JP2013233386A - 光音響画像生成装置、システム、及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光音響画像生成装置において、本来の光吸収体の光吸収強度分布に近い画像を得る。
【解決手段】プローブ11は、被検体に対する光照射により被検体内で生じた光音響波を検出する。信号分割手段24は、光音響信号を低周波成分と高周波成分とに分割する。低周波画像生成手段25は光音響信号の低周波成分に基づいて低周波画像を生成し、高周波画像生成手段は光音響信号の高周波成分に基づいて高周波画像を生成する。画像補正手段28は、低周波画像を高周波画像を用いて補正する。
【選択図】図1
【解決手段】プローブ11は、被検体に対する光照射により被検体内で生じた光音響波を検出する。信号分割手段24は、光音響信号を低周波成分と高周波成分とに分割する。低周波画像生成手段25は光音響信号の低周波成分に基づいて低周波画像を生成し、高周波画像生成手段は光音響信号の高周波成分に基づいて高周波画像を生成する。画像補正手段28は、低周波画像を高周波画像を用いて補正する。
【選択図】図1
Description
本発明は、光音響画像生成装置、システム、及び方法に関し、更に詳しくは、被検体に光を照射し、光照射により被検体内で生じた音響波を検出して光音響画像を生成する光音響画像生成装置、システム、及び方法に関する。
生体内部の状態を非侵襲で検査できる画像検査法の一種として、超音波検査法が知られている。超音波検査では、超音波の送信及び受信が可能な超音波探触子を用いる。超音波探触子から被検体(生体)に超音波を送信させると、その超音波は生体内部を進んでいき、組織界面で反射する。超音波探触子でその反射音波を受信し、反射超音波が超音波探触子に戻ってくるまでの時間に基づいて距離を計算することで、内部の様子を画像化することができる。
また、光音響効果を利用して生体の内部を画像化する光音響イメージングが知られている。一般に光音響イメージングでは、パルスレーザ光を生体内に照射する。生体内部では、生体組織がパルスレーザ光のエネルギーを吸収し、そのエネルギーによる断熱膨張により超音波(光音響信号)が発生する。この光音響信号を超音波プローブなどで検出し、検出信号に基づいて光音響画像を構成することで、光音響信号に基づく生体内の可視化が可能である。
光音響イメージングに関し、特許文献1には、タイムドメイン法により第1の光音響画像を生成すると共に、フーリエドメイン法により第2の光音響画像を再生し、第1の光音響画像と第2の光音響画像とから診断画像を生成することが記載されている。特許文献1には、タイムドメイン法は信号を測定する面に対し、垂直方向のアーティファクトを生じる傾向があるのに対し、フーリエドメイン法は平行方向のアーティファクトも生じる傾向があると記載されている。特許文献1では、このような傾向の違いに着目し、2つの画像再構成手法で得られた結果を組み合わせることで、人体に対して360度の全方位から音波を検出できない場合など、取得する情報の不確実性が増した場合であっても、アーティファクトの発生を可及的に抑制できるとしている。
ここで、光音響イメージングにおいて血管のような網目状の構造物をイメージングすることを考えると、血管は被検体内で様々な方向を向いて配置されているため、被検体内では様々な角度成分の光音響波が発生する。このため、音響波検出器には様々な角度成分の光音響波が入射し、音響波検出器で検出される光音響波の角度成分の分布は広いと考えられる。一般に、音響波検出器の検出器素子は、音響波の検出器素子への入射角度に依存して検出信号の強度が変化する角度依存性を有している。このため、光音響波の検出信号に基づいて光音響画像を生成すると、本来画像化したい血管内の血液吸収強度の分布に対応しない、血管の角度成分に依存した信号に基づく画像が形成されることになる。
光音響波の検出信号は、低周波成分から高周波成分までの広い帯域の成分を含んでいる。一方、検出器素子の検出性能の角度依存性は周波数依存性を有しており、周波数が高いほど斜め成分の音響波の検出性能が落ちる傾向にある。このため、特に高周波成分において、音響波検出面にほぼ平行な血管からの光音響波の検出信号に比して、傾いた血管からの光音響波の検出信号の信号強度が低くなる。角度に依存して光音響波の検出信号の信号強度に差が付くことから、音響波検出面に対して平行な血管の輝度値が、傾いた血管の輝度値よりも高くなり、音響波検出面に平行な血管が強調された光音響画像が形成されることになる。光音響画像の観察に際しては、本来の血管内の血液吸収強度分布に近い画像が直観的に見やすくてよい。しかしながら、従来、そのような画像を生成するための技術は知られていなかった。特許文献1は、単にタイムドメイン法で生成した画像とフーリエドメイン法で生成した画像とを合成しているだけであり、特許文献1では上記した問題を解決することはできない。
本発明は、上記に鑑み、本来の光吸収体の光吸収強度分布に近い画像を得ることができる光音響画像生成装置、システム、及び方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、被検体に対する光照射により被検体内で生じた光音響波の検出信号である光音響信号を、所定周波数以下の周波数領域の低周波成分と、所定周波数よりも高い周波数領域の1以上の高周波成分とに分割する信号分割手段と、光音響信号の低周波成分に基づいて、フーリエ変換法により低周波光音響画像を生成する低周波画像生成手段と、光音響信号の1以上の高周波成分のそれぞれに基づいて、タイムドメインで高周波光音響画像を生成する1以上の高周波画像生成手段と、低周波光音響画像を、1以上の高周波光音響画像を用いて補正する画像補正手段を備えたことを特徴とする光音響画像生成装置を提供する。
本発明では、1以上の高周波光音響画像に対して所定の画像処理を行う1以上の画像処理手段を更に備え、画像補正手段が、画像処理手段で所定の画像処理が施された1以上の高周波光音響画像を用いて低周波光音響画像を補正するものである構成を採用することができる。
画像補正手段が行う所定の画像処理が、1以上の高周波光音響画像における画素値を低下させる処理を含んでいてもよい。
画像補正手段が、1以上の高周波光音響画像のうちの少なくとも一部を低周波光音響画像から減算し、残りを低周波光音響画像に加算することで、低周波光音響画像を補正するものであってもよい。
光音響信号の低周波成分が、音速(m/s)/検出器素子の幅(m)で表わされる周波数以下の周波数領域の周波数成分で構成され、光音響信号の1以上の高周波成分のそれぞれが、音速(m/s)/検出器素子の幅(m)で表わされる周波数よりも高い周波数領域の周波数成分で構成されることとしてもよい。
信号分割手段が、光音響信号から所定周波数以下の周波数成分を抽出し、低周波成分に対応する第1の光音響信号を生成する第1のフィルタと、光音響信号から所定周波数よりも高い周波数成分を抽出し、高周波成分に対応する第2の光音響信号を生成する第2のフィルタと含み、低周波画像生成手段が第1の光音響信号に基づいて低周波光音響画像を生成し、高周波画像生成手段が第2の光音響信号に基づいて高周波光音響画像を生成するものである構成を採用してもよい。
光音響波が3次元的に検出されており、低周波画像生成手段及び高周波画像生成手段が、それぞれ、3次元空間を構成する軸のうちの1つの軸に垂直な面に沿った断面で低周波光音響画像及び高周波光音響画像を生成してもよい。また、低周波画像生成手段及び高周波画像生成手段が、それぞれ断面位置を含む1つの軸に沿った方向の所定範囲の画像データを統合することで低周波光音響画像及び高周波光音響画像を生成することとしてもよい。その際、低周波光音響画像生成手段及び高周波画像生成手段は、それぞれ、所定範囲内の画像データの最大値を投影し、又は所定範囲内の画像データを積分することで、所定範囲内の画像データを統合してもよい。
低周波画像生成手段及び高周波画像生成手段が、それぞれ被検体に深さ方向に対応する軸に沿って光音響波を検出する際の音響波検出面と平行な方向で低周波光音響画像及び高周波光音響画像を生成することとしてもよい。
本発明は、また、被検体に照射すべき光を出射する光源と、被検体に対する光照射により被検体内で生じた光音響波を検出する音響波検出手段と、光音響波の検出信号である光音響信号を、所定周波数以下の周波数領域の低周波成分と、所定周波数よりも高い周波数領域の1以上の高周波成分とに分割する信号分割手段と、光音響信号の低周波成分に基づいて、フーリエ変換法により低周波光音響画像を生成する低周波画像生成手段と、光音響信号の1以上の高周波成分のそれぞれに基づいて、タイムドメインで高周波光音響画像を生成する1以上の高周波画像生成手段と、低周波光音響画像を、1以上の高周波光音響画像を用いて補正する画像補正手段を備えたことを特徴とする光音響画像生成装置を提供する。
更に、本発明は、被検体に対する光照射により被検体内で生じた光音響波の検出信号である光音響信号を、所定周波数以下の周波数領域の低周波成分と、所定周波数よりも高い周波数領域の1以上の高周波成分とに分割するステップと、光音響信号の低周波成分に基づいて、フーリエ変換法により低周波光音響画像を生成するステップと、光音響信号の1以上の高周波成分のそれぞれに基づいて、タイムドメインで1以上の高周波光音響画像を生成するステップと、低周波光音響画像を、1以上の高周波光音響画像を用いて補正するステップとを有する光音響画像生成方法を提供する。
本発明の光音響画像生成装置、システム、及び方法は、光音響信号を低周波成分と高周波成分とに分け、低周波成分に基づいて低周波画像を生成し、高周波成分に基づいて高周波画像を生成する。高周波成分は感度の角度依存性が高く、低周波成分は高周波成分ほどではないが、感度の角度依存性を持っている。高周波成分に基づく高周波画像を用いて低周波成分に基づく低周波画像を補正することで、低周波成分における感度の角度依存性を補正することができ、光吸収体の配置角度に対する依存性が低い、本来の光吸収体の光吸収強度分布に近い画像を得ることができる。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態の光音響画像生成システムを示す。光音響画像生成システム(光音響画像診断システム)10は、超音波探触子(プローブ)11、超音波ユニット12、及びレーザユニット13を備える。
レーザユニット13は、光源であり、被検体に照射すべき光(レーザ光)を生成する。レーザ光の波長は、観察対象物に応じて適宜設定すればよい。レーザユニット13は、例えばヘモグロビンの吸収が大きい波長、具体的には750nmや800nmの波長の光を出射する。レーザユニット13は、相互に異なる複数の波長の光を切り替えて出射可能であってもよい。レーザユニット13が出射するレーザ光は、例えば光ファイバなどの導光手段を用いてプローブ11まで導光され、プローブ11から被検体に照射される。あるいは、プローブ11以外の場所から光照射を行うこととしてもよい。
プローブ11は、被検体内からの音響波(超音波)を検出する音響波検出手段を有する。プローブ11は、例えば一次元的に配列された複数の超音波振動子を有している。プローブ11は、被検体内の測定対象物がレーザユニット13からの光を吸収することで生じた光音響波(以下、光音響信号とも呼ぶ)を複数の超音波振動子により検出する。
超音波ユニット12は、検出された光音響波に基づいて光音響画像を生成する光音響画像生成装置に相当する。超音波ユニット12は、受信回路21、AD変換手段22、受信メモリ23、信号分割手段24、低周波画像生成手段25、高周波画像生成手段26、画像処理手段27、画像補正手段28、トリガ制御回路29、及び制御手段30を有する。制御手段30は、超音波ユニット12内の各部を制御する。受信回路21は、プローブ11が検出した光音響波の検出信号(光音響信号)を受信する。AD変換手段22は、受信回路21が受信した光音響信号をサンプリングしてデジタル信号に変換する。AD変換手段22は、例えばADクロック信号に同期して、所定のサンプリング周期で光音響信号をサンプリングする。
トリガ制御回路29は、レーザユニット13に対して光出射を指示する光トリガ信号を出力する。レーザユニット13は、図示しないYAGやチタン−サファイアなどのレーザ媒質を励起するフラッシュランプ41と、レーザ発振を制御するQスイッチ42とを含む。レーザユニット13は、トリガ制御回路29がフラッシュランプトリガ信号を出力すると、フラッシュランプ41を点灯し、レーザ媒質を励起する。トリガ制御回路29は、例えばフラッシュランプ41がレーザ媒質を十分に励起させると、Qスイッチトリガ信号を出力する。Qスイッチ42は、Qスイッチトリガ信号を受けるとオンし、レーザユニット13からレーザ光を出射させる。フラッシュランプ41の点灯からレーザ媒質が十分な励起状態となるまでに要する時間は、レーザ媒質の特性などから見積もることができる。
なお、トリガ制御回路29からQスイッチを制御するのに代えて、レーザユニット13内において、レーザ媒質を十分に励起させた後にQスイッチ42をオンにしてもよい。その場合は、Qスイッチ42をオンにした旨を示す信号を超音波ユニット12側に通知してもよい。ここで、光トリガ信号とは、フラッシュランプトリガ信号とQスイッチトリガ信号の少なくとも一方を含む概念である。トリガ制御回路29からQスイッチトリガ信号を出力する場合はQスイッチトリガ信号が光トリガ信号に対応し、レーザユニット13にてQスイッチトリガのタイミングを生成する場合はフラッシュランプトリガ信号が光トリガ信号に対応していてもよい。光トリガ信号が出力されることで、被検体に対するレーザ光の照射及び光音響信号の検出が行われる。
また、トリガ制御回路29は、AD変換手段22に対して、サンプリング開始を指示するサンプリングトリガ信号を出力する。トリガ制御回路29は、光トリガ信号の出力後、所定のタイミングでサンプリングトリガ信号を出力する。トリガ制御回路29は、光トリガ信号の出力後、好ましくは、被検体に実際にレーザ光が照射されるタイミングで、サンプリングトリガ信号を出力する。例えばトリガ制御回路29は、Qスイッチトリガ信号の出力と同期してサンプリングトリガ信号を出力する。
AD変換手段22は、サンプリングトリガ信号を受けると、プローブ11にて検出された光音響信号のサンプリングを開始する。AD変換手段22は、サンプリングした光音響信号を、受信メモリ23に格納する。受信メモリ23には、例えば半導体記憶装置を用いることができる。あるいは、受信メモリ23に、その他の記憶装置、例えば磁気記憶装置を用いてもよい。
信号分割手段24は、受信メモリ23から光音響信号を読み出し、読み出した光音響信号を、所定周波数以下の周波数領域の低周波成分と、所定周波数よりも高い周波数領域の高周波成分とに分割する。本実施形態では、信号分割手段24は、光音響信号から所定周波数以下の周波数成分を抽出し、低周波成分に対応する第1の光音響信号を生成する第1のフィルタ(LPF:Low Pass Filter)241と、光音響信号から所定周波数よりも高い周波数成分を抽出し、高周波成分に対応する第2の光音響信号を生成する第2のフィルタ(HPF:High Pass Filter)242とを含む。なお、第1の光音響信号と第2の光音響信号とで、周波数帯域が完全に分離している必要まではなく、周波数帯域が一部重複していても構わない。
低周波画像生成手段25は、光音響信号の低周波成分に基づいて低周波光音響画像(低周波画像)を生成する。低周波画像生成手段25は、光音響画像再構成手段251と、検波・対数変換手段252と、画像構築手段253とを含む。光音響画像再構成手段251は、第1のフィルタ241から光音響信号の低周波成分(第1の光音響信号)を受け取り、受け取った第1の光音響信号を再構成する。光音響画像再構成手段251は、第1の光音響信号に基づいて、断層画像である光音響画像の各ラインの画像データを生成する。ここで、再構成された光音響信号は、光音響画像とみなすことができる。光音響画像再構成手段251は、フーリエ変換法により第1の光音響信号を再構成する。
検波・対数変換手段252は、光音響画像再構成手段251が出力する各ラインのデータの包絡線を生成し、その包絡線を対数変換してダイナミックレンジを広げる。画像構築手段253は、対数変換が施された各ラインのデータに基づいて、低周波画像(第1の光音響画像)を生成する。画像構築手段253は、例えば光音響信号(ピーク部分)の時間軸方向の位置を、断層画像における深さ方向の位置に変換して第1の光音響画像を生成する。低周波画像生成手段25は、例えば3次元的に検出された光音響波の低周波成分に基づく3次元画像データを生成する。
高周波画像生成手段26は、光音響信号の高周波成分に基づいて高周波光音響画像(高周波画像)を生成する。高周波画像生成手段26は、光音響画像再構成手段261と、検波・対数変換手段262と、画像構築手段263とを含む。光音響画像再構成手段261は、第2のフィルタ242から光音響信号の高周波成分(第2の光音響信号)を受け取り、受け取った高周波成分を再構成する。光音響画像再構成手段261は、第2の光音響信号に基づいて、断層画像である光音響画像の各ラインの画像データを生成する。
光音響画像再構成手段261は、タイムドメインで第2の光音響信号を再構成する。より詳細には、遅延加算法(Delay and Sum、位相整合加算、整相加算と同義)により、第2の光音響信号を再構成する。光音響画像再構成手段261は、例えば64素子分の光音響信号を、各素子(各超音波振動子)の位置に応じた遅延時間で加算することで、第2の光音響信号を再構成する。
検波・対数変換手段262は、光音響画像再構成手段261が出力する各ラインのデータの包絡線を生成し、その包絡線を対数変換してダイナミックレンジを広げる。画像構築手段263は、対数変換が施された各ラインのデータに基づいて、高周波画像(第2の光音響画像)を生成する。画像構築手段263は、例えば光音響信号(ピーク部分)の時間軸方向の位置を、断層画像における深さ方向の位置に変換して第2の光音響画像を生成する。高周波画像生成手段26は、例えば3次元的に検出された光音響波の高周波成分に基づく3次元画像データを生成する。
画像処理手段27は、高周波画像生成手段26が生成した高周波画像に対して所定の画像処理を行う。画像処理手段27は、高周波画像に対して、例えば画素値を低下させる処理(強度変更処理)や、ボカシ処理、ノイズ除去処理などを施す。画像処理手段27は省略してもよい。
ここで、プローブ11における音響波検出器素子(振動子)は、音響波の検出面に対する入射角度に依存して検出信号の信号強度が変化する(感度が異なる)角度依存性を持っている。図2は、プローブ11に用いられる振動子の感度の角度依存性を示す。同図では、第1の光音響信号(低周波成分)に対する平均感度を点線で示し、第2の光音響信号(高周波成分)に対する平均感度を実線で示している。同図に示すように、低周波成分は、音響波の入射角が大きくなっていっても、感度の落ちは比較的小さく、感度の角度依存性は低い。これに対し、高周波成分は、入射角が大きくなるに連れて感度が顕著に落ちる。
図3A及び図3Bは、プローブ11と被検体内の血管とを示す。プローブ11は、紙面横方向に1次元的に配列された複数の振動子を有しているものとする。プローブ11の音響波検出面に対して血管がほぼ平行に配置されている場合、血管から発生した光音響波は、音響波検出面に対してほぼ平行な平行波としてプローブ11に入射する(図3A)。一方、血管がプローブ11の音響波検出面に対して傾いている場合、傾いた血管から発生した光音響波は、角度成分を持ってプローブ11に入射する(図3B)。
光音響波の低周波成分については、角度依存性が低いために、被検体の表面からの距離dが同じ正対した血管(図3A)及び傾いた血管(図3B)から発生した光音響波の検出信号の信号強度に大きな差はない。しかし、高周波成分については、角度依存性が高いために、深さ方向の距離dが同じでも、正対した血管(図3A)と傾いた血管(図3B)とで、検出信号の信号強度に差が生じる。このことから、特に高周波成分において、正対した血管からの光音響信号が強く検出される。
振動子は、低周波成分については、広い角度から信号を得ることができる。一方、高周波成分については、狭い角度範囲からの信号を検出できる。振動子のこのような特性から、光音響信号の低周波成分には、様々な角度で配置している血管からの情報が含まれ、そのような低周波成分に基づいて光音響画像を生成することで、本来の血管網に近いつながりのよい画像が得ることができる。従って、高周波成分を含んだままで画像化する場合に比して、血管網の描出能が向上する。一方、高周波成分は、音響波検出面と正対した音響波検出面に対して平行に近い血管分布の情報が多く含まれ、そのような高周波成分に基づいて光音響画像を生成すると、正対した状態の血管が強く描出された画像が得られる。
低周波成分は、角度依存性が低いとは言え、角度依存性が全くないわけではない。本発明者は、高周波画像を用いて低周波画像を補正することで、低周波成分における感度の角度依存性を減少させることができることを見出した。具体的には、低周波画像から、高周波画像を、例えば適切な強度変更やボカシ、ノイズ除去などの処理を施した上で減算することで、角度依存性を抑えた画像生成を行う。深さ方向についても強度補正を行えば、更に均一な血管網画像を得ることができる。
図1に戻り、画像補正手段28は、低周波画像と高周波画像における上記したような特性を利用し、低周波画像を、高周波画像を用いて補正する。画像補正手段28は、例えば高周波画像を低周波画像から減算することで、低周波画像を補正する。補正後の低周波画像は、ディスプレイなどの画像表示手段14に表示される。このとき、高周波画像や補正前の低周波画像などを併せて表示するようにしてもよい。
図4は、光音響信号の検出空間を示す。光音響信号の時間軸方向は、光音響画像の深さ方向(Z方向)に対応している。プローブ11は、例えばX方向に一次元配列された複数の検出器素子(超音波振動子)を有しており、そのようなプローブ11をY方向に走査することにより、光音響信号を3次元的に取得できる。複数の検出器素子が一次元配列されたプローブを走査するのに代えて、複数の検出器素子がX方向及びY方向に2次元配列されたプローブを用いてもよい。この場合は、プローブを走査しなくても、光音響信号を3次元的に取得できる。
図5は、XZ断面の断層画像(光音響画像)を示す。例えばプローブ11がX方向に配列された複数の超音波振動子を有し、プローブ11をY方向に走査する場合、各走査位置において、XZ断面の光音響画像が生成される。例えば血管がY方向に横行しているとすると、XZ断面の光音響画像には円形の血管断面が現れる。各走査位置におけるXZ断面の光音響画像をY方向に複数枚つなげることで、3次元の光音響画像データが得られる。
図6は、低周波画像生成手段25が生成する光音響画像(低周波画像)を示す。低周波画像生成手段25は、例えばZ軸に沿った断面位置で、プローブ11の音響波検出面と平行な面内(XY平面)の断面画像を、第1の光音響画像(低周波画像)として生成する。このとき、低周波画像生成手段25は、画像化すべき断面位置を含む、Z軸方向の所定枚数分の画像データを統合して第1の光音響画像を生成してもよい。
低周波画像生成手段25は、例えば深さ方向(Z方向)2mm分の厚みに相当する複数枚の画像データの最大値を投影することで、第1の光音響画像を生成する。低周波画像生成手段25は、例えばZ軸に沿って等間隔に並ぶ複数の位置で断面を切り出し、2mmごとに第1の光音響画像を生成する。低周波画像生成手段25が生成する第1の光音響画像はXY平面に平行な断面画像には限られず、XZ平面又はYZ平面に平行な断面画像であってもよい。高周波画像生成手段26も、上記した低周波画像生成手段25における画像生成と同様な手法で、第1の光音響画像と同じ断面を表す第2の光音響画像を生成する。
図7及び図8は、それぞれ、第1の光音響画像(低周波画像)及び第2の光音響画像(高周波画像)の具体例を示す。図7及び図8に示す画像は、図6に示す複数の断面画像データのうちの1つに対応する。低周波画像(図7)では、様々な角度で配置された血管が画像化されるのに対し、高周波画像(図8)では、プローブ11に正対する血管がより強調されて画像化される。
高周波と低周波とを分ける周波数、すなわち、図1の第1のフィルタ241におけるローパスフィルタのカットオフ周波数及び第2のフィルタ242におけるハイパスフィルタのカットオフ周波数としては、例えば生体軟組織中の平均音速(1530[m/s])/振動子の幅(チャネルピッチ[m])で表わされる周波数が考えられる。この周波数は、90°まで感度が半分しか減らない理論周波数に対応する。
低周波成分の画像再構成に関しては、本来振動子の角度依存性を仮定していない周波数領域で画像再構成を行うFTA法(フーリエ変換法)が、処理時間が早く好適である。一方、高周波成分の画像構成について、開口角を設定できるタイムドメインがよく、開口角が狭いために計算時間は長くなりすぎずに済む。
図9は、補正後の感度の角度依存性を示す。図2に点線で示す角度依存性を持つ低周波成分から、図2に実線で示す角度依存性を持つ高周波成分を差し引くことで、広い角度範囲で、角度変化に対する感度変化を抑えることができるようになる。低周波画像から高周波画像を減算する際には、高周波画像の画素値を下げたり高周波画像をボカシたりするなどの所定の画像処理を行っておくとよい。ボカシ処理を行うことで、低周波画像と高周波画像とで血管の太さを揃えることができる。
図10は、画像処理後の高周波画像を示す。図8に示す高周波画像に対して強度変更処理及びボカシ処理を施すことで、図10に示す補正後の画像が得られる。図11は、補正後の低周波画像を示す。図7に示す低周波画像から、図10に示す画像処理後の高周波画像を減算することで、図11に示す角度依存性が補正された画像を得ることができる。角度依存性が補正されることで、本来の血管内の血液吸収強度分布に近い画像を得ることができる。
続いて動作手順を説明する。図12は光音響画像生成システム10の動作手順を示す。トリガ制御回路29は、フラッシュランプトリガ信号をレーザユニット13に出力する。レーザユニット13では、フラッシュランプトリガ信号に応答してフラッシュランプ41が点灯し、レーザ媒質の励起が開始される。トリガ制御回路29は、Qスイッチトリガ信号をレーザユニット13に送り、Qスイッチ42をオンさせることで、レーザユニット13からパルスレーザ光を出射させる(ステップS1)。トリガ制御回路29は、例えばフラッシュランプトリガ信号を出力するタイミングと所定の時間関係にあるタイミングでQスイッチトリガ信号を出力する。例えばトリガ制御回路29は、フラッシュランプ発光から150μs秒後に、Qスイッチトリガ信号を出力する。
レーザユニット13から出射したレーザ光は、被検体に照射される。被検体内では、照射されたパルスレーザ光による光音響信号が発生する。プローブ11は、被検体内で発生した光音響信号を検出する(ステップS2)。プローブが検出した光音響信号は、受信回路21を介してAD変換手段22に入力さえる。AD変換手段22は、光音響信号をサンプリングしてデジタルデータに変換し、受信メモリ23に格納する。例えば複数の超音波振動子が一次元配列されたプローブ11を走査しつつ、複数の走査位置で光照射及び光音響信号の検出を行うことで、光音響信号の3次元データが得られる。
信号分割手段24は、受信メモリ23から光音響信号を読み出し、読み出した光音響信号を低周波成分と高周波成分とに分割する(ステップS3)。より詳細には、第1のフィルタ241で所定周波数よりも高い周波数成分を少なくとも減衰させることで、所定周波数以下の成分から成る第1の光音響信号を生成し、第2のフィルタで所定周波数以下の周波数成分を少なくとも減衰させることで、所定周波数よりも高い成分から成る第2の光音響信号を生成する。
信号分割に際して、光音響信号から、被検体に照射された光の光強度の時間波形の微分波形である光微分波形をデコンボリューションしてもよい。プローブ11にて検出された光音響波の観測波形(光音響信号)は、光パルス微分のコンボリューション型を示しており、観測波形から光パルス微分波形をデコンボリューションすることで、吸収体分布が得られる。光微分波形のデコンボリューションは、例えば光音響信号及び光微分波形を離散フーリエ変換により時間領域の信号から周波数領域の信号へとそれぞれ変換し、フーリエ変換された光微分波形の逆数を逆フィルタとして求め、その逆フィルタをフーリエ変換された周波数領域の光音響信号に適用し、フーリエ逆変換により、逆フィルタが適用された光音響信号を周波数領域の信号から時間領域の信号へと変換することで実施できる。
低周波画像生成手段25は、第1の光音響信号に基づいて低周波画像を生成する(ステップS4)。低周波画像生成手段25は、例えば第1の光音響信号の3次元データから光音響の3次元画像データを生成し、画像化する断面位置の近傍の所定枚数分の断面画像を統合することで、任意の断面位置で第1の光音響画像(低周波画像)を生成する。低周波画像生成手段25は、例えばプローブ11の音響波検出面に平行な断面で、所定の厚み分の断面画像を統合した断面画像を、第1の光音響画像として生成する。複数枚の画像を1つの断面画像に統合することで、例えば音響波検出面に垂直な方向に血管の位置が変動する場合でも、1つの断面画像内に変動する血管を納めることができる。
高周波画像生成手段26は、第2の光音響信号に基づいて高周波画像を生成する(ステップS5)。高周波画像生成手段26は、例えば第2の光音響信号の3次元データから光音響の3次元画像データを生成し、画像化する断面位置の近傍の所定枚数分の断面画像を統合することで、任意の断面位置で第2の光音響画像(高周波画像)を生成する。高周波画像生成手段26は、低周波画像と同じ断面で、第2の光音響画像を生成する。画像処理手段27は、高周波画像に対して、画素値を低下させる強度変更処理や、ボカシ処理などを施す(ステップS6)。
画像補正手段28は、低周波画像を、画像処理手段27による画像処理後の高周波画像を用いて補正する(ステップS7)。画像補正手段28は、例えば低周波画像から高周波画像を減算することで、角度依存性を補正した画像を生成する。画像表示手段14は、補正後の低周波画像を、表示画面上に表示する(ステップS8)。
本実施形態では、光音響信号の低周波成分に基づいて低周波画像を生成し、高周波成分に基づいて高周波画像を生成する。光音響信号の低周波成分を画像化することで、高周波成分を含めたままで画像化する場合に比して、血管網の描出能を向上できる。更に、高周波画像を用いて、振動子における感度の角度依存性が低下するように低周波画像を補正することで、プローブ11に正対する血管の強いギラつきを抑えることができ、血管の配置角度に依存せずに強度が均一な血管画像を生成することができる。
なお、上記各実施形態では、主に血管部分を画像化する例について説明したが、これには限定されない。例えば神経やリンパ管などの管状の構造物を画像化してもよい。また、上記実施形態では、主に、低周波成分と高周波成分とでボリュームデータを生成し、各ボリュームデータから任意の断面画像(低周波画像と高周波画像)を生成する例について説明したが、これには限定されない。上記実施形態では、低周波画像から高周波画像を減算することで低周波画像を補正しているが、これに代えて、低周波画像に対し、高周波画像を色を変えて重ねることとしてもよい。高周波画像は、主にプローブ11に正対する血管を画像化しているため、低周波画像と高周波画像とを色を変えて重ねることで、低周波画像に対して角度情報を載せることができる。
上記実施形態では、光音響信号を低周波成分と高周波成分との計2つの周波数成分に分割したが、高周波成分を更に複数の周波数成分に分割してもよく、トータルの分割数は2つより多くてもよい。つまり、信号分割手段24が、光音響信号を、所定周波数以下の周波数領域の低周波成分と、所定周波数よりも高い周波数領域の複数の高周波成分とに分割することとしてもよい。例えば、高周波成分を2つに分け、低周波成分と、第1の高周波成分(中)と、第2の高周波成分(高)とに分割してもよい。その場合には、光音響画像生成装置(超音波ユニット12)に、中周波数成分に対応した高周波画像生成手段と画像処理手段とを1セット追加すればよい。また、画像補正手段28は、複数の高周波画像のうちの少なくとも一部を低周波画像から減算し、残りを低周波画像に加算することで、低周波光音響画像を補正するようにすればよい。
図13は、低周波数成分、中周波数成分、及び高周波数成分の感度の角度依存性を示す。低周波数成分は、例えば音速/チャネルピッチで表わされる周波数以下の周波数領域に対応した周波数成分であり、中周波数成分及び高周波数成分は、それぞれ例えば音速/チャネルピッチで表わされる周波数よりも高い周波数領域に対応した周波数成分である。中周波数成分は、高周波数成分に比して周波数領域が低周波側である。図13中に一点鎖線で示す中周波数成分の角度依存性は、実線で示す高周波数成分の角度依存性よりも弱いが、点線で示す低周波数成分の角度依存性よりも強い。
上記のように高周波数領域が2つある場合には、中周波数成分に基づいて生成された中周波数成分画像と、高周波数成分に基づいて生成された高周波数成分画像とを組み合わせて、低周波画像を補正すればよい。図14に、補正後の感度の角度依存性を示す。画像補正手段28は、例えば低周波画像から中周波数画像を減算し、更にそれに高周波数画像を加算する。このようにするとで、図14に示すように、角度の変化に対する感度の変化を抑えることができる。画像補正手段28は、例えば複数の高周波画像に対して周波数領域が低い順に1番からn番までの番号を付け、奇数番と偶数番のうちの一方の高周波画像の総和と他方の高周波画像の総和との差を、低周波画像から減算するようにしてもよい。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明の光音響画像生成装置、システム、及び方法は、上記実施形態にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
10:光音響画像生成システム
11:プローブ
12:超音波ユニット
13:レーザユニット
14:画像表示手段
21:受信回路
22:AD変換手段
23:受信メモリ
24:信号分割手段
25:低周波画像生成手段
26:高周波画像生成手段
27:画像処理手段
28:画像補正手段
29:トリガ制御回路
30:制御手段
41:フラッシュランプ
42:Qスイッチ
241、242:フィルタ
251、261:光音響画像再構成手段
252、262:検波・対数変換手段
253、263:画像構築手段
11:プローブ
12:超音波ユニット
13:レーザユニット
14:画像表示手段
21:受信回路
22:AD変換手段
23:受信メモリ
24:信号分割手段
25:低周波画像生成手段
26:高周波画像生成手段
27:画像処理手段
28:画像補正手段
29:トリガ制御回路
30:制御手段
41:フラッシュランプ
42:Qスイッチ
241、242:フィルタ
251、261:光音響画像再構成手段
252、262:検波・対数変換手段
253、263:画像構築手段
Claims (12)
- 被検体に対する光照射により被検体内で生じた光音響波の検出信号である光音響信号を、所定周波数以下の周波数領域の低周波成分と、所定周波数よりも高い周波数領域の1以上の高周波成分とに分割する信号分割手段と、
前記光音響信号の低周波成分に基づいて、フーリエ変換法により低周波光音響画像を生成する低周波画像生成手段と、
前記光音響信号の1以上の高周波成分のそれぞれに基づいて、タイムドメインで高周波光音響画像を生成する1以上の高周波画像生成手段と、
前記低周波光音響画像を、前記1以上の高周波光音響画像を用いて補正する画像補正手段を備えたことを特徴とする光音響画像生成装置。 - 前記1以上の高周波光音響画像に対して所定の画像処理を行う1以上の画像処理手段を更に備え、前記画像補正手段が、前記画像処理手段で所定の画像処理が施された1以上の高周波光音響画像を用いて前記低周波光音響画像を補正するものであることを特徴とする請求項1に記載の光音響画像生成装置。
- 前記画像補正手段が行う所定の画像処理が、前記1以上の高周波光音響画像における画素値を低下させる処理を含むことを特徴とする請求項2に記載の光音響画像生成装置。
- 前記画像補正手段が、前記1以上の高周波光音響画像のうちの少なくとも一部を前記低周波光音響画像から減算し、残りを前記低周波光音響画像に加算することで、前記低周波光音響画像を補正するものであることを特徴とする請求項1から3何れかに記載の光音響画像生成装置。
- 前記光音響信号の低周波成分が、音速(m/s)/検出器素子の幅(m)で表わされる周波数以下の周波数領域の周波数成分で構成され、前記光音響信号の1以上の高周波成分のそれぞれが、音速(m/s)/検出器素子の幅(m)で表わされる周波数よりも高い周波数領域の周波数成分で構成されることを特徴とする請求項1から4何れかに記載の光音響画像生成装置。
- 前記信号分割手段が、前記光音響信号から所定周波数以下の周波数成分を抽出し、低周波成分に対応する第1の光音響信号を生成する第1のフィルタと、前記光音響信号から所定周波数よりも高い周波数成分を抽出し、高周波成分に対応する第2の光音響信号を生成する第2のフィルタと含み、前記低周波画像生成手段が前記第1の光音響信号に基づいて低周波光音響画像を生成し、前記高周波画像生成手段が前記第2の光音響信号に基づいて高周波光音響画像を生成するものであることを特徴とする請求項1から5何れかに記載の光音響画像生成装置。
- 前記光音響波が3次元的に検出されており、前記低周波画像生成手段及び高周波画像生成手段が、それぞれ、3次元空間を構成する軸のうちの1つの軸に垂直な面に沿った断面で前記低周波光音響画像及び前記高周波光音響画像を生成するものであることを特徴とする請求項1から6何れかに記載の光音響画像生成装置。
- 前記低周波画像生成手段及び高周波画像生成手段が、それぞれ前記断面位置を含む前記1つの軸に沿った方向の所定範囲の画像データを統合することで前記低周波光音響画像及び前記高周波光音響画像を生成するものであることを特徴とする請求項7に記載の光音響画像生成装置。
- 前記低周波光音響画像生成手段及び前記高周波画像生成手段が、それぞれ、前記所定範囲内の画像データの最大値を投影し、又は前記所定範囲内の画像データを積分することで、前記所定範囲内の画像データを統合するものであることを特徴とする請求項8に記載の光音響画像生成装置。
- 前記低周波画像生成手段及び高周波画像生成手段が、それぞれ被検体に深さ方向に対応する軸に沿って前記光音響波を検出する際の音響波検出面と平行な方向で前記低周波光音響画像及び前記高周波光音響画像を生成するものであることを特徴とする請求項7から9何れかに記載の光音響画像生成装置。
- 被検体に照射すべき光を出射する光源と、
被検体に対する光照射により被検体内で生じた光音響波を検出する音響波検出手段と、
前記光音響波の検出信号である光音響信号を、所定周波数以下の周波数領域の低周波成分と、所定周波数よりも高い周波数領域の1以上の高周波成分とに分割する信号分割手段と、
前記光音響信号の低周波成分に基づいて、フーリエ変換法により低周波光音響画像を生成する低周波画像生成手段と、
前記光音響信号の1以上の高周波成分のそれぞれに基づいて、タイムドメインで高周波光音響画像を生成する1以上の高周波画像生成手段と、
前記低周波光音響画像を、前記1以上の高周波光音響画像を用いて補正する画像補正手段を備えたことを特徴とする光音響画像生成システム。 - 被検体に対する光照射により被検体内で生じた光音響波の検出信号である光音響信号を、所定周波数以下の周波数領域の低周波成分と、所定周波数よりも高い周波数領域の1以上の高周波成分とに分割するステップと、
前記光音響信号の低周波成分に基づいて、フーリエ変換法により低周波光音響画像を生成するステップと、
前記光音響信号の1以上の高周波成分のそれぞれに基づいて、タイムドメインで1以上の高周波光音響画像を生成するステップと、
前記低周波光音響画像を、前記1以上の高周波光音響画像を用いて補正するステップとを有する光音響画像生成方法。
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2012
- 2012-05-11 JP JP2012109324A patent/JP2013233386A/ja active Pending
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