JP2015004570A - 光音響対物光学系及び光音響顕微鏡 - Google Patents

光音響対物光学系及び光音響顕微鏡 Download PDF

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Abstract

【課題】非軸対称な収差の発生を軽減できる光音響対物光学系を提供する。
【解決手段】 励起光を収束させる集光部10と、集光部10からの励起光を透過させ、該励起光の射出面22bから入射する音響波を反射させる音響波反射部20と、励起光が音響波反射部20を透過する際に該励起光に発生する非軸対称な収差を補正する光学面を有する収差補正部30と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、光音響対物光学系及びそれを備える光音響顕微鏡に関するものである。
光音響波とは、物質に吸収波長域の光を照射した際に生じる熱弾性過程にて発生する弾性波の一種である。そのため、光音響波は、吸収特性をイメージングする手法として注目されている。また、光音響波は、超音波の一種として測定することができる。超音波は光に比べて散乱の影響を受けにくい特徴を有していることから、生体内部のイメージング手段として適用されている。
光音響波を検出信号としてイメージングに適用する光音響顕微鏡では、観察対象物の吸収波長域に合わせたパルス光を励起光として用い、該励起光を対物レンズにより集光して標本内を集光スポットにより走査し、これにより各集光スポット位置で発生する光音響波を超音波トランスデューサー等で検出する手法が用いられている。かかる光音響顕微鏡によると、標本を集光スポットで走査した際に、集光スポット位置に吸収物質が存在すると光音響波が発生するので、その光音響波を検出することにより、標本内の吸収特性をイメージングすることができる。
このような光音響顕微鏡として、例えば特許文献1に開示のものが知られている。図14は、特許文献1に開示された光音響顕微鏡を示すものである。図14において、図示しないレーザパルス光源からの励起光Lは、集光レンズ101及びピンホール102を経て振動ミラー103に入射して偏向される。振動ミラー103で偏向された励起光Lは、対物レンズ104、補正レンズ105、二等辺プリズム106、シリコーンオイル層107、菱形プリズム108及び音響波レンズ109を経て標本Sの内部に集光されて、標本Sが走査される。なお、二等辺プリズム106及び菱形プリズム108は、シリコーンオイル層107を介して結合されている。また、標本Sは、液体に浸漬されている。
一方、励起光Lの照射により標本S内の集光位置から発生する光音響波Uは、音響波レンズ109により平面波に波面整形されて菱形プリズム108内に入射し、シリコーンオイル層107との境界で反射される。シリコーンオイル層107で反射された光音響波Uは、菱形プリズム108内で反射されて超音波トランスデューサー110で検出される。これにより、超音波トランスデューサー110の出力に基づいて、標本S内の吸収特性がイメージングされる。
特表2011−519281号公報
図14に示すように、光音響波Uを反射させるシリコーンオイル層107が、励起光Lの集光光路に平行平板状に傾斜して配置される構成においては、励起光Lのマージナル光線がシリコーンオイル層107に、軸上光線と異なる入射角度で入射することになる。そのため、励起光Lの集光スポットに非軸対称なコマ収差や非点収差が発生することになる。特許文献1には、二等辺プリズム106の上に設置された補正レンズ105によって、プリズム106、108と音響波レンズ109とにより導入される収差を補正する旨が、記載されている。
しかしながら、励起光Lの集光光路に傾斜して配置されたシリコーンオイル層107によって生じる非軸対称な収差を、対物レンズ104の光軸と直交する二等辺プリズム106の入射面に補正レンズ105を設置して補正するのは容易ではない。
したがって、かかる観点に鑑みてなされた本発明の目的は、非軸対称な収差の発生を軽減できる光音響対物光学系及びそれを備える光音響顕微鏡を提供することにある。
上記目的を達成する本発明に係る光音響対物光学系は、
励起光を収束させる集光部と、
前記集光部からの前記励起光を透過させ、該励起光の射出面から入射する音響波を反射させる音響波反射部と、
前記励起光が前記音響波反射部を透過する際に該励起光に発生する非軸対称な収差を補正する光学面を有する収差補正部と、
を備えるものである。
さらに、上記目的を達成する本発明に係る光音響顕微鏡は、
上記の光音響対物光学系と、
前記光音響対物光学系を経て対象物に照射される前記励起光を偏向して前記対象物を走査する光走査部と、
前記音響波反射部で反射される前記対象物からの音響波を検出する音響波検出部と、
を備えるものである。
本発明によると、非軸対称な収差の発生を軽減できる光音響対物光学系及びそれを備える光音響顕微鏡を提供することができる。
第1実施の形態に係る光音響対物光学系の要部の概略構成図である。 第2実施の形態に係る光音響対物光学系の要部の概略構成図である。 音響波レンズの配置を説明するための図である。 第3実施の形態に係る光音響対物光学系の要部の概略構成図である。 第4実施の形態に係る光音響対物光学系の要部の概略構成図である。 第5実施の形態に係る光音響対物光学系の要部の概略構成図である。 第6実施の形態に係る光音響対物光学系の要部の概略構成図である。 第7実施の形態に係る光音響対物光学系の要部の概略構成図である。 第8実施の形態に係る光音響対物光学系の要部の概略構成図である。 第9実施の形態に係る光音響対物光学系の要部の概略構成図である。 第10実施の形態に係る光音響対物光学系の要部の概略構成図である。 光音響対物光学系の変形例の要部の概略構成図である。 第11実施の形態に係る光音響顕微鏡の要部の概略構成図である。 従来の光音響顕微鏡の概略構成図である。
以下、本発明のある態様に係る実施の形態について、図を参照して説明する。
(第1実施の形態)
図1は、第1実施の形態に係る光音響対物光学系の要部の概略構成図である。本実施の形態に係る光音響対物光学系は、集光部10と、音響波反射部20と、収差補正部30とを備える。
集光部10は、励起光Lを対象物Sに収束させるもので、例えば単レンズや複数のレンズ等の光学素子、あるいはレンズ以外の光学素子(例えば、反射鏡)で構成される。図1では、図面を簡略化するために、集光部10をブロック状に示している。
音響波反射部20は、集光部10からの励起光Lを透過して対象物Sに照射させ、対象物Sからの音響波を反射させるもので、2個のプリズム21及び22と、媒質23とを有する。本実施の形態において、プリズム21、22は、それぞれ直角二等辺プリズムからなり、それらの長辺の面21a、22a同士が、対向して媒質23を介して平行に配置されている。すなわち、面21a、22aは、互いに対向する対向面であり、媒質23が接合部材である場合には、面21aおよび22aは、接合面といえる。なお、プリズム21、22は、例えばN−BK7、FPL−51、TIH−1、ポリカーボネート等の硝材で形成される。また、媒質23は、例えば接合部材(シリコーンオイル等)、液体(水等)、空気が用いられる。プリズム21及び22と、媒質23と、は屈折率が近く、かつ、それぞれの内部における音速が異なることが好ましい。
音響波反射部20は、プリズム21、22の面21a、22aが集光部10の光軸Ooに対してYZ平面内で例えば45°傾斜して配置される。そして、音響波反射部20は、集光部10からの励起光Lを、プリズム21の面(入射面)21b、プリズム21の面21a、媒質23、プリズム22の面22a及びプリズム22の面(射出面)22bを透過させて対象物Sに照射させる。また、音響波反射部20は、プリズム22の励起光Lの射出面22bから入射される対象物Sからの音響波を、プリズム22の面22aと媒質23との境界で反射させて励起光Lの光路から分岐してプリズム22の面(射出面)22cから射出させる。なお、面21a、22aと、光軸Ooと、のなす傾斜角度は、45°に限られず、射出面22cと、光軸Ooと、のなす角度に応じて適宜設定することができる。
なお、図1において、直交座標XYZは右手系であり、Z軸は集光部10の光軸Ooで、集光部10から音響波反射部20の向きを正とする。X軸は、音響波反射部20内で反射された音響波の進む向きとZ軸とのなす面に垂直な軸で、右ねじの法則に従う方向を正とする。Y軸はZ軸及びX軸と直交する方向とする。
収差補正部30は、音響波反射部20で発生する励起光Lの非軸対称な収差を補正する光学面を有して構成される。本実施の形態において、収差補正部30は、集光部10と音響波反射部20との間の励起光Lの光路に配置された光学素子31からなる。つまり、光学素子31は、非平行又は平行な入射面31a及び射出面31bが、音響波反射部20で発生する励起光Lの非軸対称な収差を補正する光学面として機能する。なお、光学素子31は、入射面31a及び射出面31bの少なくとも一方が集光部10の光軸Ooに対して垂直以外の角度を持つように傾斜して配置される。光学素子31としては、例えば、平行平面板、プリズム等を適用することができる。プリズムには、入射面31aと、射出面31bと、のなす角度が、浅い角度(例えば、15°以下。)であるプリズム(ウェッジプリズムと言われる。)も含まれるものとする。入射面31a及び射出面31bは、何れも平面である。
本実施の形態に係る音響波対物光学系によると、集光部10と音響波反射部20との間の励起光Lの光路に光学素子31が配置されている。そして、光学素子31の入射面31a及び射出面31bの少なくとも一方が、音響波反射部20のプリズム21、22の対向面が傾斜しているYZ平面内で、集光部10の光軸Ooに対して傾斜している。したがって、集光部10からの励起光Lの収束光が音響波反射部20のプリズム21、22の間の媒質23を透過する際に発生する非軸対称の非点収差やコマ収差を、光学素子31により補正することができるので、音響波対物光学系全体での励起光Lの非軸対称な収差の発生を軽減することができる。なお、本実施の形態に場合、後述するように、音響波反射部20を経た励起光Lは集光部10の光軸OoからY(+)方向にずれた位置に集光する。
以下の説明において、各実施の形態の間で、同様な作用を示す要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。
(第2実施の形態)
図2は、第2実施の形態に係る光音響対物光学系の要部の概略構成図である。本実施の形態に係る光音響対物光学系は、図1に示した構成において、音響波反射部20を構成するプリズム22の励起光Lの射出面22bに、音響波レンズ40を接合したものである。
このように、プリズム22の励起光Lの射出面22bに音響波レンズ40を設けると、音響波レンズ40に入射する対象物Sからの球面波状の光音響波Uを平面波状の光音響波Uに波面整形してプリズム22に入射させることができる。したがって、音響波反射部20で反射されて該音響波反射部20から射出される音響波を超音波トランスデューサー等の音響波検出部で検出する場合、第1実施の形態のように球面波状の音響波を検出する場合と比較して検出感度を高めることが可能となる。なお、音響波レンズ40は、光学系の光軸に相当する音軸が、集光部10の光軸Ooと一致するように配置されてもよいが、好ましくは、励起光Lの集光点に音軸が一致するように、音軸を集光部10の光軸Ooからずらして配置される。
すなわち、図3(a)、(b)に誇張した概略図を示すように、音響波反射部20のプリズム21、22の対向面21a、22aがYZ平面内で傾斜している場合、音響波反射部20を経た励起光Lは集光部10の光軸OoからY(+)方向にδYずれた位置に集光する。これにより、観測したい光音響波Uは、光軸Ooからずれた集光点を波源として発生し、伝播する媒質が均質であれば球面波として伝播する。
そのため、図3(a)に示すように、音響波レンズ40の音軸Ouを集光部10の光軸Ooと一致させた場合は、音源が音軸Ouの軸外波源となって、励起光Lの集光点と音響波レンズ40の焦点との共焦点関係が乖離する。その結果、音響波レンズ40により平面波に整形される光音響波Uは、プリズム22の面22bと平行にならないため、プリズム22の面22aと媒質23との境界で反射されて面22cから射出される平面波も、面22cに対して傾斜して射出されることになる。そのため、光音響対物光学系を光音響顕微鏡に適用して、プリズム22の面22cから射出される光音響波Uを、面22cに音響波検出部50を接合して検出する場合に、所望の検出感度が得られない場合がある。又は、面22cと光軸Ooとのなす角を非平行にする必要がある。
これに対し、図3(b)に示すように、励起光Lの集光点に音軸Ouが一致するように、音響波レンズ40を集光部10の光軸OoからY(+)方向にδYずらして配置すると、音響波レンズ40により平面波に整形される光音響波Uは、プリズム22の面22bと平行になる。その結果、プリズム22の面22aと媒質23との境界で反射されて面22cから射出される平面波も、面22cに対して平行に射出されることになる。したがって、プリズム22の面22cに音響波検出部50を接合して光音響波Uを検出する場合、十分な検出感度が得られることになる。なお、図3(a)、(b)において、δYは誇張して示している。
(第3実施の形態)
図4は、第3実施の形態に係る光音響対物光学系の要部の概略構成図である。本実施の形態に係る光音響対物光学系は、図2に示した構成において、収差補正部30を構成する光学素子31を、音響波反射部20を構成するプリズム21の励起光Lの入射面21bに接合して一体化したものである。なお、音響波レンズ40は、励起光Lの集光点に音軸が一致するように、音軸を集光部10の光軸Ooからずらして配置されていることが好ましい。
このように、音響波反射部20と収差補正部30とを一体化すれば、第2実施の形態の効果に加えて、組立等が容易になり、コストダウンが図れる利点がある。
(第4実施の形態)
図5は、第4実施の形態に係る光音響対物光学系の要部の概略構成図である。本実施の形態に係る光音響対物光学系は、図4に示した構成において、収差補正部30がアナモルフィック光学面の一種であるトロイダル光学面32aを有するトロイダル光学素子32からなるものである。
トロイダル光学面32aは、図5に部分拡大斜視図を示すように、YZ平面で曲線zを定義し、該曲線zをY軸に平行な軸の周りに回転してZ軸と交差させた面形状を有する。YZ平面での曲線zは、YZ平面での曲率c、コーニック定数k、及びポリノミアル非球面係数α〜αを用いて、下式により定義される。
Figure 2015004570
したがって、本実施の形態においても第3実施の形態と同様の効果が得られる。なお、本実施の形態の場合、音響波反射部20を経た励起光Lは集光部10の光軸OoからY(−)方向にずれた位置に集光するので、音響波レンズ40は、励起光Lの集光点に音軸が一致するように、光軸OoからY(−)方向にずらして配置されることが好ましい。
(第5実施の形態)
図6は、第5実施の形態に係る光音響対物光学系の要部の概略構成図である。本実施の形態に係る光音響対物光学系は、図4に示した構成において、収差補正部30が2個のプリズム34、35を有する。プリズム34、35は、それぞれ台形状をなし、プリズム34の励起光Lの入射面34aが集光部10の光軸Ooに直交し、プリズム35の励起光Lの射出面35aが音響波反射部20のプリズム21の入射面21bに接合されている。また、プリズム34の面34b及びプリズム35の面35bは、音響波反射部20のプリズム21、22の対向面が傾斜しているYZ平面内で、光軸Ooに対して傾斜して間隙を介して平行に対向している。プリズム34、35は、例えば音響波反射部20のプリズム21、22と同様にN−BK7等からなる。なお、プリズム34の面34bとプリズム35の面35bとの間隙は、音響波反射部20のプリズム21、22の媒質23と同様にシリコーンオイルでもよく、液層、空気層であってもよい。
本実施の形態によると、集光部10の光軸Ooに対して、プリズム34、35の対向面の傾斜角度を適切に設定することにより、上記実施の形態と同様に、集光部10からの励起光Lの収束光が音響波反射部20を透過する際に発生する非軸対称の非点収差やコマ収差を補正することができ、音響波対物光学系全体での励起光Lの非軸対称な収差の発生を軽減することができる。なお、本実施の形態の場合、音響波反射部20を経た励起光Lは、第4実施の形態の場合と同様に、集光部10の光軸OoからY(−)方向にずれた位置に集光するので、音響波レンズ40は、励起光Lの集光点に音軸が一致するように、光軸OoからY(−)方向にずらして配置されることが好ましい。
(第6実施の形態)
図7は、第6実施の形態に係る光音響対物光学系の要部の概略構成図である。本実施の形態に係る光音響対物光学系は、図2に示した構成において、光学素子31を省略し、音響波反射部20のプリズム21の入射面21bを、プリズム21、22の対向面の傾斜方向と同じ方向に集光部10の光軸Ooに対して傾斜させることにより、当該入射面21bを収差補正部30として機能させるようにしたものである。
本実施の形態によると、集光部10の光軸Ooに対するプリズム21の入射面21bの傾斜角度を適切に設定することにより、上記実施の形態と同様に、集光部10からの励起光Lの収束光が音響波反射部20を透過する際に発生する非軸対称の収差を補正することができ、音響波対物光学系全体での励起光Lの非軸対称な収差の発生を軽減することができる。しかも、音響波反射部20のプリズム21の入射面21bを、収差補正部30として共用しているので、部品点数を削減でき、コストダウンが図れる。なお、図7においては、入射面21bの傾斜を誇張して示している。また、本実施の形態の場合、音響波反射部20を経た励起光Lは、第1実施の形態の場合と同様に、集光部10の光軸OoからY(+)方向にずれた位置に集光するので、音響波レンズ40は、励起光Lの集光点に音軸が一致するように、光軸OoからY(+)方向にずらして配置されることが好ましい。
(第7実施の形態)
図8は、第7実施の形態に係る光音響対物光学系の要部の概略構成図である。本実施の形態に係る光音響対物光学系は、図5に示した構成において、トロイダル光学面32aを有するトロイダル光学素子32を省略し、音響波反射部20を構成するプリズム22の面(音響波の反射面)22aをトロイダル光学面とすることにより、当該反射面22aを収差補正部30として機能させるようにしたものである。なお、図8においては、反射面22aのトロイダル面形状を誇張して示している。
したがって、本実施の形態によると、第4実施の形態と同様の効果が得られる他、音響波反射部20のプリズム22の反射面22aを収差補正部30として共用しているので、第6実施の形態と同様に部品点数を削減でき、コストダウンが図れる。なお、本実施の形態の場合、音響波反射部20を経た励起光Lは、第4実施の形態の場合と同様に、集光部10の光軸OoからY(−)方向にずれた位置に集光するので、音響波レンズ40は、励起光Lの集光点に音軸が一致するように、光軸OoからY(−)方向にずらして配置されることが好ましい。
(第8実施の形態)
図9は、第8実施の形態に係る光音響対物光学系の要部の概略構成図である。本実施の形態に係る光音響対物光学系は、図2に示した構成において、光学素子31を省略し、音響波反射部20のプリズム21の入射面21b及びプリズム22の射出面22bを、集光部10の光軸Ooに対してそれぞれ同一方向に傾斜させて、これら入射面21b及び射出面22bを収差補正部30として機能させるようにしたものである。
ここで、入射面21b及び射出面22bの傾斜は、例えば、入射面21b及び射出面22bをそれぞれ研磨して形成してもよいし、入射面21b内のX方向の軸を中心に音響波反射部20の全体を所定角度回転させることで傾斜させてもよい。なお、図9においては、音響波反射部20の全体をX(+)方向に見て右回りに誇張して回転させた場合を例示している。
本実施の形態によると、集光部10の光軸Ooに対する音響波反射部20の入射面21b及び射出面22bの傾斜角度を適切に設定することにより、上記実施の形態と同様に、集光部10からの励起光Lの収束光が音響波反射部20を透過する際に発生する非軸対称の収差を補正することができ、音響波対物光学系全体での励起光Lの非軸対称な収差の発生を軽減することができる。特に、音響波反射部20の全体を回転させて入射面21b及び射出面22bを傾斜させる場合は、入射面21b及び射出面22bの加工が不要となるので、コストダウンが図れる。なお、本実施の形態の場合、音響波反射部20を経た励起光Lは、集光部10の光軸OoからY(−)方向にずれた位置に集光するので、音響波レンズ40は、励起光Lの集光点に音軸が一致するように、光軸OoからY(−)方向にずらして配置されることが好ましい。
(第9実施の形態)
図10は、第9実施の形態に係る光音響対物光学系の要部の概略構成図である。本実施の形態に係る光音響対物光学系は、図2に示した構成において、集光部10がレンズ等の複数の光学素子を有して構成され、収差補正部30を構成する光学素子31が集光部10内の位置、例えば射出瞳位置に配置されたものである。
本実施の形態においても第2実施の形態と同様に、集光部10からの励起光Lの収束光が音響波反射部20を透過する際に発生する非軸対称の収差を光学素子31により補正することができ、音響波対物光学系全体での励起光Lの非軸対称な収差の発生を軽減することができる。なお、本実施の形態の場合、音響波反射部20を経た励起光Lは、集光部10の光軸OoからY(−)方向に若干ずれた位置に集光するので、音響波レンズ40は、励起光Lの集光点に音軸が一致するように、光軸OoからY(−)方向にずらして配置されることが好ましい。
(第10実施の形態)
図11は、第10実施の形態に係る光音響対物光学系の要部の概略構成図である。本実施の形態に係る光音響対物光学系は、図2に示した構成において、集光部10と音響波反射部20との間の励起光Lの光路中に、偶数次非球面36aを有する非球面素子36をさらに配置して、光学素子31及び非球面素子36により収差補正部30を構成したものである。なお、非球面素子36は、光学素子31よりも物体側又は像側に配置することができるが、図11は物体側に配置した場合を例示している。
非球面素子36は、励起光Lが音響波レンズ40を透過することにより発生する軸対称な収差を補正する。音響波レンズ40は、光学的にパワーを持つ球面レンズである場合、励起光Lの収束光が音響波レンズ40を透過すると、高次の軸対称の収差が発生する。また、励起光Lの収束光が音響波反射部20を透過する際に微小な高次の軸対称収差が発生すると、その軸対称収差は、励起光Lが音響波レンズ40を透過する際に増幅される。
本実施の形態においては、非球面素子36により、上述した励起光Lの高次の軸対称収差を補正する。ここで、非球面素子36の偶数次非球面36aのサグzは、動径座標r、曲率c、コーニック定数k、及びポリノミアル非球面係数α〜αを用いて、下式により定義される。
Figure 2015004570
本実施の形態によると、収差補正部30により励起光Lの非軸対称の収差と軸対称の収差とを補正することができる。したがって、例えば光音響顕微鏡に適用した場合は、対象物Sを高精度でイメージングすることが可能となる。また、非球面素子36を設けるので、集光部10のNAが大きい場合にも、高次の軸対称収差を補正することができる。なお、本実施の形態の場合、音響波反射部20を経た励起光Lは、集光部10の光軸OoからY(+)方向にずれた位置に集光するので、音響波レンズ40は、励起光Lの集光点に音軸が一致するように、光軸OoからY(+)方向にずらして配置されることが好ましい。
以上、光音響対物光学系の実施の形態について説明したが、本発明に係る光音響対物光学系は、上記実施の形態に限らず、種々の変形や変更、組み合わせ等が可能である。例えば、図4〜図11において、音響波レンズ40は省略してもよい。また、図5または図6において、収差補正部30と、音響反射部20と、を接合せずに分離して配置してもよい。また、図10に示したように、集光部10がレンズ等の複数の光学素子を有して構成される場合は、図5又は図6に示した収差補正部30を、音響波反射部20から分離して集光部10内に配置してもよい。また、音響波レンズ40は、球面であっても非球面であっても構わない。また、対象物Sと音響波反射部20と間は、好ましくは音響波伝達媒体が充填される。
また、第10実施の形態に示した非球面素子36は、他の実施の形態にも適用することができる。この場合、音響波レンズ40は、有っても無くてもよい。つまり、非球面素子36は、上述したように主として音響波レンズ40による軸対称収差を補正するものであるが、音響波レンズ40が無い場合でも、音響波反射部20により生じる微小な軸対称収差を補正できる効果がある。また、集光部10がレンズ等の複数の光学素子を有する場合において、収差補正部30を非軸対称収差補正用の光学素子と軸対称収差補正用の非球面素子36との2つの収差補正用光学素子を有して構成される場合は、2つの収差補正用光学素子のいずれか一方又は双方を集光部10内に配置してもよい。
また、音響波レンズ40は、例えば図12に示すように、音響波反射部20を構成するプリズム22の音響波の射出面22cに接合して設けてもよい。この場合、プリズム22の射出面22cと音響波レンズ40のレンズ面40aとの隙間には、好ましくは音響波伝達媒体を充填される。このような構成の光音響対物光学系を光音響顕微鏡に適用する場合は、音響波レンズ40に音響波検出部を接合することができる。
次に、上述した本発明に係る光音響対物光学系を用いる光音響顕微鏡の実施の形態について説明する。
(第11実施の形態)
図13は、第11実施の形態に係る光音響顕微鏡の要部の概略構成図である。本実施の形態に係る光音響顕微鏡は、パルス光源60から射出される励起光Lを、光走査部61により偏向して光音響対物光学系62を経て対象物Sに集光スポットとして照射させる。また、励起光Lの照射により対象物Sから発生する光音響波Uは、光音響対物光学系62を経て音響波検出部50により検出される。
パルス光源60は、例えば、対象物Sが生体で、生体内の血管をイメージングする場合、ヘモグロビンの吸収波長の励起光Lを射出する。なお、観察対象は血管に限定するものではなく、メラニン等の内因性物質のイメージングに適用することが可能である。この際、励起光Lは対象となる物質の吸収波長域の光を用いればよい。また、蛍光体や金属ナノ粒子等の外因性物質のイメージングに適用することも可能である。この際、励起光Lは、蛍光体の場合には対象となる蛍光体の吸収波長域の光を、金属ナノ粒子の場合には対象となる金属ナノ粒子の共鳴波長域の光をそれぞれ用いればよい。また、対象物S内に複数の吸収体が存在する場合には、観察対象物の特徴的な吸収スペクトルのピークの波長の光を用いるのが望ましい。パルス光源60は、制御部63によりパルス光の発光タイミングが制御される。
光走査部61は、例えば、2個のガルバノミラーを有し、対象物S内を励起光Lの集光スポットにより光音響対物光学系62の光軸Ooと直交する平面内で二次元走査するように、制御部63によりパルス光源60の発光タイミングに同期して駆動制御される。
光音響対物光学系62は、上述した第1〜10実施の形態や変形例で説明した本発明に係る光音響対物光学系のいずれかが用いられる。図13は、図2に示した光音響対物光学系を用いた場合を例示している。この場合、励起光Lの照射により対象物Sから発生する光音響波Uは、音響波レンズ40により平面波状に波面整形されて音響波反射部20のプリズム22に入射し、プリズム22の面22aと媒質23との境界で反射されて射出面22cから射出される。なお、少なくとも音響波レンズ40と対象物Sとの間は、光音響波Uが伝播し易い水やグリセリン等の音響波伝達媒体が充填されるのが好ましい。
音響波検出部50は、例えば、圧電素子を用いた超音波トランスデューサーや、光干渉を用いたファビリペロー型干渉計からなり、プリズム22の射出面22cに接合して配置される。音響波検出部50の出力は、信号処理部64に供給される。
信号処理部64は、制御部63による光走査部61の駆動に同期して、すなわち対象物Sを二次元走査する際の励起光Lの照射タイミングに同期して、音響波検出部50から得られる出力信号と励起光Lの照射位置との対応関係をデータ化する。例えば、信号処理部64は、励起光Lの照射位置と取得した信号強度とを対応付けても良いし、励起光Lの照射位置と取得した出力波形とを対応付けてもよい。また、信号処理部64は、対象物Sの走査面のデータを画像化する場合、例えば図示しない画像記憶部にデータを記憶してモニタに表示する。なお、信号処理部64は、制御部63に内蔵されてもよい。
本実施の形態に係る光音響顕微鏡によると、光音響対物光学系62により非軸対称の収差が軽減された励起光Lを対象物Sに照射できるので、対象物Sを高精度で顕微観察することができる。なお、図13において、光走査部61は、例えば1個のガルバノミラーを有し、該ガルバノミラーにより励起光Lの集光スポットの主走査を行い、副走査は対象物Sが載置される標本ステージを移動させて行うように構成されてもよい。
10 集光部
20 音響波反射部
21、22 プリズム
21b 入射面
22a 反射面
22b、22c 射出面
23 媒質
30 収差補正部
31 光学素子
32 トロイダル光学素子
32a トロイダル光学面
34、35 プリズム
36 非球面素子
36a 偶数次非球面
40 音響波レンズ
50 音響波検出部
60 パルス光源
61 光走査部
62 光音響対物光学系
63 制御部
64 信号処理部
L 励起光
U 光音響波
S 対象物

Claims (15)

  1. 励起光を収束させる集光部と、
    前記集光部からの前記励起光を透過させ、該励起光の射出面から入射する音響波を反射させる音響波反射部と、
    前記励起光が前記音響波反射部を透過する際に該励起光に発生する非軸対称な収差を補正する光学面を有する収差補正部と、
    を備える光音響対物光学系。
  2. 前記収差補正部は、平面である入射面と、平面である射出面と、を備え、前記収差補正部の入射面及び射出面の少なくとも一方が前記集光部の光軸に対して、傾斜している光学素子からなる、ことを特徴とする請求項1に記載の光音響対物光学系。
  3. 前記光学面は、トロイダル光学面からなる、ことを特徴とする請求項1に記載の光音響対物光学系。
  4. 前記収差補正部は、光学面を対向させた少なくとも2個のプリズムを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の光音響対物光学系。
  5. 前記収差補正部は、前記音響波反射部の前記励起光の入射面に接合されている、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の光音響対物光学系。
  6. 前記トロイダル光学面は、前記音響波反射部の前記音響波の反射面に形成されている、ことを特徴とする請求項3に記載の光音響対物光学系。
  7. 前記音響波反射部の前記励起光の入射面は、前記集光部の光軸に対して傾斜しており、前記入射面が前記光学面を構成する、ことを特徴とする請求項1に記載の光音響対物光学系。
  8. 前記音響波反射部の前記励起光の入射面及び射出面は、前記集光部の光軸に対してそれぞれ同一方向に傾斜しており、前記入射面及び前記射出面がそれぞれ前記光学面を構成する、ことを特徴とする請求項1に記載の光音響対物光学系。
  9. 前記集光部は、複数の光学素子からなり、
    前記収差補正部は、前記集光部内において隣接する前記光学素子間に配置されている、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の光音響対物光学系。
  10. 音響波レンズをさらに備える、ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の光音響対物光学系。
  11. 前記励起光の集光点と前記音響波レンズの焦点とが一致する方向に、前記音響波レンズの音軸と前記集光部の光軸とがずれている、ことを特徴とする請求項10に記載の光音響対物光学系。
  12. 前記音響波レンズは、前記励起光を透過するように、前記音響波反射部の前記励起光の射出面に接合されている、ことを特徴とする請求項10又は11に記載の光音響対物光学系。
  13. 前記収差補正部は、前記励起光の軸対称な収差を補正する光学面をさらに有する、ことを特徴とする請求項12に記載の光音響対物光学系。
  14. 前記光学面は、偶数次非球面形状からなる、ことを特徴とする請求項13に記載の光音響対物光学系。
  15. 請求項1から14のいずれか一項に記載の光音響対物光学系と、
    前記光音響対物光学系を経て対象物に照射される前記励起光を偏向して前記対象物を走査する光走査部と、
    前記音響波反射部で反射される前記対象物からの音響波を検出する音響波検出部と、
    を備える光音響顕微鏡。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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