねじ部材48を配設する作業を容易に行うことができる。
次に図8を参照し、第1実施形態の固定装置100の変形例について説明する。
そして、図8に示したように、組立体支持部37には、上方に行くほど円筒外周面18aから離間するように上下方向に傾斜して延びる底面38aを有した、外側部材41の背面41aに外嵌する凹溝38が凹設されている。
この外側部材変位手段60は、凹溝38aと外側部材41の背面41aとの間に挿入されて下方に先細りなテーパ部61aと、組立体支持部37の上方に平行に延びる本体部分61bと、この本体部分61bと組立体支持部37とに挿通されたねじ部材62とを有している。
すると、外側部材変位手段60のテーパ部61aは、その一方の側面61cが外側部材41の背面41aに密着し、かつ他方の側面61dがC字形支持部材35の凹溝38の底面38aに密着しつつ、下方に変位するので、外側部材41を半径方向内側に押動してその配管当接部41c,41dを計測用配管19の外表面に当接させることができる。
次に図9〜図15を参照し、第2実施形態の固定装置200とその変形例、およびそれを用いた原子炉内計測用配管の固定工法について説明する。
これに対し、本第2実施形態の固定装置200は、切損した計測用配管19を補修したために、接続部24が円筒外周面18a上に切り株状の凸部24aとして残存している場合に用いるものである。
これにより、計測用配管19と一緒に切除した接続部24は、ジェットポンプディフューザ18の円筒外周面18a上に数mmの高さの切り株状の凸部24aとして残存している。
そこで、本第2実施形態の固定装置200は、この切り株状の凸部24aを用いて上下方向に位置決めできるように構成されている。
また、この外側部材71の上端部および下端部には、図11および図13に示したように、計測用配管19に対して半径方向外側から当接する配管当接部71b,71eがそれぞれ凹設されている。
なお、これらの配管当接部71b,71eは楕円形に形成され、円形断面の計測用配管19の外周面に対し周方向に離間した2つの箇所で当接するようになっている。これにより、計測用配管19が万一切損した場合でもその横方向のずれを防止することができる。
この上部支持手段72は、図11および図12に示したように、外側部材71の周方向の一側においてその側面に突設された凸部71cと、この凸部71cにスライド自在に挿通されて半径方向に互いに平行に延びる上下2本のピン72aとを有しており、これらのピン72aの先端に上部くさび体74が固着されている。
なお、係合凹部74bは、円筒外周面18aの表面に残存している切り株状の凸部24aをその内側に受容できる形状および寸法に構成されている。
そして、この腕部74dの先端には、上下方向に延びるねじ部材75(上下方向変位手段)の下端部が螺合している。
なお、腕部74dおよびねじ部材75は、ジェットポンプディフューザ18の円筒外周面18aと計測用配管19との間の隙間内に挿通可能な形状に構成されている。
そして、この腕部76bの先端には、ねじ部材75の上端部が相対回転自在かつ半径方向に相対変位自在であるが上下方向には相対変位不能に支持されている。
なお、腕部76bもまた、ジェットポンプディフューザ18の円筒外周面18aと計測用配管19との間の隙間内に挿通可能な形状に構成されている。
なお、この配管当接部42aは楕円形に形成され、円形断面の計測用配管19の外周面に対し周方向に離間した2つの箇所で当接するようになっている。これにより、計測用配管19が万一切損した場合でもその横方向のずれを防止することができる。
これに伴い、上部内側部材76が下方に変位して、上部くさび体74の傾斜面74cと計測用配管19との間の隙間内に入り込むので、上部内側部材76は半径方向外側に押動されてその配管当接部76cが計測用配管19の外表面に当接する。
この下部支持手段73は、図12および図13に示したように、外側部材71の周方向の一側においてその側面に突設された凸部71dと、この凸部71dにスライド自在に挿通されて半径方向に互いに平行に延びる上下2本のピン73aとを有しており、これらのピン73aの先端に下部内側部材77が固着されている。
なお、この配管当接部77aもまた楕円形に形成され、円形断面の計測用配管19の外周面に対し周方向に離間した2つの箇所で当接するようになっている。これにより、計測用配管19が万一切損した場合でもその横方向のずれを防止することができる。
そして、この腕部77cの先端にねじ部材78の下端部が螺合している。
そして、この腕部79cの先端には、ねじ部材78の上端部が相対回転自在かつ半径方向に相対変位自在であるが上下方向には相対変位不能に支持されている。
これに伴い、下部くさび体79が下方に変位して、下部内側部材77の傾斜面77bと円筒外周面18aとの間の隙間内に入り込むので、下部内側部材77は半径方向外側に押動されてその配管当接部77aが計測用配管19の外表面に当接する。
そして、組立体70を計測用配管19の回りに90度回転させることにより、ねじ部材75を計測用配管19に対して周方向の他側に位置させる。
その後、組立体70をわずかに降下させて、上部くさび体74の当接面74aに凹設されている係合凹部74bの内側に切り株状の凸部24aを受け入れることにより、組立体70を上下方向に位置決めすることができる。
これにより、計測用配管19を円筒外周面18aに接続していた接続部24のうち、切り株状に残存している凸部24aに対する組立体70の上下方向の位置決め作業を容易にかつ正確に行うことができる。
次に図15を参照し、第2実施形態の固定装置200の変形例について説明すると、この変形例の固定装置250は、図8に示した変形例の固定装置150と全く同様に、C字形支持部材35の組立体支持部37と組立体70の外側部材71との間に、外側部材変位手段60を介装したものである。
すると、外側部材変位手段60のテーパ部61aは、その一方の側面61cが外側部材71の背面71aに密着し、かつ他方の側面61dがC字形支持部材35の凹溝38の底面38aに密着しつつ、下方に変位するので、外側部材71を半径方向内側に押動してその配管当接部71b,71eを計測用配管19の外表面に当接させることができる。
次に図16を参照し、第3実施形態の固定装置300、およびそれを用いた原子炉内計測用配管の固定工法について説明する。
これに対して、本第3実施形態の固定装置300は、C字形支持部材と組立体を一体に構成したものである。
そして、内側部材81の傾斜面81aとジェットポンプディフューザ18の円筒外周面18aとの間には、くさび体83が介装されている。
そして、このくさび体83に連設されている腕部83aと、C字形支持部材80に連設されている腕部80bとには、ねじ部材84が螺合している。
また、計測用配管19のうち上下方向に互いに接近した複数の箇所に、本第3実施形態の固定装置300をそれぞれ装着することにより、計測用配管19を固定することもできる。
次に図17〜図23を参照し、第4実施形態の原子炉内計測用配管固定装置400について説明する。
組立体431は、ディフューザ18と計測用配管19の固定用ブロック24とに圧接できる構成のものであり、係合部432、外側部材433、上部内側部材435,上部くさび体436,下部内側部材437,下部くさび体438、ガイドピン443等を備えている。以下、これらの構成について、図20,図21および図22により、詳細に説明する。
C字形支持部材430上面の吊り耳442にロープをU字状に通し、また押し金具446に隣接するC字形支持部材430の吊り耳442に燃料交換機50(図6参照)から下方に延びる操作ポール53の下端の把持具54を接続する。
次に図23〜図25を参照し、本発明の固定装置の第5実施形態を説明する。
図23は本第5実施形態の組立体431の部分平面図であり、図24は図23におけるねじ部材440のd−d破断線に沿った縦断面図、図25はねじ部材440の一部であるロックスリーブ440’の変形状態でのねじ部材440の平面図である。
次に図26および図27により本発明の固定装置の第6実施形態を説明する。
図26は上述したねじ部材439(ボル440またはねじ部材444)の一部断面を含む側面図であり、図12はねじ部材439(ねじ部材440またはねじ部材444)の平面図である。
例えば、上述した第2実施形態の固定装置200においては、上部くさび体74の当接面74aに、切り株状の凸部24aを受け入れる凹溝74bが形成されている。
これに対して、下部くさび体79の当接面79aに切り株状の凸部24aを受け入れる凹溝を形成することもできる。
11 ジェットポンプ
18 ディフューザ
19 計測用配管
19a 補修スリーブ
24 接続部(ブロック)
24a 凸部
30,35 C字形支持部材
40 組立体
41 外側部材
42,43 内側部材
44,45 くさび体
46,47 支持手段
48,49 ねじ部材
50 燃料交換機
53 操作ポール
54 把持具
60 外側部材変位手段
70 組立体
71 外側部材
72,73 支持手段
74,79 くさび体
75,78 ねじ部材
76,77 内側部材
80 C字形支持部材
81 内側部材
83 くさび体
84 ねじ部材
100 第1実施形態の固定装置
150 第1実施形態の変形例の固定装置
200 第2実施形態の固定装置
250 第2実施形態の変形例の固定装置
300 第3実施形態の固定装置
400 第4実施形態の固定装置
430 C字形支持部材
431 組立体
432 係合部
433 外側部材
435 上部内側部材
436 上部くさび体
437 下部内側部材
438 下部くさび体
439 ねじ部材
440 ねじ部材
442 吊り耳
444 ねじ部材
445 くさび体
446 押し金具
447 キーパ
448 スリーブ
450
460
470
Claims (16)
- 沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器内に設けられているジェットポンプディフューザの円筒外周面に対し隙間を開けて上下方向に延びる計測用配管を、前記円筒外周面に対して半径方向外側および半径方向内側から挟持しつつ前記円筒外周面に固定する装置であって、
前記計測用配管に前記半径方向外側から当接する外側部材と、
前記計測用配管に前記半径方向内側から当接する内側部材と、
前記内側部材と前記円筒外周面との間に介装されるくさび体と、
前記外側部材を前記円筒外周面に支持するための第1の支持手段と、
前記内側部材および前記くさび体のいずれか一方を前記外側部材に対して前記半径方向に変位自在に支持する第2の支持手段と、
前記内側部材および前記くさび体のいずれか他方を前記外側部材に対して上下方向に相対変位させる、前記内側部材および前記くさび体のいずれか他方と、前記外側部材または前記内側部材および前記くさび体のいずれか一方とに、それぞれ支持された上下方向変位手段と、を備えることを特徴とする原子炉内計測用配管固定装置。 - 前記内側部材、前記くさび体、前記第2の支持手段、および前記上下方向変位手段が前記外側部材の上端部および下端部にそれぞれ別個に設けられ、前記計測用配管の上下に離間した2つの部分をそれぞれ前記円筒外周面に固定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載した原子炉内計測用配管固定装置。
- 前記外側部材が前記第1の支持手段に対して係脱自在に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載した原子炉内計測用配管固定装置。
- 前記外側部材を前記円筒外周面に対して半径方向に変位させる、前記第1の支持手段に支持された外側部材変位手段をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載した原子炉内計測用配管固定装置。
- 前記外側部材が前記第1の支持手段と一体に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載した原子炉内計測用配管固定装置。
- 前記外側部材は、前記計測用配管を前記円筒外周面に接続する接続部に係合して前記外側部材を上下方向に位置決めする係合部を有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載した原子炉内計測用配管固定装置。
- 前記内側部材、前記くさび体、前記第2の支持手段、および前記上下方向変位手段が、前記外側部材のうち前記係合部の直下の部分に設けられていることを特徴とする請求項6に記載した原子炉内計測用配管固定装置。
- 前記くさび体は、前記計測用配管を前記円筒外周面に接続する接続部のうち補修により切断されて前記円筒外周面に切り株状に残存している突起部と係合して前記くさび体を上下方向に位置決めするための係合凹部を、前記円筒外周面に接する表面に有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載した原子炉内計測用配管固定装置。
- 前記上下方向変位手段は、前記内側部材および前記くさび体のいずれか他方と、前記内側部材および前記くさび体のいずれか一方または前記外側部材とに、それぞれ螺合して上下方向に延びるねじ部材であることを特徴とする請求項1または2に記載した原子炉内計測用配管固定装置。
- 前記外側部材の上端側に設けられた前記ねじ部材が前記計測用配管に対し前記円筒外周面の周方向の一側に配設され、
かつ前記外側部材の下端側に設けられた前記ねじ部材が前記計測用配管に対し前記円筒外周面の周方向の他側に配設されていることを特徴とする請求項9に記載した原子炉内計測用配管固定装置。 - 請求項1乃至10のいずれかに記載した原子炉内計測用配管固定装置を用いて前記計測用配管を前記円筒外周面に固定する工法であって、前記計測用配管のうち上下方向に離間した複数の箇所において前記計測用配管を前記円筒外周面に固定することを特徴とする原子炉内計測用配管の固定工法。
- 沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器内に設置されたジェットポンプディフューザの円筒外周面に計測用配管を接続している接続部と前記計測用配管との溶接部に生じる流体振動による応力を低減させるための原子炉内計測用配管固定装置であって、
前記ジェットポンプディフューザの周囲に着脱可能に装着されるC字形支持部材と、
このC字形支持部材に設けられ、前記計測用配管および前記円筒外周面に当接する組立体と、
この組立体に設けられ、前記計測用配管を固定するための内側部材およびくさび体と、このくさび体を移動させるねじ部材と、を備えることを特徴とする原子炉内計測用配管固定装置。 - 前記C字形支持部材および前記組立体は、前記ジェットポンプディフューザの円筒外周面の一側と、これに対向する前記円筒外周面の他側と、前記接続部との間に対し、それぞれ前記内側部材および前記くさび体によって圧接力を付与する構成とされていることを特徴とする請求項12に記載した原子炉内計測用配管固定装置。
- 前記C字形支持部材は、前記円筒外周面を略半周に亘って囲む円弧状をなし、
このC字形支持部材の周方向の一側に前記円筒外周面を押圧する押し金具が設けられ、
この押し金具は前記円筒外周面に締付け力を付与する締付け用のくさび体およびこのくさび体を移動させるねじ部材を備えることを特徴とする請求項12に記載した原子炉内計測用配管固定装置。 - 前記組立体は、前記計測用配管を締付ける内側部材と前記ディフューザを締付けるくさび体およびこのくさび体を移動させるねじ部材とを備え、
前記くさび体は、前記組立体に設けたガイドピンにより移動方向を設定されていることを特徴とする請求項1に記載の請求項12記載の原子炉内計測用配管固定装置。 - 前記組立体のねじ部材は、廻り止め用のロックスリーブまたは凹凸歯を有していることを特徴とする請求項12に記載した原子炉内計測用配管固定装置。
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