JP5452325B2 - 注出口付き包装袋 - Google Patents
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Description
特許文献2には、パウチの上部の注出口に易開封部を設け、上記注出口を形成するシール部境界から間隔を置いて、上記易開封部の両端に連結する易開封案内部を設け、上記易開封案内部の外側を摘み部とした易開封性パウチが記載されている。
ユーザーが易開封部に沿うように意識して力を加えれば確実に開封することは可能であるが、注意深く開封作業をする必要があり、使用性が劣るという問題がある。
前記第2の切り抜き線の延長部は、少なくとも前記包装袋の側端からの距離が最小となる位置から上方にある範囲内で、前記2枚のフィルムを貫通してなる切り抜き線が連続していることが好ましい。
前記開封案内線は、開封開始側の端部から前記第1の切り抜き線の終端部に向かってハの字状に開いた開き部を有して、前記第1の切り抜き線から離間していることが好ましい。
これにより、開封案内線に引き続いて第2の切り抜き線を開封するときに、ユーザーが意識して力を加える方向を変化させなくても、開封案内線から第2の切り抜き線に沿って切れ目の向きを円滑に変更することが可能であり、第2の切り抜き線と包装袋の側端との間の余分なシール部をより確実に除去することができる。
図1および図2に示すように、本形態例の包装袋10は、互いに平面形状が同一である2枚の胴部フィルム11,11と、折り線12aを中心線にして2つ折りにされた底部フィルム12とから構成されたスタンディングパウチである。図1に示すように、底部フィルム12は、折り線12aが内向きとなるように折り重ねられて一対の胴部フィルム11,11の下部同士の間に介装されている。
包装袋10は、左右両側の側端に沿ってそれぞれ側端シール部11a,11bが形成されているとともに、包装袋10の下部には、各胴部フィルム11,11と底部フィルム12とが互いに対向する対向面の下端縁部同士でヒートシールされることにより底シール部12bが形成されている。
内容物は、特に限定されるものではないが、粉体や顆粒体等の固体、あるいは粘稠体、液体等、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
本形態例の場合、注出口14は、開封後(図6参照)の流路15の両側を構成する流路形成シール部15a,15bと、開封前(図2参照)の流路15を封止する流路封止シール部15cと、開封中(図4〜5参照)につまみとなるプルタブ16が、一方の側端シール部11aの上部から連続して胴部フィルム11,11同士をヒートシールすることにより形成されている。
また、流路15の先端部は、流路封止シール部15cによって閉鎖されている。流路形成シール部15bと側端シール部11bとの間は充填口13として開口されており、この充填口13を通して包装袋10内に内容物を充填することが可能である。なお、内容物の充填後は、充填口13の周縁において胴部フィルム11,11同士をヒートシールすることにより上部シール部13A(図6参照)を形成し、充填口13を閉鎖する。
この第1の切り抜き線17は、上辺14bから流路へ向けて開始され、上辺14bに対して垂直に延在した後、流路近傍で方向を変えて流路15に沿って斜め上方に延設され、さらに方向を変えて開封案内線18の開封開始側の端部18aに向けて延設された平面形状を有する。
また、前記未シール部15の上方のシール部は、第1の切り抜き線17により、未シール部15との間に所定幅の流路形成シール部15bを残して切り取ることができる。第1の切り抜き線17が流路15に沿って延設された部分は、流路15と第1の切り抜き線17との間に流路形成シール部15bのシール幅を確保しつつ、開封後に突出した注出口(図6参照)が形成されるように、流路15の近傍に設けられる。
本形態例の場合、第1の切り抜き線17のうち上辺14bに対して垂直に延在する部分にジョイント17b,17cが設けられ、方向を変えて流路15に沿って斜め上方に延設された部分には、ジョイントがなく、切り抜き線が連続している。
また、第1の切り抜き線17が上辺14bで開始する位置には、例えばV字状の切欠などからなるノッチ17aが設けられている。
第2の切り抜き線19が流路15に沿って延設された部分は、流路15と第2の切り抜き線19との間に流路形成シール部15aのシール幅を確保しつつ、開封後に突出した注出口(図6参照)が形成されるように、流路15の近傍に設けられる。
開封案内線18は、第2の切り抜き線19を超えて設けられてもよく、また1mm程度であれば離間していてもよい。開封案内線18の開封終了側の端部(終端部)18bが第2の切り抜き線19と交差しない場合、後述する延長部20は、開封案内線18をその終端部18bから(例えば直線的に)延長して、第2の切り抜き線19と交差する位置の上方に設けることが好ましい。
本形態例の開封案内線18は、第2の切り抜き線19との交差部18bに向かう終端部が、側端14aとほぼ平行な下向きであるが、これに限定されるものではなく、開封後の流路形状に合わせて適宜設計される。
また、図3に示す包装袋10Aでは、延長部20にジョイント(未切断部)20aを有するが、このジョイント20aは、側端14aからの距離が最小となる位置より下方、すなわち、上辺14bに近づくにつれて側端14aからの距離が減少する部分に設けられている。
延長部20の長さは、注出口14の寸法にもよるが、例えば5〜20mm程度とすることができる。
延長部20から上辺14bまでの最短距離(延長部20の末端から上辺14bまでの距離)は、延長部20から側端14aまでの最短距離dより長いことが好ましく、例えば5〜10mm程度とすることができる。
包装袋10を開封するときには、まず第1の切り抜き線17のジョイント17b,17cを破断してプルタブ16を流路形成シール部15bから分離する。そして、このプルタブ16をつまんで第1の切り抜き線17の終端部から引き裂きを開始する。これにより、第1の切り抜き線17の終端部から開封案内線18の開封開始側の端部18aに向かって切れ目が伸長する。この切れ目を開封案内線18に沿って進行させると、図4に示すように、流路封止シール部15cが分離し、流路15に開口21が形成される。
そして、開口21が横向きあるいは下向きとなるように包装袋10を傾けると、開口21から内容物を注出することができ、また、突出した流路が形成されるので容器の口部への挿入も容易となる。
保形材15dの形状としては、円筒体、楕円筒体、断面が四角形等の多角形である角筒体などの両端が開口したチューブに限定されるものではなく、このほか、断面が円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形等である棒状体、断面コ字状、H字状、T字状の部材など、種々の形態が採用可能である。保形材15dは、流路15を閉塞しないように断面が長手方向にわたって一定である形状(筒状体や棒状体など)が好ましく、フィルムに固定する作業が容易で、内容物の流動を妨げないので筒状体がより好ましく、中でも円筒体は固定される面が自在であり、フィルムに固定する際の位置決めが容易なので、さらに好ましい。そして、固定に際しては、保形材15dの長手方向を流路15の方向に揃えることが望ましい。
保形材15dの寸法は、包装袋全体や流路の寸法等に応じて適宜設計が可能である。その具体例としては、例えば、チューブの場合には、長さ:10〜30mm程度、外径(長手方向に直交する方向の最大幅):約5〜20mm程度、肉厚:約0.3〜2mm程度である。
なお、本発明において、保形材15dやその周囲の膨らみ部は必須のものではなく、保形材15dを省略した構成とすることもできる。保形材15dを設ける場合は、図1に示すように、開封案内線18が保形材15dと交差しない位置に設けられていることが好ましい。これにより、開封が容易になる上、図6に示すように、開口21から保形材15dが露出されることがない。
保形材15dの位置は、開封案内線18から少なくとも0.3mm以上離れていることが好ましく、保形材15dと開封案内線18との間の最も近い距離が0.3〜10mmの範囲内であることが好ましい。
例えば、包装袋の注出口は、その先端部が包装袋の上辺から突出している形状であってもよい。この場合の注出口は、上記形態例の包装袋10,10Aの側端14aおよび上辺14bと同様に、注出口の両側を略垂直な辺で囲む形状が好ましい。
底部フィルムは必須のものではなく、包装袋は三方シール袋や四方シール袋などの平袋から構成されるものであってもよい。あるいは、底部フィルム12のような2つ折りのフィルムを包装袋の側部、例えば注出口14とは反対側(図1の右側)に介装してもよい。
図1に示すように、第2の切り抜き線19に延長部20を設けた実施例1の包装袋10(ジョイント19aのつながり長さは0.7mm)と、図7に示すように、延長部20を設けない比較例1の包装袋100(ジョイント19aのつながり長さを0.5mm)とを作製した。延長部20の有無およびジョイント19aのつながり長さ以外は、同様の材料および寸法とした。
表1の「斜め上」は、プルタブ16を引き出した後、ひねらずに開封案内線18に直交する斜め上(図2や図7の左上方向)に開封する場合である。
また、表1の「真横」は、プルタブ16を引き出した後、図4に示すように、プルタブ16をひねって真横に引っ張って開封する場合である。
実施例1と比較例1につき、「斜め上」と「真横」のそれぞれを100袋ずつモニターが開封して、図8に示すようにプルタブ残り25が発生した数を表1に示す。
図9に示すように、治具Cが第1の切り抜き線17および開封案内線18に近接しつつ、これらを挟み込まない位置にセットして、プルタブ16部分を治具Cで挟み込み、治具Cの下方で第2の切り抜き線19を挟み込まない位置を治具(図示せず)で固定し、治具Cを垂直方向へ速度300mm/分で引っ張り、第1の切り抜き線17か開封案内線18が破断するまでの引っ張り強度(単位:ニュートン)を測定した。実施例1と比較例1につき、各20袋で測定して平均した結果を表2に示す。
以上の結果から、第2の切り抜き線19に延長部20を設けることにより、開封性を大幅に向上できることが確認できた。
Claims (4)
- 包装袋の上側の隅部に注出口の流路となる未シール部が設けられた包装袋であって、
前記注出口を含む2枚のフィルムには、前記未シール部を横断するように設けられたハーフカット溝からなる開封案内線が設けられ、
前記未シール部の上方のシール部には、開封を開始するための前記2枚のフィルムを貫通してなる切り抜き線として、前記包装袋の上辺から流路へ向けて開始され、流路近傍で方向を変えて前記流路に沿って斜め上方に延設され、さらに方向を変えて開封案内線の開封開始側の端部に向けて延設された平面形状を有する第1の切り抜き線が設けられ、
前記未シール部の側方のシール部には、前記未シール部との間に所定幅のシール部を残して切り取るための前記2枚のフィルムを貫通してなる切り抜き線として、前記流路に沿って斜め下方に延設され、さらに方向を変えて包装袋の側端に向けて延設された平面形状を有する第2の切り抜き線が設けられ、
さらに、第2の切り抜き線は、前記開封案内線との交差部との上方において、前記包装袋の上辺に近づくにつれて前記包装袋の側端からの距離が増大するように延長された延長部を備えることを特徴とする注出口付き包装袋。 - 前記第2の切り抜き線の延長部は、包装袋の上辺までの最短距離が、包装袋の側端までの最短距離より長いことを特徴とする請求項1に記載の注出口付き包装袋。
- 前記第2の切り抜き線の延長部は、少なくとも前記包装袋の側端からの距離が最小となる位置から上方にある範囲内で、前記2枚のフィルムを貫通してなる切り抜き線が連続していることを特徴とする請求項1または2に記載の注出口付き包装袋。
- 前記開封案内線は、開封開始側の端部から前記第1の切り抜き線の終端部に向かってハの字状に開いた開き部を有して、前記第1の切り抜き線から離間していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の注出口付き包装袋。
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