JP2009068642A - クラッチレリーズ軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンパクトなクラッチレリーズ軸受装置を提供する。
【解決手段】ガイドスリーブ20のフランジ部22におけるクラッチレリーズ軸受10側の面に係合部としての有底開口22aを形成し、それに対応してばね部材30に突片35bを形成したので、有底開口22aに突片35bを係合させることによって、ばね部材30の脱落を抑制しながらも、ガイドスリーブ20の径方向寸法を抑えることが出来、コストダウンを図りつつコンパクトなクラッチレリーズ軸受装置を提供できる。
【選択図】図5
【解決手段】ガイドスリーブ20のフランジ部22におけるクラッチレリーズ軸受10側の面に係合部としての有底開口22aを形成し、それに対応してばね部材30に突片35bを形成したので、有底開口22aに突片35bを係合させることによって、ばね部材30の脱落を抑制しながらも、ガイドスリーブ20の径方向寸法を抑えることが出来、コストダウンを図りつつコンパクトなクラッチレリーズ軸受装置を提供できる。
【選択図】図5
Description
本発明は、クラッチレリーズ軸受装置に関する。
自動車・トラクター・フォークリフトなどの車両等に搭載されている、摩擦板を用いた動力断続装置であるクラッチを動作させる場合において、入力部材であるレリーズフォークでクラッチカバーのダイヤフラムスプリングを軸線方向に押圧することにより、ダイヤフラムスプリングの付勢力を摩擦板から解除して動力伝達の切り離しが行なわれている。
ところで、レリーズフォークは車体等の固定側に通常配置されているが、クラッチカバーはエンジンのフライホイール等に取り付けられてそれと一体的に回転するようになっている。従って、クラッチカバーのダイヤフラムスプリングをレリーズフォークが直に押圧するとなると、当接部の摩耗を招来することとなる。そこで、ダイヤフラムスプリングに当接して一体的に回転する回転輪を含むクラッチレリーズ軸受と、この軸受を所定の状態に保持すると共にレリーズフォークからの入力を受けるようになっている回転しない軸受保持部材とからなるクラッチレリーズ軸受装置を、例えば特許文献1に示されているように、ダイヤフラムスプリングとレリーズフォークとの間に設けている。
特開平10−103380号公報
ところで、特許文献1の技術によれば、クラッチレリーズ軸受を保持するばね部材の脱落を抑制すべく、その傾きを抑えるために、ガイドスリーブのフランジ部に半径方向に延在する凸部を設け、ばね部材が傾いたときには、かかる凸部をばね部材に当接させて、それ以上の傾きを抑制するようにしている。しかるに、フランジ部にこのような凸部を設けると、クラッチレリーズ軸受装置の径方向寸法が増大し、車両に組み付けたときに、周囲部品との干渉を招きやすいという問題がある。
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、コンパクトなクラッチレリーズ軸受装置を提供することを目的とする。
本発明のクラッチレリーズ軸受装置は、互いに同心的に配置されかつ相対回転する内輪及び外輪を含み、一方の輪が固定され、回転する他方の輪がクラッチ装置の回転部材に当接するようになっているクラッチレリーズ軸受と、ガイド軸上に摺動自在に嵌合される軸受保持部材と、該軸受保持部材に対して、該クラッチレリーズ軸受の該一方の輪を半径方向に移動可能となるよう保持する連結部材と、を有するクラッチレリーズ軸受装置において、
前記軸受保持部材の前記クラッチレリーズ軸受側の面に、前記連結部材が係合する係合部が設けられていることを特徴とする。
前記軸受保持部材の前記クラッチレリーズ軸受側の面に、前記連結部材が係合する係合部が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、前記軸受保持部材の前記クラッチレリーズ軸受側の面に、前記連結部材が係合する係合部が設けられているので、前記連結部材の脱落を抑制しながらも、前記軸受保持部材の径方向寸法を抑えることが出来、コンパクトなクラッチレリーズ軸受装置を提供できる。
前記係合部は、前記軸受保持部材の前記クラッチレリーズ軸受側の面に形成された突起であって、前記突起は、前記連結部材に形成された開口に係合すると好ましい。
前記係合部は、前記軸受保持部材の前記クラッチレリーズ軸受側の面に形成された開口であって、前記開口は、前記連結部材に形成された突起に係合すると好ましい。
次に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、第1の実施の形態にかかるクラッチレリーズ軸受装置をレリーズフォーク側から見た図である。図2は、図1の構成をII-II線に沿って切断して矢印方向に見た軸線方向断面図である。図3は、第1の実施の形態にかかるクラッチレリーズ軸受装置をクラッチ装置側から見た図である。
図2において、クラッチレリーズ軸受装置は、クラッチレリーズ軸受10と、軸受保持部材であるガイドスリーブ20と、連結部材であるばね部材30とからなる。クラッチレリーズ軸受10は、左方端に当接部11aを有する略円管状の内輪11と、内輪11を同心的に内包する短い円管状の外輪12と、内輪11と外輪12との間に転動自在に配置された複数のボール15と、ボール15を所定間隔で保持する保持器16と、ボール15の軸線方向両側で内輪11と外輪12とにより画成される空間を密封するシール17、18とからなる。内輪11は外輪12に対して回転自在に支持されている。また内輪11の当接部11aは、半径方向外方にめくれたような形状をしており、図示しないクラッチカバーのダイヤフラムスプリング(クラッチ装置の回転部材)に当接するようになっている。また、内輪11の当接部11aと反対側の端部は、プレスによるブランク加工のままとし、切削加工を行わず製作コストを安くするようにしている。
一方、ガイドスリーブ20はモールド成形された樹脂製であって、円管状の本体21と、本体21の中央近傍の外周から半径方向に延在するフランジ部22と、フランジ部22の外縁において軸線方向に突出している制限部28と、フランジ部22の半径方向外方端において一部が軸線方向に突出するガイド部25(図1)とを有する。本体21の内方には図示しないガイド軸が延在しており、本体21はガイド軸上を摺動自在となっている。なお、本体21の内方には拡径部24が設けられている。この拡径部24は、本体21がガイド軸上を摺動する際に異物を噛みこまないように機能するものである。制限部28は、クラッチレリーズ軸受10の外輪12に対し半径方向内側に配置され、クラッチレリーズ軸受10がガイドスリーブ20に対して半径方向に移動したときに、制限部28の内周に外輪12が当接することで、その半径方向移動を制限する機能を有する。尚、クラッチレリーズ軸受10を半径方向に移動可能とするため、外輪12の外周と制限部28との間には隙間27が設けられている。
図1より明らかなように、同一形状のものが2つ設けられたばね部材30は、クラッチレリーズ軸受10をガイドスリーブ20に対して取り付ける機能を有する。図4は、ばね部材30の斜視図である。ばね部材30は、一枚のSK5等のばね鋼板をプレスで打ち抜いた後折り曲げその後焼入処理することによって形成されている。ばね部材30は、ガイドスリーブ20のフランジ部22におけるレリーズフォーク側の面に当接するベース部31と、ベース部31に平行し軸受の外輪12に当接する押圧部32と、ベース部31の端部から押圧部32側に向かって延在する第1面部33と、押圧部32の端部からベース部31側に向かって延在する第2面部34と、第1面部33と第2面部34とを連結する第3面部35とを有する。第3面部35の中央には開口35aが形成され、開口35aの一辺からベース部31及び第1面部33に向かって傾いて延在する突片(凸部)35bが形成されている。尚、押圧部32は、ばね部材30のクラッチレリーズ軸受10への組付を容易にすべく、外方に傾斜した傾斜部32aをその端部に有する。
図5は、図2の矢印Vで示す部位を拡大して示す図である。図6は、図3の矢印IVで示す部位を拡大して示す図である。図5,6において、フランジ部22のクラッチレリーズ軸受10側の面には、矩形状の有底開口22aが形成されている。組み付け時に、ばね部材30をフランジ部22の半径方向外方から挿入すると、ばね部材30の突片35bが弾性変形しながらフランジ部22の面上を進み、ばね部材30の押圧部32がクラッチレリーズ軸受10に係合した後に、突片35bが有底開口22aに侵入する。このとき突片35bの弾性変形が復帰するので、突片35bの先端は、有底開口22aの半径方向外方側の面に突き当たることとなる。これにより、ばね部材30の抜け止めが図れる。
図1,2に示すように、ガイドスリーブ20のレリーズフォーク側には、補強部材40が設けられている。補強部材40は、円筒部41と、円筒部41の端部から半径方向に延在するフランジ部43と、フランジ部43において180度位相で一段盛り上がった台地状のアンビル部42とからなり、これは板材をプレスし、その後焼入処理することによって形成される。これによりレリーズフォークとの接触部にて著しい摩耗が発生しないようにしている。
円筒部41は、ガイドスリーブ20に取り付けられた際に、本体21に対して隙間をもって嵌め合わされ、ガイドスリーブ20が荷重を受けたときに補強的に支持することができるようになっている。
図1に示すように、補強部材40のフランジ部43には、円周部に矩形状切欠43aが形成されており、この切欠43aは取付時に、ガイドスリーブ20のフランジ部22の対応する位置に形成された突起22fと係合して、補強部材40の回り止め及び位置決めを達成している。
次に、本実施の形態にかかるクラッチレリーズ軸受装置の動作につき以下に説明する。図1において、図示しないレリーズフォークが枢動して、その先端が補強部材40のアンビル部42(点線で示す位置)に当接して一定の荷重を印加する。補強部材40の板厚は比較的厚くその剛性も十分であるため、レリーズフォークより受ける大荷重を受けることができる。クラッチレリーズ軸受装置は、レリーズフォークからの入力により図示しないガイド軸上を軸線方向に摺動して、図示しないクラッチカバーのダイヤフラムスプリングに内輪11の当接部11aを当接させる。かかる場合、ダイヤフラムスプリングは回転していても、内輪11は回転自在であるので、当接後にダイヤフラムスプリングと一体で回転することとなり、更に軸受装置が軸線方向に移動することによりダイヤフラムスプリングが押圧されてクラッチが動作されるようになっている。
ばね部材30は適切な板厚となっていて、ガイドスリーブ20に対してクラッチレリーズ軸受10を、押圧部32と外輪12との間に作用する摩擦力のみで支持しているため、軸受10はガイドスリーブ20に対して半径方向に移動可能となっている。従って、内輪11の当接部11aがダイヤフラムスプリングに当接したとき、両者の間に偏心があれば、軸受10を同心に位置させようとする公知の力が生じ、それにより軸受10は半径方向に移動して、自動調心が達成されることとなる。なお、ガイドスリーブ20の制限部28は、軸受10が所定量以上半径方向外方に移動しないよう制限する機能を有する。また、一般の玉軸受の外輪にはフランジがないタイプが多いので、本実施の形態のように外輪をばね部材30で挟みこむように構成すれば、外輪自体を改造する必要がなく既存のものを使用でき、コスト低減に寄与しうる。
本実施の形態によれば、ガイドスリーブ20のフランジ部22におけるクラッチレリーズ軸受10側の面に係合部としての有底開口22aを形成し、それに対応してばね部材30に突片35bを形成したので、有底開口22aに突片35bを係合させることによって、ばね部材30の脱落を抑制しながらも、ガイドスリーブ20の径方向寸法を抑えることが出来、コストダウンを図りつつコンパクトなクラッチレリーズ軸受装置を提供できる。
図7は、第2の実施の形態にかかるクラッチレリーズ軸受装置をレリーズフォーク側から見た図である。図8は、図7の構成をVIII-VIII線に沿って切断して矢印方向に見た軸線方向断面図である。図9は、第2の実施の形態にかかるクラッチレリーズ軸受装置をクラッチ装置側から見た図である。図10は、ばね部材30’の斜視図である。図11は、図8の矢印XIで示す部位を拡大して示す図である。図12は、図9の矢印XIIで示す部位を拡大して示す図である。
本実施の形態においては、上述した実施の形態に対して、ガイドスリーブ20’のフランジ部22におけるクラッチレリーズ軸受10側の面に係合部としての突起(凸部)22a’を形成し、それに対応してばね部材30’に開口35aのみを形成した点が異なる。図11に示すように、突起22a’は、径方向外側から内側に向かうにつれて軸線方向張り出し量が大きくなるテーパ面22cと、テーパ面22cの半径方向内方端からに軸線に平行に延在する係合面22dとを有する。それ以外の構成については、上述した実施の形態と同様であるため説明を省略する。
組み付け時に、ばね部材30’をフランジ部22の半径方向外方から挿入すると、ばね部材30’が、突起22a’の当接により第3面部35を押し出すようにして弾性変形しながらフランジ部22の面上を進み、ばね部材30の押圧部32がクラッチレリーズ軸受10に係合した後に、突起22a’が開口35aに侵入する。このときばね部材30’の弾性変形が復帰するので、突起22a’の係合面22dが、開口35aの縁に係合することとなる。これにより、ばね部材3の抜け止めが図りながらも、ガイドスリーブ20の径方向寸法を抑えることが出来、コストダウンを図りつつコンパクトなクラッチレリーズ軸受装置を提供できる。
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。
10 クラッチレリーズ軸受
20、20’ ガイドスリーブ
30、30’ ばね部材
40 補強部材
20、20’ ガイドスリーブ
30、30’ ばね部材
40 補強部材
Claims (3)
- 互いに同心的に配置されかつ相対回転する内輪及び外輪を含み、一方の輪が固定され、回転する他方の輪がクラッチ装置の回転部材に当接するようになっているクラッチレリーズ軸受と、ガイド軸上に摺動自在に嵌合される軸受保持部材と、該軸受保持部材に対して、該クラッチレリーズ軸受の該一方の輪を半径方向に移動可能となるよう保持する連結部材と、を有するクラッチレリーズ軸受装置において、
前記軸受保持部材の前記クラッチレリーズ軸受側の面に、前記連結部材が係合する係合部が設けられていることを特徴とするクラッチレリーズ軸受装置。 - 前記係合部は、前記軸受保持部材の前記クラッチレリーズ軸受側の面に形成された突起であって、前記突起は、前記連結部材に形成された開口に係合することを特徴とする請求項1に記載のクラッチレリーズ軸受装置。
- 前記係合部は、前記軸受保持部材の前記クラッチレリーズ軸受側の面に形成された開口であって、前記開口は、前記連結部材に形成された突起に係合することを特徴とする請求項1に記載のクラッチレリーズ軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007239365A JP2009068642A (ja) | 2007-09-14 | 2007-09-14 | クラッチレリーズ軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007239365A JP2009068642A (ja) | 2007-09-14 | 2007-09-14 | クラッチレリーズ軸受装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2007239365A Pending JP2009068642A (ja) | 2007-09-14 | 2007-09-14 | クラッチレリーズ軸受装置 |
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-
2007
- 2007-09-14 JP JP2007239365A patent/JP2009068642A/ja active Pending
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