JP2009057093A - パウチ容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】対向されたフィルムシートの外周部にシール部が形成され、このシール部で囲まれた未シール部1aの間に、内容物が充填され、シール部を開封して注出口が形成できるパウチ容器であって、先端部シール部1q、側部シール部1p、1rによって、三方が囲まれた凸状部1dと、凸状部1dの幅方向の中心部に、基端部から先端部に向かう方向に沿って中心軸2Aが配置された流路保持部材2と、凸状部1dの先端部側の表面に連続して設けられ、側部シール部1p、1rの一部に延在されたハーフカット線1gとを備え、ハーフカット線1gは、流路保持部材2の先端側に先細り形状の注出ガイド部を突出させ、凸状部1dの偏心方向と同方向側に形成するようにした。
【選択図】図2
Description
このような詰替用のパウチ容器は、迅速かつ効率的に詰め替えを行うことができるように、瓶容器の開口部にちょうど出し入れできるような注出口を有していた。
例えば、特許文献1には、積層フィルム製の袋の上端の中央部に上側に向けて突出された狭い幅の注出口部が設けられたスタンディングパウチ形式の注出口部付き袋が記載されている。この注出口部は、内部にテープ状のシート材が半円管もしくは円管状の管路が形成するように設けられ、このシート材の先端部に略沿って開封されるようになっている。管路の先端は、管路の中心軸に対して直交する場合と、斜交する場合の例が挙げられている。
また、特許文献2には、隅部に融着部で区画される流路を備える注出口を有し、融着部に破断可能な開封誘導線を設け、流路を横断する方向に融着部を破断できるようにした包装袋が記載されている。
特許文献1に記載の技術では、注出口部が、管路を形成するシート材の先端に略沿って開封されるため、切断された積層フィルムは、シート材で形成される管路の先端と略同形状、もしくは管路の先端から一様に突出された形状とされ、注出口の端部を形成する。
シート材で形成される管路の先端が管路の中心軸に直交する場合は、注出口の全面から内容物が注出されるため、注出後に内容物が広がりやすく、詰替時に内容物がこぼれ易くなるという問題がある。
一方、管路の先端が管路の中心軸に対して斜交する場合は、管路の先端が先細り形状となるため、先端部を下側に向けて注ぐことで、内容物を先細りする方向に沿って、円滑に注出することができるもの、注出口が長くなり、しかもシート材によって補強されているため、相手容器の開口内に注出口を挿入する場合に作業性が悪化するという問題がある。
また、特許文献2に記載の技術では、可撓性を有し、流路の中心軸に斜交する先細り形状の注出口を形成することができるが、注出時に流路の形状を安定させることができないため、注出時の作業性が悪く、こぼれなどが発生しやすいという問題がある。
この発明によれば、凸状部の開封誘導線を切断すると、流路保持部材の先端側に未シール部のフィルムシートによって先細り形状の注出ガイド部が突出されるとともに、この注出ガイド部の先細りの頂部が、流路保持部材の中心軸に対して凸状部の偏心方向と同方向側に形成される。
これにより、パウチ容器を、凸状部の偏心方向と同方向側に傾斜させていくことで、流路保持部材によって管状または半管状に形成された流路から内容物が注出され、その下方側を注出ガイド部によって、内容物が、先細り状の頂部から徐々に注出されるように案内することができる。
また、注出ガイド部は、フィルムシートで形成されるため、注出先の相手容器などに当接してもたわむことができるので、相手容器の開口に注出口を円滑に挿入することができる。
この発明によれば、注出ガイド部の流路保持部材の先端面からの突出量のバランスが良好となるため、注出ガイド部の形状が安定する。
流路保持部材の先端面に対する開封誘導線の傾斜角度が、10°より小さいと、内容物が注出ガイド部の頂部に案内されにくくなる。
また、同じく開封誘導線の傾斜角度が30°より大きいと、注出ガイド部の頂部が変形しやすくなり、注出方向を安定させることができなくなる。
この発明によれば、開封誘導線が、注出ガイド部の頂部を形成する凸状部の一方の側部とは60°以上80°以下、かつ凸状部の他方の側部とは120°以上140°以下で交差するため、注出ガイド部の頂部の突出量のバランスが良好となるため、内容物を良好に案内することができる。
この発明によれば、切り取り誘導線を切断していくことにより、開封誘導線の端部が切断され、開封を容易に行うことができる。また、切り取り誘導線により、凸状部の側部のシール部が切り取られて、縮幅されるので、相手容器に挿入しやすい注出口を形成することができる。
以下、各部の構成について、内容物101を充填する前の袋体1において説明する。
また、シーラント層としては、ポリオレフィン系樹脂若しくはポリオレフィン系樹脂フィルムを採用することができる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂などのエチレン系樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン・エチレンランダム共重合体樹脂、プロピレン・エチレンブロック共重合体樹脂、ポリプロピレン・α−オレフィン共重合体樹脂などのポリプロピレン系樹脂などが挙げられる。
積層方法としては、周知の溶融押出法あるいはドライラミネーション法を採用することができる。
積層方法としては、公知のドライラミネーション法等を採用することができる。
底面シール部1cは、底面を形成するフィルムシートを、シーラント層が互いに対向するように側面視逆Y字状に折り畳んで、各側面シール部1bの延長上で、それらの折り畳み部の側方の端部を熱接着するとともに、それらの正面視中間部に残された一対の折り畳み部において、未シール部1aが下方に張り出す円弧状もしくは半楕円状に残されるように、各折り畳み部を熱接着したものである。
これにより、対向する折り畳み部を水平方向に開くと、折り畳み部間に側面視山形に折り畳まれた未シール部1aが水平方向に開いて紡錘状または楕円状の底面が形成され、両側面の未シール部1aとともに、内容物101を充填するための立体的な充填空間1Dが形成される。
このため、注出口部1Bは、スタンディングパウチ100の各側面シール部1b間の中心線O(容器中心軸)に対して、注出口側の側面シール部1b側(図示左側)に偏心して配置されている。
本実施形態では、凸状部シール部1Cの外形線は、注出口側の側面シール部1bおよび充填口シール部3の外形の延長線から突出することなく略整列され、正面視では矩形の角部を形成している。
また、一方の凸状部1dの内面側に流路保持部材2が固定されている。
ミシン目部1hは、側部シール部1p、1rを線状に容易に切断するための手段であり、本実施形態では、側部シール部1p、1rの厚さ方向にそれぞれ貫通する線状の貫通孔(切れ目)が、それぞれ所定間隔をおいて破線状に複数配列されてなる。
各貫通孔間の間隔は、各シール部の強度に応じて、使用者が手で容易に切断できる程度の間隔に設定する。
また、各貫通孔の形状は、線状に限定されるものではなく、例えば、点線状または破線状に配列される円孔、長円孔、楕円孔、菱形孔などからなっていてもよい。
また、ミシン目部1hは、切断が容易であれば各貫通孔に代えて、例えば、プレス加工やハーフカット加工などによって同様の平面視形状の、厚さ方向に貫通しない溝穴が配列されたものであってもよい。
これに対して、側部シール部1p、1rの外縁部におけるミシン目部1hは、ミシン目部1hの貫通孔もしくは溝穴が側部シール部1p、1rの外縁と交差している状態に形成されていてもよいし、貫通孔もしくは溝穴が配列ピッチ以下の距離で外縁に近接している状態に形成されていてもよい。
いずれの場合でも、少なくとも切断を開始する側の側部シール部1p、1rの外縁には、ミシン目部1hの端部の概略位置を示すとともに、切断をより容易化するために、例えばU字状、V字状などのノッチ部1fを設けることが好ましい。
本実施形態では、切断の開始する側である側部シール部1pの外縁部に、U字状の切欠きからなるノッチ部1fを設けている。
したがって、例えば、瓶などに、内容物101を詰め替えるといった用途では、詰め替えが容易となるように、開封後の、凸状部1d、および凸状部1dの側部に残される側部シール部1p、1rは、注出先の瓶の開口に容易に挿入できるような寸法、形状に形成しておく。
すなわち、図3(a)に示すように、流路保持部材2の先端部では、流路保持部材2の形状に略沿う半円状の断面を有し、注出口部1Bの軸方向である流路保持部材2の軸方向の断面では、図3(b)に示すように、流路保持部材2の軸方向長さを短底辺(上底)とする台形状の断面を有する。
そして、流路保持部材2は、固定部2cにおいて、凸状部1dと熱接着により固定されている。
流路保持部材2の材質は、凸状部1dを形成するフィルムシートと接着可能な適宜のプラスチック材料を採用することができる。
本実施形態のハーフカット線1gは、互いに平行な3本が近接して設けられている。ただし、この配列パターンは一例であって、複数のハーフカット線1gの配列パターンについては周知の適宜パターンを採用することができる。例えば、線状をなす幅が狭い帯状の領域で、互いに交差するパターンとしてもよいし、互いに対向するフィルムシートの間で交差するようにしてもよい。
また、帯状の領域や、各ハーフカット線1gは、直線状であってもよいし、曲線状であってもよい。
ハーフカット線1gが互いに平行な直線状に設けられていない場合、複数のハーフカット線1gの延在方向は、複数のハーフカット線1gが分布する帯状の領域の中心線で表すものとする。
ただし、凸状部1dの幅の製作上のバラツキによって、凸状部1d上で溝深さがd2以上になることを確実に防止するために、凸状部1dの近傍の注出口シール部1e側には、深さがd2以上d1以下となる溝深さが漸増する領域を備えるようにしてもよい。
これにより、凸状部1d上に比べて、側部シール部1p、1r上に延在されたハーフカット線1gの方がより容易に切断されるようになっている。
すなわち、ハーフカット線1gは、流路保持部材2の先端面2aに対して、図示時計回りに角度θだけ傾斜し、流路保持部材2の先端側において、先細り形状の頂部が中心軸2Aに対して、側部シール部1p側に位置している。したがって、先細り形状の頂部は、中心軸2Aに対して、注出口部1Bの偏心方向と同方向側に位置している。
また、本実施形態では、側部シール部1pと凸状部1dとの境界線pと、ハーフカット線1gのなす角度φpは鋭角となり、側部シール部1rと凸状部1dとの境界線rと、ハーフカット線1gのなす角度φrは、鈍角になっている。
60°≦θ≦80° ・・・(1)
また、図3(b)では、溝が、凸状部1dの表面に直交する向きに図示されているが、図3(b)のように、凸状部1dが傾斜面になっている部分では、表面に対して斜め方向に溝が形成されていてもよい。
例えば、フィルムシートをエンボス成形して各凸状部1dを形成し、凸状部1dの一方に流路保持部材2を熱接着して固定する。そして、周知の製袋装置を用いて、フィルムシートを折り畳んで、袋体1の形状を形成し、フィルムシートが対向した周縁部を熱接着して、側面シール部1b、底面シール部1c、および凸状部シール部1Cを形成する。これにより、ハーフカット線1g、ミシン目部1hを除いた袋体1が形成される。
このため、ハーフカット線1gを形成する位置での袋体1の断面は、図7に示すように、側部シール部1p、1rの間に、未シール部である凸状部1dが、厚さ方向の外側にそれぞれ張り出された形状を有している。
このようにして、レーザ光を走査すると、注出口シール部1e上では、溝の深さがd1のハーフカット線1gが形成される。
一方、走査されるレーザ光Lが一方の凸状部1d上に到達すると、この凸状部1dは、厚さ方向においてレーザ光源側に突出しているため、凸状部1d上では、レーザ光Lは、デフォーカスして走査される。このため、側部シール部1p、1r上よりは、単位面積当たりのレーザ光強度が低下するため、デフォーカス量に応じて、加工量が低下し、溝深さは深さd1より浅い深さd2に形成される。詳しく言えば、深さd2は、凸状部1dの突出高さが高いほど浅くなるように変化し、いずれの位置でも、深さd1よりも浅い深さとなる。
図8は、本発明の実施形態に係るパウチ容器の開封動作を説明する模式説明図である。
凸状部1d上のハーフカット線1gは、溝深さが浅くなっているため、未開封時には、側部シール部1p上よりも強度が強くなっている。そのため、外力が凸状部1d上のハーフカット線1gに加わっても、ある程度の強度を保持しており、液漏れなどが起こりにくくなっている。
一方、ハーフカット線1gは、側部シール部1pおよび凸状部1d上で連続しているため、開封時には、側部シール部1pが切断された段階で、凸状部1dの端部のハーフカット線1gに切れ目(亀裂)が形成されている。そのため、この切れ目を進展させることで、ハーフカット線1gの切断を容易に進行させることができる。
よって、凸状部1dおよび側部シール部1r上のハーフカット線1gが順次切断され、切り口である外形線S2が形成され注出口部1Bが開封される。
この注出口には、流路保持部材2の先端側に、未シール部1aからなる先細り形状の注出ガイド部1Fが形成されている。注出ガイド部1Fの頂部は、流路保持部材2の中心軸2Aに対して、注出口部1Bの偏心方向と同方向に位置している。このため、注出ガイド部1Fは、注出口側の側面シール部1bを下側に向けて注出作業を行う場合に、スタンディングパウチ100を傾けていくにつれて、流路保持部材2から流出した内容物101を、下方側から支持し、先細り形状の頂部から徐々に抽出するための案内面を構成している。
その結果、流路保持部材2を通過した内容物101は、注出ガイド部1Fの頂部に向かって円滑に注出され、例えば、内容物101が広がって注出されてこぼれたりしにくくなっている。
また、注出口部1Bは、流路保持部材2を備えるため、注出中も対向する凸状部1d間が潰れることがなく、安定した注出を行うことができる。
開口に挿入しやすい形状とするには、開口の大きさや形状に合わせて、注出口の先細り形状の長さを適宜に設定することが好ましい。すなわち、先細り形状が長すぎる内容物101が落下する範囲が広くなり、開口からこぼれてしまったり、注出口を開口に挿入しにくくなったりする。また、先細り形状が短すぎると、注出口の全面から内容物が注出されるため、注出後に内容物が広がりやすく、詰替時に内容物がこぼれ易くなる。
このため、開封された注出口部1Bの先端側において、境界線pとハーフカット線1gのなす鋭角φp、境界線rとハーフカット線1gのなす鈍角φrとは、それぞれ、以下のように設定することが好ましい。
60°≦φp≦80° ・・・(2)
120°≦φr≦140° ・・・(3)
また、上記の説明では、流路保持部材2を設けていない側の凸状部1dをエンボス成形した場合の例で説明したが、エンボス成形を省略し、半管状の流路を形成するようにしてもよい。
例えば、開封誘導線の一端に対して切り取り誘導線が交差し、開封誘導線の他端が、凸状部の側方のシール部の幅方向に貫通した構成や、開封誘導線の両端が凸状部のそれぞれの側方のシール部の幅方向に貫通し、切り取り誘導線を備えない構成としてもよい。
例えば、流路保持部材の端部が、注出ガイド部との先細り形状の頂部と同方向側に細るように、斜交させるようにすれば、先細り形状の長さのうち、注出ガイド部の占める割合を低減できるので、フィルムシートの剛性が低い場合であっても形状の安定した注出ガイド部を形成することができる。
1B 注出口部
1C 凸状部シール部
1D 充填空間
1F 注出ガイド部
1a 未シール部
1d 凸状部
1f ノッチ部
1g ハーフカット線(開封誘導線)
1h ミシン目部(切り取り誘導線)
1p、1r 側部シール部
1q 先端部シール部
2 流路保持部材
2a 先端面
2A 中心軸(流路保持部材の中心軸)
3 充填口シール部
100 スタンディングパウチ
101 内容物
L レーザ光
O 中心軸(容器中心軸)
Claims (4)
- 厚さ方向に対向されたフィルムシートの外周部にシール部が形成され、該シール部で囲まれた未シール部の間に、内容物が充填され、前記シール部の一部を開封して注出口を形成できるようにしたパウチ容器であって、
前記注出口を形成するため、前記シール部によって、先端部および両側部の三方が囲まれた前記未シール部で形成され、容器中心軸に対して偏心して設けられた凸状部と、
該凸状部の幅方向の中心部に、基端部から前記先端部に向かう方向に沿って中心軸が配置された管状または半管状の流路保持部材と、
前記凸状部の前記先端部と前記流路保持部材との間の前記未シール部の表面に、前記凸状部を幅方向に横断するように連続して設けられるとともに、前記凸状部の前記側部の一部に延在された線状の溝からなる開封誘導線とを備え、
該開封誘導線は、
開封後に、前記流路保持部材の先端側に先細り形状の注出ガイド部を突出させるために、前記流路保持部材の中心軸、および前記流路保持部材の先端面に対して斜めに交差されるとともに、前記注出ガイド部の先細りの頂部が、前記流路保持部材の中心軸に対して、前記凸状部の偏心方向と同方向側に形成されるように設けられたことを特徴とするパウチ容器。 - 前記開封誘導線は、前記流路保持部材の先端面に対して10°以上30°以下の角度で交差するように形成されたことを特徴とする請求項1に記載のパウチ容器。
- 前記注出ガイド部の頂部を形成する前記開封誘導線と前記凸状部の一方の側部とがなす角度が、60°以上80°以下、
かつ、前記開封誘導線と前記凸状部の他方の側部とがなす角度が、120°以上140°以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のパウチ容器。 - 前記凸状部の側部のシール部で、前記開封誘導線の端部に交差するとともに、前記側部のシール部の一部を側方からそれぞれ切り取って前記側部のシール部を縮幅させるための切り取り誘導線を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパウチ容器。
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