JP5499492B2 - 車両用シートのロック装置 - Google Patents
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Description
また、ロック解除状態においても楔状ラッチは捩りコイルスプリングにより付勢されているため、楔部分の一部はフックのフック溝部の側面から突出している。このため、ロック時にベース溝部に係入してきたストライカにより楔状ラッチの突出部分を捩りコイルスプリングのばね力に抗して押圧して引込め、ベースのベース溝部の底面とフックのフック溝部の側面とでストライカを挟み込ませる必要がある。ところが、ロック解除状態においても楔状ラッチは捩りコイルスプリングにより付勢されているため、楔部分がピンとストライカとの間に食い付いて十分に引込まない場合がある。このような場合、ストライカにより楔状ラッチの突出部分を押圧しても引込めることができないので、フックのロック方向の回動が不十分となってポールと係合できず、ガタツキが生じてロック不良となることがある。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1又は2において、前記第2係止部は、前記ベースに固定して設けられていることである。
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項1〜4の何れか一項において、前記ベースに第4の回動軸によって回動自在に支承され、前記ロック位置にある前記フックの被係合部と係脱可能な係合部が形成され、前記ポールの当接部が前記フックの被当接部に当接する方向に回動する動作に追従して前記係合部が前記ロック位置にある前記フックの被係合部と係合し、前記フックの前記ロック位置から前記ロック解除方向の回動を阻止し、前記ポールの当接部が前記フックの被当接部から離脱する方向に回動する動作に追従して前記係合部が前記ロック位置にある前記フックの被係合部から離脱し、前記フックの前記ロック位置から前記ロック解除方向の回動を許容するカム部材と、前記係合部が前記フックの被係合部を押圧する方向に前記カム部材を回動付勢するカム付勢部材と、を更に有することである。
そして、ポールがポール付勢部材により回動付勢されてポールの当接部がフックの被当接部と対向するようにしているので、これによってもフックはロック解除方向の回動を規制される。
さらに、係止部移動機構により固定部と第1の回動軸を通る直線を積極的に移動させてフック付勢部材の回動付勢方向の切換を短時間で行うように構成することができる。これにより、ロック解除時にポールを押動してポールの当接部をフックの被当接部から離脱させるとき、フック付勢部材によるロック方向の付勢力がポールの押動力の反力として働くが、かかるロック方向の付勢力を早期にロック解除方向の付勢力に切り換えることができ、極めて容易にロック解除することができる。また、ストライカがベース溝部に係入していないときにフックをロック解除位置からロック位置に回動させてしまっても、ポールを押動するのみで係止部移動機構によりフック付勢部材の回動付勢方向をロック方向からロック解除方向に切り換えてフックをロック位置からロック解除位置に戻すことができる。
請求項3に係る発明においては、ベースに固定して設けられている第2係止部には、フック付勢部材の係止端のみならずポール付勢部材の係止端も係止することができるので、省スペースとして装置の小型化を図ることができる。
請求項5に係る発明においては、ロック時にカム部材の係合部がカム付勢部材によりフックの被係合部と係合して、フックのロック解除方向の回動を阻止する。さらに、カム部材の係合部がカム付勢部材によりフックの被係合部をロック方向に押圧するので、フックとベースに挟み込まれたストライカのガタツキを抑制したロック状態を維持することができる。
この車両用シートのロック装置1(以下、ロック装置1とする。)は、図1に示す自動車の後部シート10に搭載される装置であり、ロック装置1がロック状態のときは実線で示すように背もたれ(移動体)11は車両内部の側面(固定体)に固定可能であり、ロック装置1がロック解除状態のときは二点鎖線で示すように背もたれ11はシートクッション12側に傾倒可能である。このロック装置1は、後部シート10の背もたれ11の側面にベース21が固定され、背もたれ11が起こされている状態のベース21に相対する位置の車両内部の側面にストライカ23が固定されている。そして、ベース21およびサブベース22側に取り付けられているレバー24を押すことによりロック状態が解除され、後部シート10の背もたれ11をシートクッション12側に傾倒できる。
ベース21のベース溝部213に対し右上側には、フック25および第2リンク32を回動自在に支承するフック回動軸(第1の回動軸)214が突設されている。ベース21のベース溝部213に対し左側には、ポール26を回動自在に支承するポール回動軸(第2の回動軸)215が突設されている。ベース21のポール回動軸215に対し上側には、プレート27を回動自在に支承するプレート回動軸(第4の回動軸)216が突設されている。また、フランジ部211の左角部には、切り込みが入れられて下向きに折り曲げられ、ポールばね34の一端が係止されるポールばね係止部217が形成されている。
また、フック25がロック位置に位置しているときは、凹部253にポール26のフック当接部261が入り込んでいるので、フック25のロック解除方向Bの回動は、凹部253の上側面253bがフック当接部261の上側面261aと当接することにより規制される。さらに、プレート係合部256にプレート27のフック係合部271が係合して押圧しているので、フック25はロック解除方向Bの回動が阻止されると共に、ストライカ23はフック溝部251とベース溝部213との間に隙間無く挟み込まれてガタツキを抑制したロック状態が維持される。
また、フック25は、フックばね33により回動付勢されている。このフックばね33は、詳細は後述するが、ターンオーバースプリングとして機能するものであり、フックばね33の一方の係止端33aが係止されているフックばね係止穴255の位置により、フック25に対する回動付勢方向をロック解除方向B又はロック方向Aに切り換えることができる。
ピン溝穴273には、ピン265が当接してプレート27を係合方向とは逆方向に回動する壁部273cと、壁部273cに開口し、フック係合面271がプレート係合部256から離脱した状態を維持するためにピン265が係入するピン係入溝273aと、ポール26の係合方向の回動によりピン265がピン係入溝273aから離脱したとき、プレート27の時計回り方向の回動を許容するピン解放部273bとが形成されている。プレートばね係合溝穴274は、プレート27をプレートばね35のばね力により係合方向に回動するために、プレート27の係合方向の回動に連れてプレートばね35の一端が右方に移動可能なように形成されている。
まず、図4(A)に示すロック解除状態のロック装置1について説明する。フック25は、右下側面がベース21の折り曲げ部212の右側面212aに当接してロック解除方向Bの回動が規制されたロック解除位置にあり、フック溝部251の開口がベース溝部213の開口側に位置し、待ち受け部257がベース溝部213の幅方向において略中心に位置している。このとき、フックばね係止穴255は、ピン321とフック回動軸214を通る直線Lより左側のロック解除方向付勢領域に位置しているので、フックばね33は、フック25をロック解除方向Bに回動付勢してロック方向Aへの回動を規制している。これにより、フック25はロック解除位置に位置決め固定される。
まず、図8(A)に示すロック解除状態のロック装置2について説明する。フック25は、右下側面がベース21の折り曲げ部212の右側面212aに当接してロック解除方向Bの回動が規制されたロック解除位置にあり、フック溝部251の開口がベース溝部213の開口側に位置し、待ち受け部257がベース溝部213の幅方向において略中心に位置している。このとき、フックばね係止穴255は、係止ピン218とフック回動軸214を通る直線Llより左側のロック解除方向付勢領域に位置しているので、フックばね33は、フック25をロック解除方向Bに回動付勢してロック方向Aへの回動を規制している。これにより、フック25はロック解除位置に位置決め固定される。
そして、ポール26がポールばね34により回動付勢されてポール26のフック当接部261がフック25の凹部253と対向するようにしているので、これによってもフック25はロック解除方向Bの回動を規制される。
また、第2の実施の形態のロック装置2によれば、ベース21に固定して設けられている係止ピン218には、フックばね33の係止端33bのみならずポールばね34の係止端も係止することができるので、省スペースとして装置の小型化を図ることができる。
Claims (5)
- 固定体および移動体の一方に固定され、該固定体および該移動体の他方に固定されたストライカが入出可能なベース溝部が形成されたベースと、
前記ベース溝部に係入された前記ストライカが係脱可能なフック溝部が形成され、前記ベースに第1の回動軸によって回動自在に支承され、前記フック溝部に前記ストライカが係入されていないロック解除位置と前記ストライカが前記フック溝部に係入されて前記フック溝部から離脱できないロック位置との間を回動可能なフックと、
前記ベースに第2の回動軸によって回動自在に支承され、前記ロック位置にある前記フックの被当接部に当接可能な当接部が形成され、該当接部が前記フックの被当接部に当接することにより、前記フックの前記ロック位置から前記ロック解除方向の回動を規制し、前記当接部が前記フックの被当接部から離脱することにより、前記フックの前記ロック位置から前記ロック解除方向の回動を許容するポールと、
前記ポールの当接部が前記フックの被当接部に当接する方向に前記ポールを回動付勢するポール付勢部材と、
前記フックを回動付勢するとともに、該回動付勢方向を、前記ストライカをロックする方向および該ロックを解除する方向に切換可能であり、かつ2つの係止端を有するフック付勢部材と、
前記フックに形成され前記フック付勢部材の一方の係止端が係止された第1係止部と、
前記第1の回動軸に対して前記第1係止部より外側に位置しかつ前記フック付勢部材の他方の係止端が係止された第2係止部と、
前記第2係止部が固定されかつ前記第1係止部と前記第1の回動軸を通る直線に対して相対移動可能な固定部を備えた係止部移動機構と、を有し、
前記フック付勢部材の一方の係止端が係止されている前記第1係止部が、前記第2係止部と前記第1の回動軸を通る直線より一方側のロック方向付勢領域に位置している場合には、前記フック付勢手段は前記フックを前記ロック方向に回動付勢し、前記第1係止部が、前記直線より他方側のロック解除方向付勢領域に位置している場合には、前記フック付勢手段は前記フックを前記ロック解除方向に回動付勢し、
前記ポールの当接部が前記フックの被当接部に当接する方向に回動する動作に連動して、前記固定部を、該固定部と前記第1の回動軸を通る直線が前記ロック解除方向に回動されて前記第2係止部が前記ロック方向付勢領域に位置するように移動し、前記ポールの当接部が前記フックの被当接部から離脱する方向に回動する動作に連動して、前記固定部を、該固定部と前記第1の回動軸を通る直線が前記ロック方向に回動されて前記第2係止部が前記ロック解除方向付勢領域に位置するように移動することを特徴とする車両用シートのロック装置。 - 請求項1において、前記フック付勢部材は、ターンオーバースプリングであることを特徴とする車両用シートのロック装置。
- 請求項1又は2において、前記第2係止部は、前記ベースに固定して設けられていることを特徴とする車両用シートのロック装置。
- 請求項1〜3の何れか一項において、前記係止部移動機構は、一端部が前記ポールに第3の回動軸によって回動自在に支承された第1リンク部材と、一端部が前記第1リンク部材の他端部に回動自在に連結され、他端部に前記固定部が設けられ、前記一端部と前記他端部との間にて前記フックの第1の回動軸に回動自在に支承された第2リンク部材と、から構成されたことを特徴とする車両用シートのロック装置。
- 請求項1〜4の何れか一項において、前記ベースに第4の回動軸によって回動自在に支承され、前記ロック位置にある前記フックの被係合部と係脱可能な係合部が形成され、前記ポールの当接部が前記フックの被当接部に当接する方向に回動する動作に追従して前記係合部が前記ロック位置にある前記フックの被係合部と係合し、前記フックの前記ロック位置から前記ロック解除方向の回動を阻止し、前記ポールの当接部が前記フックの被当接部から離脱する方向に回動する動作に追従して前記係合部が前記ロック位置にある前記フックの被係合部から離脱し、前記フックの前記ロック位置から前記ロック解除方向の回動を許容するカム部材と、
前記係合部が前記フックの被係合部を押圧する方向に前記カム部材を回動付勢するカム付勢部材と、を更に有することを特徴とする車両用シートのロック装置。
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