JP2015092914A - 被検体情報取得装置および音響波受信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】音響波検出器を用いた被検体情報取得装置において、信号の減衰を適切に補正する技術を提供する。【解決手段】被検体から伝搬した音響波102を受信して電気信号に変換する受信素子105を含む受信部と、電気信号に信号処理を行う処理部111と、処理部から出力された電気信号を用いて被検体内の特性情報を取得する構成部114を有し、処理部は、受信素子による信号取得時間に起因して生じる、受信部の受信周波数帯域に応じた感度の特性に基づいて、電気信号を音響波の強度に対応させる補正計算を行う被検体情報取得装置を用いる。【選択図】図1
Description
本発明は、被検体情報取得装置および音響波受信装置に関する。
近年では一般に、エックス線、超音波、MRI(核磁気共鳴法)を用いたイメージング装置が医療分野で多く使われている。一方で、レーザーなどの光源から照射した光を生体などの被検体内に伝播させ、その伝播光等を検知することで生体内の情報を得る光イメージング装置の研究も、医療分野で積極的に進められている。このような光イメージング技術の一つとして、Photoacoustic Tomography(PAT:光音響トモグラフィー)が提案されている。
PATの技術においては、光源から発生したパルス光を被検体に照射し、被検体内で伝播・拡散した光のエネルギーを吸収した生体組織から発生した音響波(以降光音響波と呼ぶ)を複数の個所で検出して二次元の音圧分布を取得する。そして、それらの信号を解析処理し、被検体内部の光学特性値に関連した情報を可視化する。これにより、被検体内の光学特性値分布、特に光エネルギー吸収密度分布が得られる。
光音響波の検出器としては、圧電現象を用いたトランスデューサーや容量の変化を用いたトランスデューサーが挙げられる。さらに近年、光の共振を用いた検出器が開発されている。この検出器は、光音響波の音圧変化にともなって変化する光干渉膜の反射光を、フォトダイオードなどの光センサを用いて検知することで光音響波を検出する。この光干渉膜として、ファブリーペロー干渉膜などが用いられる。
光の共振を用いた検出器の特長として、広帯域の超音波を検出できることが挙げられる。この特長により、被検体内部の様々なスケールの構造を、一つの検出器でイメージングできる。
光の共振を用いた検出器の特長として、広帯域の超音波を検出できることが挙げられる。この特長により、被検体内部の様々なスケールの構造を、一つの検出器でイメージングできる。
しかしながら、光干渉膜面をスキャンしながら光音響波を検出する方法では、多大な時間を要する。そこで近年、二次元面にアレイ化された光センサを用いて一括で光音響波を検出する方法が考案されている。例えば二次元アレイ型光センサとしてCCDカメラを用いて光干渉膜の反射光量変化を検出するという報告例がある(非特許文献1)。
しかし、CCDカメラなどの二次元アレイ型光センサは、一回の撮像において複数の光素子への露光を行うため、単体のフォトダイオードによる検出方法などと比較して長い露光時間を要する。これにより本来の信号波形を正確に取得できないという問題が生じる。具体的には、信号を取得する際、本来の信号波形の周波数に依存した振幅の減衰、特に高周波数成分の振幅の減衰が起こる。その結果、被検体内部の微細な構造の画質が劣化し、光の共振を用いた光音響波検出器の特長である広帯域特性を損なうという問題がある。
信号波形の高周波成分の減衰を抑制するために、露光時間を短くする方法が考えられる。しかしこの方法では、取得総光量も減少するためS/N比が低下し、背景のノイズと被検体内部構造からの信号とのコントラストが低下することになる。
上記の問題は、圧電現象を用いたトランスデューサーや容量の変化を用いたトランスデューサーで光音響波または超音波を取得する場合にも同様に存在する。すなわち、上記の露光時間に相当するある信号取得時間で信号の取得を行う場合も、周波数に依存した信号振幅の減衰が起こる。
一方、画像のぼけを改善する技術として、カメラの画像処理の技術分野において、手ぶれによる画像のぼけを補正する技術が提案されている。例えば特許文献1では、露光時間の異なる複数の画像を取得して、それらの比較から二次元画像のぼけを定義する関数(点拡がり関数)を推測することで取得画像の画質改善をするという技術を開示している。
M. Lamont, P. Beard, "2D imaging of ultrasound fields using CCD array to map output of Fabry-Perot polymer film sensor", Electronics Letters, 42, 3, (2006)
非特許文献1に記載されている音響波受信装置では、露光時間に起因する信号波形の高周波成分の減衰を抑制する信号処理を行っていない。そのため、減衰が原因となって画像が劣化する可能性がある。
また、特許文献1の技術は空間的なぼけを補正する技術であり、音響信号の時間的な信号波形のぼけを補正するための技術としては適用できない。
また、特許文献1の技術は空間的なぼけを補正する技術であり、音響信号の時間的な信号波形のぼけを補正するための技術としては適用できない。
このように、光の共振や圧電現象、容量変化などを利用した音響波検出器を用いて音響信号を取得する装置において、信号取得時間に起因する取得信号の周波数に依存した減衰を補正する技術が求められている。これにより、取得信号に基づき生成される画像の画質向上が可能になる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、音響波検出器を用いた被検体情報取得装置において、信号の減衰を適切に補正する技術を提供することにある。
本発明は、以下の構成を採用する。すなわち、
被検体から伝搬した音響波を受信して電気信号に変換する受信素子を含む受信部と、
前記電気信号に信号処理を行う処理部と、
前記処理部から出力された電気信号を用いて前記被検体内の特性情報を取得する構成部と、
を有し、
前記処理部は、前記受信素子による信号取得時間に起因して生じる、前記受信部の受信周波数帯域に応じた感度の特性に基づいて、前記電気信号を前記音響波の強度に対応させる補正計算を行う
ことを特徴とする被検体情報取得装置である。
被検体から伝搬した音響波を受信して電気信号に変換する受信素子を含む受信部と、
前記電気信号に信号処理を行う処理部と、
前記処理部から出力された電気信号を用いて前記被検体内の特性情報を取得する構成部と、
を有し、
前記処理部は、前記受信素子による信号取得時間に起因して生じる、前記受信部の受信周波数帯域に応じた感度の特性に基づいて、前記電気信号を前記音響波の強度に対応させる補正計算を行う
ことを特徴とする被検体情報取得装置である。
本発明はまた、以下の構成を採用する。すなわち、
被検体から伝搬した音響波を受信して電気信号に変換する受信素子を含む受信部と、
前記電気信号に信号処理を行う処理部と、
を有し、
前記処理部は、前記受信素子による信号取得時間に起因して生じる、前記受信部の受信周波数帯域に応じた感度の特性に基づいて、前記電気信号を前記音響波の強度に対応させる補正計算を行う
ことを特徴とする音響波受信装置である。
被検体から伝搬した音響波を受信して電気信号に変換する受信素子を含む受信部と、
前記電気信号に信号処理を行う処理部と、
を有し、
前記処理部は、前記受信素子による信号取得時間に起因して生じる、前記受信部の受信周波数帯域に応じた感度の特性に基づいて、前記電気信号を前記音響波の強度に対応させる補正計算を行う
ことを特徴とする音響波受信装置である。
本発明によれば、音響波検出器を用いた被検体情報取得装置において、信号の減衰を適切に補正する技術を提供できる。
以下に図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態について説明する。ただし、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状およびそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
本発明の音響波受信装置は、被検体に光(電磁波)を照射し、光音響効果に従って被検体内で発生して伝搬した音響波を受信(検出)する。そして本発明の被検体情報取得装置は、その音響波の強度と測定した光学特性とを用いて被検体内の特性情報を取得する。本発明の音響波受信装置では特に、光音響波を受信する受信素子(探触子、トランスデューサー)としてファブリーペロー型のものを好適に利用できる。以下の記載においては取得した情報に基づき画像データを生成し表示するイメージング装置について説明する。ただし本発明は、必ずしも情報を表示する必要はない。
本発明において、音響波とは、音波、超音波、光音響波、光超音波と呼ばれる弾性波(疎密波)を含む。また音響信号とは、受信された音響波に由来する電気信号や、その電気信号に様々な処理を施したものを指し、アナログまたはデジタル信号や増幅処理などを施された信号を含む。光音響波に由来する音響信号を特に、光音響信号と呼ぶ場合がある。
光音響波から得られる特性情報は、光照射によって生じた音響波の初期音圧、初期音圧から導かれる光エネルギー吸収密度や吸収係数、組織を構成する物質の濃度等を反映している。組織を構成する物質は機能を反映することから、光音響特性分布は被検体の機能分布情報を表すと言える。物質の濃度とは例えば、酸化ヘモグロビン濃度や還元ヘモグロビン濃度、それらから求まる酸素飽和度である。また、生成された特性情報は、数値データ、被検体内の各位置の分布情報、または画像を表示するための画像データとして保存や利用されても良い。
なお、音響波受信装置が受信する対象は光音響波に限らない。例えば被検体に送信され、被検体内の部位で反射した反射波(超音波エコー)を受信することもできる。その場合
の被検体情報は、被検体内で音響インピーダンスの変化に関する情報を示す。光音響波を解析した場合は被検体の機能情報が得られるのに対し、超音波エコーの解析によれば被検体の形態情報が取得できる。
の被検体情報は、被検体内で音響インピーダンスの変化に関する情報を示す。光音響波を解析した場合は被検体の機能情報が得られるのに対し、超音波エコーの解析によれば被検体の形態情報が取得できる。
以下、図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。なお、同一の構成要素には原則として同一の符号を付して、説明を省略する場合がある。本発明は音響波受信装置または被検体情報取得装置の作動方法、制御方法としても捉えられる。本発明はまた、作動方法や制御方法を情報処理装置等に実施させるプログラムとしても捉えられる。
本発明における音響信号受信素子とは、実施形態1および2においては撮像素子のことであり、実施形態3においては、圧電現象や容量変化を利用したトランスデューサーのことである。
また、信号取得時間とは、実施形態1および2においては撮像素子の露光時間のことであり、実施形態3においてはトランスデューサーによる音響信号を取得する時間である。
また、信号取得時間とは、実施形態1および2においては撮像素子の露光時間のことであり、実施形態3においてはトランスデューサーによる音響信号を取得する時間である。
また、信号取得時間制御部とは、実施形態2における露光時間制御部のことである。また、第一の光源とは、実施形態1または2における光干渉膜への光照射を行う測定用光源のことであり、第二の光源とは実施形態1から3における被検体へ光を照射するための励起光源のことである。
また、トリガ信号発生部とは実施形態1から3における、フォトダイオードなどの光検知センサのことである。
また、トリガ信号発生部とは実施形態1から3における、フォトダイオードなどの光検知センサのことである。
[実施形態1]
(構成の説明)
初めに、図1を用いて本実施形態におけるイメージング装置の構成の概要を説明する。本実施形態のイメージング装置は励起光源104を備える。励起光源104は、励起光103を出射して被検体101に照射し、光音響波102を励起する。
被検体101が生体である場合には、生体内の腫瘍、血管など、被検体101の内部の光吸収体や、被検体101の表面の光吸収体を画像化できる。これら被検体101の内部もしくは表面における光吸収体が、光のエネルギーの一部を吸収することによって光音響波102が発生する。
(構成の説明)
初めに、図1を用いて本実施形態におけるイメージング装置の構成の概要を説明する。本実施形態のイメージング装置は励起光源104を備える。励起光源104は、励起光103を出射して被検体101に照射し、光音響波102を励起する。
被検体101が生体である場合には、生体内の腫瘍、血管など、被検体101の内部の光吸収体や、被検体101の表面の光吸収体を画像化できる。これら被検体101の内部もしくは表面における光吸収体が、光のエネルギーの一部を吸収することによって光音響波102が発生する。
イメージング装置は、光音響波102を検出するために、光干渉膜からなるファブリーペロー型探触子(FPI)105を備える。ファブリーペロー型探触子105は、測定光106の反射光量変化を測定することにより、探触子面に印加された音圧を検出する。この測定光106は測定用光源107で生成される。本実施形態ではファブリーペロー型探触子が受信部に相当する。
装置はまた、ファブリーペロー型探触子105に入射した測定光106の反射光量を測定するための撮像部108を備える。
以下、図2のフローチャートを使って撮像部108から画像表示部115までの信号処理を述べる。同時に、これらの処理を行う構成要素について説明する。
以下、図2のフローチャートを使って撮像部108から画像表示部115までの信号処理を述べる。同時に、これらの処理を行う構成要素について説明する。
(ステップS201)
撮像部108は、入射した反射光を一定時間の露光によって電気信号に変換する、二次元アレイ型光センサ109を備える。これにより得られた電気信号は、アナログデジタル変換や信号増幅を行われた後、信号処理部111に送られる。
なお、撮像部108における二次元アレイ型光センサ109への露光は、励起光源104からの励起光の発光にともなってフォトダイオード(PD)110から送信されるトリガ信号に同期して行われる。このとき露光時間は、二次元アレイ型光センサ109のシャ
ッター時間、または、測定用光源107からの測定光のパルス幅で決定される。
二次元アレイ型光センサ109にはCMOSセンサやCCDセンサを使用できる。
撮像部108は、入射した反射光を一定時間の露光によって電気信号に変換する、二次元アレイ型光センサ109を備える。これにより得られた電気信号は、アナログデジタル変換や信号増幅を行われた後、信号処理部111に送られる。
なお、撮像部108における二次元アレイ型光センサ109への露光は、励起光源104からの励起光の発光にともなってフォトダイオード(PD)110から送信されるトリガ信号に同期して行われる。このとき露光時間は、二次元アレイ型光センサ109のシャ
ッター時間、または、測定用光源107からの測定光のパルス幅で決定される。
二次元アレイ型光センサ109にはCMOSセンサやCCDセンサを使用できる。
(ステップS202)
信号処理部111の信号補間計算部112では、信号処理部におけるクロック周波数に合わせて、撮像部108で取得した信号に対する信号補間を行う。信号処理部は処理部に相当する。
さらに、信号補正計算部113では、撮像部108で取得された信号の露光時間に起因する抑制効果の帯域特性を考慮して、適切なフィルターによる計算処理を施すことで信号波形の補正を行う。これにより元の信号形状を復元できる。
信号処理部111の信号補間計算部112では、信号処理部におけるクロック周波数に合わせて、撮像部108で取得した信号に対する信号補間を行う。信号処理部は処理部に相当する。
さらに、信号補正計算部113では、撮像部108で取得された信号の露光時間に起因する抑制効果の帯域特性を考慮して、適切なフィルターによる計算処理を施すことで信号波形の補正を行う。これにより元の信号形状を復元できる。
(ステップS203)
その後、画像処理部114において、復元された信号を解析して画像再構成を行い、被検体101の光学特性値分布情報を算出する。このとき、必要に応じてノイズ除去やコントラスト調整など画像処理を行っても良い。画像処理部は構成部に相当する。
その後、画像処理部114において、復元された信号を解析して画像再構成を行い、被検体101の光学特性値分布情報を算出する。このとき、必要に応じてノイズ除去やコントラスト調整など画像処理を行っても良い。画像処理部は構成部に相当する。
(ステップS204)
画像表示部115では算出された光学特性値分布情報を表示する。ただし実際に再構成画像を表示せずとも、画像データとしてメモリに記憶したり、外部に出力したりすることでも本発明の目的は達成できる。
画像表示部115では算出された光学特性値分布情報を表示する。ただし実際に再構成画像を表示せずとも、画像データとしてメモリに記憶したり、外部に出力したりすることでも本発明の目的は達成できる。
図1に戻って構成要素の説明を続ける。
入射する測定光106はレンズ116で拡大され、ハーフミラー117を通過した後、ミラー118による反射を経て、ファブリーペロー型探触子105において反射する。その反射光119は、ミラー118およびハーフミラー117により反射して、二次元アレイ型光センサ109に入射する。これにより、ファブリーペロー型探触子105の面での反射強度分布が得られる。
入射する測定光106はレンズ116で拡大され、ハーフミラー117を通過した後、ミラー118による反射を経て、ファブリーペロー型探触子105において反射する。その反射光119は、ミラー118およびハーフミラー117により反射して、二次元アレイ型光センサ109に入射する。これにより、ファブリーペロー型探触子105の面での反射強度分布が得られる。
測定光を導くための光学系は、ファブリーペロー型探触子105における反射光量を測定できるような構成であればよい。したがって、ハーフミラー117の代わりに偏光ミラーと波長板を用いる構成でも構わない。
(光の共振を用いた音響波検出器の構成及びメカニズム)
次に、本実施形態に用いられる光の共振を用いた音響波検出器の構成及びメカニズムと使用するデバイスの構造について詳説する。
次に、本実施形態に用いられる光の共振を用いた音響波検出器の構成及びメカニズムと使用するデバイスの構造について詳説する。
図3は光の共振を用いた音響波検出器の略図である。この図に示すような、平行な反射板の間で光を共振させる構造をファブリーペロー型干渉計という。本発明において、このファブリーペロー型干渉計を利用した音響波検出器をファブリーペロー型探触子と呼ぶ。
ファブリーペロー型探触子は、厚みdを持つ高分子膜304が、第1のミラー301と第2のミラー302で挟まれた構造をとる。第1のミラー301から入射光305を干渉計に照射する。このとき、反射光306の光量Irは式1の式101のようになる。
ここで、Iiは入射光305の入射光量、Rは第1のミラー301と第2のミラー302の反射率、λ0は入射光305、および反射光306の波長、dはミラー間距離、nは高分子膜304の屈折率である。Φは二枚のミラー間を往復する際の位相差に相当し、式102で表せる。
ファブリーペロー型探触子に音響波307が入射すると、ミラー間距離dが変化する。これによってΦが変化した結果、反射率Ir/Iiが変化する。反射光量Irの変化をフォトダイオード等の光センサで測定することにより、入射した音響波307を検出できる。検出した反射光量変化が大きいほど、入射した音響波307の強度は大きい。
また、ファブリーペロー型探触子では入射光305が当たっている位置のみの反射光量変化を測定しているため、入射光305のスポット領域が受信感度のある領域となる。
本実施形態では、ファブリーペロー型探触子の受信感度のある領域の二次元音圧分布を短時間で取得するために、二次元アレイ型光センサ109を用いる。
さらに、ファブリーペロー型探触子はPZTを用いた探触子と比較して、音響波の受信周波数帯域が広い。そのため、本実施形態のようにファブリーペロー型探触子を用いることで分解能の高い高精細な画像を得ることが可能となる。
本実施形態では、ファブリーペロー型探触子の受信感度のある領域の二次元音圧分布を短時間で取得するために、二次元アレイ型光センサ109を用いる。
さらに、ファブリーペロー型探触子はPZTを用いた探触子と比較して、音響波の受信周波数帯域が広い。そのため、本実施形態のようにファブリーペロー型探触子を用いることで分解能の高い高精細な画像を得ることが可能となる。
図4に、本実施形態におけるファブリーペロー型探触子の断面構造を説明する図を示す。第1のミラー401と第2のミラー402の材料としては誘電多層膜や金属膜を使用できる。
ミラーの間にはスペーサー膜404が存在する。スペーサー膜404の材料としては、弾性波がファブリーペロー型探触子に入射した際のひずみが大きいものが好ましい。例えば、パリレン、SU8、またはポリエチレンなどの有機高分子膜を好適に利用できる。ただし材料はこれに限らず、音波を受信したときに膜が変形するものであれば、無機膜でも構わない。
ミラーの間にはスペーサー膜404が存在する。スペーサー膜404の材料としては、弾性波がファブリーペロー型探触子に入射した際のひずみが大きいものが好ましい。例えば、パリレン、SU8、またはポリエチレンなどの有機高分子膜を好適に利用できる。ただし材料はこれに限らず、音波を受信したときに膜が変形するものであれば、無機膜でも構わない。
ファブリーペロー型探触子全体は保護膜403で保護されている。保護膜403としては例えば、パリレンなどの有機高分子膜や、SiO2などの無機膜を薄膜形成した物が用いられる。
第2のミラー402が成膜される基板405には、ガラスやアクリルを使用できる。その際、基板405内での光の干渉による影響を減らすために、基板405は楔形であることが好ましい。さらに、基板405表面における光の反射を避けるために、ARコート処理406を施すことが好ましい。
第2のミラー402が成膜される基板405には、ガラスやアクリルを使用できる。その際、基板405内での光の干渉による影響を減らすために、基板405は楔形であることが好ましい。さらに、基板405表面における光の反射を避けるために、ARコート処理406を施すことが好ましい。
(各部の出力信号とタイミングチャート)
次に、二次元アレイ型光センサ109の露光タイミングと取得信号、信号処理部111
のクロックと処理後の信号について、図5を用いて説明する。
次に、二次元アレイ型光センサ109の露光タイミングと取得信号、信号処理部111
のクロックと処理後の信号について、図5を用いて説明する。
撮像部108の二次元アレイ型光センサ109では、フォトダイオード110で検知した信号501をトリガ信号として、露光タイミング信号502に従って、ファブリーペロー型探触子105からの反射光の露光を行う。そして、露光時間503で反射光の光エネルギーが光センサに蓄積され、電気信号へ変換された後、信号506として出力される。このとき取得される信号の波形504は、露光時間の有限性に起因して、周波数に依存した振幅の減衰を受けているため、真の信号波形505とは異なった波形になる。この露光時間に起因する取得信号波形への影響については後述する。
撮像部108から出力され信号処理部111に送られた信号は、信号補間計算部112における信号の補間計算と、信号補正計算部113における信号補正計算を施される。信号補間計算部112では、クロック信号507に合わせて信号の補間が行われる。信号補正計算部113は、撮像部108の露光時間に起因して発生する周波数依存の減衰を受けた信号を入力され、当該信号を補正する。本実施形態においては、信号補間計算と信号補正計算の順番は、どちらが先でも有効である。
以下、信号補間計算部112における計算方法を、式2(式201〜式203)を用いて説明する。なお、信号補正計算の方法については後述する。信号補間方法としては、サンプリング定理から導出した連続関数に基づいた信号補間や線形補間、その他の非線形補間などを適用できる。ここでサンプリング定理とは、式201によって示されるような、離散的なサンプル値Flから連続変数θ(本実施形態においては時間に相当)に依存した連続関数F(θ)を復元する定理である。
ここで、式201のF(θ)として、周期2πの関数を仮定している。また式201のφNは、式202で計算される値である。サンプル値Flは式203のθlにおける値で、サンプリングは周期2πのうちにN回行う場合としている。
具体的な信号の補間処理の手順としては次のように行う。まず、撮像部108から信号処理部111に入力された離散的な信号Fl(取得時刻θlにおける信号)から、式201を用いて連続関数F(θ)を求める。その後、求めた連続関数から信号処理部のクロック周波数(図5の507)の時刻における信号振幅を求めることで、信号補間を行う。
ただし信号を完全に再現するためには、サンプル値Flは、元の連続信号が含む最大周波数の二倍よりも高い周波数で取得する必要がある。本実施形態においてサンプリング定理を用いた信号補間を行う場合、露光タイミング信号502は、ファブリーペロー型探触子105が十分な強度で検知できる最大の周波数の二倍よりも高い周波数に設定しておく
。
。
なお、式2には周期2πの周期関数の場合の式を示したが、一般的な関数への拡張は可能である。
また、上記の説明では、撮像部108からの信号処理部111に入力された信号に対して補間計算を行う場合について述べた。ただし、信号処理部において信号補正計算を先に行ってもよい。その場合、信号補間を行うサンプル値Flは信号補正を行ったあとの離散的な信号となるが、信号補間の手順としては同様に行うことができる。
また、上記の説明では、撮像部108からの信号処理部111に入力された信号に対して補間計算を行う場合について述べた。ただし、信号処理部において信号補正計算を先に行ってもよい。その場合、信号補間を行うサンプル値Flは信号補正を行ったあとの離散的な信号となるが、信号補間の手順としては同様に行うことができる。
信号処理部111で信号補間と信号補正を行った信号が、図5の508である。ここで、505は先述の撮像部108で受信する元の信号波形であり、504は撮像部から出力される波形である。つまり、信号処理部111から出力される信号508は元の信号波形を復元した信号となっている。この信号が画像処理部114に入力される。
なおここでは、信号処理部におけるクロック信号507の周波数が、二次元アレイ型光センサの露光タイミング信号502の周波数よりも高いものとした。しかし実際には、クロック周波数と露光の周波数が同等であってもよい。ただしその場合は信号の補間は行われない。
また、ここでは撮像部で受信される信号504を正弦波形状のものとしたが、任意形状の波形にも適用可能である。また、上記の説明では撮像部108における音響波の信号取得を一回の露光シーケンスで行う場合を示した。しかし、信号取得を複数回の露光シーケンスに分割して行う方法でもよい。
また、ここでは撮像部で受信される信号504を正弦波形状のものとしたが、任意形状の波形にも適用可能である。また、上記の説明では撮像部108における音響波の信号取得を一回の露光シーケンスで行う場合を示した。しかし、信号取得を複数回の露光シーケンスに分割して行う方法でもよい。
図6に、励起光源104から複数回にわたってパルス光を発生することで被検体内の同一の構造からの光音響波を複数回発生させる場合のタイミングチャートを示す。このとき、複数回の露光タイミング信号のそれぞれに続く一連のシーケンスを少しずつずらすことで、複数回に分割された信号取得を行える。
まず、一回目の励起光源の発光に伴うトリガ信号601に同期して、一回目の露光タイミング信号602で信号取得を行う。次に二回目の励起光源の発光に伴うトリガ信号603に同期して、二回目の露光タイミング信号604で信号取得を行う。
このとき、二回目のトリガ信号603に対する露光タイミング604の遅延時間は、一回目のトリガ信号601に対する露光タイミング602の遅延時間よりも時間間隔605の分だけ相対的に遅らせる。同様に、三回目のトリガ信号606に対する露光タイミング607の遅延時間は、二回目のトリガ信号603に対する露光タイミング604の遅延時間よりも時間間隔605の分だけ相対的に遅らせる。
このとき、二回目のトリガ信号603に対する露光タイミング604の遅延時間は、一回目のトリガ信号601に対する露光タイミング602の遅延時間よりも時間間隔605の分だけ相対的に遅らせる。同様に、三回目のトリガ信号606に対する露光タイミング607の遅延時間は、二回目のトリガ信号603に対する露光タイミング604の遅延時間よりも時間間隔605の分だけ相対的に遅らせる。
上記の結果、露光タイミング602、604、607で得られる光音響信号がそれぞれ609、610、611などである。このようにして、露光タイミングのトリガ信号に対する遅延時間を少しずつずらしながら複数回にわたって信号取得することで、被検体内部の同一構造からの光音響信号を高い周波数で取得できることになる。このようにして撮像部108で複数回の露光シーケンスで取得された信号は撮像部108内または外部の記憶手段などに格納されたのちに一つの光音響信号として複合され、信号処理部111に入力される。
上記のような方法で撮像部108による信号取得を行っても、図5を用いて説明した本実施形態の信号処理のプロセスは適用できる。
上記のような方法で撮像部108による信号取得を行っても、図5を用いて説明した本実施形態の信号処理のプロセスは適用できる。
(露光時間が取得波形に与える影響)
次に、二次元アレイ型光センサ109の露光プロセスが、取得する信号に与える影響について、図7と式3(式301〜式304)を用いて説明する。図7は二次元アレイ型光
センサの露光による信号取得を説明する図である。
撮像部108では、露光タイミング701に従って露光時間2Wで中心時刻(t1,t2,…,ti,…)において順次露光を行い、反射光量の時間変化である波形F(t)(図7の符号702)の取得を行う。
次に、二次元アレイ型光センサ109の露光プロセスが、取得する信号に与える影響について、図7と式3(式301〜式304)を用いて説明する。図7は二次元アレイ型光
センサの露光による信号取得を説明する図である。
撮像部108では、露光タイミング701に従って露光時間2Wで中心時刻(t1,t2,…,ti,…)において順次露光を行い、反射光量の時間変化である波形F(t)(図7の符号702)の取得を行う。
式301から、Q(t)はF(t)とW(t)のコンボリューション(たたみ込み積分)となる。したがって式302に示すように、Q(t)をフーリエ変換した関数q(ω)は、W(t)とF(t)をそれぞれフーリエ変換した関数w(ω)、f(ω)の積となる。ここでωは角周波数であり、W(t)をフーリエ変換した関数w(ω)は式304に示す式となる。
したがって、式302が示すように、撮像部108で取得される信号のフーリエ変換q(ω)は、真の信号波形のフーリエ変換f(ω)に対して関数w(ω)を乗じた分の周波数に依存した変更を受けることが分かる。
さらに、関数w(ω)はローパスフィルターと同様の効果を持つ関数であるため、取得信号Q(t)は真の信号F(t)の高周波成分の強度振幅を抑制したものとなる。
さらに、関数w(ω)はローパスフィルターと同様の効果を持つ関数であるため、取得信号Q(t)は真の信号F(t)の高周波成分の強度振幅を抑制したものとなる。
図8に、周波数に依存した信号強度の抑制効果を示したシミュレーション結果を示す。横軸は周波数である。また縦軸は、式4(式401)に示すような、真の信号f(ω)に対する撮像部の取得信号q(ω)の割合の絶対値を露光時間2Wで規格化した値である。
また、三種類のプロットは露光時間の相違による抑制効果の相違を示している。801、802、803はそれぞれ露光時間300ns、50ns、5nsの場合を示している
。この図より、露光時間が長くなるにつれ、より低周波数の成分も振幅の抑制を受けることがわかる。
。この図より、露光時間が長くなるにつれ、より低周波数の成分も振幅の抑制を受けることがわかる。
したがって、露光の短時間化によって抑制効果を受けにくくすることが可能だと考えられる。ただし露光が短いと、二次元アレイ型光センサで蓄積する光エネルギー量が減少するため、取得信号強度が小さくなりS/N比が低下してしまう。そのため、短い露光時間を実現するためには、高出力の超短パルスレーザーの開発や、高感度で超短時間露光が可能な二次元アレイ型センサの開発などの困難な技術的課題の克服が必要となる。そこで、より簡便な方法によって、光量を確保するためにある程度長い露光時間であっても本来の信号を取得できる光音響受信装置を提案することが課題となる。
(信号復元方法と復元フィルター)
そこで、本実施形態における抑制された信号の復元方法について、式5(式501〜式504)を見ながら説明する。はじめに逆フィルターによる信号復元方法の概要を説明する。
そこで、本実施形態における抑制された信号の復元方法について、式5(式501〜式504)を見ながら説明する。はじめに逆フィルターによる信号復元方法の概要を説明する。
前述のように、式3の取得信号Q(ti)と、露光時間を定義する関数W(ti)、真の撮像部に入力される真の信号波形F(ti)のそれぞれのフーリエ変換関数、q(ωj)、w(ωj)、f(ωj)は式302の関係がある。したがって、f(ωj)は、式5の式501で計算できる。そのため、式502に示すように逆フーリエ変換をおこなうことで、真の信号波形F(t)を復元できる。
この方法による信号復元方法を、逆フィルターによる信号復元と呼ぶ。ここで添え字jを用いて周波数成分を離散的に記述した理由は、実際の信号処理においては有限の時間区間で切り取ったデータを使用するためである。
この方法による信号復元方法を、逆フィルターによる信号復元と呼ぶ。ここで添え字jを用いて周波数成分を離散的に記述した理由は、実際の信号処理においては有限の時間区間で切り取ったデータを使用するためである。
しかしながら,実際に上記の計算を行う場合,w(ω)はある角周波数においてゼロになるため、式502で逆フーリエ変換を行う際に、式501の被変換関数がその角周波数において発散してしまうという問題がある。また、実際には検出する音響信号の強度が十分確保される周波数領域は限定されている。
そのため本実施形態においては、計算する周波数領域を音響信号の強度が十分な領域でかつw(ω)がゼロにならない領域に限定して逆フィルターをかける方法を用いてもよい。例えば、ある周波数領域ω1<ω<ω2において逆フィルターを用いた信号復元を行う場合、式503に示す計算を行う。
また、他の信号復元方法としてウィーナーフィルターを用いた方法でもよい。式504に、ウィーナーフィルターを用いる場合の被変換関数を示した。ここで、Γはノイズとシグナルによって決定されるパラメータである。
具体的な信号処理部111の信号補正計算部113における信号補正手順は次のようになる。まず、撮像部108から信号処理部111に入力された離散的な信号Q(ti)(時刻tiにおける取得信号)をフーリエ変換し、関数q(ωj)を求める。その後、式501から真の信号F(ti)のフーリエ変換であるf(ωj)を求める。ここで、w(ωj)は露光時間を定義する関数W(ti)をフーリエ変換した関数である。
さらに、逆フーリエ変換、式502または式503を用いて真の信号F(ti)を求める。ここで信号補間計算を信号補正よりも先に行う場合は、信号Q(ti)として信号補間がおこなわれた後の信号を用いる。信号補正計算で真の信号F(ti)を求めた後、信号補間を行う場合はこれを入力値として信号補間計算を行い、信号補間計算をすでに行っている場合はこれを画像処理部114の入力値とする。なお、フーリエ逆変換の式、式502または式503の被変換関数として、前述のようにウィーナーフィルターを施した式504のf(ω)を用いてもよい。
上記で説明した信号処理部111で行う信号補間と信号復元を、音響信号が周波数の異なる正弦波の和で表された波形とした場合に適用した計算例を図9に示す。ただし、ここでは説明の簡便化のためノイズが存在しない場合の計算例を示している。ノイズが存在する場合でも基本的な計算方法は同様に適用することができる。ここで、音響信号波形Y(φ)として、Y(φ)=Sin(φ)+Sin(3φ)+Sin(5φ)を仮定する。
図9(a)は、撮像部108で取得した信号と、真の音響信号の波形を示している。図9(b)は、真の音響信号波形と補間した信号を示している。ここで、撮像部での露光時間2Wを2π/7とし、露光サンプリング周期を2π/12とした。また、信号補間を行う信号処理部111のクロック周期は2π/50とした。この場合、露光時間が露光サンプリング周期よりも長いが、図6を用いて説明したように光音響波を複数回発生し、露光タイミングをずらしながら信号取得をする方法で実現可能である。
図9(a)と図9(b)の比較から、信号補間によって信号がより滑らかになっていることが分かる。しかしながら、図9(b)が示すように、撮像部で露光される際に信号波形が周波数に依存した振幅の抑制を受けるため、補間信号は真の信号波形と形状が異なっている。特に、高周波になるにつれて振幅の抑制が大きくなるため、真の音響信号波形がなまった形状となっている。そのため、前述の逆フィルターによる信号復元計算を行うことが必要となる。
図9(c)は補間信号に信号復元計算を行った結果を示している。この図から、復元計算を行った信号は、それぞれの周波数成分が適切な振幅を回復したことで、真の信号波形と同形状になっていることが分かる。ここでは、正弦波の和で表現された波形についての信号復元計算の例を示した。しかし、実際の光音響波などの一般的な信号波形についても同様の計算を行って信号復元をすることが可能である。
(好ましい構成)
次に、上記に説明した本実施形態における音響波受信装置およびイメージング装置の好ましい構成について述べる。
ファブリーペロー型探触子105の反射光量を測定するための測定光106を出射する測定用光源107には、波長可変レーザーを好適に使用できる。測定光106は、第1のミラー301と第2のミラー302に対して、反射率が90%以上であることが好ましい。また、測定光106の波長はファブリーペロー型探触子の感度が最大になる最適波長を用いることが好ましい。
次に、上記に説明した本実施形態における音響波受信装置およびイメージング装置の好ましい構成について述べる。
ファブリーペロー型探触子105の反射光量を測定するための測定光106を出射する測定用光源107には、波長可変レーザーを好適に使用できる。測定光106は、第1のミラー301と第2のミラー302に対して、反射率が90%以上であることが好ましい。また、測定光106の波長はファブリーペロー型探触子の感度が最大になる最適波長を用いることが好ましい。
被検体101へ照射する励起光103は、被検体101を構成する成分のうち特定の成分に吸収される特性の波長の光を用いる。励起光103としては、パルス光が好適である。パルス光は、数ピコから数百ナノ秒オーダーのものであり、被検体が生体の場合には数ナノから数十ナノ秒のパルス光を採用することが好ましい。
励起光103を発生する励起光源104としてはレーザーが好ましい。ただし発光ダイオードやフラッシュランプなどを用いても良い。レーザーとしては、例えば、固体レーザー、ガスレーザー、色素レーザー、半導体レーザーなどを使用できる。発振する波長の変換可能な色素やOPO(Optical Parametric Oscillators)を用いれば、光学特性値分布の波長による違いを測定可能になる。
使用する光源の波長に関しては、生体内において吸収が少ない700nmから1100nmの領域が好ましい。しかし上記の波長領域よりも範囲の広い、例えば400nmから1600nmの波長領域、さらにはテラヘルツ波、マイクロ波、ラジオ波領域の使用も可能である。
使用する光源の波長に関しては、生体内において吸収が少ない700nmから1100nmの領域が好ましい。しかし上記の波長領域よりも範囲の広い、例えば400nmから1600nmの波長領域、さらにはテラヘルツ波、マイクロ波、ラジオ波領域の使用も可能である。
図1では被検体に対して、ファブリーペロー型探触子105の影にならない方向から励起光103を照射している。しかし、励起光103としてファブリーペロー型探触子105のミラーを透過する波長を用いることにより、ファブリーペロー型探触子105側から励起光103を照射することも可能である。
被検体101から生じる光音響波102を効率的にファブリーペロー型探触子105で検出するために、被検体101とファブリーペロー型探触子105との間には音響結合媒体を使うことが望ましい。図1では音響結合媒体として水を用いて、水槽120中に被検体101を配置した様子を示している。しかし音響結合媒体はこれに限らない。例えば、被検体101とファブリーペロー型探触子105との間に、音響インピーダンスマッチングジェルを塗る構成にしてもよい。
被検体101に励起光103を照射すると、励起光103のエネルギーの一部を吸収した被検体内から、光音響波102が発生する。この光音響波102は、ファブリーペロー型探触子105において反射光119の光量変化として検出され、二次元アレイ型光センサ109において電気信号に変換される。二次元アレイ型光センサ109における電気信号の分布は、ファブリーペロー型探触子105において測定光106が照射されている領域上に届く光音響波102の強度分布を表している。
これにより、ファブリーペロー型探触子105において、測定光106が照射されている領域上に到達する光音響波102の圧力分布を取得できる。
これにより、ファブリーペロー型探触子105において、測定光106が照射されている領域上に到達する光音響波102の圧力分布を取得できる。
得られた電気信号の分布から光学特性値分布を得るための再構成アルゴリズムとしては、ユニバーサルバックプロジェクションや整相加算などを採用できる。なお素子に異物が存在するなどで膜厚が著しく異常を示す領域はから得られたデータは、再構成に利用しないことが好ましい。そこで、このようなデータ欠損部に関しては、画像再構成処理の際に補正することも可能である。
なお、励起光103として複数の波長の光を用いた場合は、それぞれの波長に関して、生体内の光学係数を算出し、それらの値と生体組織を構成する物質(グルコース、コラーゲン、酸化・還元ヘモグロビンなど)固有の波長依存性とを比較する。これによって、生体を構成する物質の濃度分布を画像化できる。
上記の実施形態1に示されたイメージング装置を用いることで、撮像部への露光時間に起因する誤った信号受信による画質劣化を防止でき、より正確な被検体内部の光学特性値分布を取得できる。
[実施形態2]
本実施形態のイメージング装置と実施形態1のイメージング装置との主な相違点は、実施形態1における撮像部108および信号処理部111の構成、撮像部108における露光方法、および、信号処理部における信号復元方法である。その他の構成および制御方法については実施形態1と同様であるため、以下の記載では上記の相違点を中心として説明する。
本実施形態のイメージング装置と実施形態1のイメージング装置との主な相違点は、実施形態1における撮像部108および信号処理部111の構成、撮像部108における露光方法、および、信号処理部における信号復元方法である。その他の構成および制御方法については実施形態1と同様であるため、以下の記載では上記の相違点を中心として説明する。
(構成)
本実施形態のイメージング装置について、構成図10と、信号処理の流れを示すフローチャート図11を用いて説明する。本実施形態と実施形態1との構成上の相違は撮像部1008と信号処理部1011であるため、その他の構成についてはここでは詳細説明を省略する。
本実施形態のイメージング装置について、構成図10と、信号処理の流れを示すフローチャート図11を用いて説明する。本実施形態と実施形態1との構成上の相違は撮像部1008と信号処理部1011であるため、その他の構成についてはここでは詳細説明を省略する。
(ステップS1101)
本実施形態での撮像部1008は、二次元アレイ型光センサ1009への露光時間を制御する露光時間制御部1010を備える。露光時間制御部1010では、二種類以上の露光時間で露光を行い、信号取得ができるように制御する。撮像部で二種類以上の露光時間で取得された信号は、実施形態1と同様にアナログデジタル変換と信号増幅を行われた後、信号処理部1011に出力される。
本実施形態での撮像部1008は、二次元アレイ型光センサ1009への露光時間を制御する露光時間制御部1010を備える。露光時間制御部1010では、二種類以上の露光時間で露光を行い、信号取得ができるように制御する。撮像部で二種類以上の露光時間で取得された信号は、実施形態1と同様にアナログデジタル変換と信号増幅を行われた後、信号処理部1011に出力される。
(ステップS1102)
信号処理部1011では、取得した信号のクロック周波数に合わせた補間と、それらを用いた信号復元を行う。ここでの具体的な信号復元の方法については後述する。
信号処理部1011では、取得した信号のクロック周波数に合わせた補間と、それらを用いた信号復元を行う。ここでの具体的な信号復元の方法については後述する。
(ステップS1103−S1104)
信号復元の後の処理の流れは、実施形態1と同様である。すなわち、画像処理部1014で画像再構成、画像処理を行い、画像表示部1015で算出された光学特性値分布情報を表示する。
信号復元の後の処理の流れは、実施形態1と同様である。すなわち、画像処理部1014で画像再構成、画像処理を行い、画像表示部1015で算出された光学特性値分布情報を表示する。
(露光のタイミングチャート)
次に、撮像部1008において二種類以上の露光時間での露光を行う方法について、図12を用いて説明する。本実施形態では、二種類以上の露光時間で露光を行うために、複数回に渡って励起光源1004からの発光を行い、被検体1001からの光音響波1002を発生させる。
次に、撮像部1008において二種類以上の露光時間での露光を行う方法について、図12を用いて説明する。本実施形態では、二種類以上の露光時間で露光を行うために、複数回に渡って励起光源1004からの発光を行い、被検体1001からの光音響波1002を発生させる。
図12において、トリガ信号1201は一回目の励起光源1004のパルス光発光に伴うトリガ信号であり、それに同期した露光タイミング信号1202に従って、撮像部1008で露光がおこなわれる。このとき露光時間制御部1010は、露光時間が1203で示した時間になるように制御する。
同様に、二回目の励起光源の発光に伴ってトリガ信号1204が出力され、これに同期
して二回目の露光タイミング信号1205に従って露光がおこなわれる。このとき露光時間制御部1010は、一回目の露光とは異なる露光時間1206になるよう制御を行う。
三種類以上の露光時間での露光を行う場合も同様の方法で順次行われる。このようにして二種類以上の露光時間での露光を行い、信号取得を行う。
同様に、二回目の励起光源の発光に伴ってトリガ信号1204が出力され、これに同期
して二回目の露光タイミング信号1205に従って露光がおこなわれる。このとき露光時間制御部1010は、一回目の露光とは異なる露光時間1206になるよう制御を行う。
三種類以上の露光時間での露光を行う場合も同様の方法で順次行われる。このようにして二種類以上の露光時間での露光を行い、信号取得を行う。
(信号復元方法)
次に、信号処理部1011において二種類以上の露光時間で取得した信号を用いて信号復元を行う理由とその方法について説明する。なお、信号補間計算部1012による、信号処理部1011のクロック周波数に合わせた信号補間計算方法は実施形態1に記載したものと同様なので、説明を省略する。また、信号補正計算部1013では、帯域特性などを考慮した適切なフィルターを用いた補正を行う。
次に、信号処理部1011において二種類以上の露光時間で取得した信号を用いて信号復元を行う理由とその方法について説明する。なお、信号補間計算部1012による、信号処理部1011のクロック周波数に合わせた信号補間計算方法は実施形態1に記載したものと同様なので、説明を省略する。また、信号補正計算部1013では、帯域特性などを考慮した適切なフィルターを用いた補正を行う。
実施形態1に記載したように、信号処理部で信号復元計算を行う際、式501の分母であるw(ω)がゼロになる周波数については値が発散するため、計算領域から除外する必要がある。また、除外する周波数の近傍においても取得信号の抑制効果が強いため信号強度が小さくなり、信号に含まれるノイズの影響が相対的に増大し、信号復元が適切に行えないことがある。そのため、w(ω)がゼロになる周波数の近傍領域も、信号復元の際に計算領域から除外する必要がある。
これら除外処理の結果、真の信号のフーリエ変換f(ω)が十分強度のある周波数領域が上記の除外した周波数領域と重なる場合、除外された周波数成分が復元されない場合がある。これでは真の信号の復元が適切に行えないおそれがある。
そこで本実施形態では、二種類以上の露光時間で取得した信号を組み合わせて信号復元を行うことでこの課題を解決する。
そこで本実施形態では、二種類以上の露光時間で取得した信号を組み合わせて信号復元を行うことでこの課題を解決する。
図13は50ns、75nsの露光時間で信号取得を行った場合について、取得信号の振幅の真の信号の振幅に対する割合を図8と同様にシミュレーションし、周波数を横軸にプロットしたものである。縦軸は式4で示した値である。
図13から、二種類の異なる露光時間で取得された信号の振幅がゼロになる最も低い周波数a1、b1は、互いに異なる値を取ることが分かる。このことを利用すれば、計算領域から除外する周波数と、信号復元に利用する周波数を、適切に選択できる。例えば図13においては、取得信号の振幅の真の信号に対する割合が大きくなる方の信号を用いて信号復元を行うことで、すべての周波数領域で計算を実行できる。
具体的には、図13に示すように、二種類の露光時間の曲線の交点の周波数fa、fbと、計算領域の最大周波数fmaxを境界として、それぞれの信号を用いる周波数領域を分割できる。つまり露光時間50nsの値が大きくなる周波数領域1301では、露光時間50nsで取得した信号を信号復元の計算に利用し、逆に露光時間75nsの値が大きくなる周波数領域1302では、露光時間75nsで取得した信号を計算に用いる。具体的な計算方法を式6(式601〜式605)に示した。
式601は周波数と角周波数の関係である。
式602は上記の二種類の露光時間で取得した信号を用いる領域を角周波数で表した式である。ここで、faはωaに、fbはωbに、fmaxはωmaxに対応している。
式602は上記の二種類の露光時間で取得した信号を用いる領域を角周波数で表した式である。ここで、faはωaに、fbはωbに、fmaxはωmaxに対応している。
式603は式602で示した各々の領域において定義される真の信号F(t)のフーリエ変換f(ω)を示している。q1(ω)は撮像部1008において露光時間50nsで取得された信号のフーリエ変換関数であり、w1(ω)は露光時間50nsの場合の露光時間を定義する関数W(t)のフーリエ変換である。同様に、q2(ω)は露光時間75nsで取得された信号のフーリエ変換関数であり、w2(ω)は露光時間75nsの場合の露光時間を定義する関数W(t)のフーリエ変換である。
このようにf(ω)を二種類の露光時間で取得した信号を用いることにより、ωmax以下のすべての角周波数領域でf(ω)を定義できる。
このようにf(ω)を二種類の露光時間で取得した信号を用いることにより、ωmax以下のすべての角周波数領域でf(ω)を定義できる。
式604、式605で、式603で定義された関数f(ω)を逆フーリエ変換することで、実施形態1と同様に真の信号F(t)を復元できる。ここでは本実施形態に適用できる逆フィルターによる信号復元の計算方法を示した。しかし、実施形態1と同様にウィーナーフィルターを用いた方法を用いてもよい。
なお、信号復元の際に用いる信号の周波数領域の分割方法は、必ずしも図13で説明した場合に限らない。すなわち、少なくともある露光時間のw(ω)がゼロになる周波数を含む領域に関しては、それとは異なる露光時間による信号を用いるという方法で分割すれば良い。
また、上記の例では二種類の露光時間で取得した信号を用いる例を示したが、三種類以上であっても同様の方法を適用できる。
また、上記の例では二種類の露光時間で取得した信号を用いる例を示したが、三種類以上であっても同様の方法を適用できる。
上記の実施形態2に示されたイメージング装置を用いることで、露光時間に依存した特定の周波数領域の音響信号からの情報が欠如することがないため、より正確な被検体内部の光学特性値分布を取得できる。
[実施形態3]
本実施形態では、音響信号を取得するために、実施形態1のようにファブリーペロー干渉膜を用いる代わりに、圧電現象や容量変化を利用したトランスデューサーを用いる。
図14を用いて、本実施形態の構成を説明する。本実施形態のイメージング装置は、実施形態1と同様に、励起光源1404を備える。励起光源1404は、励起光1403を出射して被検体1401に照射し、光音響波1402を励起する。
本実施形態では、音響信号を取得するために、実施形態1のようにファブリーペロー干渉膜を用いる代わりに、圧電現象や容量変化を利用したトランスデューサーを用いる。
図14を用いて、本実施形態の構成を説明する。本実施形態のイメージング装置は、実施形態1と同様に、励起光源1404を備える。励起光源1404は、励起光1403を出射して被検体1401に照射し、光音響波1402を励起する。
本実施形態の実施形態1との相違は、実施形態1ではファブリーペロー干渉膜の反射光を二次元アレイ型光センサで検知して音響波を取得するのに対し、本実施形態では音響波検出器1406のトランスデューサー1407で音響信号を取得する点にある。従って、実施形態1に備えられていた二次元アレイ型光センサに反射光を導くための光学系は、本実施形態には存在しない。
トランスデューサー1407には、圧電現象を用いたPZT(Lead Zirconate Titanate)型トランスデューサーを採用できる。あるいは、容量変化を用いたcMUT(Capacitive Micro−machined Ultrasonic Transducers)を採用できる。後述する処理を実現できるものであれば、その他のトランスデューサーであっても良い。
フォトダイオード(PD)1405は、励起光源1404の発光に合わせてトリガ信号を発生し、トランスデューサー1407に送信する。トランスデューサー1407は、そのトリガ信号に同期した信号取得タイミングチャートに基づいて信号取得を行う。
ここで、トランスデューサー1407は、実施形態1の二次元アレイ型光センサの露光時間と同様の信号取得時間を有しているため、これに起因した周波数に依存した信号の減衰が発生する。従って本実施形態においても、取得信号の減衰を復元する処理が必要となる。そのために、音響波検出器1406で取得されたのちアナログデジタル変換や増幅を施された取得信号に対し、信号処理部1408は実施形態1と同様に信号補間と信号補正を行う。ここで、信号補間計算部1410の補間計算や信号補正計算部1409での補正計算は実施形態1と同様なので、詳細は省略する。
その後、画像処理部1411において、復元された信号を解析して、被検体1401の光学特性値分布情報を算出する。画像表示部1412では算出された光学特性値分布情報を表示する。
なお、実施形態2に示したような、トランスデューサー1407において複数の音響信号取得時間で信号を取得し、それらの信号を用いて信号復元を行う方法を、本実施形態に適用することも可能である。
上記の実施形態3に示されたイメージング装置を用いることで、圧電現象や容量変化を利用したトランスデューサーを用いた場合でも、信号取得時間に起因する信号減衰を復元して、より正確な被検体内部の光学特性値分布を取得することが可能になる。
本明細書中で記載された音響波受信装置やイメージング装置は、被検体内の光学特性値分布及び、それらの情報から得られる生体組織を構成する物質の濃度分布を画像化する、医療用画像診断機器として利用可能である。これにより、例えば被検体として生体物質を用いる場合、腫瘍や血管疾患などの診断や化学治療の経過観察などを行える。
本発明はまた、被検体として非生体物質を対象とした非破壊検査などにも応用できる。以上より、本発明は広く検査装置として利用可能である。
本発明はまた、被検体として非生体物質を対象とした非破壊検査などにも応用できる。以上より、本発明は広く検査装置として利用可能である。
105:ファブリーペロー型探触子,108:撮像部,109:二次元アレイ型光センサ,111:信号処理部,113:信号補正計算部,114:画像処理部
Claims (10)
- 被検体から伝搬した音響波を受信して電気信号に変換する受信素子を含む受信部と、
前記電気信号に信号処理を行う処理部と、
前記処理部から出力された電気信号を用いて前記被検体内の特性情報を取得する構成部と、
を有し、
前記処理部は、前記受信素子による信号取得時間に起因して生じる、前記受信部の受信周波数帯域に応じた感度の特性に基づいて、前記電気信号を前記音響波の強度に対応させる補正計算を行う
ことを特徴とする被検体情報取得装置。 - 前記受信部に測定光を入射させる第一の光源をさらに有し、
前記受信部は、
音響波の入射を受けると前記測定光の反射光量が変化する干渉膜と、
前記反射光を前記受信素子である撮像素子に露光することで、前記反射光量の時間変化を取得する撮像部と、を含み、
前記処理部は、前記信号取得時間である前記撮像素子の露光時間に起因して生じる、前記受信周波数帯域に応じた感度の特性に基づいて、前記補正計算を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の被検体情報取得装置。 - 前記受信部は、当該受信部が複数の異なる前記信号取得時間で前記音響波を受信するように制御を行う信号取得時間制御部を含み、
前記処理部は、複数の異なる前記信号取得時間で受信された前記音響波に由来する電気信号を用いて、前記補正計算を行う
ことを特徴とする請求項2に記載の被検体情報取得装置。 - 前記受信部は、ファブリーペロー型探触子である
ことを特徴とする請求項2または3に記載の被検体情報取得装置。 - 前記処理部は、前記受信部により変換された前記電気信号を示す関数と、前記露光時間を定義する関数を用いた逆フィルターにより真の信号波形を復元することによって、前記補正計算を行う
ことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。 - 前記処理部は、サンプリング定理に基づいて前記電気信号の信号補間を行う
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。 - 前記被検体に複数回にわたって光を照射する第二の光源と、
前記第二の光源からの光の照射に応じてトリガ信号を発生させるトリガ信号発生部と、をさらに有し、
前記受信部は、前記第二の光源から光を照射された前記被検体から伝搬する音響波を受信するものであり、かつ、複数回にわたって発生する前記トリガ信号に対して異なる遅延時間で音響波を受信する
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。 - 前記受信部は、圧電現象または容量変化を用いたトランスデューサーである
ことを特徴とする請求項1に記載の被検体情報取得装置。 - 前記特性情報を表示する表示部をさらに有する
ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。 - 被検体から伝搬した音響波を受信して電気信号に変換する受信素子を含む受信部と、
前記電気信号に信号処理を行う処理部と、
を有し、
前記処理部は、前記受信素子による信号取得時間に起因して生じる、前記受信部の受信周波数帯域に応じた感度の特性に基づいて、前記電気信号を前記音響波の強度に対応させる補正計算を行う
ことを特徴とする音響波受信装置。
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JP2013232336A JP2015092914A (ja) | 2013-11-08 | 2013-11-08 | 被検体情報取得装置および音響波受信装置 |
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