JP4952310B2 - ロック装置 - Google Patents
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フックは、ベースプレートの凹部との間でストライカーを挟持したロック状態、あるいはストライカーを解放したアンロック状態を形成する。ポールは、フックに係合することによって該フックをロック状態に保持する。追い込み部材は、追い込みスプリングの付勢力に基づき、ロック状態のストライカーに押圧力を付与してロック機構側とストライカー側との間のガタを詰めるように機能する。また、追い込み部材にはロック解除の操作力を受ける解除レバー部が一体に形成され、この解除レバー部に操作力が入力されることによって追い込み部材がストライカーに対する押圧力を解放する方向へ回転する。
第1の発明は、互いに係止される二部材の一方に設けられたロック機構と、二部材の他方に設けられたストライカーとからなるロック装置であって、ロック機構はベースプレートと、フックと、ポールと、ロックスプリングと、追い込み部材と、追い込みスプリングと、解除レバーとを備えている。
ベースプレートは、ストライカーを受け入れ可能な凹部を有する。フックは、ベースプレートに回転可能に軸支され、この回転によりベースプレートの凹部との間でストライカーを挟持したロック状態、あるいはストライカーから離れたアンロック状態を形成する。ポールは、ベースプレートに軸支され、フックに対して係合可能な位置に回転することにより、フックをロック状態に保持する。ロックスプリングは、フックおよびポールをロック状態またはアンロック状態のいずれかで安定させるように付勢する。追い込み部材は、ベースプレートに軸支され、ロック状態においてストライカーに押圧力を付与する追い込み位置に回転可能である。追い込みスプリングは、追い込み部材を追い込み位置に向かう回転方向へ付勢する。解除レバーは、ベースプレートに軸支され、ロック解除の操作力を受けて回転することにより、追い込み部材に当接して追い込み位置から復帰する方向へ追い込み部材を回転させる。
解除レバーにおいて、その回転軸心からロック解除の操作力の入力点までの距離よりも同じく回転軸心から追い込み部材との当接点までの距離の方が大きく設定されている。
この構成により、ロック状態でストライカーから追い込み部材に作用する反力は、ベースプレートに固定された支持軸で受けられ、追い込み部材に作用する反力によってフックの回転に支障をきたすことが解消される。
図1は、車両用の格納式シートを表した側面図である。図1で示すシートは、例えば三人掛け用のリヤシートであり、この形式のシートを格納するには、最初にリクライニング装置13を操作し、シートクッション10側へシートバック12を倒し込む。これと併行して、シートクッション10のリヤ側下部とフロア14側とを結合しているロック装置Lのロック解除操作を行う。この後、シートクッション10を、そのフロント側端部を支点として回転させ、シート全体をフロントシート(図示省略)の背面に立てかける。
そのための構造として、シートクッション10(クッションフレーム)のフロント端部は、フロア14に固定されたヒンジブラケット16に対し、ヒンジピン18によって連結されている。ロック装置Lの構成は、シートクッション10(クッションフレーム)のリヤ側下部(二部材の一方)に設けられたロック機構20と、フロア14(二部材の他方)に固定されたストライカー70とに大別される。なお、ヒンジブラケット16およびヒンジピン18による連結構造およびロック装置Lは、シートクッション10の両サイドにそれぞれ配置される。
これらの図面で示されているロック機構20は、二枚一組のベースプレート21,22、フック30、ポール40、解除レバー50および追い込み部材60を主体として構成されている。
二枚のベースプレート21,22は、相互間に所定の間隔を確保した状態で結合され(図4)、それらの間にフック30、ポール40および追い込み部材60が挟み込まれた状態で組み付けられている。そして、両ベースプレート21,22がシートクッション10(クッションフレーム)に装着される(図1)。なお、図2および図3では、紙面の手前側に位置するベースプレート21を取り除いた状態が示されている。
図4において上側に位置するベースプレート21は、その右側の縁部が部分的に切り込まれた形状のバネ掛け部25備えている。同じく、このベースプレート21における右寄りの箇所には、所定の範囲で円弧状に延びる貫通孔26が開けられている。この貫通孔26は、ポール40および解除レバー50を回転可能に支持している支持軸46の軸心を中心とした円弧状に設定されている。
なお、ロック操作時におけるフック30とストライカー70との金属接触による異音発生を防止するために、フック凹部31の縁部に対しても樹脂コーティングを施す場合もある。
解除レバー50は、一方のベースプレート21の外側に位置し、その基端部が支持軸46の端部に固定されている(図4)。解除レバー50の先端部は、U形状に折り返されたケーブル結合部52となっている。このケーブル結合部52の結合孔52aには、ロック機構20にロック解除の操作力(引っ張り力)を伝える操作ケーブルCのインナーケーブルC1端部が結合される(図1)。したがって、ロック解除の操作によって操作ケーブルCのインナーケーブルC1が引っ張られると、解除レバー50が支持軸46を通じてとポール40と共に回転する。なお、解除レバー50において、ケーブル結合部52の結合孔52aの中心点が、本発明における「操作力の入力点」に相当する。
図5において、解除レバー50の回転軸心を軸孔51の中心とし、ロック解除操作の入力点を結合孔52aの中心とし、追い込み部材60における当接アーム部64との当接点を当接ピン56の軸心と仮定する。そして、軸孔51の中心から結合孔52aの中心までの距離をS1とし、同じく軸孔51の中心から当接ピン56の軸心までの距離をS2としたとき、これらの関係は(S1<S2)に設定されている。これらの距離S1,S2の差(レバー比)により、ロック解除の操作時における解除レバー50のケーブル結合部52は小さい回転角度であっても、当接ピン56は大きな回転角度となる。
ロック機構20は、図2で示すアンロック状態にあるものとする。このアンロック状態においては、既に述べたようにロックスプリング58の弾性力に基づき、フック30が支持軸38の軸心回りに図面で反時計回り方向へ付勢され、同時にポール40は支持軸46の軸心回りに時計回り方向へ付勢されている。また、追い込み部材60は追い込みスプリング68の弾性力により、支持軸38の軸心回りに反時計回り方向へ付勢されている。この状態において、ポール40はフック30の受け面34に当接することで、ロックスプリング58の付勢力が受け止められ、ポール40の回転位置が規制されている。また、ポール40と同じ支持軸46に固定されている解除レバー50の回転位置も決定されている。一方、追い込み部材60は、その当接アーム部64が解除レバー50の当接ピン56に当接しており、これによって追い込みスプリング68の付勢力が受け止められている。
フック30が図3で示すロック状態まで回転したとき、ロックスプリング58の付勢力を受けているポール40はフック30の受け面34から外れ、その係止端面42がフック30の係合面32に当接した状態まで時計回り方向へ回転する。これにより、フック30が図3の回転位置でロックされ、ロック機構20がロック状態に保持される。また、ポール40と共に解除レバー50が時計回り方向へ回転することにより、そのアーム部54が図3の位置まで回転する。これによって追い込みスプリング68の付勢力を受けている追い込み部材60が、アーム部54の当接ピン56に追従して時計回り方向へ回転する。つまり、追い込み部材60が追い込み位置に向かって回転し、その接触面62がストライカー70に接触する。そして、追い込みスプリング68の付勢力に基づき、追い込み部材60がストライカー70をフック30の逆方向から押圧する。この結果、ストライカー70は、ベースプレート21,22の凹部23と、フック30のフック凹部31と、追い込み部材60の接触面62との三点で強く挟持され、ロック機構20とストライカー70とがガタつきなく結合される。
また、ロック機構20のロック状態において、ストライカー70は追い込みスプリング68の付勢力を受けている追い込み部材60によってフック30とは逆方向、つまりベースプレート21,22の凹部23から押し出す方向へ押圧されている。このため、ロック状態においても、凹部23とストライカー70とが互いに強く押し付け合うことが回避される。これにより、ベースプレート21,22の樹脂コーティング24がストライカー70との接触によって剥がれることは少なく、その耐久性が高まる。
ロック解除のための操作により、図1で示す操作ケーブルCのインナーケーブルC1を通じて解除レバー50のケーブル結合部52が図3の左方向へ引っ張られる。これによって解除レバー50およびポール40が、ロックスプリング58の付勢力に抗して支持軸46の軸心回りに反時計回り方向へ回転操作される。ポール40の回転により、その係止端面42がフック30の係合面32から外れ、フック30がロックスプリング58の付勢力によって図2の状態に回転する。これによってフック30のフック凹部31とストライカー70との係合が解除されるとともに、ポール40はフック30の受け面34に当接した図2の状態に保持される。
これと並行して解除レバー50の反時計回り方向への回転により、そのアーム部54が図3の位置から図2の位置まで移動する。この結果、アーム部54の当接ピン56によって追い込み部材60の当接アーム部64が押され、追い込み部材60が追い込みスプリング68の付勢力に抗して追い込み位置から図2の復帰位置まで回転する。したがって、追い込み部材60の接触面62がストライカー70から離れ、追い込みスプリング68の付勢力に基づくストライカー70への押圧力が解放される。
また、ベースプレート21,22の樹脂コーティング26あるいはフック30に対して施される樹脂コーティング(図示省略)については、ロック操作時の金属接触による異音発生を解消するのに有効である反面、塑性変形や摩耗が生じやすい。しかしながら、ロック機構20とストライカー70との間におけるガタの吸収代を増大させることで、難なく樹脂コーティング26等を採用することが可能となる。
例えば本実施の形態では、ロック機構20およびストライカー70が個別に設けられる二部材として、格納式シートのシートクッション10およびフロア14を例にとって説明したが、ロック装置Lによるロックおよびアンロックを必要とする二部材であれば、その他の部材であってもよい。
10 シートクッション(二部材の一方)
14 フロア(二部材の他方)
20 ロック機構
22 ベースプレート
23 凹部
30 フック
40 ポール
50 解除レバー
58 ロックスプリング
60 追い込み部材
78 追い込みスプリング
70 ストライカー
Claims (2)
- 互いに係止される二部材の一方に設けられたロック機構と、二部材の他方に設けられたストライカーとからなるロック装置であって、
ロック機構は、ストライカーを受け入れ可能な凹部を有するベースプレートと、
このベースプレートに回転可能に軸支され、この回転によりベースプレートの凹部との間でストライカーを挟持したロック状態、あるいはストライカーから離れたアンロック状態を形成するフックと、
ベースプレートに軸支され、フックに対して係合可能な位置に回転することにより、フックをロック状態に保持するポールと、
フックおよびポールをロック状態またはアンロック状態のいずれかで安定させるように付勢するロックスプリングと、
ベースプレートに軸支され、ロック状態においてストライカーに押圧力を付与する追い込み位置に回転可能な追い込み部材と、
追い込み部材を追い込み位置に向かう回転方向へ付勢する追い込みスプリングと、
ベースプレートに軸支され、ロック解除の操作力を受けて回転することにより、追い込み部材に当接して追い込み位置から復帰する方向へ追い込み部材を回転させる解除レバーとを備え、
解除レバーにおいて、その回転軸心からロック解除の操作力の入力点までの距離よりも同じく回転軸心から追い込み部材との当接点までの距離の方が大きく設定されているロック装置。 - 請求項1に記載されたロック装置であって、
フックはベースプレートに固定された支持軸に対して回転可能に支持され、この支持軸に追い込み部材が回転可能に支持されているロック装置。
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