JP4221431B2 - 液体包装袋 - Google Patents
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なお、一般に、Iノッチ22は、縦シール部分21に設けられるため、注出通路24も縦シール部分21側に形成される。
また、注出通路24は、横シール部分25と縦シール部分21によって区画形成されていて、注出通路24を形成する表裏のフィルム部分は、それらのシール部分21、25によって平坦形状に拘束されることになるため、その注出通路24には、横シール部分25と縦シール部分21との拘束によって平坦に重なり合おうとする力が作用して引裂き開口を閉じようとする傾向にあるため、従来の液体包装袋20では、注出通路24のフィルム同士が密着して、被包装物を注出しづらい一方で、収納スペース23を押さえると、被包装物が勢いよく流出して飛散し、手や衣類が汚れてしまうという問題点があった。
これらの文献によれば、被包装物の注出通路が、積層フィルムの基端部側に設けられているため、注出口部分は、圧力を加えなくても、積層フィルムの復元力によって常にストロー状(楕円状)に開口した状態にあり、しかも被包装物が狭幅の注出通路に沿って一定方向に注出されるため、被包装物の注出が容易で、注出時に被包装物が飛散することがなく、さらに、液体包装袋の引裂き誘導疵が、包装袋の上側横シール部に設けられ、その終端が注出通路から離隔して形成され、しかもその引裂き誘導疵の始端と上側横シール部上端とにクリアランスが設けられていることにより、包装袋の取り扱い中に引裂き誘導疵が破断することがない。
また、被包装物の注出通路が、ヒートシールが施されていない積層フィルムの基端部側に設けられているため、注出口部分は、圧力を加えなくても、積層フィルムの復元力によって常にストロー状(楕円状)に開口した状態にあり、被包装物の注出量が、その収納スペースの押圧によってコントロールでき、しかも注出通路が注出口に向かって次第に狭幅となっているため、被包装物が注出通路に沿って一定方向に注出されることになり、注出時に被包装物が飛散することがない。その上、被包装物の液引きが良く、さらに注出時に液だれが発生するおそれがない。
そしてまた、液体包装袋の引裂き誘導疵が、包装袋の上側横シール部に設けられ、その始端が注出口部分から離隔して形成され、しかもその引裂き誘導疵の始端と上側横シール部上端とに0.3〜1.0mmのクリアランスが設けられていることにより、包装袋の取り扱い中に、それが破断して被包装物が不測に漏れ出すということがない。
さらに、注出口の下方側に位置することとなる辺部分の外表面に撥水層が設けられているため、その撥水層による液切れ性の向上により、液だれの発生を抑制することができる。
積層フィルム1は、ベースフィルム層2とシーラント層3からなり、必要に応じて、ベースフィルム層2とシーラント層3の間に中間層4を設けても良い。
なお、この積層フィルム1は、ベースフィルム層2、シーラント層3および中間層4を、たとえば押出しラミネートまたはドライラミネートにより積層して形成する。
すなわち、これらによれば、一軸延伸ベースフィルム層を用いる場合に比してより高い水蒸気不透過性、ガスバリア性等を付与することができる他、引裂き開封部分の、手指による、直線的な引裂き除去を円滑かつ容易にし、しかも、引裂き開口を、毛羽立ち等のない十分平滑なものとすることができる。
なお、図3では、三方シール形態の包装袋を例示したが、本発明の液体包装袋は、三方シール形態等となる方形包装袋のほか、被包装物の充填包装状態で、たとえば、背貼りシール形となる袋や中央合掌シール形となる袋等のような、ヒートシールを施されることのない、包装用フィルムの折返し辺を有する包装袋に適用することができる。
なお、液体注出通路8は、三角形状に限定されるものではなく、上側横シール部6の上端辺に向かって次第に先細る形状であることが好ましい。これは、注出通路8が、液体注出口11に向かって先細りとなることで、被包装物の押出し方向が一定となり、被包装物が飛び散ることがなく、液だれの発生も抑制することができるのである。
なお、この液体注出通路8は、基端辺7側側端が三角形状に窪んだ形状からなる瓶口形ヒートシール刃を用いることにより形成することができる。ところで、ヒートシール目の形状としては、ベタシール、三線シール、布目シールなどを用いることができ、とくにシールの確実性と安全性の点から、ベタシール、三線シールを用いることが好ましい。
そのため、上側横シール部6の縦長さ、すなわち幅は、手指で把持できる寸法、好ましくは20mm以上とする。
そして、これら2本以上の引裂き誘導疵10、30は、それを引裂いて開封することにより形成される液体注出口11、31が注出通路8の異なる位置に開口するように設けることが好ましい。
これは、上述したように、液体注出通路8が、上側横シール部6の上端辺に向かって次第に狭幅となる形状であるため、液体注出口11、31を注出通路8の異なる位置に設けることで、液体注出口11、31の注出口断面積が異なることになり、各注出口11、31からの被包装物の注出量を異ならしめることができるようになるためである。
すなわち、本発明によれば、被包装物の種類や使用者の好み等によって、引裂き誘導疵の位置、形状を選択することで、形成された液体注出口からの被包装物の注出量を簡単に調整することができるようになるのである。
なお、クリアランスが0.3mmより小さい場合には、上記効果が期待できず、一方、1.0mmよりも大きい場合には、引裂き誘導疵始端10a、30aにおいて包装袋5が切り取れず、手指により開封することができない。
さらに、縦シール部より横一直線に形成した従来の誘導疵よりも、折れ曲がり難く、移動中にちぎれてしまうようなこともない。
ここにおける「ほぼ幅方向」とは、本発明において包装袋に形成する引裂き誘導疵を、上向きに傾斜して形成する場合を考慮したものである。なお、注出口11を0.3〜50mmに限定する理由は、0.3mmより小さい場合には、注出量が少なすぎてしまい、50mmを超えると包装袋が傾倒等した際に、被包装物の表面張力以上の力が働くことになって、注出口11、31から被包装物が漏れ出したり、指圧のコントロールによる注出量の調整ができなくなってしまうためである。
この突部13またはローレットシール部14は、包装袋5を、引裂き誘導疵10、30を境界として、上側横シール部6を両手指で把持し、テコの力を利用して引裂き誘導疵始端10a、30aから手指で引裂き開封する際に、手指が滑ることを防止するという効果と共に、引裂き誘導疵始端10a、30aを、触覚をもって検知することが可能となり、たとえ目が不自由な人でもその位置を、簡易迅速に見つけ出すことができるという効果がある。
なお、突部13は、引裂き誘導疵10、30の両側に複数対形成してもよく、また、ローレットシール部14のそれぞれの大きさは、少なくとも手指で把持できる大きさ、例えば10mm(上側横シール部長さ方向)×5mm(上側横シール部幅方向)程度であればよい。
この包装袋5は、上側横シール6を広幅シール部とし、被包装物の充填包装状態でヒートシールを施されることのない、包装用フィルムの基端辺7の延在方向の一端部、図では上端部に液体注出通路8を区画し、そして、上側横シール6内に、その上端辺から、液体注出通路8までの間に、図では、下方側に凸となる湾曲形態で曲線状に延びる、ミシン目状に穿設した孔からなる引裂き誘導部10と、直線状のミシン目状に穿設した孔からなる引裂き誘導部30を設けるとともに、図にメッシュを施して示すように、上記基端辺7に沿わせて液体注出通路8の最大幅と等幅の撥水層27を外表面に形成してなる。
このような包装袋5は、たとえば、図10に部分展開平面図で示すように、幅中央域に撥水層27を予め帯状に形成した積層フィルム1を幅方向に二つ折りにして、そのフィルム1の遊端部に連続的な縦シールを施すとともに、被包装物を充填しながらそれぞれの横シールを施すことによって製造することができる。
ところで、このような撥水層27、たとえば、シリコーン系、フッ素樹脂系、アクリル系もしくはアミド系のコート剤の塗布によって形成することができる撥水層27は、各個の包装袋5または、縦シール部を設けた後の包装用フィルムに形成し得ることはもちろんであるが、撥水層の形成能率を考慮したときは、積層フィルムの積層前の段階にて行うことが好適である。
なおここで、液体包装袋5の傾動量が、基端辺7が注出口11、31より上方側に位置することとなった場合は、撥水層27の作用を待つまでもなく、被包装物の、意図しない個所への流下等を十分に防止することができる。
2 ベースフィルム層
3 シーラント層
4 中間層
5、20 液体包装袋
6 上側横シール
7 基端辺
8、24 液体注出通路
9 下側横シール
10、30 引裂き誘導疵
10a、30a 引裂き誘導疵始端
10b、30b 引裂き誘導疵終端
11、31 注出口
11a 注出口先端
12、23 収納スペース
13 突部
14 ローレットシール部
21 縦シール部分
22 Iノッチ
25 横シール部分
27 撥水層
40a 貫通孔
40b ミシン目状の孔
Claims (13)
- 少なくともベースフィルム層とシーラント層とを具える積層フィルムを、該シーラント層が相互に対向するように幅方向に折返した後、側縁どうしを縦方向にヒートシールすると共に、上端と下端とを横方向にヒートシールしてなり、上側の横シール部の、縦ヒートシールが施されていない、少なくとも一方の折返し辺側縁部に、被包装物収納スペースに連通する狭幅の注出通路を設けてなる包装袋であって、
その上側横シール部の上端辺から前記注出通路の側端辺部に向かって形成してなる引裂き誘導部を設け、この引裂き誘導部を、上側横シール部だけに延在する曲線状および/または直線状の2本以上の引裂き誘導疵にて構成し、これらの引裂き誘導疵の始端と、上側横シール部の上端とのクリアランスを0.3〜1.0mmの範囲とするとともに、それらの引裂き誘導疵の終端と、注出通路の側端辺部とのクリアランスを0.3〜5.0mmの範囲としてなることを特徴とする液体包装袋。 - 前記注出通路が設けられる、ヒートシールが施されていない側縁部は、三方シール袋、中央合掌シール袋または背貼りシール袋の折返し幅方向側端部であることを特徴とする請求項1に記載の液体包装袋。
- 前記注出通路は、上側横シール部上端辺に向かって次第に先細る円錐状であることを特徴とする請求項1または2に記載の液体包装袋。
- 2本以上の引裂き誘導疵に沿って引き裂かれて開口する、注出通路の液体注出口の位置ならびに注出口断面積がそれぞれ異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体包装袋。
- 前記弧状に延びる引裂き誘導疵に沿う引裂きによって開口される注出通路の液体注出口が、上側横シール部内で、包装袋の前記横シール部上端縁と平行または、上向きに湾曲したのちに注出通路の引裂き注出口となるように形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体包装袋。
- 前記引裂き誘導疵の始端側に、該誘導疵を隔てて位置し、前記上側横シール部の表裏いずれか一方へ突出する、一対以上の突部を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体包装袋。
- 前記上側横シール部の上端の、前記引裂き誘導疵を隔てた位置に、一対のローレットシール部を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の液体包装袋。
- 前記ベースフィルム層とシーラント層との間に、SiO2蒸着層、塩化ビニリデンコーティング層、酸化アルミニウムコーティング層、Al蒸着層あるいはSiO2やAl、Al2O3などのスパッタリング層からなる中間層を設けることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の液体包装袋。
- 前記ベースフィルム層が、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミドもしくは塩化ビニリデンなどの樹脂フィルムからなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の液体包装袋。
- 前記シーラント層が、ポリエチレン層またはポリプロピレン層からなることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の液体包装袋。
- 少なくとも前記液体注出口の下方側に位置することとなる辺部分の外表面に撥水層を設けることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の液体包装袋。
- 前記撥水層が、シリコーン系、フッ素樹脂系、アクリル系もしくはアミド系のコート剤からなることを特徴とする請求項11に記載の液体包装袋。
- 前記引裂き誘導疵を、ミシン目状に穿設した孔または、連続的もしくは間欠的な溶融痕によって形成してなることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の液体包装袋。
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