JP2009057039A - 車両用シートのロック装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガタ押さえも強度も十分あり、フックの回動軸にねじれモーメントが発生し難い車両用シートのロック装置を提供する。
【解決手段】本発明の車両用シートのロック装置1は、ストライカ12と、ストライカ12が挿入可能なベース溝部211が形成されたベース21と、ベース21に回動自在に支持されるフック3と、ベース21に回動自在に支持されフック3に形成された作動面32に当接するカム41が形成されたカム部材4と、カム41が作動面32を押圧する方向にカム部材4を付勢するカム付勢部材71と、ベース21に回動自在に支持されるポール5とを有し、フック3の回動軸30およびポール5の回動軸50がフック3がロック位置37のとき、ストライカ12の両側に位置するとともに、ポール5が被係合面313と係合する点が前記ストライカ12を挟んでフック3の回動軸30の反対側に位置するように配置されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両用シートのロック装置に関し、特に可倒式シートの背もたれ部分や脱着式のシート等を車両内の側面や車両フロアに固定する車両用シートのロック装置に関する。
自動車等の車両には、後部シートの背もたれ部分が倒れたり(可倒式)、車両フロアからシートが取り外せたりすることにより、車両内の凹凸を減らしスペースを広く利用することができるものがある。このような可倒式のシートや車両フロアから着脱できるシートは、車両内の側面や車両フロアに固定されているロック状態では、ガタなく固定されることで乗り心地に影響を与えない。そして、強い衝撃などでロックが解除されないように頑丈に作られている。
例えば、特許文献1では、車両フロア(固定体)に固定されたストライカが係入されるベース溝部が形成されたベースが、シート(移動体)の下部に固定されており、このベースに回動自在に支持されたフックに形成されたフック溝部の側面(後方側面)とベース溝部の底面とでストライカを挟み込んで(ロック状態)、シートをフロアに固定するロック装置の発明が開示されている。ロック状態でストライカをガタがないように挟み込むために、ベースに回動自在に支持されているカム部材に、フックを押圧する方向にばねによって荷重が加えられている。また、ロック状態において、ストライカにベース溝部(フック溝部)から離脱する方向に外力が加えられた場合、フックが回動しロックが解除されないようにカム部材とともにフックの回動を阻止するポールが用いられている。
このように特許文献1に開示されている発明では、カム部材でガタを押さえ、ポールで外力に対する強度を補強することで、ロック状態のガタを押さえかつ強い衝撃などでロックが解除されにくいようにしている。
特開2006−516502号公報(第4−6頁、第1−2図)
上記した特許文献1のロック装置は、カム部材の回動軸とポールの回動軸とが同軸で、外力が加えられるストライカに対してフックの回動軸とともに一方側に配置されている。そのため、ストライカにベース溝部(フック溝部)を抜ける方向の外力が加わった場合、片持ち構造で外力に対抗することになり、強度が十分とはいい難い。
そして、カム部材は回動軸からフックに当接する面(部分)までの長さが長いほどガタ押さえに効果があり、ポールは回動軸からフックに当接する面(部分)までの長さが短いほど強度を増すことができる。ところが、特許文献1のロック装置では回動軸からの長さの特性が矛盾する部材を同軸に配置している。そのため、ガタ押さえの機能を重視すれば外力に対する機能が低下し、外力に対する機能を重視すればガタ押さえが十分でなくなる。
また、カム部材とポールとが同軸に配置されているので、フックの板厚方向に対してカム部材とポールとが重なって配置されている。つまり、フックの板厚中心とカム部材の板厚中心、フックの板厚中心とポールの板厚中心とがずれている。そのため、ガタを押さえるための荷重およびストライカに加えられた外力を、フックの板厚中心からずれた位置に受けることになり、フックの回動軸にねじれモーメントが発生し、ガタ押さえに対しても外力に対してもカム部材やポールの機能を十分に発揮できないことになる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、ロック状態においてガタ押さえも外力に対する強度も十分あり、フックの回動軸にねじれモーメントが発生しにくい車両用シートのロック装置を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、固定体および移動体の一方に固定されるストライカと、前記固定体および前記移動体の他方に固定され前記ストライカが挿入可能なベース溝部が形成されたベースと、前記ベース溝部に係入される前記ストライカが係脱可能なフック溝部が形成され、前記ベースに回動軸によって回動自在に支持され、前記フック溝部に前記ストライカが係入されていない解除位置と前記ストライカが前記フック溝部に係入されて前記フック溝部から離脱できないロック位置との間を回動可能なフックと、前記ベースに回動軸によって回動自在に支持され、前記フックに形成された作動面と当接し、前記ストライカを前記ベース溝部の底面と前記フックの前記ロック位置方向の回動において後方となる前記フック溝部の後方側面とで挟み込むように前記フックを前記ロック位置方向に回動させるとともに、前記フックの前記解除位置方向の回動を規制するカムが形成されたカム部材と、前記カムが前記作動面を押圧する方向に前記カム部材を回動付勢するカム付勢部材と、前記ベースに回動自在に支持され前記ロック位置にある前記フックの被係合面と係合して前記フックの前記ロック位置から前記解除位置方向の回動を阻止し、前記フックの前記解除位置からロック位置方向の回動を許容するポールと、を有し、前記フックの回動軸および前記ポールの回動軸が、前記フックが前記ロック位置に回動されたとき、前記ベース溝部の底面と前記フック溝部の後方側面とで挟み込まれた前記ストライカの両側に位置するとともに、前記ポールが前記被係合面と係合する点が前記ストライカを挟んで前記フックの前記回動軸の反対側に位置するように配置されていることである。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、カム付勢部材は、前記カムが前記作動面を押圧するように前記カム部材を回動付勢するとともに、前記フックを前記解除位置方向に回動付勢するように前記カム部材と前記フックとの間に張架された引っ張りスプリングであることである。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1又は2において、前記ポールを閉止位置に位置されるように付勢するポール付勢部材と、前記カムが前記作動面から離脱する方向に前記カム部材が回動されたとき、前記ポールを前記ポール付勢部材の付勢力に抗して開放位置に回動されるように前記カム部材と前記ポールとを連動させるとともに、前記ポールが前記カム部材の回動に対して所定角度自由回動することを許容する遊び部が形成されたリンクを更に有することである。
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1〜3の何れか1項において、前記ベース溝部の底面には、前記ストライカの進入路と交叉する部分から前記ストライカの進入方向と直角な方向に対して前記ベース溝部の開口側に傾斜する溝底傾斜面が形成されていることである。
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項4において、前記溝底傾斜面は、前記ストライカの進入路と交叉する部分から両側に前記ストライカの進入方向と直角な方向に対して前記ベース溝部の開口側に傾斜して形成されていることである。
請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項4又は5において、前記溝底傾斜面の傾斜角度は、前記ストライカと前記ベース溝部との間の摩擦角以上であることである。
請求項7に係る発明の構成上の特徴は、請求項4〜6の何れか1項において、前記フックの後方側面には、ロック状態において前記ストライカの進入方向と直角な方向に対して前記ベース溝部の開口側に前記溝底傾斜面の傾斜角度より小さい傾斜角度で傾斜する後方傾斜面が前記溝底傾斜面と対向して形成されていることである。
請求項8に係る発明の構成上の特徴は、請求項1〜7の何れか1項において、前記カム部材とその回動軸、および前記ポールとその回動軸、のうちの少なくとも一方は一体形成されていることである。
請求項9に係る発明の構成上の特徴は、請求項1〜8の何れか1項において、前記カム部材と前記ポールとが板厚方向で重ならないように、前記カム部材および前記ポールの回動軸が離間して配置されていることである。
請求項1に係る発明においては、ベース溝部の底面とフック溝部の後方側面とで挟み込まれたストライカ(ロック状態)に対して、ポールの回動軸がフックの回動軸の反対側に位置することになる。また、ポールが被係合面と係合する点がストライカを挟んでフックの回動軸の反対側に位置するので、ストライカに外力が加えられたとしてもストライカを両側の2点で支える両持ち構造になり、片持ち構造より強度が確保できる。それに伴い、フックの形状を縮小し、各構成要素を薄肉化したり軽量化したりすることが可能になる。
請求項2に係る発明においては、フックがロック位置にあるときにカム付勢部材によってフックの作動面をカム部材のカムで押圧するので、ストライカをフック溝部の後方側面とベース溝部の底面とでガタを押さえて挟み込むことができる。また、ストライカがベース溝部(フック溝部)に係入していない解除状態では、カム付勢部材によってフックを解除位置方向へと回動付勢することができるので、ストライカがベース溝部に係入する際、フック溝部に係入するのをフックが待つことができる。つまり、解除状態において、フックは解除位置に保持されるので、他の構成要素などに衝突したりしてガタ付き音が発生したりすることもない。
請求項3に係る発明においては、ポールが閉止位置に位置するようにポール付勢部材で付勢され、ポールがフックの被係合面と係合するので、フックはロック位置から解除位置方向に回動するのを阻止される。また、フックがロック位置から解除位置方向へと回動する際、リンクによってカム部材とポールとが連動し、ポールが開放位置に回動されるので、フックがスムーズに解除位置方向へと回動することができる。そして、リンクに形成されている遊び部により、カム部材とポールとの連動回動に時間差を持たせることができ、ロック位置方向へのフックの回動および解除位置方向へのフックの回動の際、ポールがフックに食い付いたりせず確実にロックかつ解除が行える。
請求項4に係る発明においては、ベース溝部の底面に、ストライカの進入路と交叉する部分からストライカが進入する方向と直角な方向に対してベース溝部の開口側に傾斜する溝底傾斜面が形成されているため、ロック状態においてベース溝部底面とフック溝部後方側面との間隔がストライカから離れるにつれて狭くなる。そのため、ロック状態で挟み込まれているストライカが外力などにより振動してもストライカが挟み込まれている状態より狭い方に移動することが規制される。これにより、ストライカがベース溝部の底面に沿って移動することが規制され、ベース溝部底面とフック溝部後方側面との間隔が広くなる方向へのストライカの移動につれてカム部材がロック方向に回動してフックの作動面に喰いつくことがなくなり、カムを作動面から離す方向に回動させるための操作力が大きくなることを防止できる。
請求項5に係る発明においては、溝底傾斜面がストライカの進入路と交叉する部分から両側に傾斜が形成されているため、前記交叉する部分からストライカの進入方向と直角な方向に両外方に向かってベース溝部底面とフック後方側面との間隔が狭くなる。そのため、ストライカはベース溝部に進入してきて前記交叉する部分で挟み込まれロック状態となり、その後ストライカが外力などにより振動しても前記交叉する部分からストライカの進入方向と直角方向への移動が規制される。これにより、ベース溝部底面とフック溝部後方側面との間隔が広くなる方向へのストライカの移動につれてカム部材がロック方向に回動してフックの作動面に喰いつくことがなくなり、カムを作動面から離す方向に回動させるための操作力が大きくなることを防止できる。
請求項6に係る発明においては、溝底傾斜面の傾斜角度を動摩擦角以上とすることで、ストライカが溝底傾斜面を上る方向により移動しにくくなり、カム部材がロック方向に回動してフックの作動面に喰いつくことを確実に防止できる。
請求項7に係る発明においては、フックの後方側面に、ロック状態においてストライカの進入方向と直角な方向に対してベース溝部の開口側にベース溝部の溝底傾斜面の傾斜角度より小さい傾斜角度で傾斜する後方傾斜面を溝底傾斜面と対向して形成したので、ロック状態でフック後方側面とストライカとの当接位置が寸法誤差等により変位しても、フックがロック位置方向の回動を規制される位置のバラツキを小さくすることができる。そして、後方傾斜面の傾斜角度を溝底傾斜面の傾斜角度より小さくすることで、ロック状態において溝底傾斜面と後方側面との間隔がストライカから離れるにつれて狭くなるため、ストライカが外力などにより振動してもストライカが溝底傾斜面に沿って移動することが規制され、カム部材がロック方向に回動してフックの作動面に喰いつくことを確実に防止できる。
請求項8に係る発明においては、カム部材とその回動軸、およびポールとその回動軸のうちの少なくとも一方をカム部材およびポールに一体形成されることで、部品点数が減少するとともに組付ばらつきを低減することができる。
請求項9に係る発明においては、カム部材およびポールの回動軸を離間することで、カム部材とポールとが板厚方向で重ならないように配置されるので、カム部材の板厚中心とフックの板厚中心、ポールの板厚中心とフックの板厚中心とを一致させることができる。つまり、フックの板厚中心をカム部材のカムで押圧できかつポールもフックの板厚中心に対してフックを押圧することができるので、フックの回動軸のねじれモーメント発生を防止できる。
以下、本発明の実施形態に係る車両用シートのロック装置を、自動車の後部シートに搭載される車両用シートのロック装置に具体化した場合について、図1〜図12に従って説明する。
本実施形態の車両用シートのロック装置1(以下、ロック装置1とする。)は、図1に示されるように、後部シート10の背もたれ(移動体)11の側面にベース21が固定され、背もたれ11が起こされている状態のベース21に相対する位置の車両内部の側面(固定体)にストライカ12が固定されている。実線で表されている背もたれ11を車両内部の側面に固定している状態が、本実施形態のロック装置1のロック状態である。そして、ベース21側に取り付けられているレバー13を引くことによりロック状態が解除され、後部シート10の背もたれ11がシートクッション14側に傾倒できる。図1において、傾倒した背もたれ11、その背もたれ11に固定されているベース21およびサブベース22側に取り付けられているレバー13が2点破線で示されている。
ロック装置1は、図2に示されるように、フック3、カム部材4およびポール5がベース21およびサブベース22に回動自在に支持されており、ベース21とサブベース22との間に収納されている。ベース21とサブベース22との間には、その他にリンク6、カムばね(カム付勢部材)71およびポールばね(ポール付勢部材)72が収納されている。
ベース21は、板状の部材で、一辺にサブベース22側に折れたフランジ部215が形成されている。ベース21には、図3および図4に示されるように、ストライカ12が係入されるベース溝部211がフランジ部215の反対側の外周から中央に向かって形成されており、そのベース溝部211の奥側端面がストライカ12が当接する底面211aである。なお、図2および図4は、本実施形態のロック装置1のロック状態を表しており、図2にはストライカ12が取り除かれている。そして、図3がロック状態が解除された解除状態を表している。また、図2〜図4および図10〜図12において、サブベース22は、透過された状態で表されている。本実施形態に係るロック装置1の側面図が図5および図6であり、図4(a)のG−G断面図が図7、F−F断面図が図8、図4(b)のH−H断面図が図9である。
図2に戻って、サブベース22は、外形がベース21とほぼ同じで、ベース21に配置された各部材の場所ごとに板厚方向に所々盛り上がっている板状部材である。ベース21とサブベース22との間には、ベース溝部211を挟んで一方側に2つのスペーサー212、213、他方側に1つのスペーサー214が設けられている。そして、サブベース22は、スペーサー212、213、214を挟んでベース21に固定されている(図5および図6参照)。
図3および図4に示されるように、フック3は板状の部材で、スペーサー212、213側寄りに位置し、中心付近の回動軸30でベース21とサブベース22との間に支持されている。フック3の一側面部には、ストライカ12が係入するフック溝部31が中央に向かって形成され、かつ作動面32がフック溝部31の上方に形成されている。フック3の上面部にはカム当接面33が作動面32に続いて形成され、フック3の他側面部には位置決め面34が形成されている。そして、フック3の上方正面には、カムばね71の一端が係止される第1ピン35が厚さ方向に突設されている。フック3は、フック溝(図5参照)部31にストライカ12が係入する前の状態の解除位置36(図3参照)と、ストライカ12が係入して離脱できないようにロックされた状態のロック位置37(図4参照)との間を回動軸30を中心に回動する。なお、フック3に対する上下左右は、フック3のロック位置37での図中の上下左右を指し、上面部から下面部へ回動軸30を貫く基準線Lの左側を一側面部とし、右側を他側面部とする。
フック溝部31は、ストライカ12が係入できる幅を有し、フック3のロック位置方向の回動において、前方となるフック溝部31の前方側面314の開口部には、ベース溝部211に係入してきたストライカ12が初期段階で当接する待ち受け部311が形成されている(図3参照)。フック3が解除位置36からロック位置37に回動するロック位置方向への回動において、後方側になる側面が後方側面315であり、フック3の後方側面35より下方の一側面部には、後述するポール5の係合角部52を押動するポール押動面312とポール5の係合角部52が係合する被係合面313とが形成されている。
作動面32は、フック3内側(基準線L側)にややへこんだ緩やかな曲線(円弧)で、フック溝部31に対してほぼ直角にフック3の一側面部に形成されている。カム当接面33は、回動軸30を中心とした円弧状にフック3の上面部に形成され、カム当接面33の作動面32から離れた部分では、回動軸30からのカム当接面33までの長さが、側面部から他側面部に向かって短くなる曲面に形成されている。位置決め面34は、回動軸30に対して作動面32およびカム当接面33の反対側に形成されている。
カム部材4は板状の部材で、ベース溝部211に対してスペーサー214側の図2においてベース21の上方に位置する。カム部材4は、回動軸40でベース21とサブベース22との間に支持され、側面の一部にカム41およびカム角部42が形成され、正面には第2ピン43と長孔係合突起44とが厚さ方向に突設されている。カム41と長孔係合突起44とは回動軸40を挟んで反対側に配設され、第2ピン43は回動軸40の上方に位置する。
カム部材4がもつカム41は、フック3のロック位置37方向への回動において、ストライカ12をガタがないように挟み込むためにフック3の解除位置方向への回動を規制することを目的として形成されており、フック3がロック位置方向へ回動する際およびロック位置37の際に、フック3の作動面32に当接する面である。カム41のカム形状は、カム部材4の回動軸40より第2ピン43側にずれた位置に中心をもつ円弧状であり、回動軸40からの長さが反時計方向に大きくなる形状である。カム角部42は、カム41の一端部に配置され、回動軸40を中心とする円弧上を移動し、回動軸40からの長さはフック3のカム当接面33の円弧とほぼ同じである。カム角部42の円弧状の軌跡とカム当接面33の円弧とが交差するようにカム角部42は配置され、フック3の解除位置36およびロック位置方向への回動の途中でカム当接面33に当接する。第2ピン43には、フック3の第1ピン35に一端が係止されているカムばね71の他端が係止される。カムばね71は第1ピン35と第2ピン43との間に張架された状態で設置され、フック3とカム部材4とに引っ張り力が作用し、フック3を反時計方向に、カム部材4を時計方向に付勢する。フック3がロック位置方向に回動されるに連れてカムばね71は伸びて引っ張り力が増加する。そして、ロック位置1のロック状態を解除するためのレバー13の一端が、第2ピン43に係合している。長孔係合突起44は、後述するリンク6の一端側に形成された長孔61に係入され、長孔61内をスライド可能である。
ポール5は、ベース溝部211に対してスペーサー214側で、カム部材4の下方に位置し、回動軸50でベース21とサブベース22との間に支持されている。ポール5の先端部には、フック3の被係合面313と係合する係合角部52が形成され、上面には回動軸50を中心とする円弧面51が形成されている。フック3がロック位置37にあり、ポール5が閉止位置55にあるとき、係合角部52はフック3の解除位置方向への回動を阻止するように、フック3の被係合面313と係合し、円弧面51はフック3の下面と僅かな隙間を隔てて対向している。係合角部52と被係合面313との係合点は、回動軸30と回動軸50とを結ぶ線分より上方にあるので、フック3の解除位置方向の回動が規制される。
図3、図6および図8に示すように、ポール5に形成された係止部53には、スペーサー214に巻き付けられたねじりばねであるポールばね72の一端が係止されている。ポールばね72の他端は、スペーサー214の近傍でサブベース21の側面に係止されている。ポール5は、このポールばね72によって、時計方向に付勢されている。ポール5の正面に回動軸50を挟んで係合角部52の反対側に突設されたピン54には、後述するリンク6の他端が回動可能に連結されている。
図7および図9に示すように、カム部材4およびポール5はそれぞれ、回動軸40および回動軸50がカム部材4およびポール5に一体形成されている。一体形成されることにより、部品点数が減少するとともに、組付ばらつきを押さえることができる。
リンク6は細長い板状の部材で、一端側にカム部材4の長孔係合突起44が係入する長孔(遊び部)61が長手方向に形成されており、他端側がポール5に突設されたピン54に枢支されている。
次に、本実施形態のロック装置1の作用について説明する。まず、図3に示されている解除状態のロック装置1について説明する。フック3が解除位置36にあり、カム部材4のカム角部42がカム当接面33に当接している状態で、フック3の第1ピン35とカム部材4の第2ピン43とにカムばね71が張架された状態で配置されている。そのため、フック3とカム部材4とには、カムばね71の引っ張り力が作用している。フック3は回動軸30を中心として反時計方向(解除位置方向、矢印A方向)に、カム部材4は回動軸40を中心として時計方向に回動しようとする。ところが、フック3とカム部材4とは、カム当接面33の円弧状の面とカム角部42の軌跡とが交差するので、カム当接面33にカム角部42が当接し、カム角部42は、その回動方向にカム当接面33を押圧する。この押圧力もフック3を反時計方向に回動させるように作用するので、フック3は位置決め面34がスペーサー212に当接するまで反時計方向に回動される。カム部材4は、回動が規制されたフック3のカム当接面33にカム角部42が当接してそれ以上時計方向に回動できない。よって、フック3は、フック溝部31の開口がベース溝部211の開口側に位置し、フック3の待ち受け部311がベース溝部211の幅方向において中心に位置している解除位置36で待機する。このとき、カム部材4に突設された長孔係合突起44がリンク6の長孔61の下端に当接し、ポール5はポールばね72のばね力による時計方向の回動を規制される。
次に、解除状態のロック装置1がロック状態になる様子を図3、図4および図10で説明する。まず、図3に示されるように、ベース溝部211の開口から係入してきたストライカ12は、解除位置36のフック3の待ち受け部311に当接し、フック3を押圧する。そして、ストライカ12はベース溝部211の奥側に係入していき、フック3は、ストライカ12により、待ち受け部311から前方側面314を順次押圧され、ロック位置方向(時計方向)に回動される。このとき、カム部材4のカム角部42がロック位置方向に回動するフック3のカム当接面33を滑り、カム部材4は僅かに反時計方向に回動され、カムばね71が伸張して引っ張り力が強くなる。フック3がロック位置方向に、ある程度回動したところで、フック3のポール押動面312がポール5の係合角部52に当接する。そして、図10に示されるように、フック3のロック位置方向への回動は、時計方向(矢印B方向)に付勢するポールばね72のばね力に抗して、反時計方向にポール5を回動させ、フック3のポール押動面312は係合角部52を通過する。ポール5の反時計方向への回動により、リンク6は下方に移動するが、カム部材4の長孔係合突起44は長孔61内を移動するので、カム部材4は回動しない。フック3が更にロック位置方向に回動し、カム角部42がカム当接面33から作動面32側に移動する。この状態で、ベース溝部211に係入したストライカ12がフック3のフック溝部31の前方側面314を更に押圧していくと、ストライカ12はベース溝部211の底の底面211aに当接する。底面211aに当接したストライカ12はフック3をロック位置方向に押圧できなくなる。しかし、カム部材4のカム41がフック3の作動面32と当接するようになると、カム部材4はカムばね71のばね力により、フック3の回動に連れて時計方向に回動される。カム41は、回動軸40からの長さが反時計方向で広がっている形状なので、カム部材4が時計方向に回動すると、フック3の回動に連れてカム41は、広がった長さの分、作動面32に追従して当接することとなる。よって、ストライカ12をフック溝部31の後方側面315とベース溝部211とで挟み込み、フック3はカム部材4によって解除位置方向への回動を規制される。
一方、ポール5は、フック3がロック位置方向に回動することで、ポール押動面312によって反時計方向に回動され、その後、ポール5の係合角部52はポール押動面312から離れ、被係合面313と係合する。このとき、ポール5の円弧面51はフック3の下端と僅かな隙間を隔てた位置で対向する。ポール5の時計方向への回動により、リンク6は上方に動くが、長孔係合突起44はリンク6の長孔61内をスライドするので、カム部材4がポール5の回動に連動することはない。
図4(a)に示されている本実施形態のロック装置1のロック状態において、ストライカ12からベース溝部211の開口側(矢印D方向)に外力が加えられた場合、フック3に解除位置方向の力が加えられることになる。しかし、フック3は作動面32がカム部材4のカム41に係合しているので、弱い外力では簡単にロック状態が解除されない。強い外力が加えられてフック3が解除位置方向(反時計方向)に回動しようとしたり、あるいはカム部材4が座屈してフック3が解除位置方向に回動しようとしたりする場合は、ポール5がフック3の解除位置方向への回動を阻止する。即ち、係合角部52と被係合面313との係合点とは回動軸30と回動軸50とを結ぶ線分より上方にあるので、フック3の解除位置方向の回動が規制される。このとき、フック3の回動軸30とポール5の回動軸50とは、ストライカ12を挟んだ両側に位置する。更に、ストライカ12からフック3に作用する外力の作用点は、係合角部52が被係合面313と係合する係合点と回動軸30との間に位置するので、フック3はストライカ12からの外力Dに対して両持ちで支持されることとなり、外力に対して強度がある。
次に、ロック状態のロック装置1が解除状態になる様子を図3、図4、図11および図12で説明する。まず、図4に示されているベース溝部211の底面211aとフック溝部31の後方側面315とでストライカ12が挟み込まれているロック状態において、レバー13を矢印E方向に引く。レバー13の一端はカム部材4の第2ピン43に枢支されているので、カム部材4は回動軸40を中心に反時計方向に回動する。フック3の作動面32を押圧していたカム部材4のカム41は、作動面32をカム当接面33方向にスライドしていき作動面32から離れる。図11に示されるように、作動面32をカム41によって押圧されなくなったフック3は、カムばね71の引っ張り力により、反時計方向の解除位置方向に回動しようとするが、ポール5の円弧面51に当接して回動を阻止される。
レバー13が矢印E方向に更に引っ張られると、カム41が作動面32から完全に離れた後に、図12に示されるように、カム41の反対側に位置する長孔係合突起44がリンク6の長孔61の端部に当接して、ポール5を反時計方向に開放位置56まで回動させる。このように長孔61によって時間差を作ることで、解除の際のポール5のフック3下面への食い付きを防止している。そして、開放位置56に回動したポール5はフック3の解除位置方向への回動を許容し、図3に示されるように、ストライカ12がベース溝部211から離脱し、フック3が解除位置36まで反時計方向に回動される。
本実施形態のロック装置1によれば、ロック状態においてストライカ12からフック3にベース溝部211を離脱する方向の外力が加えられ、フック3の反時計方向の回動をカム部材4で押さえきることができなくなったとしても、ポール5でフック3の解除位置方向への回動を阻止できる。このとき、フック3の回動軸30とポール5の回動軸50とは、前記ストライカ12を挟んだ両側に位置する。更に、ストライカ12からフック3に作用する外力の作用点は、係合角部52が被係合面313と係合する係合点と回動軸30との間に位置するので、フック3はストライカ12からの外力Dに対して両持ちで支持されることとなり、外力に対して強度がある。その上、カム部材4の回動軸40とポール5の回動軸50とが別に配置されるので、外力に対する強度を増したいポール5は軸から係合角部52までの長さを短くでき、カム部材4はカム41がフック3の作動面32と効果的に係合するために回動軸40からカム41までの長さを長くできる。
そして、ロック装置1はフック3がロック位置37にあるときにカムばね71によってフック3の作動面32をカム部材4のカム41で押圧するので、ストライカ12をフック溝部31の後方側面315とベース溝部211の底面211aとでガタを押さえて挟み込むことができる。また、ストライカ12がベース溝部211(フック溝部31)に係入していない解除状態では、カムばね71によってフック3を解除位置方向へと回動付勢することができるので、ストライカ12がベース溝部211に係入する際、フック溝部31に係入するのをフック3が待つことができる。つまり、解除状態において、フック3は解除位置に保持されるので、他の構成要素などに衝突したりしてガタ付き音が発生したりすることもない。
そして、ポール5が閉止位置55に位置するようにポールばね72で付勢され、ポール5の係合角部52がフック3の被係合面313と係合するので、フック3はロック位置37から解除位置方向に回動するのを阻止される。また、フック3がロック位置37から解除位置方向へと回動する際、リンク6によってカム部材4とポール5とが連動し、ポール5が開放位置に回動されるので、フック3がスムーズに解除位置方向へと回動するこができる。そして、リンク6に形成されている長孔61により、カム部材4とポール5との連動回動に時間差を持たせることができ、ロック位置方向へのフック3の回動および解除位置方向へのフック3の回動の際、ポール5がフック3に食い付いたりせず確実にロックかつ解除が行える。
また、カム部材4およびポール5は、それらの回動軸40、50を離間することで、カム部材4とポール5とが板厚方向で重ならないように配置されている。このように配置することで、カム部材4の板厚中心とフック3の板厚中心およびポール5の板厚中心とフック4の板厚中心とを一致させることができる。つまり、フック3の板厚中心をカム部材4のカム4で押圧でき、かつポール5の円弧面51もフック3の板厚中心に対してフック3の被係合面313を押圧することができるので、フック3の回動軸30のねじれモーメント発生を防止できる。
(変形形態)
本変形形態では、実施形態の車両用シートのロック装置1において、図13〜図15に示すように、ベース溝部211の底面211a及び/又はフック溝部31の後方側面315が傾斜されている。ここで、図13〜図15は、ストライカ12がベース溝部211およびフック溝部31に係入し、底面211aおよび後方側面315に挟み込まれている状態を示している。
図13に示す変形例では、底面211aには、ストライカ12がベース溝部211に進入する進入路と交叉する部分(安定位置P)から両側に、溝底傾斜面81が形成されている。溝底傾斜面81は、ストライカ12の進入方向Yと直角なX方向に対してベース溝部211の開口側に傾斜していて、安定位置Pに向かって溝底が深くなるように形成されている。この溝底傾斜面81の傾斜角度θ1は、ストライカ12と溝底傾斜面81との間の摩擦角以上となるように設定されている。
フック3に形成されたフック溝部31の後方側面315にも、ロック状態において溝底傾斜面81と対向するように後方傾斜面82が形成されている。後方傾斜面82は、ストライカ12の進入方向Yと直角なX方向に対してベース溝部211の開口側に溝底傾斜面81の傾斜角度θ1より小さい傾斜角度θ2で傾斜するように設定されている。
このように、後方傾斜面82の傾斜角度θ2は、溝底傾斜面81の傾斜角度θ1より小さく設定されているため、ロック状態において溝底傾斜面81と後方傾斜面82との間隔は、ストライカ12から離れるにつれて狭くなる。そのため、ストライカ12が外力などにより振動してもストライカ12が安定位置Pから溝底傾斜面81に沿ってX方向に移動することが規制される。また、ロックの瞬間にストライカ12が安定位置Pとは異なる位置にあった場合に、ストライカ12は外力などにより振動したとしても、間隔が狭くなる方向に対しては動きが規制されて、間隔が広いX方向には動きが許容される。すなわち、ストライカ12は安定位置Pへ案内されることになる。その後、ストライカ12は、安定位置Pから溝底傾斜面81に沿ってX方向に移動することが規制される。
従って、ストライカ12が外力などの振動によりベース溝部底面211aとフック溝部後方側面315との間で間隔が広くなる方向に移動するにつれてカム部材4がロック方向に回動してフック3の作動面32に喰いつくことがなくなり、カム41を作動面32から離す方向に回動させるための操作力が大きくなることを防止できる。
また、溝底傾斜面81の傾斜角度θ1がストライカ12と溝底傾斜面81との間の摩擦角以上に設定されているため、ストライカ12が外力などによりベース溝部底面211aとフック溝部後方側面315との間で間隔が狭くなる方向(安定位置Pの両側方向)に移動したとしても、ストライカ12は移動前位置(安定位置P)に戻りやすくなる。よって、カム部材4がロック方向に回動してフック3の作動面32に喰いつくことがより好適に抑制され、カム部材4を作動面32から離す方向に回動させるための操作力が大きくなることをより好適に抑止できる。
ロック状態において溝底傾斜面81と後方傾斜面82との間隔は、ストライカ12から離れるにつれて狭くなるので、ストライカ12が安定位置Pから溝底傾斜面81に沿ってX方向に移動することは幾何学的には規制される。しかしながら車両の振動や外力等に基づく弾性変形や弛みに伴ってストライカ12がベース21に対して安定位置Pから離れる方向に移動したとしても、溝底傾斜面81の傾斜角度θ1がストライカ12と溝底傾斜面81との間の動摩擦角以上に設定され、且つストライカ12とベース21とは相対的に振動しているので、ストライカ12はフック溝部31の後方側面315からの押圧力により安定位置Pに戻りやすくなる。なお、溝底傾斜面81の傾斜角度θ1をストライカ12と溝底傾斜面81との間の静摩擦角以上に設定すると、ストライカ12はフック溝部31の後方側面315に押圧されて安定位置Pに一層戻りやすくなる。
さらに、ロック状態において、フック3の後方側面315に後方傾斜面82を溝底傾斜面81と対向するように形成したので、ロック状態でフック後方側面315とストライカ12との当接位置が寸法誤差等により変位しても、フック3がロック位置方向の回動を規制される位置のバラツキを小さくすることができる。そのため、カム部材4のカム41がフック3の作動面32と十分に当接できない位置にフック3が停止し、カム部材4とフック3とが半係合状態になることを防止できる。
また、図14に示されるように、底面211aのみに、ストライカ12の進入路と交叉する部分(安定位置P)から両外側にベース溝部211の開口側に向かって傾斜するように溝底傾斜面81を形成することもできる。
このようにしても、ロック状態において溝底傾斜面81と後方側面315との間隔がストライカ12から離れるにつれて狭くなるため、ストライカ12が外力などにより振動してもストライカ12が溝底傾斜面81に沿ってX方向に移動することが規制される。そのため、カム部材4がロック方向に回動してフック3の作動面32に喰いつきにくくすることができ、カム41を作動面32から離す方向に回動させるための操作力が大きくなることを抑止できる。
図15に示されるように、底面211aに形成される傾斜面を、X方向に対して一方から他方にのみ傾斜する溝底傾斜面83とすることもできる。ロック状態において、底面211aと後方側面315との間隔が、フック溝部31の開口側が広くなるように溝底傾斜面83を形成しているのが図15(a)に、フック溝部31の底面側が広くなるように溝底傾斜面83を形成しているのが図15(b)に示されている。なお、ストライカ12が底面211aと後方側面315とで挟み込まれているロック状態で、底面211aと後方側面315との間隔が一番広い箇所にストライカ12が位置し、ベース溝部211の一方の側面(図15(a)ではフック溝部31の開口側、図15(b)ではフック溝部31の底面側)に当接してロック状態が安定するように構成することが望ましい。
このようにしても、ロック状態において溝底傾斜面83と後方側面315との間隔がストライカ12から離れるにつれて狭くなるため、ストライカ12が外力などにより振動してもストライカ12が溝底傾斜面83に沿ってX方向に移動することが規制される。そのため、カム部材4がロック方向に回動してフック3の作動面32に喰いつきにくくすることができ、カム41を作動面32から離す方向に回動させるための操作力が大きくなることを抑止できる。
図13〜図15に示される変形形態において、溝底傾斜面81、83の傾斜角度θ1は、摩擦角より小さい角度でも良い。ロック状態において溝底傾斜面81、83と後方側面315との間隔がストライカ12から離れるにつれて狭くなるような傾斜角度θ1であれば、傾斜を付けない状態に比べ、傾斜しているだけでもストライカ12が移動しにくくなり、カム部材4がロック方向に回動してフック3の作動面32に喰いつくことを抑止できる。
以上、本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではない。例えば、カム部材4の回動軸40をポール5の回動軸50と同じか近くに配置することもできる。
本実施形態の車両用シートのロック装置1が後部シート10に取り付けられた様子を表す斜視図である。 本実施形態の車両用シートのロック装置1の斜視図である。 本実施形態の車両用シートのロック装置1のサブベース22側から見た解除状態を表す構成図である。 (a)および(b)は、本実施形態の車両用シートのロック装置1のサブベース22側から見たロック状態を表す構成図である。 図4のロック状態の車両用シートのロック装置1を右側から見た図である。 図4のロック状態の車両用シートのロック装置1を左側から見た図である。 図4(a)のF−F断面図である。 図4(a)のG−G断面図である。 図4(b)のH−H断面図である。 本実施形態の車両用シートのロック装置1がロック状態になる前を表す構成図である。 本実施形態の車両用シートのロック装置1がロック状態を脱した様子を表す構成図である。 本実施形態の車両用シートのロック装置1が解除状態になる前を表す構成図である。 変形形態のロック状態の一部を拡大した図である。 変形形態のロック状態の一部を拡大した図である。 変形形態のロック状態の一部を拡大した図である。
符号の説明
1:車両用シートのロック装置、10:後部シート、11:背もたれ(移動体)、12:ストライカ、13:レバー、14:シートクッション、
21:ベース、22:サブベース、211:ベース溝部、211a:底面、212,213,214:スペーサー、215:フランジ部、
3:フック、30:回動軸、31:フック溝部、32:作動面、33:カム当接面、位置決め面、35:第1ピン、36:解除位置、37:ロック位置、311:待ち受け部、312:ポール押動面、313:被係合面、314:前方側面、315:後方側面、
4:カム部材、40:回動軸、41:カム、42:カム角部、43:第2ピン、44:長孔係合突起、
5:ポール、50:回動軸、51:円弧面、52:係合角部、53:係止部、54:ピン、55:閉止位置、56:開放位置、
6:リンク、61:長孔(遊び部)、
71:カムばね(カム付勢部材)、72:ポールばね(ポール付勢部材)、
81,83:溝底傾斜面、82:後方傾斜面。

Claims (9)

  1. 固定体および移動体の一方に固定されるストライカと、
    前記固定体および前記移動体の他方に固定され前記ストライカが挿入可能なベース溝部が形成されたベースと、
    前記ベース溝部に係入される前記ストライカが係脱可能なフック溝部が形成され、前記ベースに回動軸によって回動自在に支持され、前記フック溝部に前記ストライカが係入されていない解除位置と前記ストライカが前記フック溝部に係入されて前記フック溝部から離脱できないロック位置との間を回動可能なフックと、
    前記ベースに回動自在に支持され前記フックに形成された作動面と当接し、前記ストライカを前記ベース溝部の底面と前記フックの前記ロック位置方向の回動において後方となる前記フック溝部の後方側面とで挟み込むように前記フックを前記ロック位置方向に回動させるとともに、前記フックの前記解除位置方向の回動を規制するカムが形成されたカム部材と、
    前記カムが前記作動面を押圧する方向に前記カム部材を回動付勢するカム付勢部材と、
    前記ベースに回動自在に支持され前記ロック位置にある前記フックの被係合面と係合して前記フックの前記ロック位置から前記解除位置方向の回動を阻止し、前記フックの前記解除位置からロック位置方向の回動を許容するポールと、を有し、
    前記フックの回動軸および前記ポールの回動軸が、前記フックが前記ロック位置に回動されたとき、前記ベース溝部の底面と前記フック溝部の後方側面とで挟み込まれた前記ストライカの両側に位置するとともに、前記ポールが前記被係合面と係合する点が前記ストライカを挟んで前記フックの回動軸の反対側に位置するように配置されていることを特徴とする車両用シートのロック装置。
  2. 請求項1において、前記カム付勢部材は、前記カムが前記作動面を押圧するように前記カム部材を回動付勢するとともに、前記フックを前記解除位置方向に回動付勢するように前記カム部材と前記フックとの間に張架された引っ張りスプリングであることを特徴とする車両用シートのロック装置。
  3. 請求項1又は2において、前記ポールを閉止位置に位置されるように付勢するポール付勢部材と、前記カムが前記作動面から離脱する方向に前記カム部材が回動されたとき、前記ポールを前記ポール付勢部材の付勢力に抗して開放位置に回動されるように前記カム部材と前記ポールとを連動させるとともに、前記ポールが前記カム部材の回動に対して所定角度自由回動することを許容する遊び部が形成されたリンクを更に有することを特徴とする車両用シートのロック装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項において、前記ベース溝部の底面には、前記ストライカの進入路と交叉する部分から前記ストライカの進入方向と直角な方向に対して前記ベース溝部の開口側に傾斜する溝底傾斜面が形成されていることを特徴とする車両用シートのロック装置。
  5. 請求項4において、前記溝底傾斜面は、前記ストライカの進入路と交叉する部分から両側に前記ストライカの進入方向と直角な方向に対して前記ベース溝部の開口側に傾斜して形成されていることを特徴とする車両用シートのロック装置。
  6. 請求項4又は5において、前記溝底傾斜面の傾斜角度は、前記ストライカと前記ベース溝部との間の摩擦角以上であることを特徴とする車両用シートのロック装置。
  7. 請求項4〜6の何れか1項において、前記フックの後方側面には、ロック状態において前記ストライカの進入方向と直角な方向に対して前記ベース溝部の開口側に前記溝底傾斜面の傾斜角度より小さい傾斜角度で傾斜する後方傾斜面が前記溝底傾斜面と対向して形成されていることを特徴とする車両用シートのロック装置。
  8. 請求項1〜7の何れか1項において、前記カム部材とその回動軸、および前記ポールとその回動軸、のうちの少なくとも一方は一体形成されていることを特徴とする車両用シートのロック装置。
  9. 請求項1〜8の何れか1項において、前記カム部材と前記ポールとが板厚方向で重ならないように、前記カム部材および前記ポールの回動軸が離間して配置されていることを特徴とする車両用シートのロック装置。
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