JPWO2011093108A1 - 超音波プローブおよびそれを用いた超音波検査装置 - Google Patents

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Abstract

構造的に分解能を向上させることが可能な超音波プローブを提供することを目的とする。この超音波プローブは、被検体(11)に超音波を送信する超音波プローブ(12)と、被検体(11)内部の組織で反射した超音波を、光を用いて検出する光プローブ(13)と、を備え、前記超音波プローブ(12)の開口は、前記光プローブ(13)の開口よりも大きい。それにより、被検体(11)からの反射波(超音波)を大開口で検出するので、送信される超音波の幅と比較して高い分解能が得られる。

Description

本発明は、超音波プローブおよびそれを用いた超音波検査装置に関し、特に、超音波を受信もしくは送受信して超音波画像を得る超音波プローブおよび、それを用いた超音波検査装置に関する。
超音波検査装置は、超音波を被検体内に送波し、被検体内で反射される反射波に基づいて被検体内部の情報を画像化する装置である。このような超音波検査装置は、リアルタイム性、簡便さ、非侵襲性などの特徴を有するため、心臓の拍動や胎児の様子の観察等、生体を被検体とする用途にも利用されている。また、超音波検査装置は、近年では乳癌検査等にも用いられるようになってきており、さらに高い空間分解能が求められている。
超音波検査装置の空間分解能は、深さ方向の距離分解能と方位方向の方位分解能とに分けられる。距離分解能は送信ビームのパルス長に依存し、パルス波に含まれる波数が少ないほど、また、超音波の周波数が高いほど、良い分解能が得られる。この距離分解能は、CT並の分解能を実現することも可能である。一方、方位分解能は、送受信される超音波ビームの方位方向の幅(以後、ビーム幅)に依存するため、従来、近距離から遠距離まで広い範囲で高い分解能を実現するのが困難であった。
このため、広範囲で高い空間分解能を必要とする超音波検査装置では、送受信される超音波ビームの焦点位置を制御できるように構成された、アレイ型の超音波プローブが用いられるようになってきた。このアレイ型の超音波プローブは、複数の振動子を1次元または2次元に配列して構成され、各振動子に電圧が印加されるタイミングが制御されることにより、送信ビームまたは受信ビームの焦点位置が制御される。
このような超音波プローブを用いた場合に空間分解能を向上させる方法の例として、深度方向に焦点位置を変えながら送信ビームを複数回送波し、各送信ビームの焦点位置付近からの反射波の信号を合成する、いわゆる多段フォーカス法(例えば、特許文献1)を用いる方法がある。また、受信ビームの焦点位置を深度方向にずらしながら信号の受信を行う、いわゆるダイナミックフォーカス法(例えば、特許文献2)も実用化されている。また、受信した信号を一旦、デジタルメモリに記憶させ、求めたい焦点位置に応じて受信信号を呼び出して整相加算を行うデジタルビームフォーミング(例えば、特許文献3)を用いる方法も半導体技術の向上により実現可能となっている。
しかしながら、このようなアレイ型の超音波プローブのうち、特に2次元のアレイプローブでは、振動子を構成する圧電素子の微細加工と、多数の圧電素子への配線とを行うことは技術的に難しい。
それに対し、多数の圧電素子への電気的配線を不要にする方法として、超音波信号を光信号に変換して検出する方式のセンサが提案されており、ファイバブラッググレーティングを用いる方法や、ファブリー・ペロー共振器構造を用いる方法が報告されている。また、2次元の検出面を有する光検出方式の超音波センサを用いる方法も提案されている(例えば、特許文献4)。
特開2002−058671号公報 特開2004−313485号公報 特開2001−276058号公報 特開2004−000482号公報
しかしながら、前記従来技術では、以下に説明するように、超音波検査装置の方位分解能向上の点で十分ではなく、さらに、それぞれ課題を有している。
例えば、特許文献1に開示された構成では、同じ方向に対して焦点深さを変えて複数回、超音波を送受信する必要があるため、広範囲で高い分解能を得ようとすると撮像時間の増加が課題となる。それに対し、特許文献2および特許文献3に記載された構成は、1回の送信に対して受信ビームの焦点位置を複数設定して分解能を高めることができるため、撮像時間を増やさずに広範囲の分解能を向上させることができる。
しかし、特許文献1〜3に開示された方式はいずれも、信号の検出方法および検出した信号の処理で分解能を向上させる方法であり、構造的に分解能を向上させるものではない。ただし、これらの方式と構造的に高い分解能を実現する構成とを組み合わせれば、さらに高い分解能が実現できることは推察できる。
また、特許文献4に開示された構成は、受信した信号を光信号に変換して検出することにより圧電素子の微細加工や電気的配線を不用とし、2次元のアレイプローブを可能としている。しかし、受信装置の信号検出方法、特にS/Nを向上させる検討のみであり、分解能に関する検討は全くなされていない。
本発明は、上述の事情を鑑みてなされたもので、構造的に分解能を向上させることが可能な超音波プローブ、およびそれを用いた超音波検査装置を提供することを目的とする。
上記従来の目的を達成するために、本発明に係る一態様の超音波プローブは、被検体に超音波を送信する超音波送信部と、前記被検体内部の組織で反射した超音波を、光を用いて検出する超音波検出部と、を備え、前記超音波検出部の前記被検体内部の組織で反射した超音波を検出するための領域の面積は、前記超音波送信部の前記被検体に超音波を送信するための領域の面積よりも大きい。
本構成によれば、被検体からの反射波(超音波)を大開口で検出することができるので、送信される超音波の幅と比較すると高い分解能が得られる。また、送信する超音波の幅を広げるとともに、走査ピッチを広げることができるため、走査を行う際の超音波の送受信の回数を少なくでき、撮像時間の短縮を図ることができる。
また、超音波エコーを光で検出することにより、超音波検出部は、配線が不用になり、多数の受信スポットを容易に2次元的に配列する構成ができる。
それにより、構造的に分解能を向上させることが可能な超音波プローブを実現することができる。
ここで、前記超音波検出部は、光源と、前記光源が出射した光を前記被検体上に照射する光学系と、前記被検体上からの反射光を受光し、当該反射光に応じた信号を検出する受光素子と、を備え、前記超音波検出部は、前記被検体の表面に伝搬した超音波による前記被検体の表面の振動を、前記受光素子で検出される信号の変化から検出することにより、前記被検体内部の組織で反射した超音波を検出するとしてもよい。
この構成により、光を用いて超音波を検出できる構成を実現できるので、配線が不用になり、多点化および大面積化が容易となる。
また、前記超音波検出部は、さらに、被検体上に前記被検体に密着して配置され、前記被検体内部の組織で反射した超音波による前記被検体の表面の振動に応じて、前記被検体上に照射された光を反射する反射体を有し、前記超音波検出部は、前記反射体により反射された光を前記反射光として受光素子が受光することにより、前記被検体内部の組織で反射した超音波を検出するとしてもよい。
この構成により、光源からの光は反射体に照射され、光源からの光が直接被検体に照射されないので、被検体の安全が確保できる。また、光源からの光は、反射体により反射されるので、照射した光の減衰が抑制でき、十分な光量の確保できる。
また、前記超音波検出部は、前記光源が出射した光を検査用の第1光と参照用の第2光とに分岐する光分岐素子を備え、前記光学系は、前記光分岐素子により分岐された前記第1光を前記被検体上に照射するとともに、前記被検体上で反射した前記第1光に前記光分岐素子により分岐された前記第2光と合波させた光を前記反射光として前記受光素子に受光させ、前記合波させた反射光は、前記反射した第1光と前記第2光との光周波数の差に応じたビート周波数を有し、前記被検体の表面に伝搬した超音波による前記被検体の表面の振動に応じて周波数変調され、前記超音波検出部は、前記被検体の表面に伝搬した超音波による前記被検体の表面の振動を、前記受光素子で検出される前記合波させた反射光の周波数変調による信号の変化から検出することにより、前記被検体内部の組織で反射した超音波を検出するとしてもよい。
この構成により、光学系をヘテロダイン干渉光学系で構成でき、干渉光を検出することで、被検体内部の組織で反射した超音波を検出することができる。
ここで、前記光分岐素子は、前記光源が出射した光の一部を前記第1光として透過し、他部を前記第2光として反射する半透過素子で構成されているとしてもよい。
この構成により、被検体の近くで参照光と検出光とを分離できるため、振動(体動)ノイズを低減できるという効果を奏する。
また、前記反射体は、複数の領域を有し、前記被検体に密着して形成され、前記被検体の表面の振動を示す超音波を前記複数の検出領域ごとに収束させる超音波収束部と、前記超音波収束部の前記被検体と密着しない方の面に形成され、前記被検体上に照射された光を反射する第1の反射素子とを備え、前記超音波収束部は、前記被検体の表面の振動を示す超音波を、前記複数の検出領域ごとに収束させて前記第1の反射素子に増幅して伝搬し、前記第1の反射素子は、増幅した当該超音波に応じて変化される反射率で、前記被検体上に照射された光を反射するとしてもよい。
この構成により、ファブリー・ペロー共振器構造を実現でき、この共振器構造による反射率変化の検出することで、被検体内部の組織で反射した超音波を検出することができる。また、この共振器構造により、被検体内部の組織で反射した超音波を増幅することにより受信感度を向上することができる。
ここで、例えば、前記第1の反射素子は、異なる屈折率を有する膜を交互に積層して形成された第1多層膜および第2多層膜と、前記第2の多層膜を、前記複数の領域ごとに分割するためのスリットと、前記第1多層膜および前記第2多層膜の間に形成され、前記スリットにより分割された前記第2の多層膜の一端を固定するスペーサと、を有し、前記スペーサは、第1多層膜および前記第2多層膜の間に空間を構成し、前記第1の反射素子は、前記超音波収束部により収束された前記超音波を、分割された前記第2の多層膜ミラーの固定されていない他端付近に伝搬することにより、前記第2多層膜ミラーが歪んで、伝搬された当該超音波を増幅するとしてもよい。また、前記第1の反射素子は、異なる屈折率を有する膜を交互に積層して形成された第1多層膜および第2多層膜と、前記第2の多層膜を、前記複数の領域ごとに分割するためのスリットと、前記第1多層膜および前記第2多層膜の間に形成され、前記スリットにより分割された前記第2の多層膜のうち少なくとも1つおきの当該第2の多層膜の一端を固定するスペーサと、を有し、前記第1の反射素子は、前記超音波収束部により収束された前記超音波を、分割された当該第2の多層膜ミラーの中央、あるいは、重心位置に伝搬することにより、前記第2多層膜ミラーが歪んで、伝搬された当該超音波を増幅するとしてもよい。また、前記光源は、波長幅の狭い前記光を出射し、前記第1の反射素子は、異なる屈折率を有する膜を交互に積層して形成され、略等しい反射特性を有する第1多層膜および第2多層膜と、前記第1多層膜が形成され、前記光源からの照明光が入射される基板と、を備え、前記第1多層膜は、共振器構造となるように前記第2多層膜と対向配置され、前記第1の反射素子は、前記超音波収束部により収束された前記超音波が伝搬することにより、前記共振器構造の共振器長を変動させて、前記被検体上に照射された光を反射する反射光量を変動させるとしてもよい。
このとき、前記超音波検出部は、前記光源が出射する前記光の波長を、前記第1の反射素子での反射率が最小となるように調整した後に、前記被検体内部の組織で反射した超音波を、光を用いて検出するとしてもよい。
この構成により、光を用いて超音波を検出する時の反射率の変化率を向上させることができ、受信感度を向上することができる。
また、上記従来の目的を達成するために、本発明に係る一態様の超音波検査装置は上記本発明に係る一態様の超音波プローブを備える。
また、前記被検体に密着させて用いられ、前記超音波送信部および前記超音波検出部の一部が構成される検査部と、前記超音波送信部および前記超音波検出部の他部が少なくとも構成される本体部とを有し、前記本体部は、前記光源と、前記受光素子と、前記光学系の一部を少なくとも有するとしてもよい。
また、さらに、前記超音波送信部が超音波を送信するタイミングを制御する制御部を備え、前記制御部は、前記超音波送信部が超音波を送信した後の経過時間に応じて、前記光源から出射する光の光量を制御するとしてもよい。
この構成により、照射光量の調節でゲインコントロールを行えるので、超音波検査装置を構成する回路を簡略化できるという効果を奏する。
本発明によれば、構造的に分解能を向上させることが可能な超音波プローブ、およびそれを用いた超音波検査装置を実現できる。具体的には、本発明の超音波プローブおよびそれを用いた超音波検査装置によれば、高い分解能が得られるとともに、撮像時間を短縮することができるという効果を奏する。
図1Aは、本発明の実施の形態1における超音波検査装置の概略構成図である。 図1Bは、本発明の実施の形態1における超音波検査装置の概略構成図である。 図2は、本発明の実施の形態1における光プローブの具体的構成を示す図である。 図3は、本発明の実施の形態1における光検出器で検出される参照光と検出光との信号波形を説明するための図である。 図4Aは、本発明の実施の形態1における光検出器の出力波形を説明するための図である。 図4Bは、本発明の実施の形態1における光検出器の出力波形を説明するための図である。 図5Aは、本発明の実施の形態1における超音波検査装置の分解能を説明するための図である。 図5Bは、本発明の実施の形態1における超音波検査装置の分解能を説明するための図である。 図6は、本発明の実施の形態1における光プローブの具体的構成の変形例を示す図である。 図7は、本発明の実施の形態1における光プローブの他の具体的構成を示す図である。 図8は、本発明の実施の形態1における超音波検査装置の検査用プローブの他の構成を示す図である。 図9は、本発明の実施の形態1における光プローブの具体的構成の変形例を示す図である。 図10Aは、本発明の実施の形態1における光プローブの他の具体的構成を示す図である。 図10Bは、本発明の実施の形態1における光プローブの他の具体的構成を示す図である。 図11Aは、本発明の実施の形態2における光プローブおよび受信部の構成を示す図である。 図11Bは、本発明の実施の形態2における光プローブおよび受信部の具体的構成を示す図である。 図12Aは、本発明の実施の形態2における超音波検出素子の概略構成を示す模式図である。 図12Bは、図12Aに示す超音波検出素子の分光特性を示す図である。 図13Aは、本発明の実施の形態2における超音波検出素子製造方法を説明するための図である。 図13Bは、本発明の実施の形態2における超音波検出素子製造方法を説明するための図である。 図13Cは、本発明の実施の形態2における超音波検出素子製造方法を説明するための図である。 図13Dは、本発明の実施の形態2における超音波検出素子製造方法を説明するための図である。 図14Aは、本発明の実施の形態3における超音波検出素子の構成の変形例を示す図である。 図14Bは、本発明の実施の形態3における超音波検出素子の構成の変形例を示す図である。 図15Aは、本発明の実施の形態3における超音波検出素子の構成の別の変形例を示す図である。 図15Bは、本発明の実施の形態3における超音波検出素子の構成の別の変形例を示す図である。 図16Aは、本発明の実施の形態3の変形例1における光プローブおよび受信部の構成を示す図である。 図16Bは、本発明の実施の形態3の変形例1における光プローブおよび受信部の構成を示す図である。 図17は、本発明の実施の形態3の変形例2における超音波検出素子の概略構成を示す図である。 図18Aは、本発明の実施の形態4における振動子群および検出素子群の配置を示す概略構成図である。 図18Bは、本発明の実施の形態4における振動子群および検出素子群の配置を示す概略構成図である。 図19Aは、本発明の実施の形態4における振動子群および検出素子群の別の配置を示す概略構成図である。 図19Bは、本発明の実施の形態4における振動子群および検出素子群の別の配置を示す概略構成図である。 図20Aは、本発明の実施の形態4の変形例1における超音波検査装置の構成を示す図である。 図20Bは、本発明の実施の形態4の変形例1における超音波検査装置の構成を示す図である。 図21Aは、本発明の実施の形態4の変形例2における超音波検査装置の構成を示す図である。 図21Bは、本発明の実施の形態4の変形例2における超音波検査装置の構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同じ要素には同じ符号を付しており、説明を省略する場合もある。また、図面は、理解しやすくするためにそれぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、形状等については正確な表示ではない場合がある。
(実施の形態1)
図1Aおよび図1Bは、本発明の実施の形態1における超音波検査装置10の概略構成図である。図1Aは構成を示すブロック図であり、図1Bは、超音波検査装置10の検査用プローブにおいて、超音波の送受信を行うポイントの配置を示している。
超音波検査装置10は、超音波を被検体11に送信する超音波プローブ12と、被検体11の表面の微小振動を光で検出し、その情報を変調して出力する光プローブ13と、光プローブ13の出力信号を復調して得られる検出信号を増幅およびデジタル変換して出力する受信部14と、受信部14から出力された信号を用いてデジタルビームフォーミングなどの整相加算を行う信号処理部15と、信号処理部15で生成された3次元データに基づいて、3次元画像のレンダリング処理等を施す画像処理部16と、処理を施された画像データに基づいて画像を表示する画像表示部17と、超音波プローブ12が超音波を送信するための駆動信号を発生する送信部18と、所定のタイミングで駆動信号を発生するように送信部18を制御する制御部19とを有している。また、信号処理部15は、受信部14から出力された検出信号を記憶する記憶部15aと、記憶部15aに記憶された信号データに基づいてビームフォーミング処理を行う演算処理部15bと、演算処理部15bで得られた情報を3次元データとして記憶する画像メモリ15cとを有している。
図1Bに示すように、超音波検査装置10の検査用プローブは、超音波の送信を行う超音波プローブ12の振動子121の周りに、超音波の受信を行う光プローブ13の受信スポット131が配置されて構成されている。ただし、図1Bに示した構成は一例であり、送信部の開口より受信部の開口が大きくなるように超音波プローブ12と光プローブ13とが別体で構成されていれば、別の配置でも良い。また、振動子121と各受信スポット131は平面状に配置されている必要は無く、相対的な位置関係が分かっていれば、被検体の形状に沿って配置されていてもよい。なお、超音波プローブ12と光プローブ13とが別体で構成されるが、超音波検査装置10の検査用プローブとして1つの筐体に備えられる。そして、図1Bに示すように検査用プローブの構成として超音波の送受信を行うポイントが配置されている。換言すると、超音波検査装置10の検査用プローブは、超音波プローブ12と光プローブ13とを別体で備え、超音波の送受信を行うポイントが2次元的に配置される。
より具体的には、検査用プローブは、超音波プローブ12の少なくとも超音波を送信する機能を有する構成と、光プローブ13の少なくとも被検体11の表面の微小振動を光の情報にして受信する機能を有する構成とを備えればよい。そのため、超音波検査装置10では、検査用プローブと、検査用プローブ以外の他の構成を備える装置本体部(診断装置側)とで構成される。つまり、装置本体部は、超音波プローブ12と光プローブ13とのうち検査用プローブに構成されていない構成部分と、受信部14と、信号処理部15と、画像処理部16と、画像表示部17と、送信部18と、制御部19とを備える。
超音波プローブ12は、本発明における超音波送信部に相当し、被検体に超音波を送信する。具体的には、超音波プローブ12は、複数の振動子を2次元的に配列した振動子アレイで構成され、各振動子はPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミック等からなる圧電素子に、電極を形成して構成されている。振動子アレイは、各振動子の電極に送信部18から送られる遅延処理を施されたパルス状の電圧を印加することにより、超音波パルスを発生させるとともに、発生させた超音波をフォーカスおよび偏向できるように構成されている。この構成により、超音波プローブ12は、3次元方向に超音波26を送信してセクタ走査が行える。なお、超音波プローブ12はメカニカル揺動型のプローブで構成されることにより、3次元走査できるとしてもよい。
光プローブ13は、本発明における超音波検出部に相当し、被検体内部の組織で反射した超音波(超音波エコー28)を、光を用いて検出する。そして、光プローブ13の被検体11内部の組織で反射した超音波を検出するための領域の面積(開口)は、超音波プローブ12の被検体11に超音波を送信するための領域の面積(開口)よりも大きい。また、光プローブ13は、光源と、光源が出射した光を被検体11上に照射する光学系と、被検体11上からの反射光を受光し、当該反射光に応じた信号を検出する受光素子と、を備え、光プローブ13は、被検体11の表面に伝搬した超音波による被検体11の表面の振動を、前記受光素子で検出される信号の変化から検出することにより、被検体11の内部の組織で反射した超音波(超音波エコー28)を検出する。
換言すると、光プローブ13は、例えばヘテロダイン干渉光学系またはファブリー・ペロー共振器構造により構成され、典型的にはヘテロダイン干渉光学系により構成される。以下では、光プローブ13は、ヘテロダイン干渉光学系により構成されるとして説明する。すなわち、光プローブ13は、周波数変調されたレーザ光を検出光と参照光とに分離し、検出光を被検体11の表面に配置した超音波検出素子に照射するとともに、超音波検出素子で反射した検出光を参照光とを干渉させて検出を行うように構成されている。また、光プローブ13は、検出した信号(出力信号)を受信部14に出力する。この出力信号は搬送波をFM(Frequency Modulation)変調した波形となっている。
そして、この出力信号を受信部14で復調することにより被検体11表面の微小振動、すなわち、超音波エコーの情報が得られる。この光プローブ13の具体的構成および信号の検出原理については後述する。
図2は、本発明の実施の形態1における光プローブ13の具体的構成を示す図である。
図2において、光プローブ13は、光源と、光源が出射した光を前記被検体の表面に照射する光学系と、被検体の表面からの反射光を受光する光検出器42とを備える。
具体的には、光源は、局所的に注入電流と発信波長とが線形に変化する動作区間を有する半導体レーザ31と、半導体レーザ31に供給する電流を変調する電流変調器30とで構成される。光学系は、半導体レーザ31を出射したレーザ光をコリメートするコリメートレンズ32と、P偏光成分を透過し、S偏光成分を反射する偏光ビームスプリッタ33と、偏光ビームスプリッタ33を透過した直線偏光の光を円偏光に変換する1/4波長板34と、光束径を拡大するためのレンズ35および36と、レンズアレイ37と、被検体11とレンズアレイ37の距離を一定に保つためのスペーサ38と、偏光ビームスプリッタ33で反射された光を反射するミラー39および40と、ハーフミラー41とで構成されている。光検出器42は、本発明における受光素子に相当し、複数の光電変換器が2次元に配列され、被検体の表面からの反射光を受光する。また、光プローブ13は、被検体11上に、被検体11表面の変位を伝える反射体43が配置されている。
ここで、反射体43は、本発明における反射体に相当し、被検体11上に被検体11に密着して配置され、被検体11内部の組織で反射した超音波による被検体11の表面の振動に応じて、被検体11上に照射された光を反射する。この構成により、光源からの光は反射体に照射され、光源からの光が直接被検体11に照射されないので、被検体11の安全が確保できる。また、光源からの光は、反射体により反射されるので、照射した光の減衰が抑制でき、十分な光量の確保できる。
半導体レーザ31は、電流変調器30を用いて注入電流に鋸歯状の電流を重畳することにより、出射光の光周波数が鋸歯状に変調されたレーザ光44が出射するように構成されている。なお、以下では、光の波長の変調周波数を光周波数と記載し、強度(振幅)の変調と区別記載する。ここで、半導体レーザ31により出射されるレーザ光44は、偏光ビームスプリッタ33に対してP偏光成分およびS偏光成分を持つように構成され、偏光ビームスプリッタ33で一部が透過、一部が反射して、透過光45aおよび参照光46に分離される。
スペーサ38は、レンズアレイ37の焦点距離とほぼ等しい長さで構成され、レンズアレイ37から出射した光が反射体43上に集光し、受信スポット131を形成するように構成されている。
図3は、本発明の実施の形態1における光検出器42で検出される参照光と検出光との信号波形を説明するための図である。ここで、図3において、縦軸は光周波数、横軸は時間を示している。
図3に示すように、参照光の信号波形51と検出光の信号波形52とは時間△tだけずれた波形となる。これは、参照光と検出光とが偏光ビームスプリッタ33で分離された後、光検出器42に到達するまでの間に通過する経路に光路差があるためである。ここで、偏光ビームスプリッタ33と被検体11表面との距離をL/2、光速をcとすると、光路差はLであるので、△t=L/cだけ信号波形がずれることとなる。このとき、光検出器42で受光される参照光と検出光との光周波数には僅かに差が生じるため、光検出器42では、この差周波(以後、ビート周波数)fb=△ν・fm・△tのビート信号が検出される。例えば、レーザ光44の鋸歯状波の繰り返し周波数fm=10MHz、光周波数の変動幅△ν=15GHz、参照光と検出光の光路差L=40mm、とした場合、ビート周波数fbは20MHzとなる。
被検体11の表面が超音波エコー28の伝搬により振動している場合は、被検体11表面で反射する検出光はドップラーシフトにより光周波数がわずかにずれるので、光検出器42で検出されるビート信号も同様にドップラーシフトを受ける。このため、光検出器42で検出される信号は、ビート信号を中心周波数とするFM信号となり、このFM信号を復調することにより、被検体11の内部で反射してきた超音波エコー28による振動を検出することができる。
ここで、例えば、超音波エコー28による被検体11表面の変動振幅を0.5nm、超音波エコー28の周波数を5MHzとすると、被検体11表面の変動速度vは最大0.0157m/s、である。このとき、光源の波長λ=683nm、とすると、ドップラーシフトの周波数fbは、fb=4πv/λ=289kHzとなる。したがって、ビート周波数が20MHzの場合、光検出器42で検出される信号の周波数は19.71〜20.29MHzの間でFM変調されたものとなる。このことについて図を用いて説明する。
図4Aおよび図4Bは、本発明の実施の形態1における光検出器42の出力波形を説明するための図である。図4Aはドップラーシフトが無い場合を示しており、図4Bはドップラーシフトがある場合を示している。
被検体11内部に超音波が送信されておらず被検体11の表面に振動がない場合は、図4Aに示すような、参照光と検出光との光路差Lに応じたビート周波数の搬送波が検出される。一方、被検体11内部に超音波が送信され被検体11の表面が振動している場合は、図4Bに示すように搬送波がFM変調されるので、この信号を復調することにより、超音波エコー28による被検体表面の振動(以後、エコー信号)の検出を行うことができる。
次に、上記のように構成された超音波検査装置10の動作について図1Aおよび図1Bを用いて具体的に説明する。
図1Aにおいて、まず、制御部19は、所定のタイミングで駆動信号を発生するように送信部18を制御する。送信部18は、超音波プローブ12が送信する超音波をフォーカス及び偏向させるための遅延処理を行った駆動パルスを、超音波プローブ12の複数の振動子それぞれに供給する。
超音波プローブ12は、送信部18から送られた駆動パルスに従い、各振動子から超音波26を送信して所定の波面を形成する。なお、この超音波26はこの波面に従い所定の方向に向かって進行する。そして、超音波プローブ12から送信された超音波26は、被検体11内部の音響インピーダンスの異なる組織の界面で反射され、超音波エコー28となって被検体11の表面に伝搬し、反射体43に超音波による振動を伝達する。反射体43に伝わった超音波エコー28は、光プローブ13の複数の受信ポイントである振動子121でその振動変位が検出され、エコー信号として受信される。
ここで、このときのエコー信号検出動作を、図を用いて詳しく説明する。まず、図2および図3に示すように、電流変調器30で注入電流を変調することにより半導体レーザ31から光周波数が変調されたレーザ光44が出射される。このレーザ光44は、コリメートレンズ32で平行光に変換され、偏光ビームスプリッタ33に入射し、P偏光成分の検出光(透過光)45とS偏光成分の参照光(反射光)46とに分離される。検査光である検出光45は、1/4波長板34で円偏光に変換され、レンズ35および36で光束が拡大される。光束が拡大された円偏向の検出光45は、レンズアレイ37を透過して反射体43上に複数のスポットを形成する。一方、参照光46はミラー39および40によりハーフミラー41に導かれる。なお、この偏光ビームスプリッタ33により、検出光(透過光)45と参照光(反射光)とに分離することにより、被検体11の近くで参照光と検出光とが分離できるため、振動(体動)ノイズを低減できるという効果を奏する。
このとき、被検体11の表面に超音波エコー28による振動が伝わると、反射体43で反射している検出光45は、ドップラーシフトにより光周波数が僅かにずれる。そして、光周波数が僅かにずれた検出光45は、再びレンズ36および35を透過して1/4波長板34に入射し、S偏光の直線偏光に変換されて偏光ビームスプリッタ33に入射し、偏光ビームスプリッタ33で反射されてハーフミラー41に入射する。その結果、ハーフミラー41を透過した検出光45と、ハーフミラー41で反射した参照光46とが合波されて光検出器42に入射する。光検出器42は、この合波を受光することにより、ビート信号等の信号を検出する。
このようにして検出された信号は、参照光と検出光との光路差に応じたビート周波数を中心周波数としてFM変調された信号であり、受信部14でFM変調を復調することにより超音波エコー28の検出信号が得られる。
再び図1Aに戻り、説明を続ける。受信部14で復調され、さらに増幅された複数のエコー信号は、デジタル信号に変換され、記憶部15aに記憶される。ここで記憶部15aに記憶されたエコー信号に基づいて、演算処理部15bで整相加算すなわち超音波26の送信経路(以後、音線)に沿った領域のビームフォーミング処理が行われ、得られた音線上のデータが画像メモリ15cに記憶される。
以上の動作は超音波プローブ12から送信される超音波26の音線を被検体内で走査しながら行われ、検査領域全体の情報が演算されて画像メモリ15cに保存される。画像メモリ15cに保存された3次元データは、画像処理部16で3次元画像のレンダリング処理が施され、画像表示部17で画像が表示される。
次に、以上のように構成された超音波検査装置10の分解能について説明する。ここで、方位分解能は、方位方向に配置された2点の反射点を考えた場合、2点からのエコー信号の位相の違いが区別できる最小の距離と考えることができる。この方位分解能の条件を、図を用いて説明する。
図5Aおよび図5Bは、本発明の実施の形態1における超音波検査装置10の分解能を説明するための図である。図5Aは方位分解能の説明図であり、図5Bは図5AのB部の拡大図である。図5Bにおいて、raはAA’の距離、θは点AおよびA’から受信スポット131の両端P、Qを見る仰角を示している。ここで、raに比べ反射点AおよびA’と振動子121との距離は十分大きいとすると、AおよびA’の仰角θは同じと仮定できる。
このとき、P点とQ点が対称の位置にあるとすれば、AP−A’P=A’Q−AQ=ra・sinθと近似できる。エコー信号の位相の違いが位相差πで検出できるとすると、分解能 ra=λ/(2・sinθ)となる。ここでλは超音波の波長である。
このことから、方位分解能は波長λに比例し、sinθに反比例するのがわかる。しかし、波長λを下げる、すなわち周波数を上げると方位分解能は向上するが、被検体内での減衰が大きくなるという課題がある。そこで、本実施の形態では、上述したように、光検出を用いることにより光プローブの受信スポット131の開口を広げθを大きくすることができる。このようにして、本実施の形態によれば、従来の構成と比べて良好な方位分解能を実現できるという効果を奏する。
また、受信開口を広げて分解能を向上させているので、送信する超音波ビームを比較的に幅広くすることができ、走査ピッチを広げられる。そのため、超音波の送受信回数を減らすことができる。これにより、撮像時間の短縮が可能となる。
以上に説明したように本実施の形態1の超音波検査装置10は、超音波を送信する超音波プローブ12の開口よりも、超音波を受信する光プローブ13の開口を大きくしたことにより、分解能を大幅に改善することができるという効果を奏する。また、送信する超音波ビームの幅を広げるとともに、走査ピッチも広げられるので撮像時間を短縮することができるという効果を奏する。
また、超音波エコーを光で検出する構成としたことにより、多数の受信スポットを2次元的に配列する構成が容易となっている。
なお、本実施の形態では、被検体表面の振動を検出するためにヘテロダイン干渉光学系を応用しており、光源から出射するレーザ光の光周波数を鋸歯状に変調することで、参照光と検出光の光路差に依存したビート信号が検出されるように構成している。しかし、参照光と検出光とをそれぞれ分岐した後で、AOM(Acoust Optic Modulator:光変調素子)等の一般的な構成を用いて、参照光と検出光の少なくとも一方の光周波数をずらすことによりビート信号を発生させるように構成してもよい。
また、本実施の形態では、超音波プローブ12は超音波の送信のみを行うとしているが、それに限らない。超音波プローブ12は、送信部18から送られた駆動パルスに従うだけでなく、超音波プローブ12が受信した信号も利用して演算することにより、各振動子から送信する超音波26のS/Nの改善を図るとしてもよい。
また、上記では、光プローブ13として被検体11表面の超音波振動をヘテロダイン干渉光学系で検出する構成を例に挙げて説明した。上記では、ヘテロダイン干渉光学系を検査プローブに配置すること場合の例について説明したがそれに限らない。つまり、例えば、この光学系を必ずしも検査プローブに配置する必要はなく、本体の装置側に光学系を配置し、光ファイバ等で検出光を送受信するように構成するとしてもよい。以下、この場合について説明する。
図6は、本発明の実施の形態1における光プローブの具体的構成の変形例を示す図である。すなわち、図6に示す光プローブ13aは、図2に示したヘテロダイン干渉光学系を備える光プローブ13の変形例である。図6において、図2と異なるのは、光ファイバ束61の構成のみである。なお、図示していないが、光ファイバ束61の被検体11側の端部には、屈折率分布型のGRINレンズが配置されており、反射体43上に集光するように構成されている。
このように構成すると、ヘテロダイン干渉光学系を、プローブ側でなく診断装置側に配置できるため、検査プローブを小型化することができるという効果を奏する。また、診断装置が備えるプローブとして光プローブ13を複数設けとしても、光ファイバ束61を用いて、各位置からの検出光を一カ所にまとめることにより、一つのヘテロダイン干渉光学系で複数の場所の信号検出をすることができる。それにより、診断装置のサイズおよび診断装置の製造コストを低減できるというさらなる効果も奏する。
また、上記では、被検体上の微小変位、振動を検出する光学系として、ヘテロダイン干渉光学系を用いる例を挙げて説明したが、それに限らない。例えば、ファブリー・ペロー共振器構造を用いた構成またはその他の干渉光学系を用いるとしてもよい。また、超音波の伝搬により生じる微小な歪みにより光学特性が変化するように反射体43を構成し、この光学特性の変化を光検出するように構成するとしてもよい。いずれの場合も、超音波を光で検出することにより、電気配線を減らすことができるので、受信スポット131を多点化し易いという効果を奏する。
また、例えば、光プローブ13は、被検体11内部の組織の超音波振動を検出する構成としてもよい。この構成例について以下説明する。
図7は、本発明の実施の形態1における超音波検査装置の検査用プローブの他の具体的構成を示す図である。
図7において、光プローブ13bは、ブロードバンド光を被検体11の内部に送信するように構成された送信ファイバ64と、被検体内部を透過したブロードバンド光を検出する受信ファイバ65とを有している。また、図示していないが、送信ファイバ64は複数の波長の光を出射(送信)するブロードバンド光源に接続され、受信ファイバ65は分光器および受光素子に接続されており、吸光度を検出できるように構成されている。なお、複数波長の光を出射する光源であれば、ブロードバンド光源に限られない。
この構成において、超音波エコー28が被検体の表面付近に到達すると、その皮下組織で散乱、吸収を起こしている組織の光学特性が変化する。その変化量はその局所的な光学特性を反映しているので、検出光から得られる吸光度の変化から超音波を検出することができる。
ここで、送信ファイバ64を介して送信する光の大きさ(ベクトルの長さ)より、受信ファイバ65を介して受信する光の大きさ(ベクトルの長さ)が短く示されている。これは、被検体11の内部に送信された光は、被検体11の内部を通過した後に、受信ファイバ65に達するため、被検体11の内部で光は減衰されてしまうからである。
このように構成すると、光プローブ13はファイバのみで構成できるので、超音波検査装置に備える検査プローブを非常に小型化できるという効果を奏する。
なお、被検体11内部の組織の超音波振動を検出する構成としては、図7に示す超音波検査装置の検査用プローブとは別の構成例も考えられる。例えば、超音波検査装置の検査用プローブにおいて超音波を送信する超音波プローブ12の振動子121に代えて音響波を送信する光源221を配置する構成も考えられる。以下、その構成例について説明する。
図8は、本発明の実施の形態1における超音波検査装置の検査用プローブの他の構成を示す図である。図8は、光音響イメージングと呼ばれるPAT(Photo Acoustic Tomography)技術を用いた検査装置の概略構成を示している。この光音響イメージングは、生体(被検体11)にレーザ光などを照射し、入射した光に基づいて得られる生体内の情報を画像化する光イメージング装置の一つである。
この装置では、光源221から発生したパルス光を生体(被検体11)に照射し、生体内で伝播・拡散したパルス光のエネルギーを吸収した生体組織から発生した音響波を受信スポット131で検出する。具体的には、腫瘍などの被検部位とそれ以外の組織との光エネルギーの吸収率の差を利用し、被検部位が照射された光エネルギーを吸収して瞬間的に膨張する際に発生する弾性波を受信することで生体組織から発生した音響波を検出する。そして、この検出信号を解析処理することにより、生体内の光学特性分布、特に、光エネルギー吸収密度分布を得ることができる。
上記構成の装置においても、生体組織で発生した音響波を、光プローブを用いて大開口で検出することができるので、腫瘍などの生体組織を高い分解能で検出することができるという効果を奏する。
次に、本発明の実施の形態1における光プローブ13のさらに別の具体的構成について説明する。
図9は、本発明の実施の形態1における光プローブの具体的構成の変形例を示す図である。なお、図2と同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
図9において、光プローブ13cは、局所的に注入電流と発信波長とが線形に変化する動作区間を有する半導体レーザ31と、半導体レーザ31に供給する電流を変調する電流変調器30と、半導体レーザ31を出射したレーザ光44をコリメートするコリメートレンズ32と、P偏光成分を透過し、S偏光成分を反射する偏光ビームスプリッタ33と、レンズ35、36からなるビームエキスパンダと、例えばワイヤグリッド偏光板で構成され、透過軸方向の偏光を透過、それと直交する偏光成分を反射する偏光反射板57と、偏光反射板57を透過した光を被検体11上に集光して複数の受信スポットを形成するレンズアレイ37と、被検体11上に配置された反射体43と、反射体43上の各受信スポットに1対1に対応する複数の受光領域を有する光検出器42を備えて構成されている。
半導体レーザ31は、電流変調器30を用いて注入電流に鋸歯状の電流を重畳することにより、光周波数が変調されたレーザ光44が出射するように構成されている。
偏光反射板57は、透過軸が偏光ビームスプリッタ33におけるS偏光に対して略45度傾くように構成され、偏光反射板57に入射した光の一部は反射、一部は透過するように構成されている。
レンズアレイ37は、複数の受信スポットを形成するように構成されているが、この受信スポットは所定方向に1例に配列される構成としても、2次元のマトリックス状に配置される構成としてもよい。
また、反射体43上の受信スポットで反射した検出光は、レンズアレイ37に再入射する際、往路とは異なるレンズに入射すると、光検出器42上の対応する受光領域に入射しない。このような光は迷光となるため、アパーチャ40で遮光するように構成されている。
従来のヘテロダイン干渉光学系の構成は、計測器の内部で参照光を分離する構成であるため、計測器と測定物の間の振動によるノイズが、測定物単体の変位情報に加算されてS/Nを悪化させる課題がある。それに対して、図9に示すヘテロダイン干渉光学系を備える光プローブ13cの構成は、反射体43と、例えばワイヤグリッド偏光板の偏光反射板57との相対的な変位や振動を検出する構成である。そのため、周囲環境の振動によるノイズを低減することができる。
以下では、図2または図9に示したヘテロダイン干渉光学系を備える光プローブとは別の具体的構成について説明する。
図10Aおよび図10Bは、本発明の実施の形態1における光プローブの他の具体的構成を示す図である。図10Aおよび図10Bに示す光プローブ13dは、薄型化したヘテロダイン干渉光学系を備えている。ここで、図10Aは斜視図を示しており、図10Bは主要部の断面図を示している。なお、図2と同様の要素には同一の符号を付ししており、詳細な説明を省略する。
図10Aにおいて、光プローブ13dは、本発明における光学系として、半導体レーザ31と、電流変調器30と、コリメートレンズ32と、レーザ光44を線状の平行光に変換する導光棒71と、面状検出部72とを備える。
導光棒71は、光が出射する側面に対して略45度傾斜した傾斜面を有する偏向溝が複数形成された構造で構成され、導光棒71に入射した光を全反射により略90度偏向する。
面状検出部72は、例えば、図10Bに示す構造で構成される。具体的には、面状検出部72は、導光棒71から出射したレーザ光44を側面から入射され、主面73aから出射する導光板73と、導光板73の主面73aに隣接して配置された偏光反射板57と、レンズアレイ37と、導光板73を挟んで偏光反射板57の反対側に配置された偏光板74と、偏光板74を透過した光のうち、略垂直に入射した光のみを透過させる視野角制御シート75と、被検体11上の受光スポットに対応した受光領域を有する光検出器42とを備える。
なお、導光板73における主面73aに対向する面である対向面73bには、主面73aに対して略45度傾斜した傾斜面からなる複数の偏向面73cが形成されている。導光板73は、主面73aに対して略平行に入射された光を全反射により主面73aに垂直の方向に偏向し、主面73aから略垂直に出射するように構成されている。
偏光板74の透過軸は、偏光反射板57の透過軸と略45度を成すように構成されている。
視野角制御シート75は、光検出器42の各受光領域に、対応する受信スポット以外からの迷光が混入するのを防ぐ目的で配置されている。
続いて、以上のように構成された光プローブ13dの動作に説明する。
まず、光プローブ13dにおいて、光周波数が変調されたレーザ光44は、コリメートレンズ32でコリメートされ、導光棒71で線状の平行光に変換され、面状検出部72に入射する。面状検出部72の導光板73に入射したレーザ光44は、偏向面73cで偏向され、導光板73の主面73aから略垂直に出射し、偏光反射板57で参照光と検出光とに分離される。
次に、レンズアレイ37により被検体11表面に形成された複数の受信スポットで反射した検出光と、偏光反射板57で反射した参照光とは、導光板73を透過して偏光板74に入射する。ここで、参照光と検出光とは互いに偏光が直交しているが、どちらも偏光板74の透過軸に対して偏光が略45度回転している。そのため、それぞれ同じ偏光成分の光が偏光板74を透過し、略垂直に透過した光のみ視野角制御シート75を透過して光検出器42上で干渉し、光検出器42の各受光領域で検出される。
以上のように、検出された信号のFM変調を復調することで、各受信スポットでの振動を検出することができる。したがって、小型、薄型かつ、高解像度の光プローブの構成を実現することができる。それにより、解像度の高い超音波検査装置が実現できるという効果を奏する。
(実施の形態2)
実施の形態1では、光プローブがヘテロダイン光学系により構成される場合の例を説明したが、実施の形態2では、光プローブがファブリー・ペロー共振器構造により構成される場合の例について説明する。
図11Aおよび図11Bは、本発明の実施の形態2における光プローブおよび受信部の構成を示す図である。図11Aに示す構成は、光プローブ213内に光源221および受光素子を配置した構成を示しており、図11Bは、超音波検査装置(超音波診断装置)の装置本体部内すなわち受信部214に光源221、および受光素子である光検出器225が配置された構成を示している。ここで、図11Bは、図11Aに示す構成の具体的構成例に相当する。すなわち、図11Aの構成および動作は、光ファイバを用いて照明光、および検出光を伝送すること以外は図11Bと同じであるので、以下、図11Bを用いて説明する。
図11Bに示すように、光プローブ213および受信部214は、光ファイバ220と、数万本の光ファイバが配列され、画像を伝送可能なイメージファイバ230とで繋がれている。
受信部214は、波長幅が狭く(例えば50pm)、1000nm付近の任意波長で波長ロック動作が可能なレーザ光源である光源221と、光源221から出射したレーザ光222を集光する集光レンズ223とを備え、レーザ光222を光ファイバ220で送光する。また、受信部214は、イメージファイバ230で送られる画像を拡大する拡大レンズ224と、拡大された画像を受光するCCD、MOS型センサ、又は、複数のPD(フォトダイオード)で構成された2次元アレイの光検出器225とを備えている。
光プローブ213は、光ファイバ220で送光されたレーザ光222を平行光に変換するコリメートレンズ231と、レーザ光222を往路と復路とで分岐するハーフミラー232と、ビームエキスパンダ233と、被検体11表面に配置された超音波検出素子240と、超音波検出素子240で反射されたレーザ光222をイメージファイバ230に入射させる結像レンズ234とを備える。
超音波検出素子240は、例えば、図12Aに示すような多層膜ミラーで共振器を構成したファブリー・ペロー共振器で構成されている。ここで、図12Aは、超音波検出素子240の概略構成を示す模式図であり、図12Bは、図12Aに示す超音波検出素子240の分光特性を示す図である。ここで、横軸は波長(nm)、縦軸は反射率(%)を示している。
超音波検出素子240は、本発明の反射体に相当し、複数の領域を有し、被検体11に密着して形成され、被検体11の表面の振動を示す超音波を複数の検出領域ごとに収束させる音響整合材244と、音響整合材244の被検体11と密着しない方の面に形成され、被検体11上に照射された光を反射する第1の反射素子とを備える。具体的には、超音波検出素子240は、図12Aに示すように、多層膜ミラー241aおよび多層膜ミラー241bと、空気層242と、透明な基板243と、音響整合材244とが積層されて構成されている。ここで、音響整合材244は、本発明における超音波収束部に相当し、被検体11の表面の振動を示す超音波を、複数の検出領域ごとに収束させて第1の反射素子に伝搬する。また、多層膜ミラー241aおよび多層膜ミラー241bと、空気層242と、透明な基板243とは、本発明における第1の反射素子に相当する。第1の反射素子は、伝搬された当該超音波を増幅し、増幅した当該超音波に応じて変化される反射率で、被検体11上に照射された光を反射する。
多層膜ミラー241aおよび多層膜ミラー241bは、本発明の第1多層膜および第2多層膜に対応し、異なる屈折率を有する膜を交互に積層して形成される。具体的には、多層膜ミラー241aおよび多層膜ミラー241bは、低屈折率材料(例えば二酸化珪素(SiO))で構成された低屈折率層と、高屈折率材料(例えば二酸化チタン(TiO))で構成された高屈折率層とを交互に積層して形成される。ここで、多層膜ミラー241bには音響整合材244の歪みを伝達しやすいようにスリット246が設けられている。
スペーサ245は、多層膜ミラー241aおよび多層膜ミラー241bの間に形成(配置)され、スリット246により分割された多層膜ミラー241bの一端を固定する。スペーサ245は、多層膜ミラー241aおよび多層膜ミラー241bの間に空間を構成する。すなわち、スペーサ245は、多層膜ミラー241aと多層膜ミラー241bの間の空気層242の間隔を一定にする。
スリット246は、多層膜ミラー241bを複数の領域(以後、検出領域)に分割するように形成されており、スペーサ245はこの検出領域の端に配置されている。このように構成することにより、検出領域がスペーサ245を支点とした片持ち状態となり、スペーサ245が配置された側と反対側に変位を生じさせ易くしている。ここで、片持ち状態とは、一方だけで荷重の全てを支え、他方が完全に自由になっている状態をいう。
また、多層膜ミラー241aおよび多層膜ミラー241bを構成する各層の厚みは、それぞれ物理膜厚に屈折率を乗じて得られる光学膜厚が設定波長(例えば1000nm)の1/4に略等しくなるように構成されている。一方、空気層242は、初期状態で設定波長の1/2に略等しくなるように構成されるとともに、音響整合材244が歪むと、間隔が変化するように構成されている。
このように構成されることにより、超音波検出素子240は、音響整合材244により収束された超音波を、分割された多層膜ミラー241bの固定されていない他端付近に伝搬することにより、多層膜ミラー241bが歪んで、伝搬された当該超音波を増幅する。
換言すると、超音波検出素子240は、異なる屈折率を有する膜を交互に積層して形成され、略等しい反射特性を有する多層膜ミラー241aおよび多層膜ミラー241bと、前記光源からの照明光が入射される基板と、を備え、多層膜ミラー241aは、共振器構造となるように多層膜ミラー241bと対向配置される。超音波検出素子240は、音響整合材244により収束された前記超音波が伝搬することにより、共振器構造の共振器長を変動させて、被検体11上に照射された光を反射する反射光量を変動させる。
このように構成された超音波検出素子240の分光特性は、図12Bに示すように特定の波長に対して反射率が極めて低くなる。図12Bは、多層膜ミラー241aおよび多層膜ミラー241bがそれぞれ、SiOを4層、TiOを5層、積層して構成した場合の反射率の計算結果である。分光特性247aおよび分光特性247bはそれぞれ、空気層242の間隔が500.0nmおよび500.5nmの場合の特性を示している。例えば、波線248で示した波長の光を超音波検出素子240に照射した場合、空気層242の間隔が500nmから0.5nm変化すると、反射率が10%の状態から30%まで変化するのがわかる。
なお、超音波検出素子240は、多層膜ミラー241aおよび多層膜ミラー241bの層数を増やすことにより、空気層242の厚み変化量に対する反射率の変化を大きくすることができる。このように構成することにより微小変位の検出感度をさらに高めることができる。
次に、このように構成された本実施の形態の超音波検査装置10の動作について説明する。
実施の形態1と同様に、まず、超音波プローブ12から所定領域にフォーカスする超音波が被検体11に向けて送信される。このとき、制御部19は、所定のタイミングで駆動信号を発生するように送信部18を制御する。送信部18は、超音波プローブ12が送信する超音波をフォーカス及び偏向させるための遅延処理を行った駆動パルスを、超音波プローブ12の複数の振動子それぞれに供給する。
超音波プローブ12の振動子から送信された超音波は、被検体11内部の音響インピーダンスの異なる組織の界面で反射され、超音波エコー28となって被検体11の表面に到達し、光プローブ213に超音波エコー28による振動を伝達する。光プローブ213は超音波エコーの振動を反射率の変動に変換し、受信部214から送られる光を反射して反射光(画像)を受信部214に送り、受信部214は、光プローブ213から送られる反射光の反射光量分布の変動からエコー信号を検出する。
このときのエコー信号検出動作を、図11A〜図12Bを用いて詳しく説明する。まず、検査を行う前に受信部214の光源221の出射波長の調整が行われる。この時、出射波長を変えながら超音波検出素子240からの反射光量をモニタする。そして、例えば、超音波検出素子240での反射率が10%程度となるように出射波長を選定し、波長を固定する。
次に、エコー信号を検出するために光源221からレーザ光222が出射される。このとき、レーザ光222の出射光量は、超音波プローブ12から超音波が送信されてからの経過時間に応じて光量が増加するように制御部19により制御される。
出射光量が調整されて出射したレーザ光222は、集光レンズ223、および光ファイバ220を経由して光プローブ213に供給され、コリメートレンズ231、および、ビームエキスパンダ233を透過して超音波検出素子240を照明する。
このとき、図12Aに示すように、音響整合材244に被検体11からの超音波エコー249が伝わると、その振動により音響整合材244が歪み、同時に多層膜ミラー241bが歪むことにより、空気層242の間隔が変動する。ここで、空気層242の間隔が0.5nm程度変動したとすると、図12Bに示したように反射率は10%から30%まで変化するので、超音波エコー249を受信した瞬間に、受信した場所では局所的に反射光量が3倍になっている。
なお、超音波送信後の時間経過に応じて超音波エコー249の信号振幅は小さくなるため、それに伴い超音波検出素子240の反射率変化も小さくなる。そこで、本実施の形態では、時間経過に応じてレーザの光源221の出射光量が増加するように制御を行う。具体的には、制御部19は、超音波プローブ12が超音波を送信するタイミングを制御し、超音波プローブ12が超音波を送信した後の経過時間に応じて、上記光源から出射する光の光量を制御する。それにより、超音波エコー49の振幅が低下した場合でも反射光量の変動を検出することができるという効果を奏する。
また、レーザ光源である光源221の発光量制御に伴い、超音波エコー249の検出前の反射光量が高くなりすぎる場合は、時間経過とともにレーザ光222の波長を反射率が低下する方向にシフトさせてもよい。
または、レーザ光222の波長は、検査の最初から超音波検出素子240の反射率が最低となる波長に固定しておいてもよい。つまり、光プローブ13は、光源(半導体レーザ31と電流変調器30)が出射する光の波長を、超音波検出素子240での反射率が最小となるように調整した後に、被検体11内部の組織で反射した超音波を、光を用いて検出するとすればよい。この構成により、例えば、反射率をゼロとして調整することで、超音波エコー49の振幅の変動が微小でも、変動を大きく捉えるつまり反射率の変化率を向上させることができるので、受信感度を向上することができるという効果を奏する。
ところで、超音波検出素子240の分光特性は、多層膜ミラー241aおよび多層膜ミラー241bの製造時の膜厚誤差や周囲環境の変化でばらつく可能性がある。しかし、本実施の形態では、事前に分光特性を測定し、レーザ光源である光源221の波長を適切に設定することで、分光特性のばらつきによる検出感度の変化を抑えることができる。すなわち、本実施の形態によれば、製造し易く感度の高い超音波検出素子240を実現できる。
図11Bにおいて、超音波検出素子240が超音波エコー28(図12では超音波エコー249)を受信すると、超音波検出素子240上に超音波エコーの波紋(強度分布)が現れる。この波紋の画像は、ビームエキスパンダ233、ハーフミラー232、結像レンズ234、イメージファイバ230を経由して受信部214に送られ、拡大レンズ224で拡大され光検出器225で2次元の強度分布として受光される。そして、光検出器225で検出された検出信号は必要に応じてデータ量が調整され、電気信号に変換されてエコー信号として信号処理部15へ送られる。
なお、イメージファイバ230は、数万画素の画像を送信可能であるが、光検出器225の画素数はそれよりも少なくてもよい。後段の信号処理の負荷などを勘案して適切な画素数に設定するのが望ましい。例えば、光検出器225の画素数は数百から千程度としてもよい。このように構成しても、超音波エコー28を検出するのが圧電素子である場合と比べて、広範囲かつ多点のエコー信号の検出が可能となる。
また、光検出器225の画素の配置はマトリックスに限らない。不規則に散らした(スパース化)配置や、各画素の形状やサイズが異なる構成としてもよい。
また、検出された広範囲かつ多量のエコー信号は、実施の形態1と同様に、記憶部15aに記憶される。そして、ビームフォーミング処理が演算処理部15bで行われ、3次元データが画像メモリ15cに記憶される。このとき、広範囲かつ多量のエコー信号を処理することによりビームフォーミング処理の分解能が向上するとともに、S/Nの高い3次元データが得られる。
以上の動作を超音波の送信方向を変えながら行うことにより、被検体11内が高速に3次元走査され、検査領域全体の情報が演算されて画像メモリ15cに保存される。保存された検査領域全体の情報すなわち3次元データは、画像処理部16で3次元画像のレンダリング処理が施され、画像表示部17に画像が表示される。このような動作により、広範囲の超音波画像が高速かつ高解像度で得ることができる。
次に、図13A〜図13Dを用いて、超音波検出素子240の製造方法について説明する。図13A〜図13Dは、超音波検出素子240の製造方法を説明するための図であり、各工程の状態を模式的に示している。なお、図12Aおよび図12Bと同じ要素には同じ符号を付しており、説明を省略する。
まず、基板243上に高屈折率材料と低屈折率材料とを交互に積層した多層膜ミラー241aおよび多層膜ミラー241bを形成し(図13A)、音響整合材244上に高屈折率材料と低屈折率材料とを交互に積層した多層膜ミラー241bを形成する(図13B)。ここで、多層膜ミラー241bは、スリット246が形成されるようにマスキングして積層される。多層膜ミラー241aと多層膜ミラー241bとは同じ特性であることが望ましく、各層の膜厚ばらつき等の条件を合わせるため、例えば同じスパッタ装置で同時に形成されるのが望ましい。
次に、基板243上に形成された多層膜ミラー241aの一部にスペーサ245を形成する(図13C)。なお、このスペーサ245はスパッタ等でマスキングして積層することにより形成できる。スパッタで形成する場合には、スペーサ245の厚みを30nm程度に薄型化すると、検出感度は若干低下するが、スループットを大きく向上させることができる。
最後に、上記のようにスペーサ245および多層膜ミラー241aが形成された基板243と、多層膜ミラー241bが形成された音響整合材244とを、多層膜ミラー241aと241bとが対面するように配置する。次いで、スペーサ245とスリット246の位置が僅かにずれるように位置合わせを行って固定する(図13D)。
以上のようなプロセスで製造すると、大面積のものが比較的容易に製造可能である。したがって、大面積で製造した後に最後に裁断する工法で超音波検出素子240を製造することにより高い量産性が得られるという効果を奏する。
なお、以上のプロセス例は一例であり、それに限られない。他の製造方法を用いても本実施の形態の効果が変わらないことは言うまでもない。
以上に説明したように本実施の形態の超音波検査装置10では、実施の形態1と同様に超音波エコーの検出を光で行えるので、受信プローブに電気的配線が不要となり、超音波エコーの受信点を多点化できると共に広い領域に配置できる。これによりS/Nが向上するとともに、ビームフォーミングによる分解能を向上させることができるという効果を奏する。
また、超音波エコー28を検出するためのレーザ光222の波長、光量を時間経過に応じて適切に設定することにより、大きく減衰してしまった超音波エコー28の検出も可能となる。加えて、超音波検出素子240の膜厚誤差や周囲環境の変化による感度ばらつきを抑えることができる。また、超音波検出素子240は、共振器構造が片側10層程度の多層膜ミラーで構成された簡単な構造であり、さらに、大部分をスパッタで形成可能なため、製造プロセスが少なく、高いスループットが実現できる。これにより、低コストで量産が可能であり、また、受信プローブの小型化にも有利であるという効果を奏する。
(実施の形態3)
実施の形態2では、ファブリー・ペロー共振器構造により構成され、音響整合材を有する超音波検出素子を備える光プローブが、超音波エコーによる音響整合材の歪みを利用して超音波エコーを検出することについて説明した。実施の形態3では、光プローブがファブリー・ペロー共振器構造により構成されるものの、超音波検出素子が、音響整合材として、音響レンズや音響ミラーを備える場合の例について説明する。
図14Aおよび図14Bは、本発明の実施の形態3における超音波検出素子の構成の変形例を示す図である。なお、図12Aと同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
図14Aは音響レンズ351を用いた場合の構成例を示す図であり、図14Bは音響ミラー361を用いた場合の構成例を示す図である。図14Aおよび図14Bにおいて、図12Aと異なるのは、音響レンズ351および音響ミラー361のみであり、音響レンズ351および音響ミラー361により超音波エコー249の振幅を高めてから検出する。
図14Aに示す超音波検出素子340は、多層膜ミラー241bがスリット246により複数の検出領域に分割されている。そして、この検出領域ごとに、音響整合材344の内部に音響レンズ351が配置された構成となっている。
このように構成された超音波検出素子340に超音波エコー349が入射すると、音響レンズ351により検出領域ごとに超音波エコー349が収束されて多層膜ミラー241bに向かう。このとき、多層膜ミラー241bの底面では、超音波エコー349の振幅が増大されるので、空気層242の間隔の変動幅が増大され、超音波エコー349の検出感度を向上させることができる。
また、図14Bに示す超音波検出素子340aは、音響レンズ351の代わりに音響ミラー361を用いて構成されている。このように構成しても、超音波エコー349を音響ミラー361で反射させることにより、多層膜ミラー241bの底面に向けて収束させることができ、超音波エコー349の振幅を増大させることができる。したがって、図14Aに示す超音波検出素子340と同様に、検出感度を向上させることができる。
なお、図14Aに示すように超音波検出素子に音響レンズ351を用いる場合は、その界面で僅かに超音波エコー349の反射が生じてしまう。一方、図14Bに示すように超音波検出素子に音響ミラー361を用いる場合は、そのようなエネルギーの損失はないので、より効果的に感度を向上させることができる。
また、図14Bに示す超音波検出素子340aの構造は、さらに別の変形が考えられる。それを次に説明する。
図15Aおよび図15Bは、本発明の実施の形態3における超音波検出素子の構成の別の変形例を示す図である。なお、図12Aと同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
図15Aはくさび型の空気層を用いた場合の構成例を示す図であり、図15Bは音響整合材表面をくさび型にした場合の構成例を示す図である。
超音波検出素子340bは、被検体11の表面の振動を示す超音波の伝搬方向に向かって断面積が小さくなる突起状のテーパ部材と、テーパ部材の周囲に配置された、テーパ部材と音響インピーダンスの異なるミラー材とを備え、テーパ部材の内部を伝搬する超音波は、テーパ部材とミラー材との境界面で反射しながら前記第1の反射素子に伝搬する。具体的には、図15Aに示す超音波検出素子340bは、薄いフィルム362と無数の突起を有する音響整合材364とを、突起を介して張り合わせた構造である。
音響整合材364の突起は、本発明のテーパ部材に相当し、フィルム362に向かって断面積が徐々に小さくなるように構成される。空気層363は、本発明のミラー材に相当し、くさび型に形成されている。
また、多層膜ミラー241bはフィルム362上に形成され、音響整合材364の突起に対応するように検出領域が分割されている。
このように構成された超音波検出素子340bの音響整合材364に超音波エコー349bが入射すると、音響整合材364と空気層363との境界で超音波エコー349bが反射される。そのため、検出領域ごとに超音波エコー349bが収束され、多層膜ミラー241bの底面において超音波エコー349bの振幅が増大される。これにより、空気層242の間隔の変動幅が増大され、超音波エコー349bの検出感度を向上させることができる。さらにこの構成では、空気層363で反射面を形成することにより、音響整合材364がより変形しやすくなっており、高い検出感度が実現できるという効果を奏する。
なお、図15Bに示す超音波検出素子340cのように、フィルム362の表面に配置した音響ミラー365で被検体11を変形させ、被検体11が突起部11aを形成するように構成してもよい。このとき、被検体11と音響ミラー365との間の隙間は、変形して隙間を埋めることの出来る、液体あるいはゲル状の音響整合材で埋めるのが望ましい。
このように構成しても、超音波エコー349cを収束させて振幅を増大させることができるので検出感度を向上させることができる。さらにこの構成では、フィルム362に直接、増幅された超音波エコー349cを伝搬させるので、損失を抑えることができるという効果を奏する。
なお、本実施の形態では、1つの検出領域に1つのスペーサを配置する構成を例に挙げて説明したが、必ずしも全ての検出領域に1つずつスペーサを配置する必要はない。例えば、スペーサを多層膜ミラー241aおよび多層膜ミラー241bの間に形成し、スリット246により分割された多層膜ミラー241bの多層膜のうち少なくとも1つおきの多層膜ミラー241bの一端を固定するとしてもよい。そして、スペーサを配置しない検出領域とスペーサを配置する検出領域とにおいて、スペーサを配置しない検出領域では、各反射領域の中央あるいは重心位置に、超音波を収束させて伝搬させることにより、前記第2多層膜ミラーが歪んで、伝搬された当該超音波を増幅するが望ましい。このように構成することにより、多層膜ミラー241bの底面に超音波エコーが伝搬した際に反射領域の傾きが抑えられ、共振器長の変動幅も大きくなるので、検出感度が向上する。
また、本実施の形態の超音波検出素子240、340、340a、340b、340cにおいて、共振器媒質を空気層242としたが、空気以外の気体、および、液体を用いて構成してもよく、同様の効果が得られる。
また、多層膜ミラー241aおよび多層膜ミラー241bは、金属ミラー、あるいは、屈折率が反射面内で周期的に変化するように構成されたフォトニック結晶ミラーや入射光の波長以下の微細な格子を用いたサブ波長格子を用いてもよく、同様の効果が得られる。
(変形例1)
本実施の形態では、光プローブがファブリー・ペロー共振器構造により構成される場合について説明してきた。以下、変形例として、光プローブがヘテロダイン干渉系で構成されている場合について説明する。
図16Aおよび図16Bは、本発明の実施の形態3の変形例1における光プローブおよび受信部の構成を示す図である。図16Aに示す構成は光プローブ313および受信部314の概略構成図を示しており、図16B示す構成は超音波検出素子331の概略構成図を示している。本変形例において、実施の形態3における超音波検査装置の構成と異なるのは、光プローブ313および受信部314のみであり、その他の部分は同じであるので説明を省略する。また、図11Aおよび図11Bと同じ構成要素は、同じ符号を付し、説明を省略する。
本変形例にかかる超音波検査装置10の光プローブ313および受信部314は、被検体11の表面が超音波により変動するのを、光ヘテロダイン法で検出するように構成されている。
図16Aにおいて、光プローブ313と受信部314とは、図12に示す構成と同様に光ファイバ220、および、イメージファイバ230で繋がれている。本変形例では、受信部214の光源は、半導体レーザ371と電流変調器372とからなり、電流変調器372により半導体レーザ371の注入電流に鋸歯状の電流を重畳し、出射光の光周波数を鋸歯状に周波数変調したレーザ光373を出射するように構成されている。また、光ファイバ220の出射端には、屈折率分布型のGRINレンズが配置され、光ファイバ220から出射する光をコリメートするように構成されている。
光プローブ313は、光ファイバ220で送光されたレーザ光373を線状の平行光に変換する導光棒374と、超音波検出素子331とを備える。光プローブ313は、超音波検出素子331の上面380aに現れる超音波エコーの波紋の画像をイメージファイバ230で伝送するように構成されている。
超音波検出素子331は、例えば、図16Bに示すような光ヘテロダイン干渉系を有する構造で構成される。具体的には、超音波検出素子331は、導光棒374から出射したレーザ光373を側面から入射させ、一方の主面381aから出射する導光板381と、導光板381の主面381aに隣接して配置されたワイヤグリッド偏光板382と、ワイヤグリッド偏光板382を透過した光を反射させる反射板383と、導光板381を挟んでワイヤグリッド偏光板382の反対側に配置された偏光板384と、偏光板384を透過した光を投影するスクリーン385とを備える。
導光棒374は、光が出射する側面に対して略45度傾斜した傾斜面を有する偏向溝が複数形成された構造であり、導光棒374に入射した光を全反射により略90度偏向する。
導光板381の対向面381bには、主面381aに対して略45度傾斜した傾斜面からなる複数の偏向面381cが形成されている。導光板381は、主面381aに対して略平行に入射した光を全反射により主面381aに向けて偏向し、主面381aから略垂直に出射する。
反射板383は、無数の突起を有する音響整合材364の突起部の上面に配置され、各突起部が検出領域となるように構成されている。
ワイヤグリッド偏光板382と偏光板384の透過軸は、略45度ずらして構成されている。また、ワイヤグリッド偏光板382で反射したレーザ光373aの一部と、ワイヤグリッド偏光板382を透過した後、反射板383で反射したレーザ光373bの一部とが偏光板384を透過するように構成されている。
次に、このように構成された本変形例の超音波検出動作について図16Aおよび図16Bを用いて説明する。
まず、半導体レーザ371から電流変調器372で光周波数が変調されたレーザ光373が出射される。このレーザ光373は、集光レンズ223、および光ファイバ220を経由して光プローブ313に供給される。供給されたレーザ光373は、図示していないGRINレンズによりコリメートされて光ファイバ220から出射し、導光棒374で線状の平行光に変換され、超音波検出素子380に入射する。そして、超音波検出素子331の導光板381に入射したレーザ光373は、偏向面381cで偏向され、導光板381の主面381aから略垂直に出射し、ワイヤグリッド偏光板382で一部が透過、一部が反射する。
ワイヤグリッド偏光板382で反射したレーザ光373aは、導光板381を透過して偏光板384に入射し、ワイヤグリッド偏光板382を透過したレーザ光373bは、反射板383で反射し、再びワイヤグリッド偏光板382、導光板381を経由して偏光板384に入射する。
このとき、音響整合材364に被検体11からの超音波エコー349dが伝わると、検出領域ごとに、音響整合材364の突起部により超音波エコー349dが収束され、振幅が増幅されて反射板383を振動させる。これにより、反射板383で反射されるレーザ光373bはドップラーシフトにより光周波数が僅かにずれる。
偏光板384に到達したレーザ光373aとレーザ光373bとは偏光が直交しているが、偏光板384の透過軸は、これらの偏光に対して略45度となるように構成されている。そのため、どちらのレーザ光も一部は偏光板384を透過して合波される。合波されたレーザ光373aおよびレーザ光373bは同じ偏光となっているのでスクリーン385上で干渉光として重ね合わされる。この干渉光の強度分布は、イメージファイバ230を経由して受信部314に送られ、拡大レンズ224で拡大され光検出器225で2次元の強度分布として受光される。
ここで、スクリーン385上で観測される、ある領域の干渉光の強度は、レーザ光373aとレーザ光373bとの光路長差に応じたビート信号となり、反射板383が振動するとビート信号の周波数ずれとなって現れる。したがって、光検出器225で検出された信号からFM変調されたビート信号を復調することにより2次元面内のエコー信号の検出を行うことができる。
なお、レーザ変位計などで用いられる光ヘテロダイン法の構成は、計測器の内部で参照光を分離する構成であるため、計測器と測定物の間の振動によるノイズが、測定物単体の変位情報に加算されてS/Nを悪化させる課題がある。それに対して、本変形例の構成は、ワイヤグリッド偏光板382と反射板383との相対的な変位または振動を検出する構成としているので、周囲環境の振動によるノイズを低減することができるという効果を奏する。
以上のように、超音波を検出する構成としても、超音波エコーの検出を光で行えるので、受信プローブに電気的配線が不要となり、超音波エコーの受信点を多点化できると共に広い領域に配置できる。これによりS/Nが向上するとともに、ビームフォーミングによる分解能を向上させることができる。また、超音波検出素子331は、光源の波長幅や、製造ばらつき等に対する精度が緩く、生産性がよい。
なお、本変形例の超音波検出素子240、340、340a、340b、340c、331は検出に機械的な共振を用いていないので、超音波の周波数に関わらず検出が可能である。そのため、用途に合わせた複数の周波数の超音波プローブ(送信プローブ)と組み合わせて利用することができる。したがって、複数の周波数の異なる送信プローブを用いるユーザに対して、プローブのコストを削減することができる。
(変形例2)
図16Bに示す超音波検出素子331では、音響整合材364と反射板383とを備えることで、超音波エコー349dの振動の情報を含むビート信号を作成したが、それに限られない。超音波エコーの振動の情報を含むビート信号を作成できれば足りるため、音響整合材364と反射板383とを備えない別の構成も考えられる。その一例を変形例2として以下に説明する。
図17は、本発明の実施の形態3の変形例2における超音波検出素子の概略構成を示す図である。なお、図16Bと同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。図17に示す超音波検出素子331aは、上記変形例1における超音波検出素子331の構成と比べて、音響整合材364と反射板383とを備えず、棒体386を備えている点のみ構成が異なる。その他の部分は同じであるので説明を省略する。
図17に示す超音波検出素子331aでは、超音波エコー349eの振動の情報を含むビート信号を作成できればよいため、棒体386で被検体11を変形させ、被検体11が突起部11bを形成するように構成する。このとき、被検体11と棒体386との間の隙間は、空気層387となっている。ただし、この空気層387は、棒体386で被検体11を変形させた際の隙間(空気層)であるので、液体あるいはゲル状の音響整合材で埋められるとしてもよい。
このように構成しても、棒体386で変形された被検体11の突起部11bにより超音波エコー349eを収束させて振幅を増大させることができるので、検出感度を向上させることができるという効果を奏する。
(実施の形態4)
実施の形態1〜3では、超音波プローブ12は、複数の振動子を2次元的に配列した振動子アレイで構成され、各振動子はPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミック等からなる圧電素子に、電極を形成して構成されているとして説明したが、それに限らず、別の構成でも構わない。実施の形態4では、実施の形態1〜3における超音波プローブ12とは別の構成について説明する。
超音波プローブ12では、複数の振動子を2次元的に配列した振動子アレイで構成するため、多数の振動子を高集積化することが必要であり、振動子を構成する圧電素子の微細加工や、多数の圧電素子への配線が困難等の理由のため、大型化が難しい。また、大型化できたとしても振動子の数が莫大となるため、システムのコストや消費電力が問題となる可能性がある。このような理由から、超音波プローブ12は、大型化が難しく広範囲の検査を行うことが困難であるという課題がある。
それに対して、振動子を適度に間引いて有効な振動子のみを用いる、いわゆるスパース方式で超音波プローブ12を構成することが提案されている。しかし、このスパース方式では、スパース化により振動子の数を抑えながら、広範囲な領域をセクタ走査可能であるものの、走査角を大きくしても、浅い領域ではプローブ周辺以外の領域を検査することができない。つまり、スパース方式で超音波プローブ12を構成することは、例えば心臓検査など、肋骨の隙間から超音波を送信するのには適しているが、乳房や腹部の検査など、浅い領域から深い領域まで幅広く検査する用途には適していない。
そこで、本実施の形態では、高集積化が必要な超音波送信用の振動子の数を削減して製造を容易にするとともに、高速に3次元走査が可能で、かつ、浅い領域から深い領域まで幅広く、広範囲に検査が可能な超音波プローブとそれを備える超音波検査装置について説明する。
本実施の形態における超音波検査装置は、図1に示す超音波検査装置10と同様であるため、説明を省略する。ただし、超音波プローブの特徴的な構成を説明するため、図1Aに示す超音波プローブ12を超音波プローブ12aとして説明する。また、説明を簡単にするため、光プローブ13を従来型の受信プローブ913として以下説明する。
超音波プローブ12aは、2次元あるいは3次元的に超音波を送信できる振動子群を有する。振動子群122は、2次元的に配列された複数の振動子(振動子群)で構成され、各振動子はPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミック等からなる圧電素子に、電極を形成して構成されている。この振動子群122は、各振動子の電極に送信部18から送られる遅延処理を施されたパルス状の電圧を印加することにより、超音波パルスを発生させるとともに、この超音波をフォーカスおよび偏向できるように構成されている。この構成により、振動子群122は3次元方向に超音波26を送信することができる。また、超音波プローブ12aは、振動子群122を複数設けることにより、広範囲に超音波26を送信できるように構成されている。
受信プローブ913は、複数の検出素子を有する検出素子群132から構成され、各検出素子は、例えば、圧電素子に電極を形成した構造からなり、振動子群122と同じ共振周波数を有するように構成されている。この構成により、検出素子群132に振動子群122から送信された超音波26と同じ周波数の超音波エコー28が伝搬すると、検出素子の各圧電素子が共振し、それぞれ圧電効果により電圧を生じる。各検出素子は、この電圧の変化を検出することにより超音波エコー28を検出できるように構成されている。 なお、受信プローブ913は、上述と同様に、被検体11との間に、超音波26による被検体11の表面の変位(振動)を伝える反射体43(不図示)が配置されているとしてもよい。
図18Aおよび図18Bは、本発明の実施の形態4における振動子群および検出素子群の配置を示す概略構成図である。図18Aは上面図を示しており、図18Bは図18AのAの方向からみた断面図を示している。図18Aに示すように、振動子群122は被検体11の上に複数配置され、その周囲に検出素子群132が配置されている。また、図18Bに示すように振動子群122および検出素子群132と被検体11との間には、振動子群122に対応した音響レンズ421が配置されている。
音響レンズ421は、本発明における超音波偏向素子に相当し、超音波プローブ12aが送信した超音波を被検体11に略垂直に入射するように偏向する。具体的には、音響レンズ421は、超音波プローブ12aの振動子群122から送信される超音波424が被検体11に略垂直に入射するように構成される。
なお、反射体43が配置されている場合、音響レンズ421は、反射体43と被検体11との間に反射体43と一体に構成され、反射体43は、音響レンズ421を介して、被検体11と密着して配置されているとすればよい。
次に、このように構成された本実施の形態の超音波検査装置の動作について具体的に説明する。
まず、制御部19が所定のタイミングで駆動信号を発生するように送信部18を制御し、送信部18は超音波をフォーカス及び偏向させるための遅延処理を行い、遅延処理された駆動パルスを、超音波プローブ12aの複数の振動子群122それぞれに供給する。超音波プローブ12aは、送信部18から送られた駆動パルスに従い、各振動子群122から所定の方向に超音波424を送信する。
次に、振動子群122から送信された超音波424は、図18Bに示す音響レンズ421により偏向され、被検体11に略垂直に入射する。入射した超音波424は、被検体11内部の音響インピーダンスの異なる組織の界面で反射され、超音波エコー425となって被検体11の表面に伝搬し、音響レンズ421で再び偏向されて送受信面426に到達する。送受信面426に到達した超音波エコー425は、検出素子群132の各検出素子の圧電素子を機械的に共振させ、圧電効果により発生した電圧の変動からエコー信号が検出される。
このエコー信号検出動作は、振動子群122から送信される超音波424の送信方向を変えながら行われる。ここで、図18Bの点線は超音波424の走査範囲を示しており、この点線で示すように、振動子群122から超音波424が送信される時点では、この走査はセクタ走査となっている。しかし、このセクタ走査された超音波424は、音響レンズ421で偏向されることにより略垂直に被検体内に入射するので、被検体内では、リニア走査のように走査される。
このように走査すると、通常のセクタ走査と比べて、被検体11の浅い部分の走査範囲を広くすることができるとう効果を奏する。また、本構成では、複数の振動子群122を用いて検査領域を広げることができるので、検査領域の隙間をなくすとともに、重なる部分も小さくできるので、効率よく検査が行えるという効果を奏する。
なお、従来、このような2次元の広い領域をリニア走査するためには、走査する領域と同じ大きさの領域に、高密度に振動子を配列させる必要があり、圧電素子の微細加工や、配線が困難等の理由から実現が困難であった。本実施の形態の構成では、振動子を高密度に配置するのは振動子群122のみであり、同じく圧電素子を用いる検出素子群132は、必ずしも検出素子(圧電素子)を高密度に配列する必要がない。そのため、製造上の難易 度を下げることができ、容易に製造できる。
また、検出素子群132は、検出素子を低密度で配列できるだけでなく、検出素子を不規則に散らしたスパースアレイとしてもよい。このように構成すると、検出データを処理する演算量やメモリを削減でき、コストおよび消費電力を削減できる。
再び、超音波検査装置の動作についての説明に戻る。受信プローブ913で検出されたエコー信号は、受信部14で増幅およびデジタル変換されて信号処理部15へ送られる。信号処理部15では、そのエコー信号は、まず、記憶部15aに記憶された後、記憶部15aに格納された信号データに基づき演算処理部15bで整相加算すなわちビームフォーミング処理が行われ、得られた3次元データが画像メモリ15cに記憶される。
以上の動作は、被検体11内を走査しながら行われ、検査領域全体の情報が演算されて画像メモリ15cに保存される。画像メモリ15cに保存された3次元データは、画像処理部16で3次元画像のレンダリング処理が施され、画像表示部17で画像が表示される。このような動作により、広範囲の超音波画像が得られる。
以上、本実施の形態の超音波検査装置によれば、複数の振動子群122を用いたことにより広い検査領域が実現できる。また、各振動子群122の走査範囲を隙間なく、かつ、重なりも少なく配置することができるため、効率よく検査が行え、短時間で広範囲の検査が可能となる。また、同程度の検査領域を実現するリニア走査の構成と比べると、高密度に配列する振動子の数を大幅に減らすことができるので、圧電素子の微細加工や、配線の課題が軽減され、容易に製造が可能である。さらに、検出素子群132を超音波プローブ12の振動子群122と別体で形成できるので、受信プローブ913を大開口化できる。それにより、ビームフォーミングによる分解能を向上させることができる。
なお、本実施の形態の超音波検査装置は、音響レンズ421を備えることにより、各振動子群122(超音波プローブ12a)の走査範囲の隙間および重なりを減らすとして説明したが、それに限らない。超音波検査装置が音響カプラ(くさび)を備えるとしてもよく、同様の効果を奏する。
図19Aおよび図19Bは、本発明の実施の形態4における振動子群および検出素子群の別の配置を示す概略構成図である。図19Aは上面図を示しており、図19Bは図19AのBの方向からみた断面図を示している。図19A及び図19Bにおいて、図18Aおよび図18Bの構成と異なる点は、音響レンズ421に代えて音響カプラ421aを備える点のみである。なお、図18Aおよび図18Bと同様の構成要素は同一の符号を付しており、説明を省略する。
図19Aおよび図19Bに示すように、振動子群122aおよび検出素子群132aと被検体11の間には、音響カプラ421aが配置されている。
音響カプラ421aは、本発明における超音波偏向素子に相当し、超音波プローブ12aが送信した超音波を被検体11に略垂直に入射するように偏向する。また、音響レンズ421は、被検体11の表面に対して傾斜した面を有し、当該傾斜した面に超音波プローブ12aの振動子群122aが配置されている。
具体的には、音響カプラ421aは、被検体11の表面に対する傾斜面432a、432b、および、水平面433を有する。そして、傾斜面432a、432bには、振動子群122aが配置され、水平面433に検出素子群132aが配置されている。この構成により、被検体11に対して超音波424が斜入射する。そして、斜入射した超音波424が、被検体11に入射する際に屈折して、略垂直方向に偏向されるように、音響カプラ321aの音響インピーダンスが設定されている。
また、傾斜面432aと傾斜面432bとは傾斜方向が逆向きであり、図19Aの点線で示しているように超音波424の送信方向が互いに向かい合うように構成されるとともに、走査範囲は隙間なく重なるように構成されている。
このように構成された音響カプラ421aおよび振動子群122aは、振動子群122aから超音波424が送信される時点では、セクタ走査である。しかし、音響カプラ421aと被検体11の間の屈折、および、振動子群122aの配置により、各振動子群の走査範囲を隙間なく、重なりも少なく配置することができるため、効率よく検査が行え、短時間で広範囲の検査が可能となる。また、振動子を高密度に形成するのは振動子群122aのみであるので、製造も容易である。
また、図18Bに示すように、超音波検査装置が音響レンズ421を備える構成では、音響レンズ421の界面で僅かに超音波エコー25の反射が生じてしまう。一方、超音波検査装置が音響カプラ421aを備える構成では、エネルギー損失はないので、超音波エコー425の検出感度を向上させることができるというさらなる効果を奏する。
なお、本実施の形態では、超音波の送信および受信を圧電素子で行う構成としたが、それに限らない。例えば、マイクロマシン加工を用いた容量型超音波トランスデューサ(以後、CMUT)を用いてもよい。圧電素子を用いる場合は、振動子群と検出素子群の共振周波数のずれによる感度低下が生じる可能性があるが、CMUTは特性のばらつきが小さく、共振周波数のずれによる感度低下は生じにくい。
(変形例1)
上記では、超音波の受信を圧電素子で行う構成としたが、それに限らない。実施の形態1〜3で説明したように、光を用いて超音波を検出する構成にしてもよい。以下の変形例1では、受信部14と受信プローブ913との代わりに、光を用いて超音波を検出するための受信部314と、光プローブ413とを備える構成について説明する。
図20Aおよび図20Bは、本発明の実施の形態4の変形例1における超音波検査装置の構成を示す図である。なお、図16Aと同様の構成要素は同一の符号を付しており、説明を省略する。図20Aは光プローブ413および受信部314の概略構成図を示しており、図20Bは検出素子群132aの概略構成図を示している。本変形例の構成が、実施の形態4の構成と異なるのは、光プローブ413および受信部314のみであり、その他の部分は同じであるので説明を省略する。
本変形例における超音波検査装置の光プローブ413および受信部314は、被検体11から、図19Aおよび図19Bに示した音響カプラ421aに伝搬した超音波による振動を、光ヘテロダイン法で検出するように構成されている。受信部314は光プローブ413に超音波エコーを検出するための適切な光を供給すると共に、光プローブ413からの光出力を電気信号に変換して出力するように構成されている。
図20Aにおいて、光プローブ413と受信部214とは光ファイバ220、および、数万本の光ファイバが配列され、画像を伝送可能なイメージファイバ230で繋がれている。受信部414の光源は、半導体レーザ371と電流変調器372とからなり、電流変調器372により半導体レーザ371の注入電流に鋸歯状の電流を重畳し、出射光の光周波数を鋸歯状に変調したレーザ光373を出射するように構成されている。また、半導体レーザ371から出射したレーザ光373を集光する集光レンズ223を有し、レーザ光373を光ファイバ220で送光するように構成されている。また、イメージファイバ230で送られる画像を拡大する拡大レンズ224と、拡大された画像を受光するCCD、MOS型センサ、又は、複数のPD(フォトダイオード)で構成された2次元アレイの光検出器225を備えている。
光ファイバ220の出射端は、屈折率分布型のGRINレンズが配置され、光ファイバ220から出射する光をコリメートするように構成されている。光プローブ413は、光ファイバ220で送光されたレーザ光373を線状の平行光に変換する導光棒451と、検出素子群132aとを備え、検出素子群132aの上面423aに現れる超音波エコーの波紋の画像をイメージファイバ230で伝送する。
検出素子群132aは、例えば、図20Bに示す構造で構成される。具体的には、検出素子群132aは、導光棒451から出射したレーザ光443を側面から入射させ、一方の主面461aから出射する導光板461と、導光板461の主面461aに隣接して配置されたワイヤグリッド偏光板462と、ワイヤグリッド偏光板462を透過した光を反射させる分割された複数の反射板463と、導光板461を挟んでワイヤグリッド偏光板462の反対側に配置された偏光板464と、偏光板464を透過した光を投影するスクリーン465とを備える。
導光棒451は、光が出射する側面に対して略45度傾斜した傾斜面を有する偏向溝が複数形成された構造であり、導光棒451に入射した光を全反射により略90度偏向する。
導光板461の対向面461bには、主面461aに対して略45度傾斜した傾斜面からなる複数の偏向面461cが形成され、主面461aに対して略平行に入射した光を全反射により主面461aに向けて偏向し、主面461aから略垂直に出射するように構成されている。
また、ワイヤグリッド偏光板462と偏光板464の透過軸とは略45度ずらして構成されている。また、ワイヤグリッド偏光板462で反射したレーザ光443aの一部と、ワイヤグリッド偏光板462を透過した後、反射板463で反射したレーザ光443bの一部とが偏光板464を透過するように構成されている。
次に、このように構成された本変形例の超音波検出動作について図20Aおよび図20Bを用いて説明する。
まず、半導体レーザ371から電流変調器372で光周波数が変調されたレーザ光373が出射される。このレーザ光373は、集光レンズ223、および光ファイバ220を経由して光プローブ413に供給される。供給されたレーザ光373は、図示していないGRINレンズによりコリメートされて光ファイバ220から出射し、導光棒451で線状の平行光に変換され、検出素子群132aに入射する。そして、検出素子群132aの導光板461に入射したレーザ光373は、偏向面461cで偏向され、導光板461の主面461aから略垂直に出射し、ワイヤグリッド偏光板462で一部が透過、一部が反射する。
ワイヤグリッド偏光板462で反射したレーザ光373eは導光板461を透過して偏光板464に入射し、ワイヤグリッド偏光板462を透過したレーザ光373fは、反射板463で反射し、再びワイヤグリッド偏光板462、導光板461を経由して偏光板464に入射する。
このとき、音響カプラ421aの上面に超音波エコー425が伝わると、反射板463が振動し、反射板463で反射したレーザ光373fはドップラーシフトにより光周波数が僅かにずれる。
偏光板464に到達したレーザ光373eとレーザ光373fとは偏光が直交しているが、偏光板464の透過軸は、これらの偏光に対して略45度となるように構成されている。そのため、どちらのレーザ光も一部は偏光板464を透過して合波される。合波されたレーザ光373e、レーザ光373fは同じ偏光となっているので、スクリーン465上で干渉光として重ね合わされる。この干渉光の強度分布は、光ファイバ220を経由して受信部414に送られ、拡大レンズ224で拡大され光検出器225で2次元の強度分布として受光される。
ここで、スクリーン465上で観測される、ある領域の干渉光の強度は、レーザ光373eとレーザ光373fとの光路長差に応じたビート信号となり、反射板463が振動するとビート信号の周波数ずれとなって現れる。したがって、光検出器225で検出された信号からFM変調されたビート信号を復調することにより2次元面内のエコー信号の検出を行うことができる。
以上のように、本変形例の超音波検査装置は、超音波エコー425を光学的に検出できるように構成している。このように構成すると、光プローブ413に圧電素子の微細加工や電気的配線が不要となり、超音波エコー425の受信点を多点化できると共に広い領域に配置できる。これによりS/Nが向上するとともに、ビームフォーミングによる分解能を向上させることができる。
なお、本変形例における光ヘテロダイン法を応用した超音波検出の構成は、音響レンズを用いて構成することもできる。以下、それを変形例2で説明する。
(変形例2)
図21Aおよび図21Bは、本発明の実施の形態4の変形例2における超音波検査装置の構成を示す図である。なお、図20Aおよび図20Bと同様の構成要素は同一の符号を付しており、説明を省略する。図21Aは受信部314と、振動子群122を含む光プローブ413aとの概略構成図を示しており、図21Bは、振動子群122を含む光プローブ413aの概略構成図を示している。図21Aおよび図21Bにおいて、図20Aおよび図20Bと異なるのは、振動子群122を含む光プローブ413aと、音響レンズ482のみであり、その他の部分は同じであるので説明を省略する。また、図20Aおよび図20Bと同じ構成要素は、同じ符号を付し、説明を省略する。
図21Aに示すように、光プローブ413aは、検出素子群132bと音響レンズ482と振動子群122とを有し、導光棒451から出射するレーザ光373を入射させて、検出素子群132bの上面に現れる超音波エコーの波紋の画像をイメージファイバ230で伝送するように構成されている。
検出素子群132bは、例えば、図21Bに示すように、図20Bに示した構造と同様の導光板461、ワイヤグリッド偏光板462、偏光板464、スクリーン465を備える。
音響レンズ482は、本発明の超音波偏向素子に相当し、光学的な屈折率が等しく、音響インピーダンスの異なる2種類以上の透明部材の組合せで構成されている。具体的には、音響レンズ482は、光学的な屈折率が等しく、音響インピーダンスの異なる2種類の透明部材482aと透明部材482bとで構成されており、超音波424は屈折し、レーザ光373hは屈折しない。
また、音響レンズ482と被検体11との間には、反射層483が配置され、被検体11から伝搬する超音波エコー425に応じて振動するとともに、レーザ光373hを反射するように構成されている。また、音響レンズ482の上面には、振動子群122が配置されている。
このように構成された検出素子群132bは、図18Aおよび図18Bに示す構造と同様に、音響レンズ482により、リニア走査のような走査を行うことができ、被検体11に略垂直に超音波424を送信させることができる。この構成により、複数の送受信素子を組み合わせると、効率よく短時間で広範囲の検査が可能となる。
また、図20Aおよび図20Bに示した構造と同様に、被検体11から伝搬した超音波エコー425による振動を反射層483に伝え、この情報を反射層483で反射するレーザ光373hに伝えることにより、超音波エコー425を検出することができる。この構成により、圧電素子の微細加工や電気的配線が不要となり、超音波エコー425の受信点を多点化できると共に広い領域に配置できる。これによりS/Nが向上するとともに、ビームフォーミングによる分解能を向上させることができる。
この構成ではさらに、反射層483を音響レンズ482と被検体11との間に配置しているので、被検体11の内部から伝搬してきた超音波エコー425は、音響レンズ482で減衰、あるいは、反射する前に信号(振動)をレーザ光373hに伝達することができる。これにより、エコー信号の検出感度を向上させることができる。
以上、本発明によれば、構造的に分解能を向上させることが可能な超音波プローブ、およびそれを用いた超音波検査装置を実現できる。
具体的には、本発明の超音波プローブおよびそれを用いた超音波検査装置によれば、高い分解能が得られるとともに、撮像時間を短縮することができるという効果を奏する。より詳細には、本構成によれば、被検体からの反射波(超音波)を大開口で検出するので、送信される超音波の幅と比較して高い分解能が得られる。また、送信する超音波の幅を広げるとともに、走査ピッチを広げることができるため、走査を行う際の超音波の送受信の回数を少なくでき、撮像時間の短縮を図ることができる。また、超音波エコーを光で検出する構成としたことにより、多数の受信スポットを2次元的に配列する構成ができる。
以上、本発明の超音波プローブおよびそれを用いた超音波検査装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。つまり、本発明の実施の形態1〜実施の形態4に示した構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で様々な変更を行うことができる。また全ての構成はどのように組み合わせてもよく、それぞれ本発明固有の効果を発揮することは言うまでもない。
本発明は、超音波プローブおよびそれを用いた超音波検査装置に利用でき、特に3次元走査を高速に行い、かつ、検査領域の広くしたい超音波プローブおよびそれを用いた超音波検査装置に利用できる。
10 超音波検査装置
11 被検体
11a、11b 突起部
12、12a 超音波プローブ
13、13a、13b、13c、13d、213、313、413、413a 光プローブ
14、214、314、414 受信部
15 信号処理部
15a 記憶部
15b 演算処理部
15c 画像メモリ
16 画像処理部
17 画像表示部
18 送信部
19 制御部
25、28、49、249、349、349b、349c、349d、349e、425 超音波エコー
26、424 超音波
30、372 電流変調器
31、371 半導体レーザ
32、231 コリメートレンズ
33 偏光ビームスプリッタ
34 1/4波長板
35、36 レンズ
37 レンズアレイ
38、245 スペーサ
39 ミラー
40 アパーチャ
41、232 ハーフミラー
42、225 光検出器
43 反射体
44、222、373、373a、373b、373c、373d、373e、373f、373g、373h、443、443a、443b レーザ光
45 検出光
45a 透過光
46 参照光
51、52 信号波形
57 偏光反射板
61 光ファイバ束
64 送信ファイバ
65 受信ファイバ
71、374、451 導光棒
72 面状検出部
73、381、461 導光板
73a、461a、381a 主面
73b、461b、381b 対向面
73c、461c、381c 偏向面
74、384、464 偏光板
75 視野角制御シート
121 振動子
122、122a 振動子群
131 受信スポット
132、132a、132b 検出素子群
220 光ファイバ
221 光源
223、323 集光レンズ
224 拡大レンズ
230 イメージファイバ
233 ビームエキスパンダ
234 結像レンズ
240、331、331a、340、340a、340b、340c、380 超音波検出素子
241a 多層膜ミラー
241b 多層膜ミラー
242 空気層
243 基板
244、344、364 音響整合材
246 スリット
247a、247b 分光特性
248 波線
321a、421a 音響カプラ
351、421、482 音響レンズ
361、365 音響ミラー
362 フィルム
363、387 空気層
380a、423a 上面
382、462 ワイヤグリッド偏光板
383、463 反射板
386 棒体
385、465 スクリーン
426 送受信面
432a、432b 傾斜面
433 水平面
482a、482b 透明部材
483 反射層
913 受信プローブ

Claims (22)

  1. 被検体に超音波を送信する超音波送信部と、
    前記被検体内部の組織で反射した超音波を、光を用いて検出する超音波検出部と、を備え、
    前記超音波検出部の前記被検体内部の組織で反射した超音波を検出するための領域の面積は、前記超音波送信部の前記被検体に超音波を送信するための領域の面積よりも大きい
    超音波プローブ。
  2. 前記超音波検出部は、
    光源と、
    前記光源が出射した光を前記被検体上に照射する光学系と、
    前記被検体上からの反射光を受光し、当該反射光に応じた信号を検出する受光素子と、を備え、
    前記超音波検出部は、前記被検体の表面に伝搬した超音波による前記被検体の表面の振動を、前記受光素子で検出される信号の変化から検出することにより、前記被検体内部の組織で反射した超音波を検出する
    請求項1に記載の超音波プローブ。
  3. 前記超音波検出部は、さらに、被検体上に前記被検体に密着して配置され、前記被検体内部の組織で反射した超音波による前記被検体の表面の振動に応じて、前記被検体上に照射された光を反射する反射体を有し、
    前記超音波検出部は、前記反射体により反射された光を前記反射光として受光素子が受光することにより、前記被検体内部の組織で反射した超音波を検出する
    請求項2に記載の超音波プローブ。
  4. 前記超音波検出部は、前記光源が出射した光を検査用の第1光と参照用の第2光とに分岐する光分岐素子を備え、
    前記光学系は、前記光分岐素子により分岐された前記第1光を前記被検体上に照射するとともに、前記被検体上で反射した前記第1光に前記光分岐素子により分岐された前記第2光と合波させた光を前記反射光として前記受光素子に受光させ、
    前記合波させた反射光は、前記反射した第1光と前記第2光との光周波数の差に応じたビート周波数を有し、前記被検体の表面に伝搬した超音波による前記被検体の表面の振動に応じて周波数変調され、
    前記超音波検出部は、前記被検体の表面に伝搬した超音波による前記被検体の表面の振動を、前記受光素子で検出される前記合波させた反射光の周波数変調による信号の変化から検出することにより、前記被検体内部の組織で反射した超音波を検出する
    請求項2または3に記載の超音波プローブ。
  5. 前記光分岐素子は、前記光源が出射した光の一部を前記第1光として透過し、他部を前記第2光として反射する半透過素子で構成されている
    請求項4に記載の超音波プローブ。
  6. 前記反射体は、複数の領域を有し、
    前記被検体に密着して形成され、前記被検体の表面の振動を示す超音波を前記複数の検出領域ごとに収束させる超音波収束部と、
    前記超音波収束部の前記被検体と密着しない方の面に形成され、前記被検体上に照射された光を反射する第1の反射素子とを備え、
    前記超音波収束部は、前記被検体の表面の振動を示す超音波を、前記複数の検出領域ごとに収束させて前記第1の反射素子に増幅して伝搬し、
    前記第1の反射素子は、増幅した当該超音波に応じて変化される反射率で、前記被検体上に照射された光を反射する
    請求項3に記載の超音波プローブ。
  7. 前記超音波収束部は、音響レンズで構成されている
    請求項6に記載の超音波プローブ。
  8. 前記超音波収束部は、
    前記被検体の表面の振動を示す超音波の伝搬方向に向かって断面積が小さくなる突起状のテーパ部材と、
    前記テーパ部材の周囲に配置された、前記テーパ部材と音響インピーダンスの異なるミラー材とを備え、
    前記テーパ部材の内部を伝搬する当該超音波は、前記テーパ部材と前記ミラー材との境界面で反射しながら前記第1の反射素子に伝搬する
    請求項6に記載の超音波プローブ。
  9. 前記ミラー材は、空気層で構成される
    請求項8に記載の超音波プローブ。
  10. 前記第1の反射素子は、
    異なる屈折率を有する膜を交互に積層して形成された第1多層膜および第2多層膜と、
    前記第2の多層膜を、前記複数の領域ごとに分割するためのスリットと、
    前記第1多層膜および前記第2多層膜の間に形成され、前記スリットにより分割された前記第2の多層膜の一端を固定するスペーサと、を有し、
    前記スペーサは、第1多層膜および前記第2多層膜の間に空間を構成し、
    前記第1の反射素子は、前記超音波収束部により収束された前記超音波を、分割された前記第2の多層膜ミラーの固定されていない他端付近に伝搬することにより、前記第2多層膜ミラーが歪んで、伝搬された当該超音波を増幅する
    請求項6に記載の超音波プローブ。
  11. 前記第1の反射素子は、
    異なる屈折率を有する膜を交互に積層して形成された第1多層膜および第2多層膜と、
    前記第2の多層膜を、前記複数の領域ごとに分割するためのスリットと、
    前記第1多層膜および前記第2多層膜の間に形成され、前記スリットにより分割された前記第2の多層膜のうち少なくとも1つおきの当該第2の多層膜の一端を固定するスペーサと、を有し、
    前記第1の反射素子は、前記超音波収束部により収束された前記超音波を、分割された当該第2の多層膜ミラーの中央、あるいは、重心位置に伝搬することにより、前記第2多層膜ミラーが歪んで、伝搬された当該超音波を増幅する
    請求項6に記載の超音波プローブ。
  12. 前記光源は、波長幅の狭い前記光を出射し、
    前記第1の反射素子は、
    異なる屈折率を有する膜を交互に積層して形成され、略等しい反射特性を有する第1多層膜および第2多層膜と、
    前記第1多層膜が形成され、前記光源からの照明光が入射される基板と、を備え、
    前記第1多層膜は、共振器構造となるように前記第2多層膜と対向配置され、
    前記第1の反射素子は、前記超音波収束部により収束された前記超音波が伝搬することにより、前記共振器構造の共振器長を変動させて、前記被検体上に照射された光を反射する反射光量を変動させる
    請求項6に記載の超音波プローブ。
  13. 前記超音波検出部は、前記光源が出射する前記光の波長を、前記第1の反射素子での反射率が最小となるように調整した後に、前記被検体内部の組織で反射した超音波を、光を用いて検出する
    請求項10〜12のいずれか1項に記載の超音波プローブ。
  14. 前記超音波プローブは、さらに、
    前記超音波送信部が送信した超音波を前記被検体に略垂直に入射するように偏向する超音波偏向素子を備え、
    前記超音波送信部は、2次元あるいは3次元的に超音波を送信できる振動子群を有し、
    前記超音波偏向素子は、前記反射体と前記被検体との間に前記反射体と一体に構成され、
    前記反射体は、前記超音波偏向素子を介して、前記被検体と密着して配置されている
    請求項3〜5のいずれか1項に記載の超音波プローブ。
  15. 前記超音波偏向素子は、音響レンズからなる
    請求項14に記載の超音波プローブ。
  16. 前記超音波偏向素子は、
    前記被検体の表面に対して傾斜した面を有し、当該傾斜した面に前記超音波送信部の振動子群が配置されている音響カプラからなる
    請求項14に記載の超音波プローブ。
  17. 前記超音波プローブは、複数の前記超音波送信部を有し、
    前記超音波偏向素子は、前記複数の超音波送信部における前記被検体内部での超音波の走査範囲が隙間なく構成されるように、形成されている
    請求項14に記載の超音波プローブ。
  18. 前記超音波偏向素子は、光学的な屈折率が等しく、音速の異なる2種類以上の透明部材の組合せで構成された音響レンズからなり、
    前記音響レンズは、前記超音波を屈折させ、前記照明光は屈折させないように構成されている
    請求項14または15に記載の超音波プローブ。
  19. 請求項2〜18のいずれか1項に記載の超音波プローブを備える
    超音波検査装置。
  20. 前記被検体に密着させて用いられ、前記超音波送信部および前記超音波検出部の一部が構成される検査部と、前記超音波送信部および前記超音波検出部の他部が少なくとも構成される本体部とを有し、
    前記本体部は、前記光源と、前記受光素子と、前記光学系の一部を少なくとも有する
    請求項19に記載の超音波検査装置。
  21. さらに、前記超音波送信部が超音波を送信するタイミングを制御する制御部を備え、
    前記制御部は、前記超音波送信部超音波を送信した後の経過時間に応じて、前記光源から出射する光の光量を制御する
    請求項19または20に記載の超音波検査装置。
  22. 前記超音波検査装置は、さらに、前記超音波検出部により検出された前記被検体内部の組織で反射した超音波に基づいて整相加算を行い前記被検体内部の情報を得る信号処理部を備え、
    前記超音波検査装置は、前記信号処理部により得られた前記被検体内部の情報を表示する
    請求項19〜21のいずれか1項に記載の超音波検査装置。
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