JP2009062261A - 水硬性粉体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アミノ基を含まず活性水素を有する化合物に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加させて得られる化合物(a)(ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールを除く)の存在下で、水硬性化合物を粉砕する工程を経て水硬性粉体を製造する。
【選択図】なし
Description
以下の使用材料を以下の配合量で用いて、一括仕込みし、ボールミルにより粉砕したときの粉砕効率(到達粉砕時間)と得られたセメントの強度試験を以下のように評価した。結果を表1に示す。
・クリンカー:成分が、CaO:約65%、SiO2:約22%、Al2O3:約5%、Fe2O3:約3%、MgO他:約3%(重量基準)となるように、石灰石、粘土、けい石、酸化鉄原料等を組み合わせて焼成したものを、クラッシャー及びグラインダーにより一次粉砕して得た、普通ポルトランドセメント用クリンカー
・二水石膏:SO3量44.13%の二水石膏
・粉砕助剤:表1及び下記製造例参照
2リットルのオートクレーブにグリセリンとKOHをぞれぞれ230.3g、1.4g仕込み、約600rpmの撹拌速度で130℃になるまで昇温した。次いで130℃、1.3kPa条件で30分間脱水を行った。その後、155℃になるまで昇温した。上記反応混合物にEOを110.1g(グリセリン1モルに対し、EO1モル相当)反応させた。この時の反応条件は温度155℃、圧力0.1〜0.3MPa(ゲージ圧)であった。反応終了後、温度を80℃まで冷却し、グリセリンEO平均1モル付加物を得た。なお本製造例のEO分布は、未反応グリセリン(EO=0モル):36.1%、EO=1モル:37.0%、EO=2モル:19.1%、EO=3モル:6.1%、EO=4モル:1.3%、EO=5モル:0.2%(%は重量基準、以下同様)であった。
製造例1において、グリセリンと反応させるEOを330.5g(グリセリン1モルに対し、EO3モル相当)とした以外は同様にして、グリセリンEO平均3モル付加物を得た。なお本製造例のEO分布は、未反応グリセリン(EO=0モル):2.9%、EO=1モル:11.3%、EO=2モル:22.4%、EO=3モル:26.1%、EO=4モル:19.7%、EO=5モル:10.7%、EO=6モル:4.6%、EO=7モル:1.7%、EO=8モル:0.5%、EO=9モル:0.2%であった。
製造例1において、グリセリンと反応させるEOを661.0g(グリセリン1モルに対し、EO6モル相当)とした以外は同様にして、グリセリンEO平均6モル付加物を得た。
製造例1において、グリセリンと反応させるEOを991.4g(グリセリン1モルに対し、EO9モル相当)とした以外は同様にして、グリセリンEO平均9モル付加物を得た。なお本製造例のEO分布は、EO=3モル:0.2%、EO=4モル:1.2%、EO=5モル:3.6%、EO=6モル:7.2%、EO=7モル:11.2%、EO=8モル:14.5%、EO=9モル:15.9%、EO=10モル:15.0%、EO=11モル:12.3%、EO=12モル:8.9%、EO=13モル:5.4%、EO=14モル:2.9%、EO=15モル:1.1%、EO=16モル:0.1%であった。
2リットルのオートクレーブにグリセリンとKOHをぞれぞれ230.3g、4.2g仕込み、約600rpmの撹拌速度で130℃になるまで昇温した。次いで130℃、1.3kPa条件で30分間脱水を行った。上記反応混合物にPOを145.2g(グリセリン1モルに対し、PO1モル相当)反応させた。この時の反応条件は温度130℃、圧力0.1〜0.3MPa(ゲージ圧)であった。反応終了後、温度を80℃まで冷却し、グリセリンPO平均1モル付加物を得た。なお本製造例のPO分布は、未反応グリセリン(PO=0モル):26.3%、PO=1モル:44.0%、PO=2モル:23.9%、PO=3モル:4.6%、PO=4モル:0.2%であった。
製造例5において、KOHの仕込量を7.0gとし、グリセリンと反応させるPOを871.5g(グリセリン1モルに対し、PO6モル相当)とした以外は同様にして、グリセリンPO平均6モル付加物を得た。なお本製造例のPO分布は、PO=3モル:2.6%、PO=4モル:5.6%、PO=5モル:22.6%、PO=6モル:24.6%、PO=7モル:19.3%、PO=8モル:11.2%、PO=9モル:4.8%、PO=10モル:1.5%、PO=11モル:0.1%であった。
製造例5において、KOHの仕込量を7.0gとし、グリセリンと反応させるPOを1307.2g(グリセリン1モルに対し、PO9モル相当)とした以外は同様にして、グリセリンPO平均9モル付加物を得た。なお本製造例のPO分布は、PO=4モル:0.2%、PO=5モル:1.8%、PO=6モル:2.5%、PO=7モル:10.6%、PO=8モル:18.0%、PO=9モル:22.1%、PO=10モル:19.6%、PO=11モル:13.1%、PO=12モル:3.7%、PO=13モル:2.4%、PO=14モル:0.4%であった。
・クリンカー:1000g
・二水石膏:38.5g、添加SO3量を1.7%とした(1000g×1.7%/44.13%=38.5g)
・粉砕助剤:表1の化合物を50重量%水溶液として使用した。
株式会社セイワ技研製AXB−15を用い、セラミックポット容量は15リットル(外径300mm)とし、ジルコニアボールは38mmφを6.8kg、32mmφを2.2kg、30mmφを1.3kgの合計10.2kgを使用し、ボールミルの回転数は、38rpmとした。また粉砕途中で粉砕物を排出する時間を1分間と設定した。
目標ブレーン値を3300±100cm2/gとし、粉砕開始から30分、45分、60分、75分、90分後のブレーン値を測定し、目標ブレーン値3300cm2/gに達する時間を二次回帰式により求め、最終到達時間(粉砕到達時間)とした。なおブレーン値の測定は、セメントの物理試験方法(JIS R 5201)に定められるブレーン空気透過装置を使用した。この試験での粉砕到達時間の相違は、実機レベルではより大きな差となってあらわれる。なお、評価は比較例1−1の粉砕到達時間を100とした場合の相対値で行い、相対値が90以下を「◎」、90超〜95を「○」、95超〜98を「△」、98超を「×」とした。本評価では、比較例1−1の粉砕到達時間は、114分であった。比較例1−1は表1では基準と表記した。
セメントの物理試験方法(JIS R 5201)附属書2(セメントの試験方法−強さの測定)に準じた。用いたセメントは前記で得られたブレーン値3300±100cm2/gのものである。なお、評価は比較例1−1の圧縮強度を100とした場合の相対値で行い、相対値が110超を「◎」、90超〜110以下を「○」、90以下を「×」とした。本評価では、比較例1−1の圧縮強度は、3日後が30.6N/mm2、7日後が44.1N/mm2であった。比較例1−1は表1では基準と表記した。
またセメント劣化抑制効果を評価する目的で、実施例及び比較例の一部で得られたセメントを耐熱ガラス容器中に密封し、70℃に保った恒温器中に6日間保存し、保存前後の各セメントについて、セメントの物理試験方法(JIS R 5201)附属書2(セメントの試験方法−強さの測定)に準じ、モルタル圧縮強さを比較した。なお、上記密封保存は、貯蔵サイロの条件を考慮し、セメント中に含有される二水石膏からの結合水の脱離水分によりセメントが風化を受けやすい条件となっている。結果を表2に示す。なお、評価は保存前後の圧縮強度から劣化試験による低下率として求め、低下率6%以下を「◎」、低下率6超〜12%以下を「○」、低下率12%超を「×」とした。
以下の使用材料を以下の配合量で用いて、一括仕込みし、ボールミルにより粉砕したときの粉砕効率(到達粉砕時間)と得られたセメントの強度試験を以下のように評価した。結果を表3に示す。
実施例1及び比較例1と同じ(ただし、一部の粉砕助剤の粘度は、混合物について測定したものである。)
実施例1及び比較例1と同じ
株式会社セイワ技研製AXB−15を用い、ステンレスポット容量は18リットル(外径300mm)とし、ステンレスボールは30mmφ(呼び1・3/16)を70個、20mmφ(呼び3/4)を70個の合計140個のボールを使用し、ボールミルの回転数は、45rpmとした。また粉砕途中で粉砕物を排出する時間を1分間と設定した。
目標ブレーン値を3300±100cm2/gとし、粉砕開始から60分、75分、90分後のブレーン値を測定し、目標ブレーン値3300cm2/gに達する時間を二次回帰式により求め、最終到達時間(粉砕到達時間)とした。なおブレーン値の測定は、セメントの物理試験方法(JIS R 5201)に定められるブレーン空気透過装置を使用した。この試験での粉砕到達時間の相違は、実機レベルではより大きな差となってあらわれる。なお、評価は比較例2−1の粉砕到達時間を100とした場合の相対値で行い、相対値が90以下を「◎」、90超〜95を「○」、95超〜98を「△」、98超を「×」とした。本評価では、比較例2−1の粉砕到達時間は、124分であった。比較例2−1は表3では基準と表記した。
セメントの物理試験方法(JIS R 5201)附属書2(セメントの試験方法−強さの測定)に準じた。用いたセメントは前記で得られたブレーン値3300±100cm2/gのものである。なお、評価は比較例2−1の圧縮強度を100とした場合の相対値で行い、相対値が110超を「◎」、90超〜110以下を「○」、90以下を「×」とした。本評価では、比較例2−1の圧縮強度は、3日後が29.9N/mm2、7日後が44.2N/mm2であった。比較例2−1は表3では基準と表記した。
実施例1及び比較例1と同じ
Claims (9)
- アミノ基を含まず活性水素を有する化合物に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加させて得られる化合物(a)(ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールを除く)の存在下で、水硬性化合物を粉砕する工程を有する、水硬性粉体の製造方法。
- 前記化合物(a)の25℃における粘度が1000mPa・s以下である、請求項1記載の水硬性粉体の製造方法。
- 前記化合物(a)が、アルコールの炭素数2〜4のアルキレンオキサイド付加物である、請求項1又は2記載の水硬性粉体の製造方法。
- アルコールの炭素数2〜4のアルキレンオキサイド付加物が、グリセリンのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物である、請求項3記載の水硬性粉体の製造方法。
- 前記化合物(a)が、活性水素を有する化合物1モルあたり平均0.5〜6モルのアルキレンオキサイドを付加して得られる化合物である、請求項1〜4の何れか1項記載の水硬性粉体の製造方法。
- 前記化合物(a)を、水硬性化合物100重量部に対して0.001〜0.2重量部用いる、請求項1〜5の何れか1項記載の水硬性粉体の製造方法。
- 更に、グリセリンの存在下で水硬性化合物を粉砕する請求項1〜6の何れか1項記載の水硬性粉体の製造方法。
- グリセリンに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを平均で0.5〜6モル付加して得られる化合物(a1)からなる、水硬性化合物用粉砕助剤。
- 請求項1〜7の何れか1項記載の製造方法で得られた水硬性粉体。
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