JP5078755B2 - 超音波検査装置および原子力プラントの非破壊検査方法 - Google Patents

超音波検査装置および原子力プラントの非破壊検査方法 Download PDF

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Description

本発明は、超音波検査装置およびこれを用いた原子力プラントの非破壊検査方法に関するものである。
超音波を用いた検査装置は、たとえば、医療、原子力プラント内非破壊検査等で実用化されている。たとえば、超音波探傷試験は比較的簡便に材料内部の欠陥を検出することが可能なため、構造材料の重要部分の検査に使用されて大きな役割を果たしている。超音波探傷試験では、超音波の送信に、たとえば、特許文献1に示されるように圧電素子が用いられている。
この圧電素子は、たとえば、直径20mm程度と比較的大きいため、装置が大型となっていた。このため、狭隘部あるいは複雑形状の部材の測定が難しい。また、圧電素子の固有周波数により超音波の周波数帯域が制限されるので、たとえば、部材表面の画像表示等の用途にはあまり適さないという問題があった。
これらの問題点を解消するものとして、たとえば、特許文献2に示されるレーザ超音波法が提案されている。
これは、光ファイバを使いレーザ光を被検体に照射し、このレーザ光で被検査体表面に超音波を励起させ、被検体中を伝わった超音波を受信レーザ光で検出するものである。この超音波の変化を感知することで、欠陥を検出し、受信した超音波の周波数分析をすることで深さの同定も行なえる。
すなわち、超音波発生に細い光ファイバを用いるので、装置が小型化でき、狭隘部あるいは複雑形状の部材の測定に対応できるものである。
また、たとえば、特許文献3に示されるようにレーザ光を用いて超音波を発生させ、この超音波を用いて非破壊検査を行うものが提案されている。
これは、一端が金属板で閉じられ、内部にガスが封入された筒状体内にレーザ光を照射し、内部ガスの熱膨張および金属板の熱応力による変化を発生させ、この変化を外部に伝播させ、超音波を発生するものである。
特開2000−28589号公報 特開2005−43139号公報 特許第2984390号公報
ところで、特許文献2に示されたものは、レーザ光を被検体に直接照射するので、被検体を劣化、変形させる恐れがあるという問題点がある。
また、これによりレーザ光の強度が制限され、十分な調査が行えない、あるいは、検査対象である被検体の範囲が制限されるという問題点がある。
さらに、レーザ光が通過できないところ、たとえば、高速増殖炉の冷却材であるナトリウム中では、検査することができないという問題がある。
特許文献3に示されるものはレーザ光が被検体に直接照射されないので、被検体を劣化、変形させることは解決されている。ところで、超音波によって非破壊検査を行うには、超音波の強度を十分に高める必要があるが、特許文献3では、この点について具体的に示されていないし、所定の周波数を得るための具体的な手法について示されていないので、このままで実施することはできない。
本発明は、上記の事情に鑑み、発生する超音波の周波数を所定の高さとし得る、あるいは、この周波数の高さを容易に調節し得る超音波検査装置および原子力プラントの非破壊検査方法を提供することを目的としている。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明による超音波検査装置は、調整された出力のレーザ光を発射するレーザ装置および該レーザ装置が発射する前記レーザ光を照射され、超音波を発生する送信ダイヤフラムを有する超音波送信部を備え、該超音波送信部の該送信ダイヤフラムが発生する超音波を被検体に照射して検査を行う超音波検査装置であって、開口部材が前記送信ダイヤフラムへ入射する前記レーザ光の光路に設置され、該開口部材は前記レーザ光の周辺部がカットされた状態で通過させる開口部を有していることを特徴とする。
この発明によれば、レーザ装置が発射する調整された出力のレーザ光が送信ダイヤフラムに照射されることによって送信ダイヤフラムが超音波を発生し、この超音波を被検体に照射するので、被検体の劣化、変形を防止することができる。
これにより、高出力のレーザ光が取り扱えるので、発生する超音波の強度を強くすることができる。このため、良好な検査を行うことができる。
また、被検体との距離を大きくしても十分な検査が行えるので、指向性を大きくすることができる。これにより、分解能を小さくできるので、検査精度を向上させることができる。
レーザ装置が発射するレーザ光の強度分布は、中央部分が強く、周辺部分では滑らかに徐々に弱くなっている。
本発明によれば、レーザ光の周辺部分が開口部材によってカットされるので、中央部分の強度の強い部分が開口部を通ってダイヤフラムに照射される。言い換えると、ダイヤフラムに照射されるレーザ光の強度分布の周端部は鋭く切り立った形状となる。
ダイヤフラムにおけるレーザ光が照射される部分は温度が上昇し、それが周辺に伝播される。このとき、中央部分の強度の強いレーザ光が照射されるので、レーザ光の照射域端部におけるダイヤフラムの温度上昇は急激となる。これにより、ダイヤフラムにおけるレーザ光の照射域端部とその外側部との温度勾配が急峻となるので、発生する超音波の周波数を高くすることができる。
この開口部の大きさを適宜選定することによって発生する超音波の周波数を所定の高さとすることができる。
また、本発明による超音波検査装置は、前記開口部材は、前記光路に沿って移動可能とされていることを特徴とする。
このように、開口部材は光路に沿って移動可能とされているので、開口部材をダイヤフラムに近づけると、ダイヤフラムに照射されるレーザ光の強度分布の周端部はより鋭く切り立った形状となり、開口部材をダイヤフラムから離すと、ダイヤフラムに照射されるレーザ光の強度分布の周端部の形状における切り立ちは小さくなる。
すなわち、開口部材をダイヤフラムに近づけると、ダイヤフラムにおけるレーザ光の照射域端部とその外側部との温度勾配が急峻となるので、発生する超音波の周波数を高くすることができる。一方、開口部材をダイヤフラムから遠ざけると、ダイヤフラムにおけるレーザ光の照射域端部とその外側部との温度勾配が小さくなるので、発生する超音波の周波数を低くすることができる。
このように、開口部材をレーザ光の光路に沿って移動させることによって発生する超音波の周波数を変化させることができるので、周波数の高さを容易に調節することができる。これにより、被検体の種類、検査種類に対応して最適な周波数を有する超音波を発生することができるので、検査の多様性に対応することができる。
また、本発明による超音波検査装置は、前記開口部材は、前記開口部の開度が調整可能とされていることを特徴とする。
このように、開口部材は開口部の開度が調整可能とされているので、開口部の開度を調整することによって開口部材でカットされるレーザ光の周辺部分の大きさを調整することができる。したがって、この開度を調整することによって、照射域端部におけるレーザ光の強度を調整できるので、発生する超音波の周波数を調整することができる。
また、レーザ光の中央部分ではその強度の変動は少ないので、開度をその範囲で調整すると発生する超音波の周波数はほとんど変化しない。たとえば、この範囲で開度を調整すると、ダイヤフラムに入射されるレーザ光のビーム径が異なることになるので、略同一の周波数を持つ超音波の指向性を調整することができる。すなわち、ビーム径を小さくすると、指向性が高くなる、言い換えると、広い範囲に強度の高い超音波を出力でき、一方、ビーム径を大きくすると、指向性が低くなる。
さらに、この開口部材をレーザ光の光路に沿って移動するようにすると、被検体の種類、検査種類に対応して周波数の高さおよび指向性について調整することができ、一層検査の多様性に対応することができる。
たとえば、体積検査および表面検査というように、性格の異なる検査、すなわち、ハイブリッドな検査を行うことができる。
また、本発明による原子力プラントの非破壊検査方法は、上述の超音波検査装置を用いて原子力プラントの非破壊検査を行うことを特徴とする。
このように、レーザ光を送信ダイヤフラムに照射して十分な強度の超音波を効率良く発生させる超音波検査装置を用いているので、レーザ光が通過できないところ、たとえば、高速増殖炉の冷却材であるナトリウム中でも検査することができる。
しかも、発生する超音波の周波数を調整できる超音波検査装置を用いているので、検査の多様性に対応することができる。
本発明によれば、レーザ光の周辺部分が開口部材によってカットされるので、発生する超音波の周波数を所定の高さとすることができ、かつ、周波数の高さを容易に調節することができる。
以下、本発明の一実施態様にかかる超音波検査装置1について、図1〜図8に基づいて説明する。超音波検査装置1は、たとえば、高速増殖炉の冷却材であるナトリウム中の部材の超音波探傷(原子力プラントの非破壊検査方法)を行うもので、内部の状態を検査する体積検査および表面の状態を検査する表面検査を行うものである。
図1は、超音波検査装置1の全体概略構成を示すブロック図である。
超音波検査装置1には、超音波を送受信する検査体3と、超音波送信用のレーザ光を発信するレーザ装置5と、超音波受信用のレーザ光を受発信する受信レーザ部7と、送受信したデータを保管するとともにレーザ装置5および受信レーザ部7の動作を指示するデータ収集装置9と、送受信したデータを処理し、表示するデータ処理・表示装置11とが備えられている。
受信レーザ部7には、レーザ光を発振するレーザ発振器6と、レーザ光を光ファイバへ導入、導出する光スイッチ8と、送信レーザ光および受信レーザ光を干渉させるレーザ干渉計10とが備えられている。
図2は、検査体3の概略構成を示す断面図である。図3は、超音波送信系の概略構成を示すブロック図である。
検査体3には、略直方体形状をした箱体である本体13と、本体の一面の略中央部に取り付けられた円筒形状をし、光ファイバを挿通させる通路部15と、本体13の内部に取り付けられた体積検査用超音波送信部(超音波送信部)17と、表面検査用超音波送信部(超音波送信部)19と、複数の超音波受信部21とが備えられている。
体積検査用超音波送信部17、表面検査用超音波送信部19および超音波受信部21は、略円筒形状をし、軸線が本体13の通路部15が取り付けられた面に交差する方向になるように本体13の通路部15と離れる側に取付けられている。
複数の超音波受信部21は、略等間隔にマトリックス状(たとえば、10列×10行)に設置されている。
体積検査用超音波送信部17および表面検査用超音波送信部19は、それぞれ超音波受信部21群の略中央部に設置されている。
体積検査用超音波送信部17および表面検査用超音波送信部19と、レーザ装置5とは、それぞれ光ファイバ23で連結されている。(図2、3参照)
レーザ装置5には、レーザ発振器25と、レーザ光路27と、レーザ光を光ファイバ23に導入する、たとえば、光スイッチ等で構成される導入部29とが備えられている。
レーザ光路27には、一対のミラー31、NDフィルタ33および集光レンズ35が備えられている。
NDフィルタ33は、複数のフィルタが交換可能に備えられており、これらを交換することによってレーザ光の光量、すなわち、出力を調節するものである。
集光レンズ35は、レーザ光路27に沿って移動可能とされ、光ファイバ23に入射するレーザ光の径(後述する送信ダイヤフラム39への入射されるレーザ光の径)をある程度調整できるようにされている。
体積検査用超音波送信部17および表面検査用超音波送信部19は略同構造であるので、以下、体積検査用超音波送信部17について説明する。
体積検査用超音波送信部17には、中空の略円筒形状をした本体37と、本体37の一端部に取り付けられた送信ダイヤフラム39と、耐熱ダンパ41と、送信ダイヤフラム39の他端側に設置されこれを支持するバックアップリング43と、バックアップリング43の他端側に配置された光ファイバ23を所定位置関係に設置する連結部材であるフェルール45と、フェルール45の他端側に配置され、フェルール45を押える偏心孔リング47と、本体37の他端部の中空部に螺合され、一端側に配置された部材を押える押さえネジ49と、フェルール45と送信ダイヤフラム39との間に設置された開口部材51と、が備えられている。
図4および図5は、開口部材51部分を示す側面断面図である。図6は、開口部材51を示す正面図である。
開口部材51は、図6に示されるように中心部に略円形の開口部52を有するドーナツ形状をした板部材である。
開口部材51は、その面が図4および図5に示されるように送信ダイヤフラム39へ入射されるレーザ光48の光路に略直交するように配置され、かつ、それに沿って移動可能とされている。
体積検査用超音波送信部17および表面検査用超音波送信部19は、送信ダイヤフラム39が本体13の通路部15に対向する面に向くように設置されている。
送信ダイヤフラム39にレーザ光48が照射されると、送信ダイヤフラム39は超音波を発生する。
このとき、発生する超音波の強度は、レーザ光出力あるいはレーザ光48のエネルギー密度に対応して図8の実線で示されるように変化する。
レーザ光出力あるいはレーザ光のエネルギー密度等が小さいところ(低エネルギー域)では、レーザ光48のエネルギーが送信ダイヤフラム39等の温度の上昇に使われ、発生する超音波の強度が小さい。この部分はサーマルモードと称される。
レーザ光出力あるいはレーザ光のエネルギー密度等がさらに大きくなると、発生する超音波の強度が急激に増加するようになる。この段階では、送信ダイヤフラム39はレーザ光48に侵食される状態となるので、アブレーションモードと称される。
レーザ光出力あるいはレーザ光48のエネルギー密度等がさらに大きくなると、送信ダイヤフラム39への侵食作用が大きくなって一部ガス化し、レーザ光48を散乱または吸収するので、レーザ光48が送信ダイヤフラム39へ供給するエネルギー割合が低下することになる。
こうなると、発生する超音波の強度の増加率が小さくなるので、レーザ光48のエネルギー効率が低下することになる。この状態はエアブレークダウンモードと称される。
したがって、エネルギー効率および送信ダイヤフラム39の損傷を考慮し、レーザ光48の強度(レーザ光出力あるいはレーザ光48のエネルギー密度等)は、アブレーションモードの範囲で、選択される。
送信ダイヤフラム39の材料、寸法等は、レーザ装置5からのレーザ光の強度、ならびにそれによって発生する超音波の強度および周波数特性を勘案して選択される。また、送信ダイヤフラム39は、エネルギー効率を向上させるためには、レーザ光48の吸収効率の高い材料とすることが好ましい。
この意味で、送信ダイヤフラム39の材料としては、ステンレス(SUS)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)が好ましい。
また、送信ダイヤフラム39のレーザ光が入射される側の面に、メタライズ処理をしたサファイアガラス、石英ガラス、アルミニウムの酸化膜等を接合する、あるいは、たとえば、カプラントとして用いられる接触媒質のような粘性体を塗布するようにしてもよい。
このサファイアガラスあるいは粘性体は、レーザ光が送信ダイヤフラム39に照射されることによって送信ダイヤフラム39に発生する振動の内、レーザ入射側へ向かう振動を打ち返すので、それらがレーザ入射側と反対方向、すなわち、超音波発生方向に向かうことになり、送信ダイヤフラム39が発生する超音波の強度を強くする。
図7は、超音波受信部21の概略構成を示す断面図である。
超音波受信部21は略円筒形状をし、一端側に、光スイッチ8と連結される光ファイバ53が接続されている。超音波受信部21の他端部には、受信ダイヤフラム55が取付けられている。
超音波受信部21は、受信ダイヤフラム55が本体13の通路部15に対向する面に向くように設置されている。
以上説明した本実施形態にかかる超音波検査装置1の動作について説明する。
検査体3を検査対象となる構造部材(被検体)57に対向して配置する。構造部材57の内部のキズ59を検査する体積検査を行う場合には、体積検査用超音波送信部17を用いる。
レーザ発振器25がレーザ光を発振すると、レーザ光はレーザ光路27を通って導入部29に入射される。レーザ光は導入部29で体積検査用超音波送信部17側の光ファイバ23を通過できる形に変換される。この変換されたレーザ光48が光ファイバ23を通ってフェルール45から送信ダイヤフラム39に照射される。
送信ダイヤフラム39にレーザ光48が照射されると、送信ダイヤフラム39は周期的に加熱される膨張と収縮を繰り返す。これによって送信ダイヤフラム39が振動し、その振動が外部に伝播される超音波となる、すなわち超音波が発生される。
このとき、レーザ光48の強度分布Kは断面をみると、たとえば、図4および図5に示されるように放物線を示している。
この強度分布Kでは、強度はレーザ光48の周辺部分から徐々に強くなっているので、送信ダイヤフラム39におけるレーザ光48の照射域端部とその外側部との温度勾配が小さくなり、発生する超音波の周波数の高さは制約される。
本実施形態によれば、レーザ光48の周辺部分が開口部材51によってカットされるので、中央部分の強度の強い部分が開口部52を通って送信ダイヤフラム39に照射される。このため、送信ダイヤフラム39に照射されるレーザ光48の実強度分布J1の周端部は図4に示されるように鋭く切り立った形状となる。
すなわち、送信ダイヤフラム39に入射されるレーザ光48の照射域端部での強度は、中央部分の強度の強い強度JK1となる。
したがって、レーザ光48の照射域端部における送信ダイヤフラム39の温度上昇は急激となる。これにより、送信ダイヤフラム39におけるレーザ光48の照射域端部とその外側部との温度勾配が急峻となるので、発生する超音波の周波数が高くなる。
この開口部52の大きさを適宜選定することによって発生する超音波の周波数を所定の高さとすることができる。
開口部材51はレーザ光48の光路に沿って移動可能とされているので、開口部材51を図5に示されるように送信ダイヤフラム39から離すと、送信ダイヤフラム39に照射されるレーザ光48の実強度分布J2の周端部の形状における切り立ちは小さくなる。
すなわち、送信ダイヤフラム39に入射されるレーザ光48の照射域端部での強度は、略中央部分の強度の強い強度JK2となるが、図4に示される開口部材51が送信ダイヤフラム39に近いときの強度JK1よりも小さくなる。
したがって、その分送信ダイヤフラム39におけるレーザ光48の照射域端部とその外側部との温度勾配が小さくなるので、発生する超音波の周波数は図4に示されるものよりも低くなる。
このように、開口部材51をレーザ光48の光路に沿って移動させることによって発生する超音波の周波数を変化させることができるので、周波数の高さを容易に調節することができる。
これにより、被検体の種類、検査種類に対応して最適な周波数を有する超音波を発生することができるので、検査の多様性に対応することができる。
このようにして、体積検査用超音波送信部17の送信ダイヤフラム39で発生した超音波Cは構造部材57に向けて照射される。
この超音波Cは、周波数が2〜5MHzを主体となるように調整されている。言い換えると、発生する超音波Cの周波数は2〜5MHzが主体となるように、送信ダイヤフラム39の材質、寸法、レーザ装置5のレーザ光の強度、開口部材51の位置、開口部52の開度等の条件が設定されている。
構造部材57に照射された超音波Cは、構造部材57で反射され、検査体3に向かって進み、各超音波受信部21の受信ダイヤフラム55を振動させる。このとき、構造部材57にキズ59があれば、超音波Cはキズ59で方向を変えられ、受信ダイヤフラム55の振動の位相が所定の状態からずれることになる。
このとき、受信レーザ部7のレーザ発振器6からレーザ光が発振され、光スイッチ8、光ファイバ53を介して受信ダイヤフラム55に照射されている。照射されたレーザ光は受信ダイヤフラム55に反射され、逆ルートを通ってレーザ干渉計10に戻される。
受信ダイヤフラム55が振動しているので、レーザ発振器から出て、レーザ干渉計10に戻るレーザ光の移動距離が変動することになる。これとレーザ発振器6からの送信レーザ光とを干渉させることによって、変動状態が明確となる。
このデータをデータ収集装置9に保管し、保管されたデータをデータ処理・表示装置11が処理し、キズ59の有無、有る場合はその位置等を算出して、表示する。
次に、構造部材57の表面状況を検査する表面検査を行う場合には、表面検査用超音波送信部19を用いることになる。
この場合、表面検査用超音波送信部19の送信ダイヤフラム39で発生する超音波Cは、周波数が10MHzを主体となるように調整されている。言い換えると、発生する超音波Cの周波数は10MHzが主体となるように、送信ダイヤフラム39の材質、寸法、レーザ装置5のレーザ光の強度、開口部材51の位置、開口部52の開度等の条件が設定されている。
このように、超音波Cの周波数を10MHzが主体とするようにすると、超音波Cが構造部材57の内部に深く入らず、表面で反射されるようになるので、表面の状態を検査することができる。
なお、検査動作については、体積検査と同様であるので、ここでは重複した説明を省略する。
このように超音波検査装置1は発生する超音波Cの周波数が異なる体積検査用超音波送信部17および表面検査用超音波送信部19を備えているので、これらを切換えて用いることによって、体積検査および表面検査という性格の異なる検査、すなわち、ハイブリッドな検査を1台で行うことができる。
このように、レーザ装置5が発射するレーザ光が送信ダイヤフラム39に照射されることによって送信ダイヤフラム39が超音波Cを発生し、この超音波Cを構造部材57に照射するので、構造部材57の劣化、変形を防止することができる。
これにより、高出力のレーザ光が取り扱えるので、発生する超音波Cの強度を強くすることができる。このため、良好な検査を行うことができる。
また、構造部材57との距離を大きくしても十分な検査が行えるので、指向角を大きくすることができる。これにより、分解能を小さくできるので、検査精度を向上させることができる。
さらに、レーザ光の送信に光ファイバ23を用いることによって、体積検査用超音波送信部17および表面検査用超音波送信部19を小さくできるので、超音波検査装置1の小型化を図ることができる。
また、検査に超音波Cを用いているので、レーザ光が通過できないところ、たとえば、高速増殖炉の冷却材であるナトリウム中でも検査することができる。
また、本実施形態では、開口部材51の開口部52は固定した開度とされているが、図9〜図11に示されるように開度が調整可能とされていてもよい。
図9および図10は、開口部材61を示す正面図である。図11は、開口部材61部分を示す側面断面図である。
この開口部材61は、内側が曲線で構成された複数、たとえば、13枚の小片63で構成されている。各小片63は、周方向に相互に重なり、それぞれ揺動可能に取り付けられている。各小片63を揺動し、その傾斜角度を変化させることによって内側に形成される開口部65の大きさ、すなわち、開度が調整できる。
この開口部65の開度を調整することによって開口部材61でカットされるレーザ光48の周辺部分の大きさを調整することができる。したがって、この開度を調整することによって、照射域端部におけるレーザ光48の強度を調整できるので、発生する超音波の周波数を調整することができる。
また、レーザ光48の中央部分ではその強度の変動は少ないので、図11に示されるように開口部65の開度をその範囲で調整すると、実線で示される開度が小さい場合の強度分布J3および二点鎖線で示される開度が比較的大きい場合の強度分布J4での照射域端部におけるレーザ光48の強度はほとんど変化しない。このため、発生する超音波の周波数はほとんど変化しない。
一方、送信ダイヤフラム39に入射されるレーザ光48のビーム径が異なるので、略同一の周波数を持つ超音波の指向性を調整することができる。
すなわち、ビーム径を小さくすると、指向性が高くなる、言い換えると、広い範囲に強度の高い超音波を出力できるので、たとえば、表面を画像化して検査する表面検査に有効となる。一方、ビーム径を大きくすると、指向性が低くなる、言い換えると、強度の高い超音波は限定された範囲に集中して出力されるので、たとえば、内部の欠陥を検査する体積検査に有効となる。
さらに、この開口部材61をレーザ光48の光路に沿って移動するようにすると、被検体の種類、検査種類に対応して周波数の高さおよび指向性について調整することができ、一層検査の多様性に対応することができる。
したがって、たとえば、体積検査用超音波送信部17が表面検査用超音波送信部19の機能を発揮するようにできるので、たとえば、表面検査用超音波送信部19を省略することができる。
すなわち、体積検査用超音波送信部17のみで、体積検査および表面検査というように、性格の異なる検査、すなわち、ハイブリッドな検査を行うことができる。
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
たとえば、体積検査用超音波送信部17および表面検査用超音波送信部19を同時に備える必要はなく、目的によってはいずれか一方のみを設けるようにしてもよい。
また、開口部52,65は円形とされているが、これは任意の多角形、それらの各辺の少なくとも一部が曲線で形成された形状、楕円形、長円形等任意の形状とされていてもよい。
本発明の一実施形態にかかる超音波検査装置の全体概略構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態にかかる検査体の概略構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態にかかる超音波送信系の概略構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態にかかる開口部材部分を示す側面断面図である。 本発明の一実施形態にかかる開口部材部分を示す側面断面図である。 本発明の一実施形態にかかる開口部材を示す正面図である。 本発明の一実施形態にかかる超音波受信部の概略構成を示す断面図である。 レーザ強度と発生する超音波の強度との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態にかかる開口部材の別の実施態様を示す正面図である。 本発明の一実施形態にかかる開口部材の別の実施態様を示す正面図である。 本発明の一実施形態にかかる開口部材部分の別の実施態様を示す側面断面図である。
符号の説明
1 超音波検査装置
5 レーザ装置
17 体積検査用超音波送信部
19 表面検査用超音波送信部
39 送信ダイヤフラム
48 レーザ光
51 開口部材
52 開口部
57 構造部材
61 開口部材
65 開口部

Claims (4)

  1. 調整された出力のレーザ光を発射するレーザ装置および該レーザ装置が発射する前記レーザ光を照射され、超音波を発生する送信ダイヤフラムを有する超音波送信部を備え、
    該超音波送信部の該送信ダイヤフラムが発生する超音波を被検体に照射して検査を行う超音波検査装置であって、
    開口部材が前記送信ダイヤフラムへ入射する前記レーザ光の光路に設置され、該開口部材は前記レーザ光の周辺部がカットされた状態で通過させる開口部を有していることを特徴とする超音波検査装置。
  2. 前記開口部材は、前記光路に沿って移動可能とされていることを特徴とする請求項1に記載の超音波検査装置。
  3. 前記開口部材は、前記開口部の開度が調整可能とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波検査装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載された超音波検査装置を用いて原子力プラントの非破壊検査を行うことを特徴とする原子力プラントの非破壊検査方法。
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