JP5832182B2 - 音響信号受信装置およびイメージング装置 - Google Patents
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Description
かかる探触子は、厚みdを持つ高分子膜104が第1のミラー101と第2のミラー102で挟まれた構造103をとる。第1のミラー101から測定光105を干渉計に照射する。このとき、反射106の光量Irは次の式(1)のようになる。
ここで、Iiは測定光105の入射光量、Rは第1のミラー101と第2のミラー102の反射率、λ0は測定光104の波長、dはミラー間距離、nは高分子膜104の屈折率である。φは二枚のミラー間を往復する際の位相差に相当し、式(2)で表される。
の変化をフォトダイオード等で測定することにより、入射した音響波107を検出することができる。反射光量変化が大きいほど、入射した音響波107の強度は大きいということになる。
このように、ファブリーペロー型探触子では測定波長λ0を調整することで、位相差をφmに合わせてから測定することにより高い受信感度を得ることが可能となる。
レイ型光センサを用いて反射光の二次元分布を計測するため、原理的には極めて高速にデータを得ることが可能となる。
本発明はまた、以下の構成を採用する。すなわち、測定光を照射する波長可変光源と、前記測定光の波長を制御する制御部と、前記測定光が入射する側に位置する第1のミラー、被検体からの弾性波が入射する側に位置する第2のミラー、および、前記第1と第2のミラーの間にあり弾性波の入射に応じて変形するスペーサー膜を含むファブリーペロー型探触子と、前記ファブリーペロー型探触子による前記測定光の反射光量を検出するアレイ型光センサと、前記スペーサー膜の変形による反射光量の変化に基づいて、前記ファブリーペロー型探触子に入射した弾性波の強度を取得する信号処理部と、を有する音響信号受信装置であって、前記制御部は、前記測定光の波長を掃引し、前記信号処理部は、掃引した各波長において取得した、前記ファブリーペロー型探触子のそれぞれの位置での反射光量に基づいて、当該位置で用いる測定光の波長を求めるものであり、被検体に弾性波を送信するトランスデューサをさらに有し、被検体からの弾性波とは、前記トランスデューサから送信された弾性波のエコー波であり、前記トランスデューサは所定の間隔で弾性波を送信し、前記制御部は、前記弾性波の送信をトリガーとする所定の受信期間に前記ファブリーペロー型探触子がエコー波を受信してから次の送信が行われるまでに、前記測定光の波長を掃引することを特徴とする音響信号受信装置である。
図3に、本実施形態におけるイメージング装置の構成例を説明する図を示す。イメージング装置は、被検体から放出される音響波を受信する音響信号受信装置に、受信した音響波に基づくイメージング処理を行う要素を設けることにより構成される。
い。
ローの前処理に当たる。
しい。また、図2のような反射光量の波長依存性を測定する際の、データを取り込む波長間隔はより細かいほどよく、例えば0.1nmとすることが出来る。
これにより各々のピクセルにおける反射光量の波長依存性が得られる。そして、反射光量Irが大きく変化する波長λmを求めることにより、各々のピクセルにおける最適波長λmのテーブルが作成される(ステップS605)。
使用する光源の波長に関しては、生体内において吸収が少ない700nmから1100
nmの領域が好ましい。しかし上記の波長領域よりも範囲の広い、例えば400nmから1600nmの波長領域、さらにはテラヘルツ波、マイクロ波、ラジオ波領域の使用も可能である。
またはその近傍波長における測定光306の反射光量変化を測定する必要がある。そのため、測定光306の波長を掃引しながら光音響波302を検出するための、測定光306の波長を掃引するプログラムを制御部308に設定する。設定する掃引プログラムには波長掃引範囲、掃引ステップ、掃引速度、掃引時間などのパラメータが含まれる。測定光306の波長の掃引範囲と掃引ステップは、前記した最適波長のテーブルを作成した際に指定した値を用いる。制御部308は指定されたプログラムにより測定光の波長を掃引する。これにより、測定光の波長が変化しつつ計測が行われる(図6のステップS607−S608)。
その後、次の励起光303が出射されるまでの間に、測定光306の波長を、入力値(ここでは100pm)だけ上昇させる。上昇させた後、トリガーを待って、光音響波302を測定する。これを指定した波長範囲を掃引し終わるまで繰り返す(図5の最下段)。これにより、測定光306の波長の掃引範囲において、100pm間隔の全波長で、光音響波302がファブリーペロー型探触子305に到達した際の全ピクセルでの反射光量の
変化を測定することになる。
に当たり、ステップS607−S609が繰り返される。PA測定が終わると励起パルス光の発光が停止される(ステップS610)。
なお、図5はデータの積算回数を1回とした場合のタイムチャートである。精算回数や
レーザーの繰り返し周波数が異なる場合は、制御部308のタイムプログラムもそれに対応して変える必要がある。
信号処理部は、あらかじめ測定しておいたピクセル毎の最適波長のテーブルをもとに、各々のピクセルにおいて、最適波長での光音響波が入射した際の電気信号を抽出する(図6のステップS611)。
さらに、信号処理部310は抽出したアレイ型光センサ309における各々のピクセル毎の最適波長λmにおける電気信号の分布に基づいて、被検体301内の光学特性値分布
を計算する(ステップS612)。この処理が画像再構成であり、光学特性値分布としては例えば、光吸収体の位置や大きさ、あるいは光吸収係数あるいは光エネルギー堆積量分布などが挙げられる。
なお、信号処理部310は光音響波302の強度を表す電気信号の時間変化の分布を記憶し、それを演算手段により、光学特性値分布のデータに変換できるものであればどのようなものを用いてもよい。
また、本発明の実施形態では信号処理により得られた画像情報を表示する画像表示部311を備えることが望ましい。
このような実施形態1に示された生体情報イメージング装置を用いることで、ファブリーペロー型探触子305を用いて、短時間に高精細な光音響画像を得ることが可能となる。
図7に、本実施形態における生体情報イメージング装置の測定フローチャートを示す。本実施形態における生体情報イメージング装置は、測定フローチャート以外の装置構成などは実施形態1と同様であるため説明を省略する。以下の説明においては、必要に応じて図7のフローチャートを参照する。
本実施形態では、光音響信号の測定と最適波長作成のための測定とが独立しておらず、同時に行う。
のような反射光量の波長依存性を測定する際の、データを取り込む波長間隔はより細かいほどよいが、例えば0.1nmとすることが出来る。
測定光の波長を掃引するプログラムを制御部308に設定した後に、被検体301に入射する励起光303(例えばパルス光)の発光を開始する(ステップS702)。
その後、光音響波302が入射していない状態での反射光量を測定する。アレイ型光センサであれば反射光強度2Dデータ計測が行われる(ステップS705)。
そして、測定光306の波長を掃引したのちに、掃引範囲データ取得が終了していなければ(S706=NO)、測定光の波長を変え、再び光音響波302による反射光量変化を測定する。S703−S706までのPA測定処理は、設定した掃引範囲が終了するまで行われる。
すなわち、信号処理部310は、光音響波302の測定終了後に、作成したピクセル毎
の最適波長のテーブルをもとに、各々のピクセルにおいて、最適波長での光音響波302が入射した際の電気信号を抽出する。さらに、信号処理部310は抽出したアレイ型光センサ309における各々のピクセル毎の最適波長における電気信号の分布に基づいて、被検体301内の光学特性値分布を計算する。光学特性値分布としては例えば、光吸収体の位置や大きさ、あるいは光吸収係数あるいは光エネルギー堆積量分布などが挙げられる。そして、画像表示部311に再構成された画像が表示される。
図9に、本実施形態における生体情報イメージング装置の構成例を説明する図を示す。
本実施形態の生体情報イメージング装置は、弾性波(超音波)のエコーに基づいて生体内の音響インピーダンス分布の画像化を可能とするものである。実施形態1と同様の構成については説明を省略する。
本実施形態の生体情報イメージング装置は特に、被検体901に弾性波902を照射するトランスデューサ903および、トランスデューサに接続されたパルサー913を備える。
これらの構成は上記実施形態と同様である。なお、信号処理部909の解析により得られるのは被検体の音響インピーダンス分布情報である。
まず、測定光905の波長掃引範囲と掃引ステップのパラメータを指定する(ステップS1101)。制御部907は指定された波長掃引範囲と掃引ステップで、測定光905の波長を変化させ掃引する(ステップS1102)。最適波長のばらつきは、ミラー間距離のばらつきの程度によるため、掃引する波長範囲はFree spectral range以上であるこ
とが好ましい。また、図2のような反射光量の波長依存性を測定する際の、データを取り込む波長間隔はより細かいほどよいが、例えば0.1nmとすることが出来る。
データ、すなわち各々のピクセルにおける反射光量の波長依存性が得られる(ステップS1103−S1104)。そして、反射光量Irが大きく変化する波長λmを求めることにより、各々のピクセルにおける最適波長λmのテーブルが作成される(ステップS1105)。
たはその近傍波長における測定光の反射光量変化を測定する必要がある。そのため、測定光905の波長を掃引しながら弾性波911を検出するための、測定光905の波長を掃引するプログラムを制御部907に設定する。設定する掃引プログラムには波長掃引範囲、掃引ステップ、掃引速度、掃引時間などのパラメータが含まれる。測定光905の波長の掃引範囲と掃引ステップは、前記した最適波長のテーブルを作成した際に指定した値を用いる。制御部907は指定されたプログラムにより測定光905の波長を掃引する。
なお、図10はデータの積算回数を1回とした場合のタイムチャートである。精算回数やパルサー913による弾性波発振の繰り返し周波数が異なる場合は、制御部907のタイムプログラムもそれに対応して変える必要がある。
信号処理部909は、弾性波911の測定終了後に、あらかじめ測定しておいたピクセル毎の最適波長のテーブルをもとに、各々のピクセルにおいて、最適波長での弾性波911が入射した際の電気信号を抽出する(ステップS1111)。
さらに、信号処理部909は、アレイ型光センサ908の各々のピクセル毎での最適波長における抽出した電気信号の分布に基づいて、被検体901内の音響インピーダンス分布を計算する(ステップS1112)。得られた電気信号の分布から音響インピーダンス分布を得るための信号処理としては、整相加算などが考えられる。音響インピーダンス分
布は所望の形式で画像化され表示される(ステップS1113)。
次に、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
本実施例は、実施形態1に記した構成からなる。本実施例は、本発明を用いて、被検体としてイントラリピッド1%水溶液を寒天により固めたもの中に配置した、光を吸収する直径300μmのゴムワイヤーをイメージングするものである。ファントムは水中に配置する。
External Cavity Laserから出射された測定光は、凸レンズにより拡大され、ハーフミ
ラーとミラーを用いて、ファブリーペロー型探触子に入射する。入射する測定光のピームサイズは直径で1cmとする。ファブリーペロー型探触子において反射した測定光は、ハーフミラーとミラーにより高速CCDカメラに入射することで測定する。高速CCDカメラは100×100ピクセルである。
測定光用波長可変光源の波長は、PCにより制御を行う。波長は1540nmから0.1nm刻みで1570nmまで変化させる。その際、各々の波長における反射光量をCCDにより測定し、最適波長のテーブルを作成する。
測定光用波長可変光源の波長を1540nmに設定し、光音響波の測定を行う。そして、測定光を30msecで0.1nm変化させた後、光音響波の測定を行う。これを測定光用波長可変光源の波長が1570nmになるまで繰り返す。
クプロジェクションアルゴリズムにより、画像再構成を行う。
これにより、光拡散媒体であるイントラリピッド1%寒天中のゴムワイヤーが100μmの分解能でイメージングされる。
本実施例は、実施形態2に記した構成からなる。
測定フローチャート以外の装置構成などは実施例1と同様であるため説明を省略する。
測定光用波長可変光源の波長は、PCにより制御を行う。測定光用波長可変光源の波長を1540nmに設定し、光音響波の測定をCCDカメラにより行う。その後、50msecの間に、光音響波がファブリーペロー型探触子に入射していない状態での測定光の反射光量を測定する。その後、測定光を30msecで0.1nm変化させた後、光音響波の測定を行う。これを測定光用波長可変光源の波長が1570nmになるまで繰り返す。
その後、前記最適波長のテーブルを用いて、各々のピクセルにおいて、最適波長での光音響波が入射した際の電気信号を抽出する。そしてこの信号を用いて、ユニバーサルバックプロジェクションアルゴリズムにより、画像再構成を行う。
本実施例は、実施形態3に記した構成からなる。
ファブリーペロー型探触子、光学系、二次元アレイセンサは実施例1と同様であるため説明を省略する。
中心周波数20MHzのトランスデューサを用いて被検体に弾性波を照射する。トランスデューサは圧電型のものでPZTを材料としたものを用いる。
測定光用波長可変光源の波長を1540nmに設定し、弾性波が被検体内で反射したエコー波の測定を行う。そして、測定光を30msecで0.1nm変化させた後、エコー波の測定を行う。これを測定光用波長可変光源の波長が1570nmになるまで繰り返す。
これにより、寒天中のポリエチレンワイヤーが高解像度にイメージングされる。
中心に述べた。これによると、腫瘍や血管疾患などの診断や化学治療の経過観察などのため、生体内の光学特性値分布及び、それらの情報から得られる生体組織を構成する物質の濃度分布の画像化が可能となり、医療用画像診断機器として利用可能である。
さらに被検体として非生体物質を対象とした非破壊検査などに応用することは当業者にとって容易に実現することができる。
以上より、本発明は広く検査装置として用いることが可能である。
Claims (6)
- 測定光を照射する波長可変光源と、
前記測定光の波長を制御する制御部と、
前記測定光が入射する側に位置する第1のミラー、被検体からの弾性波が入射する側に位置する第2のミラー、および、前記第1と第2のミラーの間にあり弾性波の入射に応じて変形するスペーサー膜を含むファブリーペロー型探触子と、
前記ファブリーペロー型探触子による前記測定光の反射光量を検出するアレイ型光センサと、
前記スペーサー膜の変形による反射光量の変化に基づいて、前記ファブリーペロー型探触子に入射した弾性波の強度を取得する信号処理部と、
を有する音響信号受信装置であって、
前記制御部は、前記測定光の波長を掃引し、
前記信号処理部は、掃引した各波長において取得した、前記ファブリーペロー型探触子のそれぞれの位置での反射光量に基づいて、当該位置で用いる測定光の波長を求めるものであり、
被検体に励起光を照射する励起光源をさらに有し、
被検体からの弾性波とは、励起光を照射された被検体から発生する光音響波である
ことを特徴とする音響信号受信装置。 - 前記励起光源は所定の間隔で励起光を照射し、
前記制御部は、前記励起光をトリガーとする所定の受信期間に前記ファブリーペロー型探触子が光音響波を受信してから次の励起光が照射されるまでに、前記測定光の波長を掃引する
ことを特徴とする請求項1に記載の音響信号受信装置。 - 測定光を照射する波長可変光源と、
前記測定光の波長を制御する制御部と、
前記測定光が入射する側に位置する第1のミラー、被検体からの弾性波が入射する側に位置する第2のミラー、および、前記第1と第2のミラーの間にあり弾性波の入射に応じて変形するスペーサー膜を含むファブリーペロー型探触子と、
前記ファブリーペロー型探触子による前記測定光の反射光量を検出するアレイ型光センサと、
前記スペーサー膜の変形による反射光量の変化に基づいて、前記ファブリーペロー型探触子に入射した弾性波の強度を取得する信号処理部と、
を有する音響信号受信装置であって、
前記制御部は、前記測定光の波長を掃引し、
前記信号処理部は、掃引した各波長において取得した、前記ファブリーペロー型探触子のそれぞれの位置での反射光量に基づいて、当該位置で用いる測定光の波長を求めるものであり、
被検体に弾性波を送信するトランスデューサをさらに有し、
被検体からの弾性波とは、前記トランスデューサから送信された弾性波のエコー波であり、
前記トランスデューサは所定の間隔で弾性波を送信し、
前記制御部は、前記弾性波の送信をトリガーとする所定の受信期間に前記ファブリーペロー型探触子がエコー波を受信してから次の送信が行われるまでに、前記測定光の波長を掃引する
ことを特徴とする音響信号受信装置。 - 前記信号処理部は、前記ファブリーペロー型探触子のそれぞれの位置で用いる測定光の波長を求める処理を、当該波長を用いた前記被検体の測定より前に行う
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の音響信号受信装置。 - 前記信号処理部は、前記ファブリーペロー型探触子のそれぞれの位置で用いる測定光の波長を求める処理を、当該波長を用いた前記被検体の測定とともに行う
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の音響信号受信装置。 - 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の音響信号受信装置と、
前記信号処理部が取得した弾性波の強度に基づいて画像化された前記被検体の内部を表示する画像表示部と、
を有することを特徴とするイメージング装置。
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