JP2009063558A - 超音波検査装置、超音波検査方法および原子力プラントの非破壊検査方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】調整された出力のレーザ光を発射するレーザ装置5およびレーザ装置5が発射するレーザ光を照射され、超音波を発生する送信ダイヤフラム39を有する体積検査用超音波送信部17を備え、体積検査用超音波送信部17の送信ダイヤフラム39が発生する超音波を構造部材77に照射して検査を行う超音波検査装置1であって、送信ダイヤフラム39は、チタンで形成されていることを特徴とする。
【選択図】図3
Description
この圧電素子は、たとえば、直径20mm程度と比較的大きいため、装置が大型となっていた。このため、狭隘部あるいは複雑形状の部材の測定が難しい。また、圧電素子の固有周波数により超音波の周波数帯域が制限されるので、たとえば、部材表面の画像表示等の用途にはあまり適さないという問題があった。
これは、光ファイバを使いレーザ光を被検体に照射し、このレーザ光で被検査体表面に超音波を励起させ、被検体中を伝わった超音波を受信レーザ光で検出するものである。この超音波の変化を感知することで、欠陥を検出し、受信した超音波の周波数分析をすることで深さの同定も行なえる。
すなわち、超音波発生に細い光ファイバを用いるので、装置が小型化でき、狭隘部あるいは複雑形状の部材の測定に対応できるものである。
これは、一端が金属板で閉じられ、内部にガスが封入された筒状体内にレーザ光を照射し、内部ガスの熱膨張および金属板の熱応力による変化を発生させ、この変化を外部に伝播させ、超音波を発生するものである。
また、これによりレーザ光の強度が制限され、十分な調査が行えない、あるいは、検査対象である被検体の範囲が制限されるという問題点がある。
さらに、レーザ光が通過できないところ、たとえば、高速増殖炉の冷却材であるナトリウム中では、検査することができないという問題がある。
特許文献3に示されるものは、レーザ光が被検体に直接照射されないので、被検体を劣化、変形させることは解決されている。ところで、超音波によって非破壊検査を行うには、超音波の強度を十分に高める必要があるが、特許文献3では、この点について具体的に示されていないので、このままで実施することはできない。
また、被検体の種類、検査種類に対応して最適な強度あるいは指向性を有する超音波を発生でき、検査の多様性に対応できる具体的な態様の超音波検査装置が強く求められている。
また、被検体の種類、検査種類に対応して最適な強度あるいは指向性を有する超音波を発生し、検査の多様性に対応できる超音波検査装置、超音波検査方法および原子力プラントの非破壊検査方法を提供することを目的としている。
本発明による超音波検査装置は、調整された出力のレーザ光を発射するレーザ装置および該レーザ装置が発射するレーザ光を照射され、超音波を発生する送信ダイヤフラムを有する超音波送信部を備え、該超音波送信部の該送信ダイヤフラムが発生する超音波を被検体に照射して検査を行う超音波検査装置であって、前記送信ダイヤフラムは、チタンで形成されていることを特徴とする。
また、本発明による超音波検査装置は、調整された出力のレーザ光を発射するレーザ装置および該レーザ装置が発射するレーザ光を照射され、超音波を発生する送信ダイヤフラムを有する超音波送信部を備え、該超音波送信部の該送信ダイヤフラムが発生する超音波を被検体に照射して検査を行う超音波検査装置であって、前記送信ダイヤフラムは、アルミニウムで形成されていることを特徴とする。
これにより、高出力のレーザ光が取り扱えるので、発生する超音波の強度を強くすることができる。このため、良好な検査を行うことができる。
また、被検体との距離を大きくしても十分な検査が行えるので、指向性を大きくすることができる。これにより、分解能を小さくできるので、検査精度を向上させることができる。
本発明者らは、鋭意検討した結果、チタン、アルミニウムが高強度の超音波を発生し、送信ダイヤフラムとして有用であることを見出した。また、チタン、アルミニウムで形成された送信ダイヤフラムは、レーザ光により送信ダイヤフラムに入力されるエネルギーに対して他の材料に比べて高強度の超音波を発生することも有用である。このようにエネルギー効率がよいので、十分な強度の超音波を効率良く発生させることができる。
送信ダイヤフラムのレーザ入射側は、光学部材によって拘束されているので、レーザ光が送信ダイヤフラムに照射され変形すると、その変形が光学部材に作用する。そして、送信ダイヤフラムには光学部材からの反力が超音波発生方向に作用するので、送信ダイヤフラムが発生する超音波の強度を強くする。
また、光学部材がレーザ光による送信ダイヤフラムの劣化あるいは損傷を抑制するので、レーザ光の強度を強くして、発生する超音波の強度を強くすることができる。
なお、光学部材としては、サファイア、石英等のガラス、アルミニウムの酸化膜等のセラミックス等が用いられる。
また、光学部材と送信ダイヤフラムとは、接合してもよいし、単に、隣接するように配置させてよい。
レーザ光が送信ダイヤフラムに照射されることによって送信ダイヤフラムに発生する振動の内、レーザ入射側へ向かう振動がゼリー状の粘性物によって打ち返されるので、それらがレーザ入射側と反対方向、すなわち、超音波発生方向に向かうことになる。このように、超音波発生方向に向かう振動と、反対方向に向かい打ち返された振動と、が重畳されるので、送信ダイヤフラムが発生する超音波の強度を強くする。
また、ゼリー状の粘性物は変形し易いので、送信ダイヤフラムの面に沿って隙間なく密着させることができる。これにより、粘性物はその全面に亘り送信ダイヤフラムの振動を打ち返すことができるので、効率よく超音波発生方向にエネルギーを送ることができる。
なお、ゼリー状の粘性物としては透明であることが好ましい。このようにすると、透明な粘性物はレーザ光の通過を妨げることがないので、レーザ光は送信ダイヤフラムへ多く入射され、発生する超音波の強度を強くできる。
また、ゼリー状の粘性物を塗布する範囲は全面に塗布される必要はなく、少なくともレーザ光が照射される範囲をカバーしているだけでよい。粘性物は、レーザ光が照射される範囲を超え、超音波の発生が大きい部分をカバーするように塗布されるのがより望ましい。
すなわち、ビーム径を小さくすると、指向性が高くなる、言い換えると、広い範囲に強度の高い超音波を出力できるので、たとえば、表面を画像化して検査する表面検査に有効となる。一方、ビーム径を大きくすると、指向性が低くなる、言い換えると、強度の高い超音波は限定された範囲に集中して出力されるので、たとえば、内部の欠陥を検査する体積検査に有効となる。
このように、ビーム径調整手段を備えることによって、1台の超音波検査装置で、被検体の種類、検査場所等の変化に対応することができる。また、たとえば、体積検査および表面検査というように、性格の異なる検査、すなわち、ハイブリッドな検査を行うことができる。
また、上記発明では、前記レーザ装置には、それぞれ前記レーザ光を発射する径が異なる複数の光ファイバが備えられ、前記ビーム径調整手段は、前記光ファイバのいずれを用いるかを選択するものであってもよい。
これにより、高出力のレーザ光が取り扱えるので、発生する超音波の強度を強くすることができる。このため、良好な検査を行うことができる。
このとき、ビーム径調整手段によってビーム径の大きさを調整し、送信ダイヤフラムから検査対象の種類、検査種類に対応した強度の超音波を発生させ、この超音波を被検体に照射して検査を行うので、たとえば、表面を画像化して検査する表面検査および内部の欠陥を検査する体積検査という性格の異なる検査、すなわち、ハイブリッドな検査を行うことができる。
これにより、高出力のレーザ光が取り扱えるので、発生する超音波の強度を強くすることができる。このため、良好な検査を行うことができる。
また、ビーム径調整手段を備えることによって、1台の超音波検査装置で、被検体の種類、検査場所等の変化に対応することができる。たとえば、体積検査および表面検査というように、性格の異なる検査、すなわち、ハイブリッドな検査を行うことができる。
超音波検査装置1には、超音波を送受信する検査体3と、超音波送信用のレーザ光を発信するレーザ装置5と、超音波受信用のレーザ光を受発信する受信レーザ部7と、送受信したデータを保管するとともにレーザ装置5および受信レーザ部7の動作を指示するデータ収集装置9と、送受信したデータを処理し、表示するデータ処理・表示装置11とが備えられている。
検査体3には、略直方体形状をした箱体である本体13と、本体の一面の略中央部に取り付けられた円筒形状をし、光ファイバを挿通させる通路部15と、本体13の内部に取り付けられた体積検査用超音波送信部(超音波送信部)17と、表面検査用超音波送信部(超音波送信部)19と、複数の超音波受信部21とが備えられている。
複数の超音波受信部21は、略等間隔にマトリックス状(たとえば、10列×10行)に設置されている。
体積検査用超音波送信部17および表面検査用超音波送信部19は、それぞれ超音波受信部21群の略中央部に設置されている。
体積検査用超音波送信部17および表面検査用超音波送信部19は略同構造であるので、体積検査用超音波送信部17について説明する。
レーザ装置5には、レーザ発振器25と、レーザ光路27と、レーザ光を光ファイバ23に導入する、たとえば、光スイッチ等で構成される導入部29とが備えられている。
NDフィルタ33は、複数のフィルタが交換可能に備えられており、これらを交換することによってレーザ光の光量、すなわち、出力を調節するものである。
集光レンズ35は、レーザ光路27に沿って移動可能とされ、光ファイバ23に入射するレーザ光の径(後述する送信ダイヤフラム39への入射されるレーザ光の径)をある程度調整できるようにされている。
体積検査用超音波送信部17および表面検査用超音波送信部19は、送信ダイヤフラム39が本体13の通路部15に対向する面に向くように設置されている。
超音波受信部21は略円筒形状をし、一端側に、光スイッチ8と連結される光ファイバ51が接続されている。超音波受信部21の他端部には、受信ダイヤフラム53が取付けられている。
超音波受信部21は、受信ダイヤフラム53が本体13の通路部15に対向する面に向くように設置されている。
図6に示される体積検査用超音波送信部17には、フェルール45を押さえネジ49側へ常時付勢する圧縮バネ57が備えられている。押さえネジ49を回転させて軸線方向外側に移動させると、フェルール45が圧縮バネ57によって押され、押さえネジ49と同様に軸線方向外側に移動する。反対に押さえネジ49を回転させて送信ダイヤフラム39側に移動させると、フェルール45は圧縮バネ57の付勢力に抗して送信ダイヤフラム39側に移動させられる。
これにより、フェルール45の先端と送信ダイヤフラム39との間隔が変化することになる。この間隔が変化すると、フェルール45の先端から発射されるレーザ光の放射角によって送信ダイヤフラム39に到達するレーザ光のビーム径が変化することになる。
なお、光ファイバ51の出射端(たとえば、フェルール45の先端)と送信ダイヤフラム39との間隔を変化させる構造は図6のものに限らず、適宜構造とすることができる。
図8に示される体積検査用超音波送信部17には、フェルール45と送信ダイヤフラム39との間に凸レンズ59が軸線方向に移動可能に取り付けられている。また、フェルール45は図6のものと同様に圧縮バネ57によって押さえネジ49側に常時付勢されている。
凸レンズ59を軸線方向に移動させることによってレーザ光の集光状態を変化させ、送信ダイヤフラム39に到達するレーザ光のビーム径を変化させる。
なお、図8では凸レンズ59を軸線方向に移動して送信ダイヤフラム39に到達するレーザ光のビーム径を変化させるようにしているが、これに限定されるものではなく、たとえば、フェルール45を軸線方向に移動させるようにしてもよいし、凸レンズ59およびフェルール45の両者を軸線方向に移動できるようにしてもよい。
このとき、発生する超音波の強度は、レーザ光出力あるいはレーザ光のエネルギー密度に対応して図5の実線で示されるように変化する。
レーザ光出力あるいはレーザ光のエネルギー密度等が小さいところ(低エネルギー域)では、レーザ光のエネルギーが送信ダイヤフラム39等の温度の上昇に使われ、発生する超音波の強度が小さい。この部分はサーマルモードと称される。
レーザ光出力あるいはレーザ光のエネルギー密度等がさらに大きくなると、送信ダイヤフラム39への侵食作用が大きくなって一部ガス化し、レーザ光を散乱または吸収するので、レーザ光が送信ダイヤフラム39へ供給するエネルギー割合が低下することになる。
こうなると、発生する超音波の強度の増加率が小さくなるので、レーザ光のエネルギー効率が低下することになる。この状態はエアブレークダウンモードと称される。
図9は、この検証試験を行なう試験装置を示している。
YAGレーザを発信するレーザ発振器25としてコンティウム社製のSurelite I−10を用いている。レーザ発振器25が出力するYAGレーザ光は、出力が400mJ、パルス間隔が10Hz、パルス幅が10nsとした。
水を貯留した水槽61の一面に備えられた取付部材63にダイヤフラム供試体65を取付け、このダイヤフラム供試体65に、レーザ発振器25からのレーザ光を当て発生した超音波を受信用圧電素子67で受け、オシロスコープ69でその強度を測定する。
また、ダイヤフラム供試体65として図10に示される複合材71も試験した。複合材71は、厚さ0.03mmのSUSダイヤフラム(送信ダイヤフラム)73の一面、すなわち、レーザ光が入射される側の面に、厚さ1mmのサファイアガラスのサファイアダイヤフラム(光学部材)75を接合したものである。複合材71は、直径30mmの円板である。
複合材71は、SUSダイヤフラム73の接合面をCr−Ni−Auでスパッタリング処理する。一方、サファイアダイヤフラム75の接合面をメタライズ処理する。そして、SUSダイヤフラム73およびサファイアダイヤフラム75の接合面をAu−Snハンダにて貼り合わせて形成している。ハンダ層は略2μmである。
これを見ると、ビーム径0、5mmの指向性が高く(広い範囲に強度の強い超音波を出力できる)、4mmの指向性が低く(強度の高い超音波は限定された範囲に集中して出力される)なり、2mmはその中間となっている。
すなわち、ビーム径が小さくなるほど指向性が高くなるということが判明した。
これは、ビーム径が小さくなるほど、単位面積当りのアブレーション比率が高いためではないかと推測される。
これを見ると、信号強度のトータルは、ビーム径2mmがビーム径4mmよりも大きく、図12では約4倍、図13では約2.4倍となっている。
すなわち、入力エネルギーが一定であればビーム径が小さいほど発生する超音波の強度が強く、すなわち、エネルギーの変換効率が高くなる。
これを見ると、信号強度のトータルは、ビーム径4mmがビーム径2mmよりも大きく、図14では約1.32倍、図15では約1.14倍となっている。
すなわち、単位面積当りの入力エネルギーが一定であればビーム径が大きいほど発生する超音波の強度が強く、すなわち、エネルギーの変換効率が高くなる。
このように、レーザ光のビーム径はエネルギー効率に大きな影響を与えることが判明した。
各図で、複合材71については、測定結果の傾向を一点鎖線で示している。
錫は、試験中、ダイヤフラム供試体65の中央に穴が開いてしまった。錫は柔らかいので、実用には向かないことが判明した。
SUS、銅も十分実用的な超音波強度を出せることが判明した。
複合材71は、アルミニウムの約1.6倍、同一素材であるSUSの約2倍以上の超音波強度が得られ、エネルギー変換効率の高さが実証された。
複合材71は、300mJ以上でサファイアガラスの表面が溶けてダメージを受け、急激に超音波強度が低下した。サファイアガラスを用いる複合材71はこの辺りが使用する上限値となる。
また、ここでは、複合材71の超音波強度は、錫、アルミニウムと略同等の大きさである。しかし、同一素材であるSUSに対しては約10倍以上の超音波強度が得られている。
サーマルモード域(図18)では、錫とチタンとが相対的に良好である。また、複合材71は、超音波強度が単一素材のものに比べて10倍程度高くなっている(図17参照)。
また、複合材71がさらに有用であることがわかった。
これは、SUSダイヤフラム73のレーザ入射側は、サファイアダイヤフラム75によって拘束されているので、レーザ光がSUSダイヤフラム73に照射され変形すると、その変形がサファイアダイヤフラム75に作用する。そして、SUSダイヤフラム73にはサファイアダイヤフラム75からの反力が超音波発生方向に作用するので、SUSダイヤフラム73が発生する超音波の強度を強くする。
また、サファイアダイヤフラム75がレーザ光によるSUSダイヤフラム73の劣化あるいは損傷を抑制するので、レーザ光の強度を強くして、発生する超音波の強度を強くすることができる。
また、複合材71を構成する光学部材の素材としては、サファイアガラスに限らず、石英ガラス、アルミニウムの酸化膜等のセラミックス等を用いてもよい。
また、SUSダイヤフラム73の替わりにアルミニウム、チタン、銅、錫等のダイヤフラムを用いてもよい。
粘性体81としては、たとえば、米国のSONOTECH inc.製の「Pyrogel GR 100」(商品名)が用いられる。これは、カプラントとして用いられる接触媒質である。この粘性体81は、グリセリンを主成分とした透明なゼリー状をし、使用温度範囲が−45.6℃〜427℃(−50°F〜800°F)と広い。また、粘度は、4×106cps以上と高く、一旦付着すると容易には流れることはない。
粘性体81は、レーザ光が照射される範囲を含み、それを超える範囲に亘り手によって略1mmの厚さで塗布されている。
図20は、粘性体81付きのダイヤフラム供試体65の結果であり、図21は、SUSダイヤフラム73のみの結果である。
これを見ると、粘性体81付きのダイヤフラム供試体65では、SUSダイヤフラム73のみのものに比べて発生する超音波の強度が20数倍となるとともに鮮鋭な超音波波形がえられた。
また、粘性体は変形し易いので、SUSダイヤフラム73の面に沿って隙間なく密着させることができる。これにより、粘性体81はその全面に亘りSUSダイヤフラム73の振動を打ち返すことができるので、効率よく超音波発生方向にエネルギーを送ることができる。
また、粘性体81を塗布する範囲は全面に塗布される必要はなく、少なくともレーザ光が照射される範囲をカバーしているだけでよい。粘性体81は、レーザ光が照射される範囲を超え、超音波の発生が大きい部分をカバーするように塗布されるのがより望ましい。
ここでは、送信ダイヤフラム39としてSUS製のものについて試験結果を示しているが、これはアルミニュウム、チタン、銅、錫等の材料で構成されているものでも同様に発生する超音波の強度を強くできる。
検査体3を検査対象となる構造部材(被検体)77に対向して配置する。構造部材77の内部のキズ79を検査する体積検査を行う場合には、体積検査用超音波送信部17を用いる。
レーザ発振器25がレーザ光を発振すると、レーザ光はレーザ光路27を通って導入部29に入射される。レーザ光は導入部29で体積検査用超音波送信部17側の光ファイバ23を通過できる形に変換される。この変換されたレーザ光が光ファイバ23を通ってフェルール45から送信ダイヤフラム39に照射される。
この超音波Cは、周波数が2〜5MHzを主体となるように調整されている。言い換えると、発生する超音波Cの周波数は2〜5MHzが主体となるように、送信ダイヤフラム39の材質、寸法、レーザ装置5のレーザ光の強度等の条件が設定されている。
このとき、受信レーザ部7のレーザ発振器6からレーザ光が発振され、光スイッチ8、光ファイバ51を介して受信ダイヤフラム53に照射されている。照射されたレーザ光は受信ダイヤフラム53に反射され、逆ルートを通ってレーザ干渉計10に戻される。
このデータをデータ収集装置9に保管し、保管されたデータをデータ処理・表示装置11が処理し、キズ79の有無、有る場合はその位置等を算出して、表示する。
この場合、表面検査用超音波送信部19の送信ダイヤフラム39で発生する超音波Cは、周波数が10MHzを主体となるように調整されている。言い換えると、発生する超音波Cの周波数は10MHzが主体となるように、送信ダイヤフラム39の材質、寸法、レーザ装置5のレーザ光の強度等の条件が設定されている。
なお、検査動作については、体積検査と同様であるので、ここでは重複した説明を省略する。
このように超音波検査装置1は発生する超音波Cの周波数が異なる体積検査用超音波送信部17および表面検査用超音波送信部19を備えているので、これらを切換えて用いることによって、体積検査および表面検査という性格の異なる検査、すなわち、ハイブリッドな検査を1台で行うことができる。
このように構造体77の種類、検査種類に対応して、最適な送信ダイヤフラム39を備えている超音波検査装置1を用いることで、検査精度、検査効率等を向上させることができる。
これにより、高出力のレーザ光が取り扱えるので、発生する超音波Cの強度を強くすることができる。このため、良好な検査を行うことができる。
また、構造部材77との距離を大きくしても十分な検査が行えるので、指向角を大きくすることができる。これにより、分解能を小さくできるので、検査精度を向上させることができる。
また、検査に超音波Cを用いているので、レーザ光が通過できないところ、たとえば、高速増殖炉の冷却材であるナトリウム中でも検査することができる。
たとえば、ビーム径を小さくして指向性を高くすると、表面を画像化して検査する表面検査をすることができる。一方、ビーム径を大きくして指向性を低くすると内部の欠陥を検査する体積検査をすることができる。
このように、ビーム径調整手段55を備えることによって、体積検査用超音波送信部17によって体積検査用超音波送信部17および表面検査用超音波送信部19の機能を有することになるので、たとえば、表面検査用超音波送信部19を省略することができる。すなわち、体積検査用超音波送信部17のみで、体積検査および表面検査というように、性格の異なる検査、すなわち、ハイブリッドな検査を行うことができる。
なお、たとえば、送信ダイヤフラム39をその面内で凸凹に変形させることによって指向性を変化させることができる。
たとえば、体積検査用超音波送信部17および表面検査用超音波送信部19を同時に備える必要はなく、目的によってはいずれか一方のみを設けるようにしてもよい。
5 レーザ装置
17 体積検査用超音波送信部
19 表面検査用超音波送信部
23 光ファイバ
39 送信ダイヤフラム
51 光ファイバ
53 受信ダイヤフラム
55 ビーム径調整手段
71 複合材
75 サファイアダイヤフラム
77 構造部材
81 粘性体
Claims (10)
- 調整された出力のレーザ光を発射するレーザ装置および該レーザ装置が発射するレーザ光を照射され、超音波を発生する送信ダイヤフラムを有する超音波送信部を備え、
該超音波送信部の該送信ダイヤフラムが発生する超音波を被検体に照射して検査を行う超音波検査装置であって、
前記送信ダイヤフラムは、チタンで形成されていることを特徴とする超音波検査装置。 - 調整された出力のレーザ光を発射するレーザ装置および該レーザ装置が発射するレーザ光を照射され、超音波を発生する送信ダイヤフラムを有する超音波送信部を備え、
該超音波送信部の該送信ダイヤフラムが発生する超音波を被検体に照射して検査を行う超音波検査装置であって、
前記送信ダイヤフラムは、アルミニウムで形成されていることを特徴とする超音波検査装置。 - 調整された出力のレーザ光を発射するレーザ装置および該レーザ装置が発射するレーザ光を照射され、超音波を発生する送信ダイヤフラムを有する超音波送信部を備え、
該超音波送信部の該送信ダイヤフラムが発生する超音波を被検体に照射して検査を行う超音波検査装置であって、
前記送信ダイヤフラムのレーザ入射側は、光学部材によって拘束されていることを特徴とする超音波検査装置。 - 調整された出力のレーザ光を発射するレーザ装置および該レーザ装置が発射するレーザ光を照射され、超音波を発生する送信ダイヤフラムを有する超音波送信部を備え、
該超音波送信部の該送信ダイヤフラムが発生する超音波を被検体に照射して検査を行う超音波検査装置であって、
前記送信ダイヤフラムのレーザ入射側面に、ゼリー状の粘性物が塗布されていることを特徴とする超音波検査装置。 - 調整された出力のレーザ光を発射するレーザ装置および該レーザ装置が発射するレーザ光を照射され、超音波を発生する送信ダイヤフラムを有する超音波送信部を備え、
該超音波送信部の該送信ダイヤフラムが発生する超音波を被検体に照射して検査を行う超音波検査装置であって、
前記送信ダイヤフラムに照射される前記レーザ光のビーム径の大きさを調整するビーム径調整手段が備えられていることを特徴とする超音波検査装置。 - 前記送信ダイヤフラムに照射される前記レーザ光のビーム径の大きさを調整するビーム径調整手段が備えられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の超音波検査装置。
- 前記ビーム径調整手段は、前記レーザ光の発射位置と前記送信ダイヤフラムとの距離を調整するように構成されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の超音波検査装置。
- 前記レーザ装置には、それぞれ前記レーザ光を発射する径が異なる複数の光ファイバが備えられ、
前記ビーム径調整手段は、前記光ファイバのいずれを用いるかを選択するものであることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の超音波検査装置。 - 調整された出力のレーザ光を発射するレーザ装置と、
該レーザ装置が発射するレーザ光を照射され、超音波を発生する送信ダイヤフラムを有する超音波送信部と、
前記送信ダイヤフラムに照射される前記レーザ光のビーム径の大きさを調整するビーム径調整手段と、を備え、
該ビーム径調整手段によって前記ビーム径の大きさを調整し、
前記送信ダイヤフラムから検査対象の種類、検査種類に対応した強度の超音波を発生させ、
この超音波を被検体に照射して検査を行うことを特徴とする超音波検査方法。 - 請求項1から請求項8のいずれかに記載された超音波検査装置を用いて原子力プラントの非破壊検査を行うことを特徴とする原子力プラントの非破壊検査方法。
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