JP5479067B2 - 炉内構造物およびその溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器内に設けられた炉内構造およびその溶接方法に関する。
一般に、沸騰水型原子炉では、出力密度を大きくするために、原子炉冷却材を冷却水として強制再循環させるシステムが採用されている。
このようなシステムには、原子炉圧力容器内の炉心部に原子炉冷却材を強制循環させる方式として、外部再循環方式と内部再循環方式とがある。このうち、外部再循環方式は、原子炉圧力容器内に配設される複数のジェットポンプと原子炉圧力容器外に配置される再循環ポンプとを備え、この再循環ポンプから送られる冷却水をジェットポンプでジェット流にし、このジェットポンプで周囲の炉水を巻き込んで炉心部下方の炉心下部プレナムから炉心部に強制的に送り込み、原子炉冷却材を原子炉圧力容器内で強制的に再循環させるようにしている。
図11〜図18は、この外部再循環方式によるジェットポンプシステムを採用した沸騰水型原子炉のジェットポンプの従来例を示している。
図11は沸騰水型原子炉の概略構成を示す縦断面図である。
図11に示すように、原子炉圧力容器1内には、原子炉冷却材2および炉心3が収容されており、この炉心3は図示しない複数の燃料集合体および制御棒などから構成され、炉心シュラウド10内に収容されている。
原子炉冷却材2は、炉心3の上方に向って流れ、その際、炉心3の核反応熱により昇温されて、水と蒸気との二相流状態となる。この二相流状態となった冷却材2は、炉心3の上方に設置された気水分離器4内に流入し、そこで水と蒸気とに分離される。このうち、蒸気は気水分離器4の上方に設置された蒸気乾燥器5内に導入され、乾燥蒸気となる。
この乾燥蒸気は、原子炉圧力容器1に接続された主蒸気管6を介して図示しない蒸気タービンに移送され、発電に供される。一方、分離された水は、炉心3と原子炉圧力容器1との間のダウンカマ部7を流れて炉心3の下方に流下する。この炉心3の下方には、制御棒案内管8が設置されており、この制御棒案内管8を介して制御棒が炉心3内に挿入・引抜される。制御棒案内管8の下方には制御棒駆動機構9が設置されており、この制御棒駆動機構9により制御棒の炉心3内への挿入や引抜が制御される。ダウンカマ部7内にはジェットポンプ11が周方向に等間隔で複数設置されている。
一方、原子炉圧力容器1の外部には、図示しない再循環ポンプが設置されており、この再循環ポンプ、ジェットポンプ11、およびこれら両者間に配設された再循環配管により、再循環系が構成されている。そして、上記再循環ポンプによりジェットポンプ11に駆動水が供給され、ジェットポンプ11の作用により冷却材2が炉心内に強制循環される。
図12は、図11に示したジェットポンプ11の要部を拡大して示す斜視図である。
図12に示すように、ジェットポンプ11は、再循環ポンプの再循環入口ノズル13から供給された冷却材を炉内に上昇流として導入するため、垂直なライザ管12を有している。このライザ管12は、原子炉圧力容器1の炉壁1aにライザブレース20を介して固定されている。ライザ管12の上部には、トラジションピース14を介して一対のエルボ15が接続され、これらのエルボ15により、冷却材が二手に分かれて下向き流となる。これらのエルボ15には、それぞれ混合ノズル16を介してインレットスロート17が接続されている。
そして、混合ノズル16により、冷却材2が噴射され、その際周囲から炉水が巻き込まれ、この噴射された冷却材2および巻き込まれた水は、インレットスロート17内で混合される。各インレットスロート17は、それぞれディフューザ18に接続され、これらのディフューザ18は、冷却材を炉心下方に送り込む。これらのエルボ15、混合ノズル16、インレットスロート17は一体となっており、インレットミキサ51と呼ばれる。
ところで、上記の構成において、再循環ポンプから送り込まれる冷却時の流れにより、流体振動が発生する。この流体振動に対処するため、ライザ管12は前述したように、その下端を再循環入口ノズル13に溶着されており、上端はライザブレース20を介して原子炉圧力容器1に固定されている。
また、インレットスロート17の上端は、混合ノズル16およびエルボ15を介してトラジションピース14に機械的に接続されるとともに、インレットスロート17の下端は、ディフューザ18の上端に挿入されている。このように、ライザ管12およびインレットミキサ51は、ともに流体振動に十分対処可能な構成となっている。
次に、混合ノズル16の上方の構成について説明する。
図12および図13に示すように、トラジションピース14の両側には、門形をなす一対のポスト21が対向配置で立設されており、各ポスト21の上端の対向位置に横長な溝部22がそれぞれ形成されている。これらの溝部22には、エルボ15を上方から押圧支持するためのジェットポンプビーム23の両端が係止されている。ジェットポンプビーム23の端部は、長方形の断面を有し、長さ方向中央部に向って断面積が増大するビームであり、中央部にエルボ15を押圧するための構成部材が設けられている。
図13および図14に基づいて、ジェットポンプビーム23の構成およびポスト21への嵌合状態について説明する。
図13および図14に示すように、ジェットポンプビーム23の中央には、鉛直方向にねじ孔23aが形成されており、このねじ孔23aにはヘッドボルト28が螺合している。ヘッドボルト28の上端には六角頭28aが形成されており、また下端には半丸頭28bが形成されている。一方、エルボ15には、上端面が水平な台座部15aが形成されており、この台座部15aには、座ぐり穴15bが形成されている。この座ぐり穴15b内には、球面座金15cを介してヘッドボルト28の半丸頭28bが嵌合している。
なお、図12に示すように、インレットミキサ51(エルボ15,混合ノズル16,インレットスロート17)は、原子炉圧力容器1に固着されていないため、インレットミキサ51の上端部には、ライザ管12を介して供給される駆動水の流入水圧が作用する。また、インレットミキサ51には、混合ノズル16からディフューザ18内に向って噴出される駆動水の噴出水圧などの反力が上向きに作用する。この荷重に対抗するために、上述したように、ヘッドボルト28がジェットポンプビーム23に螺合されている。
なお、図13に示すように、ポスト21が定位置に固定されているので、ヘッドボルト28を下方に向けて螺合していくと、ジェットポンプビーム23が上方に移動させられ、ジェットポンプビーム23の両端は、溝部22の上壁面に当接した状態となる。これによってジェットポンプビーム23は上向きの荷重を受ける。
これとは逆に、エルボ15の上端部には、ヘッドボルト28を介して下向きの荷重が加わり、その大きさは駆動水の反力などによる上向きの荷重との関連により決定される。ヘッドボルト28の六角頭28aにはキーパ39が着脱自在に嵌合している。このキーパ39は、プレート40上に点溶接にて固着されている。プレート40は四角形をなしており、図14に示すように、2本のボルト40aによりジェットポンプビーム23の上面に固定されている。
ヘッドボルト28の下部には、インレットミキサ51を取外す際にインレットミキサ51、ヘッドボルト28およびジェットポンプビーム23を一体として取り扱うことが可能なように、図13に示すリテーナ41がリテーナ取付ボルト42によってエルボ15に固定されている。
図18に図12の要部を示す。インレットスロート17は、ライザ管12に固着したレストレントブラケット25に取り付けられている。また、インレットスロート17は二対の調整ねじ48とウェッジ47によって固定される。調整ねじ48は、レストレントブラケット25に溶接により回り止め固定される。ディフューザ18は、原子炉圧力容器1に溶着されているシュラウドサポートプレート26に固定されている。ウェッジ47は、ロッド52により保持されている。
ジェットポンプ11は、冷却材を循環させるために他の機器に比較して厳しい状況下で使用される。そのため、各部材には大きな負荷が作用し、特にライザ管12をその中間にて支持するライザブレース20には、厳しい応力が作用することになる。また、ライザブレース20は、ライザ管12に発生する原子炉運転中の流体振動を抑制するとともに、炭素鋼である原子炉圧力容器1とオーステナイト系ステンレス鋼製であるライザ管12との間の熱膨張差を吸収する。したがって、原子炉運転中には、上記熱膨張差を吸収した状態で変形状態にある。
ライザブレース20は、図15に示すように、上下対をなす板状のブレース31の自由端側に掛け渡されて固着されるサポートブロック32を備えている。板状のブレース31とサポートブロック32とは、予めV形開先溶接などにより固着され、一体に形成されている。
ライザブレース20を原子炉圧力容器1に取付ける場合には、左右の板状ブレース31でジェットポンプのライザ管12を挟み込むようにライザブレース20を挿入し、サポートブロック32の中央部に形成される円弧状の弧状係合部33をライザ管12に取り囲むように係合させている。この状態でライザブレース20の左右のブレース31を原子炉圧力容器1の取付パッド34に当接させ、個々のブレース31を取付パッド34にそれぞれ溶接して固着させる一方、サポートブロック32の弧状係合部33をライザ管12に溶接にて固着させる。
このようにして、ライザブレース20は原子炉圧力容器1の取付パッド34に固着される一方、ライザブレース20のサポートブロック32がライザ管12に固着され、ジェットポンプ11のライザ管12は、ライザブレース20により原子炉圧力容器1に安定的に固定保持される。
ところで、ジェットポンプ11のライザ管12は原子炉の運転に伴う原子炉冷却材(炉水)2の温度上昇によって熱膨脹する。このライザ管12の熱膨脹による伸びについては、ライザブレース20の左右上下4枚の板状ブレース31が上方に反ることによって吸収し、逃すようにしている。
図16に示すように、ライザブレース20における4枚の板状のブレース31を原子炉圧力容器1の取付パッド34に溶接により固着する場合、従来では一般的にK形開先溶接で溶着している。この場合、不溶着部のないK形開先溶接は、種々の荷重に対して安定した強度を保つことができる。原子炉圧力容器1の取付パッド34に固着されるライザブレース20には大きな荷重が作用するために、各ブレース31は鋭利なK形溶接開先となっており、溶接欠陥が発生し難い形状に構成される。また、溶接金属部は、形状不連続による応力集中を避けるため、滑らかな曲面形状部35の形状にグラインダなどで溶接後仕上げる必要がある。
さて、原子力プラントの出力制御を行う上で、通常運転中のジェットポンプ流量を測定することは重要であり、このため、図17(a),(b)に示すようにディフューザ18の上下部に計測用配管19を設けて、運転中のディフューザ18の上下部の静圧差を測定し、この測定値とプラント使用前に測定した較正値とによりジェットポンプ流量を算出している。この計測用配管19は、ディフューザ18上下部の静圧孔に溶接され、かつディフューザ18に固着されているサポート24により溶接支持され、さらに図17(a),(b)に示すように、ジェットポンプ11の下部において複雑な状態で配置され、ジェットポンプ計測用ノズル27を経て炉外配管と接続されている。
このジェットポンプ計測用ノズル27は、原子炉圧力容器1の対象位置に2箇所設けられている。このような構成のジェットポンプ11は、再循環ポンプから送り込まれる冷却時の流れにより、他の機器に比較して厳しい条件下で使用される。このため、各部材には大きな負荷が作用し、特に計測用配管19はディフューザ18の流体振動の影響を直接またはサポート24を介して受け、厳しい応力が作用することになる。したがって、配管破断を生じることが十分予想される。この計測用配管19が破断した場合には、原子炉の出力制御に支障を与えることになり、これを補修しなければならない。
ここで、計測用配管19は、図17(b)から明らかなように、原子炉圧力容器1と炉心シュラウド10との間の環状空間29に配置されるとともに、計装用配管19の上方には、ライザ管12およびインレットスロート17などが配置されており、ライザブレース20、混合ノズル16、エルボ15などのジェットポンプ構成部品が配置されている。
このようなジェットポンプの改良技術としては、例えば、ライザブレースの取付けパッドとの接続部分を局部的に肉厚としたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−85793号公報
ところで、上述したジェットポンプ11においては、原子炉運転開始後に、経年劣化などが原因でジェットポンプ11に交換取付けの必要性が生じると、ライザブレース20と原子炉圧力容器1の取付パッド34との溶接が必要となる。
最近の新たな知見では、材料表面の残留応力が引張の状態にある場合、材料表層の微細な割れがステンレス鋼の特徴である応力腐食割れの起因となる可能性があることが見出されており、種々の方法により材料表面の残留応力を引張側から圧縮側に改善する必要がある。
しかしながら、溶接後、原子炉圧力容器1内において材料表面の残留応力を圧縮側に改善する施工を実施するには、その施工部分が狭隘な部分であることが多いため、アクセスすることが困難であるとともに、放射線環境下において長時間に亘る作業となり、作業員の被爆線量が増加する問題も発生する。
また、運転中にジェットポンプ11の振動によりロッド52の側面がウェッジ47と接触することで摩耗を生じ、この摩耗が進行することでロッド52のウェッジ47を保持する機能を喪失させ、ジェットポンプ11を破損させる可能性がある。
さらに、運転中に計測用配管19が破断した場合には、原子炉の出力制御に支障をきたすことになり、これを補修しなければ原子炉運転は不可能である。
なお、運転開始後に、経年劣化などが原因でジェットポンプ11に交換、取付けの必要が生じた場合、交換前のジェットポンプ11の性能と同様のものと交換しても、再循環ポンプの消費電力は変化しないので経済性は変化しない。
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、応力腐食割れの発生を未然に防止し、健全な取付溶接を安定かつ容易に短時間で行うことのできる炉内構造およびその溶接方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る炉内構造は、原子炉圧力容器内に設けられる炉内構造物の構成材料を母材とし、この母材を溶接対象物に溶接する炉内構造であって、前記母材に溶接金属からなる肉盛部を形成し、この肉盛部が少なくとも溶接開先部を有することを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る炉内構造物の溶接方法は、原子炉圧力容器内に設けられる炉内構造物の構成材料を母材とし、この母材を溶接対象物に溶接する炉内構造物の溶接方法であって、前記母材に溶接金属からなる肉盛部を形成する肉盛部形成ステップと、前記肉盛部形成ステップの後に、前記肉盛部が少なくとも溶接開先部を有して前記溶接対象物に溶接する溶接ステップと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、溶接後に生じる材料表面の引張の残留応力状態に起因する応力腐食割れの発生を未然に防止し、健全な取付溶接を安定かつ容易に短時間で行うことができる。
本発明の一実施形態におけるライザブレース溶接構造を示す平面図である。 図1の溶接前におけるII−II線に沿う拡大断面図である。 図1の溶接後におけるII−II線に沿う拡大断面図である。 本発明の一実施形態におけるウェッジを示す正面図である。 図4の側面図である。 図4の部分平面図である。 本発明の一実施形態における計測用配管の取付構造を示す部分断面正面図である。 本発明の変形例におけるウェッジを示す正面図である。 図8の側面図である。 図8の部分平面図である。 沸騰水原子炉の概略構成を示す縦断面図である。 図11に示したジェットポンプの要部を拡大して示す斜視図である。 図12に示したジェットポンプの一部を拡大して示す部分断面正面図である。 図13の平面図である。 図12に示したジェットポンプのライザブレース部を拡大して示す斜視図である。 従来のライザブレース溶接部を示す拡大断面図である。 (a),(b)は従来のジェットポンプ計測配管を示す構成図である。 図12に示したジェットポンプの一部を拡大して示す平面図である。
以下に、本発明に係る炉内構造の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、ジェットポンプの全体構成については、図12に示したものと略同様であるから、図12も参照しつつ同一または対応する部分には、同一の符号を付して説明する。
図1はライザブレース20の溶接構造を示す平面図であり、図2および図3は図1の溶接前後のII−II線に沿う拡大断面図を示している。
図1に示すように、ライザブレース20は、ライザ管12を原子炉圧力容器1の炉心側から炉壁1aに向って保持するためのサポートブロック32と、このサポートブロック32が固着され、ライザ管12を炉壁1aの周方向両側から保持する一対のブレース31とを有し、全体として平面視角形に形成されている。
このライザブレース20は、各ブレース31の先端が炉壁1a内面の肉盛溶接からなる取付パッド34に溶接固定されている。なお、各ブレース31は図15に示した従来例の構成と同様に、それぞれ平板状のアームを上下に平行に一対ずつ配置したものであり、本実施形態では、図2および図3に示すように、このブレース31の先端の取付パッド34に対する溶接構造が改良されている。
図2には、ブレース31の先端形状が拡大縦断面図として示されている。図2に示すように、ブレース31の先端側には、上下面が盛上る形状の肉盛部31aが形成されている。この肉盛部31aは、ブレース31の先端側から溶接による溶接金属で形成され、その先端が滑らかに立ち上がる曲面形状部35を有している。この曲面形状部35は、例えば一定径の円弧面、すなわち上下対称のアール(R)形状部とされている。また、肉盛部31aの先端側には上下対称の傾斜面が形成され、これにより肉盛部31aは全体として太根状をなしている。さらに、肉盛部31aの傾斜面の先端における上下中央部位には、薄肉片31bが一体に突出して形成され、この薄肉部31bの先端が取付パッド34に当接している。
そして、図3に示すように、肉盛部31aの先端側と取付パッド34とがアーク溶接(例えばTIG溶接、MIG溶接、MAG溶接など)により溶接され、この溶接部における溶接金属36は、例えば肉盛部31aの曲面形状部35の延長線上に一致する幅広形状となっている。
本実施形態では、図3に示すように取付パッド34に接続されるブレース31に溶接金属からなる肉盛部31aを形成し、この肉盛部31aが少なくとも溶接開先部を有している。この肉盛部31aは、ブレース31との溶接により取付パッド34の材料表面に圧縮方向の残留応力が生じる溶接開先部から20mmの範囲より広い範囲に形成されている。
なお、肉盛部31aとブレース31の母材との継目には、肉盛部31aの先端側を取付パッド34に溶接する前に、あらかじめ溶接により母材表面に生じる引張残留応力を圧縮側にするため、レーザピーニング、レーザ脱鋭敏化処理(LDT:Laser Desensitization Treatment)などの改善施工をあらかじめ工場などにおいて施しておく。
肉盛部31aに使用する溶接金属には、例えば母材であるブレース31の材質が高温水中での耐食性にすぐれるオーステナイト系ステンレス鋼(JIS SUS316L,SUS304L)であって、溶接対象物である取付パッド34の材質が溶接用ステンレス鋼(JIS Y308)の場合には、溶接用ステンレス鋼(JIS Y308L,Y316L)が使用される。
また、溶接対象物である原子炉圧力容器1の材質が低合金鋼(JIS SFVQA)であって、母材である炉内構造物の材質がオーステナイト系ステンレス鋼SUS316L、SUS304Lまたは耐熱耐食合金であるインコネル(登録商標)(JIS NCF600)の場合は、肉盛部31aに使用する溶接金属には、耐熱耐食合金であるインコネル(登録商標)82が使用される。
したがって、炉内構造物の材質としては、主にオーステナイト系ステンレス鋼(JIS SUS316L,SUS304L)が使用され、溶接対象物の材質に基づいて肉盛部31aに使用する溶接金属の材質が適宜選択される。
ここで、本実施形態の炉内構造物の構成材料としては、ジェットポンプ11のライザブレース20を例に挙げて説明したが、これに限らず、例えばジェットポンプ11を構成する他の構成材料であるライザ管12またはディフューザ18などから溶接する母材となるものを適宜選択可能であることは勿論のこと、他の炉内構造物でも適用可能である。
また、本実施形態では、肉盛部31aをブレース31の開先から20mmの範囲より広い範囲に形成したが、これに限らず溶接開先部を含む一部を溶接金属からなる肉盛部31aに形成すればよい。
このように本実施形態によれば、取付パッド34に接続されるブレース31に溶接金属からなる肉盛部31aを形成し、この肉盛部31aが少なくとも溶接開先部を有することから、取付パッド34にブレース31を取り付ける際に実施する母材両表面に行う引張残留応力を圧縮側にするための改善施工を実施しなくて済み、放射線環境下において安定かつ容易に短時間でライザブレース20を取り付けることが可能となる。
次に、図4〜図6に基づいてインレットミキサ51およびレストレントブラケット25の取付状態を説明する。図4は本発明の一実施形態におけるウェッジを示す正面図である。図5は図4の側面図である。図6は図4の部分平面図である。
図4〜図6に示すように、インレットスロート17の外周面には、上下にそれぞれサポート45およびブラケット50が溶接により固着され、このサポート45とブラケット50との間にウェッジ47が配置されている。
このウェッジ47には、長手(上下)方向に沿って貫通孔が形成されている。同様に、サポート45およびブラケット50にも同じ径の貫通孔が形成されている。これらの貫通孔には、1本のロッド52が貫通している。このロッド52の両端は、それぞれナット49を用いてサポート49およびブラケット50で固定されている。ウェッジ47は、ロッド52をガイドとして、インレットスロート17の外周面を上下方向にスライド可能に構成されている。
一方、レストレントブラケット25は、ライザ管12の側面に取り付けられ、ウェッジ47との接触面を備えている。このウェッジ47は、上下方向に楔形状に形成されており、レストレントブラケット25の接触面に対して任意の位置で接触するように構成されている。このようにウェッジ47がレストレントブラケット25の接触面に対して任意の位置で接触することにより、インレットスロート17の水平方向の変位を拘束することができる。
また、ウェッジ47は、上下方向に沿った貫通孔の上下両端の開口端に、それぞれアール部47aが形成されている。したがって、ウェッジ47は、貫通孔の上下両端の開口端に、それぞれアール部47aを形成したことにより、ロッド52の外周面にウェッジ47の貫通孔の開口端が接触して、振動を加えられた場合に発生するロッド52の外周面の摩耗を防止することができ、摩耗によるロッド52の径の減少を低減させることが可能となる。
さらに、ウェッジ47の材質は、一般にステンレス鋳鋼(JIS SCS19A,SCS13)やオーステナイト系ステンレス鋼(JIS SUS316L、SUS304L)が用いられている。本実施形態では、ロッド52の材質をウェッジ47の材質より硬い、例えばJIS NCF750のニッケル基合金やクロムを20.5%以上含む耐熱ステンレス鋼が用いられている。したがって、ロッド52の材質をウェッジ47の材質より硬い材質にすることで、その硬度差により、ロッド52の外周面の摩耗を防止し、ロッド52の径の減少を低減させることが可能となる。
そして、本実施形態では、ロッド52の外周面のウェッジ47と接触する範囲または全外周面を、例えば硬度ロックウェル硬さC30以上の溶接金属で被覆すれば、素材と溶接金属との硬度差により、ロッド52の径の減少を低減させることが可能となる。
次に、図7に基づいて計測用配管19の取付状態を説明する。図7は本発明の一実施形態における計測用配管の取付構造を示す部分断面正面図である。
図7に示すように、ディフューザ18は、カラー53を有し、このカラー53の一部の外周面には、帯状のバンド54が被覆されている。これらカラー53およびバンド54には、ディフューザ18の内周側の差圧検出を行うための検出孔55が形成されている。
計測用配管19は、バンド54を介してカラー53に接続されている。具体的には、計測用配管19は、取付端部の近傍に折曲部19aが形成されていることで、その取付端部が直接バンド54に溶接により接続されている。なお、ディフューザ18の上端には、接続用のガイド56が設けられている。
このように本実施形態によれば、計測用配管19に折曲部19aを形成し、その取付端部を直接バンド54に溶接により接続したことにより、従来のような配管継手が省略され、配管継手と計測用配管19を接続している溶接部がなくなり、計測用配管19が破断する可能性を低減させることが可能となり、信頼性の高いジェットポンプの計測用配管19を提供することができる。
図8は本発明の変形例におけるウェッジを示す正面図である。図9は図8の側面図である。図10は図8の部分平面図である。なお、図4〜図6に示す実施形態と同一の部分には、同一の符号を付して異なる構成のみを説明する。
図8〜図10に示すように、本変形例では、ウェッジ47Aの幅がレストレントブラケット25の接触面の幅より広く形成されている。このようにウェッジ47Aの幅をレストレントブラケット25の接触面の幅より広げることで、ウェッジ47Aの変位に対する摩擦抵抗を増加させる。これにより、ロッド52の径の減少を低減させることが可能となる。
したがって、本変形例によれば、ウェッジ47Aの幅をレストレントブラケット25の接触面の幅より広げたことにより、ロッド52の万一の破損の可能性を低減させることが可能となり、信頼性の高いジェットポンプ11を提供することができる。
1…原子炉圧力容器、2…原子炉冷却材、3…炉心、4…気水分離器、5…蒸気乾燥器、6…主蒸気管、7…ダウンカマ部、8…制御棒案内管、9…制御棒駆動機構、10…炉心シュラウド、11…ジェットポンプ、12…ライザ管、13…再循環入口ノズル、14…トラジションピース、15…エルボ、16…混合ノズル、17…インレットスロート、18…ディフューザ、19…計測用配管、20…ライザブレース、21…ポスト、22…溝部、23…ジェットポンプビーム、24…サポート、25…レストレントブラケット、26…シュラウドサポートプレート、27…ジェットポンプ計測用ノズル、28…ヘッドボルト、29…環状空間、31…ブレース、31a…肉盛部、32…サポートブロック、33…弧状係合部、34…取付パッド、35…曲面形状部、36…溶接金属、39…キーパ、40…プレート、41…リテーナ、42…リテーナ取付ボルト、45…サポート、47…ウェッジ、49…ナット、50…ブラケット、51…インレットミキサ、52…ロッド、53…カラー、54…バンド

Claims (5)

  1. 原子炉圧力容器内に設けられる炉内構造物の構成材料を母材とし、この母材を溶接対象物に溶接する炉内構造であって、
    前記母材に溶接金属からなる肉盛部を形成し、この肉盛部が少なくとも溶接開先部を有することを特徴とする炉内構造
  2. 前記炉内構造物は、循環冷却水を炉心に循環させるためのジェットポンプであって、前記母材とする構成材料は、ライザ管、ライザブレースまたはディフューザであること、
    を特徴とする請求項1に記載の炉内構造
  3. 前記母材の材質がオーステナイト系ステンレス鋼であって、前記溶接対象物の材質が溶接用ステンレス鋼の場合、前記肉盛部の材質は、溶接用ステンレス鋼であること、
    を特徴とする請求項1または2に記載の炉内構造
  4. 前記母材の材質がオーステナイト系ステンレス鋼または耐熱耐食合金であって、前記溶接対象物の材質が低合金鋼の場合、前記肉盛部の材質は、耐熱耐食合金であること、
    を特徴とする請求項1または2に記載の炉内構造
  5. 原子炉圧力容器内に設けられる炉内構造物の構成材料を母材とし、この母材を溶接対象物に溶接する炉内構造物の溶接方法であって、
    前記母材に溶接金属からなる肉盛部を形成する肉盛部形成ステップと、
    前記肉盛部形成ステップの後に、前記肉盛部が少なくとも溶接開先部を有して前記溶接対象物に溶接する溶接ステップと、
    を有することを特徴とする炉内構造物の溶接方法。
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