JPH08201566A - 沸騰水型原子炉のジェットポンプの部品交換方法及び部品交換用装置 - Google Patents

沸騰水型原子炉のジェットポンプの部品交換方法及び部品交換用装置

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JPH08201566A
JPH08201566A JP7011283A JP1128395A JPH08201566A JP H08201566 A JPH08201566 A JP H08201566A JP 7011283 A JP7011283 A JP 7011283A JP 1128395 A JP1128395 A JP 1128395A JP H08201566 A JPH08201566 A JP H08201566A
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  • Jet Pumps And Other Pumps (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】沸騰水型原子炉内のジェットポンプの部品を交
換する方法と装置を提供する。 【構成】沸騰水型原子炉のジェットポンプにおいて、ジ
ェットポンプ頂部側により垂下される本体部と、この本
体部に設けられたシリンダにより動作するフックによ
り、前記リテーナの開口部を拡げ、または狭め変形させ
る手段とを有する部品交換用装置及びリテーナをジェッ
トポンプ頂部側より操作される治具を用いて、冷却材中
において、開口部を左右及び上下に拡げ変形させた後、
ジェットポンプの既設ビーム及びビームボルトを取外
し、新ビームを取付けた後、リテーナを狭め変形させ、
抜止めを復旧させるジェットポンプの部品交換方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、沸騰水型原子炉のジェ
ットポンプの部品交換方法および部品交換用装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】沸騰水型原子炉のジェットポンプは、炉
心に必要な冷却材流量を供給するもので、原子炉再循環
系に設けられている。図1は、原子炉再循環系を示すも
ので、1は原子炉圧力容器、2は原子炉圧力容器1内に
取り付けられ、再循環ポンプ3とともに原子炉再循環系
を構成するジェットポンプで、原子炉出力の増減に伴い
必要な流量を炉心4へ供給するように構成されている。
【0003】この原子炉再循環系においては、炉心4を
循環する冷却材5内の一部は、原子炉圧力容器1の外部
に取り出され、再循環ポンプ3によって昇圧された後、
ジェットポンプ2の駆動流体として、ジェットポンプ2
のノズルから高速で噴射される。この高速の噴流により
ノズル出口の吸収部に生じた低圧部のため、残りの冷却
材5がジェットポンプ2内に吸引され、ジェットポンプ
2内で駆動水と十分に混合された後、炉心下部プレナム
6に送られ炉心4内を循環する。
【0004】図2は、ジェットポンプ2の構造を示すも
ので、20は、再循環系配管に接続するライザエルボ、
21はライザ管、22はトランジションピース、23は
エルボ、24はノズル、25はミキサー、26はディフ
ューザ、27はブラケット、28はサポート、29はウ
ェッジ、210はビーム、211はビームボルト、21
2はライザーブレースである。そして、ライザエルボ2
0,ライザ管21およびトランジションピース22は一
体に溶接され、ライザエルボ20の端部は原子炉圧力容
器1に溶接で固定されており、さらにライザ管21の振
動を防止するためライザーブレース212により原子炉
圧力容器1に固定されている。エルボ23,ノズル24
およびミキサー25は溶接により一体に組み立てられて
おり、これらエルボ23,ノズル24およびミキサー2
5は、ジェットポンプにおいて、構造,機能上最も重要
な部分であるが、特に高温,高圧水が高速で流れるノズ
ル24内面は運転中にエロージョン,コロージョン等の
経年劣化で摩耗して内径が大きくなる。このような状態
になると性能が低下し、必要な炉心流量が得られなくな
る恐れがあるため、これらの部分は取外し,取替えが可
能なような構成になっている。すなわち、トランジショ
ンピース22とエルボ23との間の接続部は取外しが可
能なように、溶接を用いず機械的な方法によって接続さ
れている。図3は、トランジションピース22とエルボ
23との取付部の斜視図、図4は図3の要部の断面図
で、図2と同一部分には同一符号が付してある。トラン
ジションピース22には、トランジションピース22と
エルボ23との接合部の両側に開放端側をトランジショ
ンピース22に固定したコの字形のトランジションピー
ズアーム217が固定され、その基底部側には、ビーム
210の両側を係止可能な欠け込みが設けてある。ビー
ム210とビームボルト211はねじ結合であり、振動
等によりねじがゆるむ可能性があるため、ビームボルト
211に回りとめとしてキーパー219が装着されてい
る。キーパー219はプレート218に接し、その取合
において回り止め溶接部220をもってビーム210,
ビームボルト211の回りとめの役をしている。尚、ビ
ームボルト211の一端は、エルボ23上にボルト21
4で固定されリテーナ213によって所定の位置に保持
されている。リテーナ213のアーム間の開口部寸法は
ビームボルト211先端径より狭くなっており、ビーム
ボルト211の抜け止め機能を有している。
【0005】エルボ23をトランジションピース22に
圧着させるためには、予め準備された取扱具(テンショ
ナー)によりビーム210を引張方向215に引張り、
その引張力がビーム210に加っついている状態でビー
ムボルト211を締付方向に216に締付ける。
【0006】また、ミキサー25とディフューザ26と
の接合部は、図5に示すように構成され、ミキサー25
は機械的(いんろう形)にガイド221が開口端に設け
られているディフューザ26に挿入されている。そし
て、取外し可能なエルボ23,ノズル24およびミキサ
ー25の部分の横方向の振動を防止するために、ブラケ
ット27,サポート28およびウェッジ29が設けられ
ており、ブラケット27は、ミキサー25をリング状に
取囲み、ライザ管21に溶接して固定されている。この
ブラケット27とミキサー25の隙間にウェッジ29が
打込まれて、横方向の振動を防止している。
【0007】ウェッジ29は脱落しないように、ミキサ
ー25に溶接されたサポート28に取り付けられてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記から、エルボ2
3,ノズル24およびミキサー25は取外し可能になっ
ているが、これらの部品を締付けているビーム210,
ビームボルト211は、ジェットポンプ内部と原子炉内
の圧力差及びジェットポンプ内部の駆動水の運動エネル
ギーに抗して、十分な締付力を確保する必要があるた
め、構造上,高応力となる。
【0009】そして、このようなジェットポンプ及び周
辺の原子炉内機器は、原子炉の心臓部に位置する最重要
機器であるため、ビームに損傷を生じた場合には、従来
はエルボ23,ノズル24およびミキサー25の一体構
造物を取外し、ビーム210を取替えることになるが、
このような作業は、作業量が多く、かつ高放射能下の作
業ポテンシャルの増加等においても問題があった。
【0010】本発明はこのような問題点を除去するため
になされたもので、高応力となるジェットポンプのビー
ムの交換を可能とすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、ライザ管の頂
部に接続してあるトランジションピースに、ノズルに接
続するエルボを、このエルボの両端に位置する一対のア
ームのそれぞれに設けられた切欠き部にその両端が係合
し、ビームボルトによって係合,離脱が行われ、このビ
ームボルトがリテーナによって抜止め保持されるビーム
によって結合された構造の沸騰水型原子炉のジェットポ
ンプにおいて、リテーナをジェットポンプ頂部側より操
作される治具を用いて、冷却材中において、開口部を左
右及び上下に拡げ変形させた後、既設ビーム及びビーム
ボルトを取外し、新ビームを取付けた後、リテーナを狭
め変形させ、抜止めを復旧させるジェットポンプの部品
交換方法を第1の特徴とする。
【0012】ライザ管の頂部に接続しているトランジシ
ョンピースに、ノズルに接続するエルボを、このエルボ
の両端に位置する一対のアームのそれぞれに設けられた
切欠き部にその両端が係合し、ビームボルトによって係
合,離脱が行われ、このビームボルトがリテーナによっ
て抜止め保持されるビームによって結合させた構造の沸
騰水型原子炉のジェットポンプにおいて、ジェットポン
プ頂部側により垂下される本体部と、この本体部に設け
られたシリンダにより動作するフックにより、前記リテ
ーナの開口部を拡げ、または狭め変形させる手段とを有
する部品交換用装置を第2の特徴とする。
【0013】
【作用】従来ジェットポンプのビームを取替える必要が
生じた場合には、エルボ,ノズルおよびミキサーの一体
構造物を取外していたのに対して、本発明は、遠隔で操
作できるリテーナ専用取扱具を用いることによって、ビ
ームのみの取外しを可能とするものである。
【0014】
【実施例】ジェットポンプのビーム210を取外す必要
が生じた場合には、まず、ジェットポンプテンショナー
により予めビーム210に働くテンションを取り除き、
ついでジェットポンプ取扱具を用いて、ビームボルト2
11を回転させると、キーパー219とプレート218
との間の回り止め溶接されている溶接部220は容易に
切断される。
【0015】このようにキーパー219とプレート21
8との間の溶接部220を切断した状態で、図6および
図7に実施例を示すリテーナ取扱具を用いてリテーナ2
13の開口部を左右および上下に拡げ変形させた後、ビ
ーム210およびビームボルト211を取外す。なお、
新ビームの取付は、回り止め溶接の実施を除き、ビーム
の取外しの場合とほぼ逆の工程によって実施される。
【0016】図6および図7は、ジェットポンプ部品交
換用装置の実施例で炉水中で遠隔操作により、リテーナ
213の左右,上下への拡げ変形が可能なリテーナ取扱
具の構造を示すもので、図2〜図3と同一符号が付して
ある。リテーナ取扱具は、リテーナ213に接触し、拡
げ変形させるためのフック42,フック42を動作させ
るためのシリンダ40,トランジションピース217お
よびビームプレート218上に固定するための台座41
およびホース,ワイヤ類より構成される。
【0017】フック42は、アーム43およびピン機構
44a,44bによりシリンダ40に接続されておりシ
リンダ40の昇降圧により開閉動作する。シリンダ40
は水圧,空圧,油圧により動作させることができる。リ
テーナ取扱具は、ポールまたはワイヤにより、上方より
吊り下げ保持される。
【0018】リテーナ取扱具の動作方法は、上方からポ
ールまたはワイヤにより吊り降ろし、トランジションピ
ース217およびビームプレート218上に設置し、フ
ック42がリテーナアームの開口部に来るように位置決
めする。次にシリンダ40を昇圧し、フックを動作す
る。フックはリテーナアーム213aに接触し、左右お
よび上方に拡げ変形させた状態213bとする。次にジ
ェットポンプ取扱具により、ビーム210およびビーム
ボルト211を掴み、ビームボルトをリテーナアーム開
口部から抜取る。
【0019】
【発明の効果】このビーム交換方法および交換用装置
は、ビームおよびビームボルトのみを取外すことができ
るため、従来のエルボ23,ノズル24およびミキサー
25の一体構造物を取外し、ビーム210を交換する方
法に比べて作業量が少なくなり、かつ作業従事者の受け
る放射線量も少なくなる。
【0020】以上の如く、本発明の沸騰水型原子炉のジ
ェットポンプの部品交換方法および部品交換用装置は、
高応力となるジェットポンプのビームの交換を可能とす
るもので、産業上の効果の大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】沸騰水型原子炉の原子炉再循環系の系統図。
【図2】図1の原子炉再循環系のジェットポンプの拡大
側面図。
【図3】図2の要部の斜視図。
【図4】図2の要部の断面図。
【図5】図2の一部の切欠き断面図。
【図6】本発明の沸騰水型原子炉のジェットポンプの部
品交換用装置のリテーナ取扱具の縦断面図。
【図7】図6の横断面図。
【符号の説明】
1…原子炉圧力容器、2…ジェットポンプ、3…再循環
ポンプ、4…炉心、5…冷却材、6…炉心下部プレナ
ム、20…ライザエルボ、21…ライザ管、22…トラ
ンジションピース、23…エルボ、24…ノズル、25
…ミキサー、26…ディフューザ、27…ブラケット、
28…サポート、29…ウェッジ、40…シリンダ、4
1…台座、42…フック、43…アーム、44…ピン機
構、210…ビーム、211…ビームボルト、213…
リテーナ、214…ボルト、215…引張方向、216
…締付方向、217…トランジションピースアーム、2
18…プレート、219…キーパー、220…溶接部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 公一 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 林 章二 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 日立ニ ュークリアエンジニアリング株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ライザ管の頂部に接続しているトランジシ
    ョンピースに、ノズルに接続するエルボを、該エルボの
    両端に位置する一対のアームのそれぞれに設けられた切
    欠き部にその両端が係合し、ビームボルトによって係
    合,離脱が行われ、該ビームボルトがリテーナによって
    抜止め保持されるビームによって結合された構造の沸騰
    水型原子炉のジェットポンプにおいて、前記リテーナ
    を、前記ジェットポンプ頂部側より遠隔操作される治具
    を用いて冷却材中において拡げまたは狭め変形させ、ビ
    ームおよびビームボルトを取外しおよび取付けることを
    特徴とする沸騰水型原子炉のジェットポンプの部品交換
    方法。
  2. 【請求項2】ライザ管の頂部に接続しているトランジシ
    ョンピースに、ノズルに接続するエルボを、該エルボの
    両端に位置する一対のアームのそれぞれに設けられた切
    欠き部にその両端が係合し、ビームボルトによって係
    合,離脱が行われ、該ビームボルトがキーパーによって
    固定されるビームによって結合された構造の沸騰水型原
    子炉のジェットポンプにおいて、前記ジェットポンプ頂
    部側より垂下される本体部と、該本体部に設けられたシ
    リンダにより動作するフックにより、前記リテーナの開
    口部を拡げまたは狭め変形させる手段を有することを特
    徴とする沸騰水型原子炉のジェットポンプの部品交換用
    装置。
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